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―― 格納庫 ――
見かけによらず強引だな
[ぼそっと呟いた声は聞こえたかどうか。
チキュウ人の腹の上、小柄といってもチキュウの動物の兎よりは勿論大きい。ちょっとした子供くらいの大きさ(しかしロジャーよりひょっとすると小さいかもしれない)くらいはある。]
「…核は私の丁度後ろに、あるんです。」
[クロノに、シャーロットが喋った事による体の振動が伝わる。ピ、ピ、ピ、ピ、と耳を動かしているが、クロノは結構大人しくチキュウのBigFireが起動しているのを体感しているようだ。]
うん。あの機体――『アンギャルド』が、そう。
[答えて、マシマからの返事に表情をほころばせた]
よかった、ありがと!
こういうの、お願いしたりしていいのかどうか、分からなかったから。本戦が始まったら、敵同士だもんね。
でも、それまで、どうぞよろしくね?
[空へも行った方が良いのかとも思案したが、バイザーが映し出す前方の光景を確認すると、すぐ側に人が居るようだ。しかも、倒れている>>288]
あ…あの、えっと…すみません、人が…倒れているようです。一度降りてそちらに行っても、良いでしょうかって
撃つ!?
あ、あの、その、今は人も周囲にいらっしゃるようですし…巻き込んでしまうと危険だと思うんで、す…。
[機嫌を損ねてしまうかも、と頭の何処かで思いながらもやんわりと断る事を試みた]
…………。
[ピ、ピ、ピ、…ピ。………ピ。]
チッ
[マリンブルー・スネイルのコックピット内で、クロノの舌打ちが小さくする。]
分かった。
ならいい。
[それきり、黙ってしまった。
もし、シャーロットがBFから降りるなら止めはしないし、自分も出るだろう。]
[小さな舌打ち、そして沈黙。...は目を閉じて、黒い兎を怒らせてしまったと感じていた]
…すみません。
一旦停止します、ね。
[倒れていた人の事も気になるので、上げさせていたマリンブルー・スネイルの頭部を地上に下ろし、停止させた]
……ま、また機会が出来たら、撃てるようにしま、す…。
[BFから降りて、黒い兎も一緒に降りたのを確認すると再び頭部を閉じた**]
[本戦が始まったら敵同士。
わかっては居る。
仲良くなれば撃ちにくいということも、
彼女の機体は只者じゃないってことも。
それでも、今は笑って彼女の小さな手をとった。*]
[シャーロットに続き降りたクロノは、真っ直ぐに格納庫床に寝そべっているニーナに近づくと、一蹴りを(フヅキが邪魔をしなければだが) 酒点での騒動の時のように、本気で相手をどうこうするような力は入っていないようだ。]
フン
なかなか悪くなかったぞ、チキュウ人。
だがまぁ、―――ワレワレラントの科学力には敵わんな。
[ひらりとコートを翻して、シャーロットを指差す。
先程のような耳の動きは、マリンブルー・スネイルの外に降りてからは、一つとも見せない。]
おい、お前ラ。
ヲレは暫し外に出てくる。
「メテログラフト」にチキュウ人共は近寄らせるな。
手荒な手を使う事は躊躇うな。
[忠実な側近達に言い残すと、クロノは外へと*出ていった。*]
おい、お前ラ。
ヲレは暫し外に出てくる。
「メテログラフト」にチキュウ人共は近寄らせるな。
[ラント軍の過激派である忠実な側近達に言い残すと、クロノは外へと*出ていった。*]
[急いで逃げようとするニーナを追おうとする。
格納庫は近くなのでほどなくして追い付く]
……ここにいたか。
君の言う事もわからなくはないけど、我慢は良くないしこの大会は長丁場になる事もある。
もし無理して倒れたりしたら、仲間達や君の背負っている人達にも迷惑がかかる事にもなる。
それに、せっかく会場に来たのだから楽しんで欲しいのもある。
―格納庫前―
[つい、昔のことを思い出してしまっていた。
とはいえ、敢えて述べるまでもない、小さなことではあるけれど。
BFを前にするとどうも想いが先にたってしまうのが悪い癖だ。]
ようやっと到着、っと…あら。
[風になびく長い耳に、ぴたと視線を止めた。
まっすぐに空を見上げる姿と青空が、大会前の雰囲気に合っているなと感じ、
おもむろにカメラを構えて兎人の後ろ姿へと向け、シャッターを切った。
軽いシャッター音が連続で数回。]
おお、かっこええやん。
[録った画(え)を確認して、満足そうに口元を緩めた。**]
―― 格納庫前 ――
[マリアは少し速いペースで格納庫へ向かう。
マリアの腕には何に使うのかさっぱり分からない奇妙なアイテムが沢山抱えられている。その多くは、見た目が非常に刺激的なものばかりだ]
『……うさぎ?』
[格納庫前で、マリアの目が黒い兎人を捉えた。
一瞬、マリアの足が止まる。
見覚えのない兎。同胞かと思ったが、すぐに違うと分かる]
『天然か』
[マリアがひとりごちたその呟きは、相手に聞こえるか聞こえないか。とてもささやかな音量]
[そんな兎をファインダーに入れている記者を、マリアは邪魔にならないようすっと避けて格納庫に入る。
マリアに組まれたマリアとしてのナノマシンがより活性化する。マリアの姿勢がしゃんと伸びた]
《………》
[ニーナがクロウサギに一蹴りを食らうころ>>307。その後方数十mの位置から、弾幕兵装の光輪が静かにその背へ照準を向けていたりもしたのだが。
一蹴りが大した力も込められていないものであると認識されると、機体を制御するAIはふたたび警戒を解いて、弾幕兵装をその機体内部に格納した…なんて一幕は、当の本人達からは見えないところの話]
んん…
[一瞬意識をトバしていたおかげで、自分が蹴られたなんて気づくこともなく、痛む顔やら背中やらをさすって、もそもそと身を起こす。
そこに、先ほど逃げ出してきた男が追いついてきて>>309]
仲間?
[その言葉に、心底意外そうな、意表を突かれたようなきょとんとした目を向ける。まるで、仲間という言葉をたった今聞くまで考えてもいなかったように。
…まぁ、それはそれとして]
…フヅキ?
[相談するように、腕の中に抱え、たった今身を挺してでも守りきったボード状端末を覗き込む。
いくらかの時間を置いて]
…貴殿の言葉、ひとまず信用させていただくであります。
[まだ警戒の色を残したまま、じりじりと近づき、差し出された焼きそばを奪い取るような勢いで受け取る。雰囲気を何かにたとえるなら、全力で背中の毛を逆立てた犬か猫かといったところ]
しかし、このことで小官が買収されたり、本戦で手心を加えたりといったことは断じていたしませんので、ゆめゆめお忘れなきよう!
[捨て台詞めいたものを口にしながら、じりじりと後じさりして]
それでは、小官は機体の整備をせねばなりませんので!
[告げて、逃げた。
逃げて、そして]
…補給物資をいただいた貴殿の志に感謝いたします!
[立ち止まって、振り返って、直立不動の姿勢をとって。
焼きそばをくれた男に敬礼を送り、ふたたび走り去っていった**]
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