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はて。昨夜の、と言われてもであるな。
単純に、散歩…もとい斥候をしていると
英霊の散った気配があった。
しかし、その正体までは掴めなかったのである。
[中央区でした膨大な魔力の発動と
北へ向かう炎の尾については、告げる事はしない。]
―中央区:雑踏―
[偽一がどう答えたかは、さて置いて。
腰を落ち着けた方がいいということになり
手近な喫茶店へと滑りこむ。
ここもまあ、長居はよくないだろうが。
知り得た情報を書き連ね、言葉交わす。]
…北の、あの寺は…
あの一帯は、奇妙だ。
他とは違い、澱んでいる。
[ユダは知らない。
北東――艮の方角は「鬼門」と呼ばれていること。
あの寺を「門のようだ」と感じたことは
偶然ではないのだ。]
見ていない。
というか、今となってはあまり意味の無いことであるからな。
吾にとってはともかく、リシアにとっては、な。
既に脱落した者の所以を知ったところで、
戦に勝ち、望みを叶える事が目的であれば、意義は薄い。
それに――戦没者の志を辱めるは良しとせぬ。
……強いて言えば、天に昇る白銀は実に芸術的であった。
[目を瞑った。]
・・・・・・ふう。
[ソロモンの鍵を更新するのは骨が折れる。
連日遅くまでの活動の為、アンネリーゼはまだベッドで横になっている。
ソロモン自身も鍵の更新を終え少し椅子で休んでいたが、気になり独りホテルの部屋を出る。
アサシンに対しての警戒心が高まっている。
だからこそ、不確定要素に対しての情報が欲しい。
あまりマスターから離れるのは良くはないと思いつつ、ホテルの外に出て北区を少し散策することにした]
…まあな。
[推測だったがあの魔法陣を見れば
半ば確信してると言っていい。]
――…ましてや戦争にあっては
そうもいかない、か。
[澱みに静かな波紋。]
―中央区:喫茶店―
北の地は、…魔術師によっては
力を乱されそうだな。。
[偽一の書いた字に斜めに傾く癖のある字で
追記などしながら、
セイバーは確実に討ち、
ソロモンは出自からもキャスターだろうと再度話がまとまる。
後はバーサーカー、ランサー、
ライダー、アーチャー。
ユダが討った玖珂は何者かのマスターであり
この4騎のうちいずれかが消える。
途中珈琲を頼み、
味の違いに目を瞬かせた後]
―中地区/店前→東区を目指して―
[中心部を外れると、段々と人影も疎らになってくる。
代わらぬ光景と言えば、陽に輝く街路樹。
凡庸であれど、そこにある光景に違和は無い。]
であれば、知らぬよ。
戦を直接見た訳ではない。
[歩く旅に、木々の影が優しく包む。
皇帝は、鳥の声に耳を澄ませた。]
知っているも何も。
吾々が直接顔を合わせたのは、貴様が乗り込んできた寺院。
あそこが初めてである。
―中央区:喫茶店―
[偽一は今まで会った中に
バーサーカーは居ないと見ていようか。
独特の言葉足らずの者はいなかったと。
指折り、まだ、数が足りない。]
…確認できた中で
よく分からないのが隻腕の女、か。
遠目にでも、確認したいが。
[何故か。思い浮かぶのは北の地。
しゃららと鈴のような音の鳴る違和。]
/*
独り言を今回結構使ってるな。
あれか、鬱いから発散か。
わかる、わかるぜ。
ギイチしんどくないか!
大丈夫かこんなおれで
いまさらっていう。
[柔らかい光が木漏れ日を落としていた。
相変わらずの飄々とした態度に、何か腑に落ちない違和感を感じて…]
そうか…その後は我と一緒の時以外見てはおらぬのか?
どうもそなたは一人で腹の中に溜め込みすぎる故
少しは聞かれる前に話して欲しいのぅ。
[小さく息を吐きながら、自身の技量が足りないせいなのだ。と、少々自己嫌悪]
―東区/埴シニアタウン付近―
[東区へ入ると、人の装いも随分と異なるものになる。
自己主張をしていた民は、段々と落ち着いたものへ。]
見ていない。
というか、その後は今話した散歩以外
大体貴様と行動を共にしていたと思うのであるが。
[送迎バスの運行音も、地響きを然程立てずに静かなものだ。]
悩み多き民草のような言い方をするなである。
それに、求めに応えるは皇帝の責務であるが
求められていないところまで応えるのは越権行為である。
吾は圧政は行わぬ芸術的な皇帝なのだ。
[前を行く姿。息を吐く声。
血色の羽織が、またひとつゆれた。]
−北:青丹寺戦闘現場付近→中:駅前−
食事など必要ない。
[己には必要なくても男にはあるのだそうだ。
英霊たるもの空腹など関係ないし、
隻腕というのは非常に目立つ。
それが例え、着物を着ていても、だ。
車を駐車場に止め、食事どころを物色する男の隣を
歩く隻腕の着物姿はさぞかし目立つことだろう]
―東区・埴シニアタウン付近―
そうかの。まあ、そなたが知らぬと言うのならそうかもしれんのぅ。
我とて悩み多き民草と一緒じゃよ。人が人である限り悩みなど幾つでも沸いてくるものじゃ。
芸術とて多くの悩みから生まれてくるのじゃ。
皇帝も悩みが一つも無い訳じゃなかろ。そのようなときはどうしておったのかのぅ。
[シニアタウン付近に近づくと、思い出したようにホームに寄ると言い出した。
誰かさんのお陰で毎年送っている蜜柑が寄付できず、そのお詫びと替わりの果実を送る旨伝えるためだった。]
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