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―――……
[生々しい刃傷の残るドアがある。
ナイフで滅多刺しにされたのだろうか。
サーシャの手にナイフが握られた儘であることに気づけば、表情は険しいものとなる。]
……っ。
[ノックしようと腕を上げれば、それより先に開かれる扉。]
カチューシャ?
[意表を突かれ一瞬静止した後、無事な姿を見れば駆け寄って膝を付く。]
………無事か。
人狼に。それに、サーシャに何処もやられてねぇか。
[血の滲む包帯を見れば少し瞳を細めるが、見た目では深い傷でないと判断し、今度こそ本当に安堵の息を吐いた。]
…あぁ、サーシャはこうして俺が押さえ込んで…
[目の前の扉が開かれた。姿を現したのは…あれは誰だろう。少なくとも、…の腕の中で顔を赤らめた少女とは、違う者のように感じた]
[ユーリーが声を荒げるのを聞けば>>94、驚きに瞳を見開いた後、苦笑した。]
ま、正直なとこ結構ヤバい。
でも、殺すの殺されるのやってる中でじっとなんてしてらんねーよ。
[無意識に、ユーリーから預かったタオルを確かめるように抑えて]
……、ナタリーには悪いことしちまった。
俺、走って来ちまったもんでよ。
多分、まだあっちの方に居ると思う。
[車両の前方を示した。]
[切な気なアナスタシアの声は、
とても柔らかでそして愛しげで]
……きっと、逢える。
[呟けば、思うのは。
自分のささやかな望みを、叶うと言ってくれた友達のこと]
[その顔を見た瞬間、サーシャが暴れ出す。力の限り、少女を殺そうと。最早、言葉になってない言葉を喚きながら。]
っ……。
[それに後ずさろうとして、よろけて。そのまま尻餅をつくような形で、カチューシャと呼ばれる少女は転んだ。目の前のサーシャは、死力を尽くし、その喉元にナイフを突き立てようとして来る。そうしないと、自身が壊れてしまうからか。もうそれしか、生きる意味が無いからか。]
……サーシャ。
君の望みは今も同じなのだろうか。
[喧騒へと向かう眼差しは、
哀しげに歪められて]
―――……、
[見つめている、振るわれる刃の、その先を]
[>>+52
「ちょっと!なに狼になってるんですか、爪立てなくても肩揉みはできるでしょうに!!
そりゃ、もうこれ以上死にようはない体ですけれども…、聞いてますか、あなた!
ぎゃぁぁぁぁーーーー!!!」
その後1時間に渡って、列車内に叫び声が響き渡った…かも知れない。]
「ロランを、ロランをそいつが撃ったんだ! カチューシャァァァ!! どうして、優しくしてくれたのに! 始めて優しくしてくれたのに! お前とは違う! お前はロランを殺した! ロランロランロランロランロラン!!!」
[そんな、サーシャの咆吼。尋常でない力でユーリーを振り払おうとし、引きずるようにして、尻餅をついている少女へと迫る。]
[…は床に膝を突き、サーシャの胴にしがみ付く。
彼の胴を抑えたのに。
彼はこんなにも細い身体をしているのに。
目の前の少女に向ける憎悪が、ただただ身体を動かしているようにしか思えない。
強い力に引きずられる]
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