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そうそう、思った。
水緒ちゃんの「べっぷぅ〜に。・バス路線一覧」
【http://www.beppuni.com/bus/rou...】
このサイト、見やすくて便利ですね。
自分の足がバイクでなければこれはブックマークものだったなぁ。
電車やバス旅しなくなってどのくらい経つかなぁ…。
[別府八湯の中で一番の高台に位置する明礬温泉。別府湾や高崎山が一望できる絶景ポイントに存在するだけあって]
…風がちょっと冷たいな。硫黄交じりの風は暖かいんだが。
冷たい空気と暖かい空気が多重の層になって吹き抜けている感じだ。
[冬場は脱衣所が寒くて辛いらしい。この季節はそういうことを気にしなくて良いので助かる]
ここの中には宿泊施設がないようだが、周辺部には色々とあるんだろうなぁ…。浴衣姿で散策する姿も見えるし、いい感じだ。
ゆっくりと色々なものを見て回ることができそうだ。…それでも土産物屋は人が多いな、後回しにしよう。
[夏休みも終わりかけだからなのか、平日だからか、人出は落ち着いている模様。レジの行列を横目でちらりと見てから、とにかく一番奥にある露天風呂へと向かった。
…貸し切りか?
[それなりに観光客が来ているのに、男湯にはほとんど人がいなかった。思い起こせば、レジで並んでいたのもほぼ女性だったような…]
男はゆっくりと長時間浸かるってことも余りしないしなぁ。
女湯は混んでるのかねぇ?
[掛け湯をした後でどっぷりと顎の先まで湯に浸かり、湯船の中で四肢を充分に伸ばす。
乳白色の湯は、青空を映すかのように僅かにコバルトブルーに染まり、ほわりと湯気の立つ様はとても美しい。眼下には湯の花小屋が立ち並び、その先には別府湾。ちょうどフェリーが出港したようで、白い軌跡を描きながら目の前を横切っている]
気持ちいいね。硫黄の香りが身体に沁み込みそうだ。
[しっかりと温まってから出ると、湯上り処で一休み。ここも景色が素晴らしく、涼しい風が吹き抜けて心地よい。冷たいお茶を飲んで火照りを覚ましてから、温泉卵を50円で購入]
…あちっ!あつ〜!
[両手でお手玉をしながら、しっかりと蒸されたアツアツの卵の殻をむく。そして塩を掛けて、ぱくり]
…ふ、ふぁっ!あっふ、あっふひ!
[周りが少し冷めても、黄身はしっかり熱かった。口の中ではふはほ言いながら、もぐもぐごくん。黄身までしっとりと蒸しあがっていて、旨い]
ふぅ、小腹は満たされたが、大腹が空いたままだな。
夜は何を食べよう…。
[デジカメを構えて移動しながら、店先に並んでいるものをぱちぱちと撮っていく。綺麗に包装された焼酎の瓶に興味が行くが、さすがに全部は買えない。せめて見た目だけでもと思って一通り撮影。
ついでに、可愛い店員さんを撮ろうとしたところで]
http://www.d-b.ne.jp/yunosato/...
『滝田さんっ!』
[突如背後から声がかかった]
…竹内さん…。
驚きましたよ、こういうことをするタイプだったんですね。
[やり取りしているうちに店員さんは奥に移動してしまった。少しくすくすと笑いながら、いつか仕返しをしてあげようと企む]
せっかくですから奢られてあげましょう。
焼酎の瓶をですね、撮っていたんです。全部の買い占めはできませんからね。
[言いながら、一本だけ購入。
後はひたすらカメラの話をしながら食事処へと連れ立って歩いていく]
画素数は1210万画素、メモリは4GBを2枚用意しました。
普通に使う分には容量が足りなくて困ることはないでしょう。
しかし思ったよりもどうでもいいものまでつい撮ってしまっているので、後で退避が必要ですね。
最寄のカメラ屋に飛び込んでDVDなどに焼いてもらうのもいいですけれど、のんびりing号にはホットスポットもありますからそれを利用するのもいいでしょう。
私は博多に着いたらちょっと自宅に戻ってバイオUを取って来ます。
ハードディスクを退避先にすればほぼ撮り放題ですよ。
ノートパソコンは荷物になるかと思って置いてきましたが、列車に置いて出かければ問題ないでしょう。
寝台車内に鍵付きの貴重品入れもありますしね。
[食事処では、メニュー選択に悩む佳奈を見て(悩むくらいならば両方食べてしまえばいいのに)とか何とか考えながら、自分は黒胡麻味の湯の花プリンをあっさりと決める。
どれだけ集中して悩んでいるのか、バッグの中から微かに聞こえる携帯の音にも気づかないようだ]
夕飯はここでだんご汁セットでも…と思ってましたけれど、何か美味しいものの予定があるのならばそちらに乗り換えましょう。
[土産物屋に移動し、プリンを8個も買う佳奈の姿を見て心の中でこっそり(余程プリンが好きなんだな)と思ったりして]
[亜積と合流すると、佳奈が宿に予約を入れるのを待って、町並みを見ながら散歩へ。土産物屋で地獄蒸し体験をさせてもらうことにして、卵、プリンと選ぶ二人と違うものを…と、団子をチョイス。蒸した団子は、トロリとした食感で柔らかく、しっかりと黄な粉が絡まって旨い]
普通の串団子とは全然違うものになってるなぁ。
材料も作り方も同じで、最後がちょっと違うだけなんだが。
[食べ終わると、いい時間になっていた。車が行き交うのもギリギリな細い道を曲がりくねりながら坂道を宿に向かって上っていく]
こういう所で生まれ育つと、足腰が鍛えられそうだ…。
[湯煙情緒を前に、そんなどうでもいいことをぽつりと呟く。
たどり着いた旅館は、どっしりと古い構えの老舗という感じの建物]
いいね、ふと部屋の隅を見ると、座敷童子でもちんまり座っていそうな雰囲気だ。
こう、「書生」とか、そういう肩書きの付く人がいるような。
[語彙が貧相なので的確な表現が出ないが、本人は気にしない。
そんなことを言っているうちに地獄蒸し料理が運ばれ、まずはビールで乾杯。迷わずいきなり料理に箸をつけるふたりを尻目に、まずはひたすら写真を撮りまくる。
そしてやっと電源をオフにして箸を取り、蒸した海老にかぼすをギュっと絞り、口に運ぶ]
自分自身も硫黄の匂いでいっぱいだが、料理もしっかり硫黄だ。
外からも内からも硫黄で満たされるって感じだなぁ。
茹でた魚介類と違って、蒸したものは味の濃さも違うし。
亜積さんは焼酎が苦手ですか?
私はワインがちょっと苦手ですね。
焼酎は、芋・麦・米どれも好きですよ。
……あれ?竹内さん?絡み上戸?…大丈夫ですか?
[ひと口は少なくても、積もり積もれば結構な量になる。飲めないのは問題ないが、自分のアルコール許容量を知っている人の飲み方に見えない佳奈を見て首を捻る。
その目の前で見事に撃沈する佳奈の姿を見て、思わず亜積と顔を見合わせて噴き出した]
こんなに分かりやすい酔い落ちを見るのは初めてですよ。
[布団を掛けられる佳奈を横に、亜積と情報交換]
ひょうたん温泉か。鯉と混浴できるのか?
そう言えば、うみたまごでは鯉と鯛が同じ水槽で泳いでいるのが見られるはずだし、鯉は意外と何でもありなのかもしれんな。
そして地獄蒸しの屋台か。屋台はいいな…。
[博多の町の屋台の並びを思い出す。旅に出てまだそんなに日にちは経っていないはずなのに、妙に懐かしい]
蒸したてのおこわは旨いですよね。冷えたり、冷えたのを温めなおしたりするとガクッと味が落ちるのが残念なんだが…。
[そこでふたりの携帯に着信が入り、もう1人の客人と合流することを知らされる。携帯の写真を見たときに、同時に画面の上にある現在時刻が目に入り]
(今から駅前に戻るのは…ちょっと面倒だな)
[段取りを全て亜積に任せると、部屋を出て宿の人に部屋が空いてないか聞いてみる。ダメ元だ。すると湯治客用の部屋が空いているとのことで]
何がどう違うかは分かりませんが、泊まれるのならば。
助かります。
[高等温泉のほうにキャンセルを入れると、亜積たちの部屋に戻り、ここに泊まることにした旨を報告。仲居がやってきたのを合図に、宛がわれた自分の部屋へと向かった]
…しまった、こっちのほうが座敷童子で書生だ。
http://www.coara.or.jp/kannawa...
[この侘び寂びたっぷりの部屋を見て、あちらの部屋は充分に豪華だったことを思い知る]
しかしあちらよりもこちらのほうが寛げる気がする。
湯治か…いいね。
一月くらいここでぼーっとしていたい。
[しかし今回の旅で、店舗改装による臨時休暇と有給とをフルにつぎ込んだため、もうしばらくはおちおち休めそうにもない]
…現実は横に置いておこう。溜め息が出る。
[ささっと布団を敷くと、浴衣に着替えて潜り込んだ]
[湯治の為の自炊宿泊施設は「入湯貸間」とも言うらしい。そんな話を聞きながら滝田さんについて歩く。
見せてもらった部屋は余計な物が一つもなく凄くこじんまりとしていた。しかし、どこか懐かしい風景。]
そういえば…昔の旅館ってこんな部屋が多かったなぁ。
夕暮れには窓の向こうから、子供の笑い声や、帰っておいでと呼ぶ親の声、蜩の鳴き声なんかが聞こえてきそうじゃない。
[ついでに自炊場所も見せてもらった。調理器具が所狭しと並べられ、全て自由に使わせて貰えるらしい。
色んな人の手によって使い込まれてきたのが判るような、握りやすい形に磨り減った鍋の取っ手などを見ると、本当にここは湯治の里なんだなぁとしみじみと思った。]
さて… そろそろ荷物纏めてチェックアウトしなくちゃね。
お部屋見せてくれてありがとうございます、滝田さん。
いや、滝田さんがここに泊まることにしてくれたから、色々余分に見れて、一粒で二度美味しいって感じだったわ。
ね?
[隣りで感心したように部屋を見ていた佳奈さんも頷いた。
30分後にロビーで再び顔を合わせる事にして、湯治部屋を後にした。]
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