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― 回想 ―
[虹の樹。
自分が知らないその、苗木]
知らないわ。
きっと…伝承にも乗らないくらい
ひっそりと
それでいて、大事に、大事に
されてきたのでしょうね。
[それを囲む3人を、優しい眼差しで見る]
[村おこしどうのこうの前に。
苗木を囲む彼らは、そこにある生命を慈しんでいるように、そう思えたから]
こんな嫌な噂も消えて
晴れたら
……皆で育てたいわね。
[少し大きめのマグにドラガノフの分を入れて、渡す]
[ドラガノフがミルクを一口飲む様子を見てから。
ナタリーの分を含めて、幾つかのマグを取りながら「手伝いましょうか」と声をかけてくるロランに]
ふふ
用意がいいんだから。
ロランさ…ん、の分も、ね。
[こぽこぽ、と白い陶器にミルクを注ぎ。
しばらくはそれを飲みながら、暖炉の前で話す。
誰かが折を見て、部屋へ戻るように促せば、その場は解散となっただろう]
― 回想・了 ―
― 自室 ―
[それは楽しい思い出。それは、晴れればいいと思えるだけの思い出。
だけれども、やはり今日も霧がかかっていて……]
暖かい物でも貰おうかしら
そろそろ朝食の準備も終わってる時間でしょうし。
[懐中時計を取り出して、時刻を確認し。
ブーツのつま先を、こんこんとしていれば]
……っ?
[下の方から、誰かの叫び声が聞こえてきて。
階段をもつれるように慌てて降りれば、凶報を知る**]
― 場面は移り変わる:ロストヴァ家・マリーヤside ―
[昨日眠ってしまったそのままに、サーシャの部屋で目覚める。
もはや日は昇りきって、いつもよりはずいぶんと遅い目覚め。
部屋をノックする音に、扉を開けると青ざめた母親の姿]
おはよう、かあさん。
いったいどうしたの?
[母親の姿に不安が募る]
[母親が口にするのはサーシャに来た手紙のこと―手紙の読めない娘のために読み上げたのは彼女だった―そして、宿で起きた惨劇のこと。
村に情報が回るのは、とても、早い]
な、なんですって!
[彼女の顔からもさっと一瞬で血の気が引き、次いで怒りに紅潮する]
[母親の腕をつかんで、ゆさぶる]
どうして、引き留めてくれなかったの。
それじゃ、生け贄みたいなものじゃない。
[いつかと覚悟をしていたのは、こんな場面じゃない――]
やっぱり、姉さんはこの村を出て行くべきだったんだわ。
[暖かな場所でなら、命をつなぐことも絵空事ではなかったのに、一度として頷いてはくれなかった]
いくわ、宿へ。
[まずは、なにがなんでも姉の無事な姿を目にするつもりだった]
― 第二幕・了 ―
―1日目 夜-深夜―
[宿に帰れば、何事も無かったかのように食事をもらう。
ドラガノフの「虹の樹の苗」が目に留まれば、ほう、と表情を和らげた]
育つと良いね。大きく、大きく。
[心から、そう思った。
その日の夜も、自室で遅くまで木彫り細工を続ける。そうして漸く完成したのは、水車小屋の隣にたたずむ、
髪の長い少女の人形―――]
―2日目―
[階下から響く絶叫で目を覚ました。何が起こったのか察しはついていた。けれど同時に、酷い絶望も感じていた。
この宿に人狼がいるのは間違いないだろう。だけど、それでも「何事も起きずに」日が経てば、無事に解放されるのではないか。
…そんな一抹の希望は、砕かれた]
――――――……アナスタシアさん。
[無残な女の屍には既に美しい布がかけられていて、その詳細を目にすることはなかったが。
顔を伏せ、冥福を祈る]
ドラガノフは、ドラガノフ を能力(下駄を蹴上げる)の対象に選びました。
[淡々と感情を見せず、或いは殺したように語るロランの説明を聞き終えれば、遠慮がちに口を開いた]
………ロランさんは、どうしたいの。
[唯一最後の科白、村を赦して欲しいとの言だけには、微かに感情の色が見えた気がしたが]
僕は嫌だよ、死ぬのは。…死なせるのは。
[ただ、守りたいと思う。膝の上で握る拳に力を込めた]
イヴァンは、オリガ の求婚を受け入れることにしました。
イヴァンは、求婚の受け入れをひとまず取り止めることにしました。
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