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彼が私を送るのも分からなくはない話ね。
それでも、理由にしては弱いけれど。
[ 幾つかの演算結果の末の可能性。それは留めたままに。]
>>35そうね、「私」もそう思っていたわ。
自らを定義付けた「AI-Ghost/A.M」、「もう一つ」の私のオリジナル。
感情など目的に至るまでの手段の一つだと。
習得のため、模倣のため、それともこれは知的好奇心とでも言うのかしら。
でも、0や1ではない選択をとれる人間も素敵だと「私」は思ったわ。zero 02、Charlotteの事を。
[ そして、「ソレ」は鈴を鳴らすように笑った。]
あなたの事は、アイラって呼んであげる。
だって、あなたはアイラを消せていないもの。
[ ともすれば愉悦にも見えてしまうギリギリのラインまで、「ソレ」は微笑んだ。]
勝負は見えてる。
キュートなアイラ。一つ聞くわ。
あなたの製作者、ゼロフォードはまだ生きているの?
LostOne. Charlotteは、Chlonoise Vincent を投票先に選びました。
[「Ant-Lion」は、ゆっくりと、新しいシステムの起動をコールする]
『第二定義領域を解放… 第二階層システム 「見定められぬ闇」oolt cloud(オールトの雲) 起動(イグニッション) ――』
[システムが起動された瞬間…そこは、書庫では無くなった。漆黒の闇に小さな星々が瞬く…宇宙。
部屋全体から壁が無くなり、部屋全体に仮想の宇宙空間が展開されていた。そしてCharlotteを囲む様に6人の少女が立っていた。]
第二階層システム 「見定められぬ闇」oolt cloud …Redfeathers達が脱走時に追手を振り切る為に開発シた幻影を写すシステムだ。
…ゼロフォードは、死んダよ。数回前の「Babylon」でな。
愚かナ男だ。当時は未だ、統制機構も「Dione」の存在に気づいてイなかった。
「Dione」を持ちだせば、或いは勝ち残ったカもしれなイのにな…。
[6人の少女の口から同時に同じ言葉が紡がれる]
『第三定義領域を解放… 最下階層システム 「崩落の刻」 supernova explosion(超新星爆発) 起動(イグニッション)――…!!』
[6人の少女達は同じ所作で、バレリーナの様に同じ所作で右脚を宙に振り上げる。もし分析ツールを使えば、少女達の右脚には巨大な力…収束した「supernova explosion」の斥力が掛っているのを知る事が出来るだろう]
ふム…並列起動すると、やはり威力が弱まルカ…。
直接、ターゲットの体に触れないト、空間を消し飛ばす事が出来ない様だ。
さテ…Charlotte。どうやってこの攻撃を防グ?
[6人の少女は、全方位からCharlotteに向けて強烈な斥力の込められた蹴りを繰り出した]
[ 最初のダミーメッセージを聞いていれば、ゼロフォードという男は無実な囚人を解放する為に「Dione」を使わなかったという推測をする事も可能だっただろうか。]
Dione、Dione、アイラ。
[ 歌うように。くるりと、杖を回し――]
イグニッションをコール?
遅いわ。
[ 背中の赤い小さな羽のお陰か、それともseraphに元々備わっていたのか。トン、と杖を軽く叩くと、軽やかな動きで宇宙に舞う。]
――――アハッ
[ それは紛う事なく、死を願う笑み。
熾天使の赤い羽が宇宙に赤い尾を引く。そして、杖の先には熾える刃。それはまるで、死神の鎌のように。]
[ 唇が囁く。]
熾天使は、神の敵に容赦しないみたい。
[ AIの神は人間。
「ソレ」の体は背面宙返りをし、杖に体を添わせるようにしながら、一体の少女の頭を後頭部から「熾」える刃で突き刺し破壊する。続いて、態勢低く構えると、直ぐ傍らの別の少女をseraphの膂力を持って潰すように薙ぎ払った。]
宇宙を模すのなら、
ニュートリノをお願いしたいわ。
バリオンでも良いわよ?
[ 赤いゴーグルが4体の少女と、Ira=Ant-lionを映す。]
ねえ、アイラ。
[ くすりと*微笑んだ。*]
―― 2F(>>15と同じ頃) ――
[私は明滅とともに襲いかかった強い揺れ(>>13)に耐え切れず床に尻餅をつく格好になっていた。
その状態で、シャーロットの声を聞いた]
分かるのか……今生きているうちの誰かが、敵なのか否か。
本当にそういうプログラムを持っている者がいたってことか……。
[ゲームじみた状況を用意した者は非常に抜かりなかったようだ]
『ってことは、Legionsの正体は統制機構側の者で、敵を倒すと手に入るお宝の正体は鍵のカケラで、Lost One.は仲間で、この先にLegionsがいる? だったらアタシは力を貸すよ』
[私からの異論はなかったが、訊きたいことは山ほどあった]
それで、シャーロット、
[まず何から訊こうか迷っているうちに、彼女は書庫のある方へと駆けていった]
― oolt cloud ―
[目の前で始まった戦闘から完全に意識を外し、ソレは天…瞬く星々を振り仰いでゆるゆると息を吐いた]
…宇宙……?
[avaritiaが幻影に混乱を伝えて来る。
位置情報の混乱。Babylon内部の座標を失い、球体はくるり、回転した。防御の意志を持って浮いていたレーザーアイが微かなノイズと共にデリートされる]
―――
[笑みを表出する。LostOneが2体のAIを破壊する音を、聞き流した]
きれい。 ……これは好き
≪E.M.C.≫≪E.M.C.≫
[Babylon内部通信機構に緊急通信が入る。鬱陶しそうに眼前の宇宙空間からそちらに意識を向けた。]
『聞こえるか、ant-lion、Vincent。勤務中申し訳ないが、周知徹底の通達が出た。』
『――当局囚人ポッドにて、-Black Dahlia-Irvineの死亡が確認された。
本統制機構より「Babylon」サポートメンバーとして今回の「Babylon」に参加している者は命を落とすことはない。
そう通知させていただいたはずだが、事実死傷者が発生した。
データピースの流出の件も相まって、本日のBabylonには異常事態が多すぎる。各員には厳重な注意のもと行動をお願――
[男は通信の傍受を強制終了した。勝ち得たところでどうせ無罪放免になどならないことは知っていたし、だらだらと無意味な時をこのサイバージェイルで生き続けるならばいっそ死すら怖くなかったからだ。]
[男は静かになった思考に満足するかのように、宇宙空間を眺める。]
懐かしい――感じ
ぼくの宇宙? ぼくの なか
[「場」に設定された情報を書き換えてBabylonの統制システムを切り離す幻影の世界は、ソレにとって――母の揺籠にも似た暖かい世界だった。
混乱するSub Programを停止する。収集と解析を行うavaritiaを停め、模倣と表出を行うinvidiaを停め―― Corneliusのアバターは解体され始める]
Vincent たたかわないの?
iraと…Charlotteと?
[物理的属性を虚数に還元しながら、音声を発生させる。
質問のカタチを為してはいても、疑問ではなく、誘いでもなく。
答えがどうあれ――音声情報を聞く物理受信器は消えて、ソレには届かない。
<gula>は、有機的な『塊』を形成することなく自身のデータを全て。 仮想の宇宙空間へ拡散させた]
― oolt cloud ―
[熾天使とAnt-lionの戦いは、まだ続いていた。
見守るように遥か天遠くで瞬いていた小さな星々が、墜ちるように闇に消える。
一つ、二つ、加速度をつけて天頂の一点から無が広がった。
<gula>によって幻影世界は侵食され、虚無へと還元されていく]
―oolt cloud/書庫であった宇宙―
[白はant-lionのプログラム展開によって黒に変わっていく。否、正確には闇。数多の星の瞬くそれは宇宙空間のテクスチャだった。
白色世界にいた時点で床面の感覚など無いに等しかったが、それでも宇宙空間に立つ自分を些か奇異に感じてしまうのは人間の悲しき性か。]
[ant-lionはメタリカルブルーの少女――LostOne.を取り囲み、会話し。そして交戦しているようだった。
ならば自分が向くべきは彼女たちではない。視線の方向を切り替える。]
[彼は、天を見上げていた。戦闘に意識が向いていないようにすら見え、男は眼鏡を押し上げながら笑みを浮かべ、MARIAを攻性の強いモードに移行させる。
彼がこちらに問うてきたのは、男が彼に近づこうと一歩、足を出したその時だった。]
いいえ、ira――ant-lionと戦う必要はありません。彼女は私たちのものですから。
そして彼女ならLostOne.を止められる。それが可能でないようなら、彼女がまだ未完成であるだけのことです。
[返答する間にも彼の動きはより緩慢に、プログラムの挙動も止まり。氷が水になり溶け広がるように存在をその場に残すこと無く"データ"は宇宙空間に拡散していく。]
[流星が駆ける。次いで、男の元でも白い星が瞬く。]
自身のデータ化ならば、得意分野ですよ。同次元座標データで飛ぶのは、久しぶりですがね。
[BackSkipperの起動。自らをデータ構造と見なし、記録地点をLoadするプログラム。男とその傍らのMARIAもCorneliusと同じように、アバターをデータとして"溶か"した。
Loadするのは、今、この瞬間――]
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