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メイアル・ユーリは、次に読めるのはいつかな ( B86 )
[ぐらり]
[世界が揺れる。]
[ぐるり]
[世界が回る。]
[ゆら] [ゆら]
[――どうやら、自分も揺られているらしい。]
[異物を吐き出そうと蠕動する、空間膜の収縮が感じられた。
肌に粘りついて離れない、気味の悪い感覚。
長年感じ続けたそれが、一斉に、襲い掛かってきて――。]
― 空き地 ―
―――痛ッ…
[――まともに、土へ叩きつけられた。
それも鼻頭からダイブのおまけ付。
起き上がろうと、手探りで周囲を探った。
皮膚に触れる硬い感触。
視界はぼやけていても、そこが現実であることを教えてくれた。]
[掴んだ何かを強く握り締め、体を起き上がらせる。
――枯れた、草の臭いが、痛んだ鼻を掠めた。]
[辺りを見渡せば――広がっていたのは、懐かしい光景。
自ら掴んで握り締めていたのは、高く聳える送電塔。
…夏ですらなく、一面の緑は枯れて茶に染まっていたが。
気配は、彼が知る時代のこの場所と、微塵も変わってはいなかった。
一面に広がる草の海。所々に生えた、人工物。
――幼い妹の手を引いて、広い空を眺めたことを思い出す。
眺め上げれば、かつてと同じように、送電線がぎしりと鳴った。]
[――19年以上前。ある事故があった。
姫倉本邸裏手の空き地、その近くにある小さな山。
その二つを遊び場にしていた子供が二人いた。
外は同業が狙っているかもしれないのだから、黒服をつけずに出歩いてはいけないと忠告されてはいた。
それでも少年は妹である少女を連れ出して、よく遊びに出かけていた。
内緒で出かける目的は三つ。
一つは、何のしがらみもなく、青い空の下を駆けたかったから。
一つは、まだ工房を持たない少年の修行場として。
一つは、父に内緒でこっそり、少女に魔術を見せてあげるため。]
[ただ、正確に言えば。
遺されていたのは、少年の右腕ひとつと、地を濡らす大量の血痕。
山と草原の境に、それだけが忘れ去られたように落ちていた。
…その日、少年が何をしに向かったか父は知っていた。
また、幼いながら、少年がどのような魔術を研鑽しているかも知っていた。
だから、黒服に少年が失踪したとの報を受け向かった先で、その現場を目の当たりにして――判断した。
場所に残された、巨大過ぎる魔術の残り香。
腕が落ちていた周囲は、あったはず岩と、草の群れが、くり貫かれたようになくなっていた。
我が子は自身の魔術に失敗し、消し飛んだのだと――絶望した。]
[少年の起源は「陥穽(かんせい)」。
空間を括ることを得手とした妹と違い、彼の魔術は対象空間に孔を開けることを得意としていた。
擬似的な孔を開けられた空間は、元の形に修復しようと周囲の空間圧を取り込む。
周囲のものを吸い込んで、空間圧――包括する魔力(マナ)へ溶解、変換し、孔を塞ぐ。
それは自然が秩序を保とうとして起こる現象であり、少年の魔術の埒外であった。
それが、致命的な盲点であり、失策であり。
同時に、父親に彼の死を突きつけた理由でもあった。]
― 蛇草町・姫倉本邸前 ―
[とにかく知っている道を歩くと、見知った家屋へ着いた。
草原と同じ。
家屋は、何の代わり映えもしていなかった。
強いて言えば、外壁が少し陽に焼けて、白くなっているくらい。
妹が踏み外したままの溝蓋も、道を挟んだ対岸で流れる田畑も。
今の季節は疎水は流れていないようだが、様相は変わらない。]
…何をどうしたもんやら。
[呟く男の姿は隻腕。
一本しかない左手で、ゆらゆらと揺れる右袖を掴んだ。]
[さてどうしたものか、と溜息をついていると、]
「……。人違いやったらすんませんけど…」
[声をかけられた。
振り向いた先にいたのは、一人の黒服。
初老を感じさせるその男は、――ああ、記憶より少し老けている。]
―――、やー加藤。久しぶり。
実に何年振りになるんやろうねえ。
[昔のままの笑顔で、挨拶をした。]
……ただいま。
[加藤、と呼ばれた黒服は、ほんの少し静止した後。
呆れとも、笑いとも取れない表情で、頭を下げた。]
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