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遥か昔か、遠くの未来か
知れずに埋もれた名も無き神話
それはそこらにありふれた
運命に背きし愚かな話
彼らは一体、どの様な選択を持ってその道を進んで行くのか―――
1人目、物語の導き手 アリス がやってきました。
物語の導き手 アリスは、村人 を希望しました。
―――さぁ、物語の始まり
物語の歯車は、もう止まらない……
カーテンコールといきましょう?
[導き手たる少女は、暗闇の中へと消えていった]
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
2人目、サラ・ミラー がやってきました。
サラ・ミラーは、人狼 を希望しました。
言い訳は聞きたくないわ。
[コツ、コツと机を叩く音。
苛立っていることを通話の相手に知らせる。]
法律が邪魔ならなんとかする方法を考えればいいだけじゃないかしら。
[私たちは、そうして大きくなってきたのだから。]
なんとかできるだけの力をあなたには持たせているはずだし、それだけの能力をあなたが持っていると思ったから、このプロジェクトをあなたに任せているの。意味は分かるかしら。
…そう。それならいいの。期待してるわよ。
[右手を振って、通話を切る。]
もう、古い世界観は必要ないのよ。
[私たちが次の世界観になるのだから。
席を立つ。次の予定が迫っている。]
[複合企業Endeavour。
この十数年の間に急速に成長し、世界を席巻した企業だ。
その扱う分野は多岐にわたる。
金融、エネルギー、ライフラインまで――
今やEndeavourは国家の中枢にも食い込み、Endeavourに真っ向から異を唱えられる勢力はもはやほとんど存在しない。
異を唱えEndeavourから攻撃を受けた国は分裂し、あるいは解体され、あるいは消滅した。
「真っ当なやり方」だけで成長したわけではもちろんない。
だが、その成長の基幹となったのは政治力や違法行為・脱法行為をものともしない姿勢ではなく、その卓越した技術力にあった。
その象徴こそ、Humanic Mobile――HMである。]
[「ヒト型ロボット」。
SFやアニメの中にのみあったそれをいとも簡単に現世に送り出し、その圧倒的な能力で様々な機械を脇役へ押しやったのが、Endeavourであり、開発者兼経営者として名を馳せるサラ・ミラーその人であった。
(当時は)うら若き女性であり、また有色人種でもあった彼女だが、逆風に晒される間もないほどのスピードで次々と革新的な技術を世に送り出したことで、Endeavourは急速に肥大化していった。
やがて技術力と生産力を独占していったことで、Endeavourは今の姿になった。
フィクサーとすら呼ばれない。
彼らは、支配者であった。]
…探索は進んでいるの。
[廊下を歩きながら、近付いてきた部下の男に、振り返ることなく話しかける。
もちろん、例の「未知のHM」のことだ。]
「何も見付かりません。あれの解析の結果も「よく分からない」のままです。取っ掛かりがありません」
言い訳は聞きたくない…と言いたいところだけど、それは技術面の問題もあることね。どこかの企業が作ったものなのか、うちの企業のものを改造したのか、それとも…
「それとも、の先は聞きたくないですな」
まったくね。とりあえずこのまま人員を増やすわ。
アレが何であっても、私たちにとって都合のいいものではないもの。
[部下が下がっていく。]
[未知のHM。
ベースメタル採掘現場の奥深くで発見された、「HMのような形をした何か」である。
Endeavourの技術の粋、サラの他には何人も立ち入りが許されてすらいない研究所で、その解析は進められた。
その結果は、「不明」――
発見された地層は遥か過去の年代のものであり、そんな時代にこんなものがあるはずはない。
だが、HMを充実した形で作れるのはEndeavourだけで、ましてEndeavourにとって未知の技術が使われているようなHMが存在しているわけはない。]
ふう。
[溜息。頭痛の種は絶えない。
この後は会議だ。
今でこそ、自分には失礼な輩は潰せるだけの力がある。
だが、敵ばかりを増やしてもどうしようもない。
他人とは、うまく共存すればいいのだ。
お互いが少しずつ幸せになるように…]
ふふ。
[不敵に笑い、自分の戦場へと歩を進めた。]
3人目、フィリップ・ミラー がやってきました。
フィリップ・ミラーは、狂人 を希望しました。
−帝都大学校舎内・第1203教室−
[多くの生徒がいるにも関わらず静まり返った室内に、チョークで黒板を叩く音が鳴り響く。大きな黒板には、『自己統制システム理論』についての論文の一節が書かれていた。
部屋の外には『理学部生物学科 気象生態学U 講師:フィリップ・ミラー助教授』と書かれている。
教壇に立っているのは、若く浅黒い肌の男性。少なくとも日本人とは思えない風貌の彼だったが、チョークを置き、生徒の座るほうを振り返って講義を始めたその口からは流暢な日本語が生み出された]
1960年代、NASAに勤務していた気象学者アンドリュー・ワトソンが提唱した「自己統制システム」。地球があたかも1生命体であるかのように自然現象を自己統制・自己調節しており、人類が地球に対して自然介入を行なっている行為すら地球の大いなる意志の下行われているという理論だ。
あくまで気候や生物環境の相互作用に対して恒常性が認められての理論展開ではあるが、これはつまり地球を”神”と想定した合目的論であると当時の生物学者が反論、一転して眉唾ものの理論となってしまった。
しかしこの自己統制システムという理論は現在研究されている地球システム科学に大いに役立っている。我々も、生態学や気象学を研究する際にもっと地球規模での考察を行っていく必要がある。
またこの理論が成熟するならば、近い将来火星や地球と酷似した惑星の恒久的テラ・フォーミングも可能になると僕は考えている。
まあ、君たちがこの自己統制システムの神性を信じるかどうかはまた別の話だ。新興宗教の勧誘を受ける際は今日の講義の事は全て忘れてくれたほうが、僕の説明責任が問われることがなくなるので是非そうして貰いたいと言っておく。
[少しはにかみながら、最後にそう付け加える。教室はにわかに笑い声が湧き、その刹那終業の電子音が黒板上に設置されているモノラルスピーカーから流れた]
というわけで、今日はここまで。お疲れ様。
[そう言うと同時に生徒は起立し、一斉にフィリップへと礼をして退出の準備を始める。大学生達の浮いた雑談が部屋を埋め尽くし、フィリップもまた同じように資料をまとめる]
『フィリップ先生、質問があるんですけど』
[振り向くと、地味な風貌の女生徒が一人フィリップの前に立っていた]
先生、ではなくフィリップと呼んでくれと言わなかったかい。
『あ、すいません。その…フィリップ、さん』
何だい?
[少し笑顔を浮かべその女性の目を見つめる。眼鏡の奥に見えるその子の瞳は、わずかに怯えているように思えた]
『フィリップさんは、自己統制システム理論の神性をどうお考えなのですか?その、授業で説明されたお話ではなくて、個人的な見解というか』
どうしてそれを聞きたいんだい。
『生態系を研究していると、時々怖くなるんです。当たり前のように命が搾取されて、違う命に取り込まれて。まるで機械的に命が生まれて消えていっている気がして。人間もそうなんじゃないかって。もし自己統制システム理論が真理なら、生態系の研究のいきつく先は運命の改変を許さない方程式への到達なのではないかと』
成程…僕は自己統制システム理論の神性を個人的には支持している。いや、そうあって欲しいと望んでいるのかもしれない。君はそう思うかもしれないが、それは救いのない話かな。
僕はそう思わない。自己統制システム理論が真理であるならば、まさに言葉のとおり人間一人が1日に摂取する数千の命は間違いなく血となり肉となり、地球へと還元されていく。しかし、人間という個体群が他の個体群の生命を搾取する事でしか維持出来ず、それが人類が望んだ未来だとするなら、人類はこの地上の覇者となった時点で”罪深き勝者”でしか無くなってしまうからだ。
人類に救いがある答えとは、どちらだろうね。今のは僕の個人的な意見だと言う事を忘れないでいてくれ。真面目に研究するのは構わないが、もっと客観的な考え方を持ったほうがいい。また悩みがあれば僕の研究室に顔を出せばいい。
[そう告げると、思い悩んだ女性の肩をぽん、と叩き部屋を出て行く]
[授業を終え、フィリップは自分の研究室へと足を運んだ。研究室の表札には「理学部生物学科 気象生態学研究室」と書かれており、フィリップが部屋に入ると数名の大学生が挨拶を投げかけた。軽く返事をし、自分の席に着いて資料をまとめる]
[フィリップ・ミラー。
25歳にして帝都大学の助教授の席を獲得した若き学者である。
修士課程が終了し、助手ではなく助教授の席を即獲得した彼は、研究実績は勿論十分ではあるものの、帝都大学内に強いコネクションを所持しているのではないかと他の学生や教授達から噂されていた。
事実、彼はこの帝都大学へ出資しているとある企業と深い関係にあり、否定をする事は難しい。だが単身留学し帝都大学へと進学した彼は卒業するまで常に主席であり、また学会にて発表された”惑星の自己統制システムを利用した恒久的惑星テラ・フォーミング理論”は気象学会に大きな衝撃を与え、彼の名前は一躍有名となった。
結果現在の地位を表立って非難される事は殆ど無かった。
ただ、彼の佇まいは神秘的で、それに興味を持つ学生や教授もまた少なくはなかった]
[浅黒の肌。銀色の髪。
それでいて日本語の流暢さや日本文化への理解。
年齢・研究実績不相応な知識量。
彼を構成する要素はどれも違和感が残るものばかりであった。
しかし彼の気さくな性格もあり、トラブルなどを起こす事も無く、平穏な日々は過ぎていた]
[明日の授業に用いる資料を纏め終わる頃にはすっかり外は暗くなっていた。
研究室にいた数名の生徒もすでに帰宅し、窓の外は暗闇に支配されていた。
そして、ただ遠くに見える満月が、フィリップの横顔を照らしていた]
[ふと、月を眺める。
時々こんな気分になる。
自分が生活しているこの町が、まるで自分にとって縁遠いような、それでいて夢で見たような世界であると感じる。
なら、一体自分という存在何なのだろうか。
自己統制システム理論を支持すると学生に説いても、当の本人はこの自己統制システム理論という構造の外にいる存在なのではないかと]
なら、一体この僕は何だというのだ。
[そして、決まったように偏頭痛の波が押し寄せる。
ぐっ、と奥歯を噛み締め、耐えながらも机の引き出しから錠剤を取り出し口に含む。
水も無しに、その小さな粒が喉を通過し、フィリップの喉が大きな音を鳴らす]
[この日常が続くものだ。そうフィリップは信じて疑わなかった。
だが、その日常が脆くも崩れ去ることもまた約束された未来である事を。
そしてそれは回避出来ない運命の方程式の一片である事を。
彼はまだ、知らなかった]
…。
[無言で歩を進める。
「サラ・ミラー」…すなわち、ヒトとして生きる自分。
彼女が眠りについた後。
夜に、「僕」の仕事は始まる。
「僕」の仕事とは、すなわち、準備だ。
「本当の目的」を果たすための。]
[長い時間が流れた。
あの時の記憶だけで、「僕」は生きている。
あの時の記憶。
そこには、あの忌まわしきモノが常に存在する。
名も知れぬ抗体。
今ならば「古代のHM」とでも呼べばいいか。
立脚する技術は違う。
HMは僕たちの技術に立脚し、あれらはそうではない。
忌まわしき人間たちの技術の粋…]
でも今は、僕の籠の鳥…
[Endeavour中核研究所、通称サラミラーズラボ。
今、あの抗体の一つがここにある。
そっと、そのボディを撫でる。]
ふふふ…
[笑む。
これには、苦労させられた。
だが、もう、この抗体は私のモノだ。
インターフェイスと、パイロットデバイス。
それらがこれを使うために必要なものだ。
完全な解析をすることはできなかったが、それは分かった。
その二つは、もう用意してある。]
使わなくてすむことを祈るけどね。
[振り返り、歩く。
直属の配下に連絡を取る。]
戦闘用のHMも投入する。
多少強引でもいい。
残る「オーパーツ」を…未知のHMを見つけ出すんだ。
あれの存在は都合が悪い。
私たちの覇権のためには…。
−夜・帰宅中−
[都内の道を駅まで歩いている間に、とある高層ビルの建設予定地を通り過ぎる。
決まってそこには見物客がおり、写真を撮影したり物珍しそうに工事現場に見入っていたりする。
だがそうなるのも頷ける。この工事現場には特殊な機械が導入されていた。
暗闇に浮かび上がる鋼鉄の体。この高層ビルの着工の為に導入された、土木工事用HMがそこにあった]
HM、か。
[産業用のHMが開発されてからはや数年。ここ1年でようやく普及してきたと言える。
だがこの工事現場のように、人々にとってはまだ馴染みの浅い存在であり、野次馬が集まりやすいのも事実である。
特に首都圏ではHMのような大型作業機械を動かせるスペースが確保されているケースは多くなく、またこれらを使った犯罪行為への防止施策の義務化等制限が強い為、導入検討中のままとなっている企業も多い。
他にも、これだけの機械が工事や作業を行うことによって自然破壊を促進させるのではないか、というナチュラリストからの風当たりも強いのも事実である。市民権を得るにはもう少し時間が必要なようだ。
また、すでに軍事転用も始まっているようだが、まだ表立って発表している国はない。
だがそのような話が出ているのも従兄弟のサラから聞かされている]
これも地球の自己統制システムの中の出来事という事になる。地球という存在は偉大だな。
[自分の研究は、結果従兄弟のサラが社長を務める企業『Endeavour』を正当化する理論となるだろう。
この金属で出来た巨人も自然現象の一つなのだ。自分で提唱しておきながら、目の前に広がる光景を前にため息をついた。
だが、そんなありふれた風景は…
これから起きる戦いの前兆でしか無かったのだ]
4人目、風限 蒼真 がやってきました。
風限 蒼真は、村人 を希望しました。
― 夜・高層ビル建設予定地 ―
Humanic Mobile……ね。
[そこで動く鋼鉄の巨人を見上げて、ぽつりと呟く。
ほんの数年前までアニメや漫画の世界でしか存在していなかったソレは、今ではこんな身近で普通に稼動をしている。
幼少の頃に憧れた「巨大ロボット」。
だが、今はそれを目の前にしても……
特に心から湧き上がる感情はなかった。]
――いつまでも、ガキのままじゃねぇさ。
[誰に対しての言葉か。
少しだけ自嘲気味にその言葉を紡げば、
未だ野次馬たちが群がる建設現場を後にする。
喧騒の中から離れていくその足は、
誰も待つことのない帰路へと、静かに進んでいった。]
5人目、イステ がやってきました。
イステは、村人 を希望しました。
―夜/とある高層ビルの屋上―
[夜を切り取る高層ビルのその角で
航空障害灯が明滅を繰り返す。
赤。黒。赤。黒。赤。
建造途中の建築物の骨組みは
赤に照らされて奇妙なかたちを浮かび上がらせる。
赤。黒。赤。黒。赤。
建築物を組み立てるのは鋼の巨人。
Humanic Mobile。
今は忠実なひとのしもべである。
そしてビルの上、巨人を静かに見つめるひとつの影がある。
風が地上から巻き起こり闇に溶ける黒髪を乱した。
影は、ほんの僅かだけ眼を細めた。
航空障害灯が明滅を繰り返す。
赤。黒。赤――― 《青》]
[そう《青》。
影は人の形をしていた。
眸は赤の光にさえ青く透け
風に乱れる黒髪の隙間から、
静かに巨人を見下ろしていた]
……――
[小さく唇が動いたが
それは誰にも届かぬはずの
さながら歌のような一小節。
《青》の主は女であるようだった。
華奢な体躯を赤の光が縁取る。
それでもなお女は青であり黒であった。
女は視線を巨人からふっと逸らす。
そうして、地上を静かに、見下ろした。
片手に持つ、一面が液晶の携帯端末が淡く光る。]
……―いるのだね、ヴォルバドス。此処に。
[何者かに呼びかける静かな声。
今度は言葉として形をなした。
赤。黒。明滅の間。
まるで階段を降りるときのように何気なく、
何も無い空へ足を踏み出し
塵芥、光の溜まる地上へと
重力のままに身を躍らせた。]
ヴォルバドス が見物しにやってきました。
ヴォルバドスは、見物人 を希望しました。
[風を受け、まっすぐに地に落ちる女の影。
その人形めいた整った顔に恐れは微塵もなく
感情と呼ぶべきものが浮かばない。
そのままでは地に叩きつけられ
無残にも華奢な体は砕け散る、
ただそれだけであるだろうに。
されど、女の眸とそして
輪郭が《青》く光り
それに招かれるが如く
黒き腕(かいな)が闇の狭間より現れた。
巨人の腕、と呼ぶに相応しい、それ。
ただ、身体が見えない。
闇から腕だけが生えていた。]
6人目、キャスリーン ロンズデール がやってきました。
キャスリーン ロンズデールは、村人 を希望しました。
― 夜/??? ―
[音が響いた。それは、しずくが地を打つ音か。
闇で塗りたくられた世界は、他に何の音も漏らさない。そしてまた一つしずくの音が鳴って、闇に小さな明かりがともった。
蝋燭のようにゆらめく、機械仕掛けの光。しずくの音が鳴るたび、新たな光がともっていく。二つ、三つ、四つ。
それらは、一人の大人がすっぽりと収まるぐらいの長細い箱を、ただ静かに照らす。人工の光が群衆のように取り囲むなか、赤いしずくが天井からぽたりと箱を打っていた]
―夜の路地―
[腕は女を受け止める。
黒髪が吹きあげる風を受けてふわ、と広がる。
女は、腕を――その先の、
今は見えぬ巨人の顔を見上げるように顔を向けた。
白く、細い指が漆黒の巨大な腕を撫でる。
触れた場所に灯った青い光は
奇妙な幾何学模様を描きながら
瞬く間に腕全体へと広がり
次の瞬間には、
女ひとり、残った。]
[それまで寡黙だった漆黒の箱が、不意に動き始めた。十字に走る切れ目が次第に大きくなり、箱は四つの殻に別れていく。
箱が納めていた物は、一人の女だった。
女性の肌には生気が無い。闇の中、ゆらめく光が浮かび上がらせる彼女の顔は、色の抜けきった死体のようだ。そんな白の顔と身に纏う黒のドレスが対照的で、二つの色は自己主張を重ねて互いに譲らない]
[音が響いた。それは、しずくが彼女を打つ音か。
胸に落ちた赤いしずくは胸に挿した薔薇のよう。しずくの音が鳴るたび、その華麗な花は大きく花弁を広げ、ドレスの生地に染みこんでいく。
やがて寡黙だったまぶたが動き出して、彼女の隠されていた瞳を光の群れにさらけ出した]
M-am trezit.
[それは耳慣れぬ発音。一言つぶやいて、彼女は起き上がる。
辺りは機械仕掛けの光たちと、自然のもたらす暗闇たち。その小さな世界に彼女以外の生物は存在しなかった*]
/*
というわけで、「あず」こと asbntby 推参しました。
Fate村のように他のプレイヤーとコンビを組む RP村というのは初めてなので、ちとどきどきしますのう(笑
*/
村の設定が変更されました。
/*
とりあえず誰かやるかなあと思ってはいた。いたが、
……本当に異形の神を持ち込んでる人がいるし(笑
魔導書「イステの歌」と神性「ヴォルバドス」とか。うん、あれだ。キャスリーンとコンゴウの設定が通るわけだな!(笑
えーと……Wikiの、私の相方たるパイロットさんの設定欄が未だに真っ白けなままなんですが(笑
うーむ、色々と大丈夫なのであろうか。……うん、まあ、なんとかなるよね!(楽天的
*/
―夜の路地―
[――眼ばしのきくものは、闇に忽然と現れた
腕を見たかもしれないが、ただの見間違いと
そう結論づけたかもしれない。
どちらにせよ。
何事もなかったかのように女はそこにいる。
人通り、やや少ない夜の路地。
僅かに乱れた髪を手で梳いた。
街灯の下、白い顔が浮かび上がる。
人形めいて表情動かさず、手にしていた
全面が液晶の端末に、視線を落とした。
誰かを、探している。]
/*
うん? 村の設定の変更? ……更新間隔が72hに延びたのかな?
今ちらちらとコンゴウの設定を見直し中。んー、もっと弱体化した方がいいのかなあ。どうもわからん。
他の HM を見ると……コンゴウ以外に前衛っぽいのが二体いるのか。タンクっぽいキャラは少ないかなと思ってコンゴウの設定を編んだんだけど、ちょっとかぶったかなあ。
展開によってはドメインを強化して射撃型っぽくしてもいいかもしれなひ。
まあ「ロボット物ならまず肉弾戦だよね!」って話もあるから、これはこれでいいのかもしれないけど。
*/
[歩いたのはほんの少し。
控えめな足音が止まる。
青の光を宿した眸が
夜の道を歩く一人の青年へ
ひたり、と向けられた。
―――風限 蒼真。
“彼”の歩む先、
立ち塞がるように華奢な影が立つ。]
………?
[帰路の途中。
夜道の中で自分の前へと突然立ち塞がる人影。
周囲が暗い為、はっきりとは見えないが
その姿は青い瞳が印象的な一人の女性。]
俺に何か用か?
[見覚えの無い顔だ。
もし互いの立場が逆ならば、空気の読めないナンパか何かだろうと推察するのだろうが………残念ながらそうではないだろう。]
[青年の様子を
さして気にする様子もなく
女は、見定めるように双眸を細める。]
――――…《適合者》
[呟いた声は
奇妙な響きを帯びていた。]
お前を、探していた。
[続け、歩み寄る。
人ひとりぶんの距離を開けて、止まった。]
は?
[意味が解らないと言った様子で、
思わず口から疑問の声が漏れた。
だが、それすら目の前の女は気にも止めず
こちらとの距離を詰めてくる。]
探してたって……何の為に?
俺はお前の事なんて見たこともねぇんだが。
私も、逢うのは初めてだ。
[抑揚の少ない声で答える
青の眸は青年をとらえたまま反らさない。]
―――私はイステ。
来る終焉と戦うため、
《適合者》たるお前を求める者。
私と共に、来てほしい。
[――静かに、謂った。
ただ、当たり前のことを謂うような調子で。]
[終焉、適合者。
なるほど、どうやら色々な意味で関わってはいけない人物らしい。
やっかいなのに絡まれたもんだ、と。
心の中で頭を抱えながら溜息を吐いた。]
すまねぇけど、宗教の勧誘なら他を当たってくれねぇか。
生憎貧乏人なんでね。
次は人の良さそうな金持ちに声掛けるんだな。
[なにせ、この見た目だ。
下心で話を聞く奴など吐いて捨てるほど居るだろう。
とりあえずはこの場から離れようと、
女の横を通り抜けようと足を進める。]
…宗教?勧誘?
それは私の行動には符合しない。
[およそ愛想のあるとは謂えない調子で、イステと名乗った女は答えた。]
待て。
[横をすり抜けようとする
青年を引き留める声にだけ、僅かに力が隠る。]
……他をあたるという選択肢は、私にはない。
[先程よりも何処か感情が篭った言葉に、
立ち去ろうとした足が不意に動きを止める。]
………ッ、あ〜ったく!
[ガシガシと頭を掻いて、
何処か自己嫌悪気味に振り返った。]
一体、なんだってんだよ。
俺は面倒事は御免なんだ。
初めて会う俺に固執する理由でもあるのか?
7人目、f>u:e3 がやってきました。
f>u:e3は、村人 を希望しました。
― 同時刻/とあるユーラシア大陸北端 ―
[雪が降り続けていた。
見え隠れする月は空ごと凍え、水面に落ちる光も然り。
漣が一つ立てば、月影がより白く冷たく、軌跡を揺らす。
昨日も雪、一昨日も雪。
昼は灰色の空が寒さを主張し、
夜は少ない光が凍土を知らしめる。
そんな光景を望む断崖に、独り建物が朽ちていた。
遥か昔に役目を終えた灯台が、ひっそりと佇んでいた。]
[灯台の中に気配は三つ。
中央には、人間の少女が一人収まりそうなダンボール。
ダンボールの中には、事実として小柄な少女が眠っている。
……ように見えて機能停止している。
そのお腹――臍に該当する部分からは端子のようなものが伸び
同じく梱包されたノートパソコンのようなものと繋がっていた。
外から中へ、中から少女の耳へ、三人分の声が聞こえてくる。]
男1
「……ということで、この発掘品を日本へ送りたいんだ」
男2
『ホウ、ジャポンニ、カイ?』
男1
「ああ。向こうに残してきた仲間がいるんだけど、こういう珍しい骨董品が大好きなんだ。後は今回の冒険も無事に終わったぜいって報告も兼ねてるな」
男2
『ハナシダケキクトナカーマオモイダガ……、ゴユウジンハコンナモノオクッタラ、ビックリスルヨ、ハハハ』
男1
「だろうな。けどそれが面白い。サプライズだろ?」
男2
『シカシ、ナニモワタシニタノマナクテモイインジャナイカ、カザマ。イヤダトイッテイルンジャナイ。キミナラ、ワタシヲタヨルリスク、ワカッテイルダロウ?』
カザマと呼ばれた男
「もちろんさ。だがな、普通の手段で送ったら妙な事に巻き込まれる気がするんだ。こう、とんでもない事にな」
男2
「ホウ。ソレハマタ、ドウシテ?」
カザマ
「根拠は無い。だが何となくそんな気がする」
男2
「ムウ。ダイロッカン、トイウヤツカ」
カザマ
「そんな高尚なモンじゃねーよ。ま、とにかくそんなわけで、あんたを頼ったってわけさ。報酬は……そうだな、今回の遺跡での発掘品の残り全部! どうだい?」
男2
『……ソレダト、カザマノトリブン、ナクナルジャナイカ。コンカイノイセキハ、トクニゴクアクダッタラシイジャナイカ』
カザマ
「強いていうなら、最後の間にたどり着くまでのスリルと冒険が報酬さ。男のマロンってやつだな」
男2
『―――フフフ。ナルホド、オトコノマロン、カ。サムラーイトイウヤツダナ、カザマ』
巻き舌が似合いそうな男
『おう旦那。どうだい、ちったあ話は纏まったかい』
男2
『アア。カザマノニモツヲジャポンヘハコンデヤッテクレ。アテサキト、ジュウショハ、コイツダ。』
巻き舌が似合いそうな男
『おう、任せとけ。あんたの頼みなら、どこへだって運んでやるぜい』
カザマ
「おお、運んでくれるのか! ありがとな! ……あ、やべぇもうこんな時間だ。密航の時間に送れちまうから行くぜ! んじゃあな!」
男2
『オオウ。モウイッテシマッタ。イツアッテモ、カザマハドタバタトシテイルナ』
巻き舌が似合いそうな男
『いいじゃねえか。ああいう自由なやつもいてこそ、世の中正常に回るってモンさ。
……ところでよ、こいつはなんて書いてあるんだい。俺じゃちと読めそうにねーや。』
男2
『ンン……? ……オー、コレハ、……カザマハ、モジモ、ジツニハテンコウダナア。ハハハ。』
巻き舌が似合いそうな男
『おいおい笑ってる場合かよ。…まあいいさ。こっちで適当に調べて送らせてもらうぜ』
8人目、ポルッカ ヘヴンベル がやってきました。
ポルッカ ヘヴンベルは、村人 を希望しました。
― 路地裏のゴミ捨て場 ―
[薄暗く、異臭漂う路地裏の一角。そこは表通りからは人目も届かず、住民がゴミを捨てに来ない時間帯を知っていれば、生ゴミ漁りの野良猫たちには絶好の餌場だった。
……そう、普段なら。
捨ててあった小汚い毛布に身をくるみ、半透明のゴミ袋に埋もれるように、そこに年老いた酔っぱらいが寝ていた。抱いた酒瓶のラベルはこの土地の地酒で、中身はほとんど空になっている]
ゥイッ。
[この珍妙な邪魔者を警戒し、遠巻きにして餌場を囲む野良猫たちの前で、その人物はしゃっくりを一つする。そしてそれで目が覚めたのか、緩慢な動作で身をよじり、苦労してゴミの山から這い出て、]
ぐぅ、うえぇぇ……。
[コンクリートの地面に、吐瀉物をまき散らした]
9人目、A/I=L2 がやってきました。
A/I=L2は、C国狂人 を希望しました。
─ Endeavour/中核研究所 ─
[薄暗い無人の部屋、規則的に点滅するランプと電子音。
数値を読み上げる機械の声だけが響く。
薄青色の溶液に満たされたプール。
その中央に浮かび上がるモノ──がある。
まるでそれ自体が独立した生物であるかのよう、波打つ豊かな漆黒の髪。白く輝くような皮膚を持つ非人間的な肢体。暗い光を放つ真紅の双眸は、水中にありながら見開かれたままだ。]
[それには、まるで何処か遠い場所から響く声でも聴こえているかのよう。細長い人形のような首が傾く。
そして、ジュラルミンのような質感の爪が、培養槽の厚いガラスに伸ばされた刹那、規則的に点滅していたランプと音が止まり、厳重に管理されていた培養槽がまるで魔法のように開いた。
部屋は無人であったが、監視カメラの映像を注意深く再生して見る者が有れば、その少女のような姿をしたモノ──が何かを囁いた事に気付いたかもしれない。]
──……
声は、
確かに
此処に届いた。
[濡れたままの肢体。
培養液の雫を滴らせ、無機質な廊下を裸足で歩きはじめる。
複雑なラボの中、すべてのロックはその少女の形をしたモノの指先や視線一つで開く。それが迷う様子はなく、目的とするらしき場所へ向かう。]
おおう、ぐぉう……。おぇっ。
[苦悶の呻きをあげながら、ゴミ捨て場から這い出る。
遠く見守る野良猫たちが浮き足立たせたが、その人物は少し移動しただけで力尽きるように転がると、仰向けになった]
おお……ぅ。ひっく。
[夜空に輝くはずの星は、街の明かりのせいでほとんど見えない。
酔いに赤みの差した顔を呆けたように弛緩させて、彼は大の字に寝転がりながら結構な時間、その面白味のない夜空を見つめていた]
10人目、傭兵 ニキ がやってきました。
傭兵 ニキは、村人 を希望しました。
−路地−
[独り歩く人影――彼の名は段田弾。
常に前を向いて歩くその男は、足元がおろそかである。
ずべちゃ。]
イテッ!でもこの痛みも生きてる証!
11人目、オキセンシェルナ がやってきました。
オキセンシェルナは、村人 を希望しました。
−歓楽街路地裏−
[薄汚れた路地裏に派手に響き渡る破壊音があった。
明らかに穏やかでない打撃音も幾らかあった。
呻き声が一つ、ものが落ちる音も一つ、そして]
…余計な手間取らせやがって
[不機嫌な舌打ち、一つ。
崩れたゴミ袋の山から人の足が生えていて
それを見下ろす影の白い手は明らかに他者の赤に染まっていた]
"資質"の欠片もない底辺の屑が、調子に乗るんじゃねえよ
[見下ろしていた白金の眸は、ゆっくりと花紺青へと変わっていった。
幾許もしない間に、見下ろしていた影は歩き出す。
その一方で、ゴミ袋の中に逆様に生えた足は朝まで動かなかったという]
傭兵 ニキ は肩書きと名前を 段田 弾 に変更しました。
−路地−
[独り歩く人影――彼の名は段田弾。
常に前を向いて歩くその男は、足元がおろそかである。
ずべちゃ。]
イテッ!でもこの痛みも生きてる証!
−夜・自宅−
[都内のマンションの一室へと戻ってくる。
家族は海外に暮らしており、この部屋はフィリップだけが住んでいる。
入り口のすぐ横には、両親とフィリップ、そしてミラの4人が楽しそうにしている姿が写真に収められている。
部屋に入ると、机の上に弁当が入ったビニール袋を置く。不器用なのか、炊事洗濯が苦手らしく、部屋もどことなく片付いていない印象がある]
[前のめりに倒れたことも、彼にとっては幸いである。]
背中の傷は剣士の恥!
[体育の授業で習った剣道の先生の言葉を思い出した。]
さーてと、バイトもクビになったし、明日から何しよっかな!
俺は自由だ!何でもできる!ワクワクするぜ!
[別の袋から発泡酒を取り出す。
プルタブを倒すと、ぷしゅっという音が鳴った。
冷えたアルミ缶にそのまま口をつけながら、テレビのスイッチを入れる。
普段観ているニュース番組では、HMを用いた作業現場の特集が行われていた。
HMという機械がもたらす作業効率向上という恩恵と、そして犯罪や事故への恐怖という弊害。
こういうものはいつの時代も報道からバッシングを受けるものだとは判っているが、それにしてもこの番組の伝え方は弊害のほうに偏っていた]
これで視聴率は上がるかもしれないが、人類は後退してしまうという事も理解してもらいたいものだ。
ME=08 シグ が見物しにやってきました。
ME=08 シグは、見物人 を希望しました。
鈴木 大輔 が見物しにやってきました。
鈴木 大輔は、見物人 を希望しました。
12人目、会社員 がやってきました。
会社員は、村人 を希望しました。
お疲れ様です。
[やってきた鈴木に頭を下げる。]
鈴木さんも、ですか。
[その問い掛けに頷いたのを確認し、格納庫に並ぶHMを見上げた。
マシナリー(MACHINE-EARLY)。
来るべき機械と銘打たれた戦闘用Humanic Mobile。
Endeavour社が取り扱うHMの中でも、とりわけ性能が高く、当然コストも高い機体である。]
[足音は薄汚れた路地裏をそのまま進んでいた。
走っていく鼠の足音。カラスがゴミ袋を啄ばんで漁る音。
犬の夜鳴き、遠い嬌声、廃棄されたものの隙間から這い出てくる百足。
そんなものを目にしながら耳にしながら、
影はブーツの太い踵を鳴らして歩き続けていた]
…本当に、こんなところにいるのかよ
[誰に問うわけでもない。
ただ、溜息までに返事があったかのような間があった]
過度な期待はしないに限る、かね
[花紺青の眸を薄べったくして、歩き続ける。
そして、その足は幾らか進んだところで止まった。
近くから猫の鳴き声と、胃液と消化物が入り混じった
言葉にしたくない匂いを感じる。
けれど、それも影にとっては理由ではなかった]
─ Endeavour/中核研究所 ─
[警報音が響いたのは、それが研究所の最深部へ向かう専用通路のあるエリアの扉のロックを解除した時だった。]
「A/I=L2!」
[声に記号のような名前で呼ばれて振り返れば、研究者と思しき驚愕した声の主の手が、警報装置を叩いたまま固まっている姿が、“それ”の真紅の双眸に映った。]
──何だ。
私があれを見るのを
邪魔するつもりか?
[扉を解除するのと同じように、真紅の光を研究者に向ける。それは、生きた人間をも解除しかねない、冷たい笑みをふっくらとした少女のくちびるに乗せた。]
箱の中に居るのは退屈でな。
ラボ内のシステムに接続する位しか
私には、娯楽が無い。
嗚呼、勿論、このラボの覇権を
握っている者が誰かは、理解しているとも。
まだ、あれ──En/Co/lCha/Dis/At/En=6*Oを動かしはしない。
……ふふふ、眺めるだけだ。
パイロットを迎えに行くのが先だからな。
おう、俺も呼ばれたんだよ。ったく、面倒臭ぇ話だ。
…未登録のHMねえ。
なんでそんなもんがうろついてんのか知らんけど、物騒なもんはとっとと確保してくるか。
[ボヤくように言い捨てて、ヘルメットを被る]
それじゃ行くぞ、お前ら。
[即座の返事を耳にしながら、昇降機へと足を掛けた]
[クビになったことで今日までのバイト代をもらえたのも、彼にとっては幸いである。]
次の給料日まで持たなかったから助かったぜ!
[コンビニでおでんを買った。
卵と大根と牛スジとはんぺん。]
給料日前なのにこんな贅沢できるなんて、クビになってよかった!
店長ありがとう!
[自分を解雇してくれた店長に感謝しながら、意気揚々と四畳半一間のアパートに帰っていった**]
[ふにゃぁ、と言うのが裏路地の猫の鳴き声だった。
見下ろした先には、それが汚れなのか生来なのかよくわからないが
灰色の毛並みをした猫がいた。
膝を追って、視線を合わせると、花紺青は僅かに金を含む]
どうした
[猫と会話するかのような口振りで猫に言葉を投げる。
そうすると、灰色の猫は毛羽立った尾を立てて歩き出した。
後姿を見ていた影は立ち上がる]
…どうする、後を追うか?
[もうひとつ、問いかけるような言葉を中に投げる。
また一つ間があいて、結局その影は歩き出した。
遠巻きに見える、転がる何か。
路地裏で現代アート、というわけではないだろうが
それでも転がっている人は空に向けて大の字を示していた]
[番組は、このHMの軍事利用にまで事が及ぶ。
情報が漏れているのか、それとも推測なのか、フィリップには判らない。
しかし、その映像は悪意に満ちていた]
・・・・・・サラさんも今頃大変だろうな。
こんな報道されたら各方面からの問い合わせが殺到しているだろう。
[しかし、彼を軽い頭痛が襲う。
何かが、動いている。何かが始まる予感。
部屋の窓から外を眺める。
何の変哲もない風景のように見えたが、違和感が彼の中で滞留している]
あー……おおぅ。
[仰向けのまま、抱えていた酒瓶の栓を抜き、直に呷る。酒精の強い液体を口内に一度溜めて、ゆっくりと喉に通した。
―――直後、がばっと跳ねるようにその身体が動き、身体の向きを反転。うつぶせに伏せる]
ッ! ゲハッ、グホッ!
[酒が気管に入り、盛大に咽せたのだ。仰向けで飲めば当然である]
ぐ、ガフッ。
[苦しそうに呻き、咳き込み、そしてもう一度酒を飲もうとして瓶が空になっていることに気付いた。
そしてだいぶん遅いことに、近づいてくるその気配にも、やっと気付く]
会社員B が見物しにやってきました。
会社員Bは、見物人 を希望しました。
[ME=08 シグの一機に乗り込み、空へと舞う。]
まったく、慣れたとはいえ残業も嫌になる。
[今回の任務は未確認MEの確認と、可能ならば確保。
元より車などより遥かに殺傷能力が高いといえる機械だ。
これが管理外で暴れたとなれば会社への非難も大きくなる。
例え握りつぶせるといっても、無いに越したことはないだろう。]
反応は……あっちだったか?
…冗談だろ
[状況と、現実。見えたそれらに、溜息は弱い。
口振りに比例して、よく見れば大の字を見やるその影は
ちょうどハイティーンくらいの女に見えた。
こんな場所にいるには、聊か似つかわしくない]
本当に、"資質"があんのかよ
[ブーツの踵を鳴らしながら、一歩二歩と近づいて
適当なところで足を止める。
先ほどの灰色の猫は、ゴミ袋の山の上から見下ろしていた]
おい、爺さん
くたばるのはちょっと待ちな
[金を含んだ花紺青は見下ろしたまま言葉を落下させる]
[>>70
どうやら、人違うという線も潰されたらしい。
となれば何かの目的があるにせよ、この女性……イステと名乗っていたか、は間違いなく自分自身を何らかの目的として接触しているのだろう。]
問題って……そりゃお前。
[面倒事になりそうだから、などと気軽に言える感じではない。
言葉を濁しながらどうした物かと思案をすれば、突如飛来する巨大な影>>74]
な、なんだっ。
何でこんなところにHumanic Mobileが……。
[しかも空を飛んでいる。
土木用のHMは確かに普及しているが、飛行移動が可能な物等聞いたこともない。
思わず、少し呆ける様に空を見上げる。]
・・・・・・あれは?
[ふと、違和感に気が付く。
確か帰路の途中にあったビルの工事現場。
あそこには作業用HMがあった筈だが、それ以外の何かがある気がする。
予感。もしくは、悪寒]
―夜の路地―
…来る…
[イステは呟く。
蒼真が言葉を濁したのを聞いていたのかいないのか。
徐にイステは白い手で蒼真の手首を掴む。
ひやりとした、ひどく低い体温が彼には感じられたろう。]
…ソウマ。
ヴォルバドスが 呼んでいる。
[イステは歌うように囁く。
彼女の輪郭が淡く青い光を放つ。]
−シグ/コクピット−
反応は確かにこの辺りのはずだったが…。
[レーダーはかすかに反応を示してはいる、が。
周囲にHMらしき物はない。]
…壊れでもしたのか?
そんなんで残業とかたまったものじゃないな。
あぐぅ……ぅ?
[汚れた口元を袖で拭いながら、聞こえた声の方向へ顔を向ける。
その目は明らかに意識混濁した者のそれで、度を超して酒に浸かった人間のそれであり、つまりはグロッキーだった]
……み、水。
……っ、ちょっとお前……!
[触られた瞬間、あまりの冷たさに眉を潜める。
人の体温とは此処まで冷たくなるものだったか?
体調でも悪いのだろうか、
先ほどまでの言動も、体調の悪さからくる幻覚かなにかだったのかもしれない。]
いや、呼んでるとかじゃなくてだな!
いいから病院か何かに今すぐ――――
[その言葉は、突如イステから放たれ始めた光に遮られ……]
─ Endeavour/中核研究所
・En/Co/lCha/Dis/At/En=6*O格納庫 ─
[A/I=L2は、片手ではり付いた長い髪をかきあげ、視線だけで(実際はインターフェイスであるA/I=L2と接続したラボのシステムにアクセスする事で)、警報装置の音を止めた。]
私は、あれの為だけに作られた
インターフェイスだと言うのに、
まだ、あれにアクセスしていない。
……パイロットのもの同様、
データのみであれば、得ているが。
[インターフェイスA/I=L2は床に座り込んでしまった研究員から、思い付いたように上着を剥ぎ取り──En/Co/lCha/Dis/At/En=6*O格納庫へ。]
En/Co/lCha/Dis/At/En=6*O が見物しにやってきました。
En/Co/lCha/Dis/At/En=6*Oは、見物人 を希望しました。
─ En/Co/lCha/Dis/At/En=6*O格納庫 ─
[En/Co/lCha/Dis/At/En=6*O、ラボ内では未だ、Endeavourの社名に関連する6つの略称記号化したナンバーで呼ばれているHM。
その機体の外見的特徴だけを簡潔に述べるならば、インターフェイスの双眸と同じ頭部の真紅のだろうか。有機的なその色はまるで生きて居る人間の血を凝縮させたかのよう、あるいは脈動するマグマのよう。
近づけば、闇を吸い込んだかのような漆黒のボディにも、まるで血管のように張り巡らせた暗赤色の幾何学紋様が刻まれていて、赤、暗赤色、黒と仄かに色を変えた──。]
[赤、暗赤色、黒。移り変わる色。
インターフェイスA/I=L2は、その機体を真紅の視線だけで愛しげになぞる。]
此のまま、
乗り込みたい衝動に駆られるが、さて。
──行くか。
[気が付けばA/I=L2から滴り落ちていた培養液は乾いていた。
黒髪をなびかせ、機体に背を向ける。A/I=L2の内部で展開されるデータは、En/Co/lCha/Dis/At/En=6*Oに必要なパイロットのものだった。]
―夜の路地―
[――逸れは、青い光と闇の中から出でる。
光吸い込むような漆黒の機体。
まず、腕が空間より忽然と生える様に現れた。
それをなんと呼ぶべきか。
今地上にあるあらゆる金属のどれとも似てはいなかった。]
バーカ、水なんか持ち合わせてねえっつーの
[爪先が男の頭を軽く蹴る。
やっている事も言動も、路地裏にいるチンピラと何一つ変わらない]
立てよ
こんなところで爺さんを転がしてる場合じゃねえ
!?
[突如眼前に現れた黒い機体……HM。
信じられないものを見たかのように、眼鏡の奥で眼を見開く。]
ほ…本当にいた!
通信!未登録のMEを確認。
機体識別信号はどの登録機体とも一致せず!
これより確保に移る!
[本部、並びに他の場所へと向かったシグへと通信を送る。]
―夜の路地―
…その必要はない。
[慌てる蒼真とは対照的にイステの声はただ静か。
彼の手首を掴むのとは反対の手で、現れた漆黒の腕に触れる]
――私はイステ。
――私は歌う。
[言葉通り歌うような声に
こたえるように 光、強くなり
腕を縁取る光はやがて巨大なひとつのかたちを描き出す]
ヴォルバドスが呼んでいる。
……私たちにはお前が必要だ。ソウマ。
[今一度、イステは繰り返して
蒼真の腕を、引いた。]
[酒でガンガンと痛む頭を脚で小突かれて、その痛みにまた胃の内容物をぶちまけそうになる。
右手で胸、左手で頭を押さえなんとか我慢すると、苦労して身を起こした]
と、年寄……優しくせんか……。
[泣きっ面に蜂とはこのことかと、目の前の相手を見る。時間を掛けて、知らない人間だと理解する]
だれじゃ?
[通信が終わると同時に地上へと降り立つ鋼の巨人。
操縦されるがままに、眼前の未確認MEを捕獲しようとゆっくりと近づいていく。]
[眸に当たる位置にはめ込まれた
蒼いレンズが強く光る。
瞬間、蒼真とイステの姿は
地上から光がうせると同時に掻き消える。
次の瞬間に、蒼真が眼にするのは
彼が過去に「巨大ロボット」として
夢想の域に描いたもののようであり
またそのどれでもない領域。
無機質であるようでありながら有機的。
生命のようでありながら機械のようでもある。
半透明のモニタが幾つも空に浮かび
それぞれに違った映像と数値を表示する。
一言で表現するならば
「コックピット」 と 呼べるであろうか。]
何かが、起こっている。
[そんな予感だけを頼りに、マンションの外にでる。
この暗い都会の中で、何かが起きようとしている。
その場に直面した所で自分が何を出来るのかはわからないが、今はただそれに触れたいと、本能が囁いていた]
おいおいおいおいおい………。
[コクピット。
まさにそうとしか表現が出来ないであろう場所。
あまりの展開に、渇いた笑いが込み上げてくる。
自分は知らない間に眠って夢でも見てるのだろうか。]
……どうなってんだよ、これ。
なんで俺、こんな所にいるんだよ。
優しく?そんなの、酒に頼みな
[裏返せば自分には期待するな、といっているに等しい。
名乗りを求める言葉に、影は一つ息を吐き出す]
爺さんに用があるモンだよ
それだけじゃ、不十分か?
[首を傾げると金よりも淡い色の髪が僅かに揺れた。
花紺青に金を含んだその眸は身を起こした男を見て]
…資質以前に、身だしなみが問題だな
[苦い溜息を吐き出して、先が思いやられるというような顔をした]
─ 夜の街/ビルの屋上 ─
[夜に溶け込むような色の長い髪をなびかせて、軽々とビルの上を渡る影がある。
月光を反射する特殊素材で出来たイエローとブラックのコスチュームは、非人間的なインターフェイスの肢体にピタリと張り付いている。]
……街が、騒がしいな。
[二つの真紅が闇の中で輝く。
A/I=L2は、青ざめた皮膚にざわめきが走ったかのよう、喉を反らせて両腕で己の肩を抱いた。空中に表示させた蒼白く点滅する地図は、En/Co/lCha/Dis/At/En=6*Oに必要なパイロットの自宅を示していた。
場所マークの一致に、A/I=L2が立ち止まったのは、都内のとあるマンションの屋上だった。]
─ 夜の街/ビルの屋上 ─
此処か。
フィリップ・ミラー
[彼の住むはずの部屋へ向かいかけて、インターフェイスはマンションを出て行こうとする、フィリップの姿を視認する。
軽く、眉を顰めた。少女の肢体は、目的の部屋の窓へとそのまま躊躇無く屋上からダイブした。
フィリップ・ミラーの視点で見れば。
──突然、空から少女が降ってくる。]
倒すって……、だから何で……。
[そもそも自分はHEの操縦資格などもっていない。
自体が飲み込めないまま、再び疑問の声を荒げようとすれば
目の前に移るのは、此方へと伸ばされるHEの腕。]
〜〜〜〜ッ!あーもう、解ったよ!
その言葉に乗ってやるよ!
[ガリガリと何かを吹っ切るように頭を掻き毟れば、
何かを吹っ切るように操縦桿を握り締める。]
だけど後で……キッチリ説明してもらうからな!
[漆黒の機体に
淡く光る流麗な蒼い文様が微かに浮かんでいる。
《適合者》――すなわち操縦可能なものが
中にいるゆえに満ちる力。
だが未だ、動くに十分では、ない。
鋼の巨人より伸ばされる手を
果たして払いのけられるか否か。]
[操作方法は、まるで最初から知っていたかのように
すんなりと頭の中へ溶け込むように入っていく。
気付いた時にはまるで何でもない事かのように
迫る腕を払いのけるよう、漆黒の巨人……ヴォルバドスに命じていた。]
おー、ワシに、用かね。
それは、それは。それは、それは……。
[緩慢な口調で、それは、それは、と繰り返す。
……そうしながら、視線を巡らした]
十分じゃ。
[いきなりバッと飛び起きる。女性の目の前で勢いよく手を叩いた。
それは近接戦闘においては意外と効果を発揮する技であり、いわゆる「ねこだまし」。そしてその技の効果も確認せず、老爺は路地裏の奥へと一目散に走り出した]
ワシなど叩いても何も出やせんわ、"借金取り”!
[そんな言葉を残して**]
−マンションの外−
[1階からすぐマンションの前の路地へと出る。
付近に人通りは無く、自分の胸騒ぎとは反した世界が広がっている。
しかし、運命は突然降り注いだ]
・・・・・・な、に!?
[空気を切り裂く音。
空を見上げれば、そこには人の影。
自分にめがけて降り注ぐ、女性の姿。
突然の事に足をとめてしまう]
元軍人の偉いさんだからなぁ。ワシ。
色んな機密知ってたり、いろんな恨みを買ってたりするわけで。
故郷の人間ならともかく、身分も明かされず「用がある」とか言われたら一度は逃げるわさ。
説明。
それをお前が望むならば。
[了承の意、であろう。
絡みつくコードに指を絡めながら
イステの視線は蒼真の背を辿り
メインモニタの画像へと向けられた。]
――よい調子だ。
――そのまま、歌え。思う儘。
[操縦以外の制御はイステの役目だ。
僅かに眼を細めた。]
な、に……?
[瞬時に払い除けられるシグの腕。
其処までは良い、抵抗されるかもしれないという事はどこかで理解していた。
だが、問題はその先だ。
払い除ける、たったそれだけの動作で……シグのマニュピレーター(指)は本来曲がるはずのない方向へと捻じ曲がっていた。]
じょ、冗談じゃない!
そこらの土木用HMとは訳が違うんだぞ!
[戦闘用にカスタムしてはないにしても、全てのスペックに於いてシグは現行の土木用HMを上回る。
それが、ただ払い除けられただけでこの様だ。]
13人目、円城寺 海人 がやってきました。
円城寺 海人は、村人 を希望しました。
―教室―
[終了を告げるチャイム。
背伸びを一つした]
いいたい事はわかるけど難しすぎるって。
大抵の人はわからないぜ、これじゃ?
[呟きは誰に聞こえたのだろうか?
「自己統制システム」大半の学生は理解してないはずだ。
実際のところ、自分だって理解してないのだろう。
それか理解した気になっているだけに違いない]
[まるで冗談の様に容易く壊れた相手の掌。
今度はそれを思い切り掴んで]
しつっこいんだ………よ!
[引きちぎるかのように、思い切り引っ張る。]
[女性と話す助教授を横目に教室を出る。
視線はきっと覚めたものだっただろう]
さぁって、何しようかっね!!
[何時もの如く叫ぶ。
周りから何時ものように奇異の視線が向けられた]
[身体が落下している事等気にかけることなく、足を止めたフィリップを真紅の双眸でじっと見詰める。距離が近付くと、僅かにくちびるを綻ばせた。]
──受け止めろ。
フィリップ・ミラー。
[夜の中でも仄白く輝く指先を伸ばす。]
私を置いて、
何処へ出掛ける気だ?
…あのな、テキストじゃないんだから
[繰り返される言葉に軽く辟易としながら
男を見やっていた金花紺青の前。
パン、と響く拍手に似た音に眸がまあるくなる。
一秒、二秒、すでにその背は遠い]
な、
[わな、と揺れたのは肩か、手か、はたまた両方。
瞬きをするよりも先に唇が吊りあがった]
やってくれんじゃねえかよジジイ…!!
[太いヒールが地面の上を駆け出す。
ぱき、と音を立てたのは指の関節、
走り出せばその足は、人と思えないほどに軽やかだった**]
クッ!こんなの相手に出来るか!
[出力が違いすぎる。
このまま続ければあっという間にポンコツだ。]
通信!未登録HMによりME=08が中破!
これ以上の活動続行は不可能と見て離脱する!
繰り返す.....
[慌てた様子で通信を送りながら、一気にバーニアを全開に。]
お、おい!本気か!?
[自分に向けて飛び込んでくる影。
手を伸ばしてくる。
この状況下で眼前の女性は自分を視認し、目指してきている。
酒に酔って夢でも見ているのだろうか]
くっ・・・・・・
[ええいままよ、とその女性に手を伸ばす。
これが投身自殺であれば、自分の人生も終わるというのを理解しているというのに]
[思う儘。
そう、思う儘、まるで蒼真が思えば
手足と同じようにヴォルバドスは動いた。
知らぬはずなのに知っている。
夜の闇に、異様な存在感を放ちながら
青宿す漆黒の巨体は、在った。
蒼真が鋼の機体を追わぬのなら、そのまま。]
[フィリップが当然のように思考した、落下する人体との衝突の衝撃と言うものは無い。インターフェイスの肢体は、フィリップの腕の中にふわりと収まる。]
──……
インターフェイスも、
HMも無しに現場に行っても何も出来ないぞ?
[遅れて、触れた指先がゆっくりと絡められた。]
……。
[バーニアを噴かして飛び去る
鋼の巨体を見ていたイステは
蒼真の声に、彼のほうへと顔を向ける。]
把握した。離脱する。
[手を、蒼真へと伸ばす。
絡み付いていたコードは解け、
白い指先は再び蒼真の手首を掴む。
乗り込んだときと同じように光がきらめき、
今度は一点へと加速度的に収束した。
丁度、イステの胸の辺り。
光うせたときには、
そこはもう、ただの何もない
夜の路地であった。]
インターフェイス・・・・・・?
いや、君は一体。
[女性はまるで羽毛のようにゆっくりと腕の中に納まり、だがじわじわとその重みを腕に感じていく。
幻想。
そう、この状況をそうとしか認識出来ず呆然とした。
混濁した思考を一度振り切り、一つ一つ現状を追っていく]
まず君は一体何なんだ、それに何故僕のことを知っている。
[まじまじと顔を見る。すると、どこかで観たようなその風貌]
[再び手首を掴まれれば、
ひやりとした感覚に消えない違和感を覚える。
そしてそれに気を撮られていた一瞬の間に、
漆黒の巨人は消えうせ、景色はコクピットから路地へと
。]
……夢じゃ、ないよな。
[瞬時に出て、消えるMH。
確かにここ数年で科学は一気に発達した。
だがこれは、少しばかり……いや、とんでもない程のオーバーテクノロジーであることは自分にすら解る。]
とりあえず、どこかでゆっくりと話させてくれ。
イステ……だったか?
[インターフェイスA/I=L2、その容貌は他ならぬEndeavour社の一般向けの広報用のアイコンに酷似していた。広報CMに必ず登場するヴァーチャルアイドルとでも言えば分かりやすいだろうか。]
私の名は、A/I=L2。
Endeavour社から、来た。
サラ・ミラーが代表をつとめる、あのEndeavourから。
パイロットのデータを把握しているのは、
インターフェイスとして当然だ。
[実体があるだろうと、絡めた黒手袋の指先に力を籠める。]
夢ではない、ぞ?
A/I=L2?
Endeavour社からだって?
聞いてないぞ、こんなの。
[サラは確かに自分を厚く援助してくれている。
しかし、このインターフェイスだと自分を呼ぶ女性の存在は聞かされていない。
それだけではない、彼女はフィリップの事を”パイロット”だと言っているのだ。
その絡んだ指がさらに強くフィリップの指を拘束する]
HMの搭乗経験は無い。免許も取得していない。
人違いなんじゃないのか。
[それにしても、まさかEndeavour社のイメージキャラクターと瓜二つの風貌の人間がいるとは恐れ入った]
・・・・・・本当に、人間なのか。インターフェイスとは何だ?
はぁ……、なんだよ。
皆して付き合い悪いな。
[椅子の背もたれにこれでもかというぐらい体重を掛けた。
原因は言葉の通りだった]
どいつもこいつも、彼女やらバイトだってさ。
[結局のところ、誰も相手をしてくれなかったのである。
だけど、どこか安心している自分がいる。
それは、きっとこの学生生活が自分にとってどうでもいいものだから]
[指を離さぬまま、軽く地面に降りた。
立つと少女は、フィリップを見上げる形になる。]
聞いてない。
嗚呼、そうだろう。
連絡が行く前に、私が来たのだろうな。
人違いではない。
私と共に機体に乗り込むパイロットは、
フィリップ──お前しかいない。
[広報CMでは決して浮かべないような愉快そうな様子で、口端をつり上げて喉を鳴らす。]
……私が、人間。
面白い事を言うな。
まったく、何も、知らないの、 か?
[既に得ているパイロットのデータを再スキャンしながら、首を傾けた。]
/*
A/I=L2のしゃべり方が
コードギアスのC.Cを髣髴とさせて素敵だ。
髪の毛緑色にならないかな
ところで普通に女の子言葉してる
インターフェースがいませんよ。
なんてこった。すいません。
店、か。
[それもいいが、生憎近くに喫茶店はない。
もしイステに戻る場所があるならそこへ行くことにするつもりだったが、それもアテが外れてしまった。]
……とりあえず、俺の家に行こう。
繁華街に戻るよりも、そっちの方が近い。
[そして、ふと未だに手首を掴んでいる手へと視線を落とす。]
……手、冷たいんだな。
成る程。
[少し間を空けてこう続けた]
日本古来の諺で、”キツネにつつまれる”というのがあったな。今その意味がよく判った。
現実に見えているのにまったく理解が追いつかない。こういうこともあるんだな。
[だが、こう言いながらもフィリップはいまだに女性を腕の中で抱えたままだ。自分が直面している事柄があまりに突拍子も無く、苦笑いまで浮かんでしまう]
残念ながら知らないし何も聞かされていない。サラさんからもだ。
どちらにしろ、こんな状況のまま道の真ん中にいるのも良くは無い。
・・・・・・殺風景な所ではあるが、僕の部屋で少し話さないか。まあ、何もないが。
一応言っておくが、何もしないから安心してくれ。
不快ってわけじゃねぇが………
[沸き上がるのは、一体何者かという疑問。
だが一旦、この場ではその疑問を押し止めた。
ここで感情に任せて尋ねる必要は無い。
あとでゆっくりと一つ一つ聞いて行けば良い。
そんな事を考えながら、
己の手首に残る、光の輪を見つめる。]
……とりあえず、移動しよう。
ついて来てくれ。
不快でなくとも言葉を濁すのは
何らかの理由があるのか。
私は説明すると謂った。
問われれば答えよう。
[蒼真の心の内は知らず。]
承知した。
[静かに頷くと、イステは蒼真の
少し後ろについて歩き始めた。
足早な男性の歩調にも、難なく彼女はついていっているようだった。
つかず、離れず。
はたから見ても、少々奇妙な道連れであったろうか*]
──……
理屈っぽいのは、職業柄?
だが、逃げないのなら助かる。
[データをスキャンしながら、苦笑いに首を傾ける。
片目の真紅が何かを確認するように、一度だけ点滅した。>>117EndeavourのME=08 シグの報告、撤退アナウンスを受けて、]
──そうだな。
部屋に戻るのならちょうど良い。
外の騒ぎも、コンタクトだけで終わったようだ。
サラからも連絡が入るかもしれないぞ。
[ぱち、と不思議そうに瞬きをしたのは、一番最後の言葉に向けてだ。]
何もしない?
……うむ。
ともあれ、邪魔をする。
[強く握った指を緩めて、フィリップの横に並んだ。]
職業まで知っているのか。これはますます謎が深まるばかりだ。
しかし、空から舞い降りた君をこうやって抱いたままというのもどうしたものかな。
[どうしていいのか判らず少し悩んだ挙句、部屋の扉の前まで彼女を抱いたままでいた。
鍵をかけ忘れた扉を開き、その時には彼女を独りで立たせ、部屋に招き入れる。
雑多な家具の中でも、フィリップ以外の人間が座ったことがないのではないだろうかとも思える男物のソファへ彼女を座るように促し、お茶でも無いかと冷蔵庫を漁り始める]
こんな部屋で申し訳ないね。彼女も判れてからずいぶんたってしまって、男独りの生活に埋没してしまっているもので。
[ペットボトルに入った紅茶を取り出し、コップを二つ用意して注ぎ始める]
サラさんから僕の話を聞いているのかい。
職業まで知っているのか。これはますます謎が深まるばかりだ。
[ため息をつきながら、自分の部屋へと彼女と一緒に移動する。
鍵をかけ忘れた扉を開き、部屋に招き入れる。
雑多な家具の中でも、フィリップ以外の人間が座ったことがないのではないだろうかとも思える男物のソファへ彼女を座るように促し、お茶でも無いかと冷蔵庫を漁り始める]
こんな部屋で申し訳ないね。彼女も判れてからずいぶんたってしまって、男独りの生活に埋没してしまっているもので。
[ペットボトルに入った紅茶を取り出し、コップを二つ用意して注ぎ始める]
サラさんから僕の話を聞いているのかい。
─ フィリップの部屋 ─
帝都大学、
理学部生物学科、
気象生態学科研究室──助教授。
[当たり前のようにフィリップの肩書きを口にする。
鍵が掛かって居ないから慌てて出掛けようとしたのだ、と言うよりな推理をすることもなく、扉の中に入る。最初に視界に入るのは飾られた家族の写真。始めて入る部屋に、またぱちぱちと瞬きをした。
勧められたソファに座り、冷蔵庫を漁る様子を見守る。]
部屋の中がどうなっているかは、データに無かった。
冷蔵庫の中身も。
家族と離れて住んでいる事。
最後の彼女と別れてからの時間は──。
[データにあった、と告げる。]
サラから聞いた、と言うのは正確じゃないな。
人間が会話するように話をした訳では無く、
ラボ経由で、データとして得ているだけだから。
データ、か。
確かにこの部屋には最近サラさんは入ってない。
だが、前に彼女と判れた日も伝えてないはずだ。
なのに家族のデータが、無い?
そもそも、何故僕のデータがラボに?
サラさんにとって僕の個人情報はラボにとって何も特になる部分は無い筈だ。
[彼女の前に紅茶の入ったガラスのコップを置き]
そして、僕はHMのパイロットで君がインターフェースか。
理不尽ではあるが全て繋げると、僕はそのHMを開発しているラボに何らかの理由でデータ登録されているパイロット候補者で、君は僕がパイロットになった際のサポーターといった所か。
ラボにデータがあるのは、
フィリップ・ミラーがパイロットだから。
候補者ではないぞ?
En/Co/lCha/Dis/At/En=6*Oの
パイロットは、お前しかいない。
[何の変哲も無いコップをまじまじと観察してから、ペットボトルの紅茶が注がれたそれを持ち上げる。紅茶が揺れるガラス越しに見えるのは、ごく普通のマンションの天井。
喉が渇いていると言う様子でもなく口に運んで、何かを試みるように一気に飲み干した。]
……だから。
知らない事は、知りたい。
パイロットの情報は多い方が良い。
この部屋には、私の取得していない情報が多く眠っているように思う。
[コップを置いて、フィリップの方に身を乗り出す。]
嗚呼、当然なら、
断わると言う選択肢は許されていない。
知りたい、ねえ。
[自分の前においたコップを持ち上げ、少し口に含む。
こういう愛の告白は大歓迎だが、今回は素直に受け入れるのも一苦労のようだ]
知りたいのは僕も同じだ。
サラさんが僕を一体どうしたいのか、そして君が僕と出会った理由は何なのか。僕しか乗れないHMとは。
ある意味、僕と君は今似たもの同士なのかもしれないな。
・・・もうこんな時間だ。
僕は明日も授業があるので、そろそろ寝ないといけない。
かといって、サラさんの会社から来た人を追い出すわけにもいかないしな。僕のベッドで良ければ使ってくれ。
僕はソファで寝ることにするよ。
明日、念のためにサラさんに連絡も入れてみようと思う。
[身を乗り出した彼女から少しだけ身を引いて]
しかし、部屋をあら捜しするのはさすがにやめてくれよ。
一応、僕の研究資料も沢山おいてある。それが無くなったら困るんだ。
・・・・・・まったく、とんだ居候だな。
[彼女の口ぶりから、この部屋でのアドベンチャーが終わるまでは居座るつもりだろうなと腹をくくった]
我々のHM──En/Co/lCha/Dis/At/En=6*Oは
まだラボで眠っている。
とは言え、先刻の様子では……。
[身を乗り出したまま、コスチュームと同色のヘッドセットに手を伸ばし、Endeavour社の社員が送った音声を再生した。
「通信!未登録HMによりME=08が中破!
これ以上の活動続行は不可能と見て離脱する! 繰り返す.....」
サラに連絡を取る事を否定しないと告げてから、似ている所があるだろうかと真面目に検討する表情。]
私とお前が、似ているのか?
残念だが、その言葉の意味が、私にはよく理解出来ない。
[もうこんな時間だ、と言われて、またじっとフィリップの顔を覗き込んだ。]
ソファ──この椅子は、
お前の身体のサイズに適合しているとは思えない。
遠慮なく本来のベッドを使え。
私はこの部屋を探索するゆえ、先に眠って良いのだぞ?
[そう言うと立ち上がり、案の定ソファのある部屋、台所、バストイレ、ベランダと探索をはじめた*。]
[頭を掻きながら]
ああ判った、好きにしてくれ。
[そう言って部屋から出て行こうとする]
似ていると言ったのは、立場や状況は違えどもお互いに知識不足と相手への興味を持っているという点についてだ。
あと、そうだな。君にも僕と同じような異物感を感じる、ということか。
[自分に感じる異物感に対しての考察は何も進んでいないが、そう感じたのは事実だ]
それじゃあ、お休み。
[そう言って寝室へと入っていった**]
─ 寝室 ─
[朝フィリップが目覚めると、目の前にEndeavour社の広報アイコンに瓜二つのインターフェイスが布団の上から覆い被さるようにして、至近距離でフィリップの顔を覗き込んでいる。]
──おはよう、フィリップ。
目醒めはどうだ?
異物感とやらはどうなっている?
[吸い付くような不思議な質感の黒手袋に覆われた指先が、フィリップの様子を確認するように、頬を撫でた。]
私は、部屋の探索をすでに終えた。
今日は、お前の職場について行く。
[当然のように告げて、巡らせる細い人形のような首。
寝室の扉は開いていて、廊下の向こうは、インターフェイスが眠る前に告げた通り、女の子が来て掃除をして綺麗になって──は居らず、告げた通り、正確に雑然とした物の配置や置きっぱなしの小さなゴミまで、元に戻されている。]
──それにしても。
朝食になりそうな物が、冷蔵庫に
保存されていないのは感心しないぞ。
そして、何を食べて暮らしているかも、私のデータに無い。
[上に乗ったまま、好物を教えろと問うた**。]
村の設定が変更されました。
―道中―
[足早に歩けば、蒼真の住まいまでは然程掛からぬであろう。
暫し無言でいたイステは、
ふと口を開いた。]
私はお前の質問に答えるが、
私もこの世界の機神について
情報を収集したい。
お前は、機神について知っているか?
[言葉は調子を崩さない。*]
ー自宅前ー
[二階建てのアパート、それが蒼真の家だった。
一階右側の部屋に鍵を差し入れて扉を開けば、イステを中へと促す。
入口横の台所から奥へと進めば、ベッドにソファー、小さな机等が置いてある8畳ほどの部屋へと辿り着くだろう。]
まぁ、座れよ。
[ソファーの方へと視線で促せば、冷蔵庫から水を二本取り出して、片方をイステヘと放り投げた。]
[ジャケットを乱雑に脱いで、ベッドへと腰掛ける。
パキッと小気味よい音を起てて水の蓋を開ければ、一気に半分ほどを喉の奥へと送り込む。]
…………ッハ、少し落ち着いた。
[喉から胃へと流れ込む心地好い冷たさに、
少しだけ昂っていた気持ちが落ち着いていくのがわかった。
その後の視線は、自然と目の前の女性へと向けられる。]
キシン……?なんだそれ。
― 日本/町 ―
[事態は喜劇の様相を呈していた。
全ては巻き舌の似合う男が、得体の知れない現地人に
カザマのあて先メモを解読させようとした事が始まりである。]
巻き舌が似合う男
『…んで、そいつはなんて書いてあるんだい、解読のスペシャリストさんとやらよ』
解読のスペシャリスト
「ふっ。パスワードや暗号、碑文の解析ならこの梧讀(ごどく)に任せておけば心配は要らない」
巻き舌が似合う男
『ほう。じゃあこいつも読めた、ってえのかい』
ゴドク
「うむ。荷の受け取り人は、ダンリックと書かれている……」
巻き舌が似合う男
『意外だな。相手は日本人とばかり思ってたぜ』
ゴドク
「……ように見えるが、これは引っ掛けだ」
巻き舌が似合う男
『ほう? そりゃどういうことだい』
ゴドク
「…こいつは大事な品なんだろう?(機密的なイミで)」
巻き舌が似合う男
『ああ、そりゃ大事な品だろうよ(土産的なイミで)』
ゴドク
「しかもあんたはまともな運び屋じゃない」
巻き舌が似合う男
『そりゃ褒め言葉どーも』
ゴドク
「つまりだ。大事な品をあんたみたいなのに届けさせるっていうのに、わざわざ足がつくような真似はしまい。依頼主だろうが受け取り人だろうが、本名をそのまま書くメリットは薄いのさ。しかし丸っきり偽名を使ってしまっては運び屋のあんたに伝わらない…」
巻き舌が似合う男
『するとなんだい、こいつは謎解きって事か?』
ゴドク
「それも、それなりに気づけそうで気づけない、難解な謎解きさ。だが、この解読のスペシャリスト・ゴドクにとっては朝飯前だ」
巻き舌が似合う男
『ほう。ご高説、聞かせてもらおうじゃねえか』
ゴドク
「いいかい。この荷を日本に送るという事が既にヒントなんだ。日本は島国だろう? つまり内陸ではない。陸ではない。リクではない。リクはない……」
巻き舌の似合う男
『………、お前さん、大丈夫かい?」
ゴドク
「つまり、このダンリックからリクを削除した名前……「ダン」こそが受取人の真の名前だったのさ!」
[こうして、少女の形を包んだダンボールは運ばれて行く。
巻き舌が似合う男は最後まで首を傾げていたが、
他に手がかりもないと、ダンと名のつく家を探し始めた。]
[少女は眠る。
――寝息一つなく。
少女は動かない。
――起きる事を忘れた仔猫のように。
少女を包むダンボールが、最後に一つ大きく揺れて
――後はナニモ]
[遠ざかる足音。
遮断された外界の喧騒。
月の瞬きも、流れる雲の厳粛も届かない。
少女は眠り続ける。
段田弾のアパートの前で、紙の棺に閉じられたまま。
永く目覚めを忘れた少女に、覚醒の兆しも無い。
――代わりのように。
へそに繋がるノートパソコンのようなものが
人知れずダンボールの中で起動した。]
1.インターフェイスに対する過度のセクシャルハラスメントを行ってはならない。耐久性のテストを行っていない為、破損の危険性があります。
2.修復・蘇生等のサービスは行っておりません。再販や中古商品の購入は危険ですので禁止されています。不要となった場合は、必ず細かく破壊して処分して下さい。
3.初期設定は後から変更可能ですが、育成・学習機能(以下学習機能)の影響で設定が固定される場合があります。予めご了承ください。
4.インターフェイスをご利用の際は、社会へ伴う影響その他諸々を把握した上で、自己責任を以って契約して下さい。
利用規約に同意した上で、初期設定に進みますか?
yes
no
[飲まないのか、と言葉が出かかったが
喉が乾いてないのだろうと勝手に結論をつける。
対して自分はカラカラだ、
先程の戦闘……そう呼べるかは疑問だが、は
今までの自分の日常には決して存在しない物だった。
緊張と高揚、そして少しの後悔。
それらが混ざり合って、自分の口の中の水分を奪っていく。
水をもう一度、口へと運ぶ。]
人型のロボット、つまりHMを機神って呼んでるわけか?
[そんな呼称は聞いたことが無い。
そもそもHMに神などという大層な文字を付けたことすら初耳だ。]
そりゃまぁ、HMなら知ってるさ。
今の世の中、知らない奴の方が少ないぐらいだ。
[そういって、傍にあるテレビの電源を入れる。
暫くチャンネルを変えてみれば、タイミングよくHM……Endeavour社のCMが流れていた。
もはや馴染みの広告用女性キャラクターと共に、いくつもの土木用HMの映像と紹介が映し出されていく。]
……数年前に突然発表された奇跡の発明。
当時はそりゃ大騒ぎさ、人型巨大ロボットが突然実用レベルで現れたんだからな。
今や地形調査、発掘、工業……あらゆる方面でHMは大活躍ってわけだ。
[ただ座ってるのに飽きたので食事をとることにした。
向った先はラーメン店だった。
威勢のよい挨拶に続き、注文をたずねられる]
うーん、特性ラーメンにトッピングにニンニク大盛りで!!
[力強い返事と共に言葉が途切れる。
小気味良く流れる調理音を聞きながらラーメンを待った]
HM、と呼ばれているのか。
[イステは視線を蒼真からテレビへと動かす。]
――――…
かたち、は模しても
あれは脆弱に過ぎた。
劣化した模倣作、と 呼ぶべきか。
[確認するように口にした。
何か思うような少しの間。
視線は蒼真へ再び戻る。
ふたつの青は真っ直ぐに見てそらさない。奇妙に瞬きも少なかった。]
ソウマ。お前の質問を聞こう。
―市街地―
うまかった……、だけど暫くはニンニクくさいな。
まぁ、明日は学校休みだからいっか……。
[食事を終えて市街地をぶらつく。
特別、意味のある行動ではないけども何時もの行動だった]
脆弱、ね。
[空を飛ぶHM。
確かに驚きはしたが、まだ納得は出来る。
HMの軍事への使用が噂される中だ、
それが事実とすれば空戦用に飛行機ユニットを開発するのは当然だろう。
だがそれ以上に解せないのは、そんなHMを圧倒したヴォルバドスと呼ぶHM。
ハッキリ言って全てが異常だ。
本来HMは簡単に操縦出来るように作られては居ない。
操縦技術を学び然るべき所で資格を取って初めて操縦できるのである。
それを、自分が操縦出来たという事実。
さらには突然現れ突然消える機能。
これが光学迷彩による透明化というのならばまだ納得できようが……確かに文字通り、消えたのだ。]
……一体、アンタは何者だ?
―蒼真宅―
[何者か、と問われ]
――――私はイステ。
[存在を語るには少なすぎる言葉を、
イステは歌うように幾度目か口にした。
視線は蒼真に合わせたまま。]
終焉を退ける願いを歌うもの。
ヴォルバドスの魂。
[そのいずれもが、
聞くものには曖昧な輪郭であったかもしれない]
あー……聞き方が悪かったか。
[返ってきた簡潔な言葉に、思わず頬を掻く。
どこか機械を相手にしているようだ。
最小限の問いには最小限の言葉しか返ってこない。]
イステ、一体お前は何処から来たんだ?
俺はお前も……ヴォルバドスとやらも知らない。
なのにお前は、アレは俺しか操縦出来ないという。
心当たりがこれっぽっちもないんだが……?
−寝室−
・・・・・・おはよう。
僕の人生の中でもここまで妖艶な朝は初めてだ。
[目が覚めると、自分の体の上に昨晩の女性が乗っかり自分を見下ろしていた。
夢、ではない。少なくともそれだけは理解した]
悪いが自炊というものに縁が無くてね。朝食も近くのコンビニでパンを購入するくらいしかあてがない。
好物といわれてもなあ・・・・・・ご飯と味噌汁が出てくる生活には憧れる。
職場にか。ふむ。
・・・・・・え、職場についてくるのか!?
それはまずいだろ!!
[体を持ち上げるようとするが、彼女の力がベッドへと押し付けるように働いており、ほとんど今の構図は崩れない]
君は今の自分の姿を理解しているのか?テレビのCMでもさんざん流れているマスコットキャラクター、というよりはバーチャルアイドルと瓜二つなんだぞ!
唯でさえ私が女性同伴で出勤するなどどう説明すべきか悩むところなのに、さらにまずすぎる!!
[だが、彼女の瞳を見つめるに間違いなくこの宣言は引っ込められることはないだろうと悟る]
くっ、せめてその格好だけでも何とかならないか、服装とか髪型とか。それなら僕も手を尽くそう。
あと、君の名前・・・・・・ええと、A、なんだっけ。もっと呼びやすい名前を頼む。人間らしいのがあるだろ?無いなら・・・・・・今つけてくれ。
/*
>>165 >>167
お、名前が決まったようだ。って……。
ニンニクラーメン食いやがった!(笑
ま、まあいいか。これを奇縁としよう。というかそうしろという意味な気がするし。
さてログ読みログ読み……。
*/
―蒼真宅―
[イステはひとつ瞬いた。
僅かに首を傾ける。
黙っていれば年の頃18歳程度に見えるだろうか。
また少し、考えるような間があいた。]
―――私たちは、眠り続けていた。
来るべき時のために。
そして、時は来た。
《適合者》とは、魂の波長の共鳴するもの。
お前が、知らずとも、望まずとも
[謂いながらそ、と片手を伸ばす。
手首に触れようと体を近付けた。
触れたならそこに淡い青い光が灯ろうか]
[私たち、それはイステとヴォルバドスの事だろう。
眠っていた、という事は遥か昔から存在したとでもいうのか。]
それじゃあれか?
イステとヴォルバドスは遥か昔に作られたHMで、あんなとんでもない力を使わなければいけないような事態が起きる、と。
[眉唾物だ、笑い飛ばしてやりたい。
それでもあの異様な力を目の当たりにしてはそれも出来なかった。
確実なのはただ一つ。
どうやら自分は、とんでもない厄介事に理不尽にも巻き込まれてしまったらしい。]
[ふと、細く冷たい指先が手首に触れる。
ひんやりとした感覚とともに、己の肌が淡く光のが見えた。
普通じゃない、今までの自分の常識にはなかった事。]
……ハ、勘弁してくれよ……。
[思わず頭を抱えたくなる。
なんで自分なんだ、平穏に、普通に、目立つことなく人並みに飲まれ流され生きていくと決めたのに。
感情に従って、やりたい事をすれば録なことにならない。
人は、己達と違う、目立つ者を潰していくのだ。
そんな事、痛いほどに解りきっているのに。]
なんで、俺なんだよ。
[片目を、軽く抑えるように手の平で覆う。]
そんなの、やりたい奴にやらせればいいじゃねぇか。
………ッ、なんで俺なんかを選ぶんだよ!
−自宅アパート・朝−
やっべー!バイトに遅刻するー!
[段田弾は弾丸のように四畳半を突っ走り、アパートの扉を勢い良く開け放っ――ガヅン。
予想に反して扉は途中で何かに引っかかって開き切らず、彼はその勢いのまま扉に激突する。]
いってー!よーし、今日も生きてる!
……って、そういやバイトはクビになったんだっけ。
うっひょー、今日何しよう!?
[おでこを擦りながら扉の隙間から外に出ると、ダンボール箱が扉の前にたたずんでいた。]
あ、外に何かあったんだっけ。
おふくろから宅配便かな?それともニートになった俺に天からのお恵み??
[差出人も受取人も書かれていなかったが、とりあえず部屋にダンボールを持ち込んで開封。]
ノートパソコン!欲しかったんだ!神様ありがとう!!
―蒼真宅―
HMと呼ぶのは適切とは言い難いが
古代より存在する、という
その理解は正しい。
[イステは蒼真の手首に触れたまま
見上げて答える。]
そう。
故に私たちは目覚めた。
…既に、私たちと同じような存在も
目覚めている可能性が高い。
彼らの目的は、どうであれ。
[ふと、イステは言葉を途切れさせる]
…ソウマ…?
[顔を覗き込むようにしながら、
名前を呼ぶ。
絞り出すような
蒼真の声に、イステはほんの少し目を見開いた。]
[yes、no、の選択肢に、迷わずyesを選んだ。
返事は即座にyes。バイト先で叩き込まれた習性である。
当然、質問の内容は読んでいない。
ノートパソコン(のようなもの)を持ち運ぼうとすると、何かが引っかかった。]
あれっ、このパソコン、人形と繋がってるのか……?
[ぐいぐいと引っぱったり、端子をひねったりしている。]
…ソウマ。
[沈黙の後、イステはこう続けた。]
私たちは、お前を探していた。
お前でなければ、ならない。
ソウマ。何故、顔を隠す。
――恐れか。
――怯えか。
――それとも
[手首から手は、離さなかった。]
……ッ、すまん。
ちょっと………取り乱した。
[こちらの顔を覗き込む青の瞳に気付き、
互いの体の距離を知れば、心持ちのけ反るようにして。
ごまかす様に少しだけ視線を外す。]
なぁ……一体、何が起こるっていうんだ。
それに、もし………俺が断ったらどうするつもりなんだ?
―蒼真宅―
いや、 問題はない。
[蒼真をイステは真っ直ぐに見る。
表情は変わらない。]
―――世界の、危機。 終焉の訪れ。
そう呼んでよいものであると
私たちは感知している。
[それから。
断ったら、という言葉に
一度口を閉ざし、逸らされた蒼真の目をじっと見つめて]
お前でなければならない。
断られようとも追い求める。
それもまた私の使命。
世界の危機……終焉?
[それはまた大きい話だ。
大きすぎて、端的な理解すら出来そうにない。
逸らした視線を戻せば、
変わらず見つめる二つの青がそこにはあった。]
………。少し、考えさせてくれねぇか。
[未だに手首を握る指に反対の掌を重ねる。
ひやりとした肌の冷たさが、どこか現実味のない今を感じさせていた。]
― 段田弾のアパート ―
[段田弾の開封と共に、外気が内へと流れ込む。
躊躇い無く押されるキー。
彼の選択肢は……yes。]
――...
[段田弾が端子を捻ると、画面が明滅し
少女の形は僅か身じろぎしたような気がした。
暫くも立たず、電子音と共に次の画面へ移行する。]
α.契約者、あなたの名前をニュウリョクしなさい。
_________
β.契約者、あなたの性別と年齢をニュウリョクしなさい。
性別___ 年齢__
Γ.契約者、インターフェイスを決定しなさい。
・メイド
・委員長
・幼馴染
・お姉さん
・純情派
・芸術家
・酒豪
・ツンアホ
・この中には無い。自分で入力する。
______
δ.契約者、あなたの呼び方をニュウリョクしなさい。
_______
ε.契約者、あなたの言語をニュウリョクしなさい。
______
η.契約者、あなたの望むものを選択しなさい。
・より刺激的な日常
・今のままの平和
※すべてのニュウリョクが完了するとインターフェイスが設定をロード後、起動します。これからあなたはパイロットデバイスとなり、インターフェイスと共に過ごします。がんばりなさい。健闘。
―蒼真宅―
――承知した。
[答(いら)えは一言。
イステは触れる手に視線を落とした。]
どうした、
何か、問題があるか。
[手を重ねる意味を問いかける。続く言葉は小さく]
…ひとの手は、温度が高い。
[端子を弄っている時に人形が動いたような気がした。]
……あはは、まさかね。なになに……ユーザー登録かな?
契約者って、大仰なの。
[画面に表示される質問に答えて行く。]
段田、弾、男、23歳、っと。
ええと、インターフェイスを決定?いいや、適当に選んじゃえ。
[ツンアホを選択。]
呼び方は、ダンでしょ。言語は、日本語。
最後は、望むものかぁ。まぁ、今のままだと俺無職だし。
[より刺激的な日常を選択。
全ての項目を入力した。]
これからあなたはパイロットデバイス……って何だ?
いや、この非現実の様な現実を改めて噛み締めただけだ。
[重ねた手をそっと離してから、
何かを確かめるように手を握り、そして開く。]
ひと、じゃ……ねぇのか?
[異常な肌の温度から、予想はしていた。
それでも今まで自分が口に出さなかったのは逃げだったか。
それとも……別の理由か。]
[眠りの海より目覚めたり。
名を失い、機能を閉ざされ、
されど幾年を経て、新たな自我(ワタシ)を与えられたり。]
[____....
____....
____....
____....]
パイロットデバイス。
b6/fに搭乗、操作。
ダンの役目。
[少女は、目を開いた。
困惑もなく、寝起き独特の間延びもなく。
姿勢は寝転んだまま、瞳だけが傍の男――
――の向こうにある冷蔵庫を捕らえた。]
―蒼真宅―
確認作業か。把握した。
[イステは、開いては閉じる蒼真の手のひらを辿り、顔へと視線を移動させた。]
私はイステ。
ヴォルバドスの魂。
ひとかどうかで答えるなら、否。
[注視するように
僅かに眼を細める。]
[不意に声が聞こえて、人形の方を顧ると、少女の人形だと思っていたものの目が開いていた。]
うわっ!すごい!
この人形、パソコンで操作できるんだ!
ええと、変形はどのボタンだろう?
[色々なキーを弄っている。]
そうか……そうだよ、な。
[人ではない。
改めて告げられる言葉に、どう返して良いか解らなかった。
向けられる視線に、何故だか急に居た堪れなくなれば
ベッドの上に転がっている毛布を掴み、ソファーへと移動する。]
ベッドは自由に使っていい。
……とりあえず、寝かせてくれ。
[何かから逃げる様にソファーに倒れこめば
それだけ告げて瞳を閉じる。
疲れていたのだろうか、暫くすれば静かな寝息が聞こえただろう。]
否定する。
人形ではない。
私は、……んっ。
[言葉は続かなかった。
段田弾がキーを弄ると同時、うろたえたように身を起こした。]
さ、触るな。
それはまだ私。
体の一部。
[衣服を少し上げて、へそから端子を抜こうとした。
――それより一瞬早く、段田弾がとあるキーを押す。]
―蒼真宅―
―…問題があるか?
[問いかけに答えはない。
ソファーへと移動する蒼真を頚を巡らせ視界に収めた。]
待て、ソウマ。
ここはお前の拠点。
寝具を使うべきはソウマ。お前だ。
―――…
[寝かせてくれと聞こえれば、イステはそれ以上は謂わなかった。
じ、と蒼真を見下ろしたまま]
[ぽろりと片腕が外れた。
メンテナンス用のキーだったようだ。]
……
[おなかから音が鳴った。
エネルギー充電の必要性を報せるキーのようだ。]
……
[更にモウ一つキーが押された。
謎の呪文を口走った。]
拙者、働きたくないでござる。
[最後のキーは、]
この早漏。
[罵倒スイッチだったようだ。]
[まるで人格を持ったような人形の言葉に目を丸める。]
す、すごい!人工知能?
[その時、人形の片腕が外れた。]
あ、とれた。
[その時、人形のお腹が鳴った。]
あ、鳴った。
[その時、人形が喋った。]
あ、ダメな台詞だ。
[その時、人形に罵倒された。]
あ、ばれた。
―蒼真宅―
ソウマ。
[小さく名前を呼ぶが
かえるのは既に寝息。
イステは緩やかに自分の手を見、蒼真がそうしていたように緩く握ってから、開いた。]
……。
[ややあってからベッドの側に腰を下ろし、静かに眼を閉じた。]
[契約者の操作とは言え
口走ってはならない事を口走った気がする。
そして彼は肯定した気がする。]
こら。
やめなさい。
はしゃがない。
[止める為に適切な言語を検索中....
一件該当しました。]
塗りこむぞ。
性転換する薬を。
[※崩壊した演算機能がルーチンを狂わせています。]
― 翌朝/自宅 ―
[寝息が不意に止まり、微睡の声が小さく漏れる。
いつもと違う寝心地に眉をひそめれば、
寝惚けたまままだ開かない瞳をなんとかしようと、
頭をガリと掻いた。]
ん……朝、か。
……
ない。
[段田弾の瞳がきらきらしているようにも見える。
少女の形は俯きかけた。]
違う。
嘘というわけでは。
ええと…
[検索中...システムに障害が発見されました。]
……
演算用デバイスが破損。
修復不可能。
サブシステムを構築する…。
[一度目を閉じて、再び開いた。
目の前にいる男――ダンを確かめるように観る。
そうして、変わらない面持ちで口を開いた。]
腕。
修復したい。
端子。
はずしたい。
良い?
[問いかけた。]
無いのか……。
まぁ、あったら世の中大変だよね!無くてよかった!
[とてもがっかりしたが、すぐに立ち直った。]
破損?修復不可能?
どこか壊れたのかな。
[一度目を閉じて、再び開く人形を見ている。]
腕?ああ、さっき外れたやつだね。
良いよ、もちろん。
自分で直せる?
[裏路地を走り抜けるという運動は、酒の回った身体には酷く苦痛だった。それでも老体に鞭打って脚を動かし、とにかくその場所を離れる。
しかしそれも、そう長くは続かない。歳に衰え、酒に蝕まれた身体はずいぶんとその機能を低下させていて、しだいに脚が動かなくなる]
げふっ、げほっ。
が……はぁ、ああしんどい。
[だいぶん離れた場所で、その老人はついに立ち止まった。周りを見回し、それなりに離れた場所であることを確認する。
渇いていた。水が欲しかった]
ん。
[頷いた。
落ちていた腕を拾い、接続しようと試みる。
穴のようなものはない。
宛がっていると、膜が覆うように
皮膚のようなものが形成され、腕がくっついた。]
破損したもの。
私を構成する一部。
計算式。
演算デバイスと呼ばれるもの。
検索、行動プログラム等の要。
言語分野。
探知機能。
その他に障害が出る。
可能性がある。
日常生活に支障は無い。
……デバイスの破損原因は。
不明。
修復は…。
現代の技術水準を検索する。
[...]
やはり不可能。
…。
戦闘行動に制限が発生する。
可能性が高い。
[謝罪の為の言語を検索しています...]
ヤキを入れる。
ごめんなさい。
― 夜/??? ―
[女性の視線が左右に走る。あるのは、機械仕掛けの光たちと、自然のもたらす暗闇たち。
瞳が彷徨う。しかし彼女を出迎える仲間達の姿は無い。
瞳が彷徨う。しかし彼女を待ち伏せる敵達の姿は無い。
此処に、他に、誰もいない]
『つまり、大木は朽ち果てた――そういう事ですね』
[目覚めた後の第一声とは違う響きが、口元からこぼれ落ちた]
[彼女は出入り口に背を向け、この小さな部屋の奥へと進んだ。その先、前面に広がる壁の前に花瓶を据えた台座がある。
花瓶には一本の薔薇が生けてあった。造花だ。長い年月を超えてきたこの花が生きているはずは無い。
周りには、枯れ果てた花の残骸が散らばっている。生きていた花は、朽ち果てたのだ。
花の残骸のそば、花瓶を支える台座に文字が刻まれている。Kathleen Lonsdale――それは、それを眺める女性の名前]
『キャスリーン……』
[なぞるように女性がつぶやく。親しみのある名前のはずが、どこかかすれたような感触。彼女は険しい表情をすると、自らの記憶をまさぐって、そして安堵した]
『此方から彼方へ渡ってきた以上、若干記憶があやふやになるのも仕方ありませんね。むしろこの程度の影響で済んだことが僥倖でしょう』
[彼女は視線を花瓶へ向けると、長く伸びた右の中指を口元に当てて、そして皮を噛み切った。指の小さな傷から、赤い血がにじみ出してくる。
キャスリーンはその中指を花瓶の上へ差し出して、血が落ちるのを待った]
[音が響いた。それは、しずくが「それ」を打つ音か。
不意に花瓶がはじけて、粉々に砕け散る。視界を遮るものが吹き飛んで、中に隠されていたネックレスが姿を現した。鋼色の細い鎖の先に、十字のペンダントが付いている。
ペンダントに付着した血液は、染みこんでいくように無くなっていく。血を吸い尽くした十字は鈍い光を帯びた]
コンゴウ が見物しにやってきました。
コンゴウは、見物人 を希望しました。
す、すごい!
[宛がっているだけで皮膚が再生されたことに驚いた。]
演算デバイス……?よくわからないけど、人工知能の一部に欠陥があるってことかな。
まぁ、日常生活に支障がないなら問題ないか!
戦闘行動?ヤキを入れる?
結構物騒な人工知能なのか?
[ダンボール箱の中を見る。
取扱説明書は入っていなかった。]
[十字のペンダントから手応えを感じて、彼女は満足した。あとはまだ見ぬ主のみ。その主に関する記憶があやふやになっている事が、彼女に一抹の不安を誘う]
『――いいえ、この程度の困難など、あの時に比べれば』
[もたげかけた不安が霧消する。そうだ、どんな状況においても冷静でいる事が彼女の義務なのだ。だからこそ《コンゴウ》を任せられたのだから。
彼女はネックレスを拾い上げて首に付けた。十字のペンダントが肌を滑り落ちて胸の上に降り立つ。聖ペトロ十字と呼ばれるそれは《コンゴウ》と彼女を結びつける鍵。彼女が彼女である証]
― 翌朝/蒼真宅 ―
…――
[朝の光が差し込む。
イステは眼を閉じて、
ベッドに凭れ掛かるように座っていた。
眠っているようにも見える。]
『では行って参ります、伯爵』
[見上げた先に、歴史を刻んだ「伯爵」の肖像画がある。彼女は優雅に一礼して、そして出入り口へと向かった。義務を果たすために]
…?
プラストメタル。
私の体組織。
不思議?
[物珍しそうに感嘆するダンに、瞬いた。]
違う。ヤキではない。
……
そう。
ワサビを入れる。
[あくまで表情は真顔のままだった。]
[自動販売機を見つける。緩慢な動作で近寄って、硬貨を投入。ミネラルウォーターを買い、取りだし、震える手でキャップを開ける。
ごくごくごく、と清涼な水を喉に流し込んだ]
ああ、生き返る。
[深々と、息を吐く]
あれ……俺なんでソファーで寝てるんだ。
昨日は―――ッ
[何処かいつもと違う現状を把握しようと周囲に視線を送った瞬間、言葉を詰まらせる。
自分しかいない部屋。
その部屋で、ベッドに凭れかかる人影。
事態の把握、そして昨日の記憶を蘇らすのに2.3秒。
何とかそれを終えることが出来れば、ゆっくりとソファーから立ち上がった。]
……寝てる、のか?
―公園―
はぁぁぁ、退屈だぁぁぁぁ。
[結局、場所が変わっただけだった。
公園のベンチに寄りかかりだらけていた。
特にすべき事もないから]
程よくヤキを入れたステーキを、ワサビを入れたポン酢でいただくってことか!
[想像したらお腹が空いてきた。]
プラストメタル?金属なのか?
見た感じは人間の皮膚っぽいけど……。
[人形の皮膚に触れる。
とても冷たかった。]
っと、人工知能とは言え、こうして会話できるんだったら。
[姿勢を正して、人形と視線を合わせる。]
改めて。俺は段田弾。ヨロシク!
君の名前は?
― 翌朝/蒼真宅 ―
[イステは横座りのまま、俯いていた。
前髪は白い額に落ちかかり影を作る。]
……――、…
[音、に反応してか 僅かに睫が震えた。
俯いたまま瞬きを幾度か。]
ポン酢…。
[検索中...現代の飲み物らしい。
メモリーに登録中...完了。]
私は…
[触れられた箇所に瞳を向けて、瞬く。
登録データを参照…]
f>u:e3という。
…?
[口にして、一つ首をかしげた。
参照している登録データを認識し直す。
...]
…登録データに正しく接続できない。
私の名前。
不明。
― 公園 ―
[公園の入り口に、紺色の上着と黒のロングスカートに着替えたキャスリーンが現れた。彼女は戸惑った表情を浮かべている。
「主」が誰なのか。その部分の記憶はあやふやになっているはずだった。その人物が何処にいるのかを知る方法に至っては、あやふやを通して希薄になっているはずだった。
しかし、記憶と思考の外側から何かの力が囁いて、彼女を此処まで導いたのだ]
……っ!
[彼女が不意に顔をしかめる。その原因は、ベンチに寄りかかっている青年のようだ。
彼女は青年を軽く睨むと、つかつかと歩を進める。やがて青年の目の前にまでやって来ると、ため息をついた]
えふだいなりゆーころんいーすりー?
ちょっと呼びにくいな、うーん……。
[ノートパソコンのキーボードを眺めて、一つ思いつく。]
じゃあ、君の名前がわかるまで、ハルナって名前にしよう。
ヨロシク、ハルナ!
[手を差し伸べた。]
リュース が見物しにやってきました。
リュースは、見物人 を希望しました。
[ゆらりと老人に影が落ちる。それは十分な濃さがあった。
つまり、月や周囲の明るさを遮るほど巨大であったということ]
『───』
[静かな駆動音だけが、水を口にする老人に
現実感を与える可能性になりえるものだった]
ハルナ。
私の名前?
[差し伸べられた手を見つめて、
それからもう一度、ダンの顔を見た。]
ハルナ……。
…うん。
よろしく。
ダン。
[ダンの行為を検索中...該当。
そっと手を伸ばす。
そしてダンの手を――掬い上げるようにして持ち上げ
彼の手の甲に、そっと口付けをした。]
[ベンチに寄りかかるのを通り越して、
ひっくり返りそうなぐらいだらけていた時だった。
近づいてくる気配を感じたのは――]
ん……?
[視線は体勢のせいか正面ではなく、
空かあるいは後ろの方向だったので気配の主は見えなかった]
― 翌朝/蒼真宅 ―
…――
[イステはゆっくりと顔を上げた。
寝ぼけたような様子はない。
が、焦点が合うのに少しの時間を要した。
視界に蒼真の顔を収めると眸に光が戻る。]
…「おはよう」
眠りから目覚めたとこの状況を定義するならば
相応しい言葉だ。
…おはよう。ソウマ。
[状況分析を口にして後、
蒼真を見上げながら漸く挨拶らしきを向けた。]
[キャスリーンはしばしの間、青年の姿を眺めていた。顔は見えないが、清々しいぐらいのふやけっぷりにくすんだ顔をする。このまま何も見なかった振りをして、立ち去りたい気分だったのだ]
『そこの人、起きてください』
[明らかに日本語とは異なる声がした]
そう、君の名前。
[にこりと笑う。
差し出した己が右手に伸ばされるハルナの手。
握り返してくると思いきや、まるで姫に接する王子のように手の甲に口付けされた。]
えっ?ええと、それはそれで嬉しいけど、そうじゃないよ、ハルナ。
[学習機能は働いているようなので、諭してみる。]
よろしくの時は、握手をするんだ。
握手ってのは、こう。
[ハルナの冷たい手を取って、自分の手と握手させた。]
[挨拶を返された。
ただそれだけの事が、心の内に何かが灯される。
朝に、会話をする相手がいる。
ただそれだけが、いつ以来だろうか。]
……ああ。
人じゃねぇって言ってたけど、メシも食えねぇのか?
[どっちにしろ簡単な物しか出来ねぇけど、と呟いて。
部屋のすぐ外にある台所へと向かう。]
[気配はいつまでたっても消えなかった。
それどころから、なんか変な声が聞こえてきた]
誰だか知らないけど、ほっておいてくれるかなぁ。
俺は究極のベンチの使い方を探している最中なんだ。
break my limt ok ?
[顔は向けずとりあえず日本語と、
適当な英語で返事をした。
相手が立ち去りたい気分だなんて知る由もなかった]
/*
ちなみに主の記憶をあやふやにしたのは、パイロットとして丁度いい理由をこじつけ損ねたためです。
プロフィールから何か理由を見つけてでっち上げようと思っていたんですが、「どこか道化的な青年。ノリは非常に軽い」だけじゃ無理だったよ!
*/
……。
[キャスリーンは左手首にはめていた細い腕輪に指を振れて、何かを念じた。そして息を吸い込むと、
青年の腹を強く蹴った]
限界は、超えましたか?
[呆れた調子の声。今度は日本語だった]
[笑顔を向けるダンを不思議そうに見つめている間に
今度は正しい挨拶が交わされた。
握られる手を見つめた後、そっと握り返してみる。]
これが握手。
理解した。
[こくりと一つ頷き、メモリーに登録する。]
…ダンは温かい。
これも覚えた。
[体温36.5度。血圧は…]
― 翌朝/蒼真宅 ―
[蒼真の心のうちなど知るはずもなく、
イステは問いかけにひとつ、瞬いた。]
摂取することは必須ではない。
されど、不可能でもない。
[そう答え、台所へ向かう蒼真の背を
少しの間見たあと、立ち上がって数歩近づいた。]
それは、何か。
ぎゃああああああ!!
[叫び声と共にひっくり返る。
そしてベンチの後ろの茂みへと落ちた]
な、にが起きた……??
[分かるのは腹部の痛みのみ。
相手の声など聞き取る余裕はなかった]
ったく、てこずらせやがって
[ガサ、と音がしたのは男の背後。
現れるのは、先ほど男の頭を蹴飛ばした金色]
酔っ払ってそこまで走れるってえなら悪かぁねえ
あとは何よりまず身奇麗になってもらう
[影の金花紺青は男の頭上を越えて
駆動音を静かに響かせる半人半馬のHMへと向けられる]
そんな形じゃ、リュースが許したってこっちがお断りだ
[キャスリーンはツカツカと茂みへ近づいた]
聞き間違いでしたか? 謝りませんが。
私があなたを蹴りました。あなたはひっくり返っています。他に質問は?
[聞き間違いも何もベンチの使い方の話しか覚えてない。
適当に話した英語は適当故に覚えてない]
いたたた、何でそんな事をしたか?
それと一番重要なことが抜けてねぇ?
あんた、だれ。
[体についた葉っぱとか土を払いながら質問する]
そう、それでいいんだ。
ハルナは賢いな。
[冷たい手に握り返されて満足そうに頷くと、残された方の手でハルナの頭を撫でた。]
俺は温かい?温かいのは嫌い?
[血圧は正常値のはず。]
そういや、俺が戦うとか、戦艦大和とか、あれはどういう意味なんだろう?終焉の神って?
このコスチュームは機動性を上げる効果が。
HMの騎乗の為に開発された素材なのだが──。
私の名前……?
A/I=L2 では無く。
人間らしさが、必要だと。
[非人間的なインターフェイスの面に解析不能だと言いたげな表情を浮かべ、上半身だけを起こして首を傾けた。]
では、
[1分近い不自然な空白の後、答える。]
──私の事は
…… リルと。
その名であれば、
現状の私の知る限りの
私の存在に近い名になると思われる。
そうだ。
些細な事なので、昨夜は答えなかったが、
私は私自身が何者であるかには興味が無いのだ。
私はEn/Co/lCha/Dis/At/En=6*Oの
インターフェイスであり、
お前がパイロットで。
[フィリップの手を取り、片手を握る。]
[音もなくすりよってくる「におい」に、顔をまたしかめる]
あなたが不真面目な言葉を話すので、私の不満をぶつけました。
私はキャスリーン。キャスリーン・ロンズデール。他に質問はありますか?
何……って。
何の変哲もねぇ、卵と食パンだよ。
[冷蔵庫から取り出した食品。
それに対する言葉を不思議そうに返しながら、
手早く料理をしていく。
出来上がったのは、トーストにスクランブルエッグ、そして焼いたウインナーというシンプルな朝食。]
ほれ、食えるんなら食いな。
[それを二人分、小さいテーブルの上に置けば
紙パックの牛乳を放り投げる。]
私の名を呼べ。
A/I=L2ではなく、人間的な名に相応しい
インターフェイスの存在を確立するのだ。
それから。
En/Co/lCha/Dis/At/En=6*Oに
会ってからで構わない。
機体の名を付けろ。
お前が名付ける事で、
HMとの接続が確立するだろう。
なっ、そ、そうかもしれないが。
[実際にこの子がサラの会社のモデルなのかもしれない。
とはいえここまで非常識というか破天荒というか。
普通は初対面の男性の家にほいほい着いてきて部屋をあら捜しし、さらには起床時に上に乗りあまつさえ職場に同伴などありえない。
さらに、こんなに至近距離で見詰め合ったままなど・・・・・・・]
え、あ、ああ。
[確かに、僕には高校時代彼女がいた。だが進学校の生徒同士の付き合いなどたかが知れている。あれからもう6年経っているし、耐性なんてあるはずがない。
と、いうことなのではないだろうか?]
[何故だろう、自分の記憶なのに不安な事だらけだ。まるで自分をそう説得しているような、もしくはあやふやな過去を自分に都合の良いように改竄している気分にもなる。
時折罪の意識に囚われたままの過去を都合よく再生することを人間が行う事も理解している。それに近いような]
不真面目に不満かー、そりゃごめんなぁ。
俺って、こんな人間だからしょうがないんだよ。
でもさ、なんでキャサリーン・ロンデズールだっけ?
あんたは俺に興味を持ったの?
知らない人に不満を持っても普通は無視するよね。
蹴るってことはそこになんらかの理由があったはずだよねー。
それを知りたいかな。
あ、もしかして一目ぼれって奴か??
[蹴られた事は腹がたつ。
だけど理由も気になった。
最後のは軽い冗談だけど]
え・・・・・・
[名前を呼べ、と問いただされた]
リ、リル。
[刹那。頭痛。
脳を駆け巡る電流]
ぐっ・・・・・・!
[その電流は程なく止んだ。手は汗でびっしょりと濡れ、リルの手を握り返していた]
…嫌い、
ではない。
[大人しく撫でられる。]
説明が難しい。
私に関連付けられた機体。
ダンが操作する。
戦いが起こる。
可能性は不明。
備えておくに越した事はない。
機体は…。
[きょろきょろと周りを見渡し、窓に目がいった。]
呼び出す?
[再びダンを見て、問うた。]
― 蒼真宅 ―
[イステはほんの少し首を傾ぐ。
黒髪がさら、と流れる。]
食品。随分と、変わった。
[感想を漏らす。
何と比較しているかは曖昧だった。
宙を舞う紙パックの牛乳を危なげなく受け止め]
把握した。
[蒼真の対面に腰を下ろし、少し沈黙したあと]
「いただきます」。
[――と、手を合わせたのである]
[内部性能を確認。
機体召還には問題なし。
エネルギー残量…不足気味。]
……ん。
ごめんなさい。
[機体を呼ぶにはエネルギー切れの旨を伝えるには...
適切な言語が発見されました。]
今すぐ機体を呼ぶには。
空腹。
[ぐうとエネルギー切れを報せる音が鳴った。]
……意外と冷静ですね。
[記憶と思考の外側が、未だ何かを囁いている。彼がそうなのだろうか? 疑問は尽きない]
私は人を捜しています。それはあなたである可能性があります。本当にあなたなのかを確かめるため、私はあなたに声をかけました。
私は使命を帯びています。失敗すれば、私は死ぬでしょう。そして、
――あなたも死ぬでしょう。
[彼女は少し脅しを混ぜた。不真面目な青年には刺激が必要だと思えたのだ。もっとも、述べたことは全て真実のことだったが]
f>u:e3 は肩書きと名前を f>u:e3(ハルナ) に変更しました。
声より前に蹴りだったけどな〜。
じゃあ、きっとそれ間違いだな。
俺は使命とか知らないし、ただの学生だから。
[死という脅しには――]
警察呼んでもいいか?
無理心中の現行犯逮捕としてさ!!
[あえて大げさに怯えた姿を見せる。]
HMの名称、だと?
それを僕が決めるのか?
生命や物の名前には意味があり、その意味こそが固体の存在定義や思いへと昇華する。ネーミングという行為はとても重く重要な事だ。そう簡単につけられるわけがない。
・・・・・・などと我ながら頭の固い事を言っても君は却下するんだろうな。
[だが、うっすらと脳裏に名前が焼きついている。
さっきの頭痛の時だろうか、まるでリルから流れ込んできたような]
[変わった。
それの比較対象が一体何なのかは解らないが、
恐らく自分の知らないものであることは確かだろう。
本当にこの……人にしか見えない、人ではない少女は
自分の考えなんて及ばない所から来たのかもしれない。]
ん……あ、ああ。
[いただきます。
まさかその言葉が出るなんて思っていなかった所に不意を疲れた。
何処か間抜けに返事をしてから、自分も同様の言葉を口にする。
一人で食事をとるようになってから、忘れていた言葉。
……パンをかじる。]
良いもんだ、な。
人がいるってのはよ。
確かめるのは私です。あなたではありません。
言い直しましょう。私が失敗した時、人類が滅びるでしょう。「終焉」と呼ばれる存在によって。
私は、それを阻止する使命を帯びているのです。
他に質問はありますか? 無ければ、私に協力してもらいたいのですけれど。
そっか、良かった。
[撫でながら、再びにこりと笑った。]
ハルナに関連付けされて、俺が操作する?
戦いの可能性……呼び出す?
[イマイチ会話が噛み合わない。
その時、ハルナのお腹が鳴る。]
あ、お腹が空いてる?
何を食べさせたらいいんだろう?
[四畳半一間の部屋を見渡したが、それらしきものは無かった。]
[一目惚れ、警察と必要な下りはことごとくスルーされている。
少しだけなんだか悲しくなってきた気がするのは気のせいだろうか……?]
ええっと、ごめん。
俺そういう遊びとか趣味はないから別の男捕まえてもらえるか??
キャスリーンだっけ?
電気街とかそういうところにいけば、
そういう遊びに付き合ってくれる奴一杯いるよ。
まぁ、俺ほどカッコいいのは中々いないと思うけどな!!
[笑いながら拒否をする。
暇だとは言え、妄想ごっこには付き合えないから]
よし、私は今から
A/I=L2ではなく、リルだ。
[フィリップが口にした名に、頷く。
困惑した様子からのフィリップの変化。冷たい汗で滑る手に力を籠めた。]
──……
どうした?
職場へ向かう際の服装の事は服装で
ちゃんと検討する、ぞ。
今、お前は、何を感じている。
A/I=L2 は肩書きと名前を リル に変更しました。
[「異民族」との交流は初めてではない。しかし、難しいのも事実だ。だが、その程度の困難は大した事ではない。彼女にとっては]
遊びではありません。あなたは不真面目ですけれど、私は真面目です。私は真面目にあなたに協力を求めています。
格好いい? ……この時代のこの地域ではそうなのかもしれません。けれども、あなたは私の好みに合いません。主に胸板が。そして食べ物が。
[最後に一つ付け足したのは、当てつけか]
ついてきておったか……。
[ミネラルウォーターから口を離し、嫌そうに呟いた。
リュース、と女が口にするのを聞いて、新手かとその視線を追う。
そして、それを見た]
……ホ、見たことのない型じゃな。
―蒼真宅―
…?
この国の食事のときは、こういうものだと、
そう情報を得ていたのだが
[何処か間の抜けた調子の蒼真の声に
イステは疑問符を浮かべる。
が、同じ食事時の挨拶が蒼真からも聞こえれば
イステもまたパンを口にした。さく、と小気味よい音。]
――私はひと、ではないが。
良い、と 感じるのは。良い。
[じ、と蒼真を見る。]
ひとは、たくさん いるが お前の言うひと、は何だろうか。
/*
>>266
>一目惚れ、警察と必要な下りはことごとくスルーされている。
はっはっはっ、すまんな(笑
日本語は堪能でないとかそういう風にしようかなあと迷っているうちに、そういう対応になってしまった(ぉぃ
もう、腕輪のおかげで堪能になったって事にするかなあ。
*/
14人目、謎の影 がやってきました。
謎の影は、村人 を希望しました。
『se lembre de.O país de mãe longe-apagado e a vida do assunto.Um homem valente de nós "gainer culpado" que reavivaram na idade presente o senhor remodelaram esta terra, e nos conduzir a isto fundamentaram.É uma lâmina da vingança na que o senhor entra.Eu posso ganhar e posso pegar o futuro.』
見たことがあるかどうかは今は関係ねぇ
こっちが尋ねたいことは一つ
[花紺青に着ん色がゆっくりと滲む。
それと同時に毛先や指先、顎先といった
鋭角になっている体の部分から金意図の光が滴り落ちては滲む]
問う
じいさん、あんたこのからくりに興味はないか
がーん、そこまではっきりいわれると傷つくなぁ。
[といいつつきっと顔は笑っているだろう。
今に始まった事じゃなく慣れている事だから]
食べ物はともかく胸板はそんなに酷いものではないけどな!
一応鍛えてるんだぜ!!
[暇つぶしに格闘技を習っているだけに体格は悪くないはず。
実際にその辺のチンピラとか自衛隊と喧嘩しても負けたことはなかった。
それをアピールしようと胸をわざとらしく張ってみた]
じゃあ、一つだけまともに話してあげよう。
俺は真面目にお断り。
ほら、自分で最初に言ってたろ?
可能性があると、だから他の可能性を探しにいくといい。
[本来ならあんまり好きじゃない言葉だけど。
あえてこの場では使ってみた]
/*
>>273
お、うまいな。こっちは上手く流れそうだ。
とすると後は私たちだけか(笑)。さて困ったぞっと。
*/
──…ッ
[繋いだままのリルの手のひらも、遅れて電流が流れて行ったかのようにジンと痺れていた。]
そうだ。
HMの新しい名を決めるのは、フィリップ。
重要だからこそ、お前が決めるべきだ。
[すでに経験や免許が無い、インターフェイスとは何か、何故HMにフィリップがパイロットなのか等の質問を繰り返させない勢いで話は進んでいる。
何を感じたのか、確かめるように問う真紅の双眸に熱が籠った。]
――……ああ、そうだったな。
言われなきゃ忘れちまうぐらいだ。
[ウインナーを小気味のよい音を起てて齧る。
その後の質問が耳に届けば、少しだけ眼を瞑って。]
……確かに世の中には山ほど人がいるがよ。
なんでかな、世の中が便利になるほど人同士の関係ってのは希薄になっちまうのさ。
俺が言う人ってのは、そうじゃねぇ。
朝に挨拶をして、一緒にメシくって……そんな当たり前を、当たり前に出来る関係。
それが、俺の言う人ってやつだ。
[何処か、昔を懐かしむように……ゆっくりと語る。]
ラミーナ・ビンガーシア・・・・・・
[ぽつり、と何処の世界の言葉か判らない単語を呟く。
この単語はなんと言う意味なのだろうか。判らない]
……ホッホ。
なんじゃ、こんなジジイを捕まえて藪から棒に。
[女から滲む金に、片眉が上がる。半人半馬のHMは静かに佇んでいる。
彼は知っていた。
興味本位のみで、足を踏み入れてはならない領域があることを]
お前さんはなんじゃ?
察するに"借金取り"とは違うようじゃが。
……。胸板については撤回します。少し見込みはあるかもしれません。
あなたを保留して他を捜すには、他の手がかりが必要です。けれども、それは今の時点では無いのです。目の前の可能性を放置したままで、私は手がかりも無しに世界をさまようべきなのですか?
あなたが、協力を拒む理由はなんですか?
[言いながら、青年の不満を分析する。彼の不満を解決しなければ、協力を得られないと思ったからだ。――彼女は、自分の行動が突拍子もないものである事に、まるで気付いていない]
―蒼真宅―
[事実をひとつ、確かめるようにイステは頷いた。
音なくパンを咀嚼して飲み込む。
咽喉が小さく動いた。
蒼真を見つめ、耳を傾ける。]
… ひと。
[ゆっくりとした瞬きひとつ分の間。]
ひとは 言葉通りの ひと ばかりではないと。
希薄。関係。お前はそれに、
思うところがあるのか。ソウマ。
お前は人ではない私に
人だと謂った。それは、理解しかねる。
だろうだろう?
俺、なんとなくHMだろうと素手で倒せる気がするし。
[立ち上がり、シャドーボクシングをしてみせる]
お、キャリアウーマンっぽい見かけ通り頭はいいな!!
正論だ、目の前にある解決手段をスルーして、
別の解決手段を探すなんて効率が悪い。
いや、全くもってその通りでございます。
[先程躊躇した事をずばりと当てられて少しだけ驚いた]
協力を拒む理由……?
めんどくさい。
それといきなり蹴られた。
それぐらいかな。
[理由は特になかった。
だけど、いきなり理不尽に蹴られたのは不愉快だったから]
じゃあ、逆に聞きたい。
俺が協力しなくてはいけない理由ってあるか??
手がかりである俺を納得させられないのは、アンタのミス。
人でも雇って別の手がかりを探せば?
ああ、ラミア、でいい。
[頭痛はすっかり治まった。
だが、頭の中に響いた声。あれは何だったのだろうか]。
リルと視線が合ったまま、お互いに言葉を紡ぎだす。
今日もまた、夢の中のような出来事が続いている]
色々あるのさ……世の中ってのは。
[思う所があるのか。
勿論、色々と胸に秘める思いはある。
それでも……その中にある最も大きな感情を一つ取り出したとするならば。
その感情を一般的な名称で呼ぼうとするならば。]
……たまには、寂しくなったりするもんさ。
慣れたって言っても、な。
[その小さな呟きは、聞こえただろうか。]
[──ラミア。
未だ、Endeavour社の格納庫で眠るその機体は、フィリップの名を受けて黒曜石のようなボディの内側から紅い光を放つ。頭部にある真紅が燃えるように蠢いた。]
En/Co/lCha/Dis/At/En=6*O は肩書きと名前を ラミア に変更しました。
人とはなんぞや、なんて難しい事俺にはわからねぇさ。
イステが自分を人ではないという。
事実、それは正しいのかもしれない。
[パックの牛乳を一口、喉へと流し込む。]
でもよ、事実がどうあれ……この世では認識が全てだ。
俺がイステを人と思えば、俺にとっちゃ人だ。
それでいいんじゃねぇかな。
[自分でも何が言いたいのか解らない。
どうもまとまらない考えに、頭をガリと掻いた。]
……駄目だな、今の俺は。
どうも調子がくるって、感情が先走っちまってる。
そんなのはもう、やめたってのによ。
HM……? それはなんですか? 強いものですか?
[彼女の知識にその単語は無かった。彼女は「Humanic Mobile」を知らないからだ]
なるほど、不満の一つを理解しました。蹴った事は行き過ぎであったようです。もうしわけありません。
[あっさりと頭を下げた。躊躇する理由は無い]
ただし、面倒という理由はわかりません。あなたは死ぬ可能性を避ける事よりも面倒事を避ける方を好むのですか?
もしあなたが私の求める人間で、そしてあなたが協力を拒んだ場合、人類は滅びます。あなたは死ぬ事になりま――。
[そこまで言いかけて、ふとある可能性に思い当たった]
――あなたは本当に協力する事が面倒なのですか? 私の話を信じる事が面倒なのではないですか?
[それならば、納得がいくと思った]
さて、そろそろ大学に行く時間だ。
支度をするから、僕を自由にしてくれないか。
[時計をみると、既に家を出なければいけない時間に近づいている。
だが以前拘束の身である]
HM知らないとか俺をからかいすぎだろ〜。
強いぜ、だってロボットだからな人型の。
だから、それに素手で勝てるかもしれない俺も強い!!
かもしれない。
[立ち上がって、頭を下げるキャスリーンに近づく。
そこまでする必要はないと、頭を軽く二度叩いた]
おー、意外や意外、もっと堅物かと思った。
ちょっと不愉快だったけど、そんな怒ってねーから平気さ。
ま、今後も俺にちょっかい出すなら理不尽な事はしないほうがいいと思うぜ??
大嫌いだから。
[この場限りの人間にこんなことを言う必要はないのに、
なぜか余計なことを話していた]
そもそも、本気で言ってんの……?
だとしたら、俺、本気で逃げちゃうよ。
いきなり、私に協力しないと死ぬよなんて頭おかしいって〜。
ノストラダムスの予言で1999年で死ぬよって話より、眉唾さ。
そんな話に付き合うのが俺は面倒。
だったら、街に繰り出して騒いで他方が建設的だとおもわねー?
[もっとも繰り出す仲間がいなくて公園でいじけてたわけだけど]
──……
聴こえた。
[何か音に耳を澄ますように、熱を封じ込めるように、或いは闇に沈むように、一度目蓋を閉じる。フィリップに言われて、双眸を見開いた。]
時間、か。
嗚呼、分かった。
では、お前が支度をする間に、
私は典型的な日本の朝食を用意しよう。
一般成人女性の足にして、
徒歩15分程度の距離にあるスーパーを
穏便に抉じ開けて、材料を調達してくる。
この時間なら、この服装でも目立つまい。
大都市の隣人は、交流をしないと言うしな。
[繋いでいた手を離して、ひらりとフィリップの上から床に降りる。その動作は人間らしいと言うにはやはり軽過ぎた。リルが、買物を終えて戻ってくるまで5分と掛からない。
培養槽に居たインターフェイスに、日本の朝食の知識はあるのか、テーブルに、ご飯、焼き鮭、出し巻き卵、ほうれん草のおひたし、ワカメと薄あげの味噌汁がすぐに並べられた。]
・・・・・・これは、お見事で。
[着替えて洋間に鞄を取りに言った頃には、既に食卓に立派な朝食が並べられていた。
静かに食卓に座り、箸を取る]
いただき、ます。
[軽く目を閉じ食卓に祈る。
日本の文化では、このいただきますという一言を言う習慣があるようだ。何故そう言うのか学生に聞いたのだが、特に明確な返答も無かった。ある時教授に尋ねてみたところ、”この食事を得るために失われた命をありがたく頂戴する、という意味なのだよ”と教えられた。それが真実かどうかは判らないが慣習化している。
だが、今朝のいただきますにはそれ以外にもいろいろ意味がこめられていた。まず彼女が自分の上から降りたときに”穏便に抉じ開けて”という言葉を放っていた事、そして彼女が間違いなく金銭というものを持ち合わせていないであろうという推測。これらから、このいただきますという言葉はいたいけなスーパーの店長へと向けられてもいた]
私はからかってなどいません。私はHMというものを知りません。ロボットというものも知りません。人間に似た、人間よりも強い種族ですか? たとえば、狼男のような?
[狼男なら、彼女の知識にもある]
……そういう事ですか。「終焉」に関する知識が喪われているのですね。私たちに滅亡という最大の理不尽を押し付けようとする、あの存在の事を、
長い時間が押し流してしまったのですね。
[青年の反応で確信を得た。この時代の人間達は、あの最悪の凶事をすっかり忘れてしまっているのだ。だから、自分が一人で目覚める事になったのだ。
キャスリーンは目の前が真っ暗になったような気がして、そして]
[恐る恐る、卵に箸をつけ口に運ぶ]
うまい。
[ぽろっと口から出た言葉だった。確かによく出来ている。
いい嫁さんになれるよ、と声をかけようとしたのだが、そもそもそれ以外にいいお嫁さんになれそうもない要素が多い彼女にこの言葉をかけるのを躊躇い、飲み込んだ。
そのまま、時間も少ないことから少し急ぎ箸で朝食をたいらげる。そしてまた目を瞑り祈るのだ]
ご馳走様でした。
[スーパーの店長に、この祈りは届くのだろうか。しかし今のフィリップにはこれくらいしか出来ることは無かった]
狼男??? まーた、俺をからかってるな!!
HMは人間の形をした機械だよ。
人が乗り込んで動かすアレだよアレ。
くくく、なんで俺真面目に解説してんだろ?
[からかわれているのに何故か真剣に解説している自分。
それがおかしくて笑ってしまった]
なにをいってるかわからん!!
俺にとっては、あんたこそ、最大の理不尽押し付け女だよ!!
略して、理不尽な女!!
―蒼真宅―
――…。
[小さな呟きを聞きとめたらしく、イステの唇が動く。]
さみ しい。
[蒼真を見ていた眸が、ふと僅かに俯いた。]
人ではないのに、人であるとは
お前は、奇妙なことを、謂う。
[食事を摂る音が続いた。]
…先走るのをやめたのは、なぜ?
ひとは、感情を持つものだろう。
うむ。
[いただきます、と言ったフィリップにニッコリと笑いかける。
どうやってインターフェイスがスーパーを穏便に抉じ開けたのか、その真実は闇の中だ。ヒントを一つ言うならば、ラボのシステムにも不正に侵入していた事と似ていると言えるだろうか。しかし侵入しただけでは、買物は出来ないのだった。]
美味いなら良かった。
まるで日本人のように、礼儀正しいのだな。
[朝食を終えた後のフィリップには、一般的にはコスチュームプレイとしか言いようのない、ピタリとした特殊素材の衣装を来た女性との外出と言う試練が待っている。ちなみに、リルが洗い物をする時、小さなボタンのようなものを押して、気密性の高い手袋を外した。]
差し当たり、髪は二つにでも括っておけば良いか?
[現状:コスプレ、ツインテ。]
機械……乗り……込む?
[ゆれる身体を意志の力で抑えつけようとする。だが悲しいかな、その抵抗は全く無駄な努力なのだ。意志の力でどうにかなるものならば、最初から弱点になどなりはしない。みるみるうちに、キャスリーンは血の気を失っていった]
うか……つ……吸っ……まっ……。
[青年の接近が追撃を呼ぶ。においが満ちる。視界が光に染まり、心音ががなり立てる。立っているという感覚すら消え失せて、キャスリーンは意識を手放した]
ほんとに、そんな格好で外出するのか。
[ああ判っている、言っても変わらない。
もしそうだと言っても我が家には当然のごとく女性の着替えなど存在しない。
だが、これで外に出れば間違いなく目立つだろう。
これは止めたい。
が、たぶん止まらないだろう。着いてくるなと言っても無駄だろうし、着替えを購入するために外に行って戻ってくる時間はもはや無い]
判った、とりあえずその格好で行こう。幸い徒歩で行けるわけだから、その格好で電車の改札を通過するという最悪の事態も無い。
だが、帰り道に服を買おう。それだけは頼む。
[ところで何で彼女はツインテールに髪を括ったのだろうか。
なんにせよ、彼女の知識には偏りがある事を理解した]
じゃあ行こう。
[意を決し、靴を履いてリムを連れて外へ出る]
[サイレンを鳴り響かせて十字を背負った車が現れる。
降りてきた人を手招きして呼び寄せた]
こっちこっち。
なんか、急に倒れちゃったんで、お願いします。
名前はキャスリーンって言うらしいですよ。
「知り合いですか?
少しお話を聞きたいんですけど」
[降りてきた退院のいぶかしげな表情が若干不愉快だった]
いいえ、ついさっきいきなり話しかけられただけですよ。
あらぬ事で疑いを持ってるようですけど、
もしその気なら、貴方達を呼ばずに放置すると思います。
それじゃ、あとはよろしくお願いします。
[救急隊を睨み付けてその場を後にした**]
うむ。
お前の服を着て、
講義室に入る方が良かったか?
[真面目に問う。髪型の事を問われれば、髪型も変えた方が良いと言ったと答える事になるのだが。部屋を出て朝日の下をフィリップと並んで歩く、リルの足音は軽かった。]
で、間柄の設定はどうするのだ。
女性同伴の理由を付けて置く
必要が有りそうな事を、
お前は言っていたぞ。
──私は、
パイロットとインターフェイス
だと説明しても良いのだが、
社の命令でストップが掛かっている。
/*
@寝床
ねむねむ……って、ちょwww
なるほど、うまく説得しろということか(笑
なかなかてごわいな。まあ、明日かんがえよう。
*/
−フィリップ邸→大学への道−
[予想通りだが視線を大量に集めている。こういう場合は何食わぬ顔で歩くのが一番いい、とグランマの教えどおり胸をはって歩いていたのだが、結果通学中の学生に見つかり声をかけられてしまう]
『あれ、どうしたんすかフィリップさん?とうとう気象学バカのフィリップさんにも彼女が出来たって事ッスか?』
『お、おはようございます・・・・・・あ、言いませんから絶対』
『不潔。職場に彼女連れてくるとかありえないと思いますけど』
[なんたる屈辱。しかし今は胸を張って歩くしか方法が無い。
そしてそんな事を全く気にせず随伴しているリルは、さらに余計な一言を、しかもそれなりに周囲に聞こえる声で話しかけた]
お、おい!!もうちょっとそういう事は小声で言ってくれよ!!
え、あ、えーと設定?う、うーん。
[焦り。これほど焦る事も自分の人生では無かった筈だ]
か、彼女・・・・・・はもうやめたほうがいいな。
妹!リルは妹でどうだろう!!ああそうだ、妹だよ君は僕の!
[周囲に聞こえる声で言った。出来れば先ほど声をかけてきた学生に届いて貰いたいものだ]
[ほどなく大学へと到着する]
あ、いや妹のリムよ。今日は大学の見学という事だがおとなしくしていてくれよ。
[大声続行中。もはや情けなくて涙が出てきた。
研究室に荷物を取りに行くと、やはりまた軽く引いた目で学生たちに対応された]
あ、ああ妹なんだよ妹!!
[今日一日で妹という単語をどれだけ口にすればいいのか判らなくなってきた]
とりあえず、これから講義なのだが。
講義まで聴くのか、リム?
こっそりと教室の一番後ろあたりに座っていてもらえるならば、まあ助かるのだが。
もしくはここで待っていてくれてもいいんだぞ?
[研究室から資料を持ってフィリップが戻る。
場合によっては、この研究室でリムが待機していてくれればと祈っている]
─ 朝/大学へ向かう道 ─
[学校へ向かうのだから、当然、通学中の学生達に見付かる。視線を集めている事にインターフェイスが頓着する様子は無い。]
リムじゃない。
──リル。
[名前を間違えた事にだけ、頬を膨らませ、無表情でフィリップを睨んだ後、衆人環視の中腕を掴んだ。
行く先々で、妹、妹と言う単語を繰り返すフィリップには、]
その件は了解しよう。
妹プレイだな。
[腕を組んで顔を見上げる。]
[二人の背後で、学生の声が聴こえる。]
「聞いた? 妹プレイだって。」
「確かにどう見ても先生と似てないよねー。」
「て言うか、あれ──…Endeavour社のモデルか何か?」
「フィリップさんって、あそこの。」
「……それで、妹プレイなんだ。へええええ。」
[研究室の入り口付近に出来始める人だかり。フィリップの祈るような願いを断ち切るように、]
差し当たり、今日の講義は全部聞くぞ。
一番後ろで聴くのでも、聴力視力共に問題は無いが。
・・・・・・そうか。
[この世界に神は存在しなかったようだ。諦めた表情で頷く。
周囲の視線が痛い]
じゃあ、このまま教室に行くからついてきてくれ。
[もはやどうにでもなれ、と思いつつ廊下を教室へと歩いていく。
教室付近ではもはや一歩後ろへ引いた状態の学生が待ち受けており、リルには後ろの扉から教室に入るように指示した]
―翌日・大学―
しまった、別に講義ないのについ来てしまった……。
[うっかりすぎた、昨日誰かに蹴られたせいに違いない]
お、堅物教授にも彼女だって??
これは、からかいにいくしかないよな!!
[聞こえてくる声。
そして集まる視線。
これを放置する理由などなかった]
−教室−
[フィリップは前の扉に周る。扉には『理学部生物学科 自己制御システム論 講師:フィリップ・ミラー助教授』と書かれている。
いわば専門分野であり、フィリップにこの授業は任されている。
だがメジャーな科目でもない為、受講者自体は他の授業に比べて少ない。その分、この授業は自身の所属する研究室の学生や気象学に熱心な学生が多く、やけに緊張感があるのだが。
今日は、別の意味で緊張感が教室を支配していた]
やぁ、フィリップ。
何時もの真面目な講義とは全然違うな。
鼻の下が伸びっきりのようだけど、いったいどうしたんだ?
[教室に入り、声を掛けた。
言葉にはからかいの意図が透けて見えただろう。
当然だ、隠す気などなかったのだから]
妹だ!妹だぞ!!
[少し大声で言う。昨日講義後に話しかけてきた女性の学生もいたようだが、リルの姿と今日一日のフィリップの騒動を聞いて突然教室を飛び出していった。理由はよく判らないが彼女には非常に申し訳ないことをした]
君は、確か僕の講義は受けていない筈だが気が変わったのかな?
聴講は歓迎するが、その、あまり騒ぎを大きくしないように。
何時もの冷静さは、どうした??
俺、一応昨日のフィリップの講義は毎回出てあげてるんだぜ?
この講義は、確かに取ってないけどさ。
今日は暇だから後ろでゆるりとするかねぇ。
妹さん?もいるみたいだし。
[面白い物が見れたとにやにやしながら離れる。
向うのは一番後ろの席だった]
[講義に向けて、言われた通り一番後ろの席に座る。
講義室内の奇妙な緊張感はまるで存在しないかのよう、無機質な真紅、リルの注視は段上のフィリップに注がれるのだが。]
──…?
[リルがツインテの髪を揺らしたのは、女生徒が部屋を出て行った時ではなく、1人の学生がニヤニヤと笑いながら、親しげにフィリップに話し掛けた時。
クルと身体を横に傾ける。ビクッと肩を揺らした隣席の男子学生に問う。]
今、フィリップに話し掛けた。
あれは誰だ?
円城寺 海人、ふむ。
[軽く頬に手の甲を当てて首を傾けた時、その当人がこちらにやってく来ようとしている事に気付いた。]
お、なになに?
俺に興味津々と言った様子だけど。
まったく、色男は困っちゃうねぇ。
[席に着いた途端、横にいる女性から視線を感じた。
噂を聞いているのみで、隣の女性がフィリップのソレとは知らなかった]
[教壇に立ち、講義を開始する。
資料を広げ、黒板に昨日同様「自己制御システム」についての理論を書き込んでいく。
昨日とは違い、さらに深く、気象の変化と生態系への影響、そしてこれらの相互作用によって生態系が修復される可能性についての論述を書き上げる。
しかしやはり気になる。確か彼の名前は円城寺だったはずだが、彼がリルに余計なちょっかいを出して。
リルが不穏な言葉を口にしないか、と]
……──、
円城寺 海人、と言うのだとな。
今、右席のヤツに聞いたが。
[隣席に座り自ら色男と名乗った相手をじっと見詰めた。
講義開始のベルが鳴る。
相変わらずピタリとした素材に包まれた黒手袋の指先を、円城寺の前にかざしてみながら。リルの指先に現れるのは、蒼白い光の波紋。一般人には見えないが、おそらくフィリップと、円城寺には見える。]
色男。
お前は、何者、だ?
……私とは、一致しないが
何かの──シグナルを発している。
[と、フィリップが時々こちらを見ている事に気付いて、口元に小さな笑みを浮かべる。]
お、流石だね、俺有名人だから皆に知られているみたいだ。
[女性が指差す隣の男に記憶はなかった。
相手が名前を知ってるのならばやっぱり俺は有名らしい。
半分は悪評なんだろうけど]
なんだぁ? マジックかぁ??
俺のことより、今は君の名前が気になるな。
一致って性格??
シグナルとかはよくわからないけど、その辺は追々ってことでどうだろうか?
[フィリップに大丈夫だと言う風にヒラヒラと手を振った。
顔は正面に戻して、片側の視線だけを円城寺に。視聴覚の注視先をフィリップと円城寺の二つに振り分ける事にした。帝都大学の学生と言えども、集中した注視を振り分けるのは、一般的な人間には難しい事。]
…む。
今の光が見えるのか。
[講義は全て聞き取る、フィリップの表情も見詰める。
それでいて円城寺にも真紅の視線を注いでいる。]
──リル。
それが、今の名だ。
私は壇上に居るあの男に夢中だが、
円城寺が如何なる理由で有名なのか
簡潔な説明が聞きたいぞ。
お前にも別種の興味がある。
[壇上からちらちらと様子を気にしているのが判ったのか、何故かこちらに向けて手を振っている。
つい、条件反射で手を振ってしまった。
ざわっとするかと思いきや、逆に室内がシーン、となってしまった。
成る程、人間というのはこういう気まずいシーンに直面すると何も言えなくなるのだな、という教訓を得る結果となった]
君という光は見えたかもしれないなぁ、なんてね。
[よく分からない事を呟かれた。
そんなわけで自分の方向に誤魔化してみた]
リル、ね。
改めて、自己紹介すると円城寺 海人だ。
俺が有名な理由?
頭が良くてカッコいいからかな。
[実際、成績はかなり良かった。
顔も悪くないと思っている。
昨日はっきり好みではないといわれたばかりだけど]
なるほど、噂の彼女だか妹さんか。
こりゃ、俺の努力は無駄だったな。
[言葉と手を振る仕草をみて肩を落とす素振りを見せる。
もっとも本気で口説いたわけではないけど]
[講義室は静まりかえっている。うっかり手を振ってしまって、またリルが笑みを深くしてから暫くして、フィリップからは遠い後ろの方でヒソヒソ話が聴こえた他は。
円城寺の誤摩化しが理解出来ず、不可解そうな瞬きになる。]
円城寺は、成績が優秀なのか。
学科と将来の夢は?
──見た目は、ふむ。
[周囲を見渡してみて比較すると、他の学生達のルックスの平均値をざっと計算したりしなくとも、円城寺の外見は抜きん出ているように見えた。寧ろ、真面目な学生の多い講義室内だけで見れば、その見目が浮いている気も。
肩を落とすそぶりに、おかしな男だなと片目をつぶる。]
何か、外見と成績以外で、
普通では無いと言われた事があるのでは。
そのように見えるぞ?
そして、私はフィリップの彼女では無いらしい。
その案は、今朝がた却下された故に。
[しーん]
・・・・・・
[授業にならない。つまり、これでこの教室の学生からは『フィリップは現在妹と言っている女性が今朝がたフィリップに告白した結果、それを断り妹として同伴させている』という事になる。多分状況を把握できている学生はいないと思うが、少なくともフィリップとリルの間ではまさに泥沼な世界が広がっていると思われているのだろう]
oh, My god.
[祈った。
講義終了の電子音が部屋に鳴り響いた。
神はいたようだ]
フィリップに夢中なのに、告白して玉砕!?
だけど、妹ってどういうことだ!?
[状況がつかめなくて思わず叫んでしまった。
きっと教室の外まで聞こえていたに違いない]
あ、講義終了か……。
[電子音で冷静さを取り戻す]
しかし、フィリップも甲斐性なしだねぇ。
気象バカの本領発揮ってところか?
そういえば、あの円城寺とか海人とかいわれる事も多いな。
いたって普通なんだけどね、有名税って奴かな?
[誰にもともなくうんうんと頷く。
リル以外からも視線を感じたが知らない振りをした]
あ、学科は経営かな。
将来の夢は、今のところない。
とりあえず、そんなところかな。
[フィリップの彼女の下りで抜け落ちていた自己紹介を続けた]
[円城寺の残念な叫びが講義室に響いた。
これまでは居ないか、居てもごく少数だったはず状況を把握している学生の数が一気に増産されてしまった事になる。
そして、その途端に、講義終了である。]
現状は、まだ玉砕では無いぞ。
そのような断絶があるならば、死も同然。
そして、確かに私はフィリップの妹だ。
[リルは至って真面目な表情で、円城寺に首を傾けた。]
──しかし、
あれは、学生に気安く己の名を
呼び捨てにさせているのか。
何か、気に入らん。
円城寺、お前も気になるのだが、
少しフィリップと話をして来ようと思う。
[ドン引きしている学生達が、壇上へ向かうリルを注視しながらも、さざ波のように教室から出て行く。扉のあたりで群れが出来た。]
……何故かは分からないが、
お前とも、また会う気がするな。
[ふと思い出したように、リルは円城寺を振り返る。
フィリップの傍まで来ると、人目を気にせず彼の腕を引いた*。]
ほう、玉砕ではないと?
中々興味があるぜ、そういうの。
死も同然とまで言ってくれる女性であり妹を振るなんてなぁ。
やっぱり、フィリップだな。
[不機嫌そうなリルを見て首を傾げる]
皆にフィリップと呼んでくれっていってるぜ?
もっとも、皆びびって中々呼ばないけどな。
特に女の子は様をつけたがってめったに呼ばないなぁ。
うらやましい限りだけど。
そうだなー、よく話した方がいいかもな。
[また会う気がするの言葉に]
お、いいね、その言葉。
それじゃまたな、リル。
[フィリップの大声に笑いながら教室を後にした**]
[廊下でひそひそ話をしている学生を横目に、リルに腕を引っ張られてその場を立ち去る。
今日の講義はあと1つ、気が重い]
もうちょっと会話内容に気を使ってくれないか、あれだとあらぬ誤解を生むじゃ・・・・・・
[そう言い掛けて言葉を止めた。リルはどうもご機嫌斜めなようだ。円城寺君と会話していた際に何らかのトラブルがあったのだろうか。
拘束されていないほうの腕で頭を掻く。彼女の機嫌が直るまで言いなりになっておくしかなさそうだ]
[しかし、なんだろう。
昔、こういう事があった気がする。
他の誰かではなくて、リルかそれともリルに良く似た誰かと。
朴訥な僕がこうやって引っ張られて、そして彼女によくいやな思いをさせていた気がする。
この記憶は、何だろう。
いろいろトラブルもあり、また彼女もフィリップに言いたいことがあったようだが、とりあえず講義が終わるまでは待ってくれと諭した。
今日の大学での用件が終わり、あとはまた校門付近の冷やかしを耐えながら帰路に着くだけとなった。
その前に、この目立つ姿を隠すための洋服を購入する約束を果たさねば**]
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