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――あ――がっ―くぅ―……!
『アストラル』、コン……トロール、 オー…プン――
[みしりみしりと悲鳴を上げる機体を、無理矢理にバンクさせて左下に抜けようと、操縦桿を倒しペダルを蹴る
。その放たれたビームのほぼ真横を抜けるが、それでも幾許か遅かったようで右翼が半分に近く、消し飛んだ。
それでも置き土産のようにアストラルを『アンギャルド』付近に炸裂させて。]
――このっ、言う事、聞けっ!飛べっ!
[暴れる機体を、力ずくで抑えて飛ばす。それももう限界に近い。
それでも尚、バンクした機体を上方宙返りで高度を戻す機動、シャンデルでもう一度同高度まで引き起こしす]
全駆動回路リミットオフ、スクランブルドライブ。
核から駆動タービンまで、過駆動励起。
全速全開、オーバーブースト!
『ミストラル』左翼に集中過剰展開!
[核が、全てを搾り出すような駆動で悲鳴を上げる。
機体も同じ、空中分解寸前だろう。
それでも、持てる火力の全てを以って、機体は翔ける。行跡を橙に染めて。
きっと、これで最後だ。けれど自分がダメでも、まだリトルアースが、ニーナが居る。
せめて、何か後に繋がなければ、今まで飛ばしてきた意味が無いし、飛んできた理由も無くなってしまう。]
[全てが終わったら、聞いてみたい。
あの赤い光の事、使った理由。
そして、今核に向けて使わなかった理由。何か判る事があるんじゃないかな、なんて、思っていた。**]
改造好き シャノンは、記憶喪失 シュウ を投票先に選びました。
改造好き シャノンが「時間を進める」を選択しました。
赤貧宇宙人 ニーナは、黒詰 ユージーン を投票先に選びました。
― リラックスルーム ―
『時にじいさん、ナサニエルが堕ちるところは見たか?』
何だって?
[思い出したかのようなゴードンの問い。]
『その様子じゃまだ知らないみたいだな。ほらよ。』
[言ってゴードンは、モニタ上にそのシーンをプレイバックさせる。]
/*
う あ あ
やっちまいました!!
この期に及んで寝落ちとかホントもうなんなの…
…それはそれとして置くにしても、この展開は、つまり…
エピローグで決戦、と思ってよいのでしょう…か…
んぐぐぐぐ。
おそらくはまたわがままを言ってしまうことになるかもしれませんが、今しばらくのお付き合いをお願いいたします!!
…決着はつける、シュウさんもウィリーさんも助け出す、両方やらなゃなんないのが辛いところだな。
覚悟はいいか?小官は覚悟完了であります。
こいつは……例のシステムにやられたのか?
[ナサニエルが堕ちる直前、紅い光に包まれている場面だ。]
『俺が堕ちた以上、今年こそは奴の優勝かと思ったんだが……まあいい。
それよりもこっちだ。』
[視点が移される。
同時刻、ナサニエルよりは弱いが、同質の光を纏った騎士の姿。]
「これは……やられたというよりも――」
[撃墜時の様子を、視点を変えて何度も再生する。
いつの間にかイノウエ研究員やRedWOLFメンバーも集っていた。]
待て、ドラゴン注目でもう一度。
[リプレイ。
エキシビジョンで舞っていた竜が、そのダンスを止め堕ちていく。]
『この直前から Silvern はアンギャルドの援護に入っています。攻撃対象は、ウィルアトゥワ。』
[技術スタッフが補足する。]
状況からは、コレクターの方が仕掛けたように見えるな。
『じいさんも、奴がやったと思うかい?』
[ゴードンの問いに、しかし]
あくまでそう見えるだけだ。
だが、ゴードンは……コレクターらしくない飛び方だとは思わんか?
[ピットアウトから墜落までの、Silvernの機動。]
[数多くの強豪が参加するこの大会、共闘は珍しい行為ではない。しかし]
優勝よりも、アンギャルドを護る方を優先している。
少なくとも俺にはそう見えるね。
“早く”
[中央空域に向けて飛ぶ、その機体を声が急かす。中央空域では、たった今シャノンが戦っているのだ。移動なんかに時間をかけている暇はない。急げ]
“早―速くはやく―は――速―はやく―く”
[その思考に、空白が混ざる。気体のダメージこそ抑えることはできたが、エネルギーの損耗が激しすぎる。
それでも別にかまわない。ただ、なすべきこと、自分のなしたいことを果たすまで体と機体が持てばいい]
[視線の先を走る赤い閃光]
[ばつんっ。と。そのとき、何かが繋がった。旧い旧い記憶。そうだ。あのとき。じぶんは。
物言わぬただの力で、何も思わず、ただ壊すことしか知らず、そして。
破壊の果てに、あの赤い光と出遭って、初めて恐怖を知ったんだ。形を成さない自分、壊されることはないと思っていた自分を“破壊”しえる、あの、赤い光に。
怖いはずだ。恐ろしいはずだ。自分は一度、あの光に負けたのだから。
けれど、今は]
お お お お !
[声を張り上げ、雑念を振り払う。そうだ、もう、過去の記憶なんか雑念に過ぎない。もう、怖くなんてなかった。
あのころの自分とは、もう、違うんだから。
自分にはフヅキがいる。ウィリアムっていう友だちもできたし、シャノンだって戦友だ。
この地球に来てからでさえ、多くのことを知った。
それさえあれば、赤い光くらい、怖くない。
今はただ、決着をつけ、そして勝つ。そのために]
フヅキ、力を―――!!
[今、戦場へ]
赤貧宇宙人 ニーナが「時間を進める」を選択しました。
赤貧宇宙人 ニーナが「時間を進める」を取り消しました。
−会場・治療室にて−
敗れた以上、私は間違っていた、という事だな……。
約束は果たすしかない。
[怪我が治りきっていたかどうかはわからないが、荷物をまとめ準備をし治療室を出ていく]
[後に、治療室で綺麗にたたまれた彼の服が見つかるのと同時に、会場内で人目を避けるかのように歩く人物が現れるのであった。]
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