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[十姫は思い出す。
自らが、自らの僕が、手にかけてきた人々の姿を。
命乞いをし、大切だと謳ってきた者を見捨てる光景を。
人の自らの生への執着、欺瞞、裏切り……]
[地上から聞こえてくる、聞き飽きた死者への悼みと悔恨の言葉に]
殺戮に快感を得られない者は、自らの狂気を抑え現世に留まるために、何者かの許しを得る必要があるというのだろうか。
……それが心の安寧であるか。
まったく、人とは面白いものであるわ
[からからと笑い声をたてる]
シャーロットは舞葉に問うた。お前の考える罪とは何か、と。
そなたは、どのような答えを期待していたのだ?
依巫 芹菜は、放浪者 ウルズ を能力(占う)の対象に選びました。
依巫 芹菜は、忍者 ナサニエル を投票先に選びました。
──邸内──
[紫の瞳が探すのは誰か。
ようやく目指した人を見つけ、その目を覗き込む。]
……違う。ごめんなさい。すてらさん。
[脳裏によぎったのはヒューバートの塒を襲った炎だったのか。
ぺこりと頭を下げると、その場を*立ち去っていった*。]
― 個室 ―
[窓を叩く雨垂れの勢いが弱まる頃]
[漸く包帯に包まれた手で日傘を掴む]
[肉体の腐食していく感覚はあるが]
[包帯に包まれた貌に苦痛は見て取れず]
[窓際に立ち日傘を室内で回し開く]
――…
[くるり] [くるくる] [くる] [くるり]
[日傘を回すと*深紅の薔薇が舞う*]
[館に戻りながらモーガンの言葉を想起する]
『人狼というものは人を食らう恐るべき生き物じゃ。
じゃが真に恐ろしいのは【人そっくりに化けることが出来る】ことにある。その意味が分かるかの?
自分の目の前にいるものがもしかしたら人狼やもしれぬ。
自分以外を疑い、貶め合わせることを無上の喜びとしておる。
我らは会ったばかりで縁も所縁もない。人狼が仲たがいさせるにはうってつけの集まりじゃろうな。
儂はもう少し外にいるとしよう。お主は戻ってヒューバートのことを伝えるがよい。人狼のことを伝えるか、それはお主に任せよう』
──邸内・廊下──
[とぼとぼと歩を進める。瞳には、共にいる者たちの色は映ってはいない。]
違ってたね、すてらさんも。
本当に……誰なんだろ。どうしたらいいんだろ。
[館に戻るとリビングにはウルズとナサニエルがいた。ナサニエルがタオルを投げてきたので受け取って体を拭く。そして二人に説明を始めた。]
小屋には人の死体があったんだな。確認したけどまちがいなくヒューバートなんだな。ただヒューバートは何者かに殺されてから火を付けられていたんだな。体の前面に深い傷があったんだな。
[そう言って爪の軌跡をなぞるようにナサニエルの前で腕を振ってみせる]
そしてヒューバートの死体から油の臭いがしたんだな。恐らく死体に油をかけて火をつけているんだな。
[そこで一旦言葉を切る。人狼のことを伝えるべきか・・・]
[リビングに入っていくミッキーの姿が目に入る。
どこに行っていたのか、他に誰かいるのか。彼の後についてリビングへ]
「……小屋には人の死体……体の前面に深い傷…………死体に油をかけて……」
[ミッキーはヒューバートの死んだ現場の状況を語っているようだ。
聞いているのはウルズとナサニエル。]
──そうか、「殺意」を持った奴はあのおっちゃんをそんな風にしたんだな。
[舌打ちしつつ、言葉を挟む。その瞳に宿るは、再び紫の光。]
[そこまで話したところで芹菜に気付く。とりあえずみたことを説明し、話を続ける。]
実はそこでモーガンにあったんだな。モーガンはヒューバートを殺したものを【人狼】と言ったんだな。
人に化けることが出来、見た目も全くわからないらしいんだな。そして皆を仲たがいさせて楽しむらしいんだな。
もちろん人を襲うこともするんだな。
[ミッキーの言葉に黙って耳を傾けるが]
……そんなつもりはさらさら無いのだがなぁ……。
限りある情報ではそう思われるのも仕方がないか。
……「人狼」か。石動、んと、裂光か業火でもいいけどさ、そんな名前、聞いた事あるかい?
ないのか。
「殺意」を持った奴は「人狼」……。
[ミッキーの言を聞きつつ、眷属たちと情報を交換している。]
[芹菜に向かって]
芹菜は人狼はいると思うのかなんだな。ボクとしてはモーガンの言葉を否定できるデ0タは無いんだな。
むしろ真正面からヒューバートが攻撃を受けていることからヒューバートは相手を警戒してなかったと思えるんだな。
少なくとも犯人はヒューバートに警戒はされていなかったんだな。
[言うべきか否かしばし迷っている様子だったが、やがて他の3人に向けて口を開く。]
おいら、ここに来てからずっと誰かの「殺意」に気がついてたんだ。誰に向けてのものかもわからない。普通にしてたら誰がそれを持ってるかも知ることはできない類のものだけどね。
誰かの心をおいらが探ったら、それを持ってるのが誰かはわかるけど、芹の体がもたないから、できるのは日に一回ってところさ。
おいらは、昨日番人さんが死んだって聞いてから、なんとなく気になってたヒューバートのおっちゃんの心を見た。で、今日ヒューバートのおっちゃんと会った事はなかった奴だったけど、舞葉、って子が死んだのを聞いてから、すてらさんの心を覗いた。……二人とも、「殺意」の持ち主じゃなかった。モーガンのじっちゃんの言い方だと、「人狼」じゃなかった、って事なんだよね。
でも、呼び名はどうであれ、そういう奴がこの中にいるのは確かなはずだ。
おいらたちの中に、ね。
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