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―格納庫―
ふぅむ。
最初に入ったときに比べて、格段に増えている様子でありますな。
…あまり負ける気はしないでありますが。
[さらりと吐いた言葉は、自信の表れかはたまた負け惜しみの強がりか。聞くものもいないと高をくくって一つ一つの機体を順繰りに眺めながら、規定された格納スペースへとゆっくり向かう。
もこもことした白い機体、殻を背負ったような青い機体、黒い全翼の機体、白銀の単翼の機体、中にはドラゴンとしか言いようのない機体もあった。
けれど]
ッ?
[機体の一つを前にして、ぴくりとその表情が歪む。漆黒の人型機体。その左手首に埋まった銀球をその目に映し、表情を引き締めた]
…フヅキ、今の機体の走査、ならびに調査を念入りに。
なにか、こう…
…いえ、なんでもないであります。
[言いかかった言葉が、自分自身で分からない。そう言いたげな顔で首をかしげながらも、搭乗した機体はなにごともなく指定の格納スペースへと収まった]
―― 大会本部 ――
[マリアは歩きながら、手鏡を模した携帯端末で装備班と連絡を取った。手鏡の液晶モニタに、ネズミ型のバイオノイドが映る]
【ちょ〜うせいは、万全だっちゅー。
安心していいちゅーよ!!】
[大げさに飛んだり跳ねたりする二足歩行の鼠。
遺伝子から人工的にデザインされた「生きたボディ」には、自然な魂を乗せない。生体の脳味噌を乗せず、人工知能とナノマシンによるリモートコントロールで動くそれは、MiddanEdenのお家芸だ]
『了解したわ。ではそれを、私にも伝えておいて』
[マリアは自分の手で装備の調整に加わる様子を見せない。
ふらっとそのまま足を大会本部に運んだ。
どうせ後でナノマシンを共有させるし、マリアはいきあたりばったりな性格設定がなされているからだ]
――大会会場/本部建物近く・屋台>>139――
ゴードンは、「大会」現王者(チャンピオン)だよ。
今回の大会を勝ち抜けば、二連覇を成し遂げられる。
チャンピオンの防衛戦自体は難しく、今までの大会で三連覇を成し遂げたBF乗りは稀で、片手で数えるほどしかいないんだ。
[グレンはダイアナに軽く説明する。
大会スタッフだから――、ではないだろうが、グレンの語りは滑らかだ。ダイアナから、グレンの左腕につけられたスタッフ腕章が見える事だろう。]
今回、現チャンプ・ゴードンは全てのBFを撃ち落とさなければ、再度勝利者には輝けない。
参加者はチャンプを撃ち落とさなければ勝利者にはなれない。
だから何時の頃からか、「前の大会の王者」を撃ち落とそうとするところから、「大会」は始まるようになっているんだ。
いわゆる伝統行事みたいなものだね。
[自然、大会を見に来た観客や子供達に対して様々な事を説明する時の口調になっている。]
はむっ…はふはふっ…はふっ…
[落ち着いたら、何はなくとも腹ごしらえだ。食事は既に済ませていたが、とある事情で胃袋の内容量はスッカスカなので、まかないの少し見栄えは悪いが味は格別な料理がどんどん入っていく]
んぐっ…今時手料理や皿洗いまで手動と言うのは非効率の極みかと思いましたが…はぐっ…このまかない料理も非効率の産物であるなら…はむはむ…非効率もなかなか侮れんであります…
[行儀悪く呟きながら。更に行儀悪く、食べながらパイロットスーツのバイザー部分を頭部に装着する。
流れるように表示されたのは、大会規定のピットに関する部分だった。
咀嚼しながらもその情報に目を通し…]
…ふむ。
一部消耗品に類するパーツは大会運営側からの支給が…ふむふむ…
支給可能な物資の一覧は…おー…エネルギーバイパスチューブにプラグまで…太っ腹なことでありますな。
して、スペックはー…?
…!?
[何の気なしにバイザーに流れる情報を操作していて。その、目に映ったスペックに思わずすべての動作が止まる。
バイザーを外して。目をこすって。再度バイザーをかぶって。やっぱり見間違いではないことを確認して]
な、なんという…!
大会運営本部の資本は一体どうなっているのでありますかっ…!!
[そこに表示されていたのは、いたって標準的な各種パーツ類だったのだが。
…比較対照が、下手をすれば博物館に展示されかねない旧型のものだったため、あまりにも圧倒的なそのスペック差に、軽い眩暈のような感覚を覚える]
なっ、何はなくとも、利用できるものはさせていただかなくてはっ…フヅキ、至急大会本部へ連絡を!!
[数分後。届けられたパーツを受け取り、リトルアースのあちらこちらを解体しては、次々とパーツを交換していく姿があったそうな。
おかげで、機体のエネルギー効率や疲労強度が格段に向上した…かもしれない]
/*
…!!
格納庫の方に、まだご対面してない人が集まってるのかなーっと思ってやってきたら、確認してみればほとんど全員が大会本部周辺に移動していたでござるでありますの巻。
大失敗の予感…!!
…まぁ、やりたいこともあったので、その点で結果オーライとするであります。
必殺技の使用回数が増えるよ!やったねフヅキちゃん!
―― 大会本部 ――
[大会本部の隅から、マリアはぐるっとまわる。
マリアのナノマシンが、好奇心と名前をつけられたものにマリアの表情を調整する。瞳をきょろきょろと動かして、頬には少しの赤み]
『――きゃ』
[マリアの方へと、早足で駆けてくる人影>>148。
マリアは敢えて外部感覚を鈍感にしていたため、ぶつかりそうになる。小さく声を発した]
『悪いわね、大丈夫?』
[マリアは心配そうな、申し訳なさそうな声を出した]
―大会本部―
[俯いて走っていた為、隅の方に移動するまでに多くの人とぶつかりかけては避け、また俯きを繰り返していた。
それだから、また人とぶつかりかけている事に気付かずに居た>>158]
『――きゃ』
…!!!?
あっ、あの…!あの、す、すみません…!
こちらこそ、不注意で…その…
[相手が申し訳無さそうに声を掛けて来るのに、こちらは言葉が上手く繋がらない。
ただ只管に何度も頭を下げて「すみません」を繰り返している]
/*
ちょっと受身過ぎるなぁ。
というのも、ptが発言ミスなどなどでThe 無駄遣い状態だったので控えめ〜にしているのでございます…。
24時半に回復、と。それまでじわじわ行こう。
そこからは自分から動いて行かなきゃー!
――大会会場/本部建物近く・屋台――
だから防衛戦には、より全方位に対しての備えが行われる。
[そして、僅かに独り言に近くなり、]
ゴードンのBFは、恐らく前回の機体と主旨が違う。
見た限り、一度の攻撃で数百単位の弾が放出可能で集中的なダメージを与えられる兵装を備えていた。
今までの「Red WOLF」の兵装から考えるに、あれに当たれば、機体破壊とまでは行かないまでも部位破壊は容易い。
その兵装も、全方位展開可能だろう。
[ゴードンの機体は、BFの標準の大きさよりやや小さく、赤色にカラーリングをされた人型系の機体。相手の機体形質にもよるが、接近すれば、場合によっては優位に事を運べる可能性もあるだろう。]
弾幕の空をすり抜ける熟練としての自信から、バリアではなく近接兵装をとったんだな。
[今までのゴードンの大会出場の歴史。その重み。経験に裏打ちされた自信。当たり前の判断。]
何か適当にゴードン設定ぶちあげているが大丈夫なのか。
紅蓮「大丈夫だ。問題ない。」
エルシャダイかよ!
一人で二役なツッコミです……。
―― 大会本部 ――
『ううん、私が不注意だったから』
[何度も謝る彼女に、マリアは瞬いた]
『でも、このままじゃ謝り合戦になりそう。
ここで勝ち負けを競ってもいいけど、競争は1つで充分かもね』
[頬を緩ませ、マリアは人差し指を立てて提案。
よく記憶されているポーズ]
『手打ち、にしましょ。
―― あなた、選手? メカニック? 付き添い?』
[マリアはここにいる可能性のある人物を次々あげる。
あけすけな口調で、指折り数えた]
/*
そういえば。
なんでカタツムリなの。
→部屋を掃除していたら、ミクロマンのカタツムリの玩具が出て来て「巻貝部分に兵装突っ込んだら割と良くね?」と思ったらごっついカタツムリメカが出来ました。
なんで青の娘。
→本当は群青の予定でした。青の青。
ブルーメンは、部屋をぐるんと見回したらARMSの本が眼に飛び込んで来たのでそれに登場する組織名「ブルーメン」から取りました。
スネイルネンってなんぞ。
→ビックリマンに出て来たキャラで「スネイル念」というのがおりました。繋がりは全くありませんが、響きがなんだかメカっぽいなという事で…。
[何度も謝る...に、目の前の女性は人差し指を立てて提案した>>161その表情は微笑んでいるように見える]
『手打ち、にしましょ』
[そう提案する目の前の女性は、自分に次々と何であるかを問うて来る。...はその内の1つが提示された所で顔を上げ、勢い良く声を上げた]
…は、はい!私は選手で…す!
……。
あ、あ、あの、急に大声ですみません…。
はい、選手で登録を済ませたばかりです…。
[それから、恥かしそうにすぐに小さくなってしまった]
『選手か。それじゃあ、私とおそろいだ』
[口角を挙げ、マリアは両手をパンと叩いた。
作りこまれたマリア=カリラの人格を司るナノマシンがマリアのボディの主導権を握っている]
[顔を上げた相手の瞳へとマリアは視界の焦点を結ぶ。
すぐに小さくなる彼女に、右手を差し出した]
『あなたの大声で破れるような柔な鼓膜はしてないつもり。
気にしなくて平気じゃない?
私は、マリア=カリラ。あなたの敵ね。
どうぞお手柔らかに』
―格納庫―
…んー…後はここを…あ、あれっ?
[機体のあちこちをかちゃかちゃといじりながら、開いたハッチの内部にパーツを組み込もうとして…嵌まらない]
んん…規格が違っていたのでありましょうか?
フヅキ、確認を。
[ボード上端末を機体から取り出し、スキャン結果を待って…やはり、支給されたパーツでは規格が合わないらしいことを確認して。同時に、似通ったパーツが多く、取り違えやすいことが報告される]
つまり、自分で確認して取りに行くべき…ということでありますな。
まぁ、今なら時間にも余裕がありますし…
フヅキ、マップの用意は可能でありますか?
[質問に即座に応じて表示された、大会運営側が管理する施設マップを確認しつつ。ぱんぱんっと埃を払って歩き出した]
→大会運営本部・資材倉庫を求めて。
[そういえば、この女性はどこかで見た事があるような気がする。そんな事を考えながら相手の言葉を待っていたが]
えっ…敵…?
そ、そうでした、ね…。
[それは大会という場に於いては当然の語句であるはずだが、...には今ひとつ慣れないものだった]
あっ…あの、私、シャーロット・ブルーメンです。
こ、こちらこそよろしくお願いします…。
[大声の事はどうやら気にしていない様子、それにはホッと息を吐いてどうにかこうにか名乗り、マリアが差し出した右手をおずおずと握り返した]
そうしたら恋人縁故も……いや、何を言っているんだ。
でも嫁や恋人の縁故が欲しい。次の続編では、そういう縁故があると信じる…ん、だ。
そういえば、>>160は、戦闘機型のBFの上に、ガコォン、と降り立つような映像が思い浮かんだのです。
決して、戦闘機型より強い機体であるとしたい訳ではないですよ。翼を、ギチギチギチと引き裂いたり出来たら、うおお!と熱くなりますけれど。
[マリアの掌に、シャーロットの掌が重なる。
握りつぶさない程度にぎゅっと力をこめてマリアは握った]
『よろしく、シャーロット。
あなたってば随分ひっこみじあんね。かーわい。
操縦桿握ったら人格変わるタイプ?』
[マリアは手をはなすとくすくす笑い声を喉に絡ませながら言った]
『……なんてね?
じゃあ、またね。
お互い、ゴードンの最初の試練を抜けてまた会いましょ』
[マリアは別段答えを待つ風でもなくあっさりそう言って踵を返した。空回りと勘違い、自己完結はマリアの得意技だと検索できる。
ネットワークにアクセスすれば自分の身分も自分の機体も分かる。シャーロットが選手だと言うならば、選手全員には大会の間のみの回線をオープンにしているから連絡も取れるだろう。だから、マリアはそれ以上何も言わない]
[背中を向けて、ひらひら手を振って。
そうして人ごみの中へ**]
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