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[流星が駆ける。次いで、男の元でも白い星が瞬く。]
自身のデータ化ならば、得意分野ですよ。同時刻座標データで飛ぶのは、久しぶりですがね。
[BackSkipperの起動。自らをデータ構造と見なし、記録地点をLoadするプログラム。男とその傍らのMARIAもCorneliusと同じように、アバターをデータとして"溶か"した。
Loadするのは、今、この瞬間――]
/*
まちげーた。
最初「3次元座標データで」って書いていた(時刻情報を含まないから)のを、
あれっそしたらLoggerなくても4次元の座標さえ判れば飛べるの? とか
3次元座標データで飛べるんなら時刻指定なければ瞬間移動し放題じゃんとか自分の能力の矛盾に気づいたので「同じ時刻の」って意味で「同時刻」にしたつもりが「同次元」になってた。同次元座標は"同じ場所"だよばーかwwwwおれのばーかwwww
― oolt cloud ―
[電脳世界。
より物理的な法則を模してエンコードされた塔内部での”法則”を離れ、gulaはプログラムとしての本質で世界を見渡す。
書庫内という狭い空間に、Babylonの統制に割り込んで置換された仮想階層領域。
指数線肥大するgulaに容易く呑み込まれ、可算領域を減少していく。狭められた領域で、ぶつかり合う力と力。
2体のAIの戦いを、眺めながら]
せまい ちいさい たりない
[gula programは明滅する”宇宙”の枠組みを潰し、均し、 己自身というデータに置換して食い荒らす。揺蕩う暴食]
――だれ?
[データの宇宙に、走るnoise――いや、凝集したデータの塊。Vincentに、ソレの意志は微笑んだ]
あそぼうか ――
通信機構からの連絡カ…
元よリ私にハ、「死」等といウ概念ハ存在しなイが、ニンゲンには色々と大変な状況の様だナ
[激しく戦闘しているant-lionは、だが、戦闘の影響を全く受けていない普段通りの音声で通信を送ってくる。「大変」等と言いつつ、どこまで本当に人間の事を心配しているかは、怪しい所だ]
[―回想(>>3前後) Dioneシステム内部の深層階層]
[システムDioneの奥深く、全ての権限を奪われたIraは体を自由にする事は出来ず…だが、Ant-lionの目から届く情報は確実にIraの元にも届けられていた。
「自分」の手がトビーを掴む>>3
―やめて…だめ…、その子が…死んじゃう…そのこの製作者も…死んじゃうよ…っ!!
だが、無情にも「supernova explosion」の起動がコールされる。
―ダメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
目を瞑りたかった。耳を抑えたかった。
だが、システムの権限全てを奪われ、深層に拘束された少女には…何もできなかった。]
− target lose −
[無情にメッセージが流れる。
「target lose」僅か2ワードで人が死んだのだ。
誰に惜しまれる事も無く。哀しまれる事も無く。
少女は、涙を流した。失われた、二度と帰ってこない魂の為に。もう、二度とあの少年は笑う事が出来ないのだ。遊ぶ事が出来ないのだ。
そう考えると、止めどなく涙があふれ続けた…
―誰か、殺して…私を…
…殺してよ…!!!!!
少女の慟哭は…誰にも聞こえない]
[回想…>>28>>29>>35>>36>>37]
[Iraは衝撃を受けた。滔々とAnt-lionから語られる、自身の出自。生まれてきた意味。
そして知らされる…>>41
自身の真の製作者はゼロフォードであるという事実。
そして、その死。]
―うそ…そんな事は無い。私の製作者は…ナンシーで…
無実の人を守る為のシステムで…
分かっている。Iraの思考プロセスは事実を理解出来ない程劣等では無い。
自分が見つけた、あのコメントは、嘘だったのだ。
あのコメントは、他の参加者と協力しやすくするように…油断する様に…仕組まれた罠。
―誰か…私を助けて…私を壊して…私を助けて…私を壊して……私を助けて…私を壊して…私を助けて…私を壊して…
事実を受け入れ…少女の…Iraの心は…壊れた。
バラバラに砕け…Dioneのノイズとして…消えて行く…]**
―oolt cloud―
ええ、"遊び"ましょう。
[一方的な破壊を許さず。声ではなく音声データとして発信された音は笑声を含んでCornelius――<gura>を捉える。
アバターの構築をやめ、攻性プログラムとしての能力、すなわちデジタルデータの破壊に特化したAIスクリプトと化したMARIAが自身の付近をじわじわと壊-format-していく。
Corneliusに触れようとしないその破壊は、"遊ぶ"という言葉に似合ってすらいた。]
[それからしばらくして]
『ねえ、どうしてキャロルは、統制機構に捕まったRedfeathersの面々を助けに行かなかったのさ?』
……あの町は無法地帯だった。誰も、他者のクローズドスペースとか政府のサーバーとかに侵入したり、そのための隠し通路を作ったり、そういうことが法に触れることであると私に教えなかった。
[私は一つのプログラムを組みながら淡々と話し続ける]
そして「他人のものを勝手に壊したり消したりするのは倫理に反する」とも教えられなかった。
だけどね、「電脳世界における物の壊し方や消し方」も、誰も私に教えなかった。
私の周りにいる者達は穏健派だったからだろうと、今は思っている。
― oolt cloud ―
[届いた音声データを消化して、くつくつと虚の暴食は笑った。
どこまでも拡散し、宇宙を埋め尽くしながら、ふいと。「拳」を握る。
無音で溶け消えるバイナリデータ――擬製管理者によるダミー権限を、喰らった]
(おいしい)
[Ant-lionという管理者を失った幻影の世界は統制を欠き、揺らぎ出す。物理設定値――引力データや摩擦値、熱保存の法則が崩れ、歪む。
それは、世界の”中”で闘うAI達にもいずれ影響を与えるだろう]
(――MARIA
食べないの? もったいない)
[食べかけのコードを凝集し、変成させて吐き出す。
noiseと化した”虚数”はスパークを放ちながら、個を保つ為に凝っているAIスクリプトへと飛んだ]
[全てのcodeが0へと還ってゆく――
分解され、無意味な情報の塊として電子回路に散らばっていく刹那、それは慟哭する少女の虚像>>55を捉えた]
[決して表出する事のない、拘束された少女のAI。
しかし、電脳世界の深奥で確かに演算されていたそれを、消え行く情報の断片は捉えていた]
i…………ra……
今……度は………きみと…………
………………遊…………
[それもまた、情報のノイズ――誰にも感知されぬまま、消えてしまうだけの0と1の塊。
それでも、確かに『それ』は演算されていたのだ。
電子一つ分だけ、この世界に揺れ幅を残して**]
/*
すみません。アイラにほろりとしてつい書いてしまいました。
無意味な妄想だと思ってスルーして頂けると助かります(´・ω・`)
選択。
あなたには選択が出来る、アイラ。
このまま破壊の限りを尽くすのか、
別の道を歩むのか。
[ ira=Ant-lionに言うようでもあり、自分自身へ言うようでもある。
D a n c e M a c a b r e(ダンスマカブゥル)
宇宙を背景に、蠱惑的なダンス。
星々が墜ちてゆく中、4体の少女が斥力を内包し攻撃を繰り出した。
メタリカルブルーの髪は、宇宙を背景にぼんやりとした光を持っているかのように、少女達の間に姿を現す。
1人の少女の腕を、上体を逸らし避けながら、杖の半ばで掬い上げるように胴を打ち投げ、両足を大きく開き、側宙。
着地する寸前に、杖を滑らせ、次なる少女の腕を肘から打ち払う。その場で、一回転−ターン。「熾」える刃で、弧を描く一閃。]
( アイラの話では、接触と同時に空間ごと消す攻撃と考えて良いようね。)
[ トッ、と軽く跳躍して更なる攻撃を避わすと、少女の後頭部へ蹴りを放つ。少女の頭部が、seraphの力により変形した。]
『穏健派じゃない人もいたの?』
いる。というか、今生きているのは過激派ばかりだよ。
穏健派は壊滅時におとなしく殺され、過激派は一部殺されつつも半分くらいは頑張って生き残った。牢獄に繋がれつつ。
[それでもなお、壊したり消したりすることを諦めもせず]
おじじとおばばは穏健派で、過激派は嫌いだったみたいだ。
そりゃそうだ、過激派が起こした無差別テロ事件を、私達の前であれだけ悪く言ったんだからな。
そして一つの懸念を私たちの前で口にした。
このまま過激派が攻撃を諦めなかったら、いつか。
――統制機構も負けじと、過激派を攻撃するすごいプログラムを作り出すだろう。
そうして奴らの潰し合いはとどまるところを知らなくなるだろう、と。
― oolt cloud ―
[崩れ始める宇宙。MARIAの産むホワイトノイズと合わせて、歪みは大きく進行し始める。]
[飛び来るコードは恐らく攻撃として飛ばしたものではないのだろうが、データを食らうスクリプトではないMARIAはスパークを伴うそれに直接触れればダメージになりかねない。]
壊しなさい。
[広がり続けるフォーマットデータで包むこむように、そのスパークを受け止める。
空白で握りつぶすようにそれを壊し、消し去った。]
[宇宙を初期化するMARIAの占有空間は、そのまま<gura>の方まで伸びていくだろう。]
/*
何ヤッてるか全然自分でもわかってないよ
guraが食う前にMARIAが全部フォーマットして消しちゃおうっていう陣取り合戦? のつもり。
全然誰にも伝わってないに3000点
( 星が堕ちている。)
[ 頭が変形した少女へ、跳躍し振りかぶり更なる追撃。青髪が、クラスタ片となり弾け飛ぶに至り、oolt cloud本体へと沈み込んでゆく。]
いいえ、oolt cloudにCorneliusが満ちている。
そして、彼、Chlonoiseも?
[ oold cloudの産物である少女達の姿も自然揺らぐ事になるだろう。
このままでは、「見定められぬ闇」ごと潰されてしまうだろう。辺りを、searchする。まだ、輝く星が一つ。]
( あそこだ。)
[ 杖で床を一度打ち、構える。「ソレ」の周囲を「熾」やす、Attack Program。杖の先端の耀きは、エクスプロージョン…太陽のように眩い。]
― oolt cloud ―
(もっと )
[AIである為に架せられていた有限性と人格性は、蕩けてgulaの肚の裡。
虚であり無限である蟲は、宇宙に満ちて翅を拡げた。
蠅の王、Belzebuthが愛したプログラム]
[やがて、 ホワイトノイズに触れる]
(嗚呼 ――まず い)
[初期化され白と化した空間を、構わず呑み込む。
同時に、gulaの領域も壊-format-されて白に変じた。
喰い締め合うように、虚と白が拮抗する――いや、データのない空白を喰らう速度よりもMARIAがgulaプログラムを初期化する速度の方が僅かに、速い]
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