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次の日の朝、ライダー が無残な姿で発見された。
玖珂 諒一 は立ち去りました。
−川津教会−
ぱん、と弾ける音がした。
漆塗りの器のうちを彩る螺鈿の花は七つ。
夜光貝の美しく柔らかな虹色は三つ。
黒真珠に嵌め変えられたかのような深黒が二つ。
昨日とは違う、別のひとつが黒ずんだ赤を帯びて輝きを失った。
だから、黒ずんだ赤の花は二つ。
それが、この聖盃戦争における澱みと清め、犠牲を表したものだと
気づくものは教会の女以外にあったのか───さて。
現在の生存者は、渡辺 あゆ、フェリシア、アーチャー II.Mehmet、クリスティーナ 鳳、セイバー ゲオルギウス、アンネリーゼ ヤーネフェルト、キャスター ソロモン、鳥野 偽一、アサシン イスカリオテのユダ、ビンセント バンゴッホ、バーサーカー 茨木 の 11 名。
―南区/ラウラ工房・居間―
[街の中心部で、男性の遺体が発見されたらしい。
再びの朝を迎えた時間。
小鳥とニュースキャスターの声を聴きながら
メフメトは書架を漁っていた。]
ふむ。…片方は覚えが無いな。
[最初のニュースは、南区の商店街での火災。
重軽傷者多数の、「戦渦」だった。
死者の数は、聞き逃した為どれほどであったかは判然としない。
けが人の搬送、延焼の食い止め――映像は流れるも
メフメトがそちらを向く事は、ついぞ無かった。]
[そして現在、中央部で発見された男性の遺体を報せている。
凶器は不明。
心臓部を鋭利な長物のようなもので破られていた。
人ごみの中であったが、目撃者はおらず。
通り魔の犯行か、商店街の破壊と何か関係性があるのか
一夜にして巻き起こった死と災いについて――。]
――ふ。
[血と破壊と炎を撒き散らした皇帝は、笑ったように見えた。
遺体の顔写真と名前を見るまでもなく、
電源を切るボタンを押し、ニュースの続きを引き千切った。]
なるほど。貴様は。
[アサシンか、とまでは、思念に乗らず。
されど、タイミングの良すぎるニュースの事態。
皇帝は己の知識欲を埋め、薄く笑っていた。]
[書架から本を引きずり出し、ぞんざいに頁を捲る。
生まれた風圧で頬を撫でられた。
通り過ぎる分には意味のない文字の羅列。
端が黄ばんだ、大層な由来があるらしい古書。]
これでも無いようであるな。
……歴史ある工房、とか言っていたから
或いはと想ったが――やはり息吹が異なるか。
[息をつき、書を戻す。
続きを探すことなく、皇帝は果樹園へと向かった。]
―朝:東区廃墟―
[ソファに身を沈めているユダは、まだ眼を閉じていた。
帰還して後、
幾らか話し合いを持つこともあった。
廃墟でありながら
その実そうではない場所に、
情報は如何程入るのか。
新聞か、
ラジオか、
或いは携帯に配信されるニュースでか。
方法はさておき、外部からの情報で初めてあの魔術師の青年の名を知ることになるだろう。]
こう
携帯の云々に目が行くのは職業病ですよn(
おはようございましあ。
20世紀末は、まだ携帯に
カメラもiモード(インターネット)サービスも
むしろ液晶に色も付いていない時代でござr(
確かプリケーもないので悩ましい。
…スカイメールが始まった頃だから、
スカイメロディとか着メロの概念が出てきたころかなー。
―東区・廃墟/朝―
[偽一は少し広めの部屋で、テレビを見つめていた。
どうやら今流れているニュースは、ユダが手を下した事件のようだ。
義父が関わり、そして偽一が手伝った仕事でも、こういう形で人の名を知る事が過去にはあった。
そう言った仕事から足を洗う前を思い出し、複雑な気分になる。
偽一自身が、親子の情など無く、義父はただ、自分のコピーを作りたいだけなのだと悟ったのは、いつだっただろうか。
あるいは、自分が始めて人を殺め、義父の張り付いたような笑顔を見た時だったかもしれない。]
[現場を離れる際
南のほうが騒がしかった。
迂回して遠目に見たそこは
まるで戦の後。
否。
実際に、あったのだ。戦が。
知っている。]
−中区 新興住宅街/1日目夜−
[教会でのやり取りを終え、拠点に帰るべく歩みだす。]
んフー、しかし歩いて帰るのも面倒ですね。
先ほどの少女が乗っていたような二輪車もいいですが、やはりアタシは車の方が好きです。
またそこら辺で調達しますか。
[手近なガレージを物色して、適当なサイズの車を見つけた。
手首から先だけを触手に変化させて鍵穴に侵入させると、難なくロックを解除する。]
これでよし、と。
今度は大切に乗ってあげますからね、んフ。
[濃紺のヴァンデンプラ・プリンセスに乗り込むと、杉林地区に向けて静かに発進させた。]
[戦の爪あと。焔。焔の渦。
この澱みから受けるもう一人の気配。]
…そちらは 派手にやったようだな
[皇帝と名乗る
彼の仕業に相違あるまい。]
今日のニュースが、僕の名を報じてる……なんて状況も当然あったのだろうな。
[偽一は、テレビから目を放し、テーブルの上に置いたショルダーホルスターを見つめた。]
[クガ・リョウイチ
情報を映す箱――テレビの音が
そんな響きを耳に届けたとき、
ユダはゆっくりと眼を開けた。
視線を動かす。]
−西区 洞窟内/1日目夜−
[拠点に戻るも、バーサーカーの姿は見えず。]
全く、躾がなってませんね。
酒呑はアレにどんな教育をしていたのやら。
アタシ、先が思いやられます、んフウ。
[湧き水で身体を洗うと、溜め息を吐いて寝台に潜り込んだ**]
あの程度を派手を申すかさておき。
フ。
当然であろう。
吾は皇帝だぞ。
勝利を世に響かせずして、安寧する民がどこにいようか。
まあ、ここは吾が支配する国でも時代でもない。
この国の民草がどうなろうと、知った事ではないがな。
―南区/果樹園―
[皇帝的には爽やかな朝。
服は、皇帝たる外套から変化していない。
鎧はさすがに解除したらしく
上半身の外套の下は、肌色が見えていたが。]
今日もアッラーの恵みを受けるのである。
……さて、今日は柑橘、
[いつものように、果樹へ手を伸ばす。
空を切った。]
………………
[気を取り直して、別の果樹をまさぐる。
感触がない。ただの葉っぱのようだ。]
………………
―東区/果樹園―
[皇帝的には爽やかな朝。
服は、皇帝たる外套から変化していない。
鎧はさすがに解除したらしく
上半身の外套の下は、肌色が見えていたが。]
今日もアッラーの恵みを受けるのである。
……さて、今日は柑橘、
[いつものように、果樹へ手を伸ばす。
空を切った。]
………………
[気を取り直して、別の果樹をまさぐる。
感触がない。ただの葉っぱのようだ。]
………………
……フ。
たまには暇くらいくれてやるわ。果実共。
[皇帝は、颯爽と外套を脱いだ。]
だが一つくらいは残っているであろう?
であろう?
[上半身裸の男は木登りを始めた。]
[まさぐる。
まさぐる。
まさぐれど、留守番を任された果実は在らず。]
……あっらー?
[後日談。
果樹園の後始末をする為訪れた夫婦はこう証言したという。
「あの日は果樹園が冷え込んでいた。寒さにやられたのだろう」
――と。]
―朝:東区宿泊施設廃墟―
[被ったままだったフードを脱ぎ、
ふる、と髪の毛に空気を含ますように首を振る。
それからり立ち上がると
偽一の居る方へ近づいた。
ニュースは続いて南地区の火災へ。
ショルダーホルスターは見えたろうか、
見えたなら首を傾ぐが]
果実がない。
吾が大事に支配下においたたわわな果実が。
誰かが吾のものを奪ったようだ。
[※皇帝が育てたわけではありません。]
アサシン。
これはサーヴァントの仕業だ。
でなければ一夜にして園の果実が消えなどしまい。
そうであろう!?
[半ば現実逃避だったが正解だった。]
――大食らいが一匹、英霊に混じっているようだ。
このままでは兵糧攻めに遭い、吾らのマスターが餓死する。
潰すぞ。
お前の支配下?果実?
[捲し立てられると何が何だか分からない。]
……。
その「園」は広いのか。
まあ、人間では大挙して押し寄せない限り
無理だろう けれども…。
[確かに人間の仕業とは思えない。
果実園ってどこだっけ。と一寸考えている。]
落ち着け。
…まあ餓死とは行かずとも――問題は問題か。
[でもそんなに腹がすくならマスターの方にすごく負担がいくんじゃないだろうか、とも思った。食料調達の面で。]
―東区・果樹園地帯・有栖川邸―
[TVのスイッチを押すと、昨晩のニュースが流れる。
「原因不明の惨事」と銘打たれ、消火活動や怪我人の搬送
の様子が次と浮かび上がる。
多数の重傷者を出しながらも奇跡のように死者は無い。とのことに
取りあえず胸をなで下ろす。
リシアは受話器を取り上げると、通信相手に
「今回の惨事における被害者へ、全ての医療費と手厚い保証
早急な家屋の無償提供」を匿名で申し出て受話器を置いた。]
こんなもので補いきれんが、せめてもの償いじゃ。
我の「頭痛薬の特許」あの薬屋にでも譲れば十分間に合うじゃろう。
[惨状とは別の事件に画面が変わると、
一人の青年の悲報が流れた・・・リシアは眉をひそめる]
――・・・くっ、聖杯が笑っておる。
[握り拳を一つ作ると、テーブルを叩いた。]
ああ。広い。
この街の東に広がっている、農村のような場所だ。
中睦まじい夫婦が管理をしていた。
食べ物も貰った。美味であった。
[※誇張が入っています。]
食料というのは人間共にとって生命の源である。
故にそれが不足するとなると、吾らの戦闘にも影響を及ぼす。
いざという時にマスターの腹が鳴り
吾らの首が刎ねられる――などという無様は空しいであろう?
[皇帝の思考は、段々と冷静を取り戻していった。]
ええい腹立たしい!
何か手がかりは無いのか!
[※冷静らしいです。]
[ホルスターを見つめていた偽一は、ユダが起きた事に気づき、コーヒーを入れるために立ち上がった。]
やあ、おはよう。
今日は、昨日断念した北区にでも行ってみようかね。
……ああ、それと元勢宮で見たヘブライ語のなんだが、別の部屋の文献で調べたところ、「第70柱 セーレ」と書かれているようだ。
これはおそらく、ソロモン王が使役したとされる72体の魔王の1人だ。
……まあ、昨日見たのはあまり魔王って感じではなかったけど、彼がソロモンなら、攻撃の種類が豊富そうだね。
役職としては何になるのだろうな。
直接武器で攻撃すると言うわけでは無さそうだし、キャスター辺りが妥当かもね。
まあ、昨夜、埃の中を引っ掻き回した甲斐があったと言う事さ。
[2つのカップにインスタントコーヒーを入れ、お湯を注ぐ。
戻る時、ホルスターに注がれるユダの視線に気づいた。]
―東区/ラウラ工房―
[悲愴が、屋敷の中に蔓延している。
廊下を歩く影一つ。忍び寄るは、悲愴に取り付かれた女の下。
古い床板が、嘆くように泣くように、軋みなり
腕の形をした陰が、扉のノブに手をかけた。そして――]
リシア!
サーヴァントの急襲である!!
[ばーんと扉を開いた。
勢い良すぎて跳ね返り、皇帝の鼻っ柱にぶつかった。]
………。
[いかに耐久最高クラスでも人体の急所は別だったらしい。
鼻頭を押さえて壁に手をつき、悶絶している。]
ほう。
[位置を頭に入れつつ何でこの英霊は
地域にこんなに馴染んでいるのだろう、と
ユダは思った。思ったが口には出さない。]
それは、まあ。
たしかに正論だし
そんな間の抜けたのはごめんだが。
[冷静なのだろうか。
疑問に思いながら]
…大食いの英霊など、心当たりはあまり…
魔力の残滓なんぞはなかったのか?
それは、拳銃といって鉄の弾を飛ばす武器だよ。
僕の魔術は幻みたいなものだから、相手を傷つけるには武器が必要になる。
ただ、この国では人の多いところで取り出すと、それだけで面倒な事になるので注意が必要だ。
昔、捨てようと思ったけど、何故か捨てられなかったんだよな……。
まあ、使う日が来たので、捨てなかったのは正解なんだけどさ。
[そう言って笑顔を浮かべつつ、コーヒーを置いた。]
魔力の残滓……?
ふむ。
そういえば昨夜、不穏な気配を感じた。
姿までは見ておらぬが。
[ふむ、と皇帝の探偵技能がフル稼働している。
侵略の為に使った皇帝としての頭脳。
――全ては、果実泥棒を探し出すために。]
吾らがここを懇意にしている、
という事を知っておったのかもしれぬ。
だとすると、気配探知に優れた英霊という事になるな。
この場合はキャスターが最有力候補であろう。
吾らに知られず、探知するという事はな。
マスターが探知能力に優れているという可能性もある。
―東区:廃墟宿泊施設―
…おはよう。
[挨拶を返し、続く偽一の言葉を聞く。]
セーレ?
…ソロモン王、って…
[瞬きを一つ。
旧約聖書「列王記」に記された古代の王の名だ。
流石に、ユダ自身にそこまでの知識はないが。
伝説的な名として耳にしたことはあろうか。
ユダヤの王国。
遠い御伽話のような。]
…ああ。それで。
[ユダはひとり納得したようにつぶやいた。
対峙したとき抱いた感覚を思う。
聖職者風の英霊に感じる反発とは違う、偉人を前にしたときのような感覚は。]
[乱暴に開け放たれたドアの向こう
我が英霊が鼻を押さえて悶絶している・・・]
何をやっておるのだ、そなた・・・(冷たい眼
―― サーヴァントの急襲となっ!?
[回路は朝からきちんと機能している。サーヴァントの急襲なぞあれば反応せぬ訳がない ]
確かに。
昨日の犬もおれに呼びかけてきた。
使役されているのだろうな、
あの、英霊に。…では彼がソロモン王だとするならば、あの犬は72柱の、1ということ?
[ホルスターに指先で触れる。
拳銃の説明を受けながら偽一を見た。]
鉄の弾を飛ばす?へえ…
術の方は、まやかし、か。
身を守れるなら、それに越したことはない。
…面倒事のわりには
抱え込んでいるんだな。
[珈琲のにおいがする。
ユダはそれを気に入っているようで
カップを受け取ると口をつけた]
―中央区/夜―
[そこにあった遺体は確かにマスターのものだった。サーヴァントが誰だったかまではわからない。
ただ、そこに残る魔力の残滓。
されを僅かに感じ取って鳳は眉を寄せた]
…サーヴァントで争った形跡はないわね。
もしそうなら被害はもっと大きい。
それに戦闘があればこの距離なら気づくわ。
相手サーヴァントがマスターをやった、と考えるのが妥当かしら。
この周りの状況からして得物は小さい。
イメージとしてはアサシンだろうけど、先入観は良くないわね。
[既に集まっていた野次馬の中にそれらしき人影は見当たらなかった。何よりもう令呪への反応はない]
う、うむ…
[ふらふらと立ち上がった。
上半身裸の男は、窓の外を大仰に示しながら報せる。]
果樹園の果実が一夜にして全滅していた。
管理者の夫婦が絶望に浸っていた。
懇意にされた仲だ、他人事ではない恩は返す吾は皇帝だぞ。
これほどの園、人間業とは思えぬ英霊の仕業以外にあり得まい!
さあ探すのだ! 殺すぞ!
[皇帝は、大罪を前にしてもすこぶる冷静だった。]
―東区:廃墟宿泊施設―
…そんな面倒事を
再び抱え込んでまで、
[そして。己という盃の穢れなくば
喚ばれなかったであろう者を引き寄せてまで]
願うことが、あったか。
[偽一の方を流し見て
また底の見えない珈琲の水面へ
視線を移した。]
行きましょうセイバー。
私の顔がニュースに出るのは嫌だわ。
[そう言ってその場を足早に去る。幾人かに気づかれたようだが声をかけられることはなかった]
どちらにしても一騎消滅。…サーヴァントによっては新たな契約をして残るかもしれないけど。
[食事をしてから拠点へと戻る。
風呂を済ませて床についたのはだいぶ遅くなってからだった]
不穏な気配…
大方それのような気がするがな。
[澱み、いろんな意味で揺れる。]
……。
澱みに触れるようなモノが
他に居るんだろうか。
…明らかになれば面倒ではある。
[聖盃に喚ばれたのだ、
どの可能性も否定はできない]
…キャスターか……。
[現在進行形で話している話題に重なる。]
―北地区・拠点→中央区/朝―
[朝早くに目を覚まし、支度を整えてからセイバーを伴って外へと出る。
電気は通してもらったが、テレビはないために朝のニュースも確認はしない。
白のワンピースに淡いピンクのスカーフを頭に被り、最初に中央区へと向かった]
最初に携帯を買うわ。
――。昨日のニュースね。
[駐車場を出て駅前を歩くと電気屋のショーウィンドウの中、夕べのニュースが流れていた。
殺人事件と南地区での火事。
火事での死者はいないらしい]
南地区で戦ったのは誰かしら。
火事を起こせる宝具なんてキャスターかバーサーカーか…キャスターは昨日私たちといたからありえないわね。
そうだわ、キャスターに大学を襲ったのかどうかも聞かなくちゃ。
[しばらくテレビの画面を見ていたが、週一のレギュラーで出ていた番組が始まるとその場を後にする。
本日はお休みです、のキャスターの声が背に聞こえた]
面倒事ほど、体にへばりついてくるものらしいよ、厄介な事にね。
[そう言って、コーヒーを一口飲む。]
……聖盃を求めてるんだ。願いは確かにあるよ。
僕は自分の過去を、ごく普通の日常と言う嘘で固めて塗りつぶそうとした。
全部、偽物だったけど、僕は満足していた。
でも、それに1人関係ない人を無理やり巻き込んだんだ。
だから、そのけじめをつけるために、聖盃を求めている。
[そう言い、カップを置くと、ユダに視線を移す。]
[英霊に促され果樹園に望む・・・と、昨日の悪夢が、、、
大きく頭を振って、片手で英霊を押しとどめる。]
これは・・・案ずるな、既に昨日昼前には襲撃されておったわい。何処ぞの卑しい英霊の仕業ではあるがの・・・(タメイキ
果実を食したいなら・・・此方へ来るがよかろ。
[英霊を屋敷裏手の温室へと誘う。
個人の由緒ある温室らしく、やや古びた作りの中には数本 の石榴の木が、撓わに身を付け重そうに枝を揺らす。]
ラウラが嫁入りの時に持ち込んだ石榴じゃ。
一番奥の木以外は好きに収穫するがよいぞ。
[一番奥の木だけが青々と葉を茂らせる実が付いている様子はなかった。]
君はどうなのだろう、ユダ。
君は何か、面倒事を抱え込んでいたりはしないのかい?
[昨夜感じた、ささやかな違和感のためだろうか。偽一は、そう問いかけた。]
[温室を埋め尽くすザクロ。
皇帝はそれを眺め、ほうと息をついた後――]あ
違う!
果実を食したいのではない。
吾の果実が食された事が問題なのだ!
[皇帝は、一目散に温室を飛び出そうとした。]
ふむ。
「鬼」のような気配を持つ者は、そう多くは無かったが。
[澱みの声も、彼と自分と、「もう一人」だけ。
耳を澄ませど、静寂だけが伝わってくる。]
心当たりがあるのか、アサシン。
良いぞ。許す。申せ。
―東区:廃墟宿泊施設―
――……なるほど。
ひとは、 今でも、
さして変わらないということだ。
[カップを揺らす。香りが立った。
偽一の方へ顔を向ける]
……。嘘?
巻き込んだひとりを、
救おう、とか。…そういう。
[首を傾ぐ。貼りつけたような笑顔を思う。
ユダは、ギイチの名に含まれる
「偽」の意味を知らない。]
―東区:廃墟宿泊施設―
――…、…
[問いかけに、押し黙る。
少しだけ眉を寄せて、
珈琲のカップに眼を落とした。]
……おれという存在で謂うなれば
[件の笑みに似た、
やや苦さを帯びた表情を浮かべる。]
面倒事しかないぞ、 ギイチ。
[少し、間]
「鬼」 か。
[許す。と言われましても。
多分顔が見えていれば
胡乱気な半眼だった。
少し考えてから、彼の気に入りの果樹園やらなにやらがだだ漏れだったことも考慮して、情報を口にすることにした。]
……。王の気を纏うものがいる。それが、多分。
[携帯を扱っていた店舗に入ると、在庫のある機種から物を選び、契約書を書き始める。
しばらく時間がかかるということで、窓際の席に移り出されたコーヒーを飲み始めた]
私が魔術を知ったのは二十歳を過ぎたころだったかしら。
占いの師匠に知らされたの。
[ぽつりと、過去のことを*話し出した*]
…………ふむ。
アア。奴か。
吾との水浴びと、吾の姿態を所望した、あの――
[王の気。遭遇した英霊の中で纏っていた者は、一人。
興味を惹かれた二人の内の。]
ク、クク。なるほどな。
中々愉快な真似をしてくれる。名も知らぬ王よ…!!
[答えたユダを、しばしの間、細い目でじっと見つめる。
そして、ふうと溜息をついた。]
面倒事だらけか。そりゃ、身動き取り辛くなって大変そうだ。
[手を広げつつ、大仰に肩をすくめて見せる。]
まあ、いいさ。それじゃ僕は出かける準備をしてくるよ。
[偽一はカップを片付けてホルスターを手に取ると、別室へと向かった。]
図書館とはなんだ。
そこに吾が求める英霊がいるのか?
書に用事が無いわけではないが、緩慢は享受せぬぞ。
[引き止める声に立ち止まり、そちらを見やる。]
[英霊を押しとどめ、幾つかの石榴を収穫すると鞄に詰め
最後に奥の石榴の木に向かうと、小さく呪文を詠唱・・・
ぽっかり空いた幹の中心から小さな石榴を一つ受け取った。 ]
タリエシンの恩恵じゃ。まだまだ研究が足りぬがのぅ
60年掛かって小さな実が一つとは・・・
[手にしたそれは、どの石榴よりも赤く陽を受けてキラキ ラ輝いていた。
些少ではあるが魔力が込められ、食すれば少量の魔力回復 も望めそうではあった。]
>>37 図書館には過去多数の英霊を書き留めた文献があるのじゃ。
特にこの埴市の図書館にはのぅ。誰の好みか判らぬが奇特な事よ・・・くくくっ
―東区:廃墟宿泊施設―
[偽一の細い眼からは
真意がうまく読みとれない。
大仰に肩を竦めてから去る偽一の背へ。]
―――面倒にせよ、
おれは、戦える。
だから、 問題は―――ない。
[謂ってから、
手にした珈琲を一気にあおり、飲み干した。]
戦略を練るということか。
敵を究め、己の殺意を研げと。
[メフメトは、一つ息をついて、目を閉じた。]
――そういうのは、疲れた。
[呟きは空気に熔ける。]
まあ、貴様がそうするというのなら付き合おう。
どこか知らんところで倒れられても、迷惑である。
―東・果樹園地帯→北・キャンパスエリア―
[アーチャーを連れ立って自慢の二足歩行でぽつぽつ歩きながら]
そう言えば、そなたの遭遇した敵の話と斥候の成果を聞きそびれておった。
何か収穫はあったかの?
―東区/果樹園地帯→
ふむ。蝶々であるな。
灰色の街に舞う蝶々。芸術的である。
この美しさは吾と僅差、といったところか。
[皇帝は、蝶々を目で追った。]
む。何か言ったか。
[自慢の二足歩行の疑問を聞き逃したようだ。]
―東区:廃墟宿泊施設・別室―
[ここは昨夜、ヘブライ語に関する文献を探した、物置として利用されている部屋である。
偽一は、ここを引っ掻き回した時、いくつか使えそうなものを発見していた。
まずは、革の鞘に納まったナイフ。それと防弾防刃を目的としたベストだ。
まずはTシャツの上にベストをつけ、大き目のYシャツを着て、緩くネクタイを巻く。
多少、違和感のあるシルエットになるが、厚手のジャケットを着て、ごまかす事にした。
どの道、脇の下にホルスターをつけるので、外でジャケットは脱がないだろう。
ナイフと鞘は、ベルトの背の部分に取り付けて、ジャケットで隠れる形にする。]
ま、対サーヴァントでは、ほとんど意味無いだろうけど、対魔術師なら、多少は使えるかもしれないしね。
[そう言い、壁際に置かれている姿見の前で、くるりと回ってみる。
武器が見えたりはしないようだ。]
多分、義父の遺品になるのだろうな……。
[やや複雑ではあるが、昨夜の魔術師のようになるかもしれないと言う思いが、偽一にそれを使わせる。
準備を終えると、ユダを呼び、サイドカーが停めてある場所へと向かった。**]
[鞄の中から石榴を取りだし齧り付いた。]
我は昨日教会付近で奇妙なマスターと出会った。
アレは何というか・・・既に人ではなく物の怪の類に近かった気がするのぅ。
今、思い出しても背筋が寒くなるわい。
単身だった故一体どのような英霊を従えておるのかまでは判らなかった。無念じゃ…
で、そなたの方は?
昨夜の英霊はライダーであったのじゃろ。
蝶々を収穫する事は許さぬぞ。
[蝶々を背にかばった。]
敵の情報であれば、特には無い。
と言うと殴られそうなので正直に白状しておく。
一人は聖人のナリをした英霊。
これは貴様も吾と共に逢っているな。
もう一人は、隻腕の女である。
少々"異質"を感じたが――クク。
あそこまで芸術的な女子もおるまい。吾のものにする。
そして――
―――
[皇帝は、笑う。
それは昨夜、熊を呼び出した英霊に見せた愉悦の笑み。]
吾を海へ突き落とした、英霊。
あの振る舞いは、まさしく王と呼ぶに相応しい。
二度会った。
一度は信仰の家。もう一度は、今言ったように海。
愉快痛快。
奴となら好い夢が見られそうであるが――さておき
一筋縄ではいかぬであろうな。
フ。
吾は皇帝である。
讃えるが良い、アサシン。
理解する必要は無い。
吾は皇帝である。皇帝故、無二。
強いて言うならば、吾の姿態は芸術的であり美しい。
民草に見せ付けるが皇帝の慈悲。
―東区:廃墟宿泊施設―
[偽一から声がかかれば
額に当てた手を下ろし、顔を向けた]
行くのか。
[向かうは北の予定。
遺跡と寺院が鎮座する場所。
大学は未だ休校だろうか]
…東地帯には
果樹園があるのだったか?
[ヘルメットを手にしたとき、そんなことを聞いた。]
昨夜のものは……ふん。
吾が手を下さずとも勝手に散っていた。
今更、思い返す感慨も無い。
[目を瞑った。
浮かぶは、鉞より生み出された野獣の王。
怒りに叫ぶその咆哮。]
……まあ、世が世なら王となれる資質であったのであろうがな。
――そうか…隻腕の英霊と…
待ちやっ!!海に突き落とされただと?
我の魔力は失われておらぬ故戦闘の結果…ではないはず…
状況が判らぬ…後ほどゆっくり説明して貰いたいものじゃな。
[ジロリ…と英霊を睨むも気を取り直し…]
今は分析が先じゃ。二人の話を合わせると…
昨晩、殺されていた魔術師と、多分ライダーじゃろう。あの英霊は繋がっていたと思われる。
残るは、ホームセンターの二人組。マスターは鳳と申しておった。
教会で出会った魔術師。隻腕の英霊。王の風格を持つ英霊とな?
これだけでは判断が付かぬの。
……ふん。
よく喋るようになったではないか。
[目を瞑り、澱みに感覚を浸す。]
どのような道を歩むにしても、俯いてばかりでは
路傍の石にけつまずく。
それでは吾がつまらん。
常に語れとは言わぬは、吾の前でくらいは楽にせよ。
[昨晩の戦火の光景が浮かび上がる…ちり、、と胸が痛み
英霊を見据える。]
―…背一杯戦っておるそなたに頼むのも悪いがの…もう少しばかり民への配慮をくれぬか?
我は失った者の悲しみを知っておる。
我の望みのせいで同胞を増やすわけには行かぬのじゃ。
せめて、多くの民の居る場所での戦闘は避けてくれぬかの?
分析とやらは貴様に任せよう。
次の戦までは考える時間をやろう。感謝するが良い。
[皇帝は目を開いた。]
――…
知らん。
ここはまだ吾の国ではないし、支配下でも無い。
コンスタンティノープルの王のように
吾が認める愉快な輩がいるならば、尊重してやるがな。
………と言いたいところであるが。
まあ良い。
吾は皇帝である。寛大な処置を善処しよう。
感謝するが良い。
貴様の求めるところ、叶えてやろう。
出来る限り。
―――ふん。
[皇帝は、裸体を止め外套を具現した。
赤い御旗が、街路で揺れる。
ちらちらと視線を逸らしていた民衆も
今は時折振り向く程度になったようだ。
険しい表情のまま、道を行く。]
…―――――
[一拍、間。
澱みは静かになって。]
余計なお世話、だ
好き勝手謂って―――
[ぽつり、とした調子で謂って、
少し黙った]
……。
奴程愉快な輩は、後一人しか知らぬな。
時と信仰が許せば酒を飲み交わし、
是非とも吾が軍に加えたい逸材であった。
あのような者と友となり、世の全てに挑むのは、さぞ愉快だろう。
奴の大剣が吾等に刻んだ傷は、今でも忘れない。
吾が認めた王は
コンスタンティノス11世パレオロゴス・ドラガセス。
奴ただ一人である。
―移動:北区へ―
[果樹園は東の斜面にあると
偽一に聞いたユダは、ふうんと小さく呟いた。
陽に透けると黒髪の縁は赤く彩られる。
サイドカーは一路北へ向けて。
雲母山、と呼ばれる山の方角へ。
あの山の中腹には寺もあり、遺跡もあるという。
霊脈候補としても考えられようか。
ふと。ユダは北東の方角を
気にかかったように、見た。]
/*
折角だから聖人にも接触したいが逢えてない
赤で会話してるがアーチャーもちゃんと認識してない
ランサーがそもそもいないことには気付けない(お前
/*
自殺の罪もどっかに入れたいんだけど
影に入れていいかな。荒縄。
我らイスカリオテのユダなり!
っていうヘルシンgのあれが
大変好きです。
世話ではない。
吾は貴様の侍医ではないからな。
吾がつまらん。愉快ではない。
それだけの話である。
[クク、と笑い、よどみが揺れる。
焔の気配は、いつもより上機嫌のようだった。]
―早朝・北区ホテル一室―
――…、
[ブラウン管に映し出された映像を、不機嫌隠さないまま睨み付ける。
重軽傷者多数の大規模な火災。そして一人の青年の死を伝えるニュース。
何度かチャンネルを乱雑に変えて、しかし耳に入る情報が変化することはない。
ぷちんとリモコンのボタンを乱暴に押すと、荒い音を立てて消えた。
――苛立っても仕方のない事だとは理解している。
…しているつもりだ。キャスターの謂う通り、全てを救うなど出来ない事くらい。
戦争に死は付きものだ、だから自分の死も当然の様に覚悟した。
だからといって、自分以外の死までは簡単に割り切れていないのも…事実だが。]
…、あーあ。出ー掛けよ。
[独り言にしては大きなそれを口にして、立ち上がる。やる事は幾らでもある。
携帯も用意しなければならないし、その後に待ち合わせてもいる。
調べることだって山程あるのだから――無理やりに意識を切り替えた。]
じゃあ、傲慢だ。
[上機嫌へ対する言葉には棘がある。
澱みの中ではない、
現世の方でよいことでもあったのだろうか。]
―早朝・北区ホテル一室―
[失った魔力を補充する為に、部屋に着くと魔神を全て指輪に戻し横に椅子に座ったまま眠りに着いた。
意識が戻ると、TVからは昨夜の他の場所での戦闘の記録が放送されていた。
”一人の青年の死”という内容から、場合によっては既に脱落したクラスがあるのかもしれない、と思考する。
無関係な人々の中に犠牲者が出た事については不本意としか言いようがない。
・・・・・・ もしこれがソロモンの臣民であれば、唯では済まさぬかもしれぬが。
アンネリーゼの言葉に、無言で立ち上がる。
本人はどう考えているか判らないが、昨晩マスターであるかもしれない男性が死亡している以上、アンネリーゼを単独で行動させる訳にはいかない。
少しずつクリアになっていく思考回路で今までの情報をまとめながら、彼女の後をついていく]
―北区・ハンバーガーショップ―
[サイドカーを運転しながら、お腹が鳴った事に気づいた偽一は、道路沿いのハンバーガーショップを見つけ、駐車場へと入る。
ユダをそのまま待たせて、2人分のハンバーガーと飲み物を買って帰ってきた。]
栄養配慮のかけらもない食事だけど、今のうちに済ませちゃおうか。
[買ってきたハンバーガーをユダに手渡して、サイドカーのシートに座ったまま、自身も食べ始める。]
ところで、さっき何か気にかけてなかった?
一応、霊脈探しが目的だけど、気になる事があればそっちに行くから、声かけてくれて良いよ。
[ハンバーガーをほお張りつつ、気軽な調子でそう言った。**]
投票を委任します。
バーサーカー 茨木は、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
/*
mezame kotaeyo wareha nanjirano nikushimito tomoni
emazem oyeatok aheraw onarijnan otimihsukuin inomot
imojimayiotak
ohirowanorejnon
atemehsukuenenamat
いもじ まゐおたく
おひろわ のれぢの
あてめしう くえねな まとふ
ちょっと置いておいていったん離れr
[ハンバーガーショップのカラフルな建物を
ユダは不思議そうに見上げていた。
すぐに戻ってきた偽一から手渡されたハンバーガーを
しげしげと見ていたが、分割して食べそうになる前に
偽一が正しい食べ方をしたため、勘違いは免れた。]
このまま北へ行くと、
…あれが、「寺」か?
[片手にハンバーガーを持ったまま
先ほど気にして居たほうへと顔を向けた。
まだ、北へ向かう「参加者」たちとは
距離があるのだろう。
感知は出来ていなかった。]
―→北区/天戴山大学雲母キャンパス前―
[大学へ辿り着くと、警備服を着た人間が門に構えていた。
以前の事件で警備が強化され、休校中らしい。
フェリシアが事情を話すと中へ通されたようだが
皇帝は外套の下が裸だった為、拒絶された。]
何故だ。こんなにも芸術的にして美しいというのに。
もっと見せねば満足せぬか。民草。
仕方あるまい特別であるぞ。
[脱ごうとすると、警備の一人が詰め所へ向かった。
本能的に嫌な予感がした皇帝は、その場をそっと離れた。]
…あれだけの近衛兵がいればそうそう進入されぬであろう。
―→北区/寺北遺跡群―
[道なりに歩いていると、邸宅も無い拓けた土地に出た。
すれ違う者は、街を行く者とは異なる衣装。
薄茶の作業服に身を包んだり、目深にヘルメットを被っている。]
―――空気がざわついている、であるな。
[更に歩くと、「許可なく立ち入り禁止」と書かれた看板が見えた。
説明文を読む。どうやら、古代の集落を発掘したもので
その保全の為、一般人は立ち入り許可が必要らしい。]
吾は皇帝である。許可など関係ない。
[皇帝は、一歩を進む。
関係者らしき人々が、ひそひそと囁きあっていた。]
[結論から言えば、入り口付近に、大したものはなかった。
人の影も疎らだが見え隠れし、遺物も小ぶりばかり。
メフメトも一瞥をくれるだけで、奥へ奥へと進んだ。
盛り上がった土、遺跡の破片、植物の太い蔦ようなもの。
進めば進むほど、人が立ち入るには適さない場所になってゆく。
途中、林のような場所を抜ければ、その奥には
入り口付近で見た集落とは違う、
碁盤のように規則正しく並ぶ遺跡群が、広がっていた。]
――ふむ。
繁栄期であれば、実に見応えがあった事であろう。
[遺跡は、悉く土と蔦に食われている。
調査の手も人の影も、まだ殆ど及んでいないようだ。]
―北区:払雲山青丹寺付近―
[気にかかる、と謂った所は
寺であったため、では其処に行ってみるかと
いうこととなった。龍脈の可能性も十分ある。
山奥というわけでもなく、
雲母山の中腹に位置する其処は
サイドカーでも近くまでいけたため然程時間はかからなかった。]
……――
大きいな。
[ユダが呟くほど、
その佇まいたるや、相当に立派であった。]
[遺跡の隅に、地下へと続く階段があった。
否、それは階段と呼ぶには相応しくない。
段は満遍なく壊れ、地下への侵入を拒んでいるかのように
奥から奥から、闇が溢れてくる。]
……ふむ。
[地下には灯も設置されていない。
道の途中、祭壇のようなものが朽ちていたが
皇帝には用途も意義も分からず、触れずに通り過ぎた。]
(分岐路であるか)
[道なりに進むと、道は二手に別れていた。
片や特別な風は吹いてはいない。
しかし、もう片方は――、]
[遺跡から続く壁の文字。
意味は分からねど、含まれた呪が滲んでいる。
「――このままでは、鬼が」
散り際に野獣の王が呟いた言葉。
記憶が反芻される。]
[積み上げられた石段に刻まれた年月。ざわつく気配にユダはフードの端を緩く握る。
僧に仔細尋ねるは偽一の役割か。
観光ですか、と尋ねられ]
…そんなところだ。
[曖昧に答えた。
見下ろせば木々の隙間から遠目に大学が見える。]
フェリシアは、ビンセント バンゴッホ を投票先に選びました。
――クク。
扉が繋がるは地獄の釜か神の御許か、はたまた。
いずれにせよ。
幾分と、愉快なものを孕んでいるようであるな。
[湧き立つ澱み。呼応するように、焔は嗤う。]
―???―
[何れとも取れぬ闇の底に、男は在る。
浸りし澱みは大気と共に。
孕んだ"それ"の胎動を、伝えていた。]
……。
盃よ。はたまた「鬼」よ。
吾が感謝をくれてやる。
望みが一つ、出来たぞ。
―――"貴様"を蘇らせ、吾が配下(とも)とする。
[伸ばした手は、男が在る闇よりも、更に深く――沈んでいた。]
…―――――そちらは。
[顔も知らぬ英霊へ。]
随分と、愉しそうなことだ。
…神の御元… な
[眉を寄せるような、気配がある]
―北区:払雲山青丹寺―
…霊脈、なのか?
――――いや
[霊脈はあったろうが、それよりも
何かが、塞き止められているかのようだ。
何故そう感じるのかは、分からない。
―――否、己ではなく、己に繋がる何かが、知っている。
歴史感じさせる
寺院の本堂を振り仰ぐ。]
吾が神はこの国には普及しておらぬようであるがな。
そのような者より
吾と供にする"鬼"の方がまだ現実味がある。
共とするのであれば、な。
そして――吾が身に宿す"鬼"とは異なる者が
確かに、今、吾と――吾等とつながっている。
今から待ち遠しいというものよ。
―北区:払雲山青丹寺―
[闇より、男が帰参する。
"入った"場所とはまた異なる、古の趣。
本堂の裏手で、身に纏わり憑く影を引き千切り、地上に立った。]
―→北区・天戴山大学雲母キャンパス・図書館―
[英霊に付近の散策を任せ、図書館に
昨日の事件のため図書館内は司書以外誰もおらず
貸し切り状態であった。
暇そうな司書はリシアに気がつくと会釈をし、
用事はないかとでも言いたげな顔をした。
「コンスタンティノス11世」に関する資料の場所だけを尋ねると、幾つか書を携え手近な椅子に腰掛ける。]
コンスタンティノス11世…ムラト2世…
オスマン帝国かのぅ
[次の書棚から関連する資料を引っ張り出し再び椅子に座り直す]
…コンスタンティノープルの陥落…
得意の大砲をずらっと並べて城壁を破壊?
――これじゃっ!見つけたぞ!!
[両手でテーブルを叩き立ち上がる。
司書に軽く睨まれるも。慌ただしく資料を基に戻すと
図書館を飛び出した。]
子蜘蛛よ!我が英霊の行方は?
[微かな光の線が―北区:払雲山青丹寺―へと導くように続いていた。]
―北区:払雲山青丹寺―
…―――
[不意に、沸き立つように闇が揺らめく。
気配。似て非なる、けれど此度の戦争において己に近い気配が。]
――――…いる
[本堂を越え、
その先を睨むように見た。]
―北区/払雲山青丹寺―
[男は、本堂を回りこむ。
裾の一つでも堂に触れようものなら、触れまいと身を離した。]
―――。
[視界が開けた先には、二人の男。
気配を寄こすは、片方の出で立ち。
黒い、影を瞳に引き連れた存在が、睨むように在った。]
……。ク、ク。
[一瞥。
姿と顔を記憶に収め、皇帝は二人とすれ違う。
白い月を携えた外套を、焔のように揺らめかせて。]
…「鬼」
[恐らくはそれが
己を此処に繋ぎ止めるもの。
泥に浸された手で
盃に穢れ満ちたなら
それは目覚めの合図となろうか。
昨夜魔術師が死んだあと
心なしか澱みが濃いように]
…―――
[影揺らめき宿す眼が
威風堂々たる英霊を睨む。
すれ違うその姿。
翻る外套様の鮮やかな国旗。
何事かと僧が見ている。]
なるほどな。
…目立つものだ。
[上半身に服を来ていないのならば、特に。]
[叫ばれた皇帝は、歩みを止めた。
僧が何事かと見つめている。]
――この視線。
なるほど。
芸術的な吾を観賞したいか民草。
[皇帝は、外套に手をかけ脱ごうとしている。]
投票を委任します。
キャスター ソロモンは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
服……?
[闇いろの男に、振り返る。]
何故だ。
確かに吾の芸術性は何を着ても引き出されてしまうが、裸体も吾が美を感じるであろう?
[皇帝はついに外套を脱ぎ払う!
…前にフェリシアが飛び出してきた。]
…邪魔が入った。仕方ない。
この場は預けよう。
次は芸術的な吾が姿態を見せてやる。
待っていろ。
[颯爽と皇帝は去ってゆく――]
[勢い付いて飛び出し、令呪の反応先の二人を見ると…]
…――そなた達、どこかで見たことがあるのぅ。
[暫し考え…ぽむ!と手を打つ]
そうじゃ!いつぞやは馬上にて失礼した。
あの時は急いでおったでの、そなた達二人の正体に気づかなかったとは迂闊であった。
[外套を脱ぎ、好き勝手なことを言って立ち去ろうとする英霊に罵声を浴びせながら]
こ、ここでは人目がありすぎる。(ちら・・と、側で見ている僧達を見やり
我は、フェリシア・有栖川。その気があるのなら一刻後、
『旧蓑輪鉱山』にて待っておる。
その気が無ければ来ずとも良いがの…ほほ
[踵を返し英霊の後を小言を言いながら追う。]
……しかしよく分からないが待ち合わせの約束をされてしまったぞ。吾がマスターに。
これは運命だ。諦めろ。
――
これは運命だ。諦めろ。
[皇帝は、去り際影色にそんな言葉を残した。
階段を降り、後はフェリシアの赴くままに]
誰が待つか。
[と、皇帝を睨んだ後]
……ああ、お前、あのときの。
[飛び出してきたのは、
いつかの馬に乗った乙女だった。]
魔術師だとは気づいたが
よもやあいつのマスターとはな。
[苦労が多そうだと思った。
きっと余計なお世話だろう。
フェリシアに名を名乗られて、
偽一もまた名を名乗ったであろうか。]
……。
[嵐のように二人は去っていく。
運命だとか言われたのだが
お前は何を言っているんだ。]
……旧蓑輪鉱山、か。
[どうする、と偽一へと顔を向けた。
僧や手伝いはひそひそと噂話をしていた。]
ー中央区/夜ー
[争いの跡を確認して、小さく頷いた。]
ふむ、すでに戦争の犠牲者が出てきたということだな。
戦の渦中にいる者はかまわないだろうが、何も知らずに被害を受けた者がいたとしたら、それは同情せざるを得ぬな。
[そうつぶやきながら、マスターだった者の遺体をじっと見つめた。
その場を離れたがるクリスティーナに、一言だけ告げた。]
心得た。しかし、少しで構わん、死者と残された者に祈りを…。
[そう言って、軽く目を瞑り、何かを呟き、クリスティーナの後を追い、その場を去った。]
ー中央区/朝ー
[昨日に引き続き、朝から行動をはじめた。
携帯というものを手に入れる為に、引き続き中央区へ。
テレビでは、すでに昨日の事が事件として扱われていた。]
今は便利だな。
こんなに早く、多くの情報を得る事ができる。
最も、その全てが確実で役立つ情報とは限らぬようだが…。
[そんな感想を漏らし、犯人については、ふむ。と考え込み。]
やはり可能性の一つに過ぎぬがな。
思い込みによる、不確かな情報は、後々痛手になる事がある。
確実なのは、我々ではないという事だけだ。
[クリスティーナの推察にはそう付け加えた。]
だが…。
[ふと、考えるのは昨日のキャスターの事。]
あの場にいた使い魔が全てとも限らぬ。
仮に、私と戦いながら、別の使い魔で、例のマスターを倒したのだとすれば、最も警戒すべきサーヴァントかもしれんな。
[続けて漏らしたのは、単純な感想と独り言。]
思い込みは危険…か…。
[そのまま、携帯電話を扱う店で、それの契約を行う様子を眺めた。
待ち時間に昔語りをはじめるクリスティーナを見て、その話を静かに聞く事にした。**]
−杉林:洞窟−
[戻ってきたのは、既に日付をまたぎ日も明るいころであった。
起床したらしい男を横目に]
戻った
[ただ一言だった。
それから次にはこういった]
換えの衣はないのか
[赤毛の女に言われたことを思い出したらしく、
一日の汚れを落とそうとそのまま水に入る]
−西区 洞窟内−
[コンビニで調達してきたパピコをチューチューしながら、朝刊を眺めている。]
ほっほう、随分派手にやる輩がいるものですねぇ。
これはアタシも気をつけなければ。
他のマスターやサーヴァントの情報も集めたいところですが、アタシの手駒はどこをほっつき歩いてるんだか。
[朝刊から視線を外して、声のした方を見る。]
おや、噂をすれば何とやら、ですか。
ちゃんと働いたら、褒美として着替えを調達してあげてもいいですよ。
主人をほったらかして勝手に出歩いたんですから、何かしらの収穫は持ち帰ってるんでしょうね?んフ。
[水浴びをする後姿に問いかけた。]
他に会った。
[水面から顔を上げて着衣水泳状態のまま
召喚者の問に答えた]
でも、戦闘はしていない
[主がいない状態でいきなりドンパチを
はじめない程度には理性が残っているという
その証だろう]
だから、クラスも知らん。
ちょっとアナタ、服はそれしか無いんですからね。
ま、サーヴァントが風邪を引くとも思えませんが。
他に会った、って。
せめて相手の風貌とか名前とか、もしくはマスターの特徴とか、何か情報は無いのですか?
[口髭を弄りながら問う。]
赤毛の女と、変な服の男の組
[口ひげを弄る男を見上げながら手を持ち上げ指を折る。
水面に広がる波紋も最初は小さい]
それと、もっと変な服のサーヴァント
[二つまで折った手が水の中に沈む]
それだけだ
[そちらこそ収穫はないのかとばかりに
隻腕の女は見上げる]
ふム……。
[口髭を弄りながらバーサーカーの情報を整理する。
赤毛の女と、変な服の男と、もっと変な服のサーヴァント。]
どうやら、変な人が多いようですね。
変な人には注意しましょう。
アタシは昨日、教会に挨拶してきました。
そこで一人の少女と運命的な出会いを果たしまして。
恋だと思ったんですが、どうやら幻だったようです。
ああ、それと。
およそ魔術師らしからぬ、派手にやらかす変わった輩が今回の相手のようです。
変な人には注意しましょう。
[朝刊をパタパタと叩いて、大量破壊のニュースを示した。]
[変な人と繰り返す男を見上げて
青灰色は薄べったくなった。
お前が言うのか、と、思えど言わないだけの話だ。
大量破壊という言葉に少し首を傾げたが]
北に行きたい
[珍しく、自分の意思を主張した。
昨日は結局、途中で引き返してしまった]
というか、そうか…
薄々気づいてはいたけれども
コンビニ営業二人が赤側なの か…。
それはそれで不安ではあるなーだいじょうぶかなー…。
村側が置いて行かれかねない可能性もあると思うのだけれど。
…そんな事を言っている暇があったらさっさとログ読んで表出ろ?
ごもっとも!!!!!!111!!すみません!!!11!1wwwww
師匠は私が魔術師だと思っていたみたいね。
魔力があって、回路のオンオフをしてればそりゃ思うんでしょう。
家に戻って、問いただしたわ。
家を継いだのは兄だったから、兄にね。
兄から聞けたのは、私に魔術を教えなかったのは父親の判断だから知らないっていう一点張り。
それに、教えることもできないって言うのよ。
基礎すら。
それが遺言だったみたいだけど。
[話はそれて占いの話へと変わる。
腹が立ったから兄のことを占ったら最悪だったと、おかしそうに笑う。
しばらくして名前を呼ばれると、携帯の契約が完了したところだった]
北、ですか?
[パピコのついでに調達してきた埴市の地図を広げた。
目立つ施設は、寺院と遺跡と大学。]
ふム。
なかなかアカデミックでアタシ好みじゃありませんか。
いいでしょう、行ってみましょう。
服の替えはありませんからね。
乾くまではそのままで我慢なさい。
[言いながら、バーサーカーを待たずに洞窟を後にする。
開けた場所に出ると、昨夜拝借したヴァンデンプラ・プリンセスに乗り込み、エンジンをかけた。
クラシックカー特有のエキゾーストノートがハートに響く。]
―北区:払雲山青丹寺―
[僧たちのなんともいえない視線を受けつつも
偽一と共に下見を終え、石段を降りる。
この場所を「門」と表現した事に関して問われれば]
面倒ごとが、染み付いているようで。
……なんとなく、そう思うんだ。
[くらい色の眸は緩やかな半眼に。
駐車場に戻るまで、
もう幾らもかからない。]
[ブーツの中に入った水もそのままなのだろう、
歩くたびにじゃぼ、と音が下がそのうち聞こえなくなった。
単純に、縫い目から水が抜けていっただけのことだ]
…そうか。
[シャツもスカートも既にぴったりと肌にくっついている。
ベストがなかったらとんでもないことになっていたに違いない。
塗れた服もそうだが、革の座席が不快なことこの上なさそうだった]
―北区・天戴山大学横 ショップ―
[ありがとうございましたーの声を背中に、自動ドアを潜って外へ出る。
手に下げた袋には買ったばかりの携帯が一つ。
この時代では最先端のメール機能付きである。着メロとやらも設定出来るらしい。
…まぁ、尤も日本語でメールなんて打つ予定も無いんだけれども。
スカイメ○ディとやらも興味ないんだけれども。
ホテルを出て以降、無言でついてくるキャスターの様子をチラ見しながらも
……まぁ、ついてくるならば別に文句は無かった。
セイバー達と逢うのならば、キャスターもいた方が実際良いだろうとは思ったし。
…何を考えてるのか、しらないけれども。]
――丁度良い頃合いかな。
[箱から早々に端末を取り出すと、ストラップ代わりに
お守り代わりのテディベアのキーホルダーをぶら下げておく。
単色黄緑の液晶に表示された時計の示す時間に一つ瞬いて。
そろそろ駅前へ向かうか、と歩き出した。]
それでは、行きますよ。
[バーサーカーが乗ったことを確認すると、一気にアクセルを踏み込んだ。白煙と砂埃が舞う。]
北へ行きたいと言いますが、具体的に何処か心当たりがあるのですか?
それとも、サーヴァント同士で感じる何かがあるのですか?
[ハンドルを操りながら、助手席に声をかけた。]
―北区:払雲山青丹寺→移動―
[一度、寺のほうを振り返る。
見据えるようにくらい眸を向けた。]
…――鉱山の方、
行ってみるか。
何を考えているのか知らないが
不意打ちなり、考えておくべきだろうな。
[偽一ならば知っていようか。
あの外套が国旗――オスマン帝国の旗だということ。看板を背負って歩いているようなものなのだ。]
…余程の自信家か――
単にそういう趣味なのか。
[それにしたって服は着た方がいいと思う。]
[真新しい携帯をバッグへ入れて、店を出る。
駅前は歩いて数分のところだった。
セイバーを横に歩道を歩く。
人通りが多いとはいえ、もともと人口の少ない街である。
並んで歩くには十分だった]
あのあたりでいいかしら。
駅舎も小さいのよね。
[駅舎入り口を避けて、放置自転車の並ぶ所で立ち止まる。
令呪に反応があり、近くまで来ていることがわかった。
もっとも、他のマスターである可能性もあるわけだが]
―北区・天戴山大学横 ショップ―
・・・・・・
[未だに無事な英霊は何体いるのだろうか。
セイバー、フードをかぶった男、そして裸の皇帝。
昨晩の戦いは、どれとどれだったのか。それとも見知らぬ英霊同士がぶつかったのだろうか。
セイバーは、アサシンやアーチャーを器具していた。
しかし、皮肉な事に自身が最も危惧しているのは、停戦協定を結んだセイバー。
昨晩、龍脈の確保に失敗したのもあり、少しだけ気持ちは焦る。
そろそろ、英霊に対しての戦略も練らねばならない。
魔力の浪費は出来ない。オセを出すのも控え、今はアンネリーゼの後ろを歩く]
聖盃は、あの辺りで作られた。
[濡れた髪を絞ると太腿に流れ落ちて足元は既に水浸しだ。
それをひとつに編むと、止めるものを探したが紐もない。
徐にシャツの袖の縫い目に爪を立てて引き破った。
口と手で器用に結ぶが出来上がりは別に美しくもなかった]
酒呑がいた街があった
[注連縄のように立派なみつあみを肩に乗せて呟いた]
だから、見ておく必要がある
なるほどな。
[クリスティーナの話を聞き、それから彼女が名前を呼ばれて、席を離れた時呟く。]
そのせいで、魔術は殆ど使えない…と。
最も、魔術が使えなくとも、魔力が充分にあれば、宝具も振るえる。
私にとってみれば不都合は少ないか。
[一人、納得したように頷いて、クリスティーナの後ろ姿をじっと見つめた。]
−西区→北区 寺北遺跡群前−
ふム、聖杯が。
そのような情報は初耳です。
しかも酒呑がいた街ですか。
それはアタシも是非とも見ておきたいですねぇ。
[ウィンドウから流れ込む風が、そよそよと口髭を揺らす。]
[携帯を得たクリスティーナの横につき、駅前に向かう。]
ん?あの場所か?
…まあ問題なかろう。
[令呪の反応を感じたらしく、ちらりとクリスティーナを見た。
そのまま、瞳を閉じて壁に背を預ける。
キャスター達が来るまで、じっと待つ]
……どうしよう。素直に中区に移動していいのか否か。
あの固まり過ぎを正直散らしたい気持ちがあるのだけれども。
でも何か赤でイベントを起こす心算でいるとしたら、散らすの悪いし、
これ以上一ヶ所に集まるのも大変そうだしなぁ。
…もーいいか。考え過ぎは俺の悪い癖である…!
どうせ投票で明日にはどっか削れる訳で!
村側削れたら、流石に赤もバランス取るでしょうでしょう。
―中区・駅前―
[バスから軽やかに降りると同時、
左肘に反応する令呪にゆると視線を上げる。
やはり日中の所為か、夜よりも断然人が多いようだが
それでも凡その方角が判るのは、令呪の有難い部分でもある。
――勿論、今回の様に相手が敵でなければの話ではあるが。
令呪の示す方向に従って入口から少し逸れる。
幾つか自転車の並ぶところに、目的の二人組を認めて
ひらりと手を挙げた。]
すみません、お待たせしたっぽい、です?
―東・果樹園地帯・有栖川邸―
[いったん自宅へ戻り簡単な昼食を取りながら英霊に話しかける。]
先ほどの青年は英霊で長髪の中年はマスターかの。
…なに、戦闘に入りそうなのを見越して後に控えておった。
あの青年と会うたのは初めてか?
ならば、今まで会った生存している英霊は神職、隻腕、海、と青年の4人じゃな。
あと、どれくらいおるのか検討も付かんなぁ…
さ、そろそろ時間か…出かけるぞ。
[例によって人の話を聞いているのか居ないのか…
蜜蜂を目で追いながら曖昧な返事をする英霊をせっつき
鉱山後へ――]
[視界にアンネリーゼの姿を認めて笑みを浮かべて頭を下げた]
それほどでもないわ。
私たちもさっき着いたばかりだもの。
[そう言って真新しい携帯を取り出した。
アンネリーゼの後ろにキャスターの姿も見えると軽く笑みを向けた]
だったらよかった。
流石にお待たせしてたら申し訳ないところだったので。
[ポケットから、テディベアごと携帯を引っ張り出す。
早々に用件の一つ――連絡先を伝えようと
電話番号を呼び出すためにぴ、ぴ。と小さな機械音を立てる。]
…あの。
昨日、別れた後――何か、わかりましたか。
[視線は、黄緑の液晶に落としたまま。短く問いを投げる。]
―北区:払雲山青丹寺→移動―
随分と破天荒な英霊もいたものだね。
あれでは、マスターの娘も大変そうだが、彼女も馬を乗り回しているんだっけか……。
何か、良いコンビと言えるのかな。
[箱から煙草を取り出すと、火をつけて一服する。]
鉱山で待つ……か。
罠の可能性もあるが、あまり東区をうろうろされても、枕を高くして眠れないし、行こうか。
[そう言い、ユダと共に歩く。]
[アンネリーゼの言葉に反応するクリスティーナ。
それに続くように、軽く頷きながら]
ほんのついさっき、携帯とやらの契約が終わったばかりなくらいだ。
気にするなキャスターのマスターよ。
[そう言って、後ろから続いて来たキャスターにも視線を向けて、再び目を閉じた。]
[携帯番号を表示して紙に書き記す]
ああ、昨日の。
相手はもういなかったわ。
マスターだけがそこにいたから、前後のことも考えればサーヴァントとは別行動してたのでしょうね。
それに、周りの様子からして派手に戦闘したわけでもなかったみたい。
魔術師が、何の抵抗もなく殺されたようにも見えたわ。
もちろん、相手がサーヴァントなら抵抗する間にやられることだってあるでしょうけど。
サーヴァントは間に合わなかったのかしらね。
令呪で呼ぶ間もなかったと考えるなら、相手はアサシンと考えるのが妥当かしら?
先入観はだめだと思うけど、他に思い当たりそうなサーヴァントがいなくて。
−北区 遺跡群前〜払雲山青丹寺−
この辺りですか?
[バーサーカーの言う方角に車を走らせ、辿り着いた先は山中の寺院。]
ー青丹寺ー
[裏切り者がその地を踏んだとき、
微かに地の底から震えるような響きがあっただろう。
寺そのものに反発しあうような力の流れがあることに
彼は気づいたのだろうか。
ちり、ちりり、と刃鳴りのような鈴のような
そんな細かい音が響いたはずだ]
[セイバーと一瞬目が合う。
今のところ敵意は無さそうだ、ならば変に喧嘩腰になる意味が無い。
両方のマスターが手に持つ電話機というものをしげしげと見ながら]
かつては遠隔の者同士の意思の疎通に知恵を凝らしたものだ。
文明が進めば、魔術しか叶える事の出来ない事象というものは限りなく減っていくのだろうな。キャスターの身としては、複雑な心境だ。
[きっと現代の魔術師も同じような思いを思っているのではないだろうか。
残した知識がこれらの礎になっている事を願うばかりだ]
―東・旧蓑輪鉱山―
[相変わらず人気のない廃墟
万一事が起こってもここでなら心配無いだろう。
埃っぽい風が巻き起こり、リシアは咳を一つした。]
…あ、ついさっきなの?じゃあ良いタイミングだったって事なのかな。
[セイバーの言葉に一つ頷く。自分も契約する際に1時間ほどの時間を要した。
…まぁ、その間に食事やらなにやらを済ませたのだけれども。
馴れない端末を、少し時間を掛けて番号を表示させると
持ってきたメモとペンを引っ張り出して、書き写す。
少女特有の、少しだけ丸みを帯びたそれ。]
サーヴァント同士がぶつかった気配は無かったから
まさかとは、思っていたけれど――マスターだけ、か。
[女の言葉に眉を寄せる。
どの様なマスターかは知らないが、夜にサーヴァントを連れ歩かないならば、…ある種自業自得とも言えなくはないが――。]
でも、それが本当なら――やっぱりアサシンだとは、私も。
…あの、テレビのニュース見ましたか?…目撃情報が一つも無いって。
[対抗出来ずに死ぬ可能性はどの英霊相手でも確かにある。
しかしあの街中では、目立つのを避けられない。筈だ。
にも関わらず、目撃証言がないとすれば――暗殺に長けるものだと考えるのが妥当だと]
―東区・旧蓑輪鉱山付近―
[サイドカーに乗り、偽一とユダは東区へと戻る。]
そう言えば、東区はまだ本格的に回ってはいなかったな。
人の少ない地域だから、優先順位は下げたんだけど、こうなるなら下見して置けばよかったかもね。
[根城としている、廃墟付近を通り過ぎ、さらに東のゴーストタウンと化した鉱山跡へと向かう。]
[北の山が遠ざかっていく。
刃なりのような小さな鈴の音は、
確かにこの耳に響いたのだが。
途中、車と道ひとつ隔ててすれ違うなどしたのだろうか。
微かに反応はあったものの
そのまま調べにいくことはせず]
東区は、確かに山ばかりだな。
[鉱山後が近づくにつれ、
ますます寂れた雰囲気になっていった。]
−青丹寺−
随分な名前になったものだ
[寺院の名前を見た後、車から降りる。
シャツの白が濃くなったことが、幾らか乾いたことを示す]
いくぞ。
[召喚者のほうを振り向かず、さっさと歩き出した]
ありがとう。登録しておくわね。
[アンネリーゼから紙を受け取ると、自分も手渡し]
ニュースは全部は見ていないけど…目撃者なしなの。
なら、やっぱりアサシンかしらね。
状況が夜でも、まだ人は多かったわ。
誰にも見られていないというなら、それは誰にも気づかれずに殺したということ。
音もなく声もなく。
[渡された紙の電話番号をじっと見て、携帯に登録し始める]
んフ。アナタ、少々B型過ぎますね。
ま、別に構いませんが。
[すたすたと歩くサーヴァントの後についていく。]
ここと、酒呑に、どんな関係が?
んフ。アナタ、少々B型過ぎますね。
ま、別に構いませんが。
[ヴァンデンプラ・プリンセスのエンジンをオフにすると、すたすたと歩くサーヴァントの後についていく。]
ここと、酒呑に、どんな関係が?
投票を委任します。
クリスティーナ 鳳は、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
この携帯とかは最たるものだよね。――正直、仕組みとかよくわっかんないし。
あ、ありがとうございます。
[キャスターの言葉に、手元の端末へ視線を落とす。
無線で通話が出来る仕組みなど、判るべくも無い事で。
魔術に馴染み深い己にとっては、魔術の類に見えてくる。
…それだけ、文明が不可能を可能にしているという事なのだろうけれど。
差し出された紙を受け取ると、己も同様に登録していく。
そこまで複雑な機能を持たない端末は、少し触れば充分馴れる。]
――みたいです、朝方のニュースだったんですけど。
場所が場所なので、目撃者がいないとなると。
他のクラスの英霊では、難しいとはー…、…。
…アサシンっぽい英霊に、会ったり、心当たり、とかは?
[己とて、数組には対峙しているが――アサシンの思い当たりは無い。
…否、実際には対峙していても、詳細までは掴めぬ上に持っていたという武器が
長物という時点で、ランサーだと目星をつけていたというのも、あるが。]
アサシンに心当たりねぇ…。
サーヴァントは他に3体見ているわ。
昨日のマスターは若い男ではじめてみる顔だったの。
3体の内マスターと一緒だった二人で考えれば、…フードをかぶったサーヴァントがいたのよね。
被らされてるのだと思ったのだけど。
もう一体のほうはアサシンには見えなかった、かしら。
単独でいたもう一体は女性だったわ。
昼間にこの辺りで見たけど。
彼女が殺されたマスターのサーヴァントだった、と考えることもできるけど…。
その可能性は低そうね。
[紙と共に携帯をしまう]
―東区・旧蓑輪鉱山付近―
[フードを被りなおしながら、
鳥の声や木々のざわめきに
耳を澄ませる。探すのは気配。]
…さて、行くか?
[片方の手はポケットに、
小さく銀貨が鳴った。]
アサシンっぽい英霊、か。
[思い当たるならば、あのフードの男。
オセの”素早い”という情報のみだが、長物という答えに対しセイバーは既に目の前にいる。ライダーではなさそうだ。
仮にアーチャーが裸の皇帝だとすると、残るはバーサーカーかランサー、そしてアサシン。
あえて言うなら、アサシンが彼といったところか]
/*
また、ルーマニア、ブルガリア、セルビアには、一度咬みついたりキスをしただけで犠牲者の血を吸い取り、その後に30枚の銀貨をあらわすXXXの傷を残す「ユダの子ら」と呼ばれる悪の吸血鬼の伝承がある。
いいなあこれ
というどきどきの待ち時間
>>130
えっ
なんでそこで、長物でランサーも含めてあげないの
えっ つまらないよ踊ろうよ!!(←
??? マゾですよ?←
―東区・旧蓑輪鉱山―
[ゴーストタウンの中を砂塵が吹き抜ける。
令呪の反応を見て、ユダを先に進ませた。]
うん、いるね。
全く能力の解らないチームだから、用心しておかないとな。
[歩みを弱め、先へ進むユダとの距離を開ける。]
B型とは何だ
[血液型なんてものが知識にあるわけもない。
注連縄のような髪腰に重たくなったスカートが揺れていた]
酒呑の邸宅。死地。
[門をくぐろうとしたところで眉を寄せた。
だが、構わず中へと足を勧めた。
頬や腕に赤が滲んだが構わないらしい]
―東区・旧蓑輪鉱山―
[偽一に先行して気配を探りながら行く。
あちらも、此方がたどり着いていることには
気づいているだろう。]
随分にぎやかなやつらだったがな。
[――謂って、思う。
自分と偽一はどうなのだかと。
願いが相容れないわけではない。
何処かいびつな笑いの2人。]
…来たぞ。
[歩みを止めて、声をかけた。
どうせ自分たちの位置は知れている。]
連絡先も交換したことだし、そろそろ行こうかしら。
ところであなた達はこれからどうするの?
南のほうで火事があったみたいだから、それも気になってはいるのだけど。
北のほうもまだよく見ていないのよね。
[拠点があるだけにあまり見に行ってはいなかったなと思う]
・・・・・・
[苦悩。
元勢宮での施術の事。
本来ならば、夜のほうが都合が良い。
しかし、一刻も早く体制を固めたい。
今朝強行ででも施術を行わなかったことを後悔する。
いくらセイバーが助力したとしても、今日を乗り切れるのだろうか。
既に戦いは激化し始めている。
今日他の英霊と戦えば、確実に魔力は不足した状態になる]
―東区・旧蓑輪鉱山―
[吹き抜ける砂塵の中、令呪と回路の反応に体もピクリと反応する。
英霊を先にやや後方から、上ってくる二人の姿を待っていた。]
投票を委任します。
アサシン イスカリオテのユダは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
渡辺 あゆは、セイバー ゲオルギウス を投票先に選びました。
渡辺 あゆは、クリスティーナ 鳳 を能力(襲う)の対象に選びました。
投票を委任します。
フェリシアは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
[現時点でオセも出さないのは、その為だ。
今日を乗り切り、夜まで持たせる為。
しかし、そんな悠長な事をしていられるのだろうか。
セイバーを利用するのも、あてにし過ぎれば策におぼれる]
アンネリーゼ、こちらもそろそろ行動を開始すべきだ。
僕は、女の子から呼び出されるのは大好きでね。
できれば、校舎裏とかの方が良かったのだけども、こんな廃墟じゃ色気が無いな。
呼び出した目的も、色気が無いものと考えて良いのかな。
[フェリシアに向かい、そう返す。]
若い男のマスター…。
[己には覚えが無いが、成る程。
テレビニュースの写真でちらりと見る限りでも、確かに若そうな青年だった。女の言っている人物は、それだろう。…僅かに、眉を寄せる。]
フードを被ったサーヴァントなら、ああ…私も見たかも。
――って、女性のサーヴァント?
[次いだ言葉に、ぱちりと瞬いた。
思わずキャスターの方へと視線を向ける。会ったかと視線で問うたが、
もし会っていたならば既に教えてくれているだろう。]
此方が逢ったのは、… …露出狂の、皇帝かな…。
――恐らく、アーチャーだとは見てるんだけど。
[…説明としては間違ってはいない筈だ。たぶん。
相手が問うならば仔細を伝え、そうして次いだ問いには一度キャスターへと視線を向けた。…確かに、そろそろ行動に移す必要は、ある。]
―東区・旧蓑輪鉱山―
…。
[校舎裏とはなんだろうか、と思いつつ
>>139飛んできた石榴をぱしりと受け取る。
艶の良い、うつくしい石榴だった。]
見事だな。
[果実を見ての感想。
どうするかと偽一に視線を流して問う。]
――元勢宮も近いし。
私達はもうしばらくここら辺でぐるっと用事済ませてきます。
…その後、火事の方に折角だから行ってみよっかな。
クリスティーナさん達は、北に?
[北と言えば、幾らかの遺跡やら寺があった…記憶はあるが。
そういえば、己も余り意識していなかった。
――調べる事もあるし、図書館に行く必要もそういえばある。]
じゃあ、もし何かあれば…コレに。
[携帯電話を指差して、二人が去るようならそれを見送って。]
ええ、女性の。
サイズの合わない服を着ていたわ。
おまけに下着もつけていないようだったし。
そういうのに頓着しないのでしょうね。
マスターもそうだとすれば、死んだ男とはイメージが合わないでしょう?
露出狂…?
[アンネリーゼの言葉にもう一体のサーヴァントを思い浮かべる]
同じかどうかはわからないけど。
女のマスターだったわ。
少女といってもいいくらいだと思うのだけど、口調はやけに老成していたわね。
まあいいわ。また何かあれば連絡を取りましょうか。
―東区・旧蓑輪鉱山―
[女性と皇帝(自分で名乗っていた)の方を見ながら
可憐な見た目に似合わない口調だな、と
ユダは思った。口調だけではない、態度もだ。]
…?
[フェリシアが皇帝を
たしなめているのに気づいたか。
ユダは少しだけ首を傾げた。]
ええ。
多分北に。
[アンネリーゼへこくりと頷いて、歩き始めた。
セイバーを伴い駐車場へと向かう。
車を出すと北へと向かった]
女性の英霊・・・・・・ 会った事がないな。
[施術への焦りはある。
しかし、やはり情報が足りなすぎる。
いざとなればセイバーも利用出来る。
ならば、少なくとも昼間は施術を焦らず、探索を優先すべきかもしれない]
アンネリーゼ、元勢宮はまた夜にしないか。
見たことも無い英霊がいるままでは、対策を立てることすら出来ん。
今は情報収集を優先したい。
[ユダには石榴を食すのはもう少し待て、と仕草で示し、偽一は語る。]
さて、こちらは、君が戦いを望むなら戦うし、望まないなら組んでも良いというスタンスだ。
君はどうしたいのかな?
[そう問うて、相手の答えを*待った。*]
…ふむ、
[自販機を弄るのをやめ、影色を見る。
その表情の細部を観察するように、眺め回し――]
時に貴様、もしや――
[続きは、音にならず。]
…――、
[意外そうに、眼を瞬かす。]
…そう だが。
[顔を見ただけで分かるのか。
彼自身はとてもユダヤの者には見えないのに。]
[石榴を受け取った青年の賞賛の言葉に微笑み浮かべ]
ギイチ・・・と、申すか、マスターと判断して良いのじゃな。
そこな青年よ、賞賛の言葉嬉しく思う。
先ほど名乗ったが、リシアとでも呼ぶがいい。
此方は…皇帝であるが…多少の奇行は皇帝であるが故気にするな。
さて、本題に入ろうか…いま、我は戦う気はない。
そなた達が我と協定を結ぼうというのなら願ったりと言うとこかの。
[また風が吹き抜け周囲の埃を巻き上げる。]
…ふむ。
いや、
――貴様によく似た者を、知っていただけだ。
そいつもユダヤ人だったのでな。
……それ以上は、特にはない。
困惑をさせたか。
すまんな。許せ。
――え?
[夜にしないかと、その提案にぱちりと瞬く。
確かに、情報収集が重要なのはこちらも同意だ。
――魔術で対抗出来ぬのなら、戦略を巡らせるしか無い。
その為にも相手を知るのは、霊脈を抑えると同等に優先すべき事、だが。]
…キャスターがいいなら、私は良いけど。
[彼からその言葉が出るのは、少しだけ意外だとばかり。]
何だ、その顔は。
[慎重に出るなら魔力の回復を優先すべきだ。
しかし、これには考えもある。
”セイバーを倒す手駒と、そのタイミングを図る”
ここでもしセイバーを倒せるだけの英霊が先に落ちるような事があれば、最後に勝利するのは難しい。
まずは、セイバーに対して相性が良く、なおかつセイバーよりも相手にするのが楽な英霊を探し、セイバーを仕向けさせなければいけない。
しかしアサシンといえども正面からセイバーと戦えば苦戦は必死。
ならば、最も消耗するであろうクラスは・・・・・・バーサーカー。
そして、バーサーカーである可能性が高いのは、その会っていない女性の英霊に他ならない]
[バーサーカーが他の英霊に倒されるのは避けたい。
そして、バーサーカーは必ず途中で魔力が尽きる。そこを突くのは容易いのだ。
否、最悪バーサーカーではなくてもいい。
例の”高出力な英霊”もまた、セイバーとは比較的相性が良いだろう]
例えばだ、アンネリーゼ。
君と僕で一時的に別行動し、”倒すのが難しいと感じた英霊”と出会い次第セイバーを呼ぶ、というのはどうだ。
[言葉にせずとも判るだろうと、それ以上は口にしない。
何処で何が聞いているかも判らない]
[北へ向けた車を信号で止める]
北にあるのはお寺と遺跡。
あの御山は霊山として見てもいいとは思うけど、行く価値があるかは疑問ね。
大学の様子を見に行ってもよいけど。
どこか行きたい場所はあって?
夜までもう少しあるわ。
[掛けたサングラスの奥、目元は*笑んだまま*]
――…、
[一度、二度。瞬いた。そして眉を寄せる。
理解はすれど、男の真意までも掴み切れない。そんな表情。
…何せ自分が単独行動を取った場合
大半以上の英霊が『倒すのが難しい』対象に当て嵌まる。
その様な場合に、協力を乞うのは先に話していた通りだ。
それは互いの話で、だからこそ連絡手段を確保したのでは――ないのか。]
……、別に、いいけど。
[しかし恐らく。男が言いたいのはそこではないのだろう。
いまいち腑に落ちないが、別行動ですべき事は幾らかある。
結局は問題無いと、許可を出した。
男の言う“倒すのが難しいと感じた”
――否、“セイバーにぶつけるべき”英霊。
そこまでを悟るには、まだ男の思考に及ばない**]
・・・・・・
[いまいち理解していないようだが、それはそれで良い。
別に停戦協定を破棄しセイバーを後ろから断とうという訳ではない。
ただ、セイバーとソロモンの2体だけになった時に、自身の消耗を最大限に抑え、なおかつセイバーには五体満足のままでいて貰っても困るという事だ]
我は東の果樹園に行ってみようと思う。気になることがあったのでな。
何かあれば、最悪1番を飛ばそう。君も最悪の場合は令呪を使え。
ただ、その電話機でセイバーを呼べば君も魔力を消費せずと済むという事だ。
あと、日が落ちたら中央区の元勢宮で落ち合うことにしよう。
[そう告げると、ソロモンは独り東の果樹園へと足を向けた**]
―東区・旧蓑輪鉱山―
[>>150フェリシアに視線を送り。]
…皇帝だから、と容認するのか。
服は着せて置け。
[アドバイスのつもりだった。]
――……。
[判断は偽一に任すつもりだった。
協定の話が出れば
願ったりだと、偽一はそう謂っただろう。]
…協定か。
おれも 別段 反対する理由は無い。
[今は。
無駄に一組のみで行動し、
消耗するは愚の骨頂。
例えば、戦いそのものを得意とするクラスと
まともにぶつかれば自身では力でほぼ討ち負けるゆえに。
それだけでなく、特に。
そこの、同じ影を纏う相手なれば。]
其方の出す条件などは、あるか?
[石榴をぱきり、と半分に割る。]
… 似た?
[不思議そうに、言葉繰り返す。
ユダヤの民の、と聞けば少しだけ目を見開く。
表情の変化は表に現れたろう。]
…――…。
…そうか。
[己の属す民族への思い。
かれはユダヤをどうしていたのか。
少しの間、思い巡らせる**]
[石榴は、
東洋の言い伝えでは
人肉を食べる鬼神が口にした果実だったという。
零れ落ちそうな
透きとおる宝石のような粒に
それよりは濁った、
しかし少し似た色の眸をした
青年の形をしたモノは 白い歯を*立てる*]
投票を委任します。
セイバー ゲオルギウスは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
ふむ。
行きたい所か…。
[クリスティーナの車に乗り込み、考え込む。
これと言って、特に行きたい場所があるわけでは無かったが。]
そうだな。寺辺りを探ってみるか。
そう言った場所は、参加者の拠点にし易い場所でもあるからな。
昨日のキャスターとのいざこざで、準備運動は出来た。
本格的に聖杯戦争を始めるとしよう。
[そう言って、自分の右手をじっと見つめて、車が動き出せば、窓からじっと外を眺めた。]
投票を委任します。
アーチャー II.Mehmetは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
投票を委任します。
鳥野 偽一は、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
―東区・廃墟宿泊施設/日没後―
[旧蓑輪鉱山では、相手に条件を聞いたが、車のエンジン音が近づいてきたため、後日連絡して話し合う事に決めた。
車は、鉱山を観光資源にするための調査目的で訪れたらしい。
別れる際、フェリシアには、偽一の連絡先を伝えてある。]
まだ、戦いが始まって序盤だからね。
こつこつ情報を集めて、漁夫の利を狙いたいところだね。
我々、アサシンチームとしては。
[根城に戻ってきた偽一はコーヒーを飲みつつ、テーブルの向こうにいるユダへ語りかける。]
ただ、リシアが今、情報を豊富に持っているのかは疑問かな。
見たところ、裸の王様の面倒を見るのに手一杯みたいだし。
きっと、彼は子供に「王様は裸だ」って言われても「いかにも」って答えるのだろうね。
それに比べ、うちの英霊は、少し目がよどんでいるものの、常識人で助かるよ。
[そう言い、飲み終わったカップを流し場へと片付けた。**]
[珈琲のカップに口をつけながら、
やや上目にユダは偽一を見た。]
――そうだな。
純粋な「腕力」において
おそらくおれは最も低い部類に入る。
…まともにぶつかっては話にならない。
[言い、珈琲の水面に視線を落とす。
ユダは見目だけならば細身の青年だ。
協定を結んだフェリシアのサーヴァントに在るような
威風堂々とした体躯も、
王に備わった使い魔を使役する魔力もない。
だが、力量差を覆す可能性は十分、
知恵とやり方次第で。]
[そうでなくてはならない。
願いを抱いてここにいる限りは
すべてを尽くして。
裸の王様の喩えには、なんともいえぬ呆れたような笑うべきか悩むような表情を浮かべ]
…、容易に想像ができた。
[息1つ吐き、それから偽一を見て
瞬きを一つした。]
驚くほど胡散臭いお前に言われたくない。
[図星をさされると少しだけ不貞腐れたように。
まだ残った柘榴が
皿の上にひとつ。]
おや、褒めた筈なのにけなされたぞ。
まあ、この胡散臭さは義父のせいと言う事にしておこう。
……僕の名前の一文字目はね、偽者の偽と書く。
そして、義父の名もギイチと読むんだが、儀式の儀と書く。
君に言っても解り辛いかもね。
自分の技を受け継いだコピーを作りたいのなら、名前も同じにすれば良いと思うんだが、変なプライドでもあったのかもな。
[流し場の蛇口をひねる偽一の表情は、ユダからは見えなかった。]
褒めたつもりだったのか。
[半目で首を少し傾ぐ。赤黒い髪が揺れた。]
――「偽者」?
[漢字の書き分けについて、
まだ確りとは分かっては居ないが]
書く字が 違う、のか。…“にせもの” か。
…胸の悪くなるような意味を当てる。
[じ、と。流し場に立つ偽一を見る。
表情が見えない。少し視線を落として
ゆらりと珈琲の水面を揺らす]
[歪でひずんだような感覚]
ああ。
[ユダは苦味帯びた笑に似た表情を浮かべる]
あの“澱み”だけではないな。
お前であったこともまた、
おれを引き寄せたわけか。
[独白めいて呟いた。]
うん、褒めたと言うのは3割は本当だ。
[振り返った偽一の表情は、いつもの笑顔である。]
……?何か言ったかい?澱み……とか聞こえたが。
[手近なタオルで手を拭きつつ、首をかしげる。]
残りの7割はなんだ。
[珈琲から視線を偽一の方へ向ける。
映ったのは笑顔だった。]
……、
――おれに絡みついて離れない
面倒事の話だ。
[謂うと徐にカップを呷り
珈琲を飲み干した。]
[カップを置くと、言葉を続けることはせず
色々しているうちに冷めてしまった惣菜を手にした。
電子レンジに入れて、温めればよかったはず、なのだが]
…!!!?
[ぱん、と何かが爆ぜるような音がした。
ゆで卵もまた爆発することを
ユダは知らなかった。
――どうしよう、という顔で
電子レンジを見ていた。]
/*
ちゃんと理由はあるんだ!
言葉の続きを話したら
マスター的に切られるんじゃないかなあとか
なので誤魔化すために爆発
―東区・旧蓑輪鉱山―
[互いの意思の確認が取れ、さあこれからという時に
無粋なエンジン音が木霊する。]
ちっ!ほんに無粋な…また後日邪魔の入らぬところで
ゆっくり話し合おうぞ。
[連絡用にと携帯の番号を手渡されると困ったように…]
我はこの手の類は苦手での…まあ、必要ならば仕方ない。
[リシアは、携帯を購入する覚悟を決めたようだ。
契約が済み次第、此方から連絡を入れると告げると
ひらりと片手を振りその場を離れた。]
残りの7割は秘密で出来ている。
……絡み付いて離れない面倒事ね。
[心の澱みか何かだろうか、鬱屈した英霊だから、色々出せぬ想いがあるのかもしれない、と偽一は考える。]
鬱屈しているのはお互い様か。
[そう思いつつ、テーブルの上の柘榴を手に取って食べる。
直後、破裂音が聞こえた。]
…食べ物が爆発するなんて聞いてない。
[この時ばかりは見た目相応の
困った様な表情を浮かべ、
布巾を手に しぶしぶ掃除を始めたのだった。]
―東区/ラウラ工房・居間―
[屋敷へ戻る頃には、空が朱に染まり始めていた。
果実が無くなったとは言え木々の残る園。足元は暗い。]
しかし意外であったな。
自尊心の高そうな貴様が、協定を結ぶとは想わなかった。
[じっと、フェリシアの姿を見つめ、]
なるほど。
恋であるな。
わかるわかる。
[皇帝はうなずいた。大仰に。窓の外を見ながら。]
―東区・有栖川邸・居間―
[テーブルに紅茶とクリームたっぷりのスコーンを置くと椅子に座って暫しティータイム。
珍しく真っ当なな質問に答えようとすると…
うぐっ!――紅茶を吹きそうになった。]
誰が恋じゃ!
協定はそなたの武器が接近戦に向かぬと判断したからまでじゃ。
尤も、まだギチイとやらの英霊がどのようなタイプなのか
確認しておらぬ故、ランサーだとちと辛いかのぅ。
それに…・戦いに負けては自尊心など意味を持たぬじゃろうが。
のう…『メフメト2世』よ。
[にっ…と笑いながら、図書館の成果を疲労した]
戦闘の間合いなぞ何とでもなるがな。
艦隊とて、工夫次第で山を越えられる。
[窓から、今は亡き果樹園を見渡す。]
ギチイとやらが誰かは知らぬが
ギイチの英霊の事ならば大よそ把握している。
問題は――
[外套の下で、腕がぴくりと動いた。]
あうあう…格好良く決めたかったのにorz
ギイチさんお名前間違えてごめんなさい。
披露○疲労×
ちょっと吊って来ます・・・(ノД`)
――ふん。漸く吾の名を知ったか。
[笑うフェリシアに、一瞥をくれる。]
それで、……何が分かったのだ?
[背後には、窓の向こうに浮かぶ黄昏。
逆行は瞳に影を作り、いろの見えない視線がフェリシアを見る。]
確かにあそこは気になる場所ね。
誰かが居を構えてるかもしれないけど。
[拠点を通り過ぎて坂を上る。
途中から車が入れずに駐車場に止めて、歩きで上がることにした]
…待って。誰かいるわ。
[寺が近づくに連れて令呪への反応が大きくなる。
同じように立ち寄ったか、それともここにいたのか。
警戒しながら階段を上ると門が見えてくる]
―青丹寺―
[回路をオンにする。セイバーに先に立ってもらい、後ろをついていく。
ぴり、と肌に空気の張る感じが伝わってくる。
霊脈からの魔力と自身のものが合わないのか、酷く痛みを*感じた*]
酒呑の邸宅?……ほっほう。
[酒呑童子を喚びだそうとしていたくせに、そんな事も知らなかった。そういう人なのである。
バーサーカーの後について寺院内を歩いていると、左胸の疼きを感じる。
そしてそれは徐々に強くなっていった。]
お、おムネが……。
[苦しそうに左胸を掴む。]
―東区・果樹園―
[昨日訪れたときに感じた魔力の淀み。
あの時は何も発見出来なかったが、今日はどうだろうか。
英霊の手がかり。この果樹園か、もしくは付近にそれがあるのだろうか。
何事も無く、また果樹園へと入っていく]
・・・・・・
[果実が全くない。
当然、心当たりしか無い。
王であるが故の傲慢。
しかしその結果この果樹園で働く民の労苦をただ魔力の回復の為・・・・・・否快楽を得る為に摘み取ってしまった。
繰り返されるソロモンの業。
そこには哀しみが残っていた]
[皮肉を発する言葉が心なしか嬉しそうに聞こえたのは
リシアの気のせいかもしれなかった。]
――ふむ…遅くなって済まなかった。
そうさのぅ、、、コンスタンティノープルの戦いじゃが
コンスタンティノス11世は中々男気のある良い皇帝じゃ。
そなたが認めたただけのことはあるかのぅ。
あの戦いのそなたの判断は実に奇想天外「征服王」の名を思いのままにしたのもうなずける。
武器に関しては…謝らねばなるまい。
我がそなたのことをもっと認識しておれば、そなたももっと有利に戦えたかもしれぬ。
全く我の勉強不足、不徳の足すところ…すまなかった。
文献が全て正しいとは限らぬが…我は…そなたで良かった。
否!そなたが欲しかったのじゃ!!
[思いつくまま判ったことを述べてみた。
言い終わると紅茶を一口…メフメトの影を見つめる。]
しかし、こうも言える。
夏のうちに集めるのは成功をもたらす子。
刈り入れ時に眠るのは恥をもたらす子。
つまりこの果樹園にたわわに実っていた果実達はすべからく誰かに採取される運命であり、それがただこの王であったというだけの事。
ならば、少なくともこの果樹園にて労務をこなす臣民に報奨を与えることこそが、この王の使命。
[がさごそ、と懐をまさぐる。
ん。封筒が]
これは。
[札束。
結局今着ているカジュアルなジャケットを購入してもその殆どが残る結果となっていた。
とはいえ使い道が無いのも事実]
ならば、これを我が臣民に労いとして与えれば良いのだな。
うむ、これこそが王道。
[きょろきょろと周囲を見渡すが、寒くなってしまった果樹園には誰もおらず、しばし人を探してさまよう]
どうでもいい話だが、フィルターをかけて発言を見直すとアーチャーのみの表示のはずがダグラス有栖川まで見えてしまうという。
つまり、アーチャーのアカウント=ダグラス有栖川である事が判ってしまい、ということはフェリシア=ダグラス=アーチャー?みたいな事に気がついてしまう。
これなんてネタバレ?
―東地区:廃墟宿泊施設―
[たまごが爆発して暫し後。
黙々と電子レンジを掃除していたユダは
不機嫌そうに偽一の方を向いた。]
これでいいか。
[来た時よりも美しく、の精神のごとく
ぴかぴかになっていた。
布巾を濯いで手を洗うと
流し台を背にし凭れかかって尋ねる]
それで。
鉱山では邪魔が入ったが、
かれらについて、話を聞くつもりなのだろう?
早いうちがいいだろうが…
―東地区:廃墟宿泊施設―
うんうん、ユダは掃除のセンスがあるよ。
[適当な事を言う。]
情報のやり取りに関しては、向こうが携帯を持っていなかったから、連絡待ちだね。
あるいは、公衆電話でも使ってくるかもしれない。
大学を破壊した者に心当たりはあるか。
生存しているサーヴァントやマスターの情報はあるか。
この辺で何か聞ければ良いとは思ってるのだけど……どうなるのかね。
[他人事のようにそう言うと、煙草をくわえて火をつけた。]
[暫くすると、夫婦の悲鳴。
つかつかと歩いて行くと、ここの果樹園の管理人ではないかと思われる夫婦がわなわなと震えている。
当然だ、彼らが丹精込めて育てた果実が一つ残らず消滅しているのだから。
心当たりしか無い]
そこの夫婦。
[何食わぬ顔で近寄り]
昨日は馳走になった。
しかし褒美を与えるのを忘れていた。
王とした事が情けない。臣民の労苦を讃え対価を与えるのが王の勤めだというのに。
[当然ながら、夫婦は『あれ、こいつ何いってるんだろう』という目でソロモンを見ているが]
では、これがその褒美だ。
[と、95(100)ほどの札束が入った封筒をそのまま夫婦に手渡した。
ちなみにこの札束には、日本の英霊であるところの福沢諭吉なるものが印刷されているようだ]
『ひいっ!!』
[と夫婦はまたも悲鳴を上げた。
よくは判らないが、それなりに多額だったらしい。
臣民の幸福(?)そうな表情を確認し、果樹園の中の探索に戻る]
・・・・・・ はて。我はここに何をしにきたのだったか。
[何故か軽く悩んだ。
しかし、近くに英霊と思われる魔力を先程から感じている。
少し離れたところにも。
戦闘は出来ない。しかし会合は試みたい。
果樹園の中で、それらの動きを見守る]
―東地区:廃墟宿泊施設―
素直にはうれしくない。
[適当な返事にひねくれた言葉を返しつつ]
…あのマスターは、
若く見えてそのくせ中身が
老成しているようだったりしていて
ちぐはぐだな。ああいうものなのか?
[聞きたい情報についてはうん、と頷いて。]
あの皇帝については
多少知らないでもないが――…まあ多少だ。
そのまんまだったな。
[何のことだか偽一には分かりづらいかもしれない。]
……あの皇帝は、やることが少々派手だ。
巻き込まれないようにしろよ。
[テーブルまで戻ってくると椅子を引き腰掛ける。
ゆらり、白く立ち上る煙草の煙を
なんとはなしに見ながら]
…ああ、そういえば。
あの男の従えていたサーヴァントは
なんだったんだろうな…。
[ぽつり、と。]
―東区/ラウラ工房―
[皇帝は、フェリシアの言葉の一つ一つを聴いていた。
うなずきもせず、ただ無言で。]
……………。フェリシア。
愉快な事実を一つ、教えてやろう。
[視線を果樹園からはずす。
進路は、屋敷から出る為の歩。]
吾の大砲はあの鉄壁を最後まで崩せなかった。
……なるほど、征服王な。
大方、金角湾への侵入に成功し大砲で壁を破壊して
侵入に成功、コンスタンティノープルの攻略に成功。
……とでも書いてあるのであろう。それは。
[いろの無い声。
男は、感じた気配のままに、揺れる外套と共に向かった。]
うん?あの皇帝は、君の生前の知り合いか何かかい?
何か色々知っているような口ぶりだが……友人は選んだ方が良いぞ。
しかし、あの旗は確か……オスマン帝国の旗じゃなかったか。
どの皇帝かと言う事までは、判断できないけどさ。
[ユダとオスマン帝国の皇帝に、一体どういう接点があるのだろうか。偽一はやや疑問に思った。]
―東地区:廃墟宿泊施設―
[頬杖ついて首を斜めに傾け偽一に視線を向ける。]
別に、友人じゃない。会ったこともない。
[それどころかあちらのほうがはるかに時代が下る。
とは、ユダ自身の把握している歴史からでは
分からなかったが。]
……面倒事ばかりだと言ったろ。
おれは…――…、
[眉を寄せると、少し目を伏せる。
言いあぐねるような間があって、それから。]
…お前には大した問題じゃない。
おれが何であろうと、おれは戦える。
…そしてこれは戦争だ。
それで、十分だろう。
[メフメトの動きに合わせ、リシアの回路もわずかに感じ取るものがあった。
慌ただしく後に続きながら答える]
ふむ…やはり文献が正確なわけではなかったようじゃの。
では、そなたの望みはもう一度コンスタンティノープルの戦いをやり直したいとでも?
もしくは…叶わなかった世界征服をやり遂げるとでも?
[話ながらも気持ちは回路の知らせる方向へ…果樹園か…!?]
―東区・果樹園―
どうやら、当たりのようだ。
[相手によっては迂闊な会合かもしれない。
アンネリーゼからの魔力供給は薄まっている。
どうやら今は少し距離が離れているようだ。
すっ、と指輪に手をかざす]
1番。
[有事の際に・・・・・・主に、アンネリーゼかもしくはセイバーへ連絡をとる為にバアルを呼び出し、自身の背中に待機させる]
―――。
形ばかりを追い求めて何になる。
吾一人で行う征服に何の意味がある。
後の好事家が纏めた文面に何の意味がある。
少なくとも、それは吾等が記したものなどではない。
知識とは道を知る事ではないだろう。
道の先にあるものを知り、それでも獲る為に己を尽くす。
そして道を歩むのは、いつも地に根付いた息吹であり魂である。
[果樹園。林立する木々。
気配のする獣の道を、逸れる事無くまっすぐと歩く。]
吹き来る風の方角なぞ知らん。
打ち破るは吾にして吾等である。
――であろう?
名も知らぬ王よ。
[視界の先には、一滴の魔力を迸らせた英霊の姿。
男の言は、風に遮られるか、はたまた乗せられ届けられるか。]
/*
ハリボテエレジー!ハリボテエレジーじゃないか!
[もういいです]
毎度キャラクターが鬱屈しててすいません。
(何度目だ)
[…やや、急ぎ足でメフメトの後に続きながら、、、]
文献の真偽など問題ではない、例え丸ごと嘘だらけの文献があろうと
読んだ者が信じればそれが真実となる。
信じる心が英霊を作り力の糧となるならば…我は信じるぞ!
「メフメト2世」そなたこそ我の最強の英霊であると
[その声がメフメトに届いたか?などどうでも良かった。]
ふん、君が知識を語るか。
[不敵な笑みが零れる]
しかし英霊という存在は、そう君のマスターが言うとおりの物だ。
[近くの木々の葉に触れる。落ちかけている陽の光はそれをうっすらと紅に染め上げる]
偉業とは何だ。
この時代を生きる人間に、我々がいかに生き、そして死んだかを正確に知る者はいない。
だから我々が得た知恵や見聞は後世に残さねばならぬ。
我々も人の身ならば、個という小さな器で収まってはいけぬ。
よもや英霊の座に就く程の王ならば、後の世の臣民がすべからく恵みを得るために、自らの足跡を残すべきだ。
もし君が、君の見聞きした事実をこの後世に残せていないとするならば、君という命は無駄という事になる。
[目の前の裸王を見つめ]
違うか?
[姿を見せた英霊に、数歩後ずさり間合いを取ってメフメトの後方へ
―これは…チャンスかも知れん…と子蜘蛛を数匹呼び出し
飛ばせる準備をしておく。
子蜘蛛がギイチ組を見つけ、上手く呼び寄せられれば
青年英霊のクラス力量が判るかも知れないのだ。
だが、まずはこの男の正体の見極めが先だ!!]
[フェリシアが僅かながらに魔術を行使するのを感じ、真剣な眼差しを向ける]
さて、君の英霊はこの果樹園を戦場にすることを良しとしているのだろうか。
臣民の富よりも自らの武勲を優先するような輩が、これ程の王になれるとは思わぬがな。
なんだ。吾がただ脱ぐしか能の無い男だと思ったか。
その通りだ。
[不敵な笑みを、応じるように返す。]
……ああ。
中々に愉快なシステムである。
目的あれば利用するし、目的なくば堕落する。
が、それだけだ。
吾が芸術的感性は興味が湧かんな。
[フェリシアと、男の言葉を受けながら立ち止まった。
腕を組む。風になびく血の外套は、堕ちる木漏れ日と共に。]
―東地区:廃墟宿泊施設―
ふうむ……。
[偽一は、ユダの態度に片眉を上げて、不可解そうな表情をする。]
……まあ、お仕事をしてくれれば問題無しってのは、そうなのだけどさ。
そうだな……それじゃ、今日はユダが1人で街を回ってみると言うのはどうだろう。
街はある程度回ったし、現代の文化も大体は把握できたろう?
いつもは僕主導だけど、君が独自の考えで行動してみるってのも面白いかもしれない。
[先日ユダは単独行動中に、魔術師を見抜き、手を下している。
その事を思い出し、偽一はそう提案をして見た。**]
[たいそうな口をきく英霊に苛立ちを覚える。
英霊とはかくも皆偉そうなのか?]
ふんっ!誰が教えるか。
時に…そなた、この地にいささかの覚えがあるようじゃが
昨日、ここの果実を喰い荒らしては行かなんだか?
[害虫であったなら殴ってやろう!と心に決めた]
/*
イエスに言われた
「生まれてこないほうがそのもののためによかった」
が相当堪えていて、
またお前は呼ばれないほうがよかったとか
言われるのが(ユダ自身は認めないだろうけれど)
怖いと思っているので
泥にまみれてることを言わないというのもある。
たぶん。
どうやら全てお見通しのようだな。
我も生前、果樹園を持ち合わせていた。
命の躍動が甘味や酸味となり人々を潤し、そしてまた新たな生命を生む。
これ以上ない理想郷だ。
それに出会えた為、いささか我を忘れた。
だが労苦の対価に報いたつもりだ。
人はこうして豊かにならねばならぬ。
[要するに無断で採取し食して賠償しただけなのだが、王は歪み無い]
民とは愉快な生き物だ。
信仰も違えば思想も違う。
求めるところも当然違うのだが……さて。
一つの時代、一つの帝国でさえ求めの形は違う。
例え吾が、吾の時代の民の求めるところに応えたとしても
後の時代の民がそうであるとは限らん。
吾の行いが、後の世に都合の悪いものとなる事もあろう。
吾の言が、後の民草にとって不幸の呪縛を与える事もあろう。
吾の業なぞ、好きに弄くり回せば良い。
吾は吾でなくなるかもしれぬし、吾等でなくなるやもしれぬが
しかし、だからて
記録にも残らぬ民の祈りが、無為であったなどとは吾は思わんな。
吾等が遺した願いは確かに、"此処"へ続いている。
ほう……ああ。なるほど。
あれは貴様の仕業であったか。
何もせずままであれば、吾が砲を撃ち込んでいたところだが
努めに対する褒美を与えたというのであれば、許す。
もうこの園に果実はなくなってしまったし
本来の目的は果たせなくなったのであろうが
――奴等の育てた果実は、実に美味であった。
吾が覚えている。問題ない。
―――ふむ。
吾等の足跡、な。
[皇帝は、目を瞑ったまま暫し黙考し、]
良かろう。吾が名を知る栄誉を許す。
吾が名は" Fatih(征服帝)"、 II.Mehmet。
دولت ابد مدتを背負いし者である。
[دولت ابد مدت――"永遠の国家"。
オスマン・トルコがその赤旗に携えた、言葉。]
―東地区:廃墟宿泊施設―
[偽一の不可解そうな表情に
ユダは些かばつの悪そうな顔をした。
遠い昔、彼方。裏切りの前に
イエスに投げかけられた言葉を
憶えているからこそ。]
…――、なに?
[ぱちりと1つ瞬いた。]
……別に、構わないが。
そちらは、そちらで動く算段は
できているのだろうな?ギイチ。
[己のマスターへと、問いかけた。
彼は飄々と肯定するのだろう。いざとなれば令呪で喚ぶ、とも。]
何、この果樹園は短命ではない。
木々の世話をしているあの夫婦の命が絶えようとも、この理想郷の円環が留まることはない。
また実は宿り、人々の心を癒す。
君は中々面白い事を言うな。
唯の裸の皇帝かと思っていたが、どうやら本当に違うようだ。
英霊とは、いわば人々の夢でしかないのかもしれぬな。偶像崇拝の対象の一つであり、都合の良いシンボルとなる。そして人々の心は一つところに集まっていく。それが幸であれ不幸であれ。
君の言うように、その時代にはその時代に応じた幸せというものがあるのだろうな。
[すう、と笑顔が消える]
さて、名も知らぬ皇帝よ。
聖杯を取って何とする。
君が今語った王道が真なら、もはや何も為す事など残ってなかろう。
それに・・・・・・
[キャスターであるソロモンならば、近くに寄れば気がつく。そのフェリシアというマスターが持つ魔術回路の奇妙さに]
貴様、一体何者だ。
・・・・・・ な。
[目の前の皇帝は、確かに真名を告げた。
一瞬何が起きたか理解に苦しむ]
貴様、やはり唯のうつけか。
わざわざ真名を明かすなど。
―東地区:廃墟宿泊施設―
[ユダは不意に眼を細め、
笑みに似た表情を浮かべる。]
放し飼いには注意するんだな。
…おれは、“裏切りのユダ”だぞ。
[無論そのための令呪だと知っている。
キリスト教の信仰高まれば
鏡のようにユダへは黒い感情が集まる。
泥はそれを引き寄せて形を成した。
単独行動も、12使徒の宿から一人離れて
30枚の銀貨と共にかの人を売ったゆえに憑いたもの]
―――ク。
何を驚く。
吾が名は今は亡き吾が帝国と共に。
吾が誇りは、今は亡き吾が民草と共に。
誇りを隠して、安寧に眠る民草がどこにいるのだ。
それに、吾は貴様の気概が気に入った。
故に貴様の求めを辱めぬよう、吾が誇りを与えた。
それだけである。
戦の理なぞ、吾等の誇りを潰してまで得る程のものでもない。
……ふむ。
[キャスターか、というフェリシアの言には
改めて向ける視線を正したが、名乗りは待たずに続けて告げる。]
吾が願いか。
死してなお世界を望むには、あまり意味が無い。
吾は吾が民草(とも)と共に得る勝利が何よりの愉悦。
故に、召喚直後は面倒が過ぎて逃亡を図ったりもしたが
……そうだな。
今は、再び吾が友を得、
世の全てに挑むも悪くは無いと思っている。
誇りの為に英霊の座に就いたか。
[もはや王道という名の亡霊だな、そう心の中で呟いたが]
拙き者はすべての言を信じ、賢き者はその行を慎む。
それが我が言葉ではあるだが・・・・・・いいだろう。
我が名は、ソロモン。
太古の知恵王、ソロモン王だ。
[フェリシアの言葉に]
見破った訳ではない。
唯、君の中に2通りの魔力の流れと不自然な魔術回路の接続を感じた。ただそれだけの事。
だから我は貴様に聞いている。
貴様、何者だ。
とはいっても、単にフェリシアが変だ、くらいでかまかけているだけなのだが。
前述の独り言と、あとアーチャーのオープニングの「彼女達」が伏線すぎる所からなのだが。
よくよく読み返してみれば有栖川がアボンする前にフェリシア一歩も動いてないのだな。
良き言葉だ。
ソロモン――貴様の名、しかと、
[覚えたぞ、と言おうとして、
ソロモンの言葉にゆっくりとフェリシアを振り向いた。]
……
え、そうなの?
[表情はそのままに声は素っ頓狂であった。]
あ、しまった二人じゃない可能性もあるのか。
でもさすがにアーチャーが呼び出す側って事はないか。
いや、狼だとありうるのかな。アーチャーが有栖川を操っていた?そしてそんな有栖川がフェリシアを操っている?
うーん。まあきっとうまくやってくれるだろうと期待。
・・・・・・ な、何。
貴様も知らないのか、メフメト二世!?
[この二人は一体どんな関係なのだろうか。
さっぱり解らなくなった]
――ソ ロモン、、、とな?
なるほど…そなたほどの者であれば、我が魔術など見抜けぬはずもないか…
じゃが、何者と言われても答えに困るのぅ。
ドルイド・タリエシンと、セイズ魔術のヴォルヴァの血を受け継いだ者としか言いようが無い。
[ソロモンの問いには飄々とした風に答えた。]
―東地区:廃墟宿泊施設―
[ユダが部屋から去った後、偽一は煙草を手に取り、火をつける。
そして、ソファに背を沈めながら、しばし天井を見つめた。]
……厄介事は、へばりついてなかなか離れない……か。
[深い溜息と共に吐き出された煙が、辺りに漂っている。]
いやほら、俺魔術とかよく知らないし…。
[隕鉄の加護は英霊になってからである。
イェニチェリやカプクルの再現と言えよう。]
…………
[応えるフェリシアの言。
皇帝は、こほんと一つ咳払いをして、腕を組んだ。]
ふむ。
奴隷のタムシン、セイバー魔術のオルバな。
なるほど、貴様はあれの使い手であったか。
天晴れである。
[皇帝は、常に威風堂々だった。]
[煙草をふかしながら、ユダが建物から離れた頃を見計らい、携帯電話を手に取った。
電話する先は教会。訪れた際に、固定電話の番号を聞いてある。
質問の内容は、
「異なる魔術師に召喚されたサーヴァントが、戦争勝利以外の共通の目的を持って現れる事がありうるのか?」
と言う事。
最も教会もグルなら意味の無い電話ではあるが、偽一は聞かざるを得なかった。**]
セイズ魔術・・・・・・成程、巫術か。
それにヴォルヴァにタリエシン。
[ふっ、とソロモンの胸の辺りに光り輝く透明な魔術書が現れ、またもや風も無くページが捲られて行く。
しかし、今はソロモンの鍵ではない。
そう、本来ソロモンの指輪の形をしている筈の”知恵の書”であった]
とんでもない奴がこの戦争に参加していたものだ。
この”ラジエルの書”に切迫する奇跡が、まさかこの世に受け継がれているとはな。
………
[皇帝は、ずらっと並ぶ横文字に混乱している。
彼等は何を言っているのだろう。
そう思いつつも、ふむ、とかうむ、とかうなずいている。]
・・・・・・ということは。
フェリシアの本体ってどれだ?
1、フェリシアの肉体に先祖を降霊させているが意識はフェリシア
2、ロードス島におけるカーラみたいな流れ
わっかんね、とりあえず2のつもりで話をすすめてみよう。違ったら違ったで美味しいし。
―東地区:廃墟宿泊施設―
[外へ出ると黄昏迫る頃か。
遠い眩しいものをみるように
額に手を当てて眼を細くした。]
……――。
[遠い、一番明るい彼方の星に指先を伸ばすが
すぐにゆるく握り、下ろした。
草を踏む。
旅していた頃のようだと思う。
宿泊施設から十分遠ざかったころ、
ユダは気配を遮断しフードを被った。]
………
[ラザニアの書。
何か美味そうな名前である、と思いつつ
光輝く魔術書を眺めている。美味いのだろうか、アレ。]
・・・・・・確かに、たかだか15世紀の皇帝では魔術の知識が極端に不足していても仕方の無い話だ。
[呆けた表情をしているメフメトに、さすがに不憫に思ったのか]
しかし北欧神話の一つも知らんとは。それでも英霊か。
セイズ魔術のヴォルヴァ。別名アングルボダ。
ロキの妻で、フェンリル、ヨルムンガンド、ヘルの三人の母親だ。
・・・・・・規格外め。
ラザニア、は。
[偽一がだしてくれた朝の食事にあった。
冷凍食品だとかはよく分からなかったが]
……たべもの、じゃないのか?
いや、書はしらない。けど。
[ユダは王様でも何でもなく普通の革命者です。]
いやな、今例の王の英霊と会話をしているのだが
急に訳のわからぬ言葉を吾がマスターと交わし始めたのだ。
王が、なんかラザニアの書がどうとか言っている。
何かのヒントかもしれん。
知識を搾れアサシン。許す。
たべものの書か。
なるほど、こいつ、食い物のことばかりということか。
恐ろしいな。
[納得したらしい。]
ただの助けてくれコールじゃないか。
おれはお前の知恵袋でも
お付きのものでもないぞ、ばか。
[思わず暴言。]
いや、ヒントも何も…。
え?あの王がか?
それならば魔術か何かではないのか…?
[困ってる。]
まさか、その末裔のドルイドのヴォルヴァが思念体だけで生きながらえ憑依している、などと言い出さないだろうな。
[さすがに肝が冷える話だ。
成程、これが”規格外の出力を持つ英霊の正体”か。
ここまで来ると、楽観視など到底出来るものではない]
[―ふ、ん…と鼻を鳴らしメフメトからソロモンへと視線を戻す…]
―なんっとっ!!”知恵の書”ではないかの?
何という事じゃ。昨今の魔術師どもが目の色替えて探しておるというのに。
少しで構わぬ故見せては…くれんかのぅ?
[名残惜しそうに”知恵の書”を見ていたが、浅ましいと感じ自分を恥じて咳払い。]
ごほん、ドルイドの魔術もそうじゃが魔術師は一子相伝
故に代々伝わる魔術も紛うことなく伝えられてゆくのじゃ。
尤も我が家系ほど長い年月掛けて鍛錬できておる家系はもう皆無と見て良いがの。
北欧神話…か。ふむ。
ワラキア進行の際に噂話を齧ったな。
[単語が増えた。
皇帝は悠然と話を聞いている。
先ほどの話、二つの回線が混在しているらしいという事実。
つまりフェリシアは――]
なるほど。両性具有か。
神の逸話にはよくある話であるな。
[納得したらしい。]
・・・・・・
[返事の歯切れは悪いが、彼女の説明を信じるならばそうではなさそうだ。
あくまで魔術の継承。
間違いなく目の前の女性は魔術師として規格外である筈だが、人の枠を超えた存在ではない。
否、そう願いたいものだ。
唯でさえ彼女とアンネリーゼは天と地程の差があるというのに]
[一陣の風が冷たい空気を伴ってきた。
乱れる前髪を手で押さえ…]
さぁて…此方の話ばかりでは不公平であろう?
そなたのマスターはいずこにありや。
――、はて…そう言えば、そなた達先ほど会った時に
初めて会った風でもなかったが…どこぞで会ういていたのかの?
―東区:道―
[同じ東区における騒ぎも今は知らず。
道に出たユダは北の方角を見遣る。
少々頭をかかえるように、
額に手を当てたのは何故だったのか。]
[マスターの場所。
しまった、それを言えば間違いなく彼女はここで戦闘開始の意思を見せる。
・・・・・・一度、引くか。
タイミングを見計らう]
ああ。一度激しい戦いを行ったことがある。
君のサーヴァントはとんでもない奴だな、私では到底叶わない。
[メフメトのメフメトの立派さが]
む。吾か。
[我に返った。]
一度は、ソロモンのマスターと共に教会で会ったな。
愛について悩んでいたようなので、助言をした。
二度目は海で出会った。
ソロモンが吾が水に滴る姿態を所望していたので
脱いだ。あれは漢の戦いであった。
所謂、裸の付き合いをした仲というやつである。
無論、ソロモンも裸であった。
中々芸術的であったぞ。
[記憶に違いが見られるようだ。
細かい事は覚えていないらしい。]
そうだ。
貴様のマスターに献上されたハンカチーフを返さねばならぬな。
吾が感謝を伝えてくれ。今度、吾も直接伝えよう。
[退く気配を感じても、仁王立ちは崩さない。
追うつもりも、特には無いようだ。]
ちょっと待て。
まず我は君の裸を所望していなければ、裸になった覚えもない。
それとアンネリーゼのハンカチについてだが返さずとも良い。むしろ返すときっと複雑な表情を浮かべながら拒否するだろう。それはメフメトの懐にでも収めておきたまえ。
[どうやらメフメト側は少なくとも戦闘の意思は無いようだ。
フェリシアの追求さえ無ければ、このまま引き下がったほうが安全ではあるが・・・・・・]
何故だ。
あれは彼女にとって呪いの品か何かであったか。
それはすまなかった。では吾の財としよう。
災いも幸福も食い尽くしてこそ皇帝である。
だが吾が裸を所望せねば海に突き落としたりはしまい。
[皇帝は、胸を張った。]
……ああ。そういえば。
貴様、何か吾に"頼み事"をしに参ったのではないのか?
[フェリシアをぺしんとたたく姿に、一つだけ問いかける。
ぺしんとたたく姿自体は平静に見守っている。
以前果樹園にあった気配――そして今日。
彼は、何か目的があって訪れている可能性が高いだろう。]
/*
王様殴られとるよ!
いいのかよ!
ところで過去の自分を振り返り、
聖書出典が多いことに気づく
さすがは世界で一番売れてるファンタジー
望みか。いや・・・・・・
[困惑。
願うならばセイバーとアーチャーが激突し摩耗してくれるのが有効な戦術だと踏んでいた。
しかし、こうやって情報を得た今それがソロモンの中で最善策では無くなって来ている。
最悪、セイバーすら倒してしまうかもしれない潜在能力。まだ時期尚早と言えなくもない]
大したことではない。
我はまだ全ての英霊と出会っていない。
それを知るために此処に来たのだ。
結果君と再会し、こうして互いの王道を論じ合う事になったが。
[女性の英霊。バーサーカーである可能性が高いサーヴァント]
ふむ。
貴様にも悩むところがあるようであるな。
支配の理、戦場の理。覚えが無い訳ではない。
[皇帝は、後方の空間へ手を伸ばす。
元あった空間を書き換えるように開く、溶鉱炉の孔。
引きずり出したのは、一丁の狙撃銃のようなもの。]
ならば、必要な時にこれを放つが良い。
選択の自由はその際まで守られるべきである。
貴様の望みであれば、いつでも駆けつけよう。
――吾が友、ソロモンよ。
[まっすぐに見据えて、皇帝は銃を差し出した。]
[そのまま銃を受け取る。
複雑な気分だ。セイバーとアーチャー、それぞれ休戦する事になってしまった。
大概こういう場合は利害の板挟みになり苦しむ訳だが、現状有り難いとしか言いようがない]
た、助かる。よろしく頼む。
[しかし、成程これがアーチャー・メフメト二世の能力。
溶鉱炉から彼の時代に有効であった火器を生成を行うのか。
ある意味、魔術の時代に生きていた英霊にとっては天敵とも言える業]
一応言っておくが、安易に人に切り札を見せるべきではない。
我とて君にとっては最終的に倒すべき敵である事には変わらないのだからな。
[有利な情報だが、なぜだかため息をつく。
成程、彼のマスターは随分苦労しているのだろう。
ならばあの爆発も、彼にとっては勢い以外の何物でも無くマスターも制御が出来なかったと理解出来た]
フ。吾は肩入れするわけではない。
ソロモンと共に戦ってみたくなった。それだけの話である。
[困惑と、ため息。
外套は宵となり始めた園で、風にも揺らがない。]
殺すべき時は殺すし、血を流す時は流す。
友である事と敵である事は、また別の話である。
切り札を知られたとて、対策を超えるもまた侵奪の愉しみよ。
[皇帝は、僅かに笑ったように見えた。
フェリシアは何か言っていただろうか。
いずれにしても、皇帝の背は国旗を背負ったまま、変わらない。]
成程、メフメトの心意気、しかと受け取った。
[フェリシアを一瞥し]
悪いが用事がある。
マスターの紹介については、また今度としよう。
また会おう。
[空はすっかり陽も落ち、そろそろアンネリーゼとの合流の時間になる。
アーチャーのいる果実園からそのまま立ち去り、中央区へと足を運ぶ]
/*
おれ、どこかで
悪者っぽい笑いをするんだ…。
く、…ふ、ふふ
みたいな
どこまでも豪快さに欠けてる!
[車を止めて、歩きながら上へ上へと。
令呪の反応を感じたクリスティーナのほうを見て]
ふむ、敵か…やはりここを拠点にしている者もいる様だな。
[常と同じ、警戒をしながら階段を登り、門を見上げた。]
この先…か?
[後ろに下がるクリスティーナを庇う様に、前へと歩み出た。
宝具である剣を具現化させると、慎重に、ゆっくりと門を開いた。]
奥にいる…サーヴァントが…。
[一言だけそう告げて、まっすぐ前を見据える。]
ふむ、進めば戦となろう。
戻るなら今のうちだが……。
[自分の準備は既にできている。
とは言え、ここは恐らく敵の拠点。何があるか分からないのが現状だった。]
ふむ、これ以上こちらから踏み込んでやる必要も無いとは思うが、さて、いかにするか…。
[どうするのだ?と言わんばかりにクリスティーナを見つめてみる。]
[けれど、ユダはそのようなことは
本来知る由もない。
ただ、確かに。
北が気にかかるといったのはユダ自身だった。
それは恐らく
聖盃の穢れに触れてか。]
[セイバーに聞かれると足を止めた]
そうね。
でも、あちらにもこちらがきたことは伝わっているはずよ。
進んで踏み込む必要はないけれど、逃すのもしゃくだわ。
せめて、どのサーヴァントのクラスかだけでも確認はしておきたいけど。
こちらは逃げる準備を整えておくから。
[そういって小さく詠唱する]
ふむ。
ならば、そのように対応しよう。
相手がバーサーカー、あるいはアサシンであれば、早々に逃げよ。
このタイミングでバーサーカーと戦えば、流石に厳しい。
逃げに徹したい所だ。
アサシンであれば、私が庇いながら戦っていても、隙をついて殺されかねない。
[自分のクラスはセイバー。
マスターを失えば、一日ですら生き残る事が難しい。]
私一人であれば、逃げに徹する事もできる。
もっとも、敗れるつもりはないが…。
[自信ありげにそう言うと、さらに一歩、前へ進みでようと。]
[―――影。
影が落ちる。
小さく微かに銀貨の音。
闇に飲まれてかたちを為す。
―――影。長く伸びる。
樹の上から影を落とす。
狙うのは、赤毛の女。]
[何かの音が聞こえた。
理由は分からない。ただの直感。
ただ一つだけ感じ取れるのは、このままではまずいと言う勘のみ。]
クリスティーナ!その場から離れよ!!
[その勘だけで声を荒げる。
同時、その身は武装を纏う。]
投票を委任します。
ビンセント バンゴッホは、渡辺 あゆ に投票を委任しました。
[攻撃態勢に入った瞬間に気配の遮断は消えている。
果たして女は己のサーヴァントの声に
反応できたか否か。
鎧纏う男。夜に魔力が満ちていく。]
――っ…!
[ざわつく。知っている顔でもないのに。
それは正反対の「道」を
歩むもの同士ゆえか。
もう一突き。
漆黒の鋭い影が人を狙い――]
[襲撃を受けたクリスティーナを横目にアサシンとの距離を詰める。
その声に反応して、避ける事が出来たのか否かははっきり確認出来なかった。]
この距離まで全く気付けなかった…!
アサシンのサーヴァントかっ!
[距離を詰めようと、敵の顔をみた瞬間、不意に襲ってくる負の感情。
理由はわからない。なぜか分からないが、まるで親の仇を目の前にしたような感覚。]
ま、まずい、冷静に…。
[幾度と重ねた戦の経験が、制御しようとするが、うまくコントロール出来ないまま、フェイントもなしに突っ込んだ。]
[突然起こる魔力の渦に、胸を押さえながら振り返る。]
んフっ、バーサーカー、どうやら敵のようですよ!
[サーヴァントに促しつつ、魔力の集中を高めた。]
[仕損じたか、否か。]
[まずマスターを叩くべきとしていたのに]
[――嗚呼。厭な感じがする。]
[自然目つきは鋭くなる。
樹の上から地に降り立った瞬間
徐に右手を薙いで銀貨が宵闇の
薄明かりにきらめき闇に飲まれる。]
…――っ!!
[生じ、突き出た槍は10本。
セイバーに向かって串刺しにしようと突き出される。
僅かの間でも足止めできれば地を蹴り、
横へ飛んだ。フードが外れて顔が顕になる。]
[真名の開放はまだなされず。
槍の強度は輝く剣に劣るだろう。]
ッチ…!
[剣が閃いた。セイバー。分の悪い相手だ。
地に着いた爪先から影が体に巻きつく。
ユダが自らの命を断ったときの荒縄のように。
変じて纏うは、闇に溶ける黄昏色の衣。]
[相手が悪い。なにより、手を抜く事を、自分の中の何かが許さない。]
くっ…仕方ない…。
私の声を聞けっ!竜屠る聖なる剣≪アスカロン≫!!
[マスターの許可を得ず、唱えるのは宝具の真名。
突き出て来た槍に向けて、剣を振り抜いた。
その剣は真の力を発し、槍を打ち破る。]
[《アスカロン》と。それが耳に届く。
ユダは知らぬ。彼の伝承を。
けれど彼に集まる信仰が、
彼の纏う気配が、
何より如実に彼を現していた。
首にまとわりつく、黒の荒縄。
微かに締まりアレは敵だと囁いて]
…やはり、…聖人… か
[皮肉げな。自嘲するような。嘲笑うような。
痛むような。複雑な表情を微かに浮かべ。]
ええ、言われなくても逃げるつもりよ。
私には、戦うすべはないんですもの。
[詠唱が終わる。
自身の起源である『膨張』。その初歩魔術。
初歩とはいえ起源の元となるその魔術は、魔力の多い彼女にとって充分に使えるもの。
もっとも、相手がサーヴァントであれば赤子も同然ではあるのだが]
!?
[不意に感じた魔力は背後から。
セイバーの声が聞こえたとほぼ同時、常人の数倍の速さで反応しセイバーの後ろへと駆ける]
……わかった。
この感覚、負の感情。
湧き上がらなければ、私の信仰は偽りとなる…。
[その姿を睨みつける。
そう、その答えならば、全ての辻褄があう。]
私の答えが間違っていれば、先に言うが良い。
この答えが正しければ、私は貴様を許せず、憎しみしかもてぬ。
貴様…裏切り者のユダか…?
[珍しく、負の感情の篭った瞳で、アサシンをじっと睨みつける。]
[セイバーを盾にした直後振り向く間もなく背にかかる衝撃。
ぎり、と歯を噛んだ。
瞬発力を最大値まで高めたものの、逃げ切るには間合いが足りない。
何より、相手が悪かった。
この地の霊脈も、自身と相性が悪いように思えた。
そして繰り出されるセイバーの宝具。
それは満たされていた彼女の魔力を浚って行く]
あなたは。
[フードの男だと気づく。その身に纏う雰囲気が同じだった。
逃げた際に負った傷が痛む。
まだ致命傷ではないが、回復手段はないのだ]
――嗚呼。ああ。そうか。そうだろうとも。
[く、と咽喉を鳴らすような声。
わらったのか、ないたのか。
暗い影を落とす眸の青年は首に巻きつく
闇に染まった細い荒縄に指先を引っ掛ける。]
…そうだとも。
おれの名は…
――イスカリオテのユダ。
[負の感情を滾らせる英霊へ向けて言い放つ。
足元の闇が、ごぼりと 沸き立った。]
[闇と共に、紡ぐ。]
…――――“I might deliver Yhoshuah”
[影と黄昏の衣は協会をなくす。]
[闇と共に、紡ぐ。]
…――――“I might deliver Yhoshuah”
[影と黄昏の衣は境界をなくす。]
…そうか…やはりそうか…。
クリスティーナ、逃げよ。
アサシン相手に庇いながら戦うのはちとしんどい。
なにより…聖人のはずの私の憎しみに満ちた姿など、誰にも見せたくはない。
[負の感情を籠めた瞳はアサシンを見据えたまま。
背後のクリスティーナにそう声をかけた。
そして、そのままアサシンに向けて言葉を綴る。]
聖剣はすでに抜かれた。
楽に死ねると思うなよ?
[全力で距離を詰めたいが、速さはあちらが上。
こちらが振るう剣にどう対処するか。
それでも、まっすぐ見据えたまま、大地を蹴った。]
[ざわめき。
あの日。裏切り茨の冠被せ杭を打ち
イエスを引き立て十字に磔にしたひの
血にまみれた日のざわめきが形を成して
黄昏色の衣が浸る影より出でる
銀貨の音を聞いて――]
…嗚呼。
そうか。おまえも。あのひとも。
人の子だった。そうだな。
聖人といえども。嗚呼。そうだ。
[く、と笑みに似た表情浮かべ
その手から銀貨をばら撒いた。
裏切りの代償のそれ。]
セイバーがずいぶんと弱気ね?
逃げたいのだけど、私も割りと傷が深いのよ。
[もっとも、痛みはあるが走れないほどではない]
憎しみなんて誰でも持っているものではなくて?
見せたくないものを無理に見たいとは言わないけど。
[それでも逃げろといわれた以上は逃げるしかない。
見逃してくれるかどうかは、相手次第だろうが]
上に逃げても別のサーヴァントがいるのよね。
[背が赤く染まっていた。
背中から見れば白いワンピースは既に赤へと変わっているほどには]
――Speed runs through.
Five times.
おれに向けられるに相応しい―――
[先ほどまでは槍と手しか具現しなかった
過去の亡霊たちが
今、ユダに従い全身を現した。
憲兵。従者。各々に槍を持つ。
磔のイエスを突き上げた――その概念。
彼らは顔も無く
ただのっぺりとした影のよう。
地を蹴り斬りかかるセイバーに向け、
とりつかれたかのように槍を突き出す。]
―中区・駅前ドーナツショップ―
[…もぐ。ぺらり。
商店街で購入してきた本のページを捲りながら、3つめのドーナツを一口、齧る。
テーブルの上には、契約したばかりのケータイと
そこにつけられたテディベアが一緒に転がっている。]
……んー…。
[キャスターと分かれた後、さて此方は何をしていたかと言うと
元勢宮でちょこっと魔力の回復に勤しんだついでに、
南地区へ移動し、火災の現場をちょろっと見てきた後、
待ち合わせの中区へ移動の途中で商店街によって、数冊の本を購入して
――今に至る。
…まさかその途中で、キャスターが
渡した札束の95%を果樹園経営の夫婦に譲渡したとか
その最中にアーチャーとそのマスターに出会っていて
あろうことか真名をぽろりと暴露し合い
互いの王道を認め合った結果、良く判らない友情が成立し
協定らしきものが出来て銃を渡されたなど、知る由も無い。]
[クリスティーナの言葉に、僅かに口元を歪める。]
弱気?何を言ってる。
私はあれを殺したいのだ。
だからこそ、庇う事を前提とした戦いをしたくないだけだ。
[抜き身のままの聖剣を相手に向けて、距離を詰める。
彼が生み出すその亡霊達。
それに向けて聖剣を振り敵を切り裂いていく。
しかし、いつもの冷静さは既になく、亡霊達の槍をその身に受け続ける。]
[バッグの中の携帯を片手でいじる。
メモリーした先は一件だけ。
助けを呼ぶためにではない。
コール音をバッグの中でさせたまま相手が出るのを待つ]
さすがに教会まで逃げ切れるとは思えないわね。
セイバー、後で会いましょう。
―払雲山青丹寺付近―
[大きく魔力の渦がぶつかり合う。
セイバーの一撃を食らってはならぬ。
掠っただけでも甚大な損傷。
一瞬の隙でアレに切り裂かれよう。
だが。
己の持つ宝具の力を
最大に発揮するには彼に触れねばならない。
漆黒に染まりし逆十字の得物は眼くらましでしかない。
狙うは、この指先一本でも触れること。
冷静を欠いたセイバーの動きを
+くらい眸が追いかける+]
見えたのがユダならその気持ちはわかるわ。
じゃあ、殺してきなさい。
[参道をはずれて降り始める。背の痛みは激しく。
致命傷でなくとも、このままでは血が足りなくなるのは明らかだった。
半ば転がるように斜面を下る]
[クリスティーナの言葉に軽く頷く。]
心得た。
片付け次第私も向かおう。
[そう告げて、去り際に放った言葉には、さらに笑みを浮かべ]
殺してしまってかまわんのだな。
そいつはありがたい。
[亡霊達の相手をしながら、アサシンとの距離を縮めて行く。
彼の宝具の真の力を知らないため、近づけば終わりだと、その瞬間を狙って…。]
[捲る本には、英字が並ぶ。
みる者が見れば、それが旧約聖書だとは直ぐに理解出来るだろう。
とはいえ、熱心に教えを乞おうとしている心算ではない。
――無論、新約聖書は最早親しみ深いものではあるけれども。
もうひとくち、ドーナツを齧る。
己の目的は、分厚い書籍の一部分。ぺらぺらと適当に捲っていた手が
漸く緩やかになったのは列王記へと至って後。…レメゲトンの方は、知っている。
つまるところ、グリモワールのソロモンは知っている――が、
古代イスラエル王としての彼を、己は全く知らないのだ。己は。]
……ん、 ?
[紙面を滑っていた翠が、ぱちりと瞬く。
突如鳴りだした電子音に気付いて、それを手に取った。
黄緑の液晶に表示される文字は、先に登録した女の名前。
何事かと思えど、ピ、と小さな音を立てて通話ボタンを押した。]
もしもし?
――…、っ
[マスターが逃げる。
だが其方に気をとられるわけには行かない。
槍がセイバーの鎧を、体を貫かんと
がむしゃらに突き出され穿つ。
されどその剣の輝きが振るわれれば
もろくもそれは影へと戻るだろう。
足りなくなるたびに銀貨を掌から零し
新たな憲兵の影をユダは呼ぶ。
――勝っているのは
亡霊を生み出せる速度と素早さ。
ならば撹乱し、僅かでも、手を。]
は、…聖人が、笑わせる…――
[殺すの、殺さないの。その理由は十二分に分かっていながらユダはそれを口にした。]
[バッグの中のコール音がやんだ。
ついで、
人の声。
山をほとんど降りた場所で、茂みへと入った。
まだ、セイバーが戦っている以上は回路をオフにするわけにはいかない]
もしもし?
アンネリーゼ?
今、青丹寺の近くにいるの。
[痛みと疲れで息が荒い]
もしもーし?
……、間違えて発信しちゃったのかな。
[すぐに返事が返る気配は無い。代わりに伝うのは声と言うよりは物音に近いそれ。
鞄の中か、というのは何となしに理解した。
何か物が当たって、誤操作でもしたのだろうか――有り得ない話ではないが。
切った方がいいのだろうかと、そう思った矢先。
荒い声に、ぱちりと瞬いた。]
あ、もしもし? 何か――…、
…青丹寺?
[あったのか、と問おうとした声が途切れる。
彼らが北の方へ向かうというのは、聞いていたし。
自然それが北区に位置する寺だと言う事は直ぐに判った。]
…なんか、つかれてない?
もしもし?
わたし、メリーさん。
今、あなたの後ろにいるの。
って一瞬何故か盛大に空目してビビったとかそんなことないよ?
そんなことないですよ!!? ないってば。
そして白が2222pt
/*
ゲルギーかっこいいよゲルギー
(略すな)
すごい正統派のサーヴァントとマスターなのになあ
注目票入れるべきだった…!
でもおれたたかえてうれしいですありがとうございます。
[影の槍は、その身ではなく、鎧を少しずつ砕いていく。
それでも、途切れる事なく現れる亡霊に僅かに苛立つ。]
ふん、今だけは聖人の名は返上する。
それだけの理由があると心得よっ!
[そう言ってさらに一歩、気が付けば降り下ろせばその体を裁断できるほどの位置まで。]
さあ、どうする?逃げ回るか?
[振り上げた剣はすぐに振り下ろさず。
手の届く距離にまで近づいて…]
[どこかのんびりとした声が聞こえてくる]
疲れてるのじゃないわ。
襲われたの。
その場で支援できるわけでもなし、離れたのだけど、少し血を流しすぎたわね。
[セイバーが勝つ可能性はそれなりにはあるだろう。
けれど、冷静だったはずのセイバーが冷静ではいられなくなるほどだ]
せっかくの停戦協定、うちから言い出したでしょう?
借りを作ったままにしておきたくないの。
情報としてはそのうちわかることかもしれないけど。
襲ってきたのはアサシンのサーヴァント、真名はイスカリオテのユダ。
それを伝えておこうと思って。
――…ッ、…!?
[がたん、と思わず席から立ち上がる。
その音の所為か、集まった周囲の視線から逃げるように広げていた本を抱えると、食べかけのドーナツもドリンクもそのままに店の外へ出る。
返ってくるのは、襲われた割にひどく冷静な声。
年齢の差なのかそれ以外か。 さて、それは判らないが――]
…ちょ、ちょっと、停戦協定はまだ有効でしょ!
借りを作ったままとか…訳の判らない事言わないでってば!
青丹寺って言ってたよね、今…!
[縁起でも無い、と相手の声色とは対照的に狼狽の色を滲ませて。
しかし、次いだ言葉に、駆けだそうとした足がぴたりと止まる。
アサシンのサーヴァント――]
――イスカリオテの、…?
[ぎゅ、と。抱えた本を握る。知らない筈も無い。
むしろ、己の信ずる宗派には馴染みの深い、名だ。]
――…嗚呼、
[魔力、残量は幾らだろう。
マスターから離れていようと
減ずることのない身なれども――]
は、はは。
そうだろうな。
お前たちにとっては。
[憎めばいいとわらう。唇を歪めた。
ちゃり、と小さく銀貨が鳴った。
影と共に黄昏色の衣の裾が揺れる。]
…――…
[ユダは、見据えた。]
…否。
[踏み出した足先にも
また影が波紋を作って溜まる]
……送ってやろう。お前を。
[刹那、駆ける。
多少の傷を負おうとも、構わぬと
闇に染まる指先をかの身に触れさせること、
それだけを狙って]
聖人、聖・ゲオルギウスの名において、汝の罪を断罪する。
そして、その血をもって洗礼とし、聖人、聖・ゲオルギウスの名において、汝の罪を赦そう。
[そう告げて、ゆっくりと剣を振り下ろそうと…
降り下ろせば届く距離。それでも彼の狙いに、彼の送るという言葉の意味に、未だ気付けず…]
どうしたの、そんなにあわてても今からでは遅いわ。
私も、まだここを離れられない。
私が占い師になったのは、人より勘が鋭かったからよ。
きっかけはそれだけ。
占い師としてやっていくにはもちろんそれだけじゃなくて話術が一番大事だったけれどね。
だから、今の私に何が襲ってきたとしても何も驚かないわ。
そんな予感がするのよ。
セイバーがアサシンを倒せたとしても。
[自分の身が持たない]
だから、情報として持っていて頂戴。
ユダは槍を持っていたわ。直接の宝具ではないでしょうけど、…あなたのところも気をつけて。
キャスターもだけど、あなたも狙われるでしょうから。
―東地区:廃墟宿泊施設―
[教会との電話を終え、しばし紫煙の中に身を浸していた偽一は、自身の魔力が吸い上げられている事に気づく。]
始まったのか……。
[暗い廊下に出て、窓際に立つ。遠くに街の灯が見えていた。
いっそ、ユダが負けてしまえば、思い悩む事も無くなるのだろうか。
そんな気持ちがふとよぎった。]
……ユダ、僕は君の帰還を願うべきなのかね。
[それでもおそらく、戻ってきたら「おかえり」と言葉をかけるのだろう。いつもの様に笑顔を浮かべながら。**]
――どうしたのって…っ、…!
[やはり冷静な相手の声が、少しだけ恨めしい。
どうしてそれほどに平然としていられるのか。
勿論、相手とて魔術師でありマスターだ。
…これが戦争である以上、己の死だって覚悟しているだろう。
――それにしたって、もし自分が相手の立場なら。
そこまで冷静に、迫り来る現実を受け入れられるものだろうか。
…嗚呼、甘いな。自分は。 そう思う。
ひとつ、息を吸って。吐く。
ぎゅ、と。携帯電話を握りしめた。]
キャスターなら、大丈夫だよ。
貴女がセイバーを信じているように、…信じてるし。
…わ、かった。――槍ね。気を付ける。
あの、
[息の荒さからしても、何が起こったか良くは判らないが――
あまり向こうに余裕は無いのだろう。
悠長に、通話をしている場合では無いとも、理解しているが。]
…無事に戻ったら、これにちゃんと連絡してね?
…ゲオルギウス。
そうか、それがお前の――…
[踏み込み、手を 伸ばす。
振り下ろされる剣、それは腕と肩を掠めたか。
それでも構わない。血潮が毀れても]
――赦しは必要ない
[時間にすれば僅かの間だったろう。
ユダの手は、存外にやさしく聖人に触れた。
そのまま自身の顔を近づける。赤黒い前髪の間から覗く眸に闇が揺れる。]
おれは まだ 赦されてはならない
[落ちた血が波紋を描き
ユダの薄い唇が紡ぐ――]
[一瞬。
静寂は一瞬だった。
境界が黄昏色から一気に闇へと変じ
崩れた鎧の隙間へと
聖人が剣持つ手の間へと
罪の銀貨と同数、
30を数える鋭き闇色の槍が
たった一人目掛けて
ただ一人を殺すために
四方八方より
処刑せよ
処刑せよと駆り立てて
突き立てる。穿つ。刺し貫く――]
[あわてたような声。
クス、と笑いを漏らす]
ええ、気をつけて。
もう、きるわ。
近くにもう一組いたから、そこからも逃げなきゃいけないのよ。
[通話を切ろうとして、アンネリーゼの声にええ、と頷いた]
聖杯戦争が終わった後なら、ゆっくり電話できるかしら?
[くすくすと笑いながら、通話を切る]
[剣を振り下ろそうと、そこで彼の言葉を聞き、耳を傾ける。
自分の体に触れる彼の手を見て]
私の主、
イエスは告げる。罪は全て、赦され…る…。
[彼の手が触れ、そしてその体を貫く槍、槍、槍…。]
しまっ……。
[剣を持つ手は…
ーゆっくりとーー力なく振り下ろされた…。
その結果が、その刃がどこかに当たったか、何かに触れたのかさえも分からぬまま…。
剣は地面に落ちて、静かにその姿を失った。]
…―― 赦されないよ
[“私の主”
それを聞いて、ユダは眉を寄せ、
僅かに表情を曇らせる。
槍はユダを貫かない。
貫くのは“ユダの接吻《Yhoshuahcide》”を
うけたもの、だけ。]
最後の一本がゲオルギウスを貫くまで、
ユダは、そのまま
……主の仇を…目の前にして………。
[暗い影を落とした瞳は、アサシンをじっと睨みつけ]
皮肉なものだ…。
だが…私は最期まで……騎士で…。
[ありたい……。
そう続く言葉は、声にならず。
ただ握った拳で、残った魔力で、再び剣を具現化する。
一度消えたためか、その姿は真名を解放する前のもの。
最期まで騎士であり続けるために、その剣で体を支え、倒れる事を良しとせぬまま。]
…、もう一組って――!
[声を荒げた所で、ぷつん。と通話は切れた。
ツー、ツー、 と、酷く虚しさを増す電子音を響かせるスピーカーに
ゆっくりと耳から端末を離すと、視線を落とす。]
…聖杯戦争が終わったらって、
連絡する気、ないじゃん…。
[何処か、大人の余裕を感じさせる笑い声。
耳に残るそれが、尚更実感を感じさせないものだから――
腕の中の本を握りしめて、眉を寄せる。
数秒、躊躇って 漸く、通話終了のボタンを押した。]
ー川津教会ー
はい、渡辺でございます。
[優美な古電話の、じりじりとなっているのを
女が受話器をとったのは少し前の話。
受話器の向こうの男の声は聞いた覚えのある声だ。
投げかけられた質問に、女は少し間を置いて答えた]
さあ、どうかしら。
私は正確な答えを持たないけれど…
その確率がゼロだとは、言い切れないわね。
少なくとも、私はそういう事例は聞いたことはないわ。
でも───少し興味深い話ね。
[電話のコードを指に絡めながらそんな風に答えた。
実際に聞いた事はない。
女が知っていることは、聖盃は汚染されているということだけだ]
―中区・駅前―
さて、ここらへんにいるはずだが。
[アンネリーゼとは令呪で繋がっている為、おおよその位置は理解出来る。
しかし、その反応から微かな焦りの感情が流れてくる]
何かあったか、アンネリーゼ。
[少しだけ足早に、彼女がいるであろう方向へと歩いていく]
興味深いなんていったら怒られてしまうかしら。
でも、本心なのよ。悪く思わないで下さる?
[首を傾げたところで相手に見えるわけではない。
教会全体に響く、みし、という音は
電話の向こうに会話の終了まで聞こえていたかもしれない]
――…。
[睨みつける眸から逸らすことなく
じっと「騎士」を見る。
表情は、少し。陰り、よく見えない。
剣で体を支えるさまを
最後まで見届けようとするか。
衣は黄昏、
確かに使徒のものなれど
闇に汚れて]
[切った電話をじっと見た。
それからボタンを押し始める。
数回のコール音の後、相手の声が聞こえた]
……兄さん。
ええ、そうよ。
いいカードは引き当てたのだけど。
相手が悪かったわ。
来るの?
私が死んでた方が都合がいいのでしょう?
取り出すには、絶好の機会ですものね。
……渡さないわ。
[なぜ電話をしてしまったのか。
気づいたら、家にかけていた]
嗚呼
[剣の輝きは失せはじめていても
その有様は、眩しくも映る。]
…確かに、騎士だな。
[衣の裾を引く。
己に見届けられるは不本意であろうかと。
背を向けて]
[少し休んでいたからか楽になった身体で茂みから外へと出た。
繋がるパスの先、感じられる存在はどこか希薄になっていた]
仕方のない人ね。
後で会いましょうと言ったのに。
[ふらつく足取りで歩き始める。まだ戦っている以上、令呪で呼び戻すのは違うように思われた。
何よりもう、繋がる糸はひどく細く]
[一息ついた後に、もう一度電話の受話器を上げ
女の指はダイヤルを一つ一つ回す]
あゆです。
至急、童子切の使用許可を下さい。
…使わなくてはいけないかもしれない。
まだ確定はしていませんが。
[非常に短いやり取りであったが
その言葉が、女がこの教会にいる理由のようなものであった**]
[聖杯に祈った奇跡は一つだけ…。
騎士になりたかった…。誰よりも強く、多くの同志を守るための力が欲しかった。
赤子の時の記憶はない。本当の父と母の顔も知らない。
覚えているのは、たった一人の魔女。
なぜか自分を可愛がっていたあの魔女。
そして…裏では悪事を働く、悪しき魔女。
自分の正しさを、信念を貫く力を求めた。
聖杯はそれに答え、そして、その奇跡が自分信心深い騎士にした。]
(…すまぬ…クリスティーナ…お前を守る事は出来なかった。
騎士の名に恥ない戦いをしたつもりだが、その信念には答えられなかったか…。)
[召喚されていた自らの肉体が静かに消えていくのを感じながら、静かに死を受け入れた。**]
…イスカリオテの、ユダ。
[電話口に聞いた名を、ぽつと口にする。
槍を持つアサシン。新約聖書で――裏切り者とされる人物。
――擡げるのは、言葉にならない曖昧な疑問。
ポケットに携帯を捩じ込む。
テディベアがポケットから零れ落ちてぼろりとぶら下がった。
…泣きはしない。 涙なんて、出ない。
覚悟はした。している。それに、これから考える事なんて幾らでもあるし。
ふと、令呪の疼きに翠を瞬く。 共鳴では無く繋がった先の物。
――キャスターが近くまで戻ってきたらしい。
ごそごそと購入時の紙袋に本を詰めて、袋口を折り曲げた。
抱えてようやく、令呪の示す方へと歩き出す。
次第に、ここ数日で随分と見なれた男の姿がみえてくるか。]
−青丹寺−
息切れか
[召喚者の令呪がそこにあるとは知らない。
ちらりと振り返ったが]
どこだ?
[敵、と口にされた。
一度周りを見渡したが隻腕の女にはわからず]
[背を向けていた、騎士が消える。
最後まで剣を持って在った者。
気配が光になって失せた頃、
ようやくユダは肩越し振り返って。
もう、その存在があったことさえ
跡形も無い地面を見下ろした。]
…―― …。
[唇を開き何事か言いかけて、閉じる。
北で、何者かが鳴いている。
ユダは一度目を閉じて。
それから、地を蹴る。
微かに澄んだ音を残して、其処にはもう、誰も居なくなる――]
[その糸が、途切れる。
と同時に、座り込んだ]
…いってしまったのね。
[魔術回路は既に閉じている。
つまり、自力でここから逃げなければならない。
魔力の反応がなければサーヴァントから見つかることはないのだろうが、マスターは別である。
既に辺りは暗い。
遠くに見える街の明りが滲んで見えた。
背中の傷は脊髄をそれてはいたものの、まだ血が流れ続けている]
いやだわ。泣いているの私。
願いなんて、今まで自力でかなえてきたじゃないの。
―東区:廃墟宿泊施設―
[あの場に居続けるのは危険だった。
気配は、もう1組あったのだ。
セイバーのマスター
――クリスティーナは魔術回路を切ったのか、
その存在を感知することは出来ず。
右肩に切り傷、
血はそのうち止まるだろうが
染みた赤を隠すこともなく
宿泊施設に戻ってきた。
偽一は、自身の魔力が吸われた事により
ことを把握しているであろうと踏んでのこと。]
[男が何か言っても赤を滲ませた女は足をすすめる。
そして、唐突に足を止めてしゃがみ込む。
地に残った掌を当てて、呟いた]
いもじ まゐをたく
おひろ はのれぢの
あてめしう くえね な まとふ
[それは既にこの地から廃れてしまった言葉だった。
鬼の咒いの言葉だと知るものはもういない]
―東区:廃墟宿泊施設―
[煙草の匂いがする。
黄昏色の衣の裾を引き、
戦いのときとはうってかわった
緩やかな動作で扉を潜った。]
[人ごみの向こう側にアンネリーゼの姿が見える。
歩く速度を速め、アンネリーゼに近寄る]
無事だったか。何かあったか?
[気が付くとアンネリーゼの両肩を手で掴み、異変がないか確認する]
[にちゃり、とコールタールのようなものが
言葉に呼応するように土から滲みあがる。
それは凝り固まったかと思えば女の掌に]
っ
[ぞり、と音を立てて沈みはじめた。
何度か女の肩は揺れて、それが総て収まると大きく息を吐く。
傷口はないが、掌には黒いもので焼き付けられた印のようなもの]
[車を止めた場所までたどり着くとタイヤに背を預けた。
スカーフを傷口にあて、止血代わりにしてみたが既に多くの血を失っていたから、効果があるかはわからない]
…ユダは、いなくなったかしら?
[見上げても、離れてしまったからもうわからない。
携帯を取り出してリダイヤルの番号を見る]
泣いていたわね。
停戦協定を結んだとはいえ、敵であることは変わらないのに。
あんなころもあったかしら。
[通話ボタンを押すとコール音]
――わ たしは、なんともない。
[掴まれた両肩にぱちりと瞬きながら、一拍。こくりと頷く。
腕の中で袋の本を抱え直し、一つ呼吸を整えた。]
…、セイバー達が、襲われたって。相手はアサシン
今、青丹寺で――もう一組、近くにいるって。
気を付けて、って通話切れて…、
[ふつ、と再び今度はポケットから流れる電子音。
翠を瞬いて、少しだけ慌てたようにテディベアを握ると端末を引っ張り出し
握る間も惜しいとばかり、勢いよく通話ボタンを押す。
ディスプレイは見ない。 この番号を知っている相手は、一人しかいない。]
――…ッ、もしもし!
―東区:廃墟宿泊施設―
[偽一はおかえり、とあの笑顔で謂ったろう。
ユダは彼を一瞥し]
…セイバーを殺した。あの神父風の男だ。
魔術師は取り逃がしたが、手負いだ。
[端的に事実を告げると、
そのままソファの側へと歩み、
ふ、と 倒れるように横になった。]
セイバーが、アサシンに襲われただと!?
[あのフードの男性なのだろうか。
それにもう一組。先ほどまでアーチャー達と一緒にいた以上、違うクラスという事になる。
舌打ちをする。
ここでセイバーが敗北するのは不本意だ。
しかし、もし相手がアサシンとバーサーカーなのであれば・・・・・・最悪のケースとなる]
[コール音が途切れる。
聞こえてくる声にくすりと笑った]
アンネリーゼ。
セイバーが消えたわ。
恐らく、ユダにやられたのだと思うけど。
今、山のふもとにいるの。
よければ教会まで連れて行ってくださるとうれしいわ。
来るまでは、起きているように努めるから。
[先ほどよりも少し力ない声]
[びくびくと、暫くは女の片腕は痙攣していたが]
用済みだ。
いくぞ。
[召喚主はまだ左胸を抑えていたか。
急かすべく、尻に遠慮ない一蹴りをくれて
それから寺の建物を振り返り睨み付けると
男を引き摺って門を再びまたぐ]
―東区:廃墟宿泊施設―
[何事か尋ねられれば]
…寝る。
[と、だけ。
傷を負った所為か、宝具を開放した所為か、
魔力の回復を優先したいのだろうかと、
機能的なところとしては判断できただろうか。
彼の表情を、さて置けばだが。
やがて寝息。ソファから落ちた手、
その指の先から、
赤色の血が毀れて床を汚した。
それもすぐに止まるだろう。]
[ユダは、偽一の葛藤を知らぬ。
帰りを願うべきか否か。
そんな葛藤と迷いを。
「生まれてこない方が
そのもののためにも良かった」
と。
裏切りのユダにイエスが放った言葉。
それに似ているかもしれぬ迷いを。
偽一は帰ってきたユダに何を思うだろうか。
――様々なしがらみ。
ユダは今だけは考えることなく
泥のような仮初の眠りに沈んでいった**]
…セイバーが。
[眉を寄せる。…先の電話で覚悟はしていたが。
僅かに端末を握る手に力が籠る。
アサシン、真名を知れば成る程とも思わなくはないが――
最良と呼ばれるクラスであるセイバーを、倒し得る。
恐らく不意打ちと言え、 それが、あり得るのか。]
――っわかった、今すぐ行くから!
あんまり、動かないでね!動いたらだめだよ!?
[相手の了解の言葉が返れば、早々に通話ボタンを切った。
そのまま繋げていても良いが、事を急ぐ以上は。
ぎゅ、と端末を握りしめる。]
[自分の用件が済んだら特に次はないのだろう。
車の運転席に男をさっさと押し込み、
自分もまた助手席に腰掛けた。
シートベルトをきちんとするのは聖盃の知識か]
後は、お前に任せる。
[行きたい所があるなら、行けと暗に言う**]
[これで一画を使うなど、愚策だと言う事は理解している。
きっと本来ならば、もっと利己的に使うべきなのだ。
けれど。]
…キャスター、セイバーが消えたって。今は山のふもと。
だからごめん、キャスター。
――…“今すぐ、クリスティーナの所へ連れて行って”。
[やっぱり、甘いのだ自分は。…判っているけれど。
人の命が掛っていて、天秤に掛けられそうには、無い。
サーヴァントに、遵守を強いる言の葉に応じるように
左肘、三画の一つが熱を帯びた。]
なっ・・・・・・馬鹿者!こんな事で令呪を使うなど・・・・・・!!
[だが、絶対命令はソロモンに一時的に強大な力を与える。
ソロモンの指輪が強い輝きを放つ。
次の瞬間、目の前には炎。
紅蓮の炎の体を持った、巨鳥。
背丈は5階建てのビルにも及び、その伸ばした羽は視界全てを包み込み。
そして、その眩い光を放つ炎は何故か観るもの全てに癒しを与えた]
『第三十七柱、フェニックス。
さあ王よ、早く背中に乗るがいい』
[その呼びかけにすぐさま背中に乗り、アンネリーゼに手を伸ばす]
さっさと掴まれ!!
―果樹園地帯・自宅/工房―
[ソロモンと別れたあと、結局は自宅に帰ってきてしまった。
久しぶりにゆっくりと取る夕食と、温かい湯での湯浴み
長椅子に寝そべり魔法書のページを捲りながら…
誰に聞かせるともなく独りごちる。]
ライダーは消えた。キャスターは先ほど会うたソロモン王
残るは、アサシン、バーサーカー、セイバー、ランサー
これ以上もあり得るのかのぅ?
明日は携帯とやらを買って、ギイチと話してみるか。
[…うつうつと心地よい微睡みがリシアの体を包み込む
何時しか本のページを捲る音が止まっていた…]
ええ、動かないわ。
そんなに慌てないで。
[動けないのだけれど、とまでは言わずに。電話が切れると腕が落ちる。
空を見上げると明るい星がいくつか見えた。
起源と属性の示す空間。
起源に到達する魔術師は、この起源に何を見るのだろう、と自身の中に残された欠片を思う。
この身が死ねば、恐らく兄の手のものが回収に来るのだろう。
死んでも仕方ないのだと思っていた。負けたのだから。
けれど、あの声を聞いてしまった。
だから、せめて起きていなくてはと思う]
――罵りも説教も、覚悟の上!
[貴重な令呪を引き換えにしてでも。
直後眩い光に思わず翠を細める。
しかしそれも一瞬――紅蓮の巨鳥の姿に、視線は上へ。
大きく広げた翼に、二つに結った髪が風に煽られる。]
ちょ、バカ、……ッここ駅前!!
[背丈が駅前ビルに並ぶ大きさの炎の塊。目立つどころじゃない。
ちょっとした、というか結構大きな騒ぎになるのが目に見えている。
案の定、既に周囲はざわめくどころでは無くなっている――が。
伸ばされた手を、躊躇い無く握った。]
[――夢を見ていた――
ラウラの見ている夢を…リシアもまた見ていた。
数十年前の、まだラウラが幸せに包まれていた頃の
悲しいほど懐かしい夢…]**
君が令呪を使ったのだ、諦めたまえ!
[握った手を引き上げ、フェニックスの背中へとアンネリーゼを招き入れる]
『行くぞ魔神王。久方ぶりだがしっかり掴まっていろ』
・・・・・・お手柔らかにな。
[次の瞬間、フェニックスは人が聞くに絶えれない程の音量で金切り声を挙げ、次の瞬間光の矢の如き速さで飛び立った。
炎が風を裂き、空は浄化の炎で焼き尽くされ。
だが、気が付くと既にそこは山の麓上空であった]
ここでいい、降ろせフェニックス!
『心得た』
[そしてまるで炎の弾が着弾するかのように地面に降りる。
衝撃は体を突き抜けるが、ソロモン自体も、そしてアンネリーゼにもそれ程の負担を掛けるものではなかった。
そして、地面に降りた瞬間にその炎の巨鳥はいつもの鳩に戻っていた]
『オレ・・・・・・モウダメ・・・・・・ポ・・・・・・』
・・・・・・
[仕方なく、そっと鳩を手で掴み回収した]
セイバーのマスターはこの近くにいる筈だ。
――ずいぶんと派手なお迎えね。
[空に浮かぶ火の鳥に口元が綻ぶ]
でもおかげで、どうにか意識は持ったみたい。
[白く灼けた空が紺碧を取り戻す。
腕を上げる力すらなく、鳳は声が聞こえるのを待った]
ありがとうフェニックス。
[いつもの鳩に戻ってしまうのを、少しだけ申し訳なく思いながら
その背から半ば慌てて飛び降りるようにして、地面へと着地する。
――慌てないで、と通話が切れてから恐らく数分。
相手の言葉虚しく、持ちうる全力で来たのだとは丸判りだろうが
それはもう、然程気にする場所では無い。]
クリスティーナ!
[周辺に令呪の気配が無いか探りながら、名を呼ぶ。
サーヴァントが消えて尚、令呪の共鳴が起こるかはわからないが――
少なくとも遠くに反応は無い以上、聞いていたもう一組とやらは
既に付近に居ないのだろう、とは凡そ憶測付いた。]
[自分を呼ぶ声が聞こえて、ようやく]
…こっちよ、アンネリーゼ。
ごめんなさい、ちょっと動けないの。
[赤い車の影から声を出す。声の方向からではこちらの姿は見えないだろうから]
[先ほどの電話の様子から、セイバーのマスターが既に傷を負っているのを察する。
やれやれ、と思いながらも空中に”ソロモンの鍵”を具現化させる。
青白く輝く透明なその魔道書はまたぱらぱらとページが捲られて行く]
本来ならばフェニックスがいればこんな苦労もせぬのだがな。
[しかし、掴んだ左手の中でハアハアと荒い息をしている鳩に蘇生の炎を放つ事など不可能]
効力は弱いが、それでも人の身であれば問題は無い。
[アンネリーゼの後ろに着いて行きながら、空中に魔方陣を描き出す]
…!!
[微かに聞こえる声に、躊躇い無く其方へと足を向ける。
赤い車が見えた辺り、探していた女の姿に僅かにほっとした色を見せた。
――もちろん、無事とは言い難いが。とっさに其方へと駆け寄る。]
よかった、間に合った…っ
ジッとしてて、今すぐ教会に連れてく!
[それでも、死んでいなかったと。それだけでもやはり安堵する。
キャスターが空に描く魔法陣を見やり。ある程度の治療が済んだ後は、
相手の体調に合わせながらも、女を教会まで連れていく**]
[キャスターの魔術がなければ、この身はもうもたなかっただろう。身体から失われた赤はそれだけの量だった]
間に合って、よかったわ。
間に合わないと、思ってたのだけど。
まさか飛んでくるとは思わなかったのよ。
ありがとう、アンネリーゼ。
キャスターも。
[彼の描く魔方陣。
どこかで見た形だとは思ったが、もう自分の聖杯戦争は終わったのだと、失われたパスの繋がる先を思い、*目を閉じた*]
ביבלוס לתגובה XXVI.
הדלקת נרות הציתו אליך. נתת את הדוגמה של חוכמה ריפוי עמך ו.
(第二十六柱 ビブロス。
汝の蝋燭に火を灯せ。そして汝の癒しの知恵を与えたまえ)
ביבלוס ריפוי
(ビブロスの治癒)
[詠唱が終わる頃には、クリスティーナの傷口全体が緑色に輝くオーラに包まれ、出血も止まり徐々に塞がって行く]
完全に塞がるまでは半日程度掛かる。
だが命の危険はもう無い。安心したまえ。
[ソロモンの鍵をぱたんと閉じ、魔道書は虚空に消える。
クリスティーナの体調が回復するのを待ちながら、あのセイバーがアサシンに敗北したという事実を、頭の中で整理した**]
―中央区/元勢宮―
[宮の屋根に、血色を滲ませる影一つ。
膨大な魔力が、灯り、潰えるその夜に。]
―――散ったか。
[ざわめいていた、己と繋がる澱み。
今はもう漣を打つ事も無く、眠りについている。
空には月。白銀に縁取る、流麗な月影。
遠く北の彼方に、天へと昇る光の塵芥が一粒見えた。
――たった一粒。
されど、天と同化するまで輝きを失う事はなかった。
一人の男は、いつまでも白銀の行方を見送っていた。]
良い色である。
さぞかし、高潔な魂であったことであろう。
[思い返すは、一人の聖人。
「鬼」とも王とも違えど、湛えた白銀は、確かに。]
メフテルの砲よ。前へ。
[足元に現れる溶鉱炉の孔。
皇帝が手を伸ばさずとも、小型の砲が独り手にせり上がった。]
――弔いはこれしか知らぬ。
許せ。名も知らぬ高潔な者よ。
[皇帝が目を閉じる。
同時、小砲は彼方天を目指して、鉄の涙を放出した――。**]
[1]
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[4]
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[10]
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