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[イステと鏡写しのように
漆黒の指先を伸ばす。
《適合者》と《魂》を裡へといざなうために。
かの騎士の名はヴォルバドス。
ふるき信仰の歌で編み上げられた機神。
――光満ち。
ふたりはコクピットの中へと
そうあるべき場所へと
転移する。
今、まだ顕著に現れては居ないが
機神自身にも、この時代に目覚めたばかりのときよりも強い力の、満ちはじめる気配]
― コクピット ―
――……行こう、イステ。
未来《アス》に続く現在《キョウ》に、
決着を着けるために………!
[操縦桿が強く……只々力強く握り締められた。]
OK、聞いてるよ。
全体的にパワーアップしてるって事でしょ??
いいことじゃないか、まだ一匹残ってるからな。
[報告を目を閉じながら聞く]
別に、寝ていても構いませんけれど。さて、その他機能には概ね変化無し……あら?
[周辺地形図に変化が現れて、キャスリーンは拡大率を上下させる。はっきりと映る光点が一つ。「終焉」の居た場所だ]
索敵システムなんて飾り同然でしたのに。
[コンソールを操作して、索敵範囲や感度などを次々に変えて試す。思いがけないほどの性能向上だ]
[素直に驚くキャスリーンの目に、二つの赤い光点が映る。一つはすぐに想像が付いた。《鉄塊と呼ばれし大剣/アイ・アン》を納めていた「鞘」だ。
《コンゴウ》の腕に組み込まれた《Vampiric Tutor》は「鞘」の置かれた異相空間への道を繋ぎ、《コンゴウ》の元へ大剣を招く。古の時代、キャスリーンが居た時代には、こういった異相空間をいくつも造り出す計画があった。
しかしキャスリーンが眠るまでに完成したのは「鞘」と、《コンゴウ》自身を置く格納庫の二つのみ。そして格納庫は、いまスクリーンに映っている地域には無い]
まさか。私が眠ったあとに造られたもの?
[異相空間へのアクセスを試みる。施された三重のセキュリティは全て「鞘」と同じ識別信号で解除できた。つまり、《コンゴウ》のための何かがここにある。
そして情報が異相空間から流入し、スクリーンへ反映されていく。キャスリーンは目を見開いて呟いた]
なにこれ。
[画面に映ったそれは実に単純で、そして意味のわからないものだった。
大型の金属球と思しきものに鎖がついていて、その端に丁字形の器具がくっついている。ここを手に持って使うのだろう……が、キャスリーンにはこれが武器なのか、そうでないかすらわからない。
附属情報を確かめると、この謎の物体の名前と、その使用法が想像図付きで載っていた。名は《天頂を穿つ鎚/トール・ハンマー》。紛れもない武器だ]
図を見る限り、投擲武器……なのかしら。
[円城寺になら、その武器の正体が容易に理解できるだろう。それは現代で言うところの、ハンマー投げのハンマーだった]
[キャスリーンは附属情報の末尾に記されていた開発責任者の名前を見て、額に手を当てた。知っている。彼女はこの人物の名前を知っている]
ウェストフィールド男爵……またあの方は……。
[そう、《鉄塊と呼ばれし大剣/アイ・アン》を造った男だ。伯爵家随一の技術者にして、随一の厄介者]
/*
以上、新コンゴウの改良点および追加兵装のでっち上げ完了。全部円城寺に無茶振りされてからでっち上げました。
……全く考えて無かったんだよ!(笑) そんな無茶振りすんな!(笑
*/
[眠った後に作られたもの。
そのフレーズが気になって目を開けた]
ほー、ずいぶんと過激な武器だな。
全てを粉砕するハンマーとは。
投擲も出来るがこんな風に振り回すだけで武器にもなる。
剣とあわせれば、いい戦力となるぜ。
[武器の使い方が分からないキャスリーンに、
身振り手振りで使い方を伝える]
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