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Side Li6 記録時期 不明
[事態が深刻すぎて涙で前が見えない。
こうなる可能性を考慮しなかったかと言えば、否。寧ろ、成功の可能性が低い事は、調査団全員が理解していたはずだ。
絶望的な空気が船を包む中、【美しい星】の滅亡よりも、自身の死よりも、彼の死を怖れている事実に気付いた。
彼の志願を私は止める。
装置の最重要発明技術者である彼が装置の修理のために降下して、生命を失った場合、我々の未来も失われるだろうと言う説得を試みる。彼を一番に降下させる事は止める事が出来るだろう。
だが、第二候補者の降下は失敗に終わる。
リミットはほど近い。]
Side Li7 記録時期 不明
[最期に向けて、出来得る限りを尽くす。
それは【美しい星】の同朋の為でも有り、私が死んだ後の彼の為でも、そして何より私自身の希望の為に。
私に彼の選択が理解出来ない事が多くあったように。
彼には、私の非人間的で残酷とも言える選択がすぐには理解出来ないかもしれない。
けれども、これが私でしかない。
切望している。
──愛しているわ。]
[検索終了...]
日時検索結果は先日。36時間以内。
[伝えながら、ダンと女性のやり取りを眺める。
挨拶の方法をメモリーに登録。
笑いをもらす女性には、視線を向けるのみ。]
[端から聞かれたら、何を言っているのかと訝しまれるだろう。しかし、どうせその後にこう推測されるはずだ。
―――ゲームか、SF小説の話でもしてるのか?
だから気にしない。どうせ警戒する相手に自分の存在は筒抜けである]
あー、つまり。
HMで有名なあの会社に、リュースでボコって壊せる未確認超機体ぽいのがあるのかもなぁ。
[そしてキャスリーンは、この少年に対して腹の探り合いをする必要は無いと判断した。これは氷の思考が生んだ答えか、それともただの甘さか。それは彼女にもわからない]
私は「終焉」に相対する者。「終焉」を討つために永き時を超えて来た者。鉄壁の巨人《コンゴウ》の従者。
あなた方はどうかしら? 「終焉」に敵対しているのかしら? 「終焉」に与しているのかしら? それとも、何の関わりもないのかしら?
私の敵か味方か、どちらかしら?
[自らの旗幟を鮮明にして、弾たちに問いかけた]
そうですね、俺、まだまだ若いです。
だから、俺は俺の可能性を信じてます。
そうでなきゃ、生きてる意味、無いですし。
[胸を張って言った。]
ところで、キャスリーンさんもインターフェイスなんですよね?
パイロットの人は、どこにいるんですか?
俺達も“終焉”に対抗する立場ですよ。
だから、出来れば味方でいたいですね。
俺達が敵対する意味こそ、探すのが難しいと思います。
[キャスリーンの言葉に、当然のように答えた。]
―ホテル―
[ホテルの廊下。白髪の老人が歩いている。
蒼真に食事のことを尋ねた折、視界に入った。
穏やかそうな人物。
だが、口にしているのは――]
そこのご老人。
いま、なんと謂われた。
[イステは、彼を呼び止めていた。]
三十六時間以内……? それは、随分と最近の事柄ですね。
[そして弾にパイロットの存在を問われて、ようやく推測に確定の署名をする]
HMと呼ばれるものと、古の機神のにおいを感じたもの。光の砲弾を込めし大砲を放ったのは、あなた方の機神……と、いうことかしらね。
私の主は……さあ、何をしているのか。どちらにいるのか。私にも掴めなくなっている所ですわ。
[ため息を吐きつつも、微笑を失う事はなかった]
─ 1d・Endeavourラボ/会議室のような場所 ─
[ソファの上で再び目覚めた時、傍には誰かが居たのか。
Endeavour本社にやってきた円城寺からのアポにサラが何らかの対応を施した後であったのか。]
──…ッ
[表示したままのスクリーンはそのままになっており、睡眠中のリルの意識と呼応したのか、ノイズが走っているのが目立つ。
リルの真紅の双眸からは、涙が流れていた。]
過去等、
振り返るものか。
懐かしんで溺れたりするものか。
これが私でしかない。
切望していた。
何度あの時に戻っても、
私は現在に繋がる選択をする。
こんなけの情報で大企業に喧嘩売るんだから、便利なキャラ設定だったなぁ。元破天荒英雄。
行動理由=勘。ただし英雄の勘。
[最近の事柄と言われれば、一つうなずく。]
"終焉"――
[外部音声メモリーを元にデータ化した存在。
そのあらゆる物事は不明瞭。
削除されたのか、元から無いのかは不明。]
データの開示を受諾。
私はシトクロムe6の演算処理媒体。
演算補助デバイスの破損の為、未使用。
盗掘者の手により出土し密輸。
輸送ミスによりダンの元へ。
現在に至る。
開発者周囲の目的は"終焉"の停止。
開発者の目的はプロテクトにより閲覧不可。
現在の契約者、ダンの目的。
今の言葉通り。
―Endeavour社―
社長、まだかよ……。
いつまでまたせるんだか。
[気づけばいつぞやの後援と同じようにふんぞり返っていた]
─ 1d・Endeavourラボ/ラミア格納庫 ─
[戻りの遅いフィリップを探しに行く。
彼はラミアの格納庫の隅にあるベンチに腰掛けていた。ラミアの扉は開いたままで、コックピットの闇がのぞいている。]
……フィル。
[夢を見た所為だろう。胸が詰まる。
感情を見せないように声を掛けた。今までと比較して距離が遠い分、随分と控えめに響くかもしれない。]
[呼び止められて、眉を動かす。なんと言ったか……。
わりと物騒な話をしてました]
ホ?
なんのことかのう。
[振り向くと、自分を呼び止めたのは一組の若い男女だった。どちらも知らない顔であることを確認する]
どちら様ですかのう?
そう。なら、お互い助力を期待して良いようですね。
[どこまでも真っ直ぐな弾の回答に感じるこの感情は、まぶしさか。
そしてハルナの「輸送ミス」という言葉を聞いて]
えっ。
[表情が少し固まった]
そ、そう。良い人に巡り会えて、良かったわね。
[混じり気の無い本音が漏れた]
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