586 凍れる水車 ― dva ―
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すながみの花つみ カチューシャが「時間を進める」を選択しました
料理人 ドラガノフ
[リディヤは『...の事が好き』と言う]
…俺が…カーチャに…対して…言った…様にか…？
[リディヤは首を縦に振る。]
しょうが…ない…わかった…。カーチャ…は…拒否を…したが…。俺が…カーチャじゃな…く…お前に…恋だった……ら…幸せだったのかも…知れない…。
カーチャには…わるい…が…。天国…で……愛し合お…うか……。
[...はリディヤを深く抱きしめる。互いの暖かさを感じながら死を待った。**]
料理人 ドラガノフ
[...が最後の力を振り絞り、こう言い残す。]
リディヤ…最後にお前と会えてよかった。
[カーチャの遺体を見つかれば、「カーチャ…遅くなったが今…」
カーチャの遺体を見つける事ができなかったら「さらば…。カーチャ…。」を付け加えるだろう。]
[食堂の床には、二人が抱きしめ合ったまま、遺体として置かれた…。**]
料理人 ドラガノフが「時間を進める」を選択しました
【墓】 人形師見習い オリガ
［告げられた内容は、自身の想像力を遥かに超えていて、幾度かの咀嚼と質問を繰り返すことにはなってしまったけれど。
妖魔の存在、空白の数年間と行動の理由、死の真実、どれもこれもがずっと抱いてきた疑問への解答として心に収まって。
全てを理解し終えたなら、暫くの沈黙が落ちた。］
………何も気づけていなくてごめんなさい、はわたしの方ね。
［知らず、距離を取ってしまったことへの後悔の念もあれば。
彼の変容の原因のうち、気づけるものは本当に無かっただろうか。何を見てきたつもりだたのかと、自分への怒りも覚える。
様々な感情が綯い交ぜになった表情で、瞳を揺らした。］
【墓】 人形師見習い オリガ
“人ならざるモノ”が、畏怖や恐怖、嫌悪、迫害の対象になることは…少なくはない、から。
あなたにしてみれば、誰にも知られたくないと思うのは当たり前よね。近しい人間なら尚更だわ。
……だから、話せなかったことは、もういいの。
［自分を浅ましいと称するベルナルトに、首を振って。数拍の沈黙。］
シュテファンさんに話したって言ってたわね。
反応はどうだった……？
［納得の行かないような顔をしていたことは聞けただろうか。
聞けたなら、ほんの少し笑みを刻むだろう。
シュテファンがベルナルトに向ける眼差しを思い出しながら。］
【墓】 人形師見習い オリガ
………うん。
少しだけ、わたしの話をするけれど、いいかしら。
夢見に関して、ひとつだけ話していないことがあるの。
――――セルゲイ・スロフ。師匠の夢は……
［“赤かった”の、と。
囁くように小さな声で。］
【墓】 人形師見習い オリガ
……死んでしまった今も、人狼は憎いわ。近しい人を喰らって、死に追いやった人狼が。
だから、誰彼構わず「こちら」に送ればいいって、そう思ってた。
［ダニールを相手にした大立ち回りを見られてしまったかもしれない。そう思えば、少し小さくなりもしたか。］
でもね。夢の意味を知った後も、師匠を憎む気持ちなんて微塵も起こらなかった。
近しい人は憎むことが出来ないなんて、そんなのは矛盾していますし、勝手でしょう。
……自分でも、よく分からないの。
［“人狼”という存在を憎んでいる。赦せないという気持ちは変わらない。
けれど、例えば「ロラン」を憎むかと言われればまた別の話に感じてしまうのだと。迷ってしまうのだと。
自身を駆り立てた狂気は、恐らくはまだこの身に宿っているであろうのに。］
村長の娘 フィグネリア
[女は夢を見るの。
過去の夢―――。
たとえば、
おそろいの人形作ってくれた人形店の主人とその見習いの夢。
村長家に出入りしているちょっと生意気な母親思いのあの子。
あまーい、お菓子を作り出してくれる魔法の手。
楽しげに笑いあう幼馴染たちの姿。
豪快に笑う医師の笑顔。
そんないろいろなもの――]
【墓】 人形師見習い オリガ
……全てを話してくれてありがとう。
そりゃあ、あなたが受け入れた“妖魔"に思うところが無いわけじゃないけど。
でも、わたしの答えは、結局話を聞く前と変わらなかった。
［ラビの部屋で遺骸を目にしたとき。あの時にはもう、自分は全てを受け入れていた。
尋常では考えられない変化をしたベルナルトの姿に、恐怖も嫌悪も浮かびはしなかった。
今、蒼い炎や黒い霧を目にしても、同じ。］
………あなたをバケモノ、なんて。
思うわけないじゃない。
思えるわけ、ないのよ。
だいじなひと、なんだから。
【墓】 人形師見習い オリガ
［人狼を憎む理由。憎めない理由。
妖魔に抱く感情。嫌悪を抱かない理由。
近しい者と、知らぬ者。
想いの強さ。
人間と、そうでないものの境界。］
［割り切って線を引けるものはひとつとしてなく。
波に浮かんだ木の葉のように揺れ動く。］
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