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[悪夢のような夜がまるで嘘であったかのように、それはあっさりと告げられて]
……居なく、なった?
[意味が理解出来ず、鸚鵡返す。
口中で数度反芻すれば、驚きは疑念へと変わる。]
……何故。 死んだのか。
さっき仲間だっつってたナタリーか?
それとも、ユーリーか……
何も聴こえなかったぜ。悲鳴も、怒号も。
[信じられぬとでも言うように眉を寄せ、探るようにシャノアールへと視線を据える。]
>>15
尤も、人狼より性質が悪いのが残っているが、ね?
[肩を竦め]
食堂車から、結構離れているからな。
見に行くかい?
[ごそごそと、羊さんの中に何かを仕込みながら]
特等車だっけか……
何でこんな部屋に泊まってたのやら。
[見に行くかと言われれば、ゆっくりと立ち上がり、靴先で椅子を元の位置に戻した。]
お前―――の中身とこういうトコに居ると息が詰まるしな。
行くぞ。
[羊のパペットを弄る様子に目を遣りはしたが、何かを仕込んだことには気づかず。]
>>18
良い部屋だと思うんだが。
本当は私が使いたかった。
[そんなどうでも良い会話をしながら、食堂車へと歩いて行く。]
頭の良過ぎる女は、どうにも嫌われるらしいな。
[しれっと、皮肉を受け流しながら。]
寝台も広々してた。
…お前寝相悪そうだし、案外お誂え向きだったんじゃねーのか。
[床に寝ていた器――確かオリガと言ったか―の姿がふと思い出され]
まあ、それはしゃーねえな。
性格の悪い女は然程嫌いじゃないが…
[シャノアールの受け流しを更にさらっと闇へと溶かしつつ、一等車両の扉に手をかけ、灯りの漏れる食堂車の方へと歩く。
遠目には変わったことはないように見えるが…]
[>>17 「人狼より性質が悪いの」が要所要所で、元は彼の商売道具だったパペットを弄ぶ度に、知らず眉根に深い皺が刻まれる。
少女の姿を奪った魔物が、横たわる「狩人」の体を踏みつけるのを視て、目を背けた。]
[誰が言ったか、事実夜はしらじらと明け始めていた。
東の空が、微かに朱を含んでぼうっとほの白く光りはじめ、いずれ星々が、月が、明星のみを残して家路を急ぐことだろう。
いつの間にか止んでいたのか、この地方では始めから降っていなかったのか。
いずれにせよ、今は空に雪の気配はなく、ほんの僅かな陽の光が凍った大気を溶かして、靄が煙る。
もう少し経てば、実に壮麗な景色が姿を見せるはず。
生きていれば、それはどんなにか胸に迫ったことだろうか。
ぼんやりと、しばらく陰気に視線を宙にさまよわせた後、男は気を取り直して、心のレンズを窓の外に向けた。]**
どういうことだ………。
[倒れ伏していたユーリーは、人型であっただろうか獣の形であっただろうか。
近くに落ちているのは恐らく、ミハイルを射抜き、ロランの死因となったもの。>>2 そしてこの銃は、またしても人狼を打ち抜いた。]
……誰が……
[撃ったんだ、と問いにもならぬ問い。
ふと、シャノアールがナタリーへ護身用に物騒な物を渡したと言っていた事に思い当たる。
では、ユーリーを殺したのはナタリーなのか?]
………エーテル。
[死んでいるのか、死にかけているのか。
何れにせよ、致命傷を負っているのであれば長くは持たないだろう。
傷ついた自分に肩を貸し、応急処置をと気を回し、励ましてくれたエーテルを思えば、ちくりと刺が突き刺さるような心持になる。
カチューシャに足蹴にされる彼女からそっと目を逸らした。]
状況がさっぱり分かんねえけど、
少なくとも、今この列車に残ってるのはこれで全部ってこと、だな。
[縛られたサンドラをちらと見る。
矢張り、彼女は人間なのだろう。
先刻此処を通り過ぎたとき、シャノアールが大声で自分を護衛だと公言した。彼女は聞いていただろうか……?]
[テーブルに腰かけるようにして、お茶を飲んでいたら
カチューシャが、ベルナルトを伴って戻ってきた。
ひらひらと手を振って出迎える。]
ああ、着替えてきたのね。よく似合ってる。
[エーテルを踏み踏みするカチューシャに、困ったように笑って、]
流石にもう死んでいるんではないかしら?
自分が死ねばユーリーがどうたらって、…なんだったかな?
…「真実の愛」?
狩人なら護るべき人間はまだいるのにね。
[ちらりとサンドラを見た。]
[ジャックと呼ばれた男は、そのまま、茶を啜っている。
とくに話はないので、そのままちらと見ただけ。相手が歯軋りしてるなんぞ、気づいても知らん振り。]
――……ロラン、行くぞ。
[離れようとしても、離れないと訴えてくれる人にそう呼びかけて、サーシャを抱えて列車の空き部屋に入った。]
ドア開ける必要がないのは楽でいいのか?
[のほほんとそんなことをいおうとしたらぶつかってみたり。
霊体としてのドアは開けないといけないらしい。]
なんだかよくわかんねぇな。
[そして、サーシャをベッドに寝かせた。]
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