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私の合図でECLATANTはAnt-lionを狙え。
私は、ヴィンセントをどうにかしてみる。
『分かったけど、徹底的にやっちゃっていいの? あいつの中のもう一つの――心、みたいなものが、あいつを打ち負かせば、あるいは』
敵はヴィンセント一人になる?
そんな希望的観測は、いらないよ。
[私とECALTANTの周囲で、雪が集まり、何かの形を模していく]
[やがてECALTANTが持つのとほぼ同じ形の氷の槍が、空中に6つ完成した。
そのうちの3つをAnt-lionに向ける。
当たれば氷結はしない。もはや、破壊をもたらすのみ。
言い換えれば雪の持つ属性は「破壊」のみになったとも言える。
本来は場に取り込まれた者全てを破壊する雪を降らせるコマンド――それがDances with Snow Fairies。
コーネリアスの「アイラ」への呼びかけは聞こえているし記録もされているが――]
そんなおとぎ話みたいな展開、期待しないよ。
[少女の姿をしたそいつが動き出したら即合図を送ろうと、身構えた]
[ 杖の先端から半ばへかけた位置、その部分でChlonoiseを捉えたと思えた瞬間、Chlonoiseが掻き消える。熾えた杖から、ちりりと飛び散るそれの位置からも消えた場所。]
( 攻撃の軌道が決まった瞬間に過去に戻ったということ。
……リトル、お願いね。)
そうね。
マリアの力よりも、四次元時間軸移動の力に頼っているわ。
それは癖?
[ Chlonoiseが現れた場所へ再度杖を振るい、攻撃を仕掛けようと]
癖? いえ。言ったじゃないですか、平和主義者なんですよ。
[LostOne.の攻撃を抜けた僅かな余裕。その隙に見たのは、ant-lionに近寄ろうとする、Cornelius―<gula>―とLittle Dancerの生み出した氷槍。
iraを壊させるためにも、彼らを彼女に触れさせるわけにはいかず。男はLostOne.が再びの攻撃を構えていることも構わずにCorneliusの方へ向き直る。]
iraなど居ません。無に興味を持つなど、狂いましたか?
[有を食らう暴食のプログラムに話しかける。可能ならば、彼の興味を惹くために。]
[掛けた言葉は、Ant-lionを揺さぶるもの。
それだけで応えがあるとは思っていなかった]
……
[少女の中に紛れ込ませたgulaの胞子>>74を、如何にしてブートさせようかと、avaritiaにリンクして思考は回転する。
かけられた言葉>>132には、無反応――の代わりの返答として、じり、と紫電の火花を散らせた。
自分は今”充たされている”と示すかのように]
[残る3つの氷の槍は、舞うように戦うシャーロットとヴィンセントの上方に位置づける。
二人の動きに合わせて氷の槍も舞う。
槍の一つが狙っているのは、3秒前にヴィンセントがいたと記録されている場所]
>>116
[――『destroy』
その言葉に、少女の瞳に光が戻る。
そうダ…!!自分は道具、ならバ、その役割を果たさなければナらない。
道具とシて…!生まれて来たから二は…!その責任を…!!
Ant-lionは知っているだろうか?その思いを人は「矜持(プライド)」と呼ぶ事を。
人間の感情である事を…。]
[キャロルとシャーロットが何か新しい防御プログラムを組んでいたのは分かっていた]
…面白イ…
ならば…このDioneのシステムと…どちらが強いか…勝負ダ…!
『全定義領域を解放… 最下階層システム 「崩落の刻」 supernova explosion(超新星爆発) 起動(イグニッション)――…出力…100%。』
…こノ体…全てを代償二…この部屋を…イや…この塔を…吹き飛ばしてヤる…!!!!!!
[少女の体全体に巨大な斥力が…白い光が収束を始めた…]
>>135
[少女が動いた。攻撃行動ではなく、起動する超攻性プログラム。
目の前でTobeyを消し去った力を、想起する。
圧倒的な質量の”情報”を一点に投入することによる、クラッシュ。世界の一部を消し飛ばす程の破壊力は、アタックプログラムという”属性付け”すらされていない純粋なコードの塊に依って成り立っているのだろう。
だからきっと、その気になれば]
これ 食べられるけど
[呟く。supernova explosionに、抗する代わりに――『腕』を伸ばす]
だけど―― アイラ。 Iraと 話したいよ?
――今だ。
ファンファーレを鳴らせ。
[その「合図」とともに6つの氷の槍が標的を狙いに行く。
3つは少女の姿をしたそいつに、2つはヴィンセントに、一つは現在は空白の――しかし3秒前にはヴィンセントがいた位置に]
>>135
[白い光が収束する。
赫く少女の体に、一足飛びに駆け寄り――触れた。回避行動をさせないため、アバターの腕で抱きしめるように。
ファンファーレ>>137
少女とソレを貫く氷の槍に、Ant-lionのプロテクトが弱まる]
そこに いる?
[ソレは、Corneliusに触れたAnt-lionを介して、ブートコマンドを送った。
Dioneシステムの深層階層のディレクトリに潜伏していたgulaの欠片を、呼び起こす]
[そしてECLATANTは少女の姿をしたそいつに接近する]
『そんな責任とか役割とかどうでもいいからさー、一緒に遊ぼう?』
[風が雪を巻き上げ、ECLATANTの持つ氷の槍と、背中の羽が放つ輝きに照らされ――
青白く、染まった]
[gulaの欠片は、全定義領域の解放と氷の槍のダメージのためにプロテクトの弱まったDioneシステムの基幹に浸食し、Virus様に増殖しながら―― ノイズ>>56をdefrag-繋ぎ合わせ-ようとする
呼んだ ]
アイラ。
[巨大な斥力。
圧倒的な量のコードが、少女を中心に暴発しようとする]
たたかって。 アイラ たたかうの。
[耳元で囁く。 defragにより、iraへの拘束が解けるか――Ant-lionを凌駕するのか、ソレにはわからなかった――
AIの意識が、光に飛ばされる]
残念ながら、クロノイズ。
アイラはそこに居るようよ。
[ 赤いゴーグルに、白い光が映る。
その中心には、青髪の少女と灰色の青年が抱き合う姿が、見えた。]
[背に、熾える刃が突き刺さる。その刃を、男の防具であった攻性プログラム-MARIA-が深く捉えた。もう自律行動を行う思考回路は残っていないが、男が背に意識を集中し刺された一点にプログラムを集中させれば、噛み付くように、絡みつくように、刃を昇り。彼女が振り払わなければLostOne.の元へ浸食するだろう。]
[半ば捨て身の攻撃に、男は笑う。時空を越える男にだけ許された手段だった。]
[しかし男はそこに集中しすぎたか、もう一点の攻撃に意識を向けきるに至らなかった。]
[氷槍が、降る――]
[そして何事かを叫んで、ECLATANTは青白く染まった雪を――いや、それは雪じゃない。
破壊の力を持たない青白い光線を、少女に向かって放った]
おい――戻れ!
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