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……あれ?
グレンラガンとノリが盛大に違ってきたな。
どこで間違ったんだろ。
完全ノープランで行ったから?
いや、「圧倒的絶望から見える希望」だったら、絶望部分を濃くせにゃいかんよなあとまでは考えたことを覚えてる。
―― 東空域 上層 ――
『誰が核を壊したの?』
[甲虫に向かって、オープンチャンネルでマリアは古い地球の動揺のメロディに乗せて聞くともなく聞く]
【はぁん? 何言ってんだ、アタマいかれたかぁ〜?】
[甲虫のパイロットは、銀色のバイザー付け、ガムをくちゃくちゃやりながら虹色モヒカンを傾けた]
『知らない? ならいい』
【よかねぇだろ、ねえちゃん、ちょっと相手しろや】
[甲虫は、角をぶぉんと光らせて近接格闘を挑んできた。
私は各部署の動きをチェックする。
被弾した箇所の装甲は辛うじて血が出ていないだけ。
場所によっては動かない部分もある。
一番酷いのは右の翼で、上手く旋回が出来ない。
マリアの感覚器官も範囲がかなり狭くなっていた]
[でも、まだ動ける。
動きが鈍くても、こんなに体が軽くって、
マリアの目からは甲虫の動きがコマ送りに見える]
[はたから見ればどう見えるのかは知らないが、私はワルツでも踊っているつもりでその甲虫の動きを紙一重で避け続けた。魔道銃からの散弾は当たり前のように避けられて空を彩るが、私たちは大して気にしない]
『あ、ニーナ。もう元気?
動けるならいいわ。良かったー』
[ニーナからの通信に、喜びをにじませているようなマリアの声が答える。けれどすぐにその声は剣のようなものが加えられ、低くなって]
『……私以外の機体の調査、終わった?
許せないね。これ以上の被害が出る前に、一緒に落とそう。
あ、シャノンは違うからね。シャノンは私の友達。
だから、調べるならサンダーエース以外がいいと思う』
[甲虫が角を振りかぶって幾度目かの攻撃を仕掛ける。
いちいちオープンチャンネルで叫ばれる技名が煩い]
『シルバーコレクターはどう?
キングが落とされたらすぐに2番手も落とされそうなものなのに、まだ無事だもの』
[マリアからの提案は、完璧に計算された義憤を感じさせるトーンで彩られている。先ほどの不安の色は、声音から排除された]
[マリアの目と右手は、甲虫の腹が眼前に現れる瞬間を虎視眈々と狙っている]
夢幻の竜騎士 マリアは、記憶喪失 シュウ を投票先に選びました。
―― 何かな? シャノン
[ピットインの間、どこかで溜まっていたのだろう。
シャノンからの通信が次々と私のもとに届いた]
悪漢ってのは、いつもそうだ。
ばれないつもりなのだよ、いつまでもね。
……だって、いくら自分の身が危険でもこんなものを放置は出来ないだろう。私達の空を汚させてはいけない。
だがね。シャノン。
君がリタイアを迷うなら、無理はしないでいいさ。
怖いのは当然だ。何なら私が君を落としてもいい。
[私の意識から、マリアのテーマが消えることはない。
私が話していても、背後には常にその曲がまわっている]
あ…あ、はい…先ほどはお知らせできず申し訳なかったのでありますが、先刻の交戦中、ふたたびコアの強制停止を観測し、その結果コア停止を行っていると思しき機体が絞り込めまして―――
[調査について。マリアの声で問われて、幾分あわてながらも、もとより伝えるつもりだった事実を返す]
―――これは小官からのお願いでもあるのですが、できることならばこの件は現状、内密にしていただきたいのです。
[大会本部の動向にもよるが、大会の中止と言う事態だけは避けたかった。
負けることこそなくなるだろうけど、それでは勝つことができない。そして、勝つことができなくては意味がない。
そう告げようとして、ウィリーには酷な提案だろうかと思い当たって躊躇する。だってウィリーにはそこまで『勝利』に固執する理由はないのだ。そのはずだった]
…ウィリーさん?
[けれど、通信していた相手の様子が、なんだか違ったような気がして、つい、怪訝な声を上げていた]
は、はい。シャノン殿は外して…そうですね。
同様の機能を持った機体が一体とは限りませんし…けれど…
[果たして、そこまで調査してもいいのだろうか。マリアとウィルアトゥワの…ウィリアムのことを知ってしまったときのことを思うと、つい二の足を踏んでしまう。
そのことを口にすべきか、迷う]
ッ
[そこに飛び込んでくる、アラート音。流石に、ここまで残っていた機体が、そうやすやすと見逃してくれる、と言うこともないらしい]
…すみません、小官はこれより交戦に入ります。
この件については後ほど…!
[告げて、一時通信を切る。そのことにどこか安堵してしまっているのは、通信していたマリアの声が、ウィリアムではない誰かの声に聞こえてしまったからだろうか。
なんとも言いようのない違和感と、ささくれ立つようないやな予感を、目の前の戦闘に対する集中で押し隠した**]
―西空域、下層―
[男はピットから出ると、辺りの機体を探す]
こっちに反応あり。
[男は考える。
赤い光の事を、BFの事を
そして残りの任務を確かめる。
だいたいは終わっていた。
後はどれほどの戦果を上げられるか]
優勝も…アリか。
[男はトリガーを引く。
赤黒い軸線が、西から南西の空を突き抜けていく。
それに触れた弾幕や機体の爆発音が、その軸線上に響いていった]
―南西空域、中層―
[男は新たなターゲットを捕捉する。
戦闘機型BF、サンダーエース。
僚機が居ても関係なく、男は戦闘を仕掛けた]
シュート。
[光が収束され光弾が生み出されていく。
波のように、一波過ぎれば、また波が下層まで押し寄せていく**]
ちょ!
ごめ!申し訳ない。今気づいた。
村を出るボタン押してた・・・はずだった。
マジで出たつもりになっていました。今からキックとかできたとしても、お騒がせするだけなので村建てさんの方に連絡だけしました。このキャラスルーしてやってください(汗)
どうしても気になって、ちらっと覗きにきたんですが。本当に村出てたとおもってたのに(汗・汗・汗
戦士ババルウ イターは、能力(去る)を実行することにしました。
―西空域/ピットエリア―
[急いでアルトキュムラスへと戻り、機体の状態を確認する。
機体右側の損傷は大きく、装甲が落ちてはいないものの、sunshowerとdrizzleの発射口がやられている。照準範囲が左側に限定されてしまうだろうが、これはこの短いピットインで直す時間はなさそうだ。
とにかく、rainstormのチャージとバリアの異常がないことを確認だけすると、
計器のチェックに移る。やや重量バランスを欠いているものの、飛ぶことはできそうだ。]
(くそ。アネキがいてくれたら。)
[ちら、と周りを見回す。
ピットにいるBFはどれもメカニックや研究員たちが忙しげに立ち回っている。
人手の確保ができていなかったのは、初参戦で勝手がわからないとはいえ準備不測だった。]
アルトキュムラス、がんばれ。
もうすぐ、長時間ピットインタイムだ。
それまで持ちこたえろよ。
――ゴゥン。
[外装甲の落ちた烏羽色が、ピットアウトするのが視界に入る。
一瞬、グレーのピットゲートの向こう、四角く切り取られた青空を見る。]
うん!
おれたちもいこーアルトキュムラス!!!
コアを殺したやつを、探さなきゃ。それに――それを、止めなきゃ。
[空色の瞳は大きく瞬いて、ひとり、頷いた。
ユージーンには、聞こえた声のことをもう少し聞いてみたかった。
アルトキュムラスはふわりとフロアから宙に浮いて、少しだけ傾きながら
それでも滑るように、空へと。気流を捕まえ、ぐんぐんと高度を上げてゆく。
目指すは、―――
ロジャーはスクリーンを全方位モードに切り替え
青空と弾幕の中を白い雲の線を残しながら進んでゆく。]
(>>47のつづき)
「誇りはどうなる?」
[黒い人型機体がピットインしたのを見届け一息ついた少女に最年長の男から声がかかる。]
誇りはBigFireと共にあります。だから、撃ち落とされた時には空へと散りますが、中止となって空から降ろされても、空へと置いていかれることはないですよ。
「なるほどな。だが誇りはBigFireだけに宿るものじゃねえぜ。自分の中にも宿るものだ、うん」
[うんうんと頷いて、]
「それぞれの背負っているものが空へと置いていかれちまうのかは分からんが、大会が中止になることはねえだろうよ。何せ長い歴史のある大会だ。色んなことがあった。俺が子供の時には大会途中で殴り込みをかけてきたやつがいたんだ。そいつは(以下長いので省略)」
[長い話をさくっと聞き流した後]
中止は、ない。……なら、良かったです。
[それぞれが何がしか背負っているもののために飛んでいるように少女には見える。
対する自分はどうなのだろうか。背負っているものなどない。流れ者ゆえ故郷は遠く、もう一度会いたいと憧れている者の背も遠く、勝利への執着からもまた遠く、
それでも、飛びたいという思いだけは強い。
近くの観客席から、選手を応援するための花びらをかたどった弾幕が舞っている。]
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