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…ここで立ち話も難だ。
貴官は馬を置いてこないと城に入れぬだろうし、
わたしは城主に会うのに身支度を整えたい。
また後で、談話室ででも会おう。
[身に纏うは、上品なれど高級ではない物ばかり
しかし、本人はそれに気付かない。
それは、外を知らぬ故]
……大きい…
[ここもまた、地方者には知り得ぬ栄華。
上がる橋のすぐ前で ほう、と感嘆の溜息を吐いた]
あ、あの…
[広間を行きかう人物に声をかけてみる。しかし、反応がない]
声が…小さかったのだろうか。
[緊張気味に息を吸う]
す、すみませんっ!!
[自分ができうる最大の音量で近くの人を呼ぶ。だが、人は通り過ぎてしまう。]
やっぱり、私は死んだ人間なのですね…
[いまいち受け入れがたかった現実をまざまざと感じる。と、>>144の視線に気づく。自分を見てるように見えるが…]
[ベルナルトがついてきているのに気づいて足を止め、律儀に礼を言う若者を顧みる。]
──君は礼儀正しいな。
[改めてしかと見れば、鄙にも稀な整った顔立ちの若者だった。
だが、それを自慢げに誇示するでもなく、むしろ被虐を誘うものと怯える素振りすら垣間見えた。
苦難の多い人生を送ってきているのだろうと察する。]
[3階の部屋の床をぬけて下へ降りてみると、遠くにピアノの音。
それはしばし止み、やがてそれまでとは違う音を奏でて――]
――やっぱり、ナースチャなの。
[相変わらずどこか飄々とした風ではあるが、男は確信した。
とある連弾用ピアノ曲の、低い片割れ。
それ『だけ』を弾く音の主は、
かつて椅子を並べた妹に違いないと]
[と、>>151で声をかけられる。いきなり声をかけられてかなり動揺してしまったが、それよりも自分を認識しているかもしれないという期待が上回り口を開く]
……私の…ことでしょうか??
君のその足だが──…
わたしはかつて第六方面龍騎隊大尉を務めていた。
君の負傷が公戦でのものであれば、国家は君に対して補償の義務がある。
国がまだそれを果たせていないならば、民を守るべき貴族たるわたしが肩代わりするべきだろう──
…と言えば聞こえはいいが、見てのとおり、わたしにも現状、君を保護するほどの資産はない。
[肩をすくめてみせる。]
だから、この先、この機会をどう使おうと、君の自由だ。
城の調理場なり厩舎なりで働き口を見つけるもいい。
先の保証がないのを承知ならば、わたしの側にいても構わない。
わたしとしても──人手があるのは助かる。
わたしの名はユーリー・レオノヴィチ・ザハーリイン。
ユーリー・レオノヴィチと呼んでくれて構わない。
[どこからか現れた不思議な雰囲気のある少女──薔薇園にいたのとは違う少女だ――が若者へと声をかけたのを潮に、その場を離れる。
名を知らせたのだから、追ってくるつもりなら、後から合流できるだろうと。]
[暗い風を受けながら、逃げ出した記憶を辿ろうとしたが
──小煩い両親の姿を思い出し、
記憶の海からその姿を蹴り出した]
……もの寂しいな、こんなものか…。
[外観と異なる静けさに打たれ、思わず小さく漏らす]
-- 広間 --
[とんとん、と階段を降りながら窓から見えた庭に瞬いた。]
[あんなに見事な花畑は見たことがない。]
えっと、玄関はどこだったかしら?
[迷っているうちに開けた部屋に出て。]
[あちゃあ、と肩をすくめた。]
ええ、あなたのことっすよ。
[声をかけてきた亡霊>>157に薄く笑って応えた]
びっくりさせたようですまないっすね。そこの……お嬢さん?
[男は見たままの印象を述べたが、正確な性別は無論分からない]
もう一度訊くことになるっすけど、ここへは迷って辿り着いたんすか? それとも、主に用があるんすか?
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