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―― 戦闘空域/西エリア/中高度 ――
[予備動作に入ってままレーザーに貫かれた「Red Wolf」の腕を、クロノの光弾の飛礫が吹き飛ばした。ついで、全方位からの集中放火が、次々に赤い狼に命中してゆく。
赤い鉤爪が弾き飛ばされる。
重いその爪は、狼の手を離れる。
ぐらり、と赤い狼だったものは機体を傾けた。]
『』
[全域強制通信は途絶えている。
赤い狼は、マシマへ腕だけ伸ばした格好で、墜ちる。墜ちてゆく――――。]
[ゴードン機の近くに一機のBFが飛び込んでいったのを確認した]
あれは……白川重工のか。
[戦闘機型のBF、それも日本の戦闘機型と知り興味を持っていたBFの一つ。それがゴードン機にぶつかっていくかのようにしていたのは目を惹くには十分な物だった]
それにしても無茶を……。
[するなぁ、と言おうとした時、収束レーザーの予告線が現れる。その先はもちろんゴードン機であり、そこには白川重工のBFがいる]
避けろ、避けろって!
[もちろんナサニエルの叫びが、白川重工の機体に届いたかどうかはわからない。というより、殆ど届かないであろう。]
至近距離からの一撃でゴードンを何とか落としたとしても、他のゴードン狙いの機体の巻き添えを食らって無駄に撃墜されるというのに……。
[あのBFの主と会話を交わし、そして戦う事無く終わってしまうのかと思ったその矢先に、巨大な白銀の剣]
……?!
私に、協力する?
じゃあ、今すぐその機体を破壊して。
あなたが両親だか編集長だかから入手したという設計図も、焼き払って。
そしてこの回線の存在は忘れ去ってちょうだい。
それが、“私”の求める最大の協力だわ。
「ゴードンの機体が……」
[少女と仲間達が見たのは、
動きの停まった赤き狼が、なすすべなく集中砲火を食らっている光景――]
「もう無理だ……程なくして墜ちるぞッ……!」
[よし、ノイズも一段落。
きっとどこかのBFの弾幕が干渉してたのかも知れない、そしてその機体は墜ちたと。]
オーケイオーケイ、聞こえてまぁす。
あ、BBQは好きですが流石に機体をBBQにするのは遠慮したいです。
ちょっと古い機体ですがお気に入りですからね。
[そんな軽口を叩きながら遊覧飛行…とはなる訳無く。くるくると回避行動を取りながら。]
こっちの機体はオレンジ色のサンダーエースって奴ですから、検索かけてみるのも如何でしょうか。
勿論、その目的は言いたくなければ言わなくても良い。
もしもそうであれば、すまない事をした。
どちらにせよ、ここで君の秘密を知ってしまった以上は、敵対は出来ないのは明らかだ。君に協力したいと思うのだが、どうだろうか?
[シュウに協力の提案を呼びかける]
[一瞬の狼狽は、判断を鈍らせた。]
…くぅっ!!!!
[目の前の赤い機体諸共、白い閃光に包まれる。
ビーム兵器を拡散反射させる鏡面装甲を以てしても、損傷は軽微ではない。
コックピット内の気温が急上昇、左バーニアが安全装置によって緊急停止。
落下する機体の体制を立てなおして、慣性飛行に切り替える。]
一旦離脱します!破損箇所の交換を!
[クルーへ呼びかけて、グライダーのように滑空してピットへと逃げる。
滑空翼による慣性飛行が可能な戦闘機型だからこそ出来る芸当。
二足歩行式や不定形では、出力が止まればそのまま自由落下するしかないだろう。]
/*
あ、「程なくして」→「間もなく」の方がよかったかもっ
ところで注目ポイントが全く意味をなさない件。
ちょっとシャーロットに注目してから寝たい。
*/
いまっ い いっ いまっのっ…は…
[視界が揺れる。歯の根が合わずに音を立てる。こわい。こわい。こわい。こわい。こわい。いやだ]
ふづきっ
とおくへっ…遠くへ!!
[もはや指示でもなんでもなく、恐慌に陥ったままに懇願する。それでもフヅキはその意思を汲んで、コメットにエネルギーを送り、その場を離脱する。
ニーナの言葉を忠実に叶えようと、もっとも機体がいない空域へ。もっともほかの機体から離れられる空域へ。通りすがった見知らぬ機体がすれ違いざまに放った弾幕が機体をかすめようと、かまうことなく、ただ真っ直ぐに]
“私”の要望は今言ったとおりだわ。
けれど、あなたを信用するわけじゃない。
あなたが組み込んだというのが本当なら、私はまずあなたを狙う。あれはこの世界にあるべきじゃないもの。
――この機体と、同様に。
……そうだ。
優勝を求める理由、については教えてあげられるわ。
“私”じゃなく、“あたし”が求めているもの。過去の記憶。
“私”はもうそれを手にしているけれど、この記憶を“あたし”が取り戻したいと思うかどうかは分からない。だから、気にしなくても結構よ。それだけ、言っておこうと思ったから。
それじゃ、ね。
[一瞬、何が起こったのかはわからなかった。
剣の主は、漆黒の騎士]
…………。
[ただその様子を見つめるばかり]
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