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―――ぐ、あぁッ………!
[急所を辛うじて逸れた人狼の爪跡から、ほど近い場所。
胸を突き刺し抉るその刃は、息も出来ぬ程の衝撃と激痛とを伴って、深々と身体に埋まり]
…っ……は……っ、
は、はは……やっぱり、か。
シャノア……ル……ッ……
[少女の皮を被った悪魔を抱きしめ、
背を撫でる、その姿。眉根を寄せる]
――……みすみす、機会を逃すか。
男というのはセンチメンタルな生き物なのだな。
[現世の出来事は、
もはや遠く感じた気がした、が。
傍らでそれを聞いた男の反応はどのようなものだっただろう]
[渾身の力を振り絞ってシャノアールを殺そうとしたのだろうか、腕が伸ばされる。
しかし、その手は少女の首元を掴む事無く静止した。
腕の中の少女の眼は、見慣れてしまった女の物で。
冷ややかなその色を捉えれば、憎悪と、憤怒と、悲哀と、ありとあらゆる感情が綯交ぜになり、最後に僅かばかりの安堵とが浮かんだ。
それぞれの感情が何に対しての物なのか、薄れ行く意識の中ではもう分からない。]
…………、………
[止まった指先が僅かに空を切り、やがて静かに背中へと下ろされた。泣いていた少女を宥めるような、撫でるような動きで掌が数度上下した後、落ちる。
シャノアールが離れれば、男の身体も容易に床に崩れただろう。]
放蕩息子 ベルナルトが「時間を進める」を選択しました。
−食堂車−
[>>77ナタリーの手当てを受けながら、椅子に腰をかけて深呼吸をする。]
ありがと…。平気…。なんかあんたに迷惑ばっかかけてるね。
[ナタリーの分析を黙って聞いていたがベルナルトが危ないと聞くと]
ああ、追いかけよう。
[迷わず立ち上がったが、わずかにふらつく。ナタリーがそれを支えてくれたが、大丈夫と首を振った]
[ナタリーに武器を探すように言われ、周囲を探すがあまり手ごろなものは見当たらない。
細い棒のようなものが見当たり、なんだろうと取り出してみるとシュテファンの私物だったのだろうか。破損した三脚のようだった。持ち手の部分を破けたスカーフで縛り滑り止めにする。
こんなものかね、と調子を見ていたが、>>78ナタリーの言葉に度肝を抜いた]
運転手を殺した!?
この列車はどうなるんだ!?
あのバカ娘・・・・・・・!
ベルナルトは…
[...は痛む傷を押さえながら前方へ急いだ]
>>87
背徳の賢者には、騙されるなよ?
[そう云うと少女は、擦れ違う様に。どさりと、支えを失ったベルナルトの躰が倒れる。]
……。
[ごしごしと、袖で涙を拭う。]
…いただきます。
[つ、とアナスタシアが差し出したカップを受け取り、そのまま一口啜る。
と、優しげな色合いの芳香が、舌の上を通って喉へと滑らかに転がった。
「気に病む必要はない」と言われても、そのまま素直に気分は晴れず。
とは言えそこを言い募り、その微笑みを消してしまう事が怖くて、紅茶へ逃げた。]
お茶を淹れるのが、とてもお上手ですねぇ。
旦那さんは幸せ者です。
[あえて、の現在形。]
陽気な女将 サンドラが「時間を進める」を取り消しました。
……冷えそうだな。
[ベルナルトを見下ろし、感傷に浸るのは僅か数秒。運転手の黒いコートを取り、返り血が跳ねているそれをばさりと羽織る。少女にとって大き過ぎるそれは、黒い外套のようで。]
あーあ。
……下らない。
[それから、がこんと。列車のブレーキを掛けた。]
ったく、
これであの女は、これからもイキがって生きてくのか。
[起こった出来事を腕を組んだまま見ている。
とりあえずは、現段階で勝ち組なジョーカーという女を。]
――……ほんと、あれじゃモテねぇな。
[そして、床に倒れた男の姿には微かに眉根を寄せた。]
>>+124
機会を逃すか…。
[ロランの言葉には、同意せざるえない。
そう、あの時、ロランに牙は向けられなかった。
もし、戸惑うことなく、噛み付けば…。
ロランに撃たれることはなかったのだけど…。]
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