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ふむ、これはね…。
僕の中に在り、また、僕を包みこんでいる闇だ。
君に見えているのはナルキッソスの姿だろうけど、今話している僕は、聖杯の意思…みたいなものだと、思ってくれ。
こっちの概念で話すには、都合がいいんだ。
君は、僕やナルキッソスが世界を…「滅ぼす」ことを望んでいたと知っているはずだね。
それを僕らが決意したのは、この闇に絶望していることを互いに確認したからだった。
人も願望機も、この闇に希望を見出せなかった。
そしてこの闇自体もまた、世界を滅ぼすというベクトルを持っている。この闇に喰われたものは、そういうベクトルを持つことになる。
この闇が何かを話す前に…
世界について、話をしよう。
生あるものが、死を望むことはない。
それは、ごく当たり前のことだ。
誰も、最初から滅びを望んでなどいない。
それは僕もそうだったし、僕と重なった彼…ナルキッソスにとっても同じことだった。
僕らにとって、世界は愛すべきものだった。
決して、憎むべきものではない。
我々が住んでいるこの世界は…ガイアよりも広い意味でのこの世界は、ただあるがままを望む眼差しを、すべてのものに向けている。
ただ自分を守ろうとするガイアにも、狭量な神々にも、愛なき人々にも、失われゆく文化にも、…生まれてくる生命にも。
例えば、世界が、人が何かを望むのと同じように、世界を滅ぼそうと「望む」ことなど、断じてありえることではない。
逆に、世界が滅びを「憎む」ということも、同じようにありえないことだ。
ただ世界は、あるがままであろうとする。
世界のありようが変わったと感じる時、それは自分自身が変わったということだ。
世界が滅びを望むように僕は感じたけれど、僕はどこかで、自分が滅びを望んでいたことを思い出すことができる。
僕がそれを意識し、決定的に意思を持って闇に抗い、世界を作り変えようと決めたのは、ナルキッソスが光と闇について知るべく僕に接触した時だった。
あの時、闇が噴き出したのは、僕らの願いが噛み合ったからだったんだろう。
彼は愛のない男だった。
多くの人々と、同じように。
ただ、彼は飛び抜けて美しかった。
彼の美しさは、神々をも惑わせた。
多くの人が彼の前に無条件で膝をつき、その手に口づけすることを求めた。
しかし彼は、愛するということをしなかった。
彼は綺麗な自分が好きで、その自分に何を知ろうともせずに群がる神や人を嫌悪していた。
彼が自分の役に立つものだけを選り分けて自分の傍に置くようになるまで、大した時間はかからなかった。
やがて、彼に向けられた愛と欲望は嫉妬と憎悪へと変わる。なぜ、彼だけがあんなにも美しいのか。なぜ、彼は自分のものにならないのか。なぜ、彼を自分の思うままにできないのか。
人々は彼を傷つけるようになった。
神々は彼を呪った。
傷付き呪われた彼は、その容姿と引き換えに、愛という感情を知ることができないという枷を与えられることになった。
それは、絶望だ。
人の愛と欲望を一身に受け、しかし自分は誰を愛することもできない。
やがて彼は孤独になり、自分の姿だけをその目に焼き付けて、死んだ。
彼は愛を知ることを望んだ。
それは光と闇を知ること。
彼は誰かを愛することを望んでいたし、愛することができると思っていた。
「だって、それは当り前のことじゃないか?」
だが、旅を続けた彼が見たのは、ほんの少しの「愛らしきもの」と、多くの「愛ではない何か」だった。
彼は多くの人と神から直接呪いを受けていた。
自分が人を愛せないのはその呪いがあったからだと思っていたし、事実そうでもあっただろう。
だが、多くの人と神は、彼と同じように、自分しか愛することができない。
それを僕は身にしみて知っていた。
彼はいつしか、僕に辿り着く。
遠く世界の根源へと至る門。
でも、彼がそこで見たのは…
人の心の闇に飲まれぽつりとたたずむ、聖杯という名の、世界を構成するちっぽけな一要素だった。
それが僕だ。
そう、この闇は、
君たちが、そして僕たちが、生んだ闇…。
すべての思いと願いの奥に潜む、闇。
君はこの闇を見てなお、絶望せずにいられるかい。
この闇を背負い、生きていくことができるのかい。
僕らがどれだけ手を伸ばしても。
すぐに闇に飲み込まれ、見えなくなってしまう。
闇は僕らを包みこみ、喰らい尽くそうとする。
それでも、君は…。
そのままで、いられるのかい。
そんなものは知らぬであるよ。
[大の字に倒れる。すでに身を起こすだけの余力もない。]
選ぶ余地さえない人生であったからな、我が輩は。
[全ては領民のために。ただそれだけの人生に於いてどれほどの選択が出来たというのか。最愛の妹ラドゥにさえ、性別を偽らせるほどの道を歩ませて。]
だが、まあ、そうであるな。
この身になって判ることもある。
[懸命に右手を持ち上げる。目を開けてみても力なく震える腕は闇に溶け、指先さえもよく見えない。]
蝙蝠など、闇の中でも生きているのよ。
闇は畏れるものなのかね。流れる時間の半分は闇の中であるよ。
光が届かなくても、何も亡くなりはしない。ただあるがままに受け入れればいい。
――それだけであると思うがね。
[再び目蓋を閉じる。]
ただ、ひとつだけ我が侭を言わせてはくれんかね。
そのための聖杯なのだろう?
光が届かなくても、
何もなくなりはしない、か…。
ふふ。
そうかもね。
闇とともに生きる決意、それが君にあるなら…
僕はただ、願望機としての役割を果たそう。
でも、忘れちゃダメだよ。
その決意を。
闇が消えることはない。
「僕ら」が抱えた絶望も。
君のような人がいつもいて、「僕ら」や「闇」を受け入れて、そして止めてくれることを。
僕らはどこかで、願っているのかも、しれない…。
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