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フェリシアは渡辺 あゆに投票を委任しています。
アーチャー II.Mehmetは渡辺 あゆに投票を委任しています。
クリスティーナ 鳳は渡辺 あゆに投票を委任しています。
セイバー ゲオルギウスは渡辺 あゆに投票を委任しようとしましたが、解決不能でした。
キャスター ソロモンは渡辺 あゆに投票を委任しています。
鳥野 偽一は渡辺 あゆに投票を委任しています。
アサシン イスカリオテのユダは渡辺 あゆに投票を委任しています。
ビンセント バンゴッホは渡辺 あゆに投票を委任しています。
バーサーカー 茨木は渡辺 あゆに投票を委任しています。
渡辺 あゆ は セイバー ゲオルギウス に投票した。
フェリシア は セイバー ゲオルギウス に投票した。
アーチャー II.Mehmet は セイバー ゲオルギウス に投票した。
クリスティーナ 鳳 は セイバー ゲオルギウス に投票した。
セイバー ゲオルギウス は バーサーカー 茨木 に投票した。(ランダム投票)
アンネリーゼ ヤーネフェルト は セイバー ゲオルギウス に投票した。
キャスター ソロモン は セイバー ゲオルギウス に投票した。
鳥野 偽一 は セイバー ゲオルギウス に投票した。
アサシン イスカリオテのユダ は セイバー ゲオルギウス に投票した。
ビンセント バンゴッホ は セイバー ゲオルギウス に投票した。
バーサーカー 茨木 は セイバー ゲオルギウス に投票した。
セイバー ゲオルギウス に 10人が投票した。
バーサーカー 茨木 に 1人が投票した。
セイバー ゲオルギウス は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、クリスティーナ 鳳 が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、渡辺 あゆ、フェリシア、アーチャー II.Mehmet、アンネリーゼ ヤーネフェルト、キャスター ソロモン、鳥野 偽一、アサシン イスカリオテのユダ、ビンセント バンゴッホ、バーサーカー 茨木 の 9 名。
投票を委任します。
アーチャー II.Mehmetは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
―東区/ラウラ工房・居間―
[弔いの砲を打ち上げた後、屋敷へ帰参した。
窓の外は白みから明けた空。
孕んでいた夜を上塗りするように、仮初の日常が戻ってくる。]
ただいま帰ったのである。
――む。
[居間へ踏み込むと、気配が一つ揺れていた。
長椅子で、寝息に己を揺らす女一人。
その手には、使い古したらしい書が握られている。]
何をしておるのだ。そこは貴様の寝床では無いであろう。
[通り過ぎ、テラスへ向かおうとして――足を留めた。]
………
[女が起きる気配は無い。
皇帝は振り返り、ふうと一つ、息をついた。]
………
間違いだらけではあるが、よくぞ調べた。
吾々の足跡とは聊か異なるが
……別に、貴様の責ではないな。
[穏やかに眠るフェリシアに、赤の羽織をかける。
裸になった上半身。
陽に鈍く煌く鉄の鎧が、浮かび上がる。]
別に、貴様の事を認めた訳ではないが……。
………、
[浮かぶは賢者の言葉。
浮かぶは、己の背にかけられた幾度かの言葉。]
ふん。
こういうのは、慣れん。
[窓の向こう。白昼を目指す空に、昇った白銀の面影は見えない。
背後には、安寧と困惑とを身に宿す女魔術師。]
………
それ故に、"貴様等"の選択があまりにも気に食わんな。
[皇帝は、眠る女を置いて静かに部屋を後にした。]
[遠い彼方。
救い主が生まれたのだと
東方の三賢者 は 語った。
救い主。
新たなる王になるべき人。
聖なるかな、
聖なるかな、
讃えよ、主イエス]
[澱みにさざめく静かな音、
手を染める度に闇に染み入る。
聖人であればなおのこと、
天秤は大きく傾くよう。
盃に穢れ。
鬼がないている。]
―東区:廃墟宿泊施設―
[ソファに横になったまま、
ユダは身動ぎもせず在った。
指先にまで流れた血の色は乾いて鈍いいろ。
薄く開いた眼がそれを見て。
ゆるやかに、指先を曲げて握り込むと
ゆっくりと、瞼を下ろした。]
―東区:廃墟宿泊施設/朝―
[偽一は、施設の一室にある椅子の上で目を覚ました。
寝覚めとは思えぬ疲労感を自覚し、軽くうめき声を上げる。
この疲労は、硬い椅子の上で寝てしまった事だけが原因では無いだろう。]
英霊の電池も楽ではないな……。
[そう思い、昨夜の事に思いを馳せる。
結局、教会からの曖昧な回答は、偽一の抱く不安を解消させるものではなかった。
ユダが帰って来て報告を聞いた時、心をよぎったのは、生きていた安堵や勝利への賞賛、そしてユダへの怖れ。
いくつ物感情が渦巻いて、どれかに満たされる事は無く、どのような表情を浮かべれば良いか解らず、偽一はただ、「良きマスターが、戦果を得たサーヴァントに示す態度」を思い浮かべ、それを演じた。
「お手柄だよ、よくやってくれたね」と、笑顔を浮かべたのだ。]
[椅子から身を起こすと、目を閉じたままソファに横たわる、ユダの姿が目に入る。
そのまま、しばし沈黙していた偽一は、「お手柄だったね」と、改めて繰り返す。]
3割位は、本当の気持ちだよ。
[続けて、そう呟いた。]
…残りの7割は、
…“秘密”か?
[眼を閉じたまま尋ねる。
別に責めるでも、
詰るでも、
ましてや喜ぶでもなく。
呟く様に。]
残りの7割は「謎」だ。
謎の一部を公開するなら、「疲れさせやがって、この野郎」だ。
寝たふりとは人が悪いな。
……いや、本来サーヴァントは寝ないのだっけか。
[反応があったユダを適当に煙に巻く。]
…――
[く、 と小さく息零して
笑ったような気配。]
それが魔術師の役割だろ……
文句、 言うな。
[それからまた眼を閉じた]
さっき目が覚めた、…だけだ。
そうだな。…眠らない 本来は――
――意識を閉じたアサシンの前に現れたのは、男。
砲を携え、矢を射り、鉄の銃弾で地を穿つ錬鉄の英霊。
翻すは血色の旗。
"夢"でしかない虚妄の映像。
されど、男は"夢"を見るアサシンに気づき、そっと近づく。
そして――男は命じた。"脱げ"と。
アサシンは頷き、そっと己の纏うものを脱いだ。
男は、にやりと笑う。
顔は凡庸だが、中々に芸術的な肌ではないか――
[※ここまで全部皇帝の語りです。]
投票を委任します。
アサシン イスカリオテのユダは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
ふん。そう興奮するな。
気持ちは分かるが落ち着くのだ。
……まあ、なんだ。
辛気臭い波が此方まで伝わってきたのでな。
口を挟んでみたのだ。つい。うっかり。
世話を焼いている訳ではない。
というのは以前と同じ問答になる故、言わぬ。
そうであるな…。
強いて付け加えるのであれば。
在るはずがないという事と、在らぬという事は異なるものだ。
昨夜は随分と激しかったようだが
……貴様は確かに道を選び、歩んでいるというのに、
明確に貴様の波は暗くなった。
嘆いても構わん。憂いても構わん。
だが、貴様自身が選んだ道を、否定する事だけはするなよ。
――貴様の道も糧となった者も、貴様自身も、意義を失う。
己の道を己が信じずして、誰が信じると言うのだ。
皇帝たる吾くらいしかおるまい。
[自身たっぷりだった。]
否定なんか、しない。
それでは、意味が無い。
[こちら側に耳を傾ける。
ああ、これも寝たフリになるんだろうか。]
……。
別に 皇帝とか関係ないだろそれ…
[反発はしたくなる。]
何を言うか。
秩序も混沌も呑み込んでこそ皇帝よ。
[※皇帝の属性は中庸/混沌です。]
ゆえに皇帝は世の全てを背負う責務がある。
民草に選択する権利があるのと、同じようにな。
……吾からは聞かぬ。
道を歩むには背負いきれぬ、重きものがあるならば、
いつでも話せ。
背負ってやる。共に。
…。
[胡乱気に見た。ような気配。]
……共にだなんて よく、言う。
……そう言う 「皇帝」 が
もし 重い というものがあれば
他所には持っていけないんだろうな。
−青丹寺付近−
[昨日、直後に改めることはしなかった。
取り敢えずは新しく己の体にあった服を用意させ
杉林の洞窟に戻って夜を明かし、そして目覚めた。
いつものとおりに湧水で体を清め
そして新しい服に袖を通して再びこの場所へきた]
ここだ、止めろ。
[昨日の戦闘があった辺りに車を止めさせた。
ひらりと、腕のない白い袖が風に舞う]
―果樹園地帯・自宅/工房―
[ ――続く夢の中――
屈指の財閥であった有栖川。魔術師の家系であるけれど、薄れてゆく知識と血と回路…
それら全てを補う為の婚姻だったとしても、、
有栖川の狂気が始まるまでは、幸せだったはず…
有栖川が聖杯に狂い、次々と我が子を『杯』に代え
4人の子が息絶えた時に、ラウラも狂気に犯された。
気がつくと…有栖川が目の前で息絶えていた…
――――そして、一人。――――]
なんだ。いけないか。
希望であれ絶望であれ、世の全てを背負うなぞ
人の身に余っている。英霊の身にもな。
吾は皇帝である故、なんであろうと背負えるさ。
背負えぬものなどあってはいけぬのよ。
――仮に疲れたのだとしても
それは己が立つ糧とすべきであり、
民草に明かし、経緯を知らしめ、背負わせるものではない。
そのようなものは、奴等は求めはせぬからな。
皇帝の都合なぞ、民草にとっては何の関係もなかろう。
あらゆる求めに応えてこそ皇帝である。
名残があればと
[何故ここなのかと問う召喚者の声に短く答えた。
昨日ここで戦闘があったことは、間違いない。
足の裏を見せない歩き方は慣れていることの証拠だ]
流石に解らんか
[軽く肩を竦めた。
衝突の名残のようなものは残っているが、
見回した視線がふと一箇所で止まる]
…血だな
[目を凝らす。
そして、その後をついていくように歩き出した]
……。 だが
[昨夜の戦いを思った。
聖人と言われたゲオルギウスでさえ
己を目の前に怒りに剣を振るった。]
だが人間だろう
[それはただ――
そこからユダが
脱却出来ていないだけかもしれないが。]
「皇帝」も
因果な在り様だな…
[ ――真っ暗な絶望の中で眼が覚めた…
最悪の目覚め、思わず額に手をやると見慣れた赤の外套がソファーから落ちた。]
――…ふ、ん、風邪でも引かれたら困ると思うたか。
[拾い上げた外套の中から、子蜘蛛が「おはよう」とばかりに顔を覗かせる。
外套をハンガーに掛け、魔術書を大事そうに書棚に戻す。
手早く着替えを済ませ、簡単な朝食を取った。]
さて…我が皇帝殿は何処におるのか?
―東区/ラウラ工房・居間―
――ふむ。起きたか、リシア。
[皇帝は、鎧姿で現れた。
腕にはいっぱいの野菜を抱えている。]
して、本日はどうするのだ。
準備は万端である。早速仕掛けるのであれば応じるぞ。
[キッチンの扉を開きっぱなしにして、中へ。
氷室へ野菜を詰め込んでゆく。]
人であろうと人でなかろうと、民には関係が無い。
彼等には彼等の理想の"王"があり、統治を求める。
オスマンに於いては、偶々吾であったというだけの話。
ゆえに引き受けた。受
けねば面倒事も起きたであろうしな。
この世の人は、人ならざる人を越えた者に支配を求める。
路傍に花が生えるか生えぬか、という違いよ。
時にはそれを知る賢者も現れるであろう。
それでも、人は"王"を求めずにはいられぬのだ。
[血は点々と続いている。
追いかけているとその先は山のふもとで消えていた。
その場所では割合べったりと血が塗ったようにそこにある]
…死んだか、それとも
[しゃがみ込んで見下ろす。
それが英霊の血なのか人の血なのか
居合わせなかった隻腕には解らないのだが
解るのはここに人が、もしくは人の形をしたものが
暫く転がっていたということだ]
オスマン… 帝国。
お前の背負う国の名か。
[偽一に聞いた、
皇帝の背負っていた国旗を掲げていた国の名。
語るを聞いて、静かに。]
――…王を な
[小さく澱みが揺れた。]
違いない。
投票を委任します。
鳥野 偽一は、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
[野菜を腕に抱えて登場したメフメトに、ほんの少し目を細める。]
うむ、今日は先にギイチ達と話をしておきたいと思うておるのじゃが、携帯とやらを買わぬと連絡が取れぬのでの。
先に、駅前で買うてからじゃ。
[メフメトの手から胡瓜とトマトを数個取り上げると、鞄の中に仕舞う。二人は意気揚々と自宅を後にした。]
―東区/果樹園→―
ふむ。
感謝して敬え。
[血色の外套を受け取り、羽織らず肩にかける。
無駄に偉そうだった。]
……ケイタイ、な。
連絡を取るなら狼煙を上げるか、
待ち合わせの時と場を示せば良いと思うのであるが。
時代の理とは難しい。
知識としては与えられても理解は容易くなりはせぬな。
[思い返すは昨夜の単独斥候。
得た情報はあれど、皇帝の口から出る言葉は無い。
二つの形が、木漏れ日の中を行く。
昨日、ソロモンと王道を語り合い、銃を手渡した場所だ。]
―東区:宿泊施設廃墟―
[また、いくらか時間が経過した後だったろうか。
ユダは起き上がると、
血を流すために水場へ向かった。
水に溶けて赤茶けた血が膚を滑り
流れていくのを
髪から雫を滴らせながら見る。
落ちた影の色は随分と濃い。
掬い取れそうなくらい。]
[ユダは それ を睨んで。]
…「お前」の願いなど知らない。
ただおれは、おれの願いのために。
[呟く。
水場を後にした後、
此処に来てからの「普段着」に
すっかり着替えてテレビの置かれた部屋に現れる。
フェリシアから、
連絡はあったのだろうか。]
―果樹園付近→のらりくらりと埴駅―
そう言えば、そなた昨晩も斥候に出ておったようじゃの。
何か、変わったことはあったかの?
[毎朝目を通す新聞には、大きな事件や事故は載っていなかった。何面かの片隅に
『奇特な投資家か?先日の金座商店街の火災被害者に多額の寄付!!焼失家屋や休業補償まで至れり尽くせり…』
どうやら大きな戦闘は無かったように見えた。]
どうする、…
[教会に行けば保護されているものがあるかどうか
それぐらいは教えてくれるだろうとは聖盃の知識か。
車から随分離れてしまった召喚主を見て]
…なんだったか。
[主の名前をどうやら忘れているらしい]
[偽一は、椅子に座り、テレビを見つめている。]
セイバーのマスターは、かなりクリスティーナに似ている気がしてたんだが、ニュースを見る限りでは訃報や怪我をしたなんて話は、出てないな。
[となると、別人だったか、あるいは無事だったと言う事か。]
……ま、サーヴァントがいなくなれば、戦争継続は無理だろうし、これ以上気にかける必要は無いか。
[最も、どこかでマスターを失ったサーヴァントと契約した可能性はあるが、その線は薄く思えるし、また彼女が現れてから気にかければ良い。]
もし、彼女がクリスティーナなら、今までと変わらぬ調子で、強く生きていくのだろうな。
[彼女が他殺死体で発見されてたら、市内は今頃、取材陣やレポーターの類でごった返していたのだろうか。
その流れは、偽一の望むところでは無く、結果的に彼は安堵していた。]
―埴駅周辺・携帯ショップ―
[ショップに来たは良いが、何がなにやらさっぱり判らない。
メフメトは既に飽きてしまったようで、駅前広場のベンチで鳩と戯れていた。
考えて居ても埒があかぬ。と、店員を呼び説明を受けるが更にさっぱりだった。]
済まぬが電話を掛けるだけで良いのじゃ。一番シンプルでよい。
…はぁ?メール機能??そんなものはいらぬ。
なんと!?更に小一時間待たねばならぬとはのぅ…(ぐったり
[近くのファーストフード店でドリンクを二つ買い求め、
メフメトの隣に座りドリンクを勧める。
駅前広場のベンチに座る二人組。既に周りの好奇な眼には慣れてしまっているようだ。]
しかし、君も良くセイバーと渡り合えたものだ。
見た目が聖職者のようだったが、その辺が関係してるのかな。
[今のユダが存在する根幹には、キリストとの確執が大きな割合を占めている気がする。
ならば、その体現者との戦いにおいて敗れるのは、その存在を大きく揺るがすものであったのかもしれない。]
もしそうならば、昨夜と同じ強さを他者に求めると、言うのはやや危険かもしれないな。
[偽一はそう言うと、コーヒーを入れるために立ち上がった。**]
…セイバーの真名は
聖ゲオルギウス。
[珈琲を淹れに偽一が立った後、
その背に向け、謂った。]
お前の言うとおりだ、ギイチ。
おれの存在は、
あいつの冷静さを欠かせるに
十分すぎたようだ。
…まるで、ただの ひとだった。
[頬杖ついて、そんな風に続ける。
感情の発露。あのひとも、彼も。人間だ。そうだ。]
[クラスとしての性能は
あちらが優っているのは周知だろうが、
存在としての相性が最悪だった、そういうこと。]
だが、最初から
真っ向勝負を挑んだわけじゃない。
先にマスターを狙ったんだがな。
勘が鋭い。うまく行かなかった。
[背もたれに体重を預けて体を反らす。
ぎし、と小さく椅子がきしんだ。
珈琲カップが来れば、受け取って]
他では、たぶん、
こうは行かない。
[“最良”のサーヴァント、セイバーが己と相性が悪かったのは幸運だった、と言えるのだろうか。いや、酷い皮肉なのかもしれない。]
[淹れたコーヒーをユダの前へ差し出して、彼の言葉を聞く。
思わず、「ほう」と声が漏れた。]
ゲオルギウスか。そりゃ、随分な大物だ。
僕でも名を聞いた事がある。
……ただの、ひとだった。あのキリストと同じように……かい?
僕は彼の事を知らないけれど、もし人だったのなら気の毒な事だ。
何せ、腰布1枚で処刑された姿を、世界中でさらされているのだからね。
[そう言って椅子に座り、自分のコーヒーを飲む。]
……これを飲んだら出かけようか。
本当は、引き篭もっていたい所なんだが、他に動いたサーヴァントもいるかもしれないし、日々の情報集めは大切だ。
[コーヒーを飲み終えた頃、偽一はユダと中央区へと向かうだろう。**]
[ 小一時間経った頃… 腰を上げたリシアが再び携帯ショップへ
すぐに渡せばよいものを、使用方法についてまたあれやこれやと説明を受ける。
うんざりしながらも電話のかけ方を教えて貰い、ついでにギイチの電話番号も登録して貰った。]
やれやれ…魔術書の類は目を通せばすぐに頭に入るのじゃが、どうもこういった機械の類は苦手じゃのぅ。
[分厚い取り扱い説明書の入った紙袋から携帯だけを取りだし、先ほど登録したばかりの「ギイチ」の登録NOを押してみた。]
―東区→中央区へ―
そうなのか。
まあ、そんな雰囲気ではあったが、な。
[信仰を集める、存在の強さ。
推し量るに十分すぎる。
最期まで騎士であろうとした英霊。
続く言葉には瞬き1つ、
なんともいえぬ顔をして]
…処刑時の姿なんだからしかたないだろ。
[なぜか擁護。複雑な心中が現れたようだった。
出かけようという提案には頷く。
途中自身の右肩に触れたが、傷はもううっすら後を残すのみとなっていた。]
―中区/携帯ショップ周辺―
[蝶々を追っていると、いたはずの建物前から離れてしまった。
皇帝は周囲を見渡し、首を傾げている。]
はて。
吾は此処へ何をしに来たのであったか…。
[昼間の中心部は、様々な人種に溢れている。
中には、男なのに女の格好をしている者もいるようだ。]
………
[皇帝は首を傾げた。]
[再びショップを後にする。
既に受話器が斜めになった図柄がついたボタンを押すだけまでやって貰っていた。
ボタンを押すと呼び出し音、暫く後に聞き覚えの無い声で「此方留守番サービスです。」…]
もしもし…フェリシアじゃが…連絡が遅うなって済まぬの。
埴駅近くにおるが…近くの…(周りを見回し
『萬金楼』と言う店におる。共に相伴しようぞ。
では、待っておる。
[言い終えると電話を切った。伝言が無事に届いたか?など知る由もなく、、、]
―中央区・埴駅付近―
[サイドカーに乗り、ユダと共に埴駅付近についた偽一は、携帯電話を取り出した。
先ほどは運転中であったために取れなかったが、見知らぬ電話番号から、かかってきたようだ。]
まあ、そうは言っても心当たりは一つしかないか。
[偽一は、留守番電話サービスへとつなぎ、メッセージを確認すると、「萬金楼」へと向かった。]
そうなのだ。吾は皇帝でな…。
して、その「しつじきっさ」とやらは
この街の珍味を食させてくれるのであろうか?
[男装の女性はにこやかに「そうですよー」と
どこかへ案内をしようとしている。
皇帝はふむふむと頷きながら、ついていこうとしていた。]
いや何、貴様アサシンであろう?
となれば何か変装の手段が必要になる訳である。
いつまでもあの格好という訳にもいくまい。
斥候にしても奇襲にしても、一般人と見られる事が肝要よ。
ゆえに着てみぬか。
[皇帝は、ろんりてきだった。]
/*
このこうていなにをかんがえているのか
おれにはさっぱりわからない。
そして
ギイチの促し速攻ぱねえ
まだ そんな つかってないけど ありがとう
―中央区・埴駅付近→萬金楼―
[フードに手をかけながら、
ユダはちょっとだけあたりを見回した。]
……。
[少し眉を寄せてから]
なんだ、連絡か?
[かすかに聞こえる電話口に少し耳を寄せ。
偽一と共に萬金楼へ向かう。]
…いや、たしかにおれはアサシンだが
変装?いや、その。
[まあ確かにそれには一利ないわけではない。
フードを被った格好は服を変えつつも
ずっと似たシルエットなわけで。]
…
でもだからって何で女の!
[ツッコミ。]
―中央区・萬金楼―
[偽一は、ユダと共に「萬金楼」へ入ると、フェリシアたちの座っている席を目に留める。]
やあやあ、お待たせしちゃったかな。
[朗らかに笑いつつ、2人の方へと近づくと、開いてる席へと腰掛けた。]
―中央区・埴駅付近・「萬金楼」―
[メフメト共に店に入ると昼前の為か中は閑散としていた。
用心のため奥の個室を頼み案内されると、程なくしてギイチ達が案内されてきたようだ。
共に席に着き、適当な料理を頼むと給仕が下がっていった。]
呼び立ててすまぬの。
さて、昨日はゆっくり話せなんだが…まずは、情報交換をしたいと思っておる。
そなたが先に協定を申し出たのだから、先に情報を教えるのが筋じゃと思うがどうか?
[先に出された中国茶を一口飲むと、探るようにギイチの顔を見た。]
いや、先ほど男物の服を着た女性や
女物の服を着た男性が街を練り歩いていた。
ゆえに吾は悟った。
この街での"普通"とは、ああいうものをいうのだと。
ゆえに着るのだ。
―中央区・萬金楼―
[大人しく縄、もとい席についていると二人組の姿。
片方がフードを脱ぐと、皇帝は一瞥をくれた。]
昨日振りである。
[挨拶。
個室。
まるで伝説に聞いた"ミアイ"のようだと皇帝は思った。
中国茶をずず、と啜る。]
―北区・ホテルの一室―
[クリスティーナを無事教会に届け、ホテルへと戻ってきた。
またもや龍脈への施術を施せないまま夜が明けて行く]
・・・・・・
[情報の整理の時間。
生前から続く、王の沈黙。
気になる事は2つ]
…ああ。
[どこまでも目立つ皇帝の方を
ユダはなぜか胡乱気に、半眼で、見た。
出された中国茶の香りが珍しいのか
ゆらり、と器を揺らす。]
ミアイ?
[怪訝そうに繰り返す。
情報を、と言う言葉には偽一へと視線を向けた。]
は。
…あ?え?
[男物、女物。そんなことを謂われても。]
まて、なにか。論法がおかしい。
それは本当に一般的なのか。
[まず一つ目。
セイバーが敗北した事についてだ。
アンネリーゼの話を纏めると
”クリスティーナはセイバーと戦っている相手がアサシンであると認識していた”
事になる。
馬鹿な、アサシンがセイバー相手に勝利をおさめる事が出来るとすれば、それはあくまで不意打ちでしかない。
しかし、先の話が真実ならば・・・・・・アサシンはセイバーと正面からぶつかり勝利した事になる。
それが、まさに案山子のようなセイバーであれば話は別だ。だがあのセイバーの実力は本物だった。
それ以上の相手だとれば、脅威以外の何者でもない。
セイバーよりも実力が上で、なおかつ暗殺者としての強襲も可能なサーヴァント。最悪を通り越して、最低でしかない]
確かほぼ同時じゃなかったかな?
相思相愛だーなんて言ってたのに、これだもの。いやー女の子って怖いなー。
[笑顔でそう言いつつ、しばし考える。]
そうだな、セイバーの真名なんてどうだい?
[しれっと、そう口に出した。]
[うっかり何かを受信してしまったアサシンに
顔を上げるも、それ以上を追求する事はなかった。
中国茶の入った湯吞みをもう一口飲み、口を開こうとした所で
偽一の言葉に一瞥を向けた。]
……ふむ。
もしやセイバー、とは
昨夜散った英霊の事であるか。
[静かに問いかけた。]
うむ。
吾が言うのだから間違いは無い。
……不安であるならここには二人も常識人(マスター)がいる。
聞いてみるのはどうであるか?
[皇帝は、提案をした。]
最も戦いたくない相手が、残っているという事か。
場合によっては、アーチャーと協力する必要もあるかもしれぬ。
[まだ見ぬ女性の英霊も気にはなるが、眼前の脅威には適切に対応せねばなるまい。
そして、もう一つ。
令呪の効果だ]
投票を委任します。
キャスター ソロモンは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
……。
……まあ。
現代に生きているマスターなら
確かに確実だろうが。
というかおれが聞くのか。それ。
[嫌そうだった]
うむ。ほかでもない貴様の問題である。
聞いてみるのだ。
何心配するな。吾がついているぞ。
[女装と一般人について。
二人は哲学的命題について語り合っていた。]
[ふふん…と、鼻を鳴らし。 はて、そうだったかのぅ?
と嘯くも、
セイバーの真名の言葉に思わず身を乗り出す!]
なんとっ!そなた達セイバーとやり合ったのか?
では、此方はライダーの真名と引き替えじゃ。
後は、他の英霊達の情報も明かしあおうぞ。どうじゃ?
[キャスターの情報は元から出す気は無かった。]
/*
キャスター→協力←アーチャー
│ ↑
│ 協力?
│ ↓
└敵対?警戒→アサシン
バーサーカー(謎)
ひどいみつどもえだな。
[ソロモンの指輪。
この宝具の真名を発動する事で、魔神の本来の力を可能な限り取り戻させようとしている。
無論これに裂かれる魔力も膨大だが、本音を言えばぶっつけ本番を覚悟していた。
しかし、先ほどフェニックスは”姿を取り戻した”。
だがあれ程単純かつ限定的な命令でも長続きもしなければフェニックス自体の疲弊も重い。
少なくともフェニックスは今指輪の中で眠りについている。
暫くすれば目覚めるとは思うが、裏をかえせば令呪なしに彼らの真の力を引き出せば早々に滅びる、という事だ]
[令呪はあと2画。安定して使えて1度、しかも”アサシンを倒せ”程度の緩い命令であればその真価を発揮する事は難しい。
ならば、宝具の真名を発動させつつ、かつ長時間彼らの力を行使する方法はないだろうか]
・・・・・・ 出来るかどうかは判らぬが。
[方法が無いわけではない。
ソロモン自身も72柱の魔神から魔術という形式を取って少しずつ力を借りている。
これを真名発動に組み込めば。
しかし、それは逆に多大な負担を自身に掛ける事になる。
場合によっては、ソロモンの霊核が破壊される事もありうる。]
しかし、方法を選ぶ余裕は無いな。
/*
情報整理
・アサシンチーム
既知)
セイバーの真名、キャスターの真名(確信に近い推測)
アーチャーはオスマンの人っぽい
・キャスターチーム
既知)アサシンの真名、セイバーの真名、アーチャーの真名
・アーチャーチーム
既知)キャスターの真名(本人に聞いた)、
アサシンがアサシンであるということ
バーサーカーとの邂逅
・バーサーカーチーム
既知)酒呑童子について
お前についているといわれると
[多分このときに限ってだろうか?]
不安要素しか浮かんでこないのだが
何故だ。
不安というのは未知への好奇と惧れであるからな。
吾にではなく、現代という未知へ感じるものがあるのであろう。
しかし吾々は現代に適応せねばなるまい。
いつまでも利器と理を上手く使いこなせないようでは
戦には勝利できぬからな。
[少女の言葉には肯定も否定もせず、]
あれ、セイバーって昨夜散ったんだ。
じゃあ、この情報は意味無いかな。
[と、言った。]
……ふーむ、それじゃ、気位高そうな英霊の真名なんてどうだろう。
こちらの方はそうだな……まだ会ってないサーヴァントの情報が欲しいから、英霊の情報を明かし合うのは良いかもね。
[偽一は、少女はともかく、皇帝の方から多少厄介な匂いを感じ取った。考えてみれば奔放に行動しているのだから、意外と色々な事を知っているのかもしれない。
小細工は控えた方が良さそうだと+考える。+]
[光り輝く魔術書が2冊。
左手には、知恵の書とも言うべき”ラジエルの書”。
右手には、彼の魔術の全てを封じた”ソロモンの鍵”。
左手より知恵を得、右手より新たな魔術を生み出す。
ラジエルの書は、先ほどから特定のページを開いていた。
昨日フェリシアと出会ったときに知恵を得た、セイズ巫術の項目だった。
そしてソロモンの鍵の真っ白なページに、新たな魔方陣の紋様が浮かび上がる]
まさか、英霊になってから新たな魔術を構成する事になるとはな。
[そしてラジエルの書は消え、ソロモンの鍵もぱたんと閉じる]
…………ふむ。
正体までは知らんが、な。
[偽一の言葉には、それだけを返した。
天へ昇る白銀。似た輝きを持つ聖人には、心当たりがある。
さりとて、今は亡き者の真名を知る事は
知りたいかどうかはともかく、今は必要でないように思えた。]
―――フ。
中々、面白い男である。
[呟き、後の進行はフェリシアに委ね、茶を啜った。
……中身が無い。皇帝は湯のみを置いた。]
―中央区・埴駅付近・「萬金楼」個室―
[テーブルにはとりどりの点心が並んでいる。
それを尻目に少女と皇帝を見、
それから瞼を半分降ろした目で
皇帝の方を睨むように見た。
続いて情報が羅列されるならそのひとつひとつを
確かめるように視線でなぞるだろう。]
……
[なにか言いくるめられているような気がするが。]
今言い出すのはどう考えても場違いだ。
[ユダは常識人でした。]
…もっと他のことから適応すべきじゃないのか…
―…とにもかくにも最強と歌われた「セイバー」が消えたのは有利ではあるのぅ…
[ギイチの言葉には同意であると頷いて見せて]
気位の高そうな英霊か…の?
心当たりがありそうではあるが、アサシンの情報では役に立たんぞ?
替わりと言っては何だが、
[一呼吸置いて茶を啜り]
そこ青年のクラスが知りたいのぅ。
[大法螺吹きつつジョーカーを出してみた。]
さすがに、こちらの役職はちょっとね。
[偽一は、大仰に肩をすくめた。]
まあ、時間はあるし、飯も来るのだろう?
それを食べながら、折り合える範囲で、提示できるものを出しあおうか。
[そう言って、笑顔を+湛えた。+]
う、………む。
[何か続けていいくるめようとして
フェリシアの言葉に思念がせき止められた。]
………
まだわかっていなかったのか、吾がマスターは。
[フード姿に怪しげな装い。
いろいろと露呈しているの思うのだが、と皇帝は嘆いた。]
ほう。それは愉快な試みであるな。
[フェリシアがメモに記しだすと、皇帝も続いた。]
吾も吾も。
[横から、ペンの順番を待っている。
フェリシアが書き終われば、続けて自分も書く。++]
……。
[なんとも謂えぬ空気。
怪しいというのはつまり前もっての
色眼鏡で見ているのも非常に大きい場合がある。
何せこの澱みで思念も伝わるのであればこそ。]
――知りうる情報は
同一ではないということだ。
なぁ、“皇帝”。
屋根の上で狙っていたのはお前だったろ?
なら、アーチャーか。
[肩をすくめるギイチに、残念そうに]
近頃のおぢさんはケチじゃのぅ。
飯か、人払いをしてある故呼べばすぐ持ってくるじゃろ。
[テーブルにあった呼び鈴を押すとすぐに給仕が現れ
飯と漬け物、水菓子もテーブルを彩った。++]
…?
[書くのはマスターだけだと思っていた。
ら、なぜか皇帝まで何事か書き始めた。
ユダ一人だけが茶を飲んでいる。]
……。
[ちょっと困っていた。]
ちょっと待てお前今何書いて
[一瞬何かが見えた。
何か。なんというかその。
見ないほうがよかったかもしれないもの。]
/*
見ちゃったよwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
(リアルタイムで見ました)
女装ってどういうこt
[皇帝のメモは、よく見る前に破られてしまった。
仕方なくフェリシアのメモを見て、偽一は言葉を漏らす。]
隻腕の女英霊、物の怪と化したマスターは知らなかったな……。
消去法で考えると、隻腕と物の怪がペアの可能性が高いのかな。
そんな人外めいたものが闊歩してるんじゃ、埴市の人たちも気の毒としか言い様がないよ。
何故か大学も破壊されていたしね。
[そして、茶を一口すする。]
……。………。
[メモのことを忘れようと
とりあえず茶を呷る。]
ああ、見たことがないな。
しかし、物の怪って…。妙に厄介そうな。
[偽一とフェリシアを交互に見る。
彼らは少なくとも見て人間の形から
逸脱はしていないのに。]
む。
と。貴様の問いかけであったな。
うむ。吾は皇帝である。
そして弓引く者として喚ばれた身。
دولت ابد مدتを背負いし者
"Fatih" II.Mehmet である。
[臆面もなく、思念に乗せた。]
[唐突に咽ながら、とりあえず咽喉を押さえる。
茶を含むときは気をつけよう。]
……失礼。
[誤魔化すように改めて茶を飲んだ。
出来合いではない外食は
また違った味わいで美味い、らしく。
点心を普通に食べる場面もあった。]
[破り捨てたメモを灰皿に入れ火を付け燃やしながら]
ふむ…鳳の英霊がセイバーであったか。
元勢宮であったサーヴァントと魔方陣とヘブライ語の事は
初耳であった。助かるのぅ。
[皇帝に相づちを求めるように見やり、キャスターのマスターに関しては知っている風を装った。]
[ああしかし、この皇帝ならばやりかねない。
しかたない。間違いない。]
……普通に名乗るから驚いたんだ!
[改めまして。]
[燃やされるメモを見つめる。
皇帝の瞳は、焔の揺らめきに囚われていた。]
む? ……う、うむ。
[求められるままに相槌を打ってしまった。
熊さんのイラストが、灰と化してゆく……]
―――
[こほんと咳払いをした。]
ふむ。
あの魂の名は、ゲオルギウスといったのか。
…………覚えておこう。
[継ぎ足された茶を一口で飲み干す。
残るは、沈黙。]
[先に席を立ったギイチ組に代金を押し返すと、
取りあえず店の入り口まで送った。]
先ほどの件、気が変わったら電話をすると良い。
こちらもまた変わったことがあれば連絡するゆえの。
[手を振り送り出した後、支払いを済ませる。
取りあえず屋敷に戻り答え合わせをしたい。と、帰宅することにした]
[偽一は代金を押し返されるとどうしたろうか。
矢張り笑顔を浮かべて、
耳触りの良いことを
人が良さそうに謂うのだろう。]
…では。また、いずれ。
[ユダはそう一言つげ、
偽一と共に店を後にする。]
→中央区:雑踏
心外であるな。
普通に名乗ったのではない。
背後に皇帝の皇帝たる芸術的なオーラが見えなかったか?
[※ここは思念の渦巻く場です。]
……フ。
ソロモンに愉快な言葉を授かったのでな。
少し、実践してみただけの事、である。
[名を残し、自分たちの生きた息吹を遺す努力。
例え、それが今の世に迷惑であったとしても
自分が自分である事に、変わりはない――。]
[二人が退店するのを、仁王立ちで見届ける。
肩にかけたままの外套は、風に吹かれてあるがままに靡いた。
皇帝が上半身に来ている鎧については
通る人通る人、視線を向けるものの、
「コスプレ? キモーイ」
の一言で解決されているようだ。]
―中央区:雑踏―
お前ほどではないが、割合食わせ物の印象だな。
[フードを軽く引っ張る。
情報の整理が必要だと偽一は謂ったろう。]
そうだな。
――隻腕の女も気になる。
ここまで来て見たこともないか。
篭っているか、…すれ違ったか。嗚呼……
昨夜、あの寺で。ゲオルギウスたち以外に
もう1つ気配があった。
…もしかしたらそれかもしれない、か?
ああ、ちょっかいはかけてこなかったんだ。
奇妙なことにな。
見えんわ…!!
いくら威風堂々なオーラを纏ってるからって
何でもオーラで済ませられると思うなよ。
[少し待ち 落ち着い た か?]
…ソロモン王に?
[二人は邂逅したのか、と思う。
なるほど、王と皇帝だ。
通づるものあるのだろうかと。]
ああ。
そういえば貴様も知っていたのであったな。
奴は、吾が思っていた以上に愉快な者であった。
叶えば吾が友として酒を呑み交わしたいところであるが…
……まあ、無理であろうな。
吾は、皇帝であって、民草ではない。
[それからふと、呼びこみをしているらしき
変わった格好の者へと眼を向けた。
男女の洋服が入れ替わったりもしている。]
ところでギイチ、
少々聞きたいのだが…
…男性が女性の格好をするというのは、
この時代、一般的なのか…?
[声は潜められていた。
さて偽一はどう答えたのだろうか。
なにはともあれ情報の整理だ。
意味もなく街をぶらついたりはせず。]
[集めた情報を独り整理するフェリシア。
その姿を一瞥し、また視線を人ごみへ向ける。
笑顔に、疲れた顔に、様々な語り声。
恐怖に戦く顔だけが、白昼の街には無い。
現代の地に住まう、欠落とは呼べぬ欠落。]
―――、
[それでも、己の復讐の為に聖杯を求めると言った女がいる。]
―――。
……………
熱心であるな。
[風に乗せられた言葉は、その一声。
目を瞑り、それ以上を自ら発する事は、なかった。]
[ぽつぽつと帰宅の途につきながら、傍らのメフメトに尋ねる。]
さて、昨夜の出来事ゆっくり聞かせて貰おうかの?
[メモに関しては逢えて追求せず、メフメトの口から聞きたかった。]
はて。昨夜の、と言われてもであるな。
単純に、散歩…もとい斥候をしていると
英霊の散った気配があった。
しかし、その正体までは掴めなかったのである。
[中央区でした膨大な魔力の発動と
北へ向かう炎の尾については、告げる事はしない。]
―中央区:雑踏―
[偽一がどう答えたかは、さて置いて。
腰を落ち着けた方がいいということになり
手近な喫茶店へと滑りこむ。
ここもまあ、長居はよくないだろうが。
知り得た情報を書き連ね、言葉交わす。]
…北の、あの寺は…
あの一帯は、奇妙だ。
他とは違い、澱んでいる。
[ユダは知らない。
北東――艮の方角は「鬼門」と呼ばれていること。
あの寺を「門のようだ」と感じたことは
偶然ではないのだ。]
見ていない。
というか、今となってはあまり意味の無いことであるからな。
吾にとってはともかく、リシアにとっては、な。
既に脱落した者の所以を知ったところで、
戦に勝ち、望みを叶える事が目的であれば、意義は薄い。
それに――戦没者の志を辱めるは良しとせぬ。
……強いて言えば、天に昇る白銀は実に芸術的であった。
[目を瞑った。]
・・・・・・ふう。
[ソロモンの鍵を更新するのは骨が折れる。
連日遅くまでの活動の為、アンネリーゼはまだベッドで横になっている。
ソロモン自身も鍵の更新を終え少し椅子で休んでいたが、気になり独りホテルの部屋を出る。
アサシンに対しての警戒心が高まっている。
だからこそ、不確定要素に対しての情報が欲しい。
あまりマスターから離れるのは良くはないと思いつつ、ホテルの外に出て北区を少し散策することにした]
…まあな。
[推測だったがあの魔法陣を見れば
半ば確信してると言っていい。]
――…ましてや戦争にあっては
そうもいかない、か。
[澱みに静かな波紋。]
―中央区:喫茶店―
北の地は、…魔術師によっては
力を乱されそうだな。。
[偽一の書いた字に斜めに傾く癖のある字で
追記などしながら、
セイバーは確実に討ち、
ソロモンは出自からもキャスターだろうと再度話がまとまる。
後はバーサーカー、ランサー、
ライダー、アーチャー。
ユダが討った玖珂は何者かのマスターであり
この4騎のうちいずれかが消える。
途中珈琲を頼み、
味の違いに目を瞬かせた後]
―中地区/店前→東区を目指して―
[中心部を外れると、段々と人影も疎らになってくる。
代わらぬ光景と言えば、陽に輝く街路樹。
凡庸であれど、そこにある光景に違和は無い。]
であれば、知らぬよ。
戦を直接見た訳ではない。
[歩く旅に、木々の影が優しく包む。
皇帝は、鳥の声に耳を澄ませた。]
知っているも何も。
吾々が直接顔を合わせたのは、貴様が乗り込んできた寺院。
あそこが初めてである。
―中央区:喫茶店―
[偽一は今まで会った中に
バーサーカーは居ないと見ていようか。
独特の言葉足らずの者はいなかったと。
指折り、まだ、数が足りない。]
…確認できた中で
よく分からないのが隻腕の女、か。
遠目にでも、確認したいが。
[何故か。思い浮かぶのは北の地。
しゃららと鈴のような音の鳴る違和。]
/*
独り言を今回結構使ってるな。
あれか、鬱いから発散か。
わかる、わかるぜ。
ギイチしんどくないか!
大丈夫かこんなおれで
いまさらっていう。
[柔らかい光が木漏れ日を落としていた。
相変わらずの飄々とした態度に、何か腑に落ちない違和感を感じて…]
そうか…その後は我と一緒の時以外見てはおらぬのか?
どうもそなたは一人で腹の中に溜め込みすぎる故
少しは聞かれる前に話して欲しいのぅ。
[小さく息を吐きながら、自身の技量が足りないせいなのだ。と、少々自己嫌悪]
―東区/埴シニアタウン付近―
[東区へ入ると、人の装いも随分と異なるものになる。
自己主張をしていた民は、段々と落ち着いたものへ。]
見ていない。
というか、その後は今話した散歩以外
大体貴様と行動を共にしていたと思うのであるが。
[送迎バスの運行音も、地響きを然程立てずに静かなものだ。]
悩み多き民草のような言い方をするなである。
それに、求めに応えるは皇帝の責務であるが
求められていないところまで応えるのは越権行為である。
吾は圧政は行わぬ芸術的な皇帝なのだ。
[前を行く姿。息を吐く声。
血色の羽織が、またひとつゆれた。]
−北:青丹寺戦闘現場付近→中:駅前−
食事など必要ない。
[己には必要なくても男にはあるのだそうだ。
英霊たるもの空腹など関係ないし、
隻腕というのは非常に目立つ。
それが例え、着物を着ていても、だ。
車を駐車場に止め、食事どころを物色する男の隣を
歩く隻腕の着物姿はさぞかし目立つことだろう]
―東区・埴シニアタウン付近―
そうかの。まあ、そなたが知らぬと言うのならそうかもしれんのぅ。
我とて悩み多き民草と一緒じゃよ。人が人である限り悩みなど幾つでも沸いてくるものじゃ。
芸術とて多くの悩みから生まれてくるのじゃ。
皇帝も悩みが一つも無い訳じゃなかろ。そのようなときはどうしておったのかのぅ。
[シニアタウン付近に近づくと、思い出したようにホームに寄ると言い出した。
誰かさんのお陰で毎年送っている蜜柑が寄付できず、そのお詫びと替わりの果実を送る旨伝えるためだった。]
勝手に食えばいい。
[必要なくとも付き合うのが礼儀と男は言いたげだったが
女にとってそんなものは無縁に等しい。
そのまま雑踏の中を歩いていくうちに
隻腕の女を召喚した男がよさそうだと店を見つけるのと、
喫茶店で優雅に珈琲を啜る英霊がこちらの存在に気づくのと
果たしてどちらが早いのか]
―北区・ホテル一室―
[ぱちりと、目を覚ます。
随分と寝た様な感覚に時計を見やると昼も過ぎた頃。
カーテンの向こうは既に日も昇っていて、思わず溜息をついた。]
…寝過ぎた…。
[ベッドの中で、かくりと項垂れる。
嗚呼、無意識のうちに随分疲れていた――らしい。
その分、確かに魔力の回復は多少見込めている、けれども。
其処まで考えて――ふと、周囲に馴れた気配が無い事に気付いた。
…周囲を見渡して、瞬く。気配は 然程遠くへは行っていないようだが
やはり、部屋の中にその姿は無い。
書き置きも無い。]
……マスターに無断で外出って。
[思わず愚痴が漏らしながら、ベッドから這い降りる。
いや、己のサーヴァントとは言え別に私物ではないし
自由に出掛ける事を咎める理由にはなりはしないのだけれど。
――昨日の今日だ、心配するじゃないか。
まぁ、別に此方も多少する事もあるし――構わないけれど。
簡易に身支度を整えた後、携帯へと一度視線を落として、ポケットへ捩じ込んだ。
…恐らく鳴らないだろうが、テディベアも付いているし――
ちょっと気分的な、お守り代わりだ。
トートバッグに、昨日買った本と諸々を詰め込んで。
そうして相変わらず家具の配置が滅茶苦茶な部屋を後にする。]
投票を委任します。
アンネリーゼ ヤーネフェルトは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
―中区・駅前―
[とっ。と軽やかな音を立てて、バスから降りる。
…確か、ここから病院行きのシャトルバスが出ていた筈だと記憶していた。
教会にクリスティーナを運んで後、直ぐにホテルへと戻ってしまったが
流石に少々、あの怪我は気掛かりでもあった。
――…まぁ、説明し難い怪我を理由に、
通常通り病院に運ばれるのかどうかは知らないが。
幾つか当たって、もし見当たらなければ教会に聞く位なら許されるだろう。
多分。]
[通り過ぎた大型家電量販店の路面ウィンドウに飾られたテレビのモニターに
『火の鳥は本当にいた!? 深夜の埴市に突如現れた伝説』のテロップと共に
…何処か見覚えのある紅蓮に包まれた巨鳥の映像が映し出されるのを
食い入るように見つめる群衆の脇を通り抜けつつ、見て見ぬふりをする。]
暇なので中区に乗りこむ(
っていうかバーサーカーに逢っていないのでそろそろ逢いたいよ!!
あいたいよ!!!!!
じつは、フェリシアにも逢っていないけど
なんか夜間に自分が出てくる頃には、
避けられているような気がしなくもないので
まぁ、…むりにとは…(´・ω・`)いいんだ…
しかし結構無謀にも程があることをしている自覚はある。
…マスターとサーヴァントの組み合わせ2組が中区にいて
そこに乗りこむとか。 馬鹿じゃないの。知ってる。
―中央区:喫茶店―
[不意に、ぴくり、と
ユダの動きが止まる。]
――――ギイチ。 居る。
[視線を外に通じる方へと向ける。
距離はあるようか。
偽一は頷いたか、どうか。
ユダは気配を消し、ウェイトレスの横を通り抜ける。]
−北区・道路→中央区−
[北区はまだ探索の終っていない箇所が多い。
遺跡もあるし、昨晩はこの北区の山の麓でセイバーが倒されている。
昨晩クリスティーナを発見した場所にもいったが、特に収穫は無い。
だが、令呪からソロモンへ流れこんでくる魔力が弱まるのを感じ、アンネリーゼが行動を開始したのを悟った]
仕方ない・・・・・・・
[どうも中央区に向かっているようだ。
ソロモンもアンネリーゼを追いかけ、中央区に移動する]
―中区・駅前―
[アンネから一足遅れて駅前に到着する。
昨日はここでフェニックスが降臨してしまった。そのせいか、にわかに騒がしい]
あれ位で、と思いたいところだが。仕方が無い。
[この時代のこの国において、あれ程明確に魔神を見機会は無いだろう。
喧騒の中、冷静にアンネリーゼの居場所を探る]
―中央区:雑踏―
[単独のときは、
いっそフード被らぬ方が目立たないかもしれない、とも思いつつ。
気配を追えば、店を物色するらしき姿がある。
ユダは距離をおいて立ち止まる。]
(――――隻腕)
[民族衣装らしきに
身を包んだ女。
フェリシアより伝え聞いた、
初めて見る英霊の姿だった。]
…どうした。
[一歩前行く男の動きが奇怪なものに変わる。
その背後を眺めていたが、どうやらまた令呪に反応があったらしい。
彼の動きがどんどん奇怪になっていくので
少し距離を置いたが]
マスターだらけ、ということか。
[その判断理由は難しくない。
自分には一切の反応がないからである]
っていうか正直全員手詰まり状態の予感しかしていないんだが(
どーしよっかな、ぁぁぁ…。
狼側に盛大に同盟組まれて、情報が筒抜けて、
現時点で完全に対立状況が出来てしまったのが
何気に痛いのでござる。ござる。にんにん。
絶対状況が硬直してしまう可能性が見えていたから、
そこの結束硬くなる前に、鳥野とコンタクトを取りたかったのだけども。もも。
(ユダに疑問を持っているっぽいので、立場村側に引き込む狙いで)
朝起きて、鳥野&フェリシアの接触が
メモで相談されていた時点で諦めてしまった…あれだと口出せない。
しまったなーやっぱりちょっと無理に突っ込めば良かったかなー…。
あうあー、後悔。 もー、もうちょっと俺は考えればいい…。
[ふつと、感じる気配に眉を寄せる。
…此方は魔術回路を切ってはいるから、
下手に他のサーヴァントに見つかる事は無いだろうが――
何せ、令呪の共鳴までは防ぎようが無い。]
――…、…困ったな。
[一つはまだ遠い。けれどもう一つは――其れなりに。
昨日の今日だ、一人で動くには流石に危ういかと思案して。
共鳴とは違う、令呪から伝わるそれに視線が上がった。
キャスターが近くまで来ている。…ならば、まだ対応の仕様もあるか。
少しだけ安堵した矢先、僅かなざわめきと共に視界の端に移るのは
人目引く着物を纏った隻腕の女――と、その方向へ共鳴する令呪。]
……あれが。
[セイバー達から聞いた、女のサーヴァント。…恐らく、バーサーカー。
気配を遮断した英霊が、もう一体。近くにいるとまでは気付けはしないが。]
[―――ならば。
少し距離をあけたところにいる眼鏡の男はマスターだろうか。
自らを引き寄せた
澱みに似たなにか。
それが、ざわりと。]
(――――何者だ?)
[人の流れに沿って
少しずつ動き、離れすぎないように。
と。
が―――もうひとつ、
英霊の気配を感じるのも、問題だ。
ひとが、多すぎる。]
くそう、この居辛さったらない!!
突入というか、絡んでいるところに対する乱入に
なれなきゃなーとも思うんだけど(何年RP村してんの俺!)
ダメだ…毎度苦手だ。むむむ。邪魔している気分になる…!
あばばば。
くねるな。
[左胸を押さえている男の尻に膝蹴りをひとついれ、
それから男の襟首を引っつかみ、通りの中央から
端のほうへと離れ周りを軽く視線で確認する。
疑わしいのは、自分を視線で注視してくる相手だ。
まずはそこから探せばいい]
/*
盃がおかしい、と
気づくきっかけが在った方がよいような気がする。
どうするかな。
まあ、おかしくても
叶えられるならいいんだろうか…
・・・・・・
[強い魔力。
アンネリーゼが近くにいるも、厄介。
しかし、あのフードの英霊でも、またアーチャーでもない]
まだ出会ったことの無い英霊、か?
[アンネリーゼと早々に合流したいという思いも強いが、好奇心には勝てずにゆっくりと気付かれないようにバーサーカーの方へと寄っていく]
/*
しかしながら
村内時間で昨日今日と
ユダがヤッホウと
暴れすぎな気がしないでもない。
なんか盃関連で情報をばらまくか どうか。
いや、ユダは
よくしらないんだけど。
……、
[…女の方がサーヴァントなのは、間違いないと、 思うのだが。
恐らくマスターだろう男の尻に蹴りを入れる様子に一度だけ瞬いた。
声までは聞こえないが、…一体どういう力関係なのか。
というか、どうして尻を蹴ったのか。
考えど、流石に憶測するにも難しい。
服装も、隻腕も。…そしてそういう意味でも、聊か興味を引く二人組が
通りの中央から、動いていくのを視線で追う。
キャスターが、此方へとは合流せずに――
しかし確かに彼のサーヴァントには気付いているらしい。
確かに此方へと近づいてくる様子だけは、感知して。]
[怪我は治癒され、教会までたどり着く。
それでも、失った血の量は多く、怪我の箇所のこともあり、一晩経ってから病院へと搬送された。
キャスターの言っていた通り、傷は次の日の昼前にはもうふさがっていて、自力で行けたのだが、教会に保護された以上そうも行かないらしい。
病院のベッドの上、輸血を受ける。
傷が塞がった以上はひとまずはそれだけでいいとお願いした]
…死に損なったわね。
兄さんは悔しがるでしょうけど。
…。
[男を沈黙させてしまうと自分が不利になる。
だからといってこのままくねらせておくのも癪だが
背に腹変えられないとはこのことである。
深い溜息のあとに視線を持ち上げる。
強い視線を感じる場所ははっきりと一箇所。
それから、出所がわからない感覚がひとつ。
もうひとつは、確かにこちらのほうへと近づいてきている]
あー!!!!
だめだ展開について考え過ぎる本当悪い癖すぎる!!
そして更に自己嫌悪するのとか、最悪過ぎる!
もう頭空っぽにしよう!そうしよう!!
見苦しくて正直本当すみませんでした。たた。
気分悪くさせてたら申し訳ない。 ほんきでもうしわけない。
[ざわつく。
ユダは胸元を押さえ、
掴むようにした。
己を引き寄せ、
あまつさえ
赤黒き澱みに繋いだ 何者か に
あれ は、
何処か通じるものがある。]
―――――「鬼」?
[溢した呟きは
ごく小さなものだったが――]
[人ごみの向こう側に、この場には似つかわしくない格好をした女性が一人見える。
間違いなく、英霊。
あれがまだ見ぬバーサーカー。
まだこちらは視認まではされていない筈。
建物に隠れながら、観察を続ける*]
――…向こうのマスターは、気付いてる、よね。多分。
[これだけ強い共鳴をしているのだ、凡その位置は判るだろう…
――まぁただ、謎の力関係でそれを伝えていないと思われるだけで。
視線を持ち上げる女を少し遠目に見やる。何かを探していらしい。
恐らく向こうに伝わっている気配や、視線か。
暫しの思案、一つ 吐息を零した。
…近くに、キャスターはいる。
事が起これば、フォローはして貰えるだろう位置だ。
相手のマスターが、此方へと刃を向けぬ内に 対処の術を、用意しておくべきだ。
周囲には聞こえぬよう、口の中でぽつりと零す一韻。魔術回路へ魔力を流す。
――これで恐らく、己の存在は向こうのサーヴァントにも知られただろう。
意図せずとはいえ、気配を消し 潜む者にも同様に。]
おム、ネが……あっ……尻、が……。
[複数の疼きに苛まれたり尻を蹴られたりして身悶える。]
あ、アナタね……B型過ぎると言ってるでしょ……。
だからB型とは何だ。
[鬼にとって血液型なんて感覚はないのだ。
よって血液型判断も性格診断も関係がない。
のたくっている男を見下ろしていたが]
──。
[にたり、と口元が歪む。
風が、何処かから音を拾ってきたのだ。
古い時代に自分たちが呼ばれたその名前を。
鬼、と]
説明しましょう。
B型とは、集団行動に馴染めず周囲の価値観に合わせられずひたすら孤独に我が道を行くしかない悲しき性を生まれ持ったにも関わらず楽しく生きておられるとても幸せな方々の総称です。
[尻を撫でながら解説した。]
/*
このシステムだと
相討ちができないのが
ざんねんむねん
ところでビンセントさんは
そのうち茨木に
ころされてしまうのではないかと心配です。
打撲とかで。
……。
[遠慮ない下から斜め上への回し蹴りが
ビンセントの顎を狙って巻き上げる]
そんな解説はどうでもいい。
[歪めたままの唇にはじとりとした艶が残り
その青灰色は口元を押さえた男を見る。
英霊だと確信しているわけではない。
だが、彼は確かに鬼と口にしたらしいのだ。
口元に添えられた手が、確信に至る理由。
そして新たな魔力の発生。
唇は、吊りあがる。
吊りあがって愉悦を刻む]
―東区・埴シニアタウンホーム―
[所長にラウラよりの伝言と、今年の蜜柑が寄付できなくなった旨、替わりに何か他の果実を寄付させて貰いたい等々伝える。
しきりに感謝されるとお茶と茶菓子までご馳走になってしまった。]
どうじゃ?たまには年寄り達と戯れるのも良いであろ。
[腰に手を当て、楽しそうにしているメフメトに声を掛ける。]
[自分の中に残された刻印のかけら。
最初に移植されたときはもっと大きかったらしい。
移植したとたん、魔術回路が暴走を始めた。
押さえ込むための薬も、技術も敵わず、刻印のほとんどはすぐに取り出された。
そして残った欠片と共に、魔術師の道は放棄された。
20年の時を経て、鳳は魔術に触れた。
欠片は魔術回路からの供給を常に受け続けたことで、鳳の魔力と適応し、刻印として機能するようになる。
そしてそれは、どんな技術よりも薬よりも、移植後の拒否反応を緩和するものになっていた。
ほとんど、感じさせないほどには。
けれど鳳本人には不要なもの]
霊媒師なら、取り出せるのかしらね。
[と思った刹那、鋭い回し蹴りがビンセントの顎を掠める。微笑んだ拍子に胸をそらしたのが幸いして、辛うじてその蹴り足をかわした。]
んんッフ!
あ、危ないですね。
そういう事は事前に言っていただかないと……んっフッフッ。
―東区/埴シニアタウンホーム―
[何やらフェリシアが馳走されているその頃
皇帝は積み木で遊んでいた。
老人達と愉しそうにしている訳ではなかったようだ。]
………貴様、吾の来歴を調べたのではなかったのか。
[近づいてくる老人に、複雑そうな表情を見せた。]
いや、吾はいい。
[茶菓子を拒否し、積み木遊びを続行。]
[それを取り出すのが願いだったわけではない。
失われたのは魔術の道だけではなかったからだ。
それを、取り戻したかった。
もっとも、この欠片さえも取り出せるのならば取り出したいとは思ってはいる。
ことあるごとに兄に要求され、時には命を狙われたこともあった。
けれど、取り出すのは命とほぼ引き換えのようなもの。
この刻印は、鳳の心臓に根付いているのだから]
[視界にとまるのは、女の薄い唇に浮かぶ愉悦。
…己の魔力に気付いてか――否、其れよりも、僅か先にから。
底知れぬ、なにか。 垣間見たそれに思わず、身体が強張った。
これが、バーサーカーたる所以か。
…この街中で、魔術回路を入れるのは浅はかだったかもしれない。
一般人を巻き込みかねない――やはり、避けるべきだったか。
そう、考えた矢先。]
――うわぁ。
[しかし繰り出された遠慮のない回し蹴りに、思わず声が出た。
幸か不幸か、マスターの方は避けた、らしいが。
ダメだ、どういう関係所為なのか――全く見えない。
驚くほど見えない。]
喧しい。
[召喚者の言葉を一蹴して女は背を向ける。
ざり、と草履の裏がコンクリートを踏む音が
雑踏の中であるのに不思議と響いた。
鬼であることを知るものより、今の興味は
急に膨れ上がった魔力の存在。
青灰色の瞳は若者から少女へ。
唇は血を塗りこめたようにじとりと赤い]
―東区/埴シニアタウンホーム―
……………
[冷たい壁際の影で、積み木遊びを続行。
いつもの雄弁はない。
肩にかけた血色も、いろを暗くしている。]
―中央区:雑踏―
[風は音を届けたか、
はたまたあれも《声》は聞こえねど
澱みに属するものなのか。
故の怖気。或いは共鳴。]
……
[魔力回路が近くで開いた気配がする。
これで、自分たちを含め
この界隈に「関係者」が3組いることになる]
ち、…幾らなんでも
[密集しすぎだ。
だがあの女の姿をしたものは――
殺気と呼べようか、それを隠すことも、ない。]
ふむ。心得た。
諒一君、私と契約して魔法少じ…けふんけふん
私のマスターになってみないか?
代わりに奇跡の力でどんな願いでも、一つだけ叶えてあげよう。
んっフッフッ、人目は多いですが。
ここで仕留められるなら、こんな有象無象は全部抹消してしまってもいいですよ?
[好戦的な下僕の様子に、軽く返答した。]
[珍しく何時もの高飛車な返事が返ってこない。
具合でも悪いのか?と、側により顔を覗き込んだ。]
どうしたのじゃ?気分でも悪ぅしたかのぅ…
ほんに悪気は無かったのじゃが。
[オロオロとメフメトの背中をさすったり、、、]
―――…っ
[確かに、視線が此方へと向いた。
瞬間――ぞくりと背から首筋へ、ぞくりと走る気配。
翠を、僅かに見開いた。
やばい。 ほんとうに、まずい。
酷く頭は冷静でいて、しかし酷く心臓の音が五月蠅い。
令呪の先、キャスターの気配が何処に在るのか、美味く辿れない自分に、どうやら己が存外に焦っているのが判る。]
…早計だったかな。
[しかし、退避を考えるならば魔術回路に魔力を流しこむ一瞬ですら惜しい。
いざとなれば、今ならすぐにアクションが起こせるのは未だ、幸いか。
意識だけで、周囲に注意を向ける。
――家電量販店からの聊か騒がしい音。本屋、喫茶店。ブディック。
モノは、ある。 …けれど、人が多い。眉を寄せた。]
―東区/埴シニアタウンホーム―
………
まあ良い。貴様を責めても始まらぬ。
[背中をさすられるも、そのまま立ち上がる。]
用が残っているのであれば、外で見張りをするが。
ところでメモの投票率、6/9って人数が合わなくないかしら…
地上9人であゆは違うとして、8+2+1で11人よね…ああ、1は諒一君よ。
―中央区:雑踏―
[ユダは人ごみに一度姿を紛れさせ、
やや高い位置へと跳躍し移動する。
見下ろせる場所、ビルの飾り窓。
気配はまだ遮断したまま、
動きを見るため眼を凝らす。
澱みより伝わるざわめきは矢張り確かに継続し]
…―― …
あれは、……確か…?
[着物の鬼が今意識を向けている、それは
たしか――ソロモン王のマスターではなかったか。]
…いいだろう。
[男の言葉は英霊にとって戦闘開始の命令といえた。
ちろ、と舌が唇を舐める。
草履が立てる音が止まり、雑踏の中で足が止まる]
鬼に───横道なきものを
[ぞり、と聞こえた奇妙な音の発生源は女である。
隻腕であるはずの肩の肉がうねり、脈動し
失われていたはずの黒い腕が文字通り"生えた"]
/*
>もう少し引っかかってくれると
引っかかる要素が少なかったとも謂える気がs
こっちもなんだが。
ライダーの真名はまだ分からないままだろうなあ。
投票を委任します。
バーサーカー 茨木は、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
渡辺 あゆは、アーチャー II.Mehmet を投票先に選びました。
渡辺 あゆは、ビンセント バンゴッホ を能力(襲う)の対象に選びました。
―中央区:雑踏―
[先に行っているユダとやや距離を置いて、バーサーカーたちの姿を目にする。雑踏の中でも安心できないような雰囲気を漂わせており、偽一はやや身を硬くしていた。]
あの横のマスターが、話に聞いた物の怪になる類なのかね。
胡散臭い顔をしてるな。
[令呪の反応を見ると、他にも魔術師がいるようだ。
そう思った刹那、女の英霊から強い魔力を感じ、ぞっとする。]
まさか、こんな場所でやるのか……?!
――う、そ。
本気でこんな場所で、する気…っ?
[薄々、感じてはいたけれども――信じたく無かった。ぎり、と掌を握る。
明らかに上下関係がひっくり返っているように見えようとも、
サーヴァントがそれならば、マスターも道理とでもいうのか。
――魔術に関わる存在など隠匿するのが、常だというのに。
隻腕だった筈の個所に、突如うねりと共に現れた黒い腕。
あれを出されて、…話し合いで終わるだなんて甘い考えは既に持っていない。
…嗚呼、けれど。どうしよう。
この場から逃げる事だけならば、恐らく出来るだろう。
けれどその場合、此処に集う人達が巻き込まれるのは
――きっと避けられない。
ひやりと、背中が冷えた。 どうすればいいのか、答えが出ない。]
投票を委任します。
ビンセント バンゴッホは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
――っ、…な ん
[満ちてきた、此方にまで刺さるような魔力に
一瞬言葉を失う。雑踏で。この中で?
何事か、テレビの撮影か何かかと
のんきな人々の好奇の目線。]
そうかい?
わかった。ならば、今回は引くことにしよう。
だが、魔法少じ…けふん
マスターの契約はほんの少しの時間で出来るから、叶えたい願いがあれば、いつでも頼ってくるがいい。
というわけで、投票おわたー。
明日も落ちてくるのはまた男性陣か。
暫く我がマスターのハーレムは続くようだな。
−川津教会−
…まだ、長引きそうね。
[聖盃の花の色はまだ拮抗を続けている。
つ、と浅い盃の内側に刻まれた花の軌跡をなぞったその指は
傍らにある古い書類に視線を向けた**]
―東区/シニアタウン前―
[フェリシアに了承の意を得、外へ出た。
行く宛ては無い。さりとて目的があった訳でもない。]
――ふむ。
[まだ落陽の気配は無い。
否――落陽とて、この地は芸術的に彩るだろう。]
──ァ、は
[黒い腕は歪みの感情を纏っていると気づくものは誰か。
赤い唇は裂けるかのように歪み、そして
ざり、という草履の音がしたかと思えば一瞬に少女との間隔を詰めた。
歪さを残す黒い手は文字通り鬼と呼ぶに相応しく、
そしてその手は少女の捕らえて地へと叩きつけるを望むように
振り上げられその首を狙う]
[ぎり、と飾り窓の淵を掴んで。
(あれは鬼だ)
澱みが伝える、
あれは。己に絡みつくのと。
きっと、同じものだ。]
――ッ!
[気配を遮断したまま、
ばねのように身を引き絞り、飛ぶ。
影を落し、狙った先は――触手で周囲のものを屠り始めた、男の方]
明日の二人は濃いからな。
クリスティーナよ、その看板はどうかと思うぞ…。
色欲などに現を抜かしては、神が悲しむぞ。
くっ、あの馬鹿め!!
[迂闊に英霊に近寄りすぎだ、あの教会の主を迷わず信じていたように、悪い意味で馬鹿正直すぎる。
ソロモンはアンネリーゼをソロモンなりに認めている。
自らの力不足を知力で補おうとするその姿勢、自らの力不足を認めている潔さ、そして誠実さ。
だがそれが仇となる事を理解していない。
・・・・・・そう、若い頃のソロモン自身のように]
オセ!!
[焦り名前を呼んでしまう。
指輪から愛玩犬が飛び出し、そのまま光の矢の如くバーサーカーへと牙を剥かんと突進する。
人の行き交いの多い中、中型犬であるオセはそれら障害物を巧みにすり抜けていく。
そしてソロモン自身もその後を追う]
[意識が戦いへ向けば
遮断していた気配は露になる。
現れるには恐らく、不自然ではない程度に。
己の伸ばした影の先目掛け
具現化させた銀貨を3枚、叩き込む。
――腐っても、使徒、と謂ったところだろうか。
ユダの中では清濁正負が混在する。
刹那、影は伸び、
2本は男を貫こうと交差し
もう1本は――鬼を。]
あらセイバー、色欲なんて失礼ね。
男を侍らせようってだけの話じゃないの。
そもそも私は信仰心なんてないのよ。
魔術師の家庭だったからかしら?
[悲鳴が上がる。
逃げ惑う人々の中、上空から
人の身ではありえない身軽さで
ユダは路地に降り立った。
すぐに立ち上がり、
まず探るのは己のマスターの位置。
懸命な主だ。
自ら危険に飛び込むようなことはすまい。]
―→北区―
[道すがら、今までの事を振り返る。
己を喚んだのは、復讐に身を染める女。
その瞳の奥に宿る魂は――二つ。否。
仮初の一と、がらんどうの孔。
……嗚呼、また面倒事のにおいだと
逃げてしまった事もあったかもしれない。]
―――む。
[どこかで、魔力の弾けるにおいがする。
平穏の崩れ去る風。撓む気配に、山の葉が揺れた。]
………ふむ。
[澱みと繋がる者。ざわめく気配。
何が起こっているかは、大よその見当がついた。]
…ッ!!
[その距離が無くなったのは瞬きの間にも似た、一瞬。
翠を、見開いた。
キャスターの声は聞こえど、ギリギリ届くかどうか。
――悩んでいる暇など、ない。意識は背後の一点へ向けられた。
己がこの場で 『入れ替われるモノ』へと。]
――“Substitution”!
[振り上げられた黒い腕、それが己の首へと至る直前。
乾いた唇で、掠れるように詠唱を 紡いだ。]
[直後、その黒い腕が掴むのは、少女の首では無く。
今時流行の衣服を身にまとった―― 一体のマネキン。
勢い余れば、それが代わりに地へと叩きつけられようか。
そしてそれと同時。
数十メートル先、駅前に並ぶブティック一つの店頭ディスプレイから
ガシャン、と大きな音を立ててガラスの割れる音が響く。
そのマネキンが本来合った筈の、場所。
割れたガラスの中で、幾つかのマネキンの中に混じるよう
入れ替わったかの様に、其処へ位置する少女が目に入るか。]
……貴様が選んだ道だ。アサシン。
己の手で乗り越えてみせよ。
[静かな声とは裏腹に、よどみの波紋は大きい。
"彼"にとって、それ程大きな障害が目の前に在るのだろう。]
貴様の道と、吾がマスターの道。
相容れぬが――さりとてどちらも選択の末の道である。
選ぶ事こそが美しく、歩む事は、なお尊い。
さて、どちらの意志が勝るであるかな。
[皇帝は、薄く笑ったように見えた。]
[ネームバリュー、その他諸々。
差し引けばキャスターと概ね同等と言える魔力。
狂化を得ている女はすばしこく走りこんでくる
中型犬の首根っこを本来の腕で捉え
そしてそのままその犬を飛んでくる銀貨のほうへ
相殺させるかのように遠慮なく投げ飛ばした。
少女へと向かった黒い腕はまだその勢いを失わぬ。
けれど、そこに入れ替わったものを破砕しただけの結果だった。
苛立ちをあからさまに顔に乗せ首の砕けたマネキンの
その顔面を踏み潰す]
[サーヴァント同士の激突を予感し、偽一は現場からさらに距離をとる。
この騒ぎではほどなくして、警察も駆けつけるのではないだろうか。
そう考え、速やかに現場を離れるべく、サイドカーを取りに戻った。**]
[一撃を何とか避けたアンネリーゼとバーサーカーの間に割って入るように、オセが飛び込み、アンネリーゼを背にする]
犬『無茶が過ぎるぞ主。次は無いという事を肝に銘じておいて貰いたい』
[バーサーカーを睨みながら、次の動作に対して溜めを作る。
オセの体が輝きを放ち始める]
アンネリーゼ!!
[遅れてソロモンがアンネリーゼに近づいていく。
これがバーサーカーなら、人の往来も関係が無いかもしれない。
最悪、ここで本格的に一戦交える覚悟をする]
―東・埴シニアタウン―
[用事を済ませ外に出るとメフメトの姿は何処にもなかった…小さくため息をつくと、]
仕方のないやつじゃの…ま、子蜘蛛も付いておるし案ずることもないか。
それにしても…先ほどは我が悪かった。メフメトがあれほど年寄りにトラウマを持っていたとは思いもつかんかった。
帰ってきたら謝らねばならぬな。
[一人ごちると、メフメトを待つために自宅へ向かった…]
―北区/寺北遺跡群―
[――随分遠くまで歩いてきたものだ、と思う。
始まりの選択はさて、自国への想いであったか、保身であったか。
きっとそのいずれでもなかったのだろう。
"裏切り"は二度。
始まり悪意に、二度目は善意に。]
犬『ぐっ!!』
[直後、バーサーカーの勢いを止めるべく飛び掛るが、そのまま薙がれ吹き飛ばされる。
しかし、構わずソロモンは詠唱を開始する。右手にはソロモンの鍵]
הקללה של הכדור
(ハルファスの凶弾)
[バーサーカーに向けられた指先から、マシンガンのように魔力の弾丸が発射される]
―中央区:雑踏―
[銀貨が影に落ち、変じた槍。
腕にか勢いにか、叩き折られて影に戻る。
投げつけられたそれは見覚えのある犬の形をしていたか?]
おまえ、あのときの
…ッ…!
[今一度銀貨、具現化させ影に落とすが、
眼鏡の男は己が身の危険を感じれば
異形の腕を振るいその場からの逃亡を図るだろう。]
逃がすか!
[手を伸べて、黄昏色と黒の混ざる影の槍を
眼鏡の男――ビンセントへ向かわせるが]
っ、…ごめん。
[オセの言葉に、は、と一つ息を零しながら 素直に謝罪を告げる。
――流石に、今回ばかりは無茶をし過ぎたと思う。
あの一瞬。
黒い腕が風を切り、首に僅か掠めるように触れただけ。
しかしその個所が酷く――じり、と傷む。
衣服に纏わりついた砕けたガラスを、そっと払いながら
しかし意識は、黒い片腕を生やした女サーヴァントと――
己があの攻撃に意識を向けていた内にだろう、
いつの間にか増えていた、もう一つの気配へと向いた。
周囲は、既に混乱に陥った人々で溢れていた。]
―――風が騒がしいであるな。
[山間の遺跡。失われた都市。
帝国を亡くした皇帝は、遥か遠く、都市の中心部を望む。]
……幾分苦戦していると見える。
思念が乱れているな、アサシン。
[目を瞑り、手を掲げる。
背後に開くは溶鉱炉。
されど中からは、まだ何も出てこない。]
ぬる ィ
[ひゃ、と、明らかに狂った嗤いが零れた。
そして女は躊躇いなく前進した。皮膚が裂け、血が飛んでも構わず。
草履を履いている足では到底出せないような速度である。
そのまま、黒い腕が拳を握ると男の顔面を横から殴りつけるために
豪腕といえるその黒を振りぬいた]
なるほど。ソロモンもそこにいるのであるな。
[目を瞑ったまま、何事かに耳を傾ける。]
良かろう。ただの花火では愉快ではない。
[溶鉱炉の中は、ぐつぐつと煮え滾る。
開いた地獄の釜。熱気。
熔け爛れた鉄の塊が、幾重にも皇帝の腕にまとわり憑く。]
――――ふん。小娘。
そのような願いは却下である。
――以前にも言ったように、貴様の道が堕ちたものならば
吾が裁いてやる。
貴様の歩む復讐の道、悉く破壊してやろう。
――Amaç iyi.
(照準は良し)
Değil bir tehdit, ama sadece benden önce rükû edin.
(脅威はなく、破砕は均しく与えられるであろう)
[男が与えられた、ただ一つの詠唱。
腕に張り付いた溶鉱が、電磁を帯びたように、爆ぜた。++**]
くそっ、馬鹿力め!!
[負う傷も構わず突進してくるバーサーカーに向かい、防御陣を張る。
しかし、その拳の衝撃を止めることは出来ずに後ろに吹き飛ばされる]
ぐあああああっ!!
[無様に地面を転げるが、何とか膝を突き体制を整える。
今回は今までとは違いすぎる。
このバーサーカーを止める事は、生半可な覚悟では不可能]
アンネリーゼ!
[ゆっくりと立ち上がり]
悪いが、君の魔力が試される時が来た。
覚悟を決めろ。
[立ち上がったソロモンの周囲には、いつの間にかソロモンの鍵が・・・・・・大小様々な6つの魔方陣が具現化していた]
宝具を発動する。
[そして、中央には1冊のスペルブック。ソロモンの鍵の中でも最も情報量が多いとされている、ソロモンの大鍵]
[ビンセントは風変わりな術を使い
鞭の様にその変じた腕をしならせた。]
この…ッ
[まだ昨日の宝具開放の余波が残っているのか。
照準がぶれるような感覚がある。
それだけではない。
どろり。
ざわり。
闇が引き摺られるように奇妙な音を立てる。
少し離れ、ソロモンが相対する女に生えた黒い腕。
それもまた闇のようだ。]
יש.
(備えよ)
אורקל של סרה אוניברסלי אני, העניק את כוחו של השטן לך Tamae מו 力 למלך.
(万物の魂を操りし巫女よ、汝の力もて王に魔神の力を賜りたまえ)
[ソロモンの周囲に現れた魔方陣が、ソロモンを中心にぐるぐると回り始める。
そして、彼の手に輝いている指輪から、眩い光が毀れ始める。
同時に、オセが立ち上がりソロモンの方を見つめる]
ァ
[じとりとした赤が歪み、嬉しそうに舌なめずりひとつすると
唇がまるで血を啜ったかのように輝く。
悲鳴、破砕音、爆発音。
耳に心地よい負のコーラスに女の表情は、悦に染まる。
白い袖の下、滲んだ血を舐めとると
女は一歩大きく離れて黒い腕を緩く握りなおした。
主を追っている男があるなどどうでも良かった]
刮目せよ
[狂いを解いたわけではない。
けれど言葉が形作られた]
貴なる鬼に
[黒い拳がみぢり、と音を立てて]
横道などなし
[振り下ろされる]
[ビンセントを追う足が止まる。
振り返るは背後、
大きく膨れ上がる、
まばゆいばかりの膨大な魔力――]
……宝具か…!
[この場に居残るは、危険に過ぎる。
ビンセントを追うのを中断し、
その場からの撤退を開始した。]
[ソロモンの体から光が毀れ始め、今までの貧弱であった筈のその魔力が著しく増加していく。
そして、ソロモンの体の周囲には・・・・・・銀色に輝くライカンスロープが浮かび上がる。
まるでソロモンがその光の狼男を体に纏っているかのように、彼の腕も、体も、足も、そして顔も。光の鎧を纏っているかのように変貌していく]
第五十七柱、魔神オセ。
名も知らぬ英霊、悪いが貴様の命運もここまでだ。
[次の瞬間、光を纏ったソロモンはバーサーカー目掛けて光の速さで踏み込み、そのままバーサーカーの鳩尾に目掛けて光の爪を突き上げる]
[拳は地に叩きつけられ、そこから膨れ上がる黒く歪んだ炎と
捲れ上がった大地の、破片と呼ぶには余りに大きすぎる塊。
それらは轟音と衝撃を伴いキャスターへと叩きつけるべく
まるで地より龍の這い出でたかのような錯覚を伴って
真っ直ぐに伸びてゆく]
─── ァ はッ
[鳩尾に食らったところで女の進足は止まらなかった。
嗤う。嗤う、嗤う。
己の宝具の威力が相殺されようと、
戦闘を続ける能力に長けていた英霊は
男の腕を勢いよく、関節の稼動範囲外の方向へ
遠慮なく捻りあげようと鳩尾に沈んだその腕を掴みにかかる]
ぐっ・・・・・・!
[光り輝く腕はバーサーカーの剛力に捻られる。
咄嗟にバーサーカーの体を蹴り、距離を取る。
しかしそこには先に放たれた地龍が襲い掛かる。
数歩下がるが、ソロモンを補足し軌道を変えていく。逃れられない]
察し、ソロモンは正面に掌を突き出す。
周囲を回遊していた魔方陣が、掌を中心に集結し。
そしてその中央、まさに掌へと光が集まっていく]
・・・・・・打ち抜く!!
[その地龍の向こう側にいるバーサーカーまで見据え、その光を開放する。
オセが放つ光は一直線に地龍を正面から打ち抜く。
凝縮された魔力の光はもはや魔術師が扱うそれとは次元が違い、その塊を破壊し、周囲の空間が歪み、そして空間ごと塊は弾け溶けていく。
貫通しながらも小さな爆発を繰り返し、なおも直進し続ける]
――っ、…!
[弾け飛んだ地面の破片を
身を捻って避けるが腕に掠る。
とんだ先、非常階段の手すりに
掴まって体を支えた。
硝子の欠片、照らされて
神話の戦いが繰り広げられている。
御伽噺ほどに遠い、偉大なる王の魔術。
相対するは、いにしえの鬼。
巻き起こるそれは暴力といって尚生ぬるい。
ユダは探す。
マスターの気配を。
よもや巻き込まれてはいまいな――と。]
ッ
[舌打ちがひとつ。
そして女は後方への深い跳躍を以って間を空ける。
白い着物は既に赤い。
青灰色は、傷の割にす、と立ち上がった。
バーサーカーの、バーサーカーである証ととるべきか]
[光はバーサーカーを掠め、そのまま遠くの空へと空間を貫いていき、そして周囲の空間に歪みを残しながらも消えていく]
くっ、避けたか。
[誤算。この状態を保てる限界が近づいている。
今の一撃で倒せなかったのは致命傷になりかねない。
もう一度、今の一撃を放てば。自滅に繋がる]
[ソロモン自身もバーサーカーに与えられたダメージは大きい。
握られた腕は未だに痺れ、避けたつもりの彼女の一撃一撃も、ソロモンの体に傷を刻んでいる。
だが、それだけではない]
―東区・有栖川邸―
[ ざ、わ、、…嫌な予感がした、今までに何度か感じた事がある、
胸がざわつくような不吉な予感・・・
ポーチのテーブルに飲みかけの紅茶を慌ただしく戻す。
子蜘蛛の糸を手繰ろうとするも見つからない!
――これは、この感覚は…子供達が自分の腕から零れ落ちてゆく感覚と同じ!!
リシアは駆けだしていた。何処に?
また大事な者を失ってしまう。何故だ?
駆けだして…かの者が好きだった果樹縁に差し掛かった時
自分の体から強制的に引き出されるあの感覚…
[代償。
ただソロモンの指輪を発動しただけでは、不足した魔力により魔神の力を行使する前に消滅してしまう。
それを補い、魔力の消費量を抑えなおかつ彼らの力を出来る限り行使する方法。
それは、ソロモンの”霊核”そのものを触媒にする事。つまりは”ペルソナ化”。
無論、霊核を触媒にする以上ソロモンの核はまさに英霊2体分以上の負担を強いられる。
長時間の発動も難しく、また連続して発動すれば間違いなく破壊される。
いわば、最後の手段。それを彼なりの降霊術の行使により補助し実現させている。
もし、次の一撃を放てばどうなるか。ソロモンの霊核はその出力に耐えられず、即座に破壊され、消滅する]
アンネリーゼ、撤退する!
[これ以上の戦闘続行は不可能。それがソロモンの判断。
まだオセの力は残っている。この場を全力で脱出するくらいならば出来るはずだ。
近くにいるであろうアンネリーゼに呼びかけながら、視線で彼女の姿を探す]
――…っ、同時に膝の力が抜け丘陵を数度転げた。
そのまま草むらに突っ伏すも、ふらつく足取りで起き上がり、回路に全神経を集中する。
せめて判ったのはメフメトの意識が向いている場所
――中区・駅前―― ]
――…ッ、わかった…!
[巻き込まれぬよう、幾らか後方に下がっていた辺りから
投げられた声に、一言、声を上げる。
…正しくは其れ以上の言葉を発する余裕が無かったとも。
ある程度の魔力の回復はしている心算だったが
宝具を発動した辺りから――吸い上げられるのは並々ならぬ魔力の量。
これ以上は、此方も限界に近かった。
…嗚呼、よもや巻き込まれた者など、いないだろうか。
――魔力が尽きそうな中で、やはり一瞬だけ、頭に過った**]
―中央区:逸れた道―
[指先から力を抜き、ユダは落下に身を任す。
ひび割れた地面に降り立てば、
それに気づいた偽一が手招いた。
この場から離れる、と
謂わずとも同じ考えであろう。
サイレンの音、近づく中区から
サイドカーは遠ざかっていく。
飛散した礫が掠って
破れた二の腕に触れた。
眉を寄せる。]
……ち
[狂戦士としては、このまま追う方が正しい。
だが、主の力が遠く現状が苦しいのはこちらも同じである。
結果的に女も引く羽目になった。
草履は、ざり、と音を声をあげ
数回の瞬きのうちに女の姿はその場所から消えうせた**]
[ソロモン王の魔術は、言わずもがな。]
……。
あの女はバーサーカーだな。
いや。
――「鬼」 …と、
謂うべきかもしれない。
[ユダはそう、偽一に謂った。
彼はどんな顔をしただろうか。]
[声を聞き、そのままアンネリーゼの傍へと跳躍する。
やはり、魔力が枯渇している。これでも駄目なのか。
ちっ、と舌打ちしながらも、自身に掛かる膨大な負担に耐えながら、もう一度跳躍をする。
大きく跳び、戦場となったその場から離脱していく**]
―埴シニアタウン・バス停前―
[…泥と土に塗れ尚も、かの者と約束したを守るように…
『自慢の二足歩行』で駅に向かうリシアの姿があった]**
―北区/寺北遺跡群―
ふむ。
止んだようであるな。
[溶鉱炉は、皇帝の腕に巻きついたまま。
時折赤い電磁を放ち、横顔を暗く照らしていた。]
さて。どう動いたものやら。であるな。
[閉じていた目を開く。
ひときわ大きな電磁を放ち、溶鉱は唸りを上げた。
還る先は孔でもなく、ソラでもなく、皇帝の体内。
皮膚を破り、肉を焼き、骨を溶かし、更に内側へ。
熱した鉄が、かりそめの体へ流し込まれた。]
―中央区→東区―
[サイドカーでユダを回収した偽一は、出来るだけ現場から離れるべく、エンジンをふかしていた。
日が沈み、紅色の空がゆっくりと青紫に染まっていく。]
こういう時間帯を、日本では逢魔時と言うらしいよ。
さっきは日が昇っていて、魔に出会うには、早すぎた気がするんだけどな。
[偽一は、日の照る街中で、多数の人に構わず暴れ出した英霊と魔術師に、戦慄を覚えていた。
しかも、先に暴れ出したのは本来英霊を抑えるべき、魔術師の方だったように見える。]
あの2人とは手を組む要素も、利用する要素も無い。
そんなのはいつか暴発する爆薬を、胸元に抱えているようなものだ。
バーサーカーで間違いないだろう。
彼ら以上に、バーサーカーと言う単語が似合うコンビはいないだろうからね。
[この戦争は、彼らを放置したままで、継続可能なのだろうか。
偽一の中に、そんな不安すらよぎった。]
[逢魔が時。漢字は頭に浮かばないが、
響き特徴だけで何とはなしに意味を察する。]
やつらに時間は関係ないと見える。
……あの眼鏡の男、
逃がしたのは痛手だな。
[握った手を口元に当て、
口惜しそうに眉を寄せた。]
――あそこで殺せていれば…
[ざわり、落ちる影が沸き立つ。清濁正負混在した想いが沈んでは浮く。使徒にあるまじき行為を口にしながら、あの場で飛び出したのはあれらがひとを殺し始めたからだった。]
[ざわつく。
絡み付いた闇は荒縄のように離れない。
己をこの地に呼び寄せた、
その要因の1。
聖盃の穢れ、澱み。
願望器として機能はしながら、
その実すでに汚染されている、漆塗りの盃。
―――何故穢れたのか
それはユダの知るところでは、なく。
恐らくは「彼」も、また同じだろう。]
[闇がわらうようにざわつく。
ユダは首を横に振った。]
…違う
[己は願いを叶えるのだ、
そのためにここにいる。
叶えられないわけが
――ない、はず。
ひとつ息を吐くと、
ユダは眼を閉じた。]
……………その反応はそれとなく分かってやがるらしいな。
いいだろう。
貴様が歩むと決めた道だ。
一つ教えてやる。
………………、
ハ。
何を情けねえ声出してやがる。
貴様が選んだ道だろうが。
――尤も、貴様の道は行き止まりであるが。
…………あるなあ。
どでかい鬼小僧が眠ってやがる。
[目を瞑れば伝わってくる、澱みの奥の鼓動。]
吾や貴様が盃を手にしたとしても、
鬼小僧が蘇るだけだ。
……化け物退治の専門家様も、遺言で置いていきやがったしな。
[――このままでは、鬼が再来する。
鉞を振るった英霊は、そう告げたのではなかったか――。]
――で、どうするアサシン。
諦めるか。
貴様の選択は取り返しのつかぬ過ちであったと認め
貴様の道は、奈落へすら続いておらぬと立ち止まるか。
[闇がざわつく。
引き込むように手を伸ばす。
その禍々しさは。
息が詰まる。
喰われてはならない。]
…最初の夜、
絶えた英霊か
―――、…
奈落、 …?
は、
[乾いたような息は笑いか否か。
願うことすら許されない、
なんという茶番か。]
今更。
今更も何もあるまい。
引き返すも貴様の道である。
吾はつまらぬが、以前にも言ったように
民草は選択の権利を有する。
貴様の選択を、誰も謗りも誇りもせぬ。
選択をどう思うかは、道を歩み終わった後の貴様自身である。
立ち止まりたいなら立ち止まれば良い。
面倒だと思ったなら、途中で辞めてしまうのも一つの選択。
そして、貴様がまだ盃へ願う事を諦めぬというのなら、
―北区/青丹寺―
[男の姿は、寺院に在った。
澱みを引き連れる男を拒むように、山は啼く。
巨大な影で地を覆い隠し、赤旗を脱ぎ去った男を呑まんとする。]
―――ふん。
さすがに、堪えるであるな。
[表情に、一つとして違和は無い。
もしその半顔が、人の色をしたままだったなら、だが。]
[湧き立つ、熔鉄の半顔。
――起きた異変は刹那の間。
風が一陣横切れば、いつもの皇帝の顔に戻っていた。]
……まだもう少しかかるであるか。
参ったなあ。
想定よりも厳しいである。
[拒む"門"を隔て建つ寺院に望み、男は薄く笑った。]
民草は選択の権利を有する。
何者も是を拒む権利は持たぬ。
権利を捨てるは己であり、権利を得るも、また己であるからだ。
そして貴様の選択が、鬼小僧に阻害されるというのなら。
投票を委任します。
フェリシアは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
んフ、相手のマスターでも居ればと思いましたが、さすがにサーヴァント相手では分が悪いですね。
うちの子はすっかりあちらに夢中なようですし……。
アタシは一足先に退散しましょうかね。
[そう言って逃げ出そうとした時、アサシンの放った槍が触手に命中した。
爆ぜたように肉片が飛び散り、右肩から先は無くなっていた。]
ぎゃっ!い、痛いじゃありませんか!
んフー、この借りは、か、必ず返しま……。
[捨て台詞を吐いて逃げようとした時、大量の魔力が消費された。
よろめきながら、辛うじて車まで辿り着く。]
……ん、フ……、ふぅ。
―北区/青丹寺―
[敷地へ入った男は、本堂脇に吊るされた梵鐘へ近寄った。
呪のように掘り込まれた古の文字。意味するところは不明。
呪をなぞり指を這わせ、目を瞑った。]
ふむ。
質、大きさ共に良好である。
[後方に、溶鉱炉は開かない。
機能の代価を果たすのは、皇帝自身の躯。
その腹から、湧き立つ泡と共に、一塊の鉄が流れ堕ちた。
宙を舞う、と呼ぶにはあまりにも相応しくない挙動。
重みに逆らえず、地へと吸い込まれた。
輪郭の曖昧な鉄は、鈍い紅蓮を発しながら、形を成そうとした。
滴る。
形を成そうとする度に、男の腹から、胸から、鉄が滴った。]
[腕が形を失い、肩にかけていた外套が落ちる。
男が背負い続けた血色に浮かぶ月が、鉄に触れて燃え盛った。]
この文字のせいであろうかな。
中々に繋ぎ辛い鉄である。
[――分解は、そこまで。
赤光が腕を壊し半身を壊し、半顔を呑みこもうとした時
鉄は、滴ることを辞めた。]
[足元に出来た血溜まりのような熔鉄が、男の身を焼き始める。
亡国の御旗の共に、焔の海へ還ってゆく。]
直接的な介入は出来んが――さて。
吾が死を以って、貴様はどのような道を往くであるかな。
……何も変えぬとしても構わん。
全ては貴様の選択であり、貴様の道であるよ。リシア。
復讐に身を窶すも、願いを変えるも自由。
皇帝たる吾が却下したとしても、革命する権利は残されている。
――ただ、
[口のような形は、音を発しようとして、閉じた。
続きは残らず、笑みのような形がそこに在るだけだ。]
[回線をまわす。
繋がる先は人の意志ではない。人の概念とも違う。
人には理解できぬ鋼鉄を以って満たされた炉。
地に堕ちた男だったものは、開いた孔へと堕ちてゆく。
英霊たる肉体と、呪の編まれた梵鐘との同化。
消える先は現世でも常世でもなく
男が、皇帝として駆け続けた戦場の具現。]
貴様の選択を護る為に吾が必要になったなら、
寺院の"鐘"を開け。
貴様が道を進み、それでも願いが踏み躙られるなら。
―――、
ふん。
面倒だ面倒だと言いながら、結局俺は、最期まで皇帝か。
[鉄と同化した目のような形が、振り返る。
紅蓮に輝く夜の庭先には、誰もいない。
己の道を讃える者はなく、己の死を嗤う者もなく。]
仕上げだ。
貴様との縁を断つ。
―――、
そうだな。
実直に言うと、また仕事せにゃならんのかと嫌気もさしたが
ここ数日は、吾が人生よりはつらまぬものではなかった。
[皇帝の足元、溶鉄が消えた孔から、電磁が奔る。
せり上がるは一つの砲。
その身に、限界まで魔力を詰め込んだウルバンの魔砲。]
――Amaç iyi.
Değil bir tehdit, ama sadece benden önce rükû edin.
"Susamış canavar düşmek berabere"――.
[砲火の号令。
侵奪の粋を一身に体現する巨砲は
唸りを上げ、赤光を砲口に湛え、そして――]
――友と共に、世の全てに挑めたなら、か。
……それは俺の願いであって、吾の願いではないのだよな。
[そして今、この地に立つは、皇帝としての己。
選択の権利を与え、道を開く為だけの――。]
[――――、]
――――。
む。
[赤光が、中々吐き出されない。
帯びた電磁を弾けさせるだけで、砲口は皇帝を向いたまま。]
………え、いや、それはちょっと
格好つかんのであるが。
[皇帝は、ウルバンをこつんこつんと蹴った。
……反応が無い。
皇帝は、ウルバンに呼び掛けてみた。
……反応が無い。]
……くっ、貴様、こんな時に故障であるか!
貴様はいつもそうである。肝心な時に!! ばか!!
[皇帝は、ウルバンを蹴り上、]
[赤光が、轟音と共に破裂した。
燃え盛る空。燃え盛る大地。
焼けた炎の中で、熔けた鉄と化した男は、最期に一言、呟いた。]
−北区・山の麓−
[既に元のソロモンの姿に戻っていた。
ホテルを目指して跳躍したが、力持たず。
人目につかないようにアンネリーゼを抱えながら物陰に座り込む]
はあっ、はあっ・・・・・・
[心臓に該当する箇所がずきずき痛む。
まだ大丈夫だ、少し時間を置けばやれなくはない。
しかし、根本的な魔力不足が解決したわけではない。
腕の中にいるアンネリーゼは意識を失ってしまっている]
[刹那。爆発音。
遺跡群のほうで真っ赤な光が破裂するのが見える]
なっ、一体何が!
[耳をつんざくような爆発音。
暫くすると音も光も止み、また静寂が訪れる]
行って見る、か。
[アンネリーゼを背中におんぶし、遺跡のほうへと歩いていく]
―東区―
な、なんだ?!
[偽一は北の方角に瞬いた赤い光と、かすかな爆裂音に気づき、サイドカーを停める。
ユダが飛び降り、北を見つめながら、1歩歩み出た。]
本当は帰って体を休めたいところだったのだが……。
仕方ない、ユダ、北へ向かおう。
何が起きたか確かめる。
[サイドカーの上から、そう声をかけて手招く。
今日は長い1日になりそうだ、と思った。]
―中区・埴駅前広場―
[足下がふらつきながらもメフメトを捜す。
いっこうに収まらぬ胸のざわつきと、吸い上げられる魔力に自分自身も限界に近かった。
あれだけ特徴のある男だ、人混みにいれば見つけ出すのは容易なはず、だった。が、見つからぬ!!
ふ、と…思い立ち携帯のギイチのボタンを押してみる。
彼の、あの青年ならもしや、と… 呼び出し音が鳴る。
――、ドクン…胸が鳴った――
見上げる夜空
北の方角から太陽が現れたかのような閃光
その光はやがて赤く夕日が落ちてゆくように
夜の闇に吸い込まれていった。
取り落とした携帯は、切れていた。
乾いたアスファルトの上幾粒も零れ落ちる涙… ]
―――……、
……。
[意識が、鉄と同化してゆく。
フェリシアという拠り代を失い、
梵鐘という拠り代に接続したが
メフメトがメフメト自身として在るには、盃が許さない。]
…… 言った
で あ
ろう。
――――
―――
[声を届けるには、あまりにも意識が遠い。
ノイズが段々と酷くなり、声らしきものも、ついぞ潰えた。]
−北区・遺跡群−
[眼前にはクレーター。
どれほどの威力であったかが伝わってくる。
以前アンネリーゼが言っていた、恐ろしいまでの出力の英霊。
その英霊の実力がこれなのだろう。
しかし、周囲に英霊の気配は既に無く。
むしろ・・・・・・英霊の魔力の残り香のような、まるで空気に溶けていってしまったような感覚を覚える]
メフメト、なのか?
[答えは判らないまま。
しかし、もうメフメトには出会えないような気がした]
−中区 車の中−
[残されたわずかな魔力で傷口周辺の細胞組成を変化させ、なんとか止血させた。]
ん、フー、……魔力さえあれば、腕の一本や二本簡単に生やすんですが……バーサーカーめ、おしおきが必要ですね……んっ、フ。
[息も絶え絶え、と言った様子で、ぐったりと身体を休めている。]
―東区→中央区―
[偽一は、東区から中央区を経由して、北へ向かうため、サイドカーを走らせていた。]
む……?
[用心のため、人通りの少ない道をとばしている最中、わずかな令呪の反応に気づく。
どうやら、前方に停車している、車からのようだ。]
魔術師がいるようだ……一体誰だ?
[ユダにそう言うとスピードを落として、接近を試みる。]
とりあえず、栄養補給をしなければ……。
[近くにある自動販売機でトマトジュースを購入すると、ぐびぐびと飲み干す。]
……んフッ、んフッ、ぷハーッ。
ひとまず、人心地つきましたかね。
とりあえず、栄養補給をしなければ……。
[近くにある自動販売機でトマトジュースを購入すると、社内に戻ってぐびぐびと飲み干した。]
……んフッ、んフッ、ぷハーッ。
ひとまず、人心地つきましたか……んフッ!
こ、このムネの高鳴りは!
[苦しそうに左胸を押さえながら窓の外を見ると、サイドカーが近寄ってきた。見れば、先程の英霊がちょこんと座っている。]
し、しつこいですね。
仕返ししてやりたいところですが、バーサーカーも居ないし、万全でもありませんし……。
仕方が無い、逃げますか。
[アクセルを目一杯踏み込むと、残された左腕でハンドルとギアを操作しながら器用に発車した。]
とりあえず、栄養補給をしなければ……。
[近くにある自動販売機でトマトジュースを購入すると、車内に戻ってぐびぐびと飲み干した。]
……んフッ、んフッ、ぷハーッ。
ひとまず、人心地つきましたか……んフッ!
こ、このムネの高鳴りは!
[苦しそうに左胸を押さえながら窓の外を見ると、サイドカーが近寄ってきた。見れば、先程の英霊がちょこんと座っている。]
し、しつこいですね。
仕返ししてやりたいところですが、バーサーカーも居ないし、万全でもありませんし……。
仕方が無い、逃げますか。
[アクセルを目一杯踏み込むと、残された左腕でハンドルとギアを操作しながら器用に発車した。]
もしかして、昼間、街で暴れてた奴か?
追うぞ!
[走り出した車を見て、偽一もサイドカーのアクセルを限界までひねった。
前を走る車に追いすがり、斜め後ろ辺りにつける。]
――――何?
[眼を凝らす。
確かに魔力の気配がある。
だがそれは今にも揺らぎそうな。
ヘルメットを取り、
いつでも動けるように腰を浮かす]
あれは、…!
ギイチ、バーサーカーのマスターだ。
[横目に偽一を見て]
逃がすな。
[車を走らせながらサイドミラーを見ると、サイドカーがぴったりと付いてきていた。]
んフッ、本当にしつこいですね!
片手では埒が明きません……ハッ、こうすれば。
[左腕を触手に変化させ、二つに枝分かれさせる。
それぞれがハンドルとギアを操ることで、操作性が向上した。]
んっフッフッ、“コーンウォールの風”と呼ばれたこのアタシのドライビングについて来れます……かッ?
[急激にハンドルを切ると、タイヤが悲鳴を上げ、テールが流れる。
しかしハンドルをくいくいと操作しながらカウンターを当てて、直角ターンを成功させた。]
鬼と暴れていた彼か、では遠慮はいらないな。
[目の前の車が、華麗に急カーブをターンしていく。]
捕まれ!
[そう叫んで、ハンドルを切り、スピードを増す車の後を追いすがった。]
運転は向こうの方が上手か?
手に入りにくいから、あまり弾は使いたくないのだが……。
[左手でハンドルを固定しながら、すかさずショルダーホルスターからべレッタを抜く。
そのまま、ほとんど狙いをつけず、車の窓を目掛けて発砲した。
銃撃音と共に、砕け散ったフロントガラスが、辺りに散乱する。]
―――!
[サイドカーの縁をぐっと掴む。
体を低くし、振り落とされないように。
フロントガラスの破片がきらめき落ちる。]
成る程便利な道具、だッ
[片手を握りしめ、
銀貨を具現化させた。
あまり魔力を連続し消耗はできない。
己の影に落とし込み、二つの槍を生じさせる。
狙うは車輪。]
[引き離したかと思いつつサイドミラーを見る。
と、突然、フロントガラスが砕け散った。]
なっ……て、鉄砲は魔術師としていかがなものかと思いますね!んフー!!
[興奮しながらサイドミラーに写る狙撃手を睨んだ。]
そちらがそう来るなら、こちらにも考えがありますよ!
[サイドカーのライダーがアクセルから手を離したことで、いくらか距離が離れたことを確認すると、ハンドルをクンと曲げた。
車体が少し流れたところでブレーキを一気に踏み込み、テールを滑らせる。
同時にカウンターを当てつつギアをローに戻し、アクセルを目一杯踏み込むと、車体は華麗に180度ターンしていた。
タイヤの悲鳴は歓声のように鳴り響き、白煙は拍手のように立ち上る。
そしてそのまま加速を続け、サイドカーに向かって車を走らせた。]
[飛来した二本の槍は、直前まで後輪があった場所、すなわち真っ黒いタイヤ痕に狂い無く命中した。
平凡な運転であれば、間違いなく捕捉されていただろう。
ビンセントの額に一条の汗が流れる。]
んフ。
[槍は車輪を貫けず。]
ち、っ…!!
[舌打つ。
サイドカーの座席から
立ち上がり前方に足をかけ体を前に傾け]
ギイチ、避けろよ!
[だん、と踏み切り
暴走車に飛び移る。]
ちなみに、コーンウォールの風とは、MASTERキートンの何話目だかの副題です。
誰か気付く人いるかしら、んフ。
[目の前で急速にターンをした車が、目前に迫ってくる。
偽一はさすがに、体当たりをされたら持たないと考え、無理やりハンドルを切った。
その急な操作に、サイドドカーは耐えられず、スピンをし、路肩に乗り上げて止まる。]
−中区・元勢宮−
…ち
[駅前を離れ、一度身を落ち着けられる場所へと
無意識に向かった場所は自分の中の古い記憶と何も変わらない場所。
強いて言えば社殿が塗り替えられたり朽ちたりしていることぐらいだ]
…あの変態
[名前を思い出せないままであったが、
身をくねらせる様を思い出して息を吐き出し]
どこ行った
[仕留めた!と思った瞬間、辛うじて身をかわすサイドカー。
サイドカーから身を乗り出して飛び蹴りを放つサーヴァント。
その飛び蹴りを避けられる速度であるはずもなく――]
こ、これがジャパニーズ・ライダーキック……!?
[――車体は天井部分を失い、運転手は衝撃で車外に放り出された。
身体は中を舞い、程なくして容赦なく地面に転がる。]
がッ、ゲ、ぎ……。
……さ、さすがに、まずい、ですね。
“せ、聖杯の寄る辺に従い、命ず……
……我が、僕を、ここに”……ごフ。
[血の息を吐きながら、詠唱を完成させた。]
[仕留めた!と思った瞬間、辛うじて身をかわすサイドカー。
サイドカーから身を乗り出して飛び蹴りを放つサーヴァント。
その飛び蹴りを避けられる速度であるはずもなく――]
こ、これがジャパニーズ・ライダーキック……!?
[――車体は天井部分を失い、運転手は衝撃で車外に放り出された。
身体は中を舞い、程なくして容赦なく地面に転がる。]
がッ、ゲ、ぎ……。
……さ、さすがに、まずい、ですね。
“せ、聖杯の寄る辺に従い、命ず……
……我が、僕を、ここに”……ごフ。
[血の息を吐きながら、詠唱を完成させた。]
鳥野さんと油田さんで、微妙に青写真が違っている気がしますね。
今回はこちらの希望を押し通させていただきました、んフ。
見つけたら───!
[ただじゃおかないつもりでいる。
けれどそれより先に、自分が呼び出されることになったらしい。
じり、と肌を滑る焼けるような熱を感じたかと思えば
主の転がるその前に白から赤に染まる鬼は身を躍らせていた]
なんだこれ、どうなってr……
電車の中でログを読んできた心算だったけど
正直5割も理解している自信が無い。
づっ―――!
[蹴りは派手にフロントガラスを砕き、
ビンセントへ命中する。
が、ユダもその勢いのまま跳ね飛んだ。
体を幾度か回転させて辛うじて体勢を整える。
吹き飛んだ男とは距離が開いた。]
[離れていった車が止まったように見えた瞬間、女の姿が見えた。]
……しまった、呼ばれたか?!
[偽一の肌に悪寒が走る。
すかさずサイドカーを道へ戻すと、再びエンジンをかけ、ユダの方へと走った。]
一旦、退くぞ。飛び乗れ!
[頷く間も惜しい。
偽一の声に従い飛び乗る。
金色の、唇ゆがめる笑みが見えたか否か、
ユダは一瞬、其方を睨みつけたろう。
だがそれだけ。
ただ闇が沸き立つのを、確かに感じた。]
お前
[目を見張る英霊に向ける言葉を紡ぐ唇は赤い]
鬼を知っているな
[かまをかけたわけではない。
彼が歪みに似た何かを感じたとも知らない。
ただ、彼は確かに自分を見て鬼といった。
だから、隻腕にとっては鬼を知る敵に過ぎない。
黒い歪みが肉を沸かせ、失われた腕が黒くよみがえる。
それは確かに、聖盃にまとわりつく怨念に近い何かがある]
[左胸の一画が光を放ち、失われた。]
ん……フ、お、おそか、た、ですね……。
[既に瀕死である。
去っていく敵の姿が見えたかどうかは定かではない。]
――… 知っている。
[走り去る、前か。]
お前
聖盃の「穢れ」に関わるものだな。
[ユダの浸る赤黒い闇に、
この女――バーサーカーの声も気配もない。
では何故、この女から歪みに近い
「何か」を感じるのか。
穢れ。それに呼ばれたものが
盃を手にすればどうなるのか?
疑問。疑念。薄々、勘付いていて、それでも]
[見知らぬ女。
因縁は、ユダの知りえぬところで
深く根付いている。
本来英霊として呼ばれる筈の無い己を
引き寄せた「穢れ」が
蠢いている。]
…―― 「鬼」がなんであるなど知らない。
だがおれは。
必ず。盃を―――
[彼が飛び乗る前に投げた言葉は届いたのだろうか。
彼の問に、女は答えなかった。
ただ、唇をゆがめて確かに笑った、それが答えなのだろう。
けれど既に機械の輿は遠くなった]
…そうか
[コールタールで作られたような黒い腕は
体の中に再び戻ってゆき袖の中は空になる。
遅い、と地の上に転がる男を見下ろし]
―中央区→北区・遺跡群付近―
[中央区から走り去った偽一たちは、遺跡群付近へと訪れていた。]
仕留め損なったのは残念だが、かなり傷は深いようではあったな。
あのままリタイアしてくれて、女の英霊もまた消える……なんて展開ならありがたいのだが。
[先ほど出くわした魔術師の姿を思い出し、そう呟く。]
ま、……たく、つかえない、てご、ま……です、ね……。
つぎの、めいれい、です……アタシを、いたわりなさい。
[令呪の一画が光り、失われた。]
は
[なんて勿体無いことに令呪を使うのであろう。
だが、男の令呪にさせたことは、その場に膝をつき
男の腕の止血された傷を撫でることだった。
自分が、そのようにされた記憶があるのだろう]
―中央区→北区・遺跡群付近―
……
[短く、大きく息を吐いた。
肩を払うとぱらぱらと細かい硝子の破片が落ちる。
髪にも絡まっているのか、少し軋んだ。]
それを願いたいが な
[眉を寄せる。
あの女は、笑っていた。
例えば己一人で挑んだとて
不意をうっても勝てる相手か?――。]
鬼、…鬼か。
[独り言のように呟いて、
一度来た道を振り返ってから、寺院のあるほうへと顔を向けた。]
ああ……、わるく、ないです、……よ。
[膝枕に頭を載せられ、傷口を撫でられながら、心地よさ気に目を閉じた。]
がさつなくせに……やわらかい……です、ね……。
[太ももにすりすりと手を添える。]
黙れ
[悪くないというのはどういうことなのかと
隻腕の女は大変不機嫌そうであった]
触るな
[更に不機嫌極まりない。
けれど令呪の効果は絶大だった。
払うに払えないのだから]
―北区・遺跡群―
……、ぅ…。
[微かな揺れに、意識が浮上する。
小さく呻きながら、重い瞼を無理やりにこじ開けて、…ふつと感じる違和感に薄く開いた翠が瞬いた。
――ええと、私、どうしたんだっけ。働かない頭で、必死に記憶を引き摺りだす。
そうだ、宝具をキャスターが使って。
駅前のあの場所から何とか離脱を果たしたまでは良かったが
…魔力が限界で、――嗚呼そうだ、そこから記憶がない。
どうやら意識を途中で失ったらしいというのは、理解した。
気を失っていた間に、多少の魔力は回復したらしいが
まぁ雀の涙程度だ、あれから然程の時間は立っていないのだろう。
深刻な魔力不足以外に、痛みなどは無い。
それは幸いか、と小さな溜息と共に起きあがろう―――と、して。
…僅かな浮遊感。というか違和感。 眉を寄せた。
この目の前のあったかいコレはなんだ。]
嫌よ嫌よも好きのうち、とは、いつからの言い伝えですかねぇ、んフ。
[バーサーカーの太ももを擦りつつ。
視界が徐々に霞んでくる。]
……ああ、それでは、最後の命令、です。
んフ、……アナタは、生きなさい。
再契約でも、何でも、好きに、なさ……い。
[左胸の刻印が光を放つのが先だったか、光を失うのが先だったか。
バーサーカーの膝の上で、満たされた表情を浮かべて、男は事切れていた**]
[―…あれからどのくらい時間が経ったのだろう。
道行く一人が携帯を拾い上げ、手渡し気遣って行く。
軽くて手をあげ気遣い無用とばかりに首を振った。
ただ充てもなく道をフラフラと歩いていると、
忘れかけていた胸の痛み…]
―、っ…魔術師か?
知るか。
[息を吐き出す。
人が死んでいく感覚を鬼は知っている。
男の今の状況は、まさにそれだった。
隻腕は何も口にせず、ただ、男の令呪の最後のひとつが
形になるのを聞いていた。
じっと膝の上を見下ろす。
この時代は遺体をどうしているのかを隻腕は知らない]
[掛けられた声に、ぱちりと、瞬いた。
ええっと。 …どういうことだろう。
いや、どういうことも、…現状そのままなんだろう。
顔ごと、ぎぎぎ。と視線を上げる。]
――…、お、おかげさまで。
…っていうか、何やって、
お、降ろして…!
[絶対重いから!、とは
だがしかし自分の口からは若干言いたくない乙女心。]
っていうか、ここ。何処?
というわけで、脱落です。
触手魔術のフィラーを全然使えなかったのが心残りですが、欲望のままに生きて死んだ男の結末としては悪くないと思います、んフ。
っと、暴れるな!
[足元がよろけるが、何とか転ばずに耐える]
ここはホテルに近い遺跡だ。
駅前からの戦闘離脱時に山の麓まで跳んで来たのだが、同時に光と爆発音が起きたのでな。
このクレーター、宝具と見て間違いないとは思うのだが・・・・・・英霊は見当たらん。
[とりあえず説明をしつつも]
体のほうは大丈夫か。
・・・・・・無理をさせた。すまない。
―北区・遺跡群―
[令呪にじわりとした反応を覚え、偽一はうんざりした表情を見せた。]
……まあ、他の誰かも光を見て、偵察にきている、なんて可能性はは考えたけどさ。
今はこれ以上、疲労したくは無いよね。
[ユダの前で、肩をすくめて見せた。]
…ああ、
[硝子で細かい傷がついた掌を見る。
中央区でのこともあり。]
さすがに な。
おれ はともかく
そっちがな。
[ 道向かいに金髪、隻腕…の英霊が膝枕をして
自分のマスター(?)を見つめている。
反応する令呪が最後に一つ瞬いて消えたような気がした…
そうか…この英霊も置いて行かれたのだ…、
と、数歩歩み寄り声を掛ける。]
…そなたも、置いて行かれたのか?
[身じろぎもせずにマスターを見つめる英霊に声を掛けた。]
…爆発音?
[背中越しにクレーターを見やる。ぱちりと瞬いた。
――ああ、何処かでも似たものを見た事がある気がする。
確か、今では立ち入り禁止にもなっている大学の敷地内。]
これ。多分、アーチャーだよね。
確かに――周辺に気配はなさそう、だけど。 …キャスターでもわかんないの?
やっぱりちょっと魔力は足んないけど、お陰さまで大丈夫。
…別に、キャスターが謝ることじゃないでしょ。
私が魔術師としてダメダメなのが、そもそも問題なんだし。
だ・か・ら 降ろしてってば。
[だいじょうぶだから、ともう一度、付け足した。
先よりは暴れる事はしなかったが、それでも半ば無理やりに
地面へ足を付けた直後、何度か覚えのある令呪の反応にぴくりと周囲へ視線を向ける。]
――だれか来てる。
。
[声がかかった。
顔を上げるがゆっくり瞬いて]
生きろと、言われた。
[会話は端的である。
視線はそのまま膝の上の頭に落ちた]
葬り方を、知らん。
少し距離があるな。
…あれは、 寺の方向か?
[バーサーカーではないだろう。
警戒しながら、気配を感じた方から見て
偽一の前に出る。]
[アンネリーゼを降ろした後、その言葉に反応する。
しかし、周囲に漂う英霊の魔力の残骸が目くらましのようになっているのもあるが、相手がアサシンというのもあり感知が出来ない]
このクレーターを作り出した英霊だというなら、アーチャーなのか。
[メフメトとは停戦状態ではある。
この状況では、彼が近づいてきていると願いたい]
/*
それd
あ、吾の状態で分からない事があれば質問置いておいてくだされば、朝までに頑張って回答するのである。
/*
寺方面だと軌道修正しつつ
できるのかこれは
承知した。
何かあれば書いておく。
割と跡形も無いのだろうか。
澱みの説明も入れようと思っているんだが。
わがアジトのインスタントコーヒーが懐かしいよ。
今日は、あれを一杯飲み干して、眠りこけたい気分だ。
[用心のため、ユダに先を歩いてもらい、後をついていく。
程無くして。見た事のある2人組の姿を確認した。]
[ 英霊が顔を上げる。
この場所で戦闘があったのだろうか?
彼女もマスターも傷だらけであった。
ただ、美しい端正な横顔が泣いているように見えた。]
そうか、そなた…その男を運べるか?
/*
拠り代をフェリシアから鐘楼に移して、回線操作で溶鉱炉の鉄と同化している故、吾自身の肉体は残っていないはず、である。
badend時のみの伏線であるな。
あっ。「寺北」遺跡ってそういう意味であるk 今気づいた!
どこへ運べばいい
[それくらい造作のないことであった。
クラスが別のクラスであれば違ったかもしれないが
幸いなことに女は腕力に比較長けたクラスである。
女の言葉に立ち上がると、残った肩で男の体を担ぎ上げた]
―北区・遺跡群/寺院側―
[遺跡群は寺の北、その側に位置する。
鐘楼が溶かされたその暴力的な現象に、
寺院も遺跡も大きな被害がでていた。]
……珈琲が飲みたいのは同意だな。
[気に入っているらしい。
先ほどのバーサーカーとの戦闘から、
気配は遮断、してはいないが。
この場に満ちる魔力が、
或いは闇が
霞か霧のように姿を覆うようであったのか。]
…どう、かな。
[とにかく、バーサーカーのものではないと、思いたいが。
――何せ、あの群衆の中心で、一般人に手を出すような者だ。
…この周辺ならば、確かに人は少ないが――
とにかく、戦う事だけは避けたい。
魔力の消耗が激しい、今は尚更。
少しだけふらつきそうになる足元を確り踏みしめて、
令呪の気配がする方向へ視線を向ける。
次第に見えた二つの人影に、 何とも言えぬ微妙な顔を浮かべた。
…あの街中で、バーサーカーのマスターを
止めるように、攻撃を向けていたのが、あのサーヴァントなのは
見ている、が。 ならば尚更、此方の消耗は知れている筈だと。]
・・・・・・彼らか。
[元勢宮で出会った二人。予想では、アサシン。
ならば彼らがセイバーを倒したという事になる。
戦いは避けるべきだ。出来るだろうか]
[ 隻腕とは言えやはり英霊、造作もなく肩に担ぎ上げる姿に目を見張る。
暫し、周りを見回すも近くに葬る場所もなく…]
教会へ…行くのが筋かの?ついて参れ。
[女のの前を案内するように歩くと、道行く人たちの奇異な視線も慣れたように。]
さっき、街中ではお互い大変だったね。
僕たちは、赤い光を見てここまで来ただけだが、あれは君たちの仕業なのか?
[声をあげ、そう問いかけてみる。]
―北区・遺跡群/寺院側―
…――
[あたりに漂う気配、
溶けた後に固まった鉄。眉を寄せる。
偽一が声を上げればそちらを見て
どうせ面は割れている、
フードを取って行く2人に顔を向けた。]
――そっちも無事で何より、…っていうべきなのかな。
あとは、一応感謝の言葉もいっとくべきかも。
ありがと。
[投げられた言葉に、一度だけ瞬いて。一つだけ吐息を零した。
会話の余地があるだけ、少なくともこの場の戦いを避ける見込みはまだある。]
赤い光ね。…もし、私達だとしたらどうする?
――って言いたいところだけど、こっちも一緒なの。
見覚えあるものだったから、ちょっと様子を見に来ただけ。
[…いや、正しくは見に連れて来られていた。のだけれど。
まぁそこまで教えてやる義理も必要もあるまい。]
心外だな、我もそれ程阿呆と思われていたか。
あれ程派手に暴れてなおここに滞在する程自信過剰ではない。
[むっ、としてマスターらしき人物に言葉を返す。
だが、横に控えたフードの男に意識を集中し、アンネリーゼの言葉を待つ]
心外だな、我もそれ程阿呆と思われていたか。
あれ程派手に暴れてなおここに滞在する程自信過剰ではない。
[むっ、としてマスターらしき人物に言葉を返す。
だが、横に控えたフードの男に意識を集中し、アンネリーゼの言葉を黙って聞き続ける]
[隻腕は無言のままに女の後に従う。
担ぎ上げられた男の体はふらふらと揺れていた。
奇異の目を向けられるのは慣れている。
この世界に来てからずっとなのだから]
…。
[教会が近づくにつれ、表情がやや険しくなる]
―北区・遺跡群/寺院側―
…別に。
[少女の方にはそっけなくそう答えた。
不機嫌そうなのは別段、彼らの所為ではない。
澱みが揺れる。
ひとつ、赤黒い澱に浸っていた
英霊の気配が消えてしまった、それが。]
だろうな。
あれほどの宝具を放って、
その直後にまたこの「門」に大穴をあけるだなどと。
/*
鉱石として(暑苦しく)マナ充電中なので、今は何もないであるな。
無理矢理流し込めば熔鉱炉か宝具くらいは使えるであるが、キャスターレベルは必要である。
さすがに。
派手に過ぎる。
賢明なものならばそんなことはしない。
そうだろう、
[ほんのわずか。
微かに眩しそうに眼を細める]
―――ソロモン王。
[警戒するのは、お互い様だ。]
[2人の様子を見るに、嘘ではないらしい。]
一応、聞いてみただけなので、気を悪くしないでくれ。
多少は知っているだろうが、既に幾人かの魔術師やサーヴァントは、この戦いから退場してるらしい。
ならば、僕たちが戦う日も、そう遠くは無いのかもしれない。
……でも、それは今日では無いつもりだよ。
では、お二人さん、その時までお達者でね。
[偽一はそう告げると、笑顔のままひらひらと手を振った。**]
―埴駅〜南区・教会方面へ―
[道案内をしながら女の隣に並び、険しくなる表情に気がつく]
案ずることはない…そなたが嫌なら中に入らずにおこうぞ。
その…このような言い方は済まぬが、良いマスターであったのかのぅ?
[最初の印象からはとてもこの英霊を大事にしていたとは思えない。
寧ろ…この美貌の英霊を慰み者にしていたのでは、と…]
……、なんか機嫌悪い?
え?やる気とかじゃないよね…?
[想定以上に返る言葉が冷たい。
素直に感謝を告げたというのに、…まぁ別に愛想を求めていた訳ではないけれども。
流石に不機嫌そうな其れの要因まで、思い当たる筈もなく。]
――まぁ、バレてるよね。
流石に、ここまで宝具を無駄撃ちするヨユーはないよ。
[無駄撃ちどころか、ほぼ枯渇状態。
尤も、其れを悟らせる訳にはいかないけれども。]
…あの赤い光に、心当たりは?
[しばしの沈黙の後。 ぽつと、投げる問い。
答えに期待をしている訳ではない。既に答えは知っているし。
…ただ、相手の情報量もとい目的を、幾らか図ろうと試みた故。]
……。
さびしいだなんておもってないもん。
びっくりするぐらい他のマスターと喋れていなくて
寂しいだなんて思ってないもん!!
&⌒・
我の真名を知ったか、アサシン。
[眉間に皺が寄る]
しかし、何故それを我に言う?
君ならそんな事も言わずに隙を突いて我を消すことも出来ただろう。
・・・・・・ 君は不思議なアサシンだな。
セイバーの時も、正面から斬り合っていた様子。
それとも暗殺といっても、闇から強襲するだけが暗殺者の定義ではないという事か?
やる気はない。
少なくとも、いま、此処では。
[偽一の言葉に続けてそう答えるか。
――あと。
礼を謂われてどう答えたらいいか
よくわからなかったのもある。
精神年齢も若返ったのだろうか。]
…――…
[心当たりがあるのか、そう問われて。
未だ当たりに漂う、
溶けた鉄のような気配を一瞥するように
一度目を足元へ向けた。]
[アンネリーゼの問いに答える前に
クラス名を口にされ、ふ、と微かに唇を歪める
笑みに似た表情を浮かべた。
肯定も否定もしないが――]
呼んでおきたかっただけだ。
その 名前を。
[遠いおとぎ話とも謂える彼方。
ユダヤの王。畏敬。憧れ。
ほんの少し、首を傾ぐようなしぐさを見せる。]
アサシンの定義など知らない。
おれは、…ただ。
おれに 与えられたちからを。
願いのために振るうだけ。
…どうだか。
[ちら、と担いだ男を見たが特に感慨はなさそうだった]
触られたが
[それ以上は特に何もなかった。
視線は露骨だったが、死ぬ間際に太腿も触られたが
比較的いいマスターではあったように思う]
…多分。
[やはり、イマイチ自信はない]
嗚呼、えっと。…別に気を悪くした訳じゃないよ。
私の言葉で誤解を招いたなら、申し訳なかったけど。
[男の言葉に、ふると首を振った。次いだそれと、更に重なる英霊の言葉には
一つ安堵にも似た吐息を零す。 気を許した訳では、無いけれども。]
――それなら、ちょっとは安心した。
少なくとも現状、こちらも戦闘の意思はないから。
…思い当たりがある、って感じ?
[ふと、足元へと向けられる視線。
熔解した様な痕跡に、一度だけ、翠を瞬いた。
それを、気配として感じる事は――魔術師の身には難しいのか
其処までは、気付く事は出来なかったが。]
……嗚呼、
[『呼んでおきたかった』。その言葉に僅か首を傾ぐが、直ぐに思い当たる。
クリスティーナから聞いて、彼の名は知っている。…それを考えれば、理解も出来た。]
・・・・・・
[この間はそれどころではなかったが、そのフードの男の顔をよく見ると]
君は、もしかして。ユダの者か。
[ソロモン自身もユダ族の出身であり、特に多宗教・多人種国家となったイスラエル王国において、ソロモンはユダ族やユダ教を大事にしていた。
故に、アサシンの風貌からユダ族、新約聖書におけるユダヤ人である可能性にはたと気が付く]
別に、そんなことは無い。
[少女にはそう答えた。
偽一はその様子を一歩引いたところで見ていたろう。]
なら、丁度いいな。
[思い当たり、については
少し、考えるように沈黙する。
真名が知られていることには、気づいていないが。
ソロモンに問われればほんの少し
歪みではなく笑みに近い表情が浮かび、
すぐに消えた。]
そうだ。
[偽一は止めようとしたかどうか。
なんにせよ、ユダは肯定する。
かの王の叡智、真理を見抜く眼を知ってか知らずか。]
おとぎ話となるほどの
遠き日の王に会えるとは。
考えなかったな。
[しかし、こんな形で。
己には穢れと澱みが絡み。
相手は正しく英霊だ。
己が討った――聖ゲオルギウスのように。
浮かんだのは、笑みのようで笑みではない、自嘲のような表情だった。]
だったら、いいけど。
――…あ、別に無理に聞き出そうって心算じゃないから
その、悩むぐらいなら、別 に…?
…いや、うん。嘘ついた。
教えてくれたらそれはもちろん嬉しいけど。
[悩んでいる時点で、何かあるのはもう充分に判った。
ただ、その言い澱みが何を示すかまでは――
流石に、理解し得なかったけれども。]
あれ。
…、言ってなかったっけ。
[キャスターが、出身を問う言葉に、ぽつと一人ごちる。
…己は、クリスティーナから、電話越しで聞いたが――
そうだ、セイバーのごたごたがあって、キャスターには、言って、なかった。
おおっと…。思わずちょっと頭を抱えこんだ。]
―南区・川津教会方面へ
[この英霊はバーサーカーであるのだろうか?…と、美貌に不釣り合いな隻腕と腕力が奇妙なアンバランスを保ち、より一層妖艶な美しさを醸し出していた。
言葉少なに帰ってくる返事に―…触られた!?
目を見張り女をの顔をのぞき込むが、表情は変わらず。]
そうか…辛かったのぅ。
[歩みを止めると、女の背中をポンポンとあやすように摩った。]
成る程、君も臣民と言う事か。
ならば悪いようには出来ぬな。
[そのアサシンの表情に、ソロモンも少しだけ口元を緩ませる]
あえて聞こう。
君が聖杯に望むであろう願いとは何だ。
[興味だった。
アサシンでありながらもアサシン然としない彼。
真名をアンネリーゼが既に聴いているとは露とも知らないが、彼という人物像を知りたいと感じていた。ソロモンの悪い癖でもあった]
・・・・・・ん?
[アンネリーゼが何かを言いよどんだのを感じ]
何か、知っているのかアンネリーゼ。
それとも。
我にまだ言っていない何かがあるとでも?
[アサシンに問うていながらも、少し怪しいアンネリーゼをじっと見つめ言及する]
……?
[首を傾げた。
なんだか女の中で急に自分の好感度が上がった気がした]
別に
[最終的には手は出されなかったのだから構わないと思っている。
どちらかといえば、好感度というよりも
同情されている意味合いのが強そうであったが、
とりあえずビンセントの異体の処遇が決まるまでは
隻腕は女に従った**]
[気配。溶けた熱の気配。
キャスターのクラスにあるソロモンならば
同じ澱みにいなかったとて
感じるものがあるかもしれない。
そこには。
“何か”が、在る。
澱みと溶けて、
鉄と同化し、
そうして今は眠りについたもの。
はっきりとは、形を成さぬ]
[ひとつ瞬き。
ああなるほど、王なのだと思う。
かの自由奔放な皇帝とは
また違うカリスマ。
問いかけられ、少し、言いよどむ。
アンネリーゼからもまた
問いの続きのような言葉があったけれども。
それよりも。]
――…。
[謂ってなかったっけ。
と、少女は謂った。ユダは眉を寄せる。
知られているのか?――何故。
在るとすれば逃がした女魔術師だろうか。
彼女は、己の名乗りを聞いていた、はず。]
――…、
[何だか互いに嬉しそうなサーヴァントの様子を見やるも
なんとも、非常に複雑な心境でしか無い。
クリスティーナから聞いた限り、己の信仰する教えの中では、
少なくとも――彼は大変に有名な“裏切者”の代名詞だ。
…こうも見れば、年相応のただの青年なのだけれども。
否、勿論彼の存在が、今日の研究でただの裏切りモノでは無く、
様々な議論を齎している――と言う事も知ってはいるが。
…それでも、幼少から親しみ刷り込まれた知識は現状を差し置いても尚、やはり取っつき辛いのが事実。]
え、いや、 まぁ、知っていると言うか。
――伝えそびれていた事が、 あるようなないよう、な…。
[思わず、アサシンを見て、そのマスターたる鳥野へと更に視線を向け、…明らかな動揺を見せて、問いを投げたキャスターへと視線が戻る。
真名を知っている事を、咎められる権利など無いとは思う。
さらに言えば、セイバー達の敗退は既に確定している、今更繋がりを知られて問題がある訳ではない。が。]
―南区・川津教会前―
やれやれ、自慢の二足歩行もこの状態ではキツイのぅ。
そなた、男はこの建物の前に寝かせておけば良い。
教会の方で手厚く葬ってくれるはずじゃ。
[女は無言で男の遺体を教会前のドアに寝かせると、コレで終いか?と、所在ないような顔をして佇んでいた。
そのまま立ち去ろうとしていたリシアは…歩みを止めると、]
―…っ、ええい!行くところがないなら付いて参れ。
[一瞬小首を傾げたが、黙って後を付いてくる女と共に屋敷まで二足歩行を続けた…]
[その様子を鑑みるに、まず間違いなく彼の真名か、もしくはそれに相当する何かを知っていると判断した。
はあ、とため息をつく。
もしそれを知らないままこのアサシンに闇討ちされた場合どうするつもりだったのか。
それはさておき、今更隠してもしょうがない彼の真名ではあろうが、それはそれとしたここで真名を知っている事を暴露すれば即戦いにもなりかねない。後でゆっくりと話を聞くことにし、アサシンへの質問へと戻ることにした]
話の腰を折ってしまった。すまなかったな。
話していい事ならば、是非君の聖杯への願いとやらを聞きたい。
これもソロモンたる知識の探求でしかないのだが。
――…ああ、
[と、ちらと少女の方を見やり、
成る程知っているのか、と。そう思う。]
別段、気にはしていない。
知識の探求、か。
成る程。伝承どおり、なんだな。
全てを知るという事は、全てを知ろうとする事だ。
だから我は君という英霊にも興味がある。
・・・・・・だが、そろそろ時間のようだ。
[遠くの空がうっすらと明るみを帯びてくる]
今日はここまでにしよう。
次に会う時に、また君の話を聞かせてくれ。
[そのような暇があるかどうかは判らないが]
…まぁ、ちょっと聞いたの。
[向けられた視線に、小さく肩を竦めた。
まぁ、元より薄々気付いていたらしい。
此処まで言えば己が相手も確証得られるだろう。
…黙っているのも、少々居心地悪い。
此れぐらいならば、恐らく支障も無い――許されるだろうと。
キャスターの言葉に、自然視線は東の空へ。
色が淡く変わり始めた其処に、翠を細めた。
――魔力の不足で、どうやらまだ身体が休息を欲している。
零れそうになる欠伸を、相手に気取られぬ様、噛みしめた**]
[偽一は、少し離れたところで煙草をくわえつつ、交わされる会話に耳を傾けていた。
話が終わり、キャスター達が去るとユダが戻ってくる。]
随分話し込んだな、情が移ったら後々困るんじゃないかい?
[問題ない事を伝えてくるのだろうと予想しつつも、そう問いかけてみる。]
戦い難くなったら、かなわないからな。
[自身へ言い聞かせるようにそう呟いた偽一は、煙草をもみ消すと、朝もやの中を歩き始めた。]
――…。
すべてを、か
[夜の時間が過ぎ、朝が訪れる気配。
ソロモン王から眼を離さず。]
話せるならば。
そうだな。
[それは、叶うのか。刻限は迫っている。]
あのひとも。
ソロモン王――
あなたのようでいてくれたなら。
[独白めいた呟き、
とん、と後ろに一歩下がる。
風が背後から吹きぬけ髪を揺らす。]
アーチャーよ、その様な死に際でよかったのか?
最期は完全にダジャレではないか……。
みてた私が思わずあちゃーだ。
[ユダが願った、
ユダヤの国。神を仰ぐ理想の国。
民族としての解放。帰れる場所。
イエスは心の革命を願った。
ユダは現実の革命を願った。
王となってほしかったのに。
王になると、謂っていたのに。
願う先は食い違って、叶えられず。
ユダにとってソロモン王は、
おとぎ話の彼方の届かない星のような。]
[それから、アンネリーゼのほうへ視線を流す。]
…なるほどな。聞いたか。
[それでも自分から名乗りはしないまま。
名乗るにおこがましいと思ったかは、
彼らには知れぬこと。
ただ苦く眉を寄せたのは見えたろう。
影は闇の中で濃く落ちる]
そのときは。
あなたの願いも知りたい。
[くらい眸が僅かに歪むように揺れた]
[話せるなら。
そのときは、と。
そして背を向け、
伝えたことがもうひとつ。]
バーサーカー…あの女は「鬼」だ。
……聖盃、その「穢れ」に
きっとかかわりの深いもの。
[穢れ、と謂われて
彼らが何を思うかは分からない。
自身がその穢れに囚われていることは
口に出来ない、しないまま]
[繋がりを追ってゆけば、
煙草をくわえた偽一の姿が見えてくる]
…。
[隣に立つと一彼を瞥し、]
戦える。…問題は無い。
[ない――はず。]
おとぎ話の彼方だと思っていた王と
言葉交わす機会があるなど
思ってなかった。
[1]
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