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[強引に欲を満たすトリスに、
ロランと自身を殺そうとしたグレゴリーに、 抱く感情は同じ。
グレゴリーには頚城を打った。少なくともアナスタシアを襲う事は暫くは出来ないだろう。
正気を保てずに誰彼構わず襲いかかるようになるとは思っていない]
こいつは…。また誰かのところに行くでしょうね。野放しにするのは我慢ならないのだけど、止める方法が思いつかないわ。
ナタリー、どうかしら。
[何故困った顔をするのか分からぬままに、その瑠璃色を見つめる。>>18
零れる言葉と共にその吐息が唇に触れ。]
人の命は、貴女のものよりもずっと短いのでしょうけれど。
でも、私はいつまでも傍に居たいと思っておりますわ。どんな事があっても。
[姉と同じ願い――しかし、それは姉の代わりではなく本心からの願いであった。
頬に触れる手に、自ら頬を摺り寄せるように。
寄せられる唇が、己のそれに触れる。今まで感じたことのない、痺れるような甘い触れあいに酔う。]
勿体無いお言葉ですわ。
私は、貴女のものなのですから。どこに居ても。
[出逢う前から、と。
伏せられた瞳を覗くように。]
あら、奇遇ですね。
[アナスタシアを見てくすりと笑う。]
また、同じ思いをする人が出てしまうのは…私も嫌です。
[もっとも自分とてもう同じことをしてしまうかもしれないのだけど。]
[それはまだ、自覚が薄いからわからないのだろう。]
血を吸ってからっからにしてしまったら動けなくなるかしら…?
そのままどこかに閉じ込めておくとか…。
[首をかしげる。]
[吸血鬼を消す方法はいくつか聞いた事はあるけれど―]
[銀の弾も杭も、ここにはないものだし。]
其の言葉が誠であれば嬉しい。
[オリガ>>23の綴る思いは彼女の姉にもあった危うさを感じさせる。
危ういから目が離せぬのか別の理由があるのか城主には分からない]
――…けれど危ない事はしてはいけないよ。
キミの綺麗な肌が傷つくのを見たくはないから。
[微かに彼女からは血の匂いを感じるが其れには触れず
頬寄せるさまに知らず目許を和ませた。
微かに触れるだけの口接けは傍にあるという約束の証か。
やわらかく甘い彼女の感触に瑠璃は愉悦を滲ませる]
何処に居てもオリガ、キミの声には応えよう。
私が私であることを忘れぬように――…
時折で良いから、私の名を呼んで呉れる?
[眷属や闇の住人にしか聞かせぬ甘えるような声で囁き
視線交えたまま長く艶やかな彼女の髪を梳き撫でると
そろりと彼女を解放するように其の手を緩めた]
よくわからないのよね…
でも、太陽に弱いのは間違いないのじゃない?
私なら、首を落として火をつけるか、屋根にでも磔にしておくけれど。
[言いながら、吸血鬼はトリスの体を返して仰向けにする。
顔色が酷く悪いようだった]
どうしたのかしら…大丈夫?トリストラム・シアー。
[懐から取り出したスティレットナイフを、ワインのコルクにしたように無造作に、振り下ろす。
左肩。いつか狙った同じ場所を、今度は貫き通してベッドに縫い止めた]
[人間に対する時のような思いは、ない。
吸血鬼。宴を「開く側」の麗人に、凍る怒りを乗せたぬばたまを向けた]
首を落とすのは聞いた事がありますけど…。
[仰向けになったトリスをみる。]
[本当に顔色がよくない。]
何か悪い物でも食べたのかしら。
それとも、本当に弱っている…?
―ひゃっ。
[振り下ろされたナイフに思わず両手で顔を覆う。]
[しかし、滲む血を見てそわそわと。]
ああ、だめ。やっぱり喉が渇く―。
[トリス首元に顔を近づけ、噛みついた。]
[こく、こくと喉がなる。]
もう少し、弱ってもらいます、からね。
[悪戯っぽく笑ってごくごくと血を飲み込む。]
[なりたての吸血鬼は相当喉が渇いていたらしい。]
あふぁ…ん、んっ…。
[おいしいか否かといわれると、同族のものなのでなんともいえず。]
[けれど乾きは潤う。]
貴女のお心を煩わせるようなことはいたしませんわ。
[イライダに逢うためとは言え、傷をつけてしまったことを悔いる。
血の一滴ですらも、既に彼女のものなのだから。]
人が、花を愛でるように。貴女が過ごす悠久の時の中で、私がせめてもの慰みになれたなら。
僅かな間でも、貴女の傍で咲くことをお許しください。
[呼び掛ければ、応じてくれる。
その言葉を聞けただけで、喜びで胸が一杯になる。
髪を撫でるその手が離れるのを少し名残惜しく感じながらも、甘えるようなその声色に綻ぶような笑みを向けた。]
お望みなら、何度でもお呼びいたしますわ。
イライダ様。
[瑠璃色から視線を逸らさずに、緩んだその手に手を重ねた。]
んって…ほかのあひは…ひりまへん…。
[不味そう、と聞こえて口を離さぬまま答えた。]
[アナスタシアとトリスがどんな関係だとか、どんな話をしていたのかはわからない。]
[だから続く言葉は聞いているだけ。]
んはぁ……ふうう。
[押さえつけられたトリスの首から口を離す。]
[真珠色からつう、と紅い雫が口許を伝った。]
…なんだか、本当に死んでしまいそう。
吸血鬼って死んだら灰になるって聞いたことありますけど…。
[肩を押さえつけてどうするのだろう、とアナスタシアを見た。]
/*
ラビ・ニコライ・イライダ・アヴァクームは中身知り。
ナタリー・ユーリー・オリガ・グレゴリーは中身透け。たぶん。
カチュもわかるような気がする。
見物人は、まあ、あれだ。ね。匿名じゃないから…
灰になるかどうかやってみましょうよ。
私たちの末路でもあるもの、どうなるか知っておきたいでしょう?
[好奇心の導きに従い、くすくすと]
そこに立派な剣が落ちてるわ。押さえてるからどうぞ?
よいこだね、オリガ。
[済んで仕舞ったことを咎める気はなく
悔いるような色がオリガの貌に過ればあやすような響きを向けて]
此処に咲く白薔薇の花のように。
キミが傍らで綻ぶなら其の姿を愛で続けよう。
[僅かな間。それは人の持つ時間を示すか。
彼女の姉が望まなかったように彼女もまた望まぬだろうか。
城主から求めることはしない。
選ぶのは目の前で微笑む彼女自身なのだから]
――…嗚呼。
[オリガが名を呼べば伏せた睫が微かに震える。
城主の心を満たすのは悦び]
キミの声は心地好いね。
[殺す、と聞こえたのに、表情は変わらなかった。]
[ただ少しだけ、背中がぞくりとしただけ。]
私たちの末路…。
そういえば私、吸血鬼のことなにも聞かずになってしまいました…。
それくらい、見せてもらっても…いいですよね?
[くすくすと笑うアナスタシアに、にこりと笑う。]
[そして、アナスタシアが手を伸ばした青龍刀を受け取る。]
大丈夫。
これでも…結構戦慣れしてるんですよ?
[アナスタシアにふふ、と笑って見せる。]
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