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しかし、色々な意味で……美味しそうな餌を逃してしまったものだな。
残念。
精一杯、食らいついたつもりだったのだが。
北風と太陽、か。
[大声にはびくり、とまたこめかみを押さえて、
小さく息を吐いた。見つめた掌、くっきりと付いた赤みはまだ引くことはなくて]
………。
[逃げ去っていく背を意気消沈した様子で見守った]
[傍らのトランクを片手で持ち上げ、ベンチを後にした。
男の一人旅には小さすぎる荷物。詰めたのは、ある種の諦観か。小さく苦笑してホームを歩く。]
出発時間、いつだったっけ。
さっきの案内人は………あぁ、わざわざ聞くこともないか。
[冷たいひゅうと頬を掠め、外套を引き寄せる。
道が決まっている以上、冷気に身を晒して居る意味などない。
踏みつけられた封筒、剥がれた封蝋。
捺された印璽が模っていたのは ―――]
[足早に列車に飛び乗る直前、頻りにシャッターを切る男の姿を目に止めたが]
…奇特な奴もいるもんだな。
[ひとつ呟くだけ。
さして興味を持つ様子もなく、一先ず暖を求めて車両へと足を進めた。]
― 一般車両 ―
[食堂車から逃げるように一般車両に戻ってくる。
車両のつなぎ目のドアを閉めると、ほっと息をついた。]
なんだ、あの女。んとに…。
[そして、無造作に手すりに煙草の火を押し付けて消すと、窓を開けてポイ捨てする。]
[女は食堂車に入ってくると、目を伏せて近くの席に座る。]
…数奇な運命に翻弄された…旅人達は。
人生というレールの先に何を見るのかしら…。
[そう呟くと、窓から見える駅の様子をじっと見つめ続ける…]
>>113
そうですか。
それは、残念ですね。
[妖しく笑い]
きっと楽しい思いが出来ますよ?
それは、ともかく。貴方はどうして、この列車へ?
/*
ミハにスルーされた切ない…!
忌み子で長く幽閉されてた子、なのだけれど。
気持ち性別騙りな方向性を見据えつつ、まだ性別わかる描写はしてない。な感じ。
席、席…っと。
指定席じゃなかろうし、一人で一列使っても問題ないよな。
つうか、この列車乗客2、3人なんじゃねえか。
[一般車両で荷物の置き場を捜してうろつけば、窓越しに先程のシャッター男が慌しく三脚を畳んでいるのを認める。]
あいつで1人、俺と合わせて2人、他には……
[奥の車両から現れた男を見れば、指を折るのを諦めた。]
――― 一両丸々俺の物、って訳にはいかねえか。だよな、やっぱ。
[無造作に置かれたままの荷物とその男とを見比べて、肩を竦めた。
後ろの席に荷物を放り、体を沈める]
ソレ。ポイポイ捨てっと火事になるぜ。
[窓の外を示すよう、手の甲でこつんと硝子を叩いた。
咎めるような色はなく、寧ろ楽しむように]
>>119
なるほど。
―――そうか、逃げるべき人間が集まったという訳ではなく……行く当てのない人間が集められたと。
[荷物をしまい始め]
先ほどの様子からしても、本当に……そうか。
着いてからではなく、着く前に……。
[ぶつぶつと、何事かをつぶやきながら思索に耽る。目の前のロランも、見えてないかのように]
整体師 ミハイル は肩書きと名前を 無頼な整体師 ミハイル に変更しました。
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