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なんでもねぇさ。
…………ただの嫉妬だよ。
[何かを振り払うようにベッドから起き上がれば、
イステの方へと近寄って。]
全部言えれば楽なんだろうがな。
ったく……馬鹿はどっちなんだか。
[熱を持たない頬に指先で触れてから
シャワールームの方へと歩いていく。
暫くすれば水音が聞こえて来るだろう。]
−中核研究所−
[かつかつかつ、と迷いを感じる足音が廊下に響く。
先刻のリルの表情。
強い決意の現れ。
きっと、止めることは出来ない。自分の中にある答えに対しての思いは強いが、それはリルにとっても同じ。天秤にかける事など出来ない]
《終焉》を封印した地点。
そこからは、あれは動かされているだろうか。
…この世界は変わりすぎていて、
もう、位置が分からないな…。
[イステの表情は厳しい。
あれの通る地は
―地球の古代人にとっては―
死の大地となっていった。
街が死んだ。
人が死んだ。
大地が死んだ。
それが《終焉》をつくりし者たちにとっては生の大地に作り替えることであるなどと、イステには分からない。否、分かったとしても。守ることが理由であるならば終焉を止める、それは変わらないのだ]
[イステは徐に立ち上がり、窓辺へと向かう。
このホテルは窓を開け放てるようになっているらしい。窓を開き、ある方角を見据えた。
その方角には、Endeavourの本社がある。
航空障害灯が明滅する。
赤。黒。赤。黒。赤。黒。黒。黒。
空気がざわめくと感じたのは
「テラフォーミング」を行うために
幾星霜の時を経て、
「それ」が起動しようとしているからか。
この青い星に「自己統制システム」が
あるとするならば。
それは彼らを拒み、巨人を生み出した。]
[自然と、駆け出していた。
その先には何も残っていないかもしれないぞ?
また、孤独になるかもしれないぞ?
大事なものを、失うかもしれないぞ?]
[二人が永遠の別れを迎えるまでは。
彼女を一人にしない。
今の自分にとっては、それが全てだった。
ラミアの元へ。呼ばれるままに**]
― ホテル ―
[頭から一気に水を被る。
苛立っていた頭と、何処か火照った顔に
熱を奪っていく水の流れが心地よかった。]
……どうした?
[タオルで頭をガシガシと拭きながら部屋に戻れば
窓の外、その何処か一点を見詰めるイステの姿。
何かあるのかと、自分も窓の傍へ。]
となると、その原因は限られるな。
[液晶を覗き込むイステの横で、
明かりが灯る夜の街を見下ろしながら]
黒紅か、青いHMか。
それとも……
――――終焉、か。
「現代」のものではない。
[頭の芯に警鐘を鳴らすようなそれは、イステがこの時代に目覚めた時のものに似ていた。]
「ラミア」か「終焉」か
……或いは「両方」か。
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