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−川津教会−
ぱん、と弾ける音がした。
それは、漆で彩られた聖盃から響いた音だ。
少し理科を勉強したものなら思うだろう。
ラップ音だろうか。教会の家鳴りの音だろうか。
少し魔術を齧るものなら感じるだろうか。
漆塗りの盃から零れ落ちる、余り心地よくない力を。
けれど、盃を管理する双眸はひとつの事に気づいていた。
漆塗りの器のうちを彩る螺鈿の花のふたつが
夜光貝の美しく柔らかな虹色がまるで
黒真珠に嵌め変えられたかのような深黒に染まったことに。
そして、別のひとつが黒ずんだ赤を帯びて輝きを失ったことも。
どうやらこの中には、村人が9名、人狼が1名、C国狂人が2名いるようだ。
[男は、無意識のうちに知っている。
聖盃は清められなくてはならない。
澱みに総て侵食されるようなことあれば
鬼の咒いが成就してしまうようなことあれば
この街が滅ぶ程度ではすまない。
呪いが聖盃を勝ち得るようなことがあれば
古き偉大なる"鬼"の再来を招き、そして
───古き災いの王の怨念により、この世界は破綻する、と]
ライダーが「時間を進める」を選択しました。
期待されてほしくないの? されたいの?
わからない人ね。
[北へ近づくにつれて通報を受けたらしい消防車や救急車の姿が見える]
…大学のほうね。
うちからは離れているけど。
撃った連中が通るかもしれないから警戒はしていて。
[大学近くまで到着すると窓を開けて外を見た。野次馬らしき幾人かが半壊した建物のほうを見ていた]
北の方か……あの様子なら野次馬が集まってるかな。
その中にまぎれて、偵察してくるのも悪くないね。
もっとも、力を使った当人は逃亡してるかもしれないが、他のチームも様子を見に来てるかもしれない。
ともかく、サイドカーを取りに戻ろうか。
[そう言うとバスに乗り込んだ。]
期待されても困るが、期待されないのも役不足と言われているようでな。
いや、さほど気にする事ではない。
[見慣れない車が音を立てて走っている。]
この町は随分と賑やかだな。
拠点は無事ならば、問題はないか。
[警戒を、と言う言葉に一度頷き、右手に意識を集中させた。
その連中が通れば、すぐに宝具を出せる準備はできている。]
こいつはまた随分と…。
[派手にやったな。と言う言葉を飲み込む。
建物は半壊している。]
被害にあった人間もいるんではないのか?
こう言う輩を放っておくのは少々危険ではなかろうか?
[ ゆら ゆら ゆらゆら・・・
――幼い頃、暖炉前でうたた寝をしていると、
決まって父が抱き上げベットに運んでくれた。
幸福だった幼い頃の、そんな夢を見ながら
――くすり、と微笑みが零れる.
幸せな夢は明日の朝まで続くだろう・・・]**
バーサーカー、狂戦士ですか。
成る程、アナタが悶え狂う様も、いいものですねぇ、んフ。
寒いのでしたら、アタシが暖めて差し上げましょう。
ささ、どうぞこちらへ。
[どこからか持ち込んだ寝台に座り、手招きした。]
―埴市北区―
……。
おい。早くせよ。
[跳躍したのも束の間、男はフェリシアを抱えたまま歩いていた。
男はちらちらと背後を見ている。]
……吾が言うのもなんだが
貴様は時代錯誤であろう。色々と。
[男の後ろからのたのたと追ってくるのは、馬。
野次馬に紛れて、馬が一匹。]
―埴市南部・付近バス停/時刻:夜―
――さてな
[ユダの眸に宿る影、が ゆらり
緋色を帯びて濃くなった。
それは深黒に、似ている。]
では気配は遮断すべきか――な、いや。
同じことを考えている組も、居る か…
[パーカーからするりと滑り落ちた手が
手癖のように銀貨を生んでちゃらりと鳴らす。
バスから見える景色を横目に。
サイドカーの場所にたどり着くのはすぐだろう。]
大学に残っていた人はいるのかしら?
宝具なら逃げる時間なんてなかったでしょうし。
それにしても、ずいぶん派手にやったこと。
[人ごみにまぎれて大学の様子を見る。
溶けたような跡]
危険といえば危険でしょうね。
試し撃ちにも見えるし…。
それで、貴方としてはどうしたいの?
許せない?
……。
[明らかに軽蔑的な眼差しであった。
寝台に座った男を見たあと、
ぐるりと洞窟を見回してから問う]
住処は他にないのか?
[流石にあんまりだという感覚があったようだ]
だろうな。
この騒ぎで死ぬ人間がいたとして、苦しむ間もなく死んでいるだろう。
[半壊した建物を見つめながら、試し撃ち、と言う言葉に小さな溜息。
そして、続く言葉には、少しだけ考える素振りを見せて]
犠牲を気にしない相手は私としてはやり辛い。
戦に犠牲はつきものだが、最低限に留めたい。
最も許す許さないは私が決める事ではない。
赦しを乞う者を責める気もない。
[静かに結論を出すと、建物を背に振り返る。]
よって、君の決断に従うよ。私は君の騎士だ。クリスティーナ。
望んだ通りの振る舞いをする。
[既にサーヴァントの気配は感じない。
それでも、辺りへの警戒は怠らない。]
―教会前―
…、教会がある所為か、それとも拠点が多いのか…。
暫く、南地区は警戒した方がよさそ…。
[尤も、…己の魔術の都合を考えると
何気に――良い場所でもある気配はするのだが。
既に車も見えなくなったし、…中のもう一つの気配も去った後らしい。
周囲に、他の参加者の気配が無い事を再度確認して
漸く、教会の扉を押し開ける。]
残念ながら、他にはありませんね。
アタシもこの街に来たばかりなので。
[茨木の問いに、実にあっけらかんとした様子で答える。]
まあ、好きにしてくださいな。
アタシはここで寝ますから。
あ、ただし、せっかく調達した服を汚さないでくださいね。
[そう言って、ごろんと寝台に寝転んだ。]
―埴市南部→埴駅付近→埴市北部/時刻:夜―
気配断ちはどうしようかな……野次馬の中に令呪の反応だけがあったら、他の魔術師が血眼になっちゃうかもね。
無しにしておこうか。
[駅付近につき、ユダと共にサイドカーに乗り込んだ偽一は、そう言ってエンジンをかける。
そのまま北部まで走り、程なくして大学付近へとたどり着いた。]
―埴市北部・大学付近―
[多くの野次馬と、消防関係者で現場はごった返しているようだ。
さすがに近くまで行って調べると言うわけにも行かず、人の輪と少し離れた位置で事態を見守る。]
そうだな――そうしよう。
[頷き、フードをたくし上げて後ろへ落とす。
ヘルメットをかぶり
サイドカーに乗って走る夜の道、
大学側にたどり着けば野次馬に紛れた
「関係者」の気配がそう遠くなくあることが知れようか]
…――
[フードをかぶりなおす。
軽く前髪を指先ではねるように避けた。]
― 埴市北区→―
[帰路は、何一つ感慨の無い夜だった。
野次馬に人を取られ、街ががらんどうというのもあるだろう。]
ただでさえめんどくせーのに
宝具があれじゃあなあ…。もっと面倒だ。
[腕の中の少女を見る。]
お前、俺の名前知らなかったよなあ。
ってことは、あれだろ。
なにも俺じゃなくてもいいじゃねーか。
[ぶつぶつと呟きながら、凡庸な歩みを続けた。]
そう。
[セイバーの答えを聞くと大学のほうへ背を向ける]
貴方の言うとおり、犠牲はつき物よ。
でも、出なくていいものを出すつもりもないわ。
許せないわけではないけど厄介ね。
行きましょう。これだけ人が多くては相手が現れても何もできないもの。
[これを成した相手はもういないと判断したのか、大学を離れていく。
と、令呪の反応に気がついた]
…そんなことを言ってたら、いるようね。
そうか。わかった。
[あっさりとした返事が返ってきたので
恐らく間違いは無いと判断したようだ]
…努力する。
[言ってみたものの、自分のクラスでは難しいだろう。
男が寝転んだ様子だけ見ると、それとは逆に
入り口のほうへと向かってみようと歩き始めた]
ふむ。
人の多い場所は戦に向かないからな。
心得ーーー令呪の反応か…。
[クリスティーナの言葉に反応して、警戒を強める。
敵が争うつもりならば、容赦なく剣を振るうつもりではあるが…。]
近いのか?
[クリスティーナの視線の先を追うように辺りを*見回した。*]
[サイドカーを道の脇へ止め、人の輪へと近づいた時、令呪の反応に気づく。]
うん、やはり誰かいるようだ。
まさか、やった当人ではないだろうけど、少し用心しておこうか。
― 埴市東区/ライラ工房 ―
[歩みは、彼女の自宅に着くまで続けられた。
玄関は入れるようになっているらしい。
出た際の、荷物に埋もれていた面影は無い。]
まー、"そいつ"を人形にしてまで参加してるんだ。
余程の望みがあるんだろうけどよ。
[屋敷へ入ると、ソファに降ろそうとして、思いとどまった。
召喚された日、彼女が入っていった部屋へ通る。
そこにベッドを見つけると、彼女を静かに下ろした。]
……ま、寝てりゃあ治るだろう。
俺もすっからかんだし。
メシ――は漁ったらさすがに怒られそうだ。
―埴市北部・大学付近―
[ちらと視線を向けるは
やや遠く、人ごみを少し入ったところ。
ユダは今サーヴァントの気配を遮断はしていない。
近づけば相手からも分かるはずだ。]
――…居るな。
これを為した相手か。
いや……
[この破壊を行った魔力残量を考えれば、
既にここから去ったと考えるが妥当か。]
ギイチ、…戦うつもりは?
此処で事を構えるのは
あまり得策ではないとは思うが。
ああ、アナタも英霊の端くれなら――
[洞窟から出ようとする茨木の背中に、寝転んだまま声をかける。]
――無様な真似はしないでくださいよ。
努力した結果の失敗なんて、凡人以外にとっては全く価値の無いものですからね。
無駄に努力して失敗するくらいなら、最初から大人しく寝る方がまだマシです。
そこのところをお忘れなく。
[ごろんと寝返りを打って、茨木に背を向けた**]
[部屋から出て、水場を探す。
程なくして見つかったそこで、タオルと着替えを発見した。
タオルを水に濡らし、桶も用意する。
部屋へ戻ると、少女の衣服を脱がした。
特に観察する事もなく、淡々と身体の泥を拭い
何やら寝言を言う様を尻目に、衣類を着させた。
下着の類は、面倒なのではかせなかった。]
―教会前―
・・・・・・ふん。
[道中いくつかの英霊の魔力を感じ、そして遭遇した。
あの英霊、気になる。このソロモンと同じ匂いを感じた。
それはつまり、覇権を争う戦争の相手という事になる]
中々楽しませてくれそうだな。
[と、本来いいたい所だが全く持ってそうもいかなそうだ。
頭痛の種は続く]
それにしても。
[アンネリーゼを少し睨む。
我が加減して魔力採取をせぬままでいてやっているものを、無意味にこけにされた気分。
単純にプライドの問題で、少し機嫌が悪い。
とりあえず、アンネリーゼが教会に入っていくのを見送っている]
まさか、こんな所でやり合うつもりはないよ。
他の面子を、一方的に目撃できれば良いと思ったけど、この様子じゃ虫が良すぎるみたいだね。
まあ、ほとぼりが冷めた頃に帰ろうか。
[偽一はそういうと、消火されつつある建物を見ながら肩をすくめた。**]
わかっている。
[その言葉に対しては即答であった。
男のほうを振り向く気配は無いが、それでも足は外へと向かう。
英霊となった以上は、こちらにも目的があるのだ。
かつん、かつん、と長靴の音が洞窟に静かに響く**]
[人ごみから外れた場所にその2人組みを見つけた。
片方からはサーヴァントの気配。
ちらとだけ視線を向ける]
今ここで、戦いたくはないわね。
こういうとき、顔が割れてるのはいやだわ。
[テレビカメラを見つけて、顔を隠すようにサングラスをかける。
相手も戦うつもりはないらしい、とその様子を見て判断し]
行きましょう。
まだ夜は始まったばかりよ。
[セイバーへ声をかけ、その場を立ち去る。
2人組みには笑みだけを向けた]
[参加表明を終えて、再びその扉を開くのは数分の後。
然程時間を掛けず、再び外へと戻ってきた先。
やはり何処か期限の悪そうな男を見て、扉の影に僅か隠れたまま
僅かに眉を寄せた。
機嫌が悪そうなのは、判る。其処まで鈍くは無い。が。
――…睨まれるまで、期限を損ねた覚えは無い。]
……なによう、さっきから。
何か文句あるなら、いえばーじゃない。
―埴市東区/果樹園―
[侵略の支配者は、月の下にて果樹の実を貪る。
己の腕を焼いた焔の感覚。
見れど焦げ跡はなく、変質もきたしてはいないが。]
やーっと終わったと想ったのになあ…。
死んでも仕事とか、……なんだかなあ…。
……貴様等ならどうするのであろうな。
パレオロゴス。ヴラド。
[気だるげに果樹へもたれかかる皇帝の表情は
僅かばかりの笑みを浮かべていた。**]
―埴市北部・大学付近―
そうか。
[ユダは偽一に頷く。己も仕掛けるつもりはない。]
……。
[人ごみ、その隙間から
華やかな赤い髪の女と
神父――聖職者じみた服装の2人組。
関係者、だから、というだけでなく
何処かざわつく感覚。
ユダは眼の上にかかるフードつまみ、
ほんの少しだけ上げた。
僅か、眉を寄せる。]
・・・・・・いや、別に?
[駄目だこの王、完全に拗ねている。
ツーン、という擬音が聞こえてくるほどのふてくされっぷりである。
しかしそれはそれ]
教会の用が終わったなら早めに離脱したほうがいいのではないか?
それとも、ここでどこかのチームを待ち伏せしたいというのであれば話は別だが。
[足元の犬の頭を撫でつつ]
他にも、57番に斥候をさせる事も可能だ。
無論そこで戦闘になれば魔力は消費する。
我のサポートも無い。
ー川津教会ー
[ライダーたちの気配は既に遠かったか。
裏口を施錠したところで、また木の音がひとつ響く]
…やれやれ、随分今日はご機嫌ね。
[誰に語りかけているのか。
人はいないその場所は、女と聖盃しかない。
今日はもう誰もこないかと感じながら
教会の扉表に明かりを灯そうと、女は扉を開く。
そこに誰か居るなんて思いもしなかったから
結構遠慮が無い]
―埴市北部・大学付近―
[女は笑みを向けて去っていく。
さて男の方はどうだったか。
偽一は笑みを返したかもしれないが
ユダはそんなことをするはずもなく。]
――…… あれは
[ざわめきに紛れる程度の呟き。
在りよう故に刻まれた
かのイエスが眷属への――複雑な、
どろりと毀れるような濁った思い。
負い目か。嫌悪か。それとも。
嗚呼、だって。
本来。己は―――]
[こぼりと タールのように黒。
汚染に引き寄せられた
鬼子の手繰り寄せ。
奇妙な思念が>>*1 僅かに混ざり
また浮かんで消えた。]
うーそだー…。
…ぜぇーったい、別にって顔じゃないじゃん。
[むむむ、と唸るように相手を見やる。
しかしあれほど王の威厳とやらを他サーヴァントには与えている癖に
これだけ見ると、全くそんな気配は一体どこへいったというのか。
…ただ、拗ねたそこらのにーちゃんでしか無い。 うざい。]
――まぁそれは確かに一理ある、かな。さっきから遭遇し過ぎてるし。
[撫でられている犬を見やりながら扉を閉じる。…周囲に令呪の反応は無い。
…大半が先のチームのように北へと向かったのだろうが。
――夜が明けてから、探りに行くのも手か。そう考える。]
…まぁ、数えるだけでも既に4組の気配は見つけてるから
待ち構えてたとして、あんまり益があるとは思えないけど。
斥候するにしても、…もうちょっと魔力が回復した後の方が、よさそ。
[気づく。
この黒の中に 繋がる、 は
己だけではないと。
けれどそれは、僅か。僅かな。
誰かだなど、分かりは、しない*]
フードのほうがサーヴァントみたいね。
[車に戻ってから遠めに2人組みを見る。
セイバーと直接の因縁はなくても繋がりがあるなど、相手の真名がわからぬ以上気づくはずもなく]
セイバー?
[何か反応はあったか。
車を発進させると他の場所へと向かうことにした]
確かにな。
[真剣な表情になり]
魔力を集める事を優先しよう。
当然最終的な目標は龍脈を抑えることだ。
しかしあっさりと手中に収めることが出来れば問題はないが、その際に戦闘にもなりうる可能背もあるだろう。
さて、どうする?
龍脈を探すか、それとも他の方法で魔力を集めるか。
当然、多少なりとも非人道的な方法論も可能ではある。
興味があるか?
[少しだけ、品定めするようににやりと不敵な笑みをうかべてアンネリーゼを見下ろす]
賛成。――出来る限り早急に龍脈を探して、そこを抑える。
…大丈夫。もちろん、それまでに戦闘を全部回避できるとは思ってないよ。
[其れ位の覚悟はあると、腰に手を当て言い切る。
と、続いた言葉に一度ぱちりと瞬いて――
少しだけ不機嫌に眉を寄せる。]
――興味ない!
[何の笑みか知らないが、その言葉の意味は充分に理解した。
…そりゃ、聖杯を望むならそれも一つの手だとは理解している。
貪欲になるならば、ある種効率の良い方法とも言えるんだろう、が。
もちろん、聖杯は本気で欲しい。
けれど一般人を問答無用で巻き込む心算なら、絶対に許さないとばかり。]
―埴市北部・大学付近―
[――本来は。
嗚呼、だが、それでも。
確かに呼ばれたのだ、ここに。
偽一のほうを、見る。
男のほうがサーヴァントだなと
彼は言ったろう。]
…そうだな。
[一度目を閉じて、開く。
収穫がこれ以上はないと判断すれば
サイドカーの方へ戻り、必要と思われる場所あらば立ち寄った後東の拠点へと帰ることとなる。]
そうだな、でも、これからが大事だ。
兜の緒は常に引き締めなくてはならん。
[裏口から出してもらったことに感謝しながら
教会を後にし]
先程の北の騒ぎが少し気になる。
諒一が他に気になる場所があるならそちらに向かうが?
[車を東のほうへと走らせる。家屋の明りが少なくなっていき、真っ暗な闇が目前に迫る。
道路脇の外灯しか目立つ明りはなく。路肩に車を停めると立ち入り禁止のテープを見た。
その向こうに黒い山がある]
ずいぶんと静かね。
若者の多い町なら、そういった人たちの溜まり場になっていそうだけど。
[夜目はそれほど利くほうではない。
けれど、闇に眼が慣れればある程度は見えてくる。
何より、空からの月や星の明りが鉱山跡を照らし出していた]
ふん。
[少し機嫌が直った様子で]
悪くは無い回答だ。
正々堂々と戦う決意は評価しよう。
戦術を考えるなら愚かな事だが、嫌いではない。
ならば、我々の最初の目標は龍脈の確保だ。
その際に他の英霊と激突する事があれば、我は今もてる全ての力を使う。覚悟せよ。
[犬を撫でている手を離し]
この教会を占拠するのは無理だろうが、他の霊的スポットを回ってみよう。ここからは最悪、椅子取りゲームになるかもしれん。急ごう。
――それに手を出さない分の、打つ手は考えるつもり!
[相手の機嫌が、少しだけ和らぐ気配が伝わる。
勿論、機嫌伺いで発した言葉では無いが――少しだけ、安堵した。
これで、相手が一般人に手を出すような英霊ならば、
令呪を用いてでも、それを制する覚悟は、していた。]
それこそ望む所。一応これでも、ちゃんと覚悟してるんだから。
…こっちに気を使われて、力を出し惜しみされたら困るよ。
じゃあ、残り西の方を回るルートで…、…。
[――ふと、背後からの視線を感じて振り向く。
先程挨拶した女性が、しげしげと見下ろしているのを見やって
僅かに、頭を下げた。 …流石に、邪魔だったか。]
どうした。
[止まる主の足に合わせるかのように
動きを止めた瞬間]
…は、は!
そうだな、すっかり忘れていた。
[軽快な笑い声がひとつ上がる。
それから目を細めながら男は続けた]
頼光四天王が一人、坂田金時。
クラスは、ライダーだ。
…改めて、よろしく頼む。
[しげしげ見ていたら気づかれた。
のでこちらも頭を下げたのだが]
…行くところないとか、そういうわけじゃないわよね。
[思わずした心配が宿無しの心配だった。
もっとも、ただ相談しているだけだというなら
灯りを灯した後に飲み物の差し入れくらいはしたかもしれない。
何か言われたら答えるだろう]
扉を出たら教会じゃないし
犬に餌付けするようなものだから、いいのよ。
[なーんて**]
・・・・・・
[視線の先には、アンネリーゼが挨拶したであろう教会の主の姿。
アンネリーゼとは違い成熟した女性の容姿に見えるのだが]
あまり好みではないタイプの人間だな。
[率直に意見を述べた]
どうやら邪魔らしい。
早速、西のほうから巡回していこう。
[どことなく異様な雰囲気を感じながらも、アンネリーゼに移動を促す]
―埴市北部・サイドカーで移動中―
[自分の存在を確かめるように
ユダは緩やかに手を握り、また開く。
魔力にいま、不足はないが]
―――ギイチ、
魔力の回復については
どう考えている?
[彼は言うであろうか。
例えば霊脈のこと。
現在根城の宿泊施設に関しては礼拝堂が置かれていただけはあり、多少なりと利のある地であるのかもしれず。
東部は広い。
セイバーらが向かったのとは離れそれた方角、廃墟の宿泊施設に帰還する。]
戦闘をするのなら、ここならもう少し明るい時間がいいかしら。
貴方には問題ないでしょうけど。
[自分がここで戦うには問題がある。
否、それがどこであろうとも問題は生じるのだが]
後は逆サイドかしら。
行きましょう。
特に何の気配もないし、今は用はないわ。
[車に戻り、西のほうへと向かう。
さすがに駅周辺はまだ明るく、とはいえ駅舎でなく周りの店がだが、人も多く見られた]
西に向かう前に何か食べていいかしら?
朝食べてから何も口にしていないの。
[そう言って24時間営業のファミリーレストランへと入ることに*した*]
あっ、大丈夫ですそういう訳じゃなくって、
……って、女性に向かって失礼でしょーがそれ!
[会釈を返してくれた女性の問いに
ぶんぶんと手を振って、否定を返そうとした――ところで。
男から飛び出た言葉に、ひぃ、と声が上がる。
正面切ってタイプで無い、というのは如何なものか。]
え。ええっと、わかった。判ったからちょっと待って…って!
あの、長居してすみませんでした!
[移動を促されて、慌ててもう一度女性へと会釈を向けると
漸く、教会前から移動を開始した。
先に来た方角とは別の道へと向けて、一路西へと**]
金太郎…か…?
[考える。]
…分からないな。
こうしていても。
[放棄。]
俺には分からない。
あんたが他の連中と比べてどうなのか。
俺が、他の連中と比べてどうなのかも。
情報を集めよう。
[歩く。
土地勘だけは、劣らないだろう*]
―東部:廃墟宿泊施設―
[戻ってくれば
今宵は休息ということになろう。
彼が用意していた地図を眺めながら頷く。
崩された大学の位置に、赤いペンで×を書いた。]
―――――…
[北に位置する遺跡群、寺、それから中央の宮。
観光案内でもするように、偽一は語ったろうか。]
失礼だと?
この王を邪魔者扱いしたのだぞ、むしろ我への無礼をかの教会の主は詫びるべきだ。
まあ、いい。行動に移そう。
[そしてアンネリーゼに犬と共に付いていくが]
・・・・・・ アンネリーゼ、それが君の強さなのだろうが、あまり人を容易く信用しない事だ。いつか命取りになるぞ。
[ぼそりと忠告を囁き、それ以降は少し黙っている**]
まあ、その名前のほうが解りいいだろう。
[頷いた。
幼名がその名前であったことは間違いない]
解らなければ、知ればいいんだ。
生きている人間にはそれが許される。
考えるのも、悩むのも、たっぷりできるのが
若い人間の特権だよ。
[老成したような言葉を投げ、それから歩き出す。
主の説明に時折首を傾げたりしながら
今は己もまた学ぶことに集中する**]
―埴市東部・廃墟礼拝堂―
[それは丑三つ時も回る頃。
気配は消したままなれど
黄昏色の衣身に纏い、磔の聖人像から少し距離を置いて、ユダは立っていた。]
―――――…。
[睨むような、どこか暗い眼で像を見据えている。]
…ナザレの イエス
[声に混じる色は幾重にも重なる感情は清濁正負入り乱れ、沈殿した深黒に似る]
おれの、 願い
叶えて見せよう
先に裏切ったのは――お前、なんだ…
[ごぼり。
滴る闇の衣に浸る影、深く、繋がって呼んでいる**]
とりあえず、アサシンが赤側っぽい。気はする。
あとはたぶん、ローズが狼?を受け持ってるとは思うんだけど。
…そ、それでもあと一人…。
―埴市東区/果樹園―
[木漏れの月は謳う。もうすぐ夜は明けるのだと。
収穫を待つ果実は謳う。ここに異国の風は吹かぬのだと。]
الله أكبر
[男が呟く言葉は、この国のものでも、
ましてやオスマン・トルコに根付いた言語でもない。]
الله أكبر
[神は偉大なり。
時に食事の前に、時に定められた時刻に、
時に、己の命を擲ち、神の障害を破壊せんとする時に。
メフメトにとっては、どの意味合いも持たぬ言葉として。
ただ、明日も昨日も訪れぬ朝の一時に、呟く。]
[祈りは静かに、幕を下ろす。
瞼を開けば、見上げていた空が白んでいる。]
もうすぐ半日ほどか。
[男が羽織っているのは、先刻までの急ごしらえではない。
赤字に白い三日月の装飾――祖国の旗を真似た外套。]
意気や無し、意義や無し
朽ちた躯が背に率いるものなど尚のこと無し。
亡国の皇座を抱きて、吾が身はここに在る。
……あの娘が吾が力をと明白に願ったのであれば
吾は今一度だけ、皇帝となれたものを。
[彼女が"メフメト2世"を願ったのであれば
そこに立つのは、"メフメト2世"であっただろう。
彼女が"力を"と願ったのであれば
暴虐の指揮者として、芸技の粋を吹き荒らしただろう。
されど、どちらでもない。
メフメト2世でもなく、力の化身としてでもなく
そのどちらでもない存在が、朝と夜の境界に立たされていた。
夜は、もうすぐ明ける。
けれど、まだ夜は明けてはいない。]
[最初に男が求められたのは、皇帝としての資質だった。
純朴であった訳でもない。
神に祈る事の無為を、それとなく気付いてもいた。
純朴であったわけでもない。
生来のものか、帝王学の賜物か、人より頭の良い少年に育った。
だからこそ。
無為と同時に、神に祈る事の意味を気付き、
何を放置すれば厄介事が起こり
何を行えば、何を行う事を求められているかも、気付いていた。
幼き皇帝として、先代に替わり、世を初めて見た時から。
皇帝とは何か。
少なくとも、庭の手入れに精を入れる者を、皇帝とは呼びはしない。
[皇帝となる前。皇帝候補の民草であった男の選択。
怠惰を望み、世の頂に憧憬を覚えもしなかった青年の
最初にして最後の選択。
面倒だから。
それを拒否すれば己を襲うものは何か、分かっていたから
"殺される"より先に、弟を殺した。
全ての始まりで、そして、ただそれだけの話。
男が死を、己に寄せさせる直前まで、歩む事となった道の話。
面倒事を葬り、葬り、火の漣を繰り返し続けた結果、
いつの間にか、
"最も偉大なスルタン"とやらが生まれていたというだけの。]
[そうして走り切り、漸く亡骸となった後に待っていたのは]
ああ、
…… めんどくせえ事、ばかりだ。
[男の澱みは焔のように、熱く赤く黒く、ざわついていた。]
地面へ倒れ伏した偽一は、自身の腕を見た。
義父に切られた箇所が、赤い筋となって腫れている。
見上げればナイフを持った義父の姿。
刃引きされているとは言え、切りつけられれば腫れもするし、出血もする。
偽一の腕には、そんな傷が無数についていた。
苦痛と疲労に顔を歪めながら、自身のナイフを取ると、すかさず怒号が飛んだ。
「苦しい時に顔を歪めるな!むしろ、笑え!笑顔は体の硬さを取り、敵に不安を与える!」
今日の訓練は、いつまで続くのだろうか。
自身の全てを叩き込もうとする義父の執念には、恐怖すら覚える。
……ああ、そうか、この人は消えるのが怖いのだ。
身を起こしながら、偽一はそう思った。
―埴市東部:廃墟宿泊施設―
[偽一は施設の一部屋で目を覚ますと、うんざりしたような様子で煙草の箱へと手を伸ばした。
この手の夢を見るのは、もう何度目だろうか。
見るたびに義父から呪われている気分になってくる。
ふと周りを見ると、ユダの姿が見えない事に気づいた。
どこかで寝ているのか、あるいは起きて席をはずしているのか、それは解らない。
煙草をふかしつつ、テーブルに広げられている地図を見る。
どうやら、埴市の地名と場所をユダに教えてるうちに、眠ってしまったらしい。
偽一は立ち上がると、顔を洗うために洗面所へと向かった。]
―埴市東部・廃墟宿泊施設―
[朝は近く、
礼拝堂のステンドグラスが曙光に透けてとりどりの色を落とす。
描かれた使徒、其処に裏切り者は いない。
いないはずの。
けれど今、
確かに此処にいるモノ。
彼――ユダは廊下に置かれた椅子に座り眼を閉じていた。眠っていたのかいないのか、やがてゆっくり瞼が上がる]
[それにしても、昨日は随分収穫があった。
3人のマスターの顔と3体のサーヴァントを確認できたのだ。]
大学の女魔術師は、どこかで見たような気がするが……思い出せないな。
[記憶が、頭のどこかで引っかかっているような感覚がもどかしい。]
後はユダと霊脈について話したんだっけか。
古来より宗教施設などは、その流れ上に建てられやすいと聞いた事はあるが……あの礼拝堂はどうなのだろうな。
強力では無いにしろ、少しは魔力の回復に役に立つのかもしれない。
いざと言う時のために、めぼしい場所を周って置くのも悪くないか。
[顔を洗いつつ、そう思った。]
[どこからか水音がする。
けれどそちらには行かず、
ユダは机の上に広げられたままの
地図に視線を落とした。]
…霊脈 か
[イエスと共に旅した中でも
確かに何かしらの力感じる地はあったものだと
幾つか可能性としてあげられた場所を指先で辿る。
煙草の匂いがする。
なんとはなしに箱を手にとってみた。]
おーっと龍脈争奪戦…?(
…しかし正直、今回は自分初回で落ちる予感しかしていないので←
多分あれでこれでゴニョゴニョ。
っていうかなんだ。
今回はアズマートが3営業か。
ログ追い付けないよ無理だよ!!wwwwww
[顔を拭きつつ部屋に戻ると、煙草の箱を手にしたユダの姿が見える。]
やあ、おはよう。君も吸うのかい?
全く人にお勧めできない有害物ではあるが、英霊が長寿を願うってのも変だし、吸わせても構わない気はするな。
[適当な場所にタオルをかけると、腰を下ろす。]
−洞窟内/朝−
んフー、良い目覚めです。
[寝台から起き出し、奥の湧き水で顔を洗った。]
ちべたいっ!
さて、バーサーカーはどこでしょうか。
―埴市東部・廃墟宿泊施設―
… … おはよう
[ユダは箱を手にしたまま偽一を見た。
有害、と聞けば視線を一度手にした箱に戻して]
人におすすめできないものを
お前は自分で口にするのか?
そもそも、これはなんなんだ。けむたい。
[ユダの時代、ヨーロッパにまだ
タバコは伝わっていない。
箱をテーブルの上に置くと自分も腰を下ろした。昨日の話題の続きのように尋ねる。]
…霊脈を探すか?
実は僕、炎を操る魔術師で、常に火がついたものを身近に置いておく習性があるのだよ。
……ま、嘘なんだけどさ。
酒と同じく、健康に悪い娯楽品ってとこかな。
[そう言いつつ、箱を懐にしまう。]
霊脈探しか、そうだな……元勢宮辺りに行ってみようか。
食事は駅付近で済ませるって事で。
[さらっと嘘という偽一を、
ユダは胡乱気に見た。
因みに部屋の中でフードはかぶっていない。]
酒と?
あれは――酔いが問題だろう、
別に悪いわけでは、
[酒、で思い出すの葡萄酒だ。
――これは私の血。
――パンは私の肉。
ユダはふと眉を寄せて黙った。]
元勢宮、か。
昨晩妙に彼処だけ静かだった …な。
[地図に視線を落としてから、頷く。]
[ユダは ふと、北のほうをへ顔を向けた。
此処からは見えないが、あちらにもまた
仏閣や遺跡群がある。
サイドカーに乗り込むと
気配の遮断を解いた。
走りだせば流れだす景色。
明るくなってから見る現代の街は
夜見るのとはまたずいぶんと違っている、と
ユダは感じた。]
→埴市中央部へ
―朝・北地区拠点―
[昨晩は西地区も回り、結局成果無しで戻ってきた。
土地の調査という点では多少はあったのかもしれない。
寝室に寝具と呼べるほどのものはない。
マットレスがひとつ置いてあるだけだ。
ホームセンターで購入したシーツをマットレスの上に広げ、同じく購入した毛布を被る。
今でこそ豊かな暮らしをしているが、占い業を始めたころは一日食べるのがやっとだった。
だからこそこの古びた何もない屋敷でも特に問題は感じていない。
セイバーにはソファで休むように告げて、仮眠程度の睡眠をとる。
己の身体に魔術刻印と呼べるものはない。
まだ言葉も喋れないころに適正を見るためにほんの一部が埋められただけだ。
それも、拒否反応が酷く取り除かれて取りきれなかった部分が残っただけのこと]
―埴市東区/果樹園―
[朝が来た。
男はりんごを齧りながら、日溜りを歩いている。]
食料には事欠かないのだがな。
[陽が昇るにつれ、人の気配が増えて行く。
みずみずしいりんご。手入れされた数々の果樹。
種類の多さも当然ながら、自然発生したものとは数えられない。]
また面倒なところに城を構えておるのだな。
[屋敷をちらと見た。
中で誰かがうごめく気配はなく
朝の日差しに優しく包まれている。]
[魔術回路の量は多いが、彼女に扱える魔術はその起源に連なる初歩のものだけ。
他の魔術はどれだけ構成を変えても使うことは出来なかった]
…もう朝なの。
仕事中より早く感じるわね。
[起き上がり、服を着替えて居間へと顔を出す。
セイバーがいれば声をかけて出かけることを告げた]
日の高いうちなら戦闘になること少ないとは思うけど…相手次第ね。
行きましょう。
―埴市東区/ラウラ工房―
[背後を幾度か振り返り、中へと通じる扉を開く。
どこからでも脱出出来るようにか、魔術的な意味があるのか
ラウラの屋敷の入り口は、複数あるようだった。
中へ入ると、埃のにおいが鼻へ入り込んだ。
召喚時の片づけが済んでいないのか、はたまた――。
フェリシアが眠っている部屋の扉を開く。
……目覚めた形跡は無い。
音を立てず、ゆっくりと蝶番を所定の位置へ戻した。]
[踏み知れば年季を知らせる床板に、足を留めかける。
廊下の壁には、幾つか園芸用の道具が立てかけてあった。
一部のみ置いてある辺り、収納の労が滲み出ている。
目指す先は、調理場。]
料理を用意する体力は回復しているであろうが
疲労は嗜好の思考を奪うであろう。
[屋敷を熟知している――訳ではなく、
食べ物のにおいを辿り、調理場へと着いた。
部屋の隅には、氷室らしき白い箱。
与えられた知識のままに、扉を開いてみるも
冷気が腕をなぞっただけで、中は干物漬物が暇そうにしていた。]
…むう。
また吾を探して出歩かれてはかなわん。
書置きを…
[フェリシアの部屋に戻ってきて、紙とペンを拝借した。
…紙にしてもペンにしても、手にしっくりとくる。
年代物らしい。]
……長々と書いても途中で破り捨てられる可能性もある。
半日で分かったが、貴様は気が短い
そして貴様が何の疑問も持たず安心する書置きだ。
…ふむ。これは中々に心が躍る。
まるで神話を創作する筆者の心地だ。
[芸術的である、などと呟きながら筆を走らせた。
内容は、以下のようになった。]
[腐った果実。変わり果てた種。
支配者の焔は渦をまく。]
――
[混じるは澱み。ようで違う澱み。
男のそれよりも鋭利で、繊細で、
静かな静やかな、殺意に似たいろ。]
――
ほう。
…王と聖人は、孤独なもの――
だと、思っておったのだがな。
[こぼれたのは驚嘆と、愉快と
べつのなにか。]
―北区・ホテルの一室―
[カーテンから差し込む光に、ゆると目を瞬く。
…目覚めは存外に快適だった。
魔力の半分以上はまだ戻っていないにせよ、随分とマシになったらしい。体も心なしか軽く感じる。
…さて、キャスターはどうしていたか――
然程気にする事もなく幾らかの荷物を抱えると
隅へ無理矢理に寄せた家具の合間を縫ってバスルームへと向かった。
しっかりと鍵を掛けた上で(いくら英霊相手でも覗かれる趣味はない)
湯浴みついで、簡単に身仕度を整えると
荷物の中から白のニットワンピとレギンスを引き出した。
酷く簡素だが、元より身なりにそこまで拘らないし、何より機動力を求めるのであれば悪い選択ではない。
ようやくバスルームから出てきたのは、
中に入ってから、些か短いとは言い難い暫しの時間を要して後。]
…さって、と。
[昨夜はあれからぐるっと西地区を回って――
ある程度、龍脈の目星をつけたところでホテルへと戻ってきた。
…なれば勿論、そこを日の高い内に再度確認する必要はあるとして。]
――けどまずは、昨日の光かな。
[昨晩明けた今なら、比較的関係者に鉢合わせる可能性は低い…筈だ。
上に昼間であれば野次馬も多いだろう、戦闘を避けられる可能性も格段に上がる。
ましてや、これ以上遅くとも――何かしらの介入で
形跡が無くなる懸念を考えれば、今すぐ行動に移さない理由はない。]
私、ひとまず昨日光った場所に行ってみる事にしたから。
[そう言い残して、出掛ける準備。
言葉裏に単独行動だと告げるそれに、文句の一つも出たかもしれないが
だん、とそれなりの札束を相手の目前に積んで、見やる。]
――行ってみる事にしたから。
…その間に貴方が着る為の服、買ってきて。 フツーのやつ!
[その間、このお金は好きに使っていい、と一言添えた。
――如何せん昼間に連れ歩くには目立つ。本当に目立つ。
…まぁ、全裸よりは確かに良いだろうが。
服の調達は不可欠だが、調達の為に共に行動をするには時間が惜しい。
逃げる手段だけはある、万が一何かあったら喚ぶ。と言い含め。
…男が実際に納得したかどうかは知らないが、ともかくホテルを後にした。]
…、 ――
[明確に。向けられた「声」が
聞こえた。気がする、ではない。
届いた、確かに。炎の渦、熱の気配。]
…、――何
[聞こえてくる声には威圧感が ある。]
[王。
なるほど、王――か。と。
澱みに渦巻く気配へ意識を向ける]
…おれ だけでは、
なかった、のか。
こんな。澱みに。
−西区・朝−
[教会を出て西区へとアンネリーゼと犬と共に移動し、魔力の収束する位置が無いか調べるべく散歩を続ける。
夷隅山と、それに付随する道路や休憩施設。
自然に囲まれた優雅な地域ではある。誰にも気がつかれず戦闘を行う事や、もしくは待ち伏せする箇所としては最適とも言えるのだが、残念ながら魔力の通り道と思える場所を発見する事は出来なかった]
だがこの地域の調査は実に有意義だった。
龍脈を押さえてからになるとは思うが、ここを戦場とした上で誘い込めるのであれば有利に事を運ぶことが出来るだろう。
さて、既に朝となってしまった。
そろそろ人目につき始める頃だが、調査を続けるかなアンネリーゼ。
我は危険を承知で探索を続けることを提案しよう。
我々に許された時間は潤沢ではないと判断する。
[市街地を避けるなら、このまま北に移動する事になる。
道の傍にある看板を見つけたので、近寄り確認する。
北は寺院だけではなく遺跡の発掘現場でもあるようで、観光名所として推されているようだ]
―中央区:駅前→―
[昨夜と似たようなルートを使い、
駅前に辿りつく。駐車場が多いのだろう。
ジェット型のヘルメットを取ると
ふると一度首を振って髪に風を含ませた。
ふと、耳澄ませるようにフードを引っ張る。
眸に揺れる、深い黒、ゆらり。揺れ。
呼ばれれば、答えて偽一の後に続く。
駅前は夜に比べ人通りが多い。
朝もやや早ければ登校中の学生の姿が見えようか。
家電量販店の前、新型のテレビにバラエティ番組が垂れ流しになっている。美人占い師の特集、とテロップが流れた。クリスティーナもまた顔を見せていた。気づけば気づくだろうが、注意していないと見過ごすだろう。]
―北区・ホテルの一室―
強情な奴だ。嫌いではないが。
仕方あるまい、好きにしろ。
[だが、アンネリーゼがこちらに背を向けた瞬間、指輪から一体の虫を実体化させアンネリーゼの背中に張り付かせた。
今日はそれなりに魔力の調子はいいようだ。犬と虫の2体くらいであれば、大きな戦闘行動に出なければ大丈夫だろう]
しかし、この王に通貨を献上するなど。
普通は服をそのまま献上する所だろ。せめて仕立屋に連絡を取るくらいは・・・・・・
[と、不平不満をぶつぶつ言っている間にアンネリーゼは部屋から出て行った]
くっ、いくらマスターとはいえこのソロモン王にこのような扱いをするとは。
犬『そうかな、時に正妻には常に頭が上がらなかったと記憶しているが』
ええい黙れ!
犬『宜しいではないか。主を畏れれば長寿を得、主に逆らう者の人生は短い。これは王の言葉だった筈だが』
・・・・・・くっ。
[愛玩犬ごときに1本とられたのが悔しいようだが、渋々と現代通貨の束を握り、自身も外出する]
わぁ!驚いた!
活動時間がズレているので、
その対処の為の別行動命令だったのだけど
こうも早く反応があるとは思わなかttt
まぁこれで安心。おk
―中央区:駅前―
さて、飯を先にするか、元勢宮を先にするか。
[何気なく辺りを見回していた偽一は、家電量販店前で流れていたテレビ番組に気づいた。]
うん?……んー?
[テレビに近づくと、2本の指を出し、映し出されているクリスティーナの目にかぶせてみる。]
あれ……この髪、この口元……昨日会った女魔術師によく似てるなー。
頭に引っかかってたのは、これだったのか。
[少しすっきりしたが、テレビに出るような有名人が聖盃戦争に参加するものなのだろうか、と偽一は半信半疑である。]
他人の空似かもしれないが、覚えておくか。
[その時、自分の腹が鳴った事に気づく。偽一は飯を先に済ませることに決め、近くのコンビニへと足を運んだ。]
[ホテルのロビーではまた昨日同様に痛い視線を浴びてはいるが、何食わぬ顔で歩きまわる。
近くにある埴市の紹介が書いてある冊子を一つ手に入れ開く。
服飾についてはどうしても中央区か南区の商店街にいかざるを得ないようだ]
服装についてはアンネリーゼに同意しよう。これでは目立ちすぎる。早急に入手する事を考えればできるだけ中央区で事を済ませたい所だ。
[そう言い、冊子を懐に忍ばせつつホテルを後にしてまずは中央区に]
[程なくして、お茶のペットボトルとサンドイッチを手に戻ってくる。
ユダの方へサンドイッチを投げると、「それが今日の朝食、元勢宮で食べよう」と言った。]
―中央区:駅前―
[さすがに人通りが多くなってきた。
視線も気になる。近くのそれなりな店にとりあえず入る]
スーツ、といっていたな。
[近くの店員を呼び止め、スーツを見立てさせる。
試着室に通され着てみるが]
む、これでは窮屈すぎる。戦闘には不向きだ。
すまんがもっと動きやすい服を用意したまえ。
[しかし、数着試着したがどれもスーツの域を出ず、窮屈さに我慢が出来なくなって店を出る。
少し歩くと、今度はそれほど高級そうではない一般的なメンズショップを見つけて物色する]
ふむふむ、これなら。
[前の店よりも少し薄手で腕を動かしても自由がきく物が揃っているようだ。ジャケットとズボンを黒基調で揃え、それとは別に濃灰色のYシャツも。靴も革靴に履き替える。
しかしどうしても主張したいらしく、少し大きめに開いた襟元からは金色のネックレスが複数覗いていた。
試着したまま会計を済ませ、今まで着ていた法衣は何処へ消えたのかは不明だがそのまま店を出る]
これで一安心のようだ。
[それでも、カジュアルではあるものの全身黒ずくめ、しかも金色の装飾品がちらちらと光るその風貌はそれはそれで目に留まるらしく、時折視線を感じる]
犬『それでも下々の目に留まるのは、王のオーラが成せる業だろうな』
こればかりは隠しようがないな。辛いところだ。
[のどかな光景である]
[用事も済んた事だし、と懐から案内図を取り出す。
この近くには、神宮があるようだ]
マスター不在だが、致し方あるまい。
あくまで偵察が目的だ、無理はせん。
[そう犬に告げ、元勢宮へと足を運ぶ]
っ、と
[サンドイッチとペットボトルを両手で受け取り、抱えたそれに視線を落としてからひとつ頷いた。]
行こう。
[元勢宮の方へ顔を向ける。
距離があったのか、まだソロモンの存在には気づかなかった。]
―埴市中央部・元勢宮―
埴市のど真ん中にしては、随分と静かな場所だな。
[偽一は、元勢宮の敷地内を歩きながら、ユダにそう声をかけた。
人影もまばらであり、駅周りの喧騒から、切り取られたかのような不思議な場所に思える。
何か文字の刻まれた石碑が建っていたが、それすらも古くてよく読めない。
歩きながらサンドイッチをほおばっていると、昨夜、教会付近で見た男が視野に入って来た。
すばやく令呪を見るが、反応は無い。]
うわあ、美味しくないシチュエーションだ。面倒な事にならなきゃ良いけどな……。
[そう呟いた後、男のサーヴァントに「やあ、こんにちは。良い天気ですね」などと、遠くから声をかけた。]
…孔の、空いたようだ。
[偽一に答えるが
独り言めいてもいる。
楠繁り、風に揺れているというのに在るのは静けさ。
ビニールを開くのに
難儀しつつ、
やっと取り出したサンドイッチをくわえたとき、サーヴァントの反応に気づく。]
(…あれは、昨日の )
ん?
[声を掛けられた方へと振り向く。
強い魔力の気配。オセがソロモンをかばうように前に出る]
・・・・・・ やはり、そう簡単に愉悦に浸らせては貰えないようだ。
[あくまで距離を取りつつ、相手の行動の様子を見守る。
オセは既に戦闘準備を整えている。最も、相手がマスターと共に行動している英霊ならば互角に戦うには及ばない可能性が高い。
あくまで撤退戦。
しかし、相手の素性を知る好機である事も忘れてはいけない]
嗚呼、良い天気だ。
そんな晴天の下、まさか事を交えるわけではあるまいな。
[周囲を見まわし]
下々を犠牲にするのが貴君らの信条、とあらば応じるより他ないがな。
[まっすぐ話しかけた男性から視線を外さず語りかける]
いやいや、まさか、まさか。
ここは神聖な場所ですからね。それを乱すような真似はいたしません。
[相手の言葉遣いから下出に出た方が得策と判断し、そうする事にした。]
可愛らし犬をお連れですね。だが、ただの犬では無いらしい。
あなたの僕か戦友なのかな。
何か魔力を感じます。
[相手に戦意は無いようなので、少し会話を試みる。]
ただの捨て犬だ。餌を与えたら懐かれて困っている。
[胸を張って嘘を付く。
当然、嘘と知られることも承知の上]
君も随分愉快な友人をお持ちのようだ。
先程から一言も口を聞いてくれないようだが、内気なのかな。
[そう言うと、少し上から目線でアサシンを見つめる]
なるほど、動物好きなのですな。優しい方のようだ。
[話す気は無いと言う事らしい。
長居は無用かと、偽一は思い、言葉をかけられたユダをちらりと見た。]
[魔力の負担が気持ち軽くなっている。
どうやら此処は確保に値する地のようだ。
ならば、相手も此処の下見か。
だとしたら厄介。
ここで引けばみすみす龍脈候補を渡すことにもなりかねない。
場合によっては仕掛けるという戦術論も考慮せざるを得ないかもしれない。
アンネリーゼが今何処にいるのか。戦闘を行ってもマスターからのパスが通じる場所にいるのだろうか]
[さて、この王の気配纏うサーヴァントは、何者か。
まだ手を付けていないサンドイッチは手にしたまま、
フードを逆の手で少しだけ捲り上げた。
影の落ちたような眸が覗く。]
別に。そういうわけではない。
口軽くべらべら喋る必要性を見出していない、だけ。
[少し首を傾いだ。
気配遮断をしていない状態、
サーヴァントで在ることは分かっていように
友人と表現するらしい。]
捨て犬 な。
[目を細める。]
ハハハ、すいませんね。
最近の若者は、口の利き方を知らなくて困る。
[ユダと目の前のサーヴァントでは、どちらの方が古い存在なのだろうかと、他愛も無い疑問が浮かぶ。]
では、失礼しますよ。さ、行こうか。
[そう言ってユダを促すと、用心しつつ元勢宮の外へと歩き出した。**]
[視線を向ける偽一にユダは目配せをし
小さくささやいた。]
…霊脈だ ここは
[それで偽一も察するか。
彼も此処を偵察しに来たのだろうと]
――…。
[偽一は去ることを選んだようだ。
霊脈候補を明け渡すか、僅かに眉を寄せる。
単独での行動ならば気配を消して
掛かることもできようが。
今は偽一の後に従う。]
――また いずれ
[そう 一言残して。]
そうだな。
また、いずれ。
[背中を見送る。この龍脈には然程興味が無いらしい]
犬『王よ。彼らとは本当に腹の探り合いのみで良かったのか?』
・・・・・・ 好きにしろ。
[こくり、と頷くと愛玩犬がうっすらと全身に光を帯び、まるで光の弾丸のようにアサシンに向かい高速で駆け出す。ソロモンは指輪に手を当て、その光景を離れて見守る]
俺だけでは――か。
見識とは、そこを改める為でもある。
己より優れている者。
己とは意を異にする者。
己と、似た考えを持ちながら
時に違う道を歩む者。
―埴市東区/果樹園―
[アーチャーは、荷物を抱えていた。
荷台に詰まれた大量の袋。
縛ったりしていない為、中身が覗いていた。
果樹園で収穫できる果物。
それを元に作られた軽いデザート、そのタッパー。
なぜか野菜まで入っている。
それはというもの。]
ふむ……。朝から精が出るであるな。
これは、貴様が育てたのか?
[果樹に触れ、見上げる。
管理者らしき夫婦は、困惑しながらも肯定を告げていた。]
色は元より、形が良いな。
余程大切に育てたのであろう。風雨に堕ちた形跡も見られない。
あの果物などは、果実に紋様を浮かばせているのか?
試食が出来ぬのは残念であるが
見た目の美だけではなく、遊び心がある。
実に芸術的な果樹である。
[甘夏に一つ、目をやった。
夫婦は感謝の意を述べた後、何事かを囁き合い――
「では、一つ食べてみますか?」と薦めてきた。
その後
「これはどのような調理法があるのか?」とか
「貴様等は果樹を育てる器だけではないのではないか?」とか
「連れの女が一人、腹をすかせて駄々をこねていてな…」とか
様々な事を言ってみた結果、荷台の結果を生んだのだ。]
まさに皇帝の威厳の下に民草はひれ伏すのである。
――と言いたいところではあるが、肉がない。
どうしたものか。
[屋敷の玄関から、一つずつ荷物を運ぶ。
荷台が空になるまで、氷室と玄関の往復を続けた。]
[オセがアサシンの背後から光弾となって襲いかかるのを見ながら、周囲を散策する。
一部、人気が無く龍脈の影響がこの周囲の中で強く感じられる箇所。何かの石碑のようなものが置かれ、人が立ち入れない場所があった。
周囲を確認し、おもむろに入る。僅かだが魔力の流れが起きているのを感じる]
今は大っぴらには無理だが、即席な施術を行う事くらいは出来るだろう。
[指輪を擦ると、3体を召喚した時と同じように光の魔道書が現れる]
ソロモンの鍵よ。我に叡智を。
[かつてソロモン王があみ出したと言われる魔術の全てが記録されているスペルブック”ソロモンの鍵”。
指輪が王に与えた叡智の一つである。
またもや風も無くページが捲られて行く]
סדר שבעים לתגובה סרה.
הנה הכניסה, היציאה כאן.
הזרימה היא קטעה, יהיה מזג למרחקים.
[空間に光る、小さな六芒星の魔方陣が二つ。
その二つをソロモンは手に取り、一つはその石碑に、もう一つは自分の手の甲に貼り付ける]
まあ、気休め程度か。
[数時間と持たない魔方陣によって、多少なりとも魔力は効率良く流れ込む。
どのみちオセが浪費してしまえば元も子もないのだが]
―埴市東区/ラウラ工房・召喚の間―
[溶けた跡は、即席の修理がなされていた。
天井には青のシート。
日光を程よく落とし、水面のように揺れている。]
さながら深海といったところだな。
[朽ちた大砲は、突き刺さったまま放置されていた。
メフメトと共に召喚された、堕落を与える武具の一。
宝具の赤光もなく、触れれば鉄が剥がれて床に落ちた。]
肉は後で確保に向かうとしてだ。
……さて、どうしたものか。
城を建てる民草もなければ、
吾がイェニチェリもカプクルもおらぬ。
それでも戦うのであれば、再び皇帝としてあるべきなのだろうな。
………。
―埴市東区・有栖川邸・自室―
[体中のアチコチが痛む。そして昨夜は自らベットに入った記憶もない・・・手を額に当て記憶の整理・・・
――あの、痴れ者がっ!!
飛び上がるようにベットから跳ね起きた!!
が、、、足下に転がる水桶と捨て置かれた泥だらけの衣類に気がつき。]
ふ、ふんっ!!余計な世話を焼いたと見える。
[さらに、サイドテーブルに見慣れた便せんが一枚。
"何を隠そう、吾は皇帝だぞ"
? ? ? リシアの頭の中にクエッションマークの嵐が巻き起こった ]
[見届けた皇帝は、召喚の間から物音がした部屋へ。
蝶番を厳かに鳴らすと、大柄は内へ一歩、踏み入った。]
よく眠れたか民草。
爽やかな良い朝である。
特別に、吾に挨拶をする選択肢をやろうではないか。
[ベッドで困惑している女を見下ろした。]
[当の本人に聞かねばならぬ事が山ほどある。
取り急ぎ衣服を整えるが、一晩で回復は出来ぬほど吸い上げられた魔力が魔術回路から悲鳴を上げる。]
まずいのぅ・・・まずは魔力の回復が先じゃの。
[昨日は食事どころか昼前に紅茶を飲んだだけだ、コレでは戦闘どころか、おのれのサーヴァントさえまともに扱えまい。
―正しくは、、、扱えてさえないのだが。]
―埴市中央区/元勢宮―
[偽一の後を少し遅れてついて行っていたユダは
勢い付けて振り向いた。
赤みを帯びた黒髪が揺れる。
ポケットの中の掌に銀貨。
それを己の影へと落とす。
深い沼に沈み込むようにそれは溶けて消え
足元から生えてくる――漆黒の鋭く長い獲物。
奇妙に真っ直ぐ長い鍔がある。
剣か。それにしては長すぎる奇妙なかたち]
――…
[く、と歪に眼を眇めかすかにわらい
握り振るうまでは恐るべき速度。
そのまま犬へ叩きつけた。]
[魔法書の角で殴りかかられ、それを見やる。
英霊にとって避けられる程度のものであり
むしろ当たる方が難しいと言えただろう。
だから、皇帝は特に動く事はしなかった。
魔法書が直撃し、それでも皇帝は表情を歪めはしない。
じっと、女を見下ろしている。]
申すがいい。
聞いてやろう。
[感情的に激昂する女とは逆さまに
皇帝は静かに、続きを促す。]
―埴市中央区/元勢宮―
ギイチ。
あれは狂犬だったようだ。
[早々に安全な場所に移動したであろう
己のマスターに向かってそんなことを謂った。
手にした獲物は滴るような闇と黄昏色に移り変わる。
元勢宮の奥の方、何かしら
大きな魔力が発動したようだ。
睨むようにそちらを一瞥した。]
[ 当たろうと当たるまいとどうでも良かった。
一喝すると、アーチャーの腕を引っ張りテラスへ向かう。]
そこで大人しく座っておれ!
[冷蔵庫の見慣れぬ食材に、チラとアーチャーを見やるも
黙ったまま朝食の用意
急ごしらえだが、【ハムエッグ・コーンスープ・トマトサラダ・クロワッサン・フルーツのヨーグルトソース】
テラスのテーブルに置いた。]
・・・ふん、気に入らねば食べずともよいがの。
犬『疾い!』
[光の化身となり直接敵を撃つ。本来の姿とは程遠いがこれこそが第57柱オセの戦い方。
方向転換を行ったが、その衝撃で大きく吹き飛ばされる。体躯があと一回り大きければ食らっていた]
犬『面白い、少しだけ付き合ってもらうぞ』
[オセの体が再び光を帯び、ぐっと溜めを作った後飛翔する。それは直接アサシンに襲いかかるわけではなく、まるで光が屈折していくように壁や木々、その他障害物を次々と蹴り飛び交い、そしていつの間にかアサシンの頭上から降り注ぎ、魔力を帯びた光牙を穿つ]
故に。
優れた人徳と、優れた破綻を身に宿さねばならぬ。
人徳だけでは、破綻は破壊を巻き起こす。
破綻だけでは、人徳は革命を引き起こす。
一方だけでは、一方の者しかついてこぬのよ。
――破綻なぞ、このような澱みと出会う前から
吾の位に刻まれている。
―埴市中央区/元勢宮―
[――なるほど これが
人の身にあらざる英霊としての力であるらしい。
生前では考えられなかった。
ユダは自嘲のような、嘲笑うような
歪な笑を微かに浮かべた。
彼の存在を示すもののひとつ、形となったそれは手に馴染む]
…忠犬か
[犬の声はユダに聞こえようか。
鋭角描いて獣は飛んだ。]
!
[頭上だ、と気づいたのは一瞬速いか否か。
辛うじて漆黒の獲物にて牙を受け止めるに足るか]
[ まずは体力回復とばかり、自分の皿を綺麗にすると
ミルクティーを一口、新聞の一面に目を通しながら
やっと、人心地が付いたようだ。]
・・・で、昨晩は斥候「だけ」ではなかったのかの?
他のサーヴァントと戦いがあった様子とも見受けられぬが、
コレはそなたの仕業であろ?
[人差し指でつんつんと指摘するまでもなく、新聞の一面には、デカデカとキャンパスの校舎が半分溶けた異様な惨状が載っていた。]
よもや関係のない人を巻き込んだりしておらぬだろうな?
戦闘だったにしても、なぜ我を呼ばなかった?
そなた一人で何もかも片付けるつもりか?
我はそんなに信用ならぬか?頼りにならぬか?
――もう、、、これ以上・・我一人で置き去りにされるのは嫌じゃ!!
[怒りがこみ上げ、悔しさと、寂しさがごっちゃになり
訳がわからなくなってきた。
ただ、最後は涙声になり・・・ぽつりと呟いた・・・]
[特に抗議するでもなく、テラスの椅子に座っている。
腕は組んでいたし、深く腰掛けてもいたが。
しばらくして、女が食事を携えて戻ってくる。
香り立つそれを見やり、視覚と嗅覚から腹を満たした。]
気に入らぬとは言わぬ。
宮廷料理には及ばぬが、民草としては十分なものだろう。
吾は満足した。
これも、貴様が食らうが良い。
その程度では、魔力の回復にも足りぬであろう。
人道に外れた術を使うようにも見えんからな。
[オセの光牙は漆黒の獲物と衝突する。
そのまま牙で穿とうとするが、力負けし横へと飛ばされる。着地自体は問題なく、体勢を整えるが、刹那ソロモン王の声がオセの頭に直接伝わってくる]
”57番、既に役目は果たした。
相手の獲物を確認しただけで充分だ、それに君では目の前の英霊に勝利することはほぼ不可能だろう。
こちらの野暮用も終わった、引き際を見誤るな。”
犬『・・・・・・ また会おう、次はこうは行かぬ』
[そう目の前の英霊に語りかけると、突然咆哮を放つ。
その咆哮と共に周囲には光の衝撃波が広がり、アサシンだけではく周囲の障害物にも打ち込まれる。
だがその衝撃波をアサシンが受けたとしても然程のダメージは無く、光が引いた頃には既にオセの姿はどこにも無かった]
ー昨晩、回想ー
ふむ、恐らくな…。
[クリスティーナの言葉に、軽く頷いた。
ただ、不思議な事にフードの男に対して、異様に不快な感情を感じていた。
理由が分からなかった故、それを口にする事はなかったが、クリスティーナには気づかれたらしく。]
否、なんでもない。気にするな。
[なんとなく自分に関係があるかもしれない。
そうは思ったが、確信に変わる材料はなかったため、推測の域を出る事はなかった。
クリスティーナについて車に乗り込み、進路は東へと向かう。
途中、彼女の言葉を黙って聞きながらも、フードの男を思い出そうと、思考と記憶を辿り続けた。
戦闘の話になれば、答える為に思考をやめ、辺りを見渡す。]
ふむ、まあ戦えなくはないが、もう少し灯りがある方が戦いやすい。
何より、周囲が見えないと、君を守る事が難しかろう?
[結局逆方向に向かう事になり、途中で降りた場所で、彼女の食事を見ながら。]
随分と変わった物を食べるんだな。
[見た事のない食事には、そんな感想を述べた。]
ー当日・朝(北区拠点)ー
[休む場所として提供されたソファに座り込み、じっと瞑想を続けた。
いつしか、昨晩会ったユダの事は、頭から消えつつあった。
気づいた時には空が明るみを増してきて、クリスティーナに声をかけられて、ようやく動き出す。]
ふむ、今日は何処へ行く?
いい加減剣を抜かねば、錆びてしまうかも分からんな。
[そんな冗談を続け、彼女について中央区へと足を向けた。]
[捲くし立てる女を、皇帝はあくまで静かに眺めている。
堕ちる涙を追えど、それを拭うことはしない。
ただ、腕を組んだまま目を閉じ、]
なるほど。
貴様の思考と、そして願望は聞き届けた。
[目を開く。女の姿を見据える瞳は、変わらぬ静けさを。
背にオスマン・トルコの赤旗は翻りはしないが
見返す目の奥には、確かに――]
質問に答える前に、最初の疑念に立ち返ろう。
貴様は、吾を呼んだ時、吾の名を知らなかった。
今もそうなのであろう。
貴様、そこまで選択すべき理想があるにも関わらず
何故、自身が理想とする英霊を呼ばぬ。
理想を叶えるには理想が必要だ。
貴様は、引き寄せる為の選択をしなかった。
故に、今がる。
まずは、それを心得よ。
貴様の寂然は理解した。
故に、一つだけ質問に答えよう。
吾はある違和を感じていた。
貴様は吾を呼んだにも関わらず、吾を吾として認識しておらぬ。
そして、今の願望を聞いて、分かった事が一つある。
欠落を埋める為であれば誰でも良かったのであれば、
信用以前。
吾は、吾の立つべき場所が見当もつかぬな。
―埴市中央区・元勢宮の境内―
[碑に貼りつけた魔方陣を隠すように、近くの大きめの石を移動し隠す。ぱっと見では気がつかれない筈。魔力の残り香までは消せないが。
そしてオセに指輪越しに戻るよう命令する。
次の瞬間、オセは自分の傍らに現れる]
ご苦労だった、行くぞ。
[愛玩犬も頷くと、走って元勢宮を後にした]
[洞窟内を探すも、バーサーカーの姿は無かった。]
まったく、主人を置いて遊びほうけているなど、けしからん。
お仕置きが必要ですね、んフ。
まあ、それは後のお楽しみとして、ひとまず腹ごしらえをしておきましょう。
[楽しそうに鼻を鳴らした後、簡単な食事を済ませた。]
―埴市中央区/元勢宮―
[犬を投げ飛ばし体勢を整えなおす
――が、犬は跳びかかっては来ない。
語りかける「声」のその直後咆哮が
衝撃波と共に叩きつけられた]
――、…っ!!
[咄嗟に上へと飛び上がり楠の枝の上。
光の退いた頃には最早犬の影はない。
見回すが気配はなかろう。]
…あの英霊の使い魔か…
…何者だ…?
[ユダが戦闘態勢を解くと
漆黒の獲物は絡まった茨がほどけるように失せる。。
フードは脱げ、額に落ちかかった髪が風に揺れた]
……吾の感じ入ったところの一つは、それだけだ。
[椅子を立ち、庭木へと歩み寄る。
その葉を一つ掴み、そっと指を這わせた。]
ろくに回復もしておらぬ身であろう。
食せる時に食せるだけ食しておけ。
[背で、女の雫が落ちる声を聴きながら
虫に食われていた葉を一つ、強引に毟り取った。]
―埴市中央区/元勢宮―
[ユダは先程まで漆黒の得物を
振るっていた手を見下ろし、
きつく握りしめた。表情は影になって良く見えない。
一旦は退いたようか、と偽一が戻ってくる。]
そのようだ。
ギイチ、あれをなんと見る?
[魔術のたぐいの知識は乏しい。
たとえあの王の気配纏う男が、
かつての――ユダヤ人の王であったとしても。
まだ、知りようのないこと。]
−中区・埴駅−
さて、今後の予定はどうするのだ?
敵の拠点を探すのならば、霊脈の集まる所か、あるいは人気の少ない所であろうか?
どちらにせよ、優れた土地での拠点を得るのは難しかろう。
[そんな事を淡々と告げ、駅前にてこの時代の人間観察をしながら]
人間はすごいな。これが進歩、進化というものなのか。
[そんな感想を漏らしながら、辺りを見回す。
自分の格好が少し浮いてるようだったが、それはあまり気にならなかった。]
――炎の渦?
……それが、何を指しているかは知らぬが
確かに渦よ。
人の世は、堕落と理想が渦巻いている。
どちらをも望むなど、民草には不可能よ。
民草は、選択をする権利を有する。
堕落か理想か、昇るか堕ちるか、はたまたもがくか。
渦そのものが気に食わぬのであれば、
施政者を討ち、革命を起こすであろう。
それもまた、民草に許された権利。
率いる者は、身を狙われる覚悟は常にしている。
−中央区→東区−
[少し距離を取ると、足を遅める]
相対した英霊の情報を。
犬『武器は漆黒の長剣か短槍。素早い英霊であった』
成程、名前どころかクラスもまだ定かではないが、次に戦う時には少しは対策が練られそうだ。
[そして、そろそろマスターと合流すべく移動しようとするが、懐の案内図で一箇所、気になっている箇所があった]
果樹園、か。
[生前拘った果樹園。欲望に弱いソロモン王はついその果樹園に惹かれてしまった**]
…… お前の気配。
[端的に呟き。]
――… …嗚呼。
[鋭利に、脆く、絶望やら、希望やら。
綯い交ぜ、清濁正負揺らしながら]
は、 は は
そう か。…
…それ を 内包しているからこそ
ここに?
[下を向いたまま暫くの沈黙・・・
時折しゃくり上げるような音と鼻水を啜る音。
アーチャーの言葉を聞くと、黙ってエプロンで顔を拭く。]
・・・そうであったか。
我は確かにそなたが何者であるか知らぬ。
聖遺物も、有栖川が大事にしていた物の一つであった。
それを使って英霊を呼び出すことが、有栖川への復讐の一つでもあったのじゃ。
―だがのぅ、、、我はしっかと選んでおったのだ。
そなたの遺物がはっきりと、他の遺物とは違う輝きを発しておってな。
我の心と引き逢い、戦いの勝利を約束すると答えたからじゃ。
何故かと問われればそうとしか答えられぬ。
されど、そなたを読んだのは欠落を埋めるためではない。
積年の恨み晴らすためどうしてもそなたが必要だったのじゃ!
それこそが我の生き甲斐!生きる意味!!
そのような理由では力は貸せぬか?
[顔を上げ、英霊を挑むように見据える。
毟り取られた葉が一枚、足下を通り過ぎた・・・]
/*
アーチャーがフェリシアに
大きく傾く可能性が大きいと考えて
おれ ヤバい人街道を走りたいと思います。
[食事を終えて、口髭を綺麗に整えた。]
さて、バーサーカーはまだ戻りませんが。
ずっと一人で待っているのも退屈ですね。
先に教会の用事を済ませておきますか。
[昨夜、服のついでに奪った車に乗り込み、街道を走らせる。流れる景色の中、口髭がそよそよと風に揺られた。]
―――。
選択の末であるというならば、歓迎しよう。
それを嘆くも、尊ぶも、貴様の自由。
選ぶ権利を、貴様は永久に有する。
堕落も邁進も、いずれを選べど選択の一。
貴様が進んで堕落を選ぶというならば、それも良いだろう。
その真意がどうであれ、最善であるかはさておきな。
力を貸すとは言わん。貸さんとも言わん。
貴様は貴様の道を行け。
誤っているかどうかなど、悩む必要はない。
その道が選択の本義を失うのであれば
その時は、吾が貴様を裁いてやろう。
[鉄の羽織が、形を失う。
代わりに現出したのは、溶けた鉄の塊ではなく
同じ赤でも、吹き来る風を受け、揺らぐ赤。
ぽっかりと、白く輝く三日月を抱いた皇帝の外套。]
[ 安堵したように小さく笑うと、思い出したように。]
死など怖くはない・・・
さて、いい加減教会に出かけんとの。
少しは調子も戻ったようじゃが、、馬で行くかのぅ?
[黒から聞こえる、わらいのような 音
否、凝りの中では、波と呼ぶのが正解であったか。]
聞かぬふりをしても、実際に聞かねども
「おのれ皇帝、あな憎らしや!」
となるのは目に見えておるからな。
権利を求める癖に、権利は許さぬ。
中々に愉快だろう。民とは。
[黒き水が、大きく、広く、つめたく波紋を寄こすように
赤き焔は、小さく、狭く、しずかに波紋を返した。]
…………
[女をじっと見る。]
馬、というと昨晩の奴の事か。
……吾が言うのもどうかと思うが
色々と間違ってねーか。それ。
[まともな突っ込み を繰り出した。]
――――…
王 とも、 違う、 か。
[先程のことば、反芻し]
嗚呼
施政者 の ことば、 だな。
[王になって、ほしかったのに。
あのひとの革命の方法を
おれは理解が、できなかった。と。
思えど言葉はない]
…――― だれ、なのだか な
[問いかけはしかし、
答えを求めるいろが希薄。
静かな波に手を浸すような]
真の王など、吾は一人しか知らぬ。
志は違えども、奴には頂点に立つべき輝きを見た。
それを奪ったのも、また吾だが。
[わらう波に混じるのは、悲愴でも嘆きでもなく
郷愁に似たおと。]
[そうであった!と、手を叩き。納戸の方へ小走りする。
通いの小作人の買い物用に買ってあった。
【スーパーカブ】]
これなら我にも乗れるぞ。原付なら免許もあるしの。
[人差し指と中指のあいだに免許証を挟み得意げに見せびらかす。
カブは手入れが行き届いており、アクセルを回すと軽快な音を立てて白い煙を吐き出した。]
――――… そう、か
[いろのない波とは
ある種対照的な漆黒がゆれた]
……誰なのだかな―――
[ゆるく囁くような。]
嗚呼
けれど 呼ばれたならば
呼ばれたからこそ
[要領をえぬ呟き。
呼ばれるはずのない己にも
可能性のあるのならば、と。
汚染された盃の螺鈿に似て
はな、がゆるり歪んでたゆたう]
/*
情緒不安定なひとみたいだ な
実際そうだろうが。
イスカリオテ。
カリオテの人。
或いは暗殺者。
絶望した革命者。
―暫し時を遡って・北区大学周辺―
――…。
『あーもしかしてアレー?ニュースみたぁ?』
『見たし!マジ怖くない?』
[一晩経って後も、大学は相変わらず騒然としていた。
昨晩の謎の発光、その痕跡を一目見ようと溢れる野次馬に紛れて
アンネリーゼはその周辺をまじまじと観察していた。
幸いにも、年齢からしても大学生に見えなくもない風貌だ。
外国人というのは聊か目立つが、留学生と思われているのか咎められる事は無い。
溶解した個所もある、流石に危険だと判断したのか
進入禁止のテープは張り巡らされているが――警察とて、どうしようもないだろう。
如何せん、魔術の其れだ。原因など関係者以外に判る筈も無い。
周囲の会話を盗み聞きする限りは――幸いにも怪我人はいなかったらしい、が。
僅かに、不機嫌そうに眉を寄せる。]
―教会付近―
[バイクを止めると後ろを振り返る。アーチャーが付いてこない?]
ちと、飛ばしすぎたかの?
まあ良い。教会であったなら我一人でも問題はなかろ。
面倒な事は早く済ませてしまうに限るからの。
[傍らにあった駐輪場にカブを止め。教会まで徒歩で行くことにした。]
−杉林地区→新興住宅街−
[男の根城となった洞窟へと戻ることは無かった。
いやに涼しい足元をいくらか気にしながら
その足は道に沿って新興住宅街にあった。
健脚と褒めるようなことでもないが
辺りを見回しては何かを確認したりもしていた。
もちろん、自分を召喚した男が移動しているなんてことも
気にした様子は無い]
[遠目からして充分にその破壊の形跡は見えた。まだ魔力の気配も残っている。
規模からして――やはり宝具と考えるのが妥当か。
にしてもやはり他の魔力の名残、…もとい戦闘の跡は見当たらない。]
じゃ、何の為に?
[…考えど、やはり意味が判らない。戦闘の気配が無い。
にも関わらずこれが本当に宝具の形跡なのだとしたら、
…いわゆる無駄打ちしたという事になる。そんなバカな。
――宝具の魔力の消費量は、常と比べて遥かに多いのは
幾らなんでも参加者なら知識として持ち合わせている…筈だ。
其れをマスターが許容したと言うのも、腑に落ちない。
そっと大学周辺から離れ、…恐らく買い物に出ている筈のサーヴァントと合流すべくその足取りは中央区へと向けられる。]
[駅前まで来ると人の流れを見る。
いくら過疎化の進んだ街とはいえ、人通りは多い。
他の参加者を探っては見るものの、いまだ反応はなく]
こちらが動くようにどちらも動いていると思うのよね。
このまま街を歩いてみる?
[セイバーを見上げ問う。
サングラスはかけていたが、幾人かがこちらを見ているのを見て、口元を手で覆った。
自分の出演した番組が今朝放送があったことなど知らず]
はっ!今の感じは…………運命の出会い?
[追い越したスーパーカブを振り返っていると、車が電柱に衝突した。わき見運転事故の元。ボフンとエアバッグに顔を埋める。]
……んっフ。
おおっと、アタシとしたことが。
だめだ。
全然地区とその間取りが覚えられないwwwwwwwwwww
手書きで書くべきかそうかwwwwwwwwwwww
―埴市中央区/元勢宮―
あの男の気配はもうないな。
…先ほど犬と戯れる前、
魔力が爆ぜたのは感じたな?
[見に行ってみるか?と
偽一にユダは問いかけた。
是というならば今一度元勢宮の方へ向かうこととなるか。]
―教会付近―
[令呪の反応に振り向くも、それ以上の反応は見られず・・・
おそらく、車かバスで通り過ぎただけのようだった。]
回路を切っておくか?
・・・いや、むしろ切らずにおくが安全か・・・どちらにせよ
早めに敵を掌握しておくが良策かの。
[あえて回路は切らずに単身教会へと乗り込んでゆくことにした。
と!!
再び令呪の反応と車の急ブレーキ。何かがぶつかった派手な音が響き渡った。]
―っ、何があった!!
―果樹園→―
[フェリシアが運命の出会いを果たしている頃、アーチャーは果樹園を抜けたところだった。
立ち止まる赤マント。周囲を見渡し、小鳥の声に耳を傾ける。
僅かに混じる気配。されど姿も、方角も見えず。]
……ふむ。
[ここに気配があった事を覚えて、果樹園を後にした。]
[相手もうごいている。と言う言葉に、軽く頷き。]
ふむ、わざわざ敵に襲撃されるのをおとなしく待つという事もあるまい。
とはいえ、あまりに動き回ってすれ違いばかりでいても、間抜けだ。
一先ずこの周辺を探ってみてはどうだ?
近くに感じれば、そこを探して移動してみてもよかろう。
[駅前の人通りを見回しながら、人の流れをじっと見つめた。]
[運転席から降りて車体の状況を確認する。ボンネットは歪み、煙を上げていた。]
んフー、これはもうダメですねぇ。
せっかく手に入れたのに、もったいない。
それにしても、下手に騒がれると厄介ですが。
はてさて、どうしたものか。
ま、アタシの車じゃないし、足がつくこともありませんかね、んっフッフッ。
そうね、犬も歩けば棒に当たる、とも言うし。
しばらくこのあたりを探ってみましょうか。
幸運に当たるとは思えないけど。
[そう言って通りを歩き始める。
ほとんどが車移動だったために、実際に歩いて見るのは初めてだった。
令呪の反応を逃さないよう右腕に意識は向ける]
[走り寄ると先ほど令呪の反応を事故った車から・・・
もとい、車の運転手から感じた。
運転手は煙を上げる車を見据えて、一人ほくそ笑んでいた。]
―・・あほがおるの。
「君子危うきに近寄らず」
すまぬが退散させてもらう。
[超特急ダッシュで教会へ避難することに決めた。]
変わった。
[夜通し歩いたにしてはしっかりとした足取りのまま
唐突に呟いた言葉を聴いて振り返ったのは
塀の向こうから飛び出してきた猫ぐらいだった。
こちらを見て、一度足を止め、一声啼いてまた消えていく。
猫は変わらないが、世界は変わったと感じたのだろう]
…。
[隻腕という身形は、当然目立つ。
ひら、と腕の無い袖が揺れていた。
召喚者がエアバックと熱いベーゼを交わしているとも知らず
白い袖を風になびかせたまま足は駅のほうへと向かう]
―中区・小中学校付近―
[相変わらず、背にこっそり付き従っている昆虫に気付かないまま
小・中学校の脇のバス亭で止まったバスから軽やかに降りる。
昨晩見た時は確か――元勢宮の裏に位置していた所だったっけと
何となしの地理を思い出しながら、ぐるりと見渡した。]
んー…ここらへんだとは思うんだけれどなー…。
[中区に入った辺りから、はっきりと僅かに魔力の流れを感じた。
…大きな消耗はなかった故に、大事にはなっていないと…思うが
流石に何に魔力を使用したのか、気にならなくはない。
…携帯の一つでも買い渡しておけばよかったかも、と今更考えても詮無いが
まぁ、そこから下手に動きまわる事も無いだろう…と、勝手に憶測を付けて歩き始める。
…まさか、果樹園に心引き寄せられているとは思いもしないが。]
心得た。
幸運か……そうだな、例えばサーヴァントと別行動をとっているマスターなどがいればよい幸運かも知れぬがな。
[例えそうであっても、令呪を使えばすぐに召喚出来る事を考えれば、あまり意味はないのだが]
そう言えば、お主は有名人なんだろう?
堂々と町を歩いて平気なのか?
[帽子を被り直す癖。そのまま連れ立って歩く。
当然、世間話をしながらも警戒は怠らない。]
…どこに誰が何人いるんだ?
東地区
果樹園付近:弓
中地区
駅付近:剣T ←狂?
元勢宮:殺T 魔T?
南地区
教会付近:ビン、フェリ
……あってる?
−川津教会−
…あら。
[奥で読み物をしていた女は
表のほうから聞こえてきた派手な音に
軽く首を傾げ、そちらへと姿を現す]
あまり新しい建物ではないから
労わってやってもらえると助かるのだけれど。
…教会に御用かしら。
>>166
>サーヴァントと別行動をとっているマスターなどがいれば
>よい幸運かも知れぬがな。
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
全力で別行動してまぁす!!!!!!!!
タッグ村なのにタッグ行動が苦手とはこれは 如何 に …(
有名ってほどじゃないわ。
それに、意外と声はかけられないものよ。
そういう雰囲気にさせなければいいの。
たとえお高く留まっていると思われても、わざわざ相手をするほど暇じゃないもの。
[駅のほうへと歩いていく]
たとえマスターがいたとして、あなたはそこを襲撃できる?
人気のない場所に誘い出すか。
ああ、でも。
令呪で呼ばれそうだわ。
―→埴市中区/駅付近―
……。
[鉄の馬で飛び出したマスターは一体どこへ消えたのか。
教会というとあの教会なのか――と思いを巡らせながら
アーチャーは中地区を経由し、南下を始めていた。]
ふむ。
夜と昼とでは、印象が違うのだな。
[途中で通った病院や、よく分からない建物もはっきり見えた。
再度、周りをよく観察しながら、人ごみを行く。]
[徒歩で教会に向かおうとすると、左胸に熱いものを感じる。何を隠そう、ビンセントの令呪は左胸にあるのだ。
右手で胸を押さえながら、ハートの赴くままに視線を向けると、小柄な少女の走り去る姿が見えた。]
はうっ!し、心臓が……!
あの少女を……この(触)手で……(ピー)したい……。
[少女との距離が離れるに従い、ハートのビートも平静を取り戻す。]
……はぁ、はぁ、危うく理性を失うところでした。
これだからニンゲンはやめられませんね、んフフ。
[呼吸を整えて、改めて教会に向かった。]
なんでみんな駅に近づくの恐いよwwwwwwwwwwww
俺逃げるよwwwwwwww中区恐いwwwww
早く相方帰ってきてぇwwwwwwwwwwww
…ふむ、周りに気づかれぬ様に一撃。
相手が人間であれば不可能ではない。
不可能ではないが…。
[実際にやれるか?と問われれば、恐らくそれは否と答えるだろう。]
私は一応騎士だ。
その様な不意討ちをと言うならば、令呪を用いる事になるな。
[結局本気で言ったわけではない様だった。]
まあ令呪を使って呼び出させる事で、敵の切り札を一つ削るのも手ではあるがな。
―埴市・中央区・元勢宮―
やれやれ、態度から攻撃はないと予想したのだが、危ないところだったな。犬を使う英霊か……これだけじゃ、候補は絞れないな。
もう、遠くへ去って行くのかい?向こうのマスターの位置が解らないし、深追いはしなくて良いよ。
[偽一はユダにそう告げると、元勢宮の駐車場へと歩き出す。]
あなたにそんな不意打ちができるとは思ってないわ。
令呪を使ってまで命令しようとも思っていないもの。
[駅近くまで来たころか。
胸騒ぎがして辺りを見回す]
…令呪に反応はないけど。
魔力を感じるわ。
―埴市・中央区・元勢宮―
危ないのは人間である
お前の方だな。
犬と見て油断しないことだ。
嗚呼…犬だけではないかもしれないぞ。
[それは別に、本気ではなかったのだが。]
…気配は遠ざかった。
あちらも様子見のつもりだったのだろう。
[と、元勢宮の奥のほうを見やる。]
……。分かった。
[やや後ろ髪引かれ気味ではあったが
偽一の後に続いた。]
ふむ。
その様に理解をしていただけると、こちらとしてもやり易い。
[彼女の反応に満足したように軽く頷く。
駅近くでキョロキョロと見回す彼女を見て]
反応はないのにか?
女の勘か?それとも……。
[静かに辺りを見渡し、警戒を強めた。]
−駅付近−
…。
[サーヴァント同士であれば魔力の存在は把握できる。
地面の上でふわふわと踊る暗い金色の髪は
風や人の流れに任せるままだったがその視線は険しい。
隻腕であることが余計に目立たせる。
辺りを、右、左と見比べてその位置を把握しようとしているらしい]
−川津教会−
[教会に近付くにつれて胸の疼きが増していく。]
アタシ、一体どうしたんでしょうか……。
……はっ、もしや、これが、恋!?
[頬を赤らめた。吊橋効果とは斯くも恐ろしい。バァン!と映画のワンシーンのように教会の扉を開く。
しかし、扉を開けた時には、胸の疼きもすっかり収まっていた。]
こんにちは、アタシの花嫁はいずこへ……?
……というか、アタシの恋はいずこへ……?
[きょろきょろと辺りを見回す。]
−果樹園−
こ・・・・・・これはうまい!
蜜柑という果物なのか、程よい酸味が実に心地よい!
[魔力を損耗した犬を指輪に戻し、王は贅沢を堪能していた]
悪いけれど、奥はプライベートスペースだから
謹んでお断りするわ。
[奥の部屋へと逃げ込もうとする少女を捕まえて
聖徒席のほうへと放り出す。
そのタイミングでまた開いた扉に]
教会では静かに!
[思わず怒鳴り返した]
[その場を去ろうとしたが、何か引っかかった表情を浮かべるユダが気になった。]
……うん?あいつは去ったのだろう?
何か気になることでもあるのかい。
……
[致命的に嫌な予感がする。するのだが、男はその詳細を知る術を持たない。気を取り直して、南下を続けようとした。]
「やだ、あのオジサンコスプレしてる」
「いい歳してコスプレだなんて…」
「そんなことよりさー、メイド喫茶行こうよー」
[民の声が聞こえる。
皇帝はずんずんと道を行く。]
ふむ。
やはり、皇帝のオーラは隠しきれぬか。
[どこの支配者も考える事は似ているようだ。
――と、]
―埴市・中央区・元勢宮―
魔力の残滓だ。
[す、と 指差す、
恐らく石碑のあるであろう場所。
何も。何も。苦もなく
感じ取ることができるなんて。
英霊のちから。
落とす影は色濃い]
ここは霊脈だと謂ったろう。
…何か細工をしたのかもしれない。
む。
[立ち止まると、赤の外套がふわりと鎮まった。
人ごみの中に、異質が一つ。
周囲をきょろきょろと見回している、女のような形。]
―――。ふむ。
実に芸術的な女子である。
[ひらと風に舞う白の袖が、群集に立つ彼女の印象を強めた。]
[そして、既にある程度収穫された果物ではあったものの、残った実りの殆どがソロモンの魔力充填へと変わっていき。
既に果樹園で大の字で空を仰ぎながら横になりはじめた。
そう、空。どこまでも青い空]
目に望ましく映るものは何ひとつ拒まず手に入れ。
どのような快楽をも余さず試みた。
しかし見よ、どれも空しく 風を追うようなことであった。
太陽の下に、益となるものは何もない。
[満たされた胃袋、否魔力によって彼は賢者へと化していた。
そしてそれは生前にもたどり着いた境地でもある]
ああ、これはアタシとしたことが。
すみません、少々昂ぶってましたもので。
[怒鳴り声の主に謝罪する。と、少女が放り出された。先程までの動悸は無いため、極めて平静な様子。]
おや、アナタは先程の。
奇遇ですね。
王道とは、孤独なものよ。
[思えば神に疎まれた出生であった。
兄は天罰で命を落とし、ミカエルより神託を受けるまではまるで生まれながらに罪を背負っているかのような生き方であった。
故に王になってから追い求めたものは、歪んでいたのだろう。
もし、自らの存在が清いものであったならば。
いかほどこの空が青く見えたのであろうか]
[警戒を強めたタイミングで魔力が零れた。
同時、こちらも相手の魔力の存在を把握した。]
クリスティーナ、当たりだ。近くにサーヴァントがいる…。
[襲撃に備え剣の具現がいつでも出来る様に魔力を集める。]
――…、
[ふつと、届く魔力に眉を寄せる。この方角は駅からのもの。
正しい数は判らないが――此処まで届くとするならば、其れなりの。
考えずとも、理解は出来た。]
…参加者は一処に引き寄せる因果でもあるわけ?
にしたって、あんな中におめおめ乗り込んでいける筈無いってば。
[幾ら逃走の手立てだけはあるにしたって、
現時点サーヴァントも連れていないのだ、複数相手に適う筈が無い。
駅より離れるように、ぐるりと学校を囲むフェンス沿いに南下する。
この裏手が確か何かの宮、だったか。何の名前だったかは思い出せない。
昨夜龍脈の候補の一つに絞っていた筈だが、さて
キャスターが付近に来ていたなら、既に見ている可能性は高いけれども。]
――、いえ、令呪の反応かもしれないわ。
[ずきり、と令呪でなく腕にかかる重さ。
それが2方向からだと気づいたのはすぐ後か]
あれは。
昨日会ったわよね?
[初めて会ったマスターの少女。それが連れていたサーヴァントではなかったか。
その視線の先にもう一つ。隻腕の、少女]
へえ、そいつは気になるな。
罠かもしれないから、用心しつつ見に行こうか。
[偽一は、ユダと2人で男のサーヴァントがいた場所まで引き返す。
近づくとかすかな魔力が偽一にも感じ取れた。]
……あの石の下かな。ところでユダ、君は力仕事は得意かい?
。
[隻腕の女は、群衆の中を睨んでいた。
丁度それは北の空というか、山を睨んでいたという気配なのだが
はからずしもその延長線上にコスプレ中年もとい
アーチャーの姿があったことに間違いは無い。
向こうがこちらを見て思っていることが違うように、
こちらもまた向こうを見ていても考えていることが別だったわけだ]
[魔力の先、一方は先日会った、食事をし続けていたサーヴァント。
もう一方は見慣れぬ隻腕の少女。]
確かに、あの時のサーヴァントだ。
もう一方もどうやらサーヴァントの様だ。
[共闘しているならば、面倒ではあるが、そうでないのなら、見に回り、情報を集めたいが…。]
いずれにせよ、連中がどう動くかと言った所か。
―埴市・中央区・元勢宮―
[ひとつ、頷いた。
戻ってきた場所は矢張り静かで。
その分微かな違和も引き立っている。]
……ん、
そのようだ…って、おい。
[胡乱げに偽一を、見た。]
力仕事は。…得意ではない、が。
…どけろと?
そのようね。
まさかこんなところで戦い出しはしないでしょうけど…。
様子を見てみましょうか。
[最もセイバーがいるのだから気づかれるのも時間の問題ではあるのだが。
2人の様子をじっとみた]
よろしくお願いするわね。
あまり強靭な建物ではないの。
[聖徒席のスペースへと放り出した相手に
入ってきた男が話しかけたのを見て]
あら、お知り合いなのかしら。
私お邪魔でしたら、奥に下がりますけど。
だって、近づいて「ワハハ!かかったな!」とか言いながら、炎の魔人でも現れたら怖いじゃないか。
僕は臆病なんだ。
……まあ、そうは言っても隠されているのなら、罠の可能性は低くなるけどね。念のためさ。
[食欲も満たされ、そして順調に魔法陣から魔力は充填されているようだ。
少しずつの積み重ねではあるが、これなら少しくらいは無理をしても何とかなる所までは来ていそうだ]
いかん、こんな所で黄昏ている場合ではない。
アンネリーゼを探さねば。
[すくっと立ち、懐の案内図を確認する]
……強かな視線もまた、芸術的である。
まさか吾以外にも、ここまで芸術的な者がいるとはな。
さすがは英霊、といったところか。
――気に入った。
[感じ入る魔力は、サーヴァントの持つ莫大な奇跡の量。
塊は一つ、否、二つ。]
――無念。
ゆるりと鑑賞、とはいかぬか。
吾が手にするにしても、難儀するであろう。
[男は再びマントを翻し、歩いて行く。
ちょうどその先に、女の形はあったわけで。
人ごみを挟んですれ違う前に、もう一度だけその姿を見た。
ひらとゆれていた袖は、隻腕らしい――と見留め
目を閉じ、歩みを進めた。]
慌しい少女ですねぇ。
あ、アタシ、今回の聖杯戦争に名を連ねる魔術師の端くれです。
よろしくお願いしますね、んフ。
[走り去る少女を見送って、意外と冷静そうな女性に挨拶した。]
戦わないだろうが、戦ってもらった方が、こちらとしては気が楽なものだ。
こちらの手の内を見せず、相手の手札だけを確認できれば一番良いのだが。
[剣の具現のために、既に魔力が貯められていたが、手の内を見せないためにも今は待つ選択した。
しかし、何も行わず去って行くサーヴァントを見て]
ふむ、やはり虫がよすぎたか。
―埴市・中央区・元勢宮―
出てきてたまるかそんなもん。
…臆病。どの口が謂うか。
[尚ユダはアラビアンナイトとか知らない。
はあ、とひとつ息を吐き
渋々ながら石碑に手を添えようとして、気づく]
…おい。石碑に刻まれてるぞ。
[そう謂って指差す。
字が読めるなら、ユダにも見覚えがある古い文字であったろうか]
[男のサーヴァントの姿が遠ざかっていく]
…手の内が見られるのならそれは幸運だけど、そううまくはいかないわ。
バーサーカーならわからないけど、バーサーカーは2人もいないもの。
…女のほうに近づいてみる?
[男のほうより、女のサーヴァントのほうが得体が知れない。
だからこそそちらに注意を払った]
あとは、南か。
[龍脈とは縁遠そうだが、人気の無い倉庫街は戦闘の場所に選び易い。
逆にここが戦場になる可能性はきわめて高い。
ならば視察は必要。
それと、教会のあの主も少し気になる。
良からぬ事を考えている臣下の眼は吐き気がするほど見てきた。
彼女には、どことなくその雰囲気がある。
気のせいなら別にいいのだが、多少気をつけていないとお人よしで多少頭の足りていないアンネリーゼに危険が及ぶ可能性もある。
念には念を入れても損はしない]
よし、南に行って見よう。
あら。
[慌しく去っていく姿に首を傾げたが
男が聖杯戦争に関わると聞けば視線はそちらへ向く]
令呪の確認を…といいたいところだけど、
まあいいでしょう。
それより、追いかけなくていいの?
彼女を追ってここまできたんでしょう?
んフ、今はそれよりアナタの方が気になってますのでね。
察するに、アナタは此度の聖杯戦争における監督者ですか?
[眼鏡の縁をくいと持ち上げながら尋ねた。]
[暫し思案の後、魔術回路は切ったままで動く事に決める。
――確かに咄嗟魔術を発動出来るだけの警戒は必要だが
マスターの接近ならば令呪で感知できる。し、
サーヴァントと分かれ、単独で動いている以上
居場所を不必要に教える意味は少ない。]
…っていうか、あれだけの宝具を
夜間とは言え大学にぶっ放しちゃうヤツに会いかねないんでしょ?
昼間で、駅前とか大勢人がいたって予防線になるかすら怪しいっての…!
[一番いいのは、それまでにキャスターと合流出来る事だが
…さて、何処にいるのやら。ぐるっと回り込んだ所で社の入り口に至る。
そうか、此処が裏手かと地理を脳内に反映し納得しながら遠目に覗き込む。
ちり、と、薄ら令呪が反応した気がしたが――さて、それに気付く事があるかどうか。]
とは言え、襲撃されれば仕方あるまい。
[去って行くサーヴァントの姿を見ながら、近づいてみるかと聞かれれば、軽く考えるそぶりを見せてから、頷いた。]
気になる相手は接近すればいい。
危険を感知すれば、直ぐに私が戦おう。
聖杯戦争の監督は請け負っているけれど、
生憎と貴方個人の監督までは請け負っていないのよ。
わたし、中立ですから。
悪いけれど、他を当たって頂戴。
[にこやかにビンセントの言葉を切り返し、
扉を示した]
お求めでしたら、聖盃にでも祈ってくださる?
それと、お帰りはあちら。
[彼が開いた扉を指し示した]
あれ、下じゃなくて石碑にはりついているのか。魔力だけじゃ解らないからなぁ。
ふむ……これは、ヘブライ語かな。
詳しくは無いので意味までは取れないけど、以前読んだ文献で見た事あるよ。
[偽一は懐から携帯電話を取り出すと、付属しているカメラで文字を写した。]
後で意味を調べてみるか。
……あ、これは、遠くの人と話したり、風景を写したりできる便利なものだよ。
[ユダに問われる前に説明する。]
[そして果樹園を後にしようとしたのだが]
・・・・・・何か気になるな。
[不自然な魔力の淀みを感じる。
魔力が集まっているというよりも、かき混ぜられているような]
少し、調べてみるか。思わぬ拾い物があるかもしれぬ。
[懐かしの我が家にたどり着く前
丹精した果樹園が・・・見るも無惨な姿に変わっていた。
回路オン!!]
――・・・な んじゃ、こりゃーーーーーーっ!!
[一体昨日から何の厄災であろうか?
アーチャーとは違うサーヴァントのほんのわずかな気配]
サーヴァントとは害虫を指しておるのだろうか?(しくしく
[重い足取りで我が家へ、カブを物置の戸口に立てかけると
ベットに・・・]
今日は仕舞いじゃっ!誰がなんと言おうと我はベットからでぬぞ!!**
わかったわ。
[セイバーの言葉に頷いて、女のほうへと近づく。
サーヴァントにしろマスターにしろ、恐らくはばれてしまうのだから。
隻腕の女のほうへ足を詰める。
着ている物はどこか窮屈そうに感じた]
……。
[すれ違う気配に、一瞬だけコスプレ中年もとい
英霊の男を見たがそれには取り合わない。
向こうが仕掛けてこず、こちらも仕掛けるだけの貯蓄がない。
単独行動が出来るクラスではない以上
向こうが仕掛けてこないとすればそれはお互い様の
可能性が高いことを歪んだ意識の底で理解しているらしい。
結局その足は駅を回って更に北に向かおうとしたところで
赤い髪の女が近づいてくるのが見えた]
聖杯戦争を監督するという事は、携わる個々人を監督するという事でしょう。
その程度の条理も解さぬとは、些か頼りない監督者ですねぇ。
中立とは、力があって初めて成り立つのですよ?んフ。
[少し探し回ったが、わずかに残った魔力の残り香を嗅ぐのみに留まった]
仕方ない、またここは後で調べに来よう。
[そして南へと移動する事にした]
……。
この時代の携帯電話は
まだカメラ機能付いていないでござる…!!!
むしろ カラーでもないでござる…!!!
[ちょうどスカイメールとかの機能が付いてきた時代。]
―埴市・中央区・元勢宮―
[石碑から離れて、
パーカーのポケットに手を入れる。
位置が丁度いいらしい。]
…――嗚呼、知っている。
[ヘブライ文字を見る。
何処か複雑な色をした眸で
軽やかな写メールの音に瞬いた。
的確な説明を先回りしてされ]
そうなのか。
…魔術ではなく?
[真顔だった]
[セイバーから離れることなく、女へと近づく]
こんにちは、お嬢さん。
一人?
[一定の距離は保ったまま、それでも声の届く場所で足を止める。
相手は本当に腕がなかった。ひらりと袖が舞う。
恐らくは誰かが着ていただろうシャツ。]
[クリスティーナの一歩後ろ、それでも一息で間を消せる距離を保つ。
彼女が隻腕のサーヴァントに更に近づく。
神経を集中させた。]
で、クリスティーナよ、彼女に近づいたからには、訳があるのだろう?
[そう告げると、隻腕のサーヴァントに話しかけるクリスティーナの声も聞こえない程に、神経を鋭く尖らせた。]**
―→南区/川津港―
[歩けども歩けども、フェリシアの気配は見当たらない。
途中、昨日の教会を発見したが
そこにもつながりを感じる、という事はなかった。]
別に教会がある、ということなのだろうか。
[まさか瞬間移動気味に帰宅して不貞寝しているとは気づかず
南下を続けていると、海が見えた。
潮風が、血色の外套を撫ぜる。
海鳥の声もちらほら聞こえた。]
生憎と、個人がどうなろうと基本的には興味がないわね。
聖杯戦争のルールを破るようなことさえなければ
参加者がどうなろうとわたしは構わないのよ。
[軽く首を傾げ]
構ってほしいというのなら、
サーヴァントとの契約を切って来ることね。
−南区−
[どこかですれ違ったかもしれないフェリシアには気が付かず、南区へと到着する。
教会の前に倉庫周辺を、と足を運ぶが]
・・・・・・成る程、考えることはみな同じという訳か。
[大きな魔力。
まだマスターとは合流出来ていない。接触すべきか、回避すべきか。
興味が勝り、その魔力のある方へと慎重に移動していく]
魔術ではないけど、確かにそう見えてもおかしくないよな。
……さて、写真も取ったし戻ろうか。
あ、石は戻さなくて良いよ。
あちらが隠したいと願うものなら、晒して置こう。
[そうユダに告げると、駐車場へと向かった。**]
何か用か。
[話しかけられた。
北を睨みながら歩き出そうとしていた足が止まり
そのままの視線が赤毛の女へと向かう。
それから、そのうしろの男へと視線が移った。
感じるものがあるのか、先程よりも警戒の気配は強い。
野生の動物の警戒する様に少し似ている]
・・・・・・うむ。あれ、だよな。
[何だろう。ナンセンスだ。
戦術を考慮しても、ここで英霊が海に向かって仁王立ちしている意味が判らない。
いくらあれを囮にしたとしても、マスターが敵の英霊をどうにか出来るものではない。まさに”不意打ち上等”である]
くっ。
[しかしソロモン王の尊厳は、あのような挑発的、むしろ阿呆な行動を取っている英霊に対して不意打ちなど許さない。
ため息をつきながら、そっと後ろから近づき]
んフー、アナタにとっての他人がどうかではなく。
アナタ自身の問題なのですよ。
[言って、渡辺あゆの四肢に触手を絡めた。]
――ふむ。
内海とはまた、趣を事にしている。
芸術的とは言わぬが、この青さは貴重であるな。
[腕を組んで、外套をはためかせている。
まさに皇帝の威厳。背に体現するは、]
あれ。
吾、飛んでる。
[一瞬、最も偉大なスルタンは、ソラを飛んだ。
英霊ですら叶わない、人類の夢を皇帝は叶えたのだ――。]
[叩き落されたアーチャーに、海鳥が騒がしく群がった。
だが、皇帝は一枚ウワテだった。
海に叩き落される寸前、鉄の浮き板を作ったのだ!
当然のように沈んだ。]
・・・・・・苦しい戦いだった。
[まっすぐ何も考えず水面に落下した英霊を見て、なんともいたたまれない感情を抱く。
どうすればいいのだ。上から岩でも投げ入れればいいのか。岩とは言わず神殿の柱の一本でもここで生成してそのまま投下するだけで1騎撃破となるのだろうか。
とりあえず、観察することにした]
あら、いけない子ね。
[触手に動じることはない。
ただ、女の足元から茨が生え、そして触手を制し
無効化する]
…教会での行使はご法度だわ。
守れない子は、聖盃に嫌われるわよ。
聖盃にお仕置きされないうちに、お帰りなさいな。
[しかし其処に、まさかキャスターの張った陣が残っているとは思いもしないが
結局は当初の予定通り南へと下るべく、その場をそっと離れようと歩き出した。
南へ行けば教会もあった、…彼は聊か気に入らないらしいが
龍脈の候補には違いない。
そこらを当たって行けば、キャスターとの合流も遅かれ早かれ出来るだろう。
まさか、波止場で謎の戦いをしているとはやはり思いもしないが。]
吾は皇帝なり。
[どこからか、声が聞こえる。]
不意打ちなど、計算の内よ。
安堵するにはまだ早いぞ、実に芸術的な英霊よ!
[ずぶぬれの手が、海からぬっと現れた。
手は、キャスターの足を掴んだ!]
―埴市・中央区・元勢宮―
では、現代の技術なのか。
[偽一の手元を興味深そうに見る。
そのさまは少しだけ、
普通の青年のようでもある。]
…――。
そうか。では そうするか…。
[石碑が動いていたら
此処の管理人が驚きそうだ。
が、知ったことではなかった。]
→駐車場へ
わけがあるわけじゃ、ないけど。
話せるかもしれないでしょう?
[セイバーへそう言って、そして返事のあった女のほうを見る。
警戒されているようだとわかる]
用といえば、用かしら。
どうして、一人なの?
偵察に出てきている風でもない。
もっとも、一人なら、あなたはサーヴァントということになるのでしょうけど。
[マスターであれば、この状況がいかに危険なのかはわかるはずだろうから]
ぶはっ!!あっぷあっぷ!!
だ、誰か助けろ!!誰か!!
[仕方なく、愛玩犬を指輪から呼び出す]
犬『・・・・・・まさか、この私に犬掻きなるものを強要するつもりか?』
いいから!そんなのいいから!!
[何も考えずオセの背中につかまり、オセは懸命に掻いている。
爽やかな潮騒が、耳に届いた。世界は平和だ]
んっフッフッ、流石に簡単ではありませんねぇ。
今日のところは大人しく退散しておきましょう。
[得意としていた独自の魔術行使をいとも容易く無効化されて、大人しく矛を収める。]
アナタとはまたお会いしたいものです。
では、また後ほど。
[捕捉されないよう警戒しながら、にこやかに去って言った**]
―南区―
―――…。
[高く立ち上がった飛沫みて、無表情のまま沈黙する。
今、何が落ちたのか。
いや、見た気がするが少々現実から目を背けたい。]
……ちょっと、なにやってんの!!!?
[巻き込まれない程度にちょっと遠巻きにして
海の中を覗き込んだ。…海に溺れる犬と英霊二人。]
/*
お楽しみのところ失礼しますね←
GMがさっぱり聞きそびれていたので
突然ですが中身お許しください。
ダミー組のSATUGAIなどについて
やりたいなどの希望はありますか?
というのを聞くのをすっかり忘れていましt
ア、アンネリーゼ!いい所に来た!
とりあえず、引き上げたまえ!!
[一生懸命足掻く愛玩犬を踏み台にして、アンネリーゼに手を伸ばす]
[引きずり込まれ、犬掻きを行う男の英霊。
飛び散る海の雫が、まぶしい程に舞っている。
海鳥が、二人の間をぐるぐると回っている。]
…………ふっ。
吾と水浴びをしたいのであれば、申せば良いのだ。
あれか。ウブ故の実力行使か。
芸術的な吾と溺れっぷりを競いたいというのは理解出来るが
落ち着かれよ。
[皇帝は、必死に波止場に掴まっている。]
…。
[青灰色は女を睨む。
不用意な言葉を出さないようなどという理由ではないが
言葉が少ないのは間違いない]
単独の用事がある。
[他に理由などない。
サーヴァント自身からすれば、街を見たかっただけだ]
なんで服を買いに来て、こんな事になってんのよ!
って、オ…、 ――犬!ワンコが溺れちゃうから!!
[一先ず自分が落ちないように手を伸ばしながら、
踏み台にされた犬の姿にひぃ、と声を上げた。
…か、辛うじて名前を呼ぶのだけは避けたが。]
――あの、
…手を、貸した方が いい、…
[そうして、視線は僅か横にそれる。
必死に掴まっている英霊に向けて、問おうとして。
目を逸らした。
仕方が無いってなんだ仕方なくねーよ…!
流石に全裸を視姦する趣味は一応無い。]
聖盃にたどり着いたら考えてあげても良くてよ。
[また、という言葉への返事はなかった。
表の扉に閂をかけて、暫くはゆっくりすることにする**]
/*
お疲れ様、だ。気にせず。
嗚呼。皇帝、やるか?
赤側CO的にはいいのか。
目撃なりするかも知れないが。
っぷはっ!
すまぬ、助かった。
[びしょびしょになったスーツは後でフェニックスに乾かさせよう、そう思いながら英霊に振り向く。
何故全裸]
・・・・・・
[悩]
いいから、一度上がりたまえ。
[手を差し伸べ、裸の王様を引き上げようとする。
犬は自力で地上に戻り、水切りをしている]
/*
あ、すみません。
正確にはダミーのマスター(見物人)です。
サーヴァントに攻撃されて死にたいということなのですが
ダミーチームの殺害について赤の方で希望がある場合を
GMのチキン頭がすっぱり忘れていたため
お伺いに参じた次第です。
そう?
そうね、偵察もひとつの用事かしら。
でも、あなたはマスターを放っておいても大丈夫なの?
なんて、私が関知するところじゃないわね。
そんなに警戒なさらないで。
こんな人が多いところで戦おうなんて思ってないもの。
少し、服が窮屈そうね?
サイズがあっていないと思うのだけど。今度服をもらうときは、試着をしたほうがいいわ。
新しいものをね。
行きましょう。
[セイバーを促すように手を引いた]
/*
そうですね、赤COに使われる場合があるかなと
いまさら 気づき まして (土下座
あくまで任意(というかやりたいという希望があれば)なので。で。
知らん。
[何かあれば令呪が作動するという認識らしい。
女とセイバーが去っていくのを追うらしきもない。
服のサイズにも無関心だった。
気に入っているわけではないのだろう。
そして隻腕の女も更に北へと歩き出した**]
―中央区―
[魔力回路を閉じ、情報収集のため街を歩く。
…平和に見える。
それは見せかけであり、事実でもあった。]
あんまりのんびりしちゃいられないよな…。
[既に「異常」はある。被害も出ている。
だが、「日常」のキャパシティは大きいものだ。]
本当に、何でこんな事になってんの…
[小さく吐息を零す。
流石に裸の王様を引き上げる手伝いは出来そうに無かった。
…別に男性の裸体を間近で見たい訳じゃない。
身体を震わし、自力で乾かしている犬を撫でながらしかし思案する。
昨晩と言いこの英霊は毎度単独で行動しているようだが――
しかし、マスターの気配はやはりない。令呪に意識を向けても変化はなし。
…其れを考えるのであればやはり
単独行動が適うクラスだと考えるのが常套、だが。]
[一度振り返り、北へ向かう背中を見た]
…気になるわね、あの子。
[もっともそれ以上は口にせず。また別の場所へと歩き出す。
と、令呪の疼きを感じた。先ほどとはまた違う、けれど確かなもの]
マスター?
[仕方なく裸の英霊を引き上げ、うつぶせに転ばせる]
とりあえず、興が削がれたのもあるし、貴様が無防備のまま戦闘を続行するのもつまらぬ。
今は此処までとしよう。
[あまりに愚かすぎるこの英霊。逆に不気味でもある。
少なくともアンネリーゼと合流出来たし、ここで下手に戦闘を開始すれば逆にアンネリーゼを危険に晒す可能性もある。
このまま一度距離を取ったほうがいいと判断した]
さらばだ・・・・・・皇帝とやら。
[自分以外に王道を語られる苛立ちを抑えつつも、英霊の真名のヒントは手に入れたようだ。その場からゆっくりと立ち去る]
―埴市・中央区・駐車場―
――… ヘブライ語、か
なら、あの文字を使っていた時代の者なのだろうか。
[サイドカー用のヘルメットを受け取り、
ふ、 と顔を駅の方面に向ける。]
……。
[眉を寄せた。微かだが――遠くに。]
気配があるな。
――ほう。
うむ。
すまぬな。
[裸体の皇帝は、男の手をがっしり掴む。]
支配者も裸の付き合いが必要という。
なるほど、まさにそれであるな。
[水がしたたる、芸術的な皇帝――++]
−南・金座商店街−
残念なことに俺の相棒は鈍重でなぁ…。
十中九十、力押しの戦となるぞ、諒一。
呼ばれても直ぐには駆けつけてやれんから
躊躇わずに令呪を使うんだ。頼むぞ。
[主にそんな言葉を残してから別れ、
今は単独で南の街中を歩いている。
海から遠いところで育った男には海というものが新鮮なのか、
古びた商店街を抜けていく潮風に時折顔を綻ばせた。
けれどそうも言っていられないのは、空行く鳥の鳴き声に、
この先に不思議なものがあると知らされたから]
……これ、そのままにしておいて大丈夫かな。
[うつ伏せにしたとはいえ、裸には変わりが無い。
そのまま放置しておくと、公然わいせつ罪とやらに
堂々と引っかかる可能性が無きにしも有らずなのだが
(既に彼のマスターが一度は懸念していたとは勿論知らない)
――まぁ、だからと言ってどうしようもない、というのも事実ではあり。
その場から立ち去るキャスターの背中を見やって、
伏せる英霊へともう一度視線を向けて。
…暫しの沈黙、考え込んだ上でそっとハンカチで重要な部分だけ隠して
そうして漸く慌てて、後を追いかけるようにその場を去った。
丸見えよりは、 恐らくマシだろう。たぶん。]
/*
まあ、たし、かに!
どうするのかなあとは思っていた、が。
此方が手を下さない場合はどうしようとしてた?
[吹く風に時折濁り。
魔力の残滓。
この街の風景より向こうを見つめる意思。
だが、それ以上のことは分からない。
魔力回路を閉じている以上は。
…と言っても、魔術師ですとアピールしながら歩く気には到底なれない。情報収集が目的なのに、喧嘩を売り歩くようなものだ。
ライダーが一緒にいればそれでも構わないのだが、こんな時間からサーヴァント同士の戦闘を誘発させることも本音は避けたい。
自己満足でしかないし、ライダーはライダーで偵察をしておきたいようだったから、今頃どこかを歩いているかもしれないが…。]
・・・・・・律儀だな。
[あまり深く考えないことにした]
さっきのはまず間違いなく英霊だな。皇帝と言っていた。
海に向かって仁王立ちしていたので後ろから蹴落とした。実力はいざ知らず阿呆のようだ、とりあえず置いておこう。
アンネリーゼの言うとおり、服は購入した。とはいえ、この有様だが。後でバアルに洗い流してもらってフェニックスに乾かしてもらうとしよう。
[背中に止まっているバアルを回収し、指輪に戻す]
どうやら危険は無かったようだな。結構。
こちらは英霊1騎と交えた。漆黒の長物を持ったすばやい英霊だったようだ。
/*
誰かと戦闘してその流れで。<赤殺害でなければ。
上記とマスターの希望を踏まえて
ライダー組は現在単独行動中です。
ライダー自体に特に死亡に関しての希望はないので
戦闘したいひとは吹っかけてもいいのよという段階ですね。
マスターが死んだ時点で決着つかなくてもドロップしますが。
あとは、龍脈についてだが。
[腕の甲に貼り付けた魔方陣を見せる]
中央区の元勢宮とやらはそれなりに良い場所だな。少し拝借した。
本格的に魔力を徴収するならば、あの場所は悪くない。
他の英霊に抑えられている雰囲気も無い。ただ昼間は人気が多すぎる。これをどうするか・・・・・・
案はあるが、興味はあるか。
[相手の魔力は感じられない。
けれど令呪には確かに反応がある]
…回路を閉じてるのね。
まあいいわ。
[セイバーに目配せすると反応を追って*歩き始めた*]
―埴市・中央区・駐車場―
[どうする、と尋ねれば
偽一は一度考える仕草を見せるか。
近辺に気配がないのを確かめてから
魔術回路を閉じたろう。]
見てくる。
[謂って、気配を遮断すれば
人ごみに紛れるは容易。
現世に降りた、在るべからざる者。
盃に咲いた
黒い花のように。]
いや、だって… こう、発見された方がせめてお見苦しくないように。
[逆にシュールな図になってしまったかも知れないが、まぁそれはコレだ。]
昨日もそうだけど、やっぱりマスターが近くにいる気配はしないんだよね。
魔術回路を切っているとかじゃなくて、令呪の反応もないし…。
単独行動のスキルを持っていると仮定すると、
アーチャーやアサシンが濃厚ではあるけど、…
[アサシンにしては、仁王立ちとかは堂々としすぎだとは口にださなった。
否、出さずとも恐らく伝わるだろう。伝わると信じている。]
駅周辺がちょっと危ない気配だったけど、まぁ避けて通ったから大丈夫。
――大学の方は見てきたけど、…ちょっと幾つかおかしくって。
[少しだけ考え込むようにして、恐らく宝具の類であること
しかし戦闘の形跡は残っていない事など、感じた違和感を淡々と告げながら
その足取りは皇帝とやらを残したまま、港から次第に離れていく**]
/*
成る程、成る程。
他に戦闘したい人もいるのかな。
一応布石的に中央区のまま目撃しておこう、か。
流れ次第でもかまわないよ。
成る程、その可能性は高いな。
我も先ほどまで単独では行動していたが、慎重であるのは変わりない。あの裸の皇帝にはそれが無かった。
まあ、アサシンではないだろう。アサシンはもう少し賢い。
[アーチャーが賢くないという事ではない。あれが暗殺者であるという事実を受け入れられないだけだ]
中央区はやはり集結し易いな。気をつけよう。
ふむ・・・・・・最も可能性が高いのは、宝具の暴発か試し撃ちだな。どちらにしろ魔力の無駄遣いには違いない。悪い話ではない。
龍脈についての案だ。
無論、元勢宮を占拠し境内に居を構えるのが最も効果的だ。
しかしそれ以外の方法について説明しよう。
これは我が魔術”セーレの転移魔方陣”だ。
二つの魔方陣を生成し、転移元と転移先とする。
転移元を元勢宮、転移先を我が手の甲とする事により、今我の手の甲にはわずかに龍脈から流れ出す魔力が注がれている。
最もこの魔方陣は即席だ。あと数時間で消滅する。
だが、これをまさに元勢宮全体を囲むほどの大きさで、しかも数日持つ程の物を作ることが出来るなら。
そうすれば、元勢宮に居を構える事なく龍脈の恩恵を得ることも出来るかもしれぬ。転移先は山奥の宮殿でも構わぬわけだ。
無論、リスクは高い。この戦術には時間もかかるし、施術はすぐに他の魔術師に感知される。さらには話題の中央区だ。
施術中に戦闘になる可能性は高い。
しかし成功し離脱さえ出来てしまえばこちらのものだ。
さて、君はどうする。
施術か占拠か、それとも他を当たるか。他に宛てはあるか?
[またもや少し意地悪な表情を浮かべ、アンネリーベの返答を待っている**]
―埴市・中央区→―
[ざわ、と背に走るような厭な 感覚に気づく。
――サーヴァントの気配。
すぐに分かる、これは昨夜も大学で会ったものだ。
あまり近づかないようにすり抜ける。
既に北に向かったバーサーカーについては
ユダの感知範囲外だった。]
(ある程度見たら、戻るか)
[信号待ちの人に紛れ一度立ち止まる。
魔術師である玖珂 諒一が――丁度対角線上、
道の向こうに、いる位置で**]
/*
現状マスターの人からは
「狼側がやりにくいなら
>all
ライダーさんか俺かは1日目中に死ぬ必要があるので
明日誰か一戦設けませんか
ガチンコでぶつかってもいいですが単独行動中の俺かライダーさんを倒す形でもおっけーです。
こんな感じのメモを貼ります」
とのことですが、大丈夫でしょうか。
/*
やりにくいってわけでも、ないけども!
一戦交える場合は何時くらいになるのかなあ。
というのもあったり。
と悩んでいたら返事が遅くなっている申し訳ない。
/*
やるとしたら多分25時回る予感ですが、
死亡扱いなので発禁時間の制限はないです。
単独行動中であれば一方的に殺害で構わないそうです。
1時間あればいけるっていってました。
/*
皇帝おきてた !
で、は。任せる。
早々にばれてもっていうか
おれもだいぶん だだもれっぽいログになっているからな(読んでれば
/*
ではアーチャー組とチームという形でよろしいでしょうか。
それとも単独行動で別々という形かな。
ライダー自体は南下中なのでこのまま皇帝とドンパチできますね。
/*
承った。
マスターは深夜遅くまでは微妙のようなので
単独でお相手する事になると思う。
乱入する事もあるかもしれないがそれはそれで
基本は吾がぶつからせていただく。
―南区/川津港―
[ハンカチが、風に乗せられて外れる。
丸見え――は、皇帝が起き上がる事で阻止された。
座禅のような体勢で、濡れた髪先から雫を滴らせる。]
…………く、くく。
[ただ一度だけ、武を交えた、己とは違う統率者。
――片や怪物であり、片や信徒の王と呼ぶが正しい記し。
異質の力を持って侵略を阻んだ公爵。
正当なる王の資質を以って滅びに抗った皇帝。
そして、遭遇した二人は――。]
隻腕の女といい、先の男といい
なるほど、この戦の英霊共は、吾を愉快にさせてくれそうだ。
この高揚は――くく。奴羅に会った時以来か。
[男は笑い、濡れそぼった体の上に溶鉱で鎧を象る。
次いで、海に棄てた筈の外套が、男の身に舞い戻った。
赤をはためかせながら立ち上がり、沈もうとする陽を眺める。
斜陽は、皇帝を照らし、輪郭を色濃く縁取った。]
僅か。
僅かばかりではあるが。
……興味が湧いたぞ。
――吾が感謝をくれてやる。英霊共。
[少女の魔術師が遺したハンカチを手に取り、懐へ入れる。]
これで二度。
次こそは戦場で、貴様の道を見せて貰うぞ……!
[鎧がでろりと熔けた。
興奮し過ぎて回線をつないでしまったらしい。]
フハハハハッハハッハ!!!!!
[皇帝は、高笑いをしている。
裸の下は、なにもない。
なにもない男が、夕日に向かって笑っていた。**]
―中央区:駅周辺区域―
[誰一人己のことを知らぬ
ひとの流れの中に在って
ユダはふとショウウィンドウの前立ち止まる。
最期の記憶からは
若すぎる青年の貌(かたち)が映っていた。]
―――― 、 …
[表情が僅かに歪む。
笑みに似ていた。]
(――なんの皮肉だかな )
[イエスの、復活だか、そんな予言と―――似て非なるかたちで裏切りのユダは此処にいる。]
[本来英霊に在るべからざる]
[けれど澱みと渦が手を引いた]
[戦う術持たぬ筈の身に
その名通りの力を与えて]
[この地に在るのは穢れた盃。
だが確かにかの力在ってユダは此処にいる。
それはマスターである偽一よりも誰よりも、
彼自身が知っていた。
己の存在を掴むように
緩やかに手を握った。
望みは、ひとつ。
眸の奥で深黒と
微かなあかが揺れた。]
[動く気配はあったろうか。
あってもなくても
ユダは再び動きを開始する。
玖珂とすれ違ったが感じとるのは難しい。
日はやがて傾いて、
黄昏色に町は沈み始める++**]
/*
因みに
当イスカリオテのユダは
「シカリオス→暗殺者」の意味合いを強く持ち
熱心党の思想を持つユダです。
[暗殺者《イスカリオテ》のユダ]
[熱心党《イスカリオテ》のユダ]
[独立を願う レジスタンス]
[神と係わり ユダヤの国を]
―埴市・中央区・ファミリーレストラン―
[ユダが偵察に出てる間、偽一は駐車場近くのファミリーレストランで、時間を潰していた。
元勢宮から外に出れば人通りは多い。レストランも賑わっているし、魔力を遮断していれば、そう簡単に目星はつけられないだろうと踏んでいる。]
まあ、顔を知られている場合は少しまずいが、この人ごみの中なら、何とかしのげるだろう。
[日が暮れる中、吸っていた何本目かの煙草を灰皿でもみ消す。喫煙席にしておいて良かったと、偽一は思った。**]
/*
わかりました。
ではマスターにはその旨伝えます。
多分うっかりユダくんにSATUGAIとかされても
文句いいそうにない(むしろ喜びそう)なので
呟いておきまます。
ライダー自体は22時前後からいますが
マスターは昨日同様25時すぎないと
現れない可能盛大です。
/*
あれ、ひょっとしたら私が日本語間違えて解釈しているかもしれない。
皇帝が殺害なさるのはマスターを、ということでいいのでしょうか。
それともライダーをという扱いなのでしょうか。
後者かと思って喋っているのでした。
日本語不全!
/*
すみませんすみません(土下座
あと、赤にいて悩ましいこととかあれば適宜こちらでお問い合わせいただいて結構です。
コレ矛盾してね?とか十分ありえるのd…
タイムリーなお返事は難しいかもですが
なるべくのぞくようには致します**
/*
分断なら例えば
一度は中央でこちらがマスターと戦って、
港の方では皇帝がライダーと戦って、
マスターとライダー合流してもらってからとどめ(皇帝?)とかでもいいかもしれないがいろいろだな。
了解した、問い合わせはこちらで、だな。
おつかれさま。
/*
ふと思いついたんだが
吾がライダー倒してからMr.12が諒一をANSATSUしてしまうのも
形としてはありだと思うぞ。
この辺りは案として。
殆ど同時暴露になるのが悩みものだが。
後は、やはりライダーTの希望次第であろうな。
とりあえず吾は22時頃から着けるよう準備しておく。
―埴市南区/川津港―
[落陽。
満ちていた光が夜に食われる境界の刻限。
ソラは赤い血に染まり、夕暮れと呼ばれる景色を作った。]
思えば遠くに来たものだ。
幾度かの遠征でも、このような島国は知らなかった。
[黄昏の赤が、宵に洗い流されていく最中
男の背負った外套だけが、紅蓮を保っている。
浮かぶ月は二つ。
落陽により生まれる月は、二つ。]
/*
こんにちは皇帝。
嗚呼、なる、ほど?それもありか。
同時バレだがおれはログで赤側
ダダ流し状態(のつもり)だったので
問題は。 ない。気も。
希望次第だな。おれも反応はいつでも。
[いくらか歩いていればいくつかの令呪の反応に気がつく]
…人が多いからかしら。
令呪の反応だけが頼りなのに。
これじゃどれがどれなのかわからなくなるじゃないの。
[足を止める。既に日が傾いていた]
だめね。見失ったみたい。
[ひとつの反応を感じ取れなくなるとセイバーを見上げた]
人が多くてどれがそうなのかわからないの。
仕方ないわ、霊脈がありそうな場所に行きましょう。
力のある魔術師でも、サーヴァントを扱うのには少しでも負担のかからない場所がいい。
集まってくるかもしれないもの。
[ムラト2世の治世が終わった、と報せがあった。
次代も決まっていない帝国にとって、報せが意味するところは一つしかない。側近の宮廷奴隷の言を受けて、メフメト2世は一言呟いた。
「間違いなく、面倒事になるな」
帝国を継ぐ候補は二人。
メフメトと、その弟であるアフメット。
メフメトは幼少の頃に、一度在位した事はあった。
しかし、ムラトの気まぐれ故の、即席。
実績を挙げた訳では、もちろん無い。
それに、オスマン家は宰相の暗躍により、不穏が満ちていた。]
[一夜を明けず、メフメトは一つの選択をした。
皇帝の家柄とは言え、まだ民草であった彼の選択。
それが始まりであり、そして最後であった。
「行くぞ」
困惑する側近を連れて、メフメトは宮廷を出た。
その夜から半日、メフメトは姿を消した。]
[彼が姿を現したのは、夕暮れ。
ムラトの死と、カラマンの動きに動揺する民衆の前に
オスマンの旗を掲げて現れた。
その腕に、アフメットの首を抱えながら。
黄昏よりも紅く、血に半身を濡らして。
「困惑の必要も、臆する必要も無い。
見よ。この通り、国の跡継ぎは吾と決まった。
吾が、今よりこのオスマンの皇帝である」
――始まりは、些細な決断。
それより先、彼は民衆の求める統率者であり続けた。
繰り返し繰り返し、その身が幾度血に染まろうとも
皇帝は、旗を掲げ外套を翻し、笑い続けた。]
[ぞわり、と感覚。
背筋に流れる汗。
膨大な魔力と、この世ならざる風。
――サーヴァントだろう。
慎重に周囲をうかがう。
攻撃的な意思はおそらく、ない。
相手がこちらを認識していない…
か、相手にする気がないか。
令呪に疼きはない。
マスターは近くにいない…?
相手も情報収集か何かか。]
―埴市南区/川津港―
[メフメトは、何かを待つように立ち尽くしている。
祖国の旗を真似た外套が、闇の中でまた一つ揺らいだ。**]
―埴市・中央区・ファミリーレストラン―
[闇に沈んでいく街並みを眺めながら、これからどうしたものかと偽一は考える。
北区の寺院や遺跡群を調べるには、少し遅すぎる気もした。
先ほど携帯で撮った文字を、調べてみるべきだろうか。
そんな考えがふとよぎる。]
廃墟にもある程度文献は置いてあるから、帰宅するのもありだが、ネットが出来る場所で調べてみるのも悪くはないな。
[偽一は、窓の外の通行人たちを眺めながら、ぼんやりとそう思った。]
[まだ人通りがある。
ゆっくりと闇へ向かう赤に照らされた街。
どの人影がサーヴァントかはまだ判然としない。
気配を探る。
魔術回路を開けば分かるかもしれない。
だがそれは自殺行為だろう。]
―中央区:雑踏―
[フードを引き上げ覗かせた、くらい色の眸が
不審な動きをするひとりの青年に縫いとめられる。
何かを。
誰かを。
探しているようか?
気配遮断をしている己の気配に、ではあるまい。
遮断した気配すら感じられるタイプの人間か?
魔力を感知しようとするが
感じ取ることは難しい。
確かめるつもりで
そっと近づいていく。何気なく。]
[気配をうまく絶っているのか。
違和感の出所が探れない。
だがこの地のものでない風は吹き続けている。
ゆっくりと首を振り、身体を動かし、周囲を観察する。
と、一人の男と視線が合う。]
…!
[動揺が目に現れたかもしれない。
こちらを見ている。
あいつか?
こちらの動きに不信感を持ったか。
それとも令呪の存在に気付いたか。
彼の気配に気を取られて魔力遮断がおろそかになったか。
…血が足元に集まるのを感じる。
逃げるか。
いや、それは無理だろう。]
[こちらを見る男が在る。
雑踏、人が行き交う中
いくらか距離を開けて立ち止まる。
軽く地を蹴れば一瞬で詰められる距離。]
どうした?
――…… 何か探しているのか?
[薄い、笑みに似たような表情で
空々しくも聞いた。
片手はポケットに入れたまま。]
[恐怖を感じた時一瞬身体が動かなくなるのは、どうにかならないものなのだろうか。上半身の体温が下がっている。目がやたらと乾く。この一瞬が命取りになる時もあれば、この一瞬で考えがまとまることもあるのだろう。
左手を握り込む。
今自分が置かれた状況は…
相手の状態と意向次第では「詰み」に近いものだった。
だが、何ができるかは考えておくべきだ。]
…まぁ、慎重を要する暗殺者という言葉の印象からは掛け離れてるね。確かに。
[他のクラスでも、勿論単独行動を持ちうる英霊はいる。が。
まぁ慎重を期すならば、そもそも全裸になり得ないだろう。間違いなく。
念の為に背後の気配から意識を逸らさぬ様にしながら、港から離れる。]
宝具の暴発か…試し撃ち?
…私だったら、そんな事そもそも許容しようと思わないけど
――どんな物好きなの、それ。
[念のために釘は刺しておく。唯でさえ魔力が十分とは言えないのに。
・・・しかし勿論サーヴァントとマスターの関係が成り立っていない可能性は無きにしも非ずだが、それにしたって、周囲に威力を知らせる様な事が悪手だということぐらいは恐らく想像つくだろう。
どんな理由があったのか――理由ははっきりしないが、意味深ではある。
…いやまぁ確かに、単独で行動し続け慎重な行動からは掛け離れた英霊に
心当たりが無い訳ではなかったが、――憶測の域を出ない。
この推測が万一当たっていたら、あの規模、あの威力。どう考えても厄介過ぎる。
それを念頭に考えるのであれば、あの場で分かれたのは
幸いだったのかも知れない。小さく溜息をついた。]
無論我も物好きにも程があるとは思うがな。
マスターの魔力が高く英霊の燃費がいい場合、可能性はゼロでは無い。
[それでも自分たちの存在を知らしめるかのような行為はナンセンスだ。
そんな愚行に及びかねない英霊には既に出会っているが、こういうものは純粋な出力だけでは脅威とは考えていない。警戒は必要だが、それならば攻撃力が低くても優秀なアサシンのほうがはるかに脅威ではある]
っていうかなんで張り付いてるんだウチのサーヴァントは!!!
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
おめおめと部屋の掃除もできやしないwwwwwwwwww
[もう距離は近い。
ひとつひとつの動きの追うが、他者の意図を読み取るには限界がある。少しの揺らぎが恐怖を生み、しかしその恐怖は自分に周囲を見る時間をくれる。
まだ人通りがある、街中。
こちらから敵意を表すことはできない。]
あんたは、この街の人じゃないのかい。
―中央区:雑踏―
――へえ。風が か。
[彼は、知っているのだろうか。
聖盃の穢れているのを。
その気配に、ユダのそれは少し似ている。
今は絶っている、それは。]
詩を編むような 事を謂うんだな。
[ポケットの中、掌には銀貨。]
ああ。
…つい最近 此処に来てな。
街のことはあまり詳しくないんだ。
[前髪の影から片目が覗く。
暗い色をしたそれを細める。
人通りは途切れない。]
そちらは――… 詳しそうだな。
[上半身が冷たい。
汗だけが噴き出して、少し寒い。
人通りは途絶えない。
恐怖に負け令呪を使いそうになるのを堪える。
左手にも汗をかいている。]
…この街の出なもんでね。
変わったことがあると、気付きやすいんだ。
例えば普段はこんな街に来ることのないような人たちが多くこの街を訪れるとか…
そういうことがあると、分かることもある。
…ふぅん。つまり、その魔法陣は今元勢宮に繋がってるって事?
[示された方陣に、翠を向ける。
通りで、此方の魔力の消耗が若干緩やかになった訳だと納得する。
昨晩目星をつけていたのも、強ち間違いでは無かったと言う事になる。
…さて、しかしあの場所は男の言うとおり中央に位置する場所だ。
…その上、宮という場所柄を考えても非常に判り易い。
同様に霊脈を抑えようとする者たちがいれば
鉢合わせる可能性は非常に高い場所という事でもある。
その状況で、時間の掛る戦術を難なくすませる事が出来るとは到底思えない。
が。]
――他に宛てが無いって判ってて、
それを聞くのは卑怯だと思うけど。
[…この表情は、好きじゃない。毎度少しだけ腹立たしい。
む、と明らかに不機嫌を滲ませた色で相手を見やりつつ
暫しの後、大きく息を吐きだした。]
…その選択肢なら、施術かな。
[居を構えるのには、宮という形式を既に持っている以上どうしても目立つ。
近辺に人通りが多い事も考慮すると、一般人を巻き込む可能性も増える。
それは、絶対に避けたいのだ。
そもそも、自分の魔術は籠城にも攻城にも向いていない。
居を構えた所で、目立つそこに居座り続けられるかは正直怪しい。
…のであれば、最早選択肢など無いに等しかった。]
ただ、成功しようとしまいと、これで探索は止めないからね。
…万が一を考えて、第二、第三を探して抑えるのも悪くないでしょ?
…ってゆか。
その方法を説明したって事は、占拠の選択肢なんてあってない様なものじゃん。
[ぽつ、と一つ文句を零して、眉を寄せる。]
燃費?
――あの規模の宝具で燃費がよかったりしたら、
ほんと、反則。
[戦争に、卑怯も反則も無いのは勿論重々承知しているが。
まぁ、手の内が多少知れているだけでも、対応が取れない事は、無い。
今の内に考える必要があると、内心決意する。
…相手がどう思っているか知らないが、
正直、己にとっては火力がデカイだけでも十分な脅威だ。
宝具どころか、通常のそれを受けただけでも死にかねないのだから。]
―中央区:雑踏―
[対峙する青年二人、
そこだけ異様な緊張感がある。
ただ。片方は薄く哂って。]
興味深いな。
聞かせてもらえるか?
[普通の反応ではないと、見定めながら。]
――それは。
今も。
[首をほんの少し、傾ぐ。
ポケットから手を出して、ゆるりと下ろした]
[後ずさりしそうになるのを堪える。
後ずさりはこの場から逃げたい衝動。
背中を見せる、の次にやってはいけないことだろう。
右手で左の手首を掴む。
不安と恐怖を殺すように。]
…そんなに特別なことじゃないさ。
あんただって、故郷へ行けば持つんじゃないか。
似たような感覚を。
どうだろうな。
[故郷。遠い小さな村。
此処とは似ても似つかない。
願ったのは己の属する民の帰る場所。
歪な自嘲か、嘲笑か、微かに浮かべて]
さあ。
此処からは随分遠いから。
――当ててみるか?
[銀貨はまだ影の上に落ちない。]
卑怯とは心外だな。
これが最善の策かどうかと言われれば疑問は残る。
元勢宮よりも占拠し易い、龍脈の通っている地は稀に存在する。それにともかくリスクが大きすぎる。
無論、君も危険に晒すことになる。
ただ一つ、朗報はある。
[手の甲にあった魔方陣が消えていく。邪魔されたのではなく、あくまで時間切れだ]
今日出会った英霊や他のチームは、あの龍脈に興味が無い、もしくは魔方陣を放置した。つまり、元勢宮に価値を見いだしているのは我々だけという可能性が高い。
戦闘は起きるかもしれないが、多少気は楽になった。
[裏を返せば”魔力不足が深刻なのはキャスターチームだけ”という事になる。やれやれ、と魔方陣が消えた手の甲を見ながらため息が漏れる]
贅や魔方陣による魔力の供給で今は多少ましになっている。それでも他の英霊が全力で仕掛けてくれば遅れを取るかもしれぬ。覚悟せよ。
[気が付けば陽も低いところに位置していた。もうすぐ夜が訪れる]
―中央区:雑踏―
褒められるのは悪くない。
[ちゃり、と掌で銀貨が鳴った。
不意に風が吹く。
玖珂には何か感じるものがあるだろうか。]
――…何をそんなに怖がってる?
[眼を細めた。
少し、人が多すぎる。
目立つのは、本意ではない。――が]
ってことは、やっぱり外国の出身か。
[隠しようはないか。
恐れの表情は人類に普遍的なものだ。]
…日本人ってのは、異文化に恐れを抱くものさ。
こんな田舎で育ったものならなおさら。
嫌悪もあるが、それでもここは俺の故郷だ。
なんとも言えない感覚になるよ。
こういう時にはな。
――
[風に晒されながら、皇帝は考える。
澱みにいるもう一人は、何故、と問うた。
盃の泥を食らう者。
意味するところは定かではない。
しかし――さりとて。
夜に照らされて、皇帝は昔日を思い返した。]
奴等と同じ、
「鬼」 か。
[呟きは、滲むように広がる。
溢れ出し這い回る、焔とはまた違う、赤。
御旗に吸う、血漿の。]
[思い返すは、ただ二人。
皇帝としての位の最中、連鎖の退屈を忘れさせた二人。
皇帝となる前、読み耽った歴史書の体現とはまた違う
されど、己の前に立ちはだかった二人は、―――。]
[仄かに呼び掛ける、澱みの深部。
明確な声は、まだ聞こえない。
されど、感じ入るものは、確かに
彼が此処へ繋がれるに、相応しいにおい。
僅かだけ、わらいが混じった。]
[銀貨握る手とは逆の手で
つい と 少しだけフードを引き上げる。
先程よりは顔が良く見えるだろう。
赤み帯びた黒髪が風に揺れた。]
異文化はよくよく
牙を剥くものだからな。
[く、と笑みともなんともつかぬ息と声の狭間]
嫌悪を抱きながら
「こんなとき」に?
「ここ」へ?
[嫌悪しながらも違う感情を抱く。
覚えがあった。嫌悪であり嫌悪でなく。
けれど裏切ったのはあちらが先。
王たりえなかった、かれは。
己は。故郷を。解放を。
帰れる場所を。願ったというのに。
だから。]
「どうして」「ここ」に?
……何もかも、疲れたと想っていたのであるがな。
[ユダヤの侍医は、問うた。「何故」と。
それでも皇帝は、一つの小袋を差し出し、退屈そうに告げた。
「疲れた。吾は、そろそろ解放されたい」
混乱の種は、摘んである。]
[だが、それでも己が仕える皇帝に、侍医はなおも問うた。
何故私なのか、と。
メフメトは、静かに笑った。
「お前は、俺の怪我を治したからな」
ユダヤを嫌うも嫌わざるも、凡庸な皇帝には無い。
だからこそ、オスマンにはムスリム以外が住まうのだと
含ませた水を飲むまでに、僅かの時間、語って聞かせた。
全ての、最期の他愛無い話が終わった後
侵略の限りを尽くした皇帝は、呆気なく死んだ。]
――、…
…疲れた? ―― …
[意味をはかりかねたように。
問いかけ。それは。
波に伝わるか伝わらざるか]
憧憬と惧れと、ああ。
――俺の血を湧き立たせる「鬼」に、
もう一度会えるのなら。
[――この愉快、食らってやろう。
思念は、澱みに隠れて潰えた。]
………
人の世は、吾の望まぬ「鬼」ばかり。
吾の望む「鬼」は、魂と躯にしか刻まれてくれなかった。
……それだけの、話だ。
[波は、打ちよせを返す。
滲み出る赤は、一回り大きく、よどみを掻き混ぜた。]
それにしても遅いな。何かあったのだろうか。
今のところ自身の魔力に変動が無いので、戦闘になってはいないのだろうが、気になるな。
[だが、様子を見に行って、すれ違いになるのも間が抜けているとも思う。]
……ま、通行人見る限り、フードをかぶっている男は、あまりいない。気づけない事はないか。
単独で動くのはちょっと不安だが……。
[偽一は無意識のうちに、ジャケットの内側へと手を滑らせ、ショルダーホルスターに収まっている拳銃に手を触れる。
べレッタM92F、義父の手伝いをしていた時に持たされた銃だ。]
僕の魔術は、言うなればただの嘘、偽物みたいな物だからな。
直接的な実行力となると、こう言う物に頼らざるを得ないが……。
[あまり、雑踏の中でべレッタを抜く状況を想像したくはない。]
[刻まれた。
思うはイエスという名と存在。
離れるはずもない。
鬼。とは。何だろうか。でも。]
鬼だろうが
なんだろうが
構わない。
[《生まれないほうが そのもののためによかった》
そんな言葉は認めない]
ここ、 に 再び
在れるのであれば。おれは。
[澱みは影に落ちる。色濃い、深い、
現世の影に。]
消えて欲しくはねーなあ。
これは、俺のものだ。
[もう一つの声の願い。
具体的には推し量れねども、黒の深さは、共に底へ。]
……
貴様は、在れるだけで良いのか。
それもまた、選択の一つなのであろうが、
[続きは、波紋に掻き消えて、届かない。]
なら そのまま持って行けばいい
[お前は違う。
そんなふうに謂った時と似た調子で]
――そんなわけがあるか。
在るはずがなかった
こんなところに
こんなかたちで喚ばれるなど
在れるならば
在れるからこそ
この手で
…――叶えたい願いがある 、…――
[聞かせるためでなく。呟きは低い。
清濁正負混在した絶望した革命者《イスカリオテ》の願い]
/*
この人理解者居たんだろうか。
居ない気がする
居たと思ったけど
王じゃなかったので(イエスのことね)
絶望した。みたいな。
[最後の呟きは、聞こえない。
されど、それまでの呟きに乗るのは、悲願のいろ。]
――在るはずがない、とは。
誰が決めたのだ?
……何を為したいのかは、まだ聞かんが。
民草は、何も無きが故に支配者を撃つ。
そのような諺もある。
破るのはいつも、渇いた獣であるということよ。
獣である以上、そこで息をしている。血を啜っている。
それは、屍には出来ぬ行いそのもの。
――それに。
―埴市南区/川津港―
[皇帝の背に、幾つかの溶鉱が浮いている。
それらはまだ形になっていない、赤く濁った、朧の星。
ひとつ、ふたつ、みっつ。
増やしては消し、消しては増やし。
立ち尽くす皇帝と錆色は、宵の海に歪んで映った。]
…――理屈など無く
分かることもある。
…――お前の許可など、 知らない。
[皇帝だろうが、関係なかった。]
むう。
吾は皇帝だぞ。
[澱みには不似合いないろが浮かんだ、が、気を取り直し]
理屈は己が彩るものだ。
それがない、という事は、
……
貴様にも事情があるのであろう。
みなまで吾が言うまい。
それを知るも気づかぬも、貴様の道である。
選ぶ道は関係なく、道を選び、歩むことこそが尊い。
無論だ。元勢宮での施術が成功したとしても、解除される可能性は残る。
アンネリーゼの言うとおり、探索を続ける事に賛成だ。
[ふん、と息が漏れ]
成程、なぜ我がアンネリーゼに呼び出されたか少しだけ理解した。これは滑稽だ。
[眉をひそめるアンネリーゼとは裏腹に、わずかに上機嫌な表情を浮かべる]
―果樹園・有栖川邸―
[神経も参っていたのだが、やはり体も本調子では無かったようでぐっすりと寝ていた。
魔力も満タンとまでは行かぬが大分回復したようだ。
相変わらずアーチャーの気配は無いままだが・・・
一つ大きな伸びをすると、ベットから立ち上がった。]
ふん・・・朝のことは悪夢を見たと思うことにしようぞ。
さて、我が英霊はまだ放浪しているのかのぅ。
[ベット脇のテーブルに朝食の残り(アーチャーガ食べなかった分)を、並べると食欲を満たし紅茶で人心地つく。]
―・・・そうであった!手紙を送るのじゃったな。
『 ―川津教会・監督者殿
此度の聖杯争奪戦に参加表明する。
他マスターに教会での参加表明を妨害されたので
書面にて失礼致す。
マスター。フェリシア・有栖川 』
ふむ・・・こんなもんでよかろ。
アーチャーを探しがてら教会に投げ込んでおくか。
[上質な封筒に令呪を写したポラロイド写真を同封
有栖川の家紋の蝋印でしっかりと封をした。]
…おれにとっては、
お前は皇帝じゃない。
[実際目の前にしていたら
横目で睨めつけていたであろうような声。
確かにカリスマと呼ぶべきもの感じるはあれど――]
澱みに居る 名も知らないだれかだ
[口にはしなかった。]
――……。
[語る言葉は胡乱気に聞いていたようだったが――]
…覚悟は元よりだってば。
安全圏から高みの見物が出来るだなんて、頭から思ってない。
[そも龍脈の通っている地が、勿論此処だけだとは思っていない。
…だから探索は続けるとまで言ったのだし。
危険を避けられるなら、勿論それが最善手だろう。
がそれは己の技量が危険を避けられる手段に伴っていればの話。
――それが無いのであれば、身体を張るしか無いのは初めから理解している。]
魔方陣を放置した。…つまり、こっちの狙いがバレた可能性もあるって事よね。
…今日貴方が会ったチームって、昨日幾つかあった人達とは別?
[昨日会った内の中ならば、自分の顔も知られているだろうが
それ以外ならば、逆に自分との繋がりすら判らない事になる。
対応の方法が違うだろうと、そう問うて。
…地へ落ちる影が闇に飲まれていく。そろそろ戦争の時間か。]
[支度を済ませ、ついでにとばかり冷蔵庫から
高級栄養ドリンクを一本腰に手を当て飲み干した。]
我が英霊殿が戦闘態勢に入っても困らぬように
しておかんといかん。
マスターの嗜みを忘れてはいかんのぅ。
[戸口の「スーパーカブ」に跨がると、悪夢の果樹園を見ぬように走り去り、ひとまずは教会へ]
………
貴様が何者か。
貴様が何を想うか。
仮初か、現実か。
在るか、在らぬか、是非は問わねど。
その道が、真(まこと)であったと三者に証明されたなら
貴様は、貴様の歩む道と共に、確かにそこに在れるであろう?
貴様が、在らぬと信じれど、な。
……え、ちょっと、何。
一人で納得しないでくれない?
[勝手に何かを理解されて、何に上機嫌なのか知らないが
滑稽と言われて軽く流せる物では無い。
…褒められているのか何なのかさっぱり理解出来ないではないか。
判る?と問いた気に、犬へと一度視線を落としたが
さて愛玩犬はどんな反応を示したか――。
商店街を超えたあたりから、周囲から伝わる聊か賑やかな空気に
中区に入ったのだと理解する。]
確か教会前でフードを被っていた男だ。髭を生やしたマスターもいた。
こちらの狙いに気が付かれた可能性は否定はしない。
これも危険度が高い要因ではある。
[そう言いながらも、ふと気になったことがあった。
アンネリーゼは、何故これ程魔力に不安がありながらも今回の戦争に参加をしようと思ったのか。
そういえばまだ願いが何かを聞いていなかった気がするが、今は他に為すべき事が多い。その疑問は次の機会に取っておくことにした]
[アンネリーゼの視線を感じたのか、まだ毛が少し湿っている愛玩犬がアンネリーゼの顔を見上げ、ソロモンには聞こえないように思念を飛ばしてくる]
犬『英霊が呼び出される要因はいくつかある。君が聖遺物を持っているか、召喚者と英霊が似ているか、もしくは・・・・・・王にとって重要な何かを君が持ち合わせているかだ。
少なくとも私から見て王とアンネリーゼは良く似ていると感じる』
…。
物好きが。
それも皇帝のたしなみか。
[やや困惑も混じる。]
おれは、べつに。
……頼まない。
勝手にしたらいい。
[姿も知らぬくせによくいうものだ―――と。]
[フードを被っていた英霊と、ひげを生やしたマスター。
自分の知る限りでは一組しか思い当たらない。すぐに理解する。]
…あー、あのおじさんたち。
――ちょっと厄介かもね。
[英霊の正体が知れないのも勿論、…だが。
あのマスター、正直何を考えているかさっぱり分からない。
セリフが大仰しいというか、…つまりは裏がありそうな気がして苦手だ。]
長物の武器。――妥当に考えるなら、ランサーだけど。
…それだけじゃわっかんないか。
は。
皇帝の嗜みではない。
俺の嗜みだ。
[カラカラと笑うねいろは、澱みを揺らす。]
そうかい。
ならば、吾は吾の好きにさせて貰おう。
貴様も、貴様の好きに歩め。
――目を放してはやらん。決してな。
[焔の思念が想うは、――さて。]
……ええー…?
[あえて犬が聞こえないように思念を飛ばしたと言うのに
思わず口からすっごく不満げな声が出た。
前にも言った通り、聖遺物は持ち合わせていない。
重要な何か、ってなんだそれは。まぁそれもきっと無い。
だからとはいえ、…似てる、と言われればそれも疑問なのだ。
ルームサービスは無遠慮に頼むし
今もあの金のネックレスは何なのかと思うぐらいには自己主張激しいし。
……私あんなに自己主張激しい?と眉を寄せるも
…まぁ教えてくれたには違いない、それ以上は犬に対して目配せのみで感謝を告げた。]
―埴市中央区・駅付近―
[帰宅する人が増えているせいか、思ったより人通りが多い。]
僕は魔力回路を遮断しているし、ユダはおそらく気配を断っている。
幸い、照明が多いからそれほど暗くは感じないけど、見つけるのは骨が折れそうだな。
[令呪が薄っすらと反応し始めているが、偽一はまだ気づいていない。**]
―川津教会―
[不穏な輩が居ないか周りを確かめるとカブを止めた。
ドアノックを叩くも返事がない・・・]
留守のようじゃ。好都合!
とっとと手紙を置いてサラバじゃの。ほっほっほ
[手紙を郵便受けに放り込んだ。]
さぁて、何処に行くか・・・商店街は・・・よもや人混みの中で戦闘など起こらぬとは思うが・・・止めておくが良策とみた。
ぼちぼち行くなら回っておらぬ所・・・「川津港」からか?
[暫し考えて、昨日の駐輪場にカブを預け自慢の二足歩行を駆使することにした**]
っ、
[澱みを揺らす、わらいごえ。
この濁りに似つかわしくないような。]
……へんなやつだ
[感想は率直。
なぜ笑うか、顔が見えれば眉を寄せていたろう。]
物好きが。
…謂われずとも。
/*
うぬ。
もしかして吾待ってなくても良くなったのだろうか?
ちょっとライダーTの望むところが読み取れていないかも。
[顔が見えた。
当然のことかもしれないが、知った顔ではない。
よく見るような顔、でもない。
外国の出身、なのは間違いないのだろう。
射抜くような視線と、斜に通る声が。
自分を突き続けていた。]
牙を剥かれた経験があるのかい。
[「違うもの」だ。目の前にいるのは。]
…レポートを書くためにね。
地域社会について勉強してるのさ。
[追い詰められているのはこちら。
やはり、恐怖や不安は隠せないものだった。]
・・・・・・ん?どうかしたか?
[振り返ると、犬と見つめ合っているアンネリーゼの姿]
57番がお気に入りなのは構わないが、そろそろ繁華街だ。
気を引き締めろ。
[中央区に入り、遅い時間とはいえ人通りが増えてきた。ソロモンも真剣な表情になる。
嫌な予感がする。
そんな王の後ろで、犬はぽつりと]
犬『王も生まれながらに強大な力を持っていた訳ではない。知略を巡らせ全力で生き抜いた。そういう事だ』
[とアンネリーゼに言い、その後はしばし黙っていた**]
べっつにー? …オセかわいーんだもん。
[此方を振りむく男の言葉を、適当に流し――
しかし繁華街だとの言葉には、一つ頷いた。
魔術回路のスイッチは、まだそれこそ入れないものの
…今からの時間、いつ何が起こったって文句は言えない。
もう少し、駅近くにもなれば入れる必要はありそうだと判断して。]
――…あんまり詳細まで詳しくないけどさ。
苦労してたんだ、王様っていうのも。
[犬の言葉に、こそ、と言葉を返す。
…そう言えば、ソロモン王が使役し、封じた72柱の話は有名だけれども
イスラエルの王としての、男を詳しく知っている訳ではない。
改めて調べる必要もありそうかな。と、一つ瞬いて――
ちり、と感じる魔力の気配に目を細める。やはり中区は集まりやすいらしい。
令呪も、何処か反応は示しているが、遠いのか方角も良く判らない。]
―中央区:雑踏―
[青年の表情を観察する。
教会で見なかった顔。
けれどこの反応は――十中八九。]
ある。
[それは短く、肯定し。]
それは 勉強熱心なことだな。
調べ甲斐があるんだろう、此処は少々
風変わりな 「教会」も、あると――
[銀貨、一枚、影に落ちて
音も無く飲まれ]
―中央区―
[既に令呪の反応は遠い。
元勢宮までたどり着くと足を踏み入れる]
ここの上に居でも構えたら便利そうね。
でも、他には何もなし、と。
裏手は学校があるみたいね。
[時刻的にもう生徒は残っていないだろう、と薄闇の空を見上げる]
――…、いるのかな。
[住宅街を抜け、己がバスを降りた小・中学校辺りに差し掛かった辺りから
僅かに濃くなる令呪の反応に、ゆるりと周辺を見渡す。
…しっかり意識しなければ、方角すら見失いそうではあるが
。
僅かな時間を掛け集中すれば、その気配が宮の方というのは理解出来た。
キャスターはそこで昼間に刃を交えた、とも言っていたが
…恐らく、今の時間まで彼らがいると言う線は薄いだろう。
なれば、他のチームという事になるが――…、]
…参ったな。
避けようにも――ここより先って、駅だし。
[駅方面を避けようとすると、宮の付近を通る事になる。
暫しの沈黙の後、…意を決して歩き出すのは元勢宮の方角へ。
駅の方にも気配はある、多くの人がいる中で戦闘になるのだけは避けたい。
…のであれば、必然的に選ぶ道は限られていた。]
[社の周りを歩く。人目があればセイバーは異質に映ったろうか。
鳳は気にせずに一周して元の位置に戻ってくる]
待って。誰かいるわ。
[セイバーを止めるように腕を取る。
令呪に反応がある。しかも近くに]
―南区/川津港→―
[周囲を舞っていた赤星が、不意に止んだ。
仰ぐように、空の頂点にある月を見上げる。
血色の外套。埴の夜に吹かれ、翻る。]
―――頃合、であるな。
[音無き荘厳を携え、オスマン帝国の御旗は進軍を開始した。
北へ、北へ。
単独の軍勢は、"敵"を目掛けて喇叭を鳴らす――。]
[令呪から感じる気配は一つだけ。
キャスターはと問えば、やはり感じる気配は一つ限りらしい。
アサシンのような、気配を遮断できる英霊という事で無い限りは
いるのは1組だと思って間違いは無さそう――だが。
なれば、1組だけで人入りも少ないこの場所にいる理由は何故か。
…深く考えるほど、思い当たる理由は多くない。
小さく舌打ちする。]
何処まで本格的かは判らないけど…同じ目的である可能性は、ありそ。
戦闘が避けられたら、それが一番いいけど、――“Inversion”。
[しかし此処まで来たら、此方の存在に相手とて気付いているだろう。
なれば、魔術を直ぐに発動出来ないリスクを背負ってまで、魔力を伏せる必要は無さそうだ。一韻。
それを合図に魔術回路へと、魔力を流し込む。]
―→南区/教会付近―
[進軍の道中。
皇帝にして将軍のメフメトに、一人の女の姿が映る。
信仰の家から現れた、己を必要だと言った魔術師。]
………。
"マスター"。
行くぞ。
……吾が"殺戮"の時間である。
[男の歩みは、止まらない。
告げ、なおも歩み出す。
行く先は、金座商店街の灯がちらちらと見えていた。]
[令呪が示す先、膨れる魔力の形]
こちらに気づいたみたいね。
戦闘になるかもしれないし、上から見てるわ。
私を抱えては戦えないでしょう?
[魔術回路に魔力を通す。
それは魔術を知る前に自然と知っていたこと。
同時に、短い詠唱]
――Spring force.three times.
[地を蹴るとふわりと身体が宙に浮いた。優雅な動きで社の上へと飛び上がる]
社の上に上がるなんて、ぶ、ぶれいものー!!(違う)
いや、っていうか。こう、
魔術回路に魔力を通したと同時に魔術行使は
wikiにも かいて ある のに
いいのかな、って!
…まぁ俺はぶっちゃけ全然いいんだけど←
―→南区/金座商店街―
ふむ。
異は挟まぬのだな。
[呟きは問いかけではなく、独り言。感想、といった体の。]
――さて、吾らが標的は何処か。
応えよ、……「 」。
[二音は、外套の翻りに掻き消されて消えた。
男は、一度進軍を止めた。
振り返る。背後についてきている女魔術師。]
屋根へ上がる。
貴様は如何にする。
吾と共に屋根へ上がるか、はたまた別の策を取るか。
選択せよ。
[手の内で、赤黒い輝きが渦巻きだす。]
[クリスティーナにつきながら、社の周りをうろつく。
周りがどう見ているかなどは、ほとんど気にならず、一周し切ると]
ふむ、特に問題は…どうした?
[反応に気付かず、制止させられて視線の先を追う。]
ふむ、心得た。この先だな。
抱えて戦えと言われれば、戦うが、離れておいてもらったほうが安心だな。
[そう告げて彼女が上に飛び上がるのを確認する。]
さて、相手はどなたかな。
[辺りの人気を確認して、剣を具現させた。]
――「鬼」よ。
――……貴様と吾の愉悦は、こちらで良いのだな?
[風に紛れて消えた、ちいさなちいさな、思念。]
[ 『吾が"殺戮"の時間である。』この言葉にはどのような意味があるのだろうか?
今までのリシアであれば、大騒ぎして問い詰めたであろう。
今は・・・信じている。何があろうと自ら選んだ英霊である。
「英霊を信じる事は自分を信じること」と、はっきりと確信している。
そして、自分が信じぬ限り相手にも信頼を貰えぬ事を悟った。]
…流石に向こうも気付いたみたいね。
[相手のマスターの魔術回路がオンになったことで
キャスターにもそれを捉える事が出来るようになっただろう。
――言うなれば、此方も同じ事だが。
そうこうする内に、元勢宮の入り口――鳥居の前へと辿りつく。
相手方がどんな英霊かしれない以上
出会い頭に攻撃を仕掛けられないとも限らない。]
…念の為に、“お守り”だけおいとこ。
[ごそ、とポケットから取り出したのは、
手の平サイズの、テディベアのキーホルダー。
…まぁ、保険のようなものだ。――使わないのが一番だけれど。
鳥居の影にそれをそっと置くと、立ち上がる。
犬が、先行するように僅か先を進む。
数段しか無い石段の一つ目に、足を掛けた。]
[社の屋根の上に腰掛け、下を見下ろす。
明りのないこの場所は黒の衣服を纏った鳳は視界に捕らえづらいだろう。
もっとも、魔術師やサーヴァント相手に身を隠せるとは思っていないが。
鳥居のほうに人影を見つけて凝視する。
何かを置いたように見えたが、それが何かまではわからなかった]
警戒は解かないほうがよさそうね。
―南区/金座商店街―
[――応えた。
「 」は、是と応えた。]
得物は如何にするか。
直接的な衝撃は望めぬ。となると、……ふむ。
[女魔術師を屋根へ下ろし、周囲を見下ろす。
吹き上げる風。人の雑踏。
安寧の灯が満つるその最中、人によく似たカタチはあった。]
[手の内に、夜を破る火縄銃のようなものを形作る。
握り締めた鉄の感触は、夜にも沈む闇色を湛え、凍えている。
熱を点すは男の血潮。
魔力が銃器へと流れ、火薬に代わり装填された。]
[右手に具現化させた白銀に輝く剣。
刃渡り70cm程度で、やや短い印象を与えるが、しっかりと魔力を込められている。
辺りのマナが震え、凍りつく様な感覚は、それが宝具であると分かるかもしれない。]
ふむ、やはり真名を開放せねばこの程度か。
出来る限り、宝具の情報は伏せておくほうがいいだろう。
[柄をぐっと握りしめ、警戒を強めた。]
避ける訳には行かぬようだな。
[指輪に手を沿える]
出でよ、1番と37番。
[指輪から昆虫と鳩が飛び出し実体化する]
さて、退けられるか。
[緊張感が体を支配する]
――…、相手さんはやる気っぽい、かな。…セイバー?
…言っとくけど、無理する心算は無いからね。
魔力だってまだ十分とは言えないし、…厳しいと思ったら、即撤退する。
[3体が実態したのを見やりながら、そう告げて。
幾らか奥へと進んだ視界の先、膨大な魔力を纏う一つの影。
それが携える剣を見留めて、僅かに眉を寄せた。
乗り込んだ以上、戦いを避けられるとは思っては、いない。
…いないが、苦々しくも思うのは――やはり甘いのだろうか、とも思う。
相手が、最良のクラスだと知れば、尚更。
ふと、令呪が示す方へ自然視線は上がる。
社の上に小さく見える影――は暗いのも相まって、よく見えない。]
……街中だってのに、結構物騒なモノ持ってるね、おじさん。
[離れている此の場所ですら、マナの震えが伝わる。
その存在感に、数十メートルの距離を保ったまま、声を投げた。]
さてと。お手並み拝見させてもらうわよ。
[セイバーの手に剣が現れる。
それは暗がりの中でも良くわかった]
相手は、……何か出たわ。
ライダーが乗るにはサイズが小さすぎるわね。
鳩のようだけど。
[昆虫のほうは視界に捉えることはできなかった]
−金座商店街−
[鳥たちの異なる歌を聴く。
不可思議なものが遠くなったと。
そしてもうひとつの別の声だ]
───莫迦な。
[彼等は風を読む。
そこにある何かを知っている。
ちりちりと、自分に流れ込む力の感覚が変わったのを感じた。
令呪を使えとは言ったが、使わない可能性を考えなかった。
正確には、回路を閉じている可能性があるということを]
[姿が見える。
使い魔らしきモノが三体。召喚されている様に見える。
女に声をかけられれば、じっと二人を見据えて。]
…戦とは常にそういうモノだ。ここに人は少ない。
セイバーのサーヴァント、参る。
[相手のクラスは分からない。
キャスタークラスが召喚するには、妙に心細い。
ならば、魔術師の使い魔と判断した。
今は距離を縮める事に専念して、全力で大地を蹴った。]
現代の魔術師の使い魔では、盾にもならんぞ!
[距離を縮めるために、障害物に対しては、剣で薙ぎ払うつもり。]
[視界に入るのは白銀に輝く剣。
その存在感に付近の空間が震える]
どうやら、相性は最悪のようだ。
[手を正面に突き出すと、3体の魔神がソロモンの前に出る。
そしてソロモンの手には光り輝く魔術書が現れる]
名乗りを上げるとは上等だ。だが付き合うつもりはないぞ!
[名乗らなくてもすぐに判るだろう。
そう考えながらも魔神に命令を与える]
37番、撃て!!
[声に呼応し、鳩の纏った炎が一回り大きくなる]
鳩『オマエ! オレ! マルカジリ!!』
[鳩が羽ばたくと、周囲に巨大な火球がいくつも現れ空中で停滞し]
鳩『キエーーーーー!!』
[周囲に響き渡る金切り声と共に、突進してくるセイバー目掛けて弧を描いて全て撃ちだされる]
…。
[勘がいいといえばそれまでだ。
だがしかし、人在らざる男のそれは野生の勘である。
周りに人の気配はない、あるのは]
(居る)
[自分を遠巻きに監ているもの]
[人の形は、急いで北上を開始したようだ。
アーチャーは銃を携えたまま、屋根伝いに疾駆する影を追う。
途中、一撃を背に向けて発砲した。
夜を、破裂音が裂く。]
ふぅん?
使い魔と見たけど…あの子のじゃなくてサーヴァントが操ってるみたい。
…キャスターってこと。
その割には……。
[どう見てもただの犬と鳩にしか見えない。
そしてもちろんもう一匹は見えていなかった]
風変わりな教会、ね…。
なくたって、別に困りゃしないのに、あるんだな。
そういうものが。
[対面した男の目が少し細くなる。
観察?敵意?それとも絶対的強者の余裕?
自分のことを聖杯戦争の関係者と疑っている。
それはどうやら間違いない。]
チッ
[舌打ちがひとつ。
先制攻撃もとるよりも先に、野生の勘が男を前に跳躍させた。
既に金座の通りは人が増えてきている。
このままでは人に流れかねないその音に
走る勢いをそのままに、手には得物。
地を破砕するその衝撃を利用して上に跳んだ]
…アーチャーか。
[屋根へと降り立ち、銃声の先を睨む手には巨大な戦のための鉞。
限られた魔力だけでどれだけのことが出来るのかわからない]
[空に浮かぶ火球を見つめ、小さな舌打ちをした。
完全に侮っていた為、まさかあの使い魔がまともな魔術を扱えると思っては居なかった。]
くっ、だが……
[剣を大地に突き刺し、方向を変え、再び大地を蹴り、紙一重で躱した。
被っていた帽子が落ち、燃え焦げた。]
ふむ、お気に入りだったのだが…。
随分と頭の回るサーヴァントだな。使い魔の見た目に騙される所だった。
[風を切る音と共に剣を振り下ろし、再びまっすぐ見据える。]
…手抜きは禁止か。
[服装を改めて戦闘用へと変化させる。
もう一度距離を縮める為に大地を蹴った。
今度は油断なく、使い魔の動きを見据えながら…]
まーわかってたけど…問答無用って訳。
[三体が前へと出たのを見やって、己は数歩退く。
さて、今日一日は然程魔力の消費はしていない――が。
…セイバー相手に、何処まで耐えられるか。
元より、サポートにも特化していない。]
こっちは、気にしなくていーから!
いざとなったら、一回ぐらいは逃げられるし。
[視線は、やはり屋根上から動かない――マスターらしい相手に向けて。
…姿や声からして女らしい事までは判るが、
それ以上はやはり暗くて判りにくい。
普通上がれる場所でも無いのだから、
あの場所へといる時点で、何かしらの魔術は使ったのだろうが――
屋根の上へあがる為の魔術、…少なくとも通常の五元素では無い。]
[フェニックスの火球がかわされるのを視認すると、すぐ次の動作に入る]
1番、奴の動きを拘束しろ!!
蜂『了解であります、御主人様!!』
[蜂の正面に、光り輝く魔方陣が現れる]
……あああやっぱり!!そわそわする!!
戦闘見ると動きたくなるんだよー!!11!
わざわざ攻撃も出来ない最弱の魔術設定したってのに(
これ見てると大人しく出来るか自信が無い(
やばい(
あー、あー。外しちまった。
やっぱり狙撃は慣れねえなあ。
[狙撃を避け、屋根へと上がってくる男。
その手には不釣合い――否、眼前の男になら釣り合う得物。
その刃が放つ輝きの縁は、どこか月の湾曲にも見えた。]
いかにも。
吾は弓引く者――という事になっている。
まあ、弓なぞ全く使えぬが。
[手の内の銃が、どろりと熔ける。
それは屋根に落ち、闇へと消えた。]
さあ――血に塗れよう。英霊。
蜂『
נהדר הטבע, לענות לשיחה שלי.
אמא של כל הדברים זה האווירה, הכל בא לפוצץ את הסערות.
(大いなる自然、我が呼びかけに答えよ。
万物の母なる大気よ、全てを蹴散らす嵐となれ)』
[短時間で完了する詠唱。そしてその直後、直径5M程の竜巻が現れ、セイバーを飲み込もうと進行していく]
[そして、ソロモン自身も詠唱を開始する]
ええ、手抜きはだめよ、セイバー。
実力を見せてもらうのだから。
[鎧へと変わる姿。放たれた火球でその姿を晒す]
やりなさいな。
私の魔力はそのためにあるのだから。
[と、何もないところから魔方陣が現れる。
光でその影が小さく見えた]
何か、いる、わね。
ここからでは見えないわ。
[あちらのマスターがこちらを見ているのに気づく。
けれど動かずに下の様子を見ていた]
弓が使えずとも、飛道具が得物にかわりはあるまい。
[手元の何かが蕩け落ちるのが見えた。
闇に消えるというのは己の持つ記憶には良いものがない]
血に塗れるのは御免蒙るが
手合わせ自体は望むところよ。
[力あるものと戦うこと自体は悪くない。
問題は場所が手狭であることと人が多いことぐらいだ。
北へ引き返すのではなく、海へ行けばよかったと後悔が過ぎる]
―中央区:雑踏―
此処に根ざしているというわけでも、なく?
嗚呼。まあ――どうでも、いい。
[教会への思いは複雑極まりない。
声に微かな陰り。
どうでもいいものに
どうでもいいなどとは、口にしない]
ההודעה הראשונה Harufasu שמונים ושלוש.
תעני לי על פנייתי, להעניק את הכדור ולהרוס את הכל.
(第三十八柱 ハルファス。
我が呼びかけに答えろ、そして全てを打ち砕く弾丸を与えたまえ)
[右手を銃のような形に構える。砒素指し指の先に魔法陣が現れ、魔力が集中していく]
הקללה של הכדור
(ハルファスの凶弾)
[漆黒の小さな魔力弾が、セイバーの動きを止めようと数発発射される]
ちっ…
[何やら嫌な感じのする魔方陣。
それでも距離を縮めなければ勝負にはならない。]
ならば、道は一つ…!
[魔方陣は無視して距離を縮めようと、そのまま先へと進む。
しかし、それがまずかった。
気が付けば目の前に存在する竜巻。
突破を試みてそこに飛び込んだ。
自慢の鎧が、傷付き、壊れ、自らの体を切り裂く。
それでも、距離を縮める為に、突破する足は止めない。]
[屋根伝い銃を構えたアーチャーが敵をおっている。
――相手の姿はリシアには見えず。しかし回路だけが周り一体全てと言えるほど反応している。
令呪の共鳴も然り、]
――そなたが王で民草を顧みぬのなら、我は領主。民を守るのが役目じゃ!!
[両耳を手で塞ぎ破裂音がはじける前に歌を紡ぐ]
―― αραχνη ― αραχνη 煉獄にありし身 一時我と共に
かの砲火より民を守る術を!結界!!
[一般人の頭上に真っ白な雲が沸き上がり彼らを守るように包んだ。]
[見据える。
観察。見極めるための。
盃を満たさねばならぬ。
己の願いが為。
赤く黒い澱みに通づる声。
盃に咲く黒い花はふたつ。
ざり、とまた一歩前へ。
何処か。中央区。魔力が爆ぜた。]
…――「今日は荒れているな」
[偽一も気づいているだろう。
さあ――青年は何と応えるだろうか。]
・・・・・・
[セイバーの動きを見据えながらも次の一手を考える。
波状攻撃でアドバンテージを取ったとしても、一つ一つの攻撃に決定力は無く、さらには相性が悪すぎる。
セイバーが踏み込んできた時が本当の勝負。
魔力の消耗は激しい、後ろに控えるアンネリーゼの様子を気にしながら、ソロモンの鍵のページは捲れていく]
血に塗れない、か。
それは、自分と絶対的な力の差がある奴との戦いだけだ。
――それに、
[身に宿るは、二人の鬼。かつて見た、二人の鬼。
大剣を払い、命を散らした聖なる鬼神。
串刺しの丘に見え、数千の兵を葬った吸血鬼。
そして――今この時、共鳴するのは、]
撃たれて斬られて
殺されて殺して
壊し、壊して、ぶちまけて
じゃねえと、――つまんねえだろうが!!!
[始まりは中空。
ぽっかりと開いた黒い孔、
現出する雨は、男目掛けて降り頻る、鉄の鏃。]
さすがはキャスターといったところかしら。
[生み出される魔力弾。
こちらに被弾しないよう一歩下がる]
でも、あれくらい凌げなければね。
相手は宝具も使ってないのだから。
[口元に笑み。サーヴァントの苦境に見える状況でも、表情は変わらない]
やれやれ、信用無いな…。
[上空の呟きにぼんやりと文句を付ける。]
英霊と言えど、所詮は人の子。竜の炎や毒の息に比べれば…温い!!
[鎧は幾らか欠け、欠けた部位から傷付いてはいたが、それもさして問題はないように感じた。
距離を縮めて、目の前に辿り着けたとしても、その次の一手に出るつもりは無いが。]
くっ!
[セイバーが踏み込んでくるのを確認すると、ハルファスの凶弾を放棄する。
そして、次に準備していた魔術を行使し、迎え撃つ]
חמישים - גיס חמישי Orobasu.
תעני לי בקריאה שלי, אתה המלך 守 רישי להיות מגן.
(第五十五柱 オロバス。
我が呼びかけに答えろ、そして汝は王を守りし盾となれ)
מג 'יק ההגנה
(オロバスの防御陣)
[中型の盾のような魔法陣がソロモンの正面に現れ、セイバーの一撃を耐えようと立ちはだかる。ソロモンもその一撃を耐えるべく神経を集中する]
[風が吹いた。
遅れて、令呪の微かな疼きに気付く。]
くそ、まだ…
[誰もが寝静まった夜ではないのに。]
教会そのものに文句はない。
だが、お前らみたいなのを呼ぶ…ッ
[自らの望みにしか興味のない、魔術師たち。
この世ならざるモノたち。]
――…ッ、
[急激に魔力が減っていくのを感じて、じりと更に一歩、下がる。
まだ底が見えている訳ではないが、元の量が量なだけに
長期戦には間違いなく持ち込めない。
なれば自分がすべきは、この霊脈で出来る限り動かずに回復を試みながら
それと同時、出来る限り己は魔術を使わない事だ。
…それも可能なら魔力の量に不安があると、相手に気取られないように。
…実に難しい話だ。小さく舌打ちを零す。
尤も、あの刃が及ぶ事があれば――
魔術を使わないなど言っていられないだろうが。]
/*
この村は参加者のやさしさでできています。
本当感謝です。
とりあえずライダーチームは死ぬ気満々なので
大いに殺してあげてください!
血が流れれば倍の涙が流れる。
俺はそれを望まんだけのこと───ッ
[上空から現れるくろがねの雨。
それを認めた男は鉞を翻す。
切っ先の描くのは菱形の航跡]
────吠えろ
[航跡が赤く滲み、力を喚ぶ]
[相手のクラスは恐らくキャスター。
ならば、それがいかに強力な盾と言えど、宝具の真名を解けば致命的な一撃にはなるだろう。
それでも、あえて次の手には出ず、盾の前で剣を止めた。]
クラスはキャスターか。
話し合いに応じるつもりはあるか?
その答えいかんによっては、停戦協定も考えているが?
[とは言え、マスターの許可を得ていないので、個人的な意見だった。]
[雑踏の中にユダらしき人影を見つけた時、皮膚がざわめく様な感覚を覚え、偽一は思わず腕をさする。]
……どこか近くで、サーヴァント同士が戦っているのか?!
[位置までは解らないが、離れていても感じる膨大な魔力。
速やかにここから離れるべきかを考えつつ、ユダらしき人影へと歩み寄る。
彼の姿は小さく、まだ遠い。]
雷熊王
[赤色の航跡より喚ばれるのは
相棒とも朋友とも呼ぶに相応しい巨大な熊の姿。
降り頻る鏃を飲み込むように空へと口を開き
その凶悪なまでに猛々しい咆哮は衝撃を伴って空へと撃ち返す]
[英霊同士のぶつかり合い、
戦火を防ぎきれる訳など無いのは十分承知の上だが、
せめて死者を出すことだけは避けねばならぬ。
その後の咎は全て我が請け負おう。]
― αραχνη その身で民を誘惑!
戦火の届かぬ所に退避させよ。
[一般人は目の前の銃撃戦から、やおら真っ白な雲に包まれたかと思うと・・・目の前には絶世の美女が手招きしている。
当然女性には絶世の美男子(いわゆるイケメン)が手招きして自分を呼び寄せている。
一般人には魔術に対抗する術などあろうはずもなく・・・
皆、フラフラと各々の欲望に向かって誘導されてゆく ]
アーチャー!思う存分やるがよい!!
[言い放った後で、少しの後悔(多大な?)が待っていたにしても、悔いは無かった。]
[手を止めたセイバーを見て眉を寄せる]
あら止めちゃうの。
残念だわ。
[セイバーの言葉に息を吐く。
停戦協定と聞こえた。考えてもいなかった言葉に反対の声を挙げようとしてやめる]
・・・・・・ 正気か、貴様。
[この至近距離まで踏み込みに成功しながらも、何もせず停戦協定など。
もしセイバーが此処で大振りの一撃を撃とうとするならば、横で溜めているオセの一撃をカウンターで打ち込み何とか相殺しようとしていた。
まだ安心は出来ない、しかし戦いを一時中断する為、右手で三体を制した]
貴様達の望みは何だ。停戦を進言するならば、目的があるのだろう。
それを聴いてからだ。
―中央区:雑踏―
――… …
[す、と眸が冷えたように色が引き深みを増す。]
嗚呼。…けれど おれは
「そのようなもの」ですら ない
[本来は。招かれざるもの。
小さな声は相手に届いたかは定かでない。]
…「魔術師」なのに か?
[気配。足元の黒から沸きあがるように
人ならざるものの気配を纏う。薄く、わらった。]
/*
諒一の人から
「見せ場はいりません。むしろないほうがいいです。
普通の流れの中でサーヴァントが殺す意思を持った瞬間
ばっさり死んでいいです」
ということです。伝言。
[相手の目に確信が宿る。
まだ魔術回路は閉じている。
こちらの態度から得た確信だろう。
令呪には疼き。
この疼きは彼のマスターのものか?]
簡単な事だ。
先にも言ったが、私のクラスはセイバー。
純粋な1対1の戦闘であれば、まず負ける気はない。
[自信満々に告げるその姿は普段と変わらぬ口調で、まるで当たり前の真実を告げるように]
だが、私にとって厄介なのはアサシンやライダーと言った、戦闘以外の所で、更に力を発揮するタイプ。
すなわち、私の最後の相手は君である事が一番好ましい。
…それに、君も今はまだ全力を出せる状態ではなかろう?
初めは油断させる為だけかと思っていたが、まさかキャスターのクラスともあろう英霊の使い魔が、これのはずも無いだろう?
[そう訪ねながらも、じっと見つめ小さく笑みをこぼす。]
最も断るならば、続きををするだけだ。
こんどは…本気で行く。
……、…
[影で良くは見えないが――此方に視線の向く気配に
ゆると、一度瞬いて翠を屋根の上へ向ける。
何かを言おうとした、のは何となしに判った。
停戦協定。――確かにそう聞こえた言葉に僅か思案する。
何の心算なのだろう。…手抜きはダメだと先に彼のマスターは口にした。
…今の今で力量を計ったとでも言うのか、もしそうならば
あのセイバーは余程の手練れという事になるだろうが。
…まさかそれがマスターである彼女の
意思の外だとは思いもしなかったが。]
――…、
[セイバーである男の言葉に、密やかに眉を寄せながら
…戦っている当人に答えは任せるとばかり、此方は口を開かない。
――オセ曰く、己と彼は似ている…のであれば。]
成る程、どうやらセイバーのサーヴァントは聡明のようだ。
[防御陣はそのままだが、ソロモンの鍵はぱたんと閉じ、そして虚空に消える。
非常に機嫌の悪い表情を浮かべるが、しかし思考は至って冷静を保っている]
という事だ、アンネリーゼ。
我はセイバーとの停戦協定を受け入れるつもりだ。
こちらの要望だが、この元勢宮で少し用事がある。
それを邪魔しないでもらいたい。
・・・・・・構わないか?
[自分の後ろにいるはずのアンネリーゼに向かい、声をかける]
―中央区:雑踏―
[偽一が近くに来たようだ。
人間対人間だと、どうなるか分からない。
己は彼の力を把握していない。]
…夜は、戦争の時間だという。
この時代の夜は、
…随分と明るくなったものだ な。
[風が吹いた。
下げた掌から銀貨が一枚こぼれる。
それが合図。
ユダの足元の影が青年――玖珂目掛けて走り]
[男の刃が描く陣より放たれたのは、山の暴力王。
降り頻る鏃はその一つとして身に触れる事無く
怒りとも取れる咆哮に、粉々に砕かれた。]
―――
[風。否、咆哮の残り香。
血色の外套を、ざわつかせた。
次に浮かんだ表情は――益々の、歪んだ笑み。]
ハッハハッハッハッハ!!!!
そりゃ、その程度の量じゃ相手にゃならんなあ!
まだまだまだ足りねえか――なら。
――誰も血も涙も流さんよう、尽力するが良い。
貴様の選択、或いは吾が身を貫くやもしれんぞ。
[次に現れた孔は、八つ。
八方より招かれる、鉄の暴力。
かつて率いた軍勢はあらねど、黒き門は、暴虐の嵐を射出する。
鉄の矢、銃弾、中にはギリシア火と呼ばれる焼夷剤も交じり
標的のみならず、屋根ごと破砕し、焼き食らわんと迫る。]
[さてあちらはどう出るのか。
マスターの少女はこちらを見ただけで何か言うつもりはないらしい。
停戦協定を申し出るからにはセイバーなりの考えがあるのだろう、と鳳も場を動かすことはしなかった]
さすがに、少し寒いわね、ここは。
[夜風が肌に冷たく感じる。
温かな飲み物でも欲しい所だと座りなおし腕を組む]
…ああ、時代は進んだかもな。
でも争いはなくなられない。
夜が明るいのは、その必要があるからで、誰もそれを求めていないのにわざわざ明るくしてるわけじゃない。
もうアンタたちの時代じゃない…
――、いいよ。
少なくとも現状、有難い話には違いないし。
[掛けられた声に一度だけ翠を瞬いて――息を落とした。
呆れにも似たそれは、尤も男に向けての物ではないけれども。
警戒こそは解かないが、異論は無いとばかりひらりと両掌を軽く振った。
…嗚呼なるほど、確かに少しは似ているらしい。]
[波濤のような魔力。
令呪の疼きも強まっている。
近くに令呪を持つものがいる。
だが視線を目の前の男の目から外すことはできない。
魔力回路を開くか?
令呪を使うか?
自問自答する――]
だ、そうだ。
これで締結だな。
[セイバーが剣を降ろすならば、防御陣も消える。
はっきり言って、不愉快だ。
しかし口には出さない努力だけは怠らなかった]
[一先ず、キャスターは受け入れるつもりにはなったようだった。
であれば、こちらもマスターへの伺いが必要だ。]
という事だクリスティーナ。
一応は私の実力の一部は確認していただけただろう?
満足して頂ければ結構だが、構わないか?
[屋根にいるクリスティーナに声をかけながら、キャスターの要望を聞き]
私は魔術の類は使わん。
別に構わんよ。これ以上邪魔をしなければ、邪魔された時には使い魔の一匹でも飛ばしてもらえば、手伝いにも来よう。
[キャスターの口から出た言葉に興味深そうに見下ろした。
邪魔をするなと言うことは何かをするつもりらしい。
霊脈を使って何かするのか、そうであるのなら厄介なことに変わりはないのだが]
あらあらサーヴァント同士で話は進んでいくのね。
私からは何も言うつもりはないけど。
[少女からも申し出を受ける声が聞こえて、立ち上がる。
セイバーの声に頷き]
それじゃ、降りましょうか。
――Nimble body.Three times.
[あがったときと同じように、飛び降りる。
まるで猫のように地面に舞い降りた]
下策を
[舌打ひとつしたかと思えば熊の背に跳ぶが早い]
急げ、南だ
[それは熊への指示。
こんな狭くて古い建物だらけのところで
集中砲火など起きれば大災害レベルだ。
砲門が総て己を狙うのであれば、
可能な限り人の少ない方面へと向かうこと。
鈍重ゆえに下限も小回りもないが
その代わりに重みは前進への加速となる。
どこまで南へ逆走できるかと同時に
主と離れてしまっていることが痛手でもあった]
実力か。存分に見せてもらった。
尤も、セイバーのクラスが案山子であれば我にとっては好都合だったのだがな。
成る程、ならばその際はこの3体のうちどれかを使いに出そう。
少なくともこの虫と犬は君とコミュニケーションをとる事が可能だ。
鳩が来たときは、頑張って解読をしてくれたまえ。
ふむ、であれば問題はなかろう。
[そう言って剣の具現は解除した。]
そう機嫌の悪い顔をするな。
互いにメリットのある話だ。そして、侮っているわけではない。
[キャスターの顔を見ながら次に武装を解くと、普段の服へと戻り、一度は焦げた帽子も、再び姿を取り戻した。
それを深く被り直す。]
もとより、戦いは全力で、後悔なく戦うほうが気持ちがいい。
[相手方の不機嫌さなど気づかない。
否、たとえ不機嫌さを態度に表していたとしても、鳳は表情を変えることなくそこにあった]
せっかくの停戦協定ですもの。
お名前を伺ってもよろしいかしら?
もちろん、今そちらがやろうとしていることの邪魔はしないわ。
私はクリスティーナ・鳳。
教えていただけないなら、お嬢さんと呼ぶことになるけど。
[と、屋根の上からでは見えなかったもう一体が、視界に入りはしたがそうとは認識できなかった。
それがそうだと気づくのはキャスターが示したとき。
笑みが一瞬だけ崩れた]
―中央区:雑踏―
――…
[穢れに呼ばれた裏切りの代名詞は
冷たく深い黒が揺れる眸で青年を見る。]
嗚呼。そうだろうな。
ここは 最早彼方。
見知った顔はもう居ない。
[眉を寄せる。影が青年を取り囲むように揺れ]
それでも。
…叶えたい願いがある。
しかし君が我々に連絡を取る手段が無いな。
まさか君が空に向かって宝具を発動するわけにはいかないだろ。
マスター同士で何らかの連絡手段を交換したほうがいいのではないかな。
[半分は、気に食わないセイバーと直接連絡を取る方法を提案したくないという意味も含まれた。
実際、意思の疎通を可能にする魔術も存在はする。
しかしそれは個人的な気分の問題だけではなく、裏を返せばこちらの意図や状況も伝わるという事。
最後はセイバーの裏をかかなければならない。
魔術的にセイバーと繋がるのだけは避けたい]
…ふむ、せいぜい鳩ではない事を祈るとするよ。
だが、それの解読で支援が遅れた時は私に文句を言わないでくれ。
[そう言いながら、三体の使い魔をみて、その姿を記憶していく。]
案山子ではなくて申し訳なかったな。
そこが不都合だった分、精々準備が出来るまでこき使ってくれ。
[さらっと述べて、降りてきたマスターを見て]
彼女が私のマスターだ。
これで互いに条件は平等になっただろう?
ちっ、
[射出されたものは一部。
されど、男がいた場所を破壊するには十二分。
暴力の雨は、屋根の下、民衆にも堕ちはしたが
その結末を確かめる事など、しようともしなかった。]
逃げるのかよ、めんどくせえ…。
まあいい。
それ以上に愉しませてくれるのなら
それで埋め合わせとしておこうではないか。
[巨大な影を、追う。
時折、ゲートを開き、銃弾を飛ばしながら。]
お嬢さんって呼ばれるのも、悪くは無いんだけど――
名乗って貰った相手に黙ってるのも後味悪いしね。
[猫のように降り立った女を見やる。
詠唱は英語だ、…意味が判らない訳では、無いが。
魔術の本質を見抜くには流石に情報が足りないと一つ溜息を零した。]
…アンネリーゼ。――アンネリーゼ・ヤーネフェルト。
上にいた時は良く見えなかったけど。
…何か、何処かで見覚えのある顔に、聞いたことある名前。
魔術師だなんて思わなかった。
―中央区:雑踏―
…――できうるなら
そうしたかったがな。
だがおれには
此度
此処しかない
だから。
[盃を満たせよとの声がする。
背後まで影が青年を囲ったとき。
人通りが一瞬途切れる瞬間。
玖珂の背後より2本の槍が音も無く
彼の心臓目掛けて突き出された。]
ふむ、マスター同士で連携を取れるならば、それで構わないが、無理ならば、最悪私が空に向かって宝具解放するさ。
[するわけにはいかない。と言われても、手がなければそうするしかなく。]
細かい協定はマスターどうしに任せるさ。
線引き、情報共有も含めてな。
[そう口にすると、自分は静かにクリスティーナの後ろに待機する事にした**]
セイバー ゲオルギウスは、ここまで読んだ。 ( B65 )
アンネリーゼ…。
…あら、覚えててくださってうれしいわ。
占い師が本業なのよ。
[魔術師だとは――その言葉にくすりと口に笑いが出た]
そうね。
本当なら魔術師は表舞台になんて出てこないもの。
私も有名になる前はこんなに顔を出すことになるなんて思わなかったわ。
連絡手段は、そうねぇ。どうしようかしら?
うちには電話がないし。
使い魔なんてものを持ってればいいのでしょうけど。
・・・・・・そうだな、後はマスター同士に任せる。
[セイバー。間違いなく停戦協定を結ぶ相手としては最高である。
あのまま遣り合っていれば間違いなくこちらが痛手を負うか、最悪倒されていた。
それ程までにこのセイバーのサーヴァントはキャスターというクラスに対して相性が良すぎる。
この英霊自体が魔術が盛んな時代に生きていたと予想出来る。
凶弾はともかく、いくら弱体化したとはいえバアルの竜巻に対して高い耐性を見せ付けられた。
倒す事が出来るとすれば、宝具の真名開放で力押しするか、それとも彼の弱点を突くか。
・・・・・・ つまり、真名を知るまでは戦うべきでは無い。
出来るだけこの停戦が長期間守られる事を願う]
――!
[もはや、このまま戦いになることは避けられないか。]
勝手なことを。
[左手を開く。
握ったままだった手の平は、じっとりと汗でぬれていた。
令呪を使うべく、魔力回路を開く]
[歩み寄りながら令呪の共鳴を感じた時、ユダが何かの術を行使した事に気づく。]
ユダの前にいるのは魔術師……?!
この雑踏の中で、やったのか?
[会話を交わすうち、屈折はしているものの、好奇心の強い若者のように思えていたが、ユダが「アサシン」として召喚された者である事を実感する。]
あるいは、それ以外の何かがあるのだろうか……。
[それは確信無く、ふとよぎっただけの疑惑。]
――させない。
[背後よりの槍2本は風を切る音すらさせず>>411
魔術回路を彼が開くのより僅か早く。
令呪を使わせない速度で。
貫くだろう、彼を。
叶うならそれは
胸より+黒い逆十字が生えたような有様に+]
ていうか、聖人のセントジョージはミカエルの神託受けているソロモンを攻撃できるのだろうか。とか気が付いてみる。
セントジョージに期待!
[後ろを振り向いている余裕はなさそうだ。
とにかく聴こえるのは破砕音と、爆音と
風に混じって火薬やらの匂いもある。
相棒へと速度を更に上げるように告げたのだが]
…?
[ざわりと。
感じていた風の気配が変わる。
変わったのは風ではなく己へと続く力の気配。
短い舌打ちを一つ打った。
諒一に何かあったのだと確信している]
――同姓同名の他人の空似、…じゃないみたいで
安心したっていうか、びっくりしたってゆーか。
[占いに然程興味が深い訳ではないけれども
流石に電波に乗っていれば知識としては持ち合わせている。
…それが魔術師だなんて、誰が思うと言うのか。]
連絡手段、か。判るとは思うけど、私も元々ここの人間じゃないから
自宅じゃないんだよね、だから電話が無いのはこっちも一緒で…。
[仮にも今はホテルだから、取次さえすれば無くは無いが
…流石に居場所を晒す真似は、まだし辛い。
さてどうすべきか、小さく眉を寄せながら唸る。]
まぁ、…一番手っ取り早いのは、携帯電話?
こっちも持つ予定だし、…また改めて待ち合わせして渡せばいっかな。
[それ以外に宛てがあるなら従う、と一言添える。
幸い金にも困っていないし、昼間の事も考えて持つ事も考えていた。
…なら、どうせ何台契約しようと一緒だろう。]
[屋根の影に身を潜め、固唾をのんで見守って居た戦いが
遠ざかる。
刹那!北の方向で大きな魔力のぶつかり合い・・・ 後の静寂
近くにあった令呪の共鳴が一つ消えかかって行く。]
自転車レースももう終わっておりそのような要因はないのですが何故ですかわたし。これもダメ人間化の弊害ですか
HEY, GUYS!答えてくれよ!
[少し離れた位置から、事が終わったのを感じ取る。
ならば、騒ぎになる前に退かなければならない。
偽一は、無言のままユダを軽く手招いた。]
―中央区:雑踏―
――…――
[突き出た漆黒。
それは青年の命を奪った後
するり、絡まった蔦が解けるように
影は影へ。“シカリオス”――暗殺者のもとへ戻る。
支えるものが失せれば
青年の体は地に伏すであろう。
ユダは名前も知らぬ、魔術師の彼。
闇色の残滓が、盃に咲いた黒い花のように彼の上に落ちて、そして消えた。]
…――…、…!?
[ぴく、と顔を上げる。
遠くで感じていた令呪の反応の一つの、違和感。
同じ区内、さほど遠くないだろうことは分かるが――]
…っ、キャスター!
周辺の英霊の気配、探れる!?
[ここ以外にもサーヴァント同士が戦闘していたならば
この距離だ、キャスターならば何も感じない筈が無いだろうと。]
同姓同名で顔まで一緒だったらまるで影武者ね。
別に魔術で占いをしているわけじゃないわ。
携帯ねぇ。
じゃあ、一台買っておくわ。
元々持ってたのは置いてきたから。
明日にでも買っておくから番号を知らせるのは明日でいいかしら?
待ち合わせ場所も決めておいたほうがいいでしょう?
駅前がいいかしら。
[駅前にちょうどいい店がなかったかと記憶を巡らす]
[背を向けてフードを被りなおす。
此処から離れねばならぬ。
己に繋がる力の気配の方へと視線を流す。
手招きしている姿が見えた。
地を、軽く蹴り人の合間を縫って偽一の下へ。
眼を合わせぬまま。]
――行こう。長居は無用だ。
[誰かが倒れていることに気づき
続いて悲鳴が聞えるのは
いくらか遅れてだろうか。]
[身体を貫き通した槍は彼の影と一体になり、夜に佇む。
十字のように交差した影。
黒い血が滴り、やがて地面に落ちる。
玖珂諒一の眼は見開かれたまま、虚空を見つめている。
その先にあるものを未だ諦め切れぬように。
しかしそこに光が宿ることはない。
その影は十字の影の持ち主の意思もて作られたものだった。
それ以上の存在ではない。
そこには命も意思も信念も、何も、もうないからだ。*]
[瞬間、ぞくりと背筋が冷たくなるような感覚がした。
先ほど感じた令呪の反応。
かろうじてわかる位置にあったそれが]
…妙ね。
さっきつけていたマスターかしら?
[セイバーを見上げる。
アンネリーゼも気づいたらしい。
自然と令呪のある場所を押さえた]
近いな。
[静かに返事をする。しかし]
だが、我々には今為さねばならぬ事がある。
むしろ好機だ。他の場所で戦闘が起きているなら、早々にこちらの用件を片付けたほうがいい。
・・・・・・ それとも、興味が勝るか。
[先行する男の気配が揺らいだ。
意味するところは、本来伝わらない。]
――チッ。
[それでも行うは舌打ち。
それでも行うは、追撃。
夜を蝕み、建物を食い、地面を穿ち、火薬と炎の跡を残す。]
[名も目的も知らぬ魔術師に一瞬目をやり、背を向ける。
自分があの場にいたとして、「雑踏の中でも殺せ」と命ずる事が出来たかは解らない。
ならば、これは賞賛されるべき事なのだが、素直にそう思えないのは、先ほど感じたささやかな疑惑からなのだろうか。]
[それでも偽一は笑顔を浮かべ、ユダに言う。]
いやあ、お手柄だったね!
[ああ、嫌だ、これではまるで義父みたいではないか。
そう思った。**]
……ふん。
良くやった。
とでも言っておこう。
[返る漣は、いつもより静かないろだった。]
―――…つまらん幕引きになりそうだな。
じゃあ、私たちが行くわ。
行きましょうセイバー。
アンネリーゼ、携帯の番号はまた明日ね。昼過ぎにでも駅前で落ち合いましょう。
[セイバーへ目配せをしてから走り出す。
現場に近づけば人込みが増えるのがわかるか。
そこにある顔は、はじめて見る*顔だった*]
――…そう。
[キャスターの言葉に、たった一言返す。]
…興味とかじゃ、なくって。この辺、人が少ない場所なんてあまり無いもん。
―― 一般人が巻き込まれてたら、やだなって …思っただけ。
[令呪の共鳴が消えていく方角は、より人気が多い場所だ。
…ぎゅ、と拳を握る。否、他にも、気掛りな事は多くあるけれども――
しかし、彼の言う事は尤もだ。 一つ呼吸を落として、意識を切り替える。]
…別に、占いの正体を疑ってる訳じゃないよ?
明日ね、りょーかい。
駅前なら判り易い――とは思うけど、そっちは大丈夫、なの?
[女の言葉に、一つ頷いて見せた。
仮にも有名人ならば、人の多い場所は目立つのではないかとも
思っての言葉だったが。相手がいいのならば異論は無い。
詳細を決めた後は、特に何も無い限りはそのまま帰路へと**]
――……
[ぐ、と被ったフードの端を引き下ろすような仕草。
赤みを帯びた黒い前髪の合間から、
笑顔を、あの件の貼り付いたような
笑顔を浮かべる偽一を見る。彼の心中をはかることは出来ず]
……別に。
[見えぬ位置で眉を寄せた。
足早に、サイドカーへと向かえば]
他の気配も多い。
感知を逃れたらそのまま気配を立つ。
ギイチ、そうしたらお前も回路を閉じるんだな。
[――夜は更ける。
雑踏の中、青年に手を下した
ユダの顔を覚えているものは
きっと居ない]
玖珂 諒一は、能力(去る)を実行することにしました。
可能性は否定しない。
しかし全てを救うのは不可能だ。
[もし犠牲者が出ているとしたら、既に事は終わっている。
気が付いた時点で手遅れなのだ。
ふう、とため息をつく。本来ならば小言のひとつでも言いたいところだが、言葉にはしなかった。
僅かに朝の気配がする。どうやら時間切れのようだ]
残念だが、今日は出直したほうが良さそうだ。
また会おう、セイバー。
[そう別れの言葉を告げ、アンネリーゼと共に帰路に着く**]
[ユダは俯きがちのまま、
自分の存在を確かめるように掌を握り締めると。
歪な、
自嘲のような。
嘲笑うような。
笑みに似た表情を、*浮かべた*]
[意味するところは一つ。
否、その"原因"を、皇帝は知っている。
だから表情を歪ませるもなく、一つの舌打ちの後は
風を受けなくなった旗と共に、表情も鎮まる。]
終いか。
……ああ、貴様も
吾を愉しませる、「鬼」程の資質は持たぬか。
[アーチャーの背後より、ひときわ大きな砲門が開く。
中から覗くは、ウルバンよりも小規模な、砲。
無言で、手を掲げる。
砲は肯定の合図を待ちきれぬように、震えを起こした。]
ふん。
……奴に、自由に往けと言ったのは吾か。
文句など言えぬな。
この結末も、仕方あるまい。
「鬼」の為ならば、暫しの退屈も祝福しよう。
[掲げた手を下ろす。
開いた砲門より、崩れ去る野生の王の塵芥も遺さぬと
標的へ、大気ごと侵し食らわんと、死の砲弾が放たれた。
大気が震える。
血色の外套が、物言わず靡いた。]
[崩れ始める。
断末魔をあげる、などということはなかった。
ただ、口元はうごめいて何かを言葉にしようとはしていたらしい。
けれど人に在らざるものの形は]
───このままでは、鬼が
[ただその一言だけが空気に残り、
その次の刹那には砲弾が着弾するより前に
空気を切り裂くその圧によって
存在は四散する───**]
[魔力が織りなす爆風とともに一つの反応が消えた・・・・
夜空を照らす禍々しいまでの赤銅色に、一人屋根の上
やがて、進軍を終え勝利をもぎ取った英雄が戻る・・・]
・・・アーチャー、ご苦労だったの・・・帰るか。
[ 英雄は黙って頷くと、
娘を抱え屋根瓦を一つ蹴った――**]
[しばらくマスター同士のやりとりを黙って見ていた。
ふと、2人の気配が変わり、自らもサーヴァントの気配を探る。]
ふむ。確かに近いようだ。
[クリスティーナの自分たちが様子を見に行く。という言葉に
やや苦笑しながらも頷く。
それからクリスティーナとキャスターに向けて]
心得た。
私達はこちらを探ろう。
ではキャスター、日を改めて。
[そう告げて、クリスティーナと共にその場を離れた。**]
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