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セーラー服に機関銃……。
さすが、姫倉組。
[ごくり。女である胡蝶から見ても、スタイル的にもお約束的にも生唾モノだった。難を言えば、年齢的な制約で初々しさより色香が勝りすぎている点]
まあレプリカであれ、機関銃なんて持っていたら
銃刀法違反で逮捕され……って、
あれもしやホンモノでは。
[何せ出所が極道姫倉組。思い当たりがありすぎて、げっそりした。
如何なる幸運の作用か、彼女を取り囲んでいた巡査たちは別所へは走り去る。
さて、どうするか。一部始終は、つい癖で噴水側の植込みに屈んで覗いていたので、周囲からひそひそと「ママー、あれ何?」「しっ、見ちゃいけません」的に敬遠されていた。
アーチャーとのパスが異様に近い気がしたが、恐らくは薬による錯覚だろうと潜伏続行]
―中央ブロック/駅前―
[どのような服装であれ、
女神の気配纏うライダーはうつくしく
人目を惹いた。感心しながらもアーチャーは考える。
――あの服はなんだろう。
真顔で考える。
――あれがヒメクラのいう修行の衣装か?
何かが間違っていた。
そして主の気配がとても近かった。
気のせいではあるまい。
近づくべきか否か逡巡。
するり、猫が腕から抜け出していった。]
[いまだ上半身は包帯姿だ。
怪我も見える部分は癒えていて、余り包帯の意味は感じなくなっていたが]
おはよー。
ごはーん。
[姿の見えたルナへと声をかける]
[機関銃を隠し、スクールバッグを肩にかければ。
どこからどうみても、普通のジョシコーセーとやらになったはず]
――……うーん?
[しかして、向けられる視線は未だ消えず。中でも気になるのは、二つ。
注目を浴びるのは、慣れているが。どうも、そういうものとは別の感もある。
いや、別というか、そもそもこれは……]
片方は……サーヴァント?
[らしき気配の方向へ、視線をやった。
もっとも、鷹の目があるでもなく。
人ごみに紛れ、見知った英霊の姿は捉えられなかったが。
猫が、一匹。たたっと、走るのがみえた]
[もう一つの視線は、どうしたものか。
サーヴァントではないのだろうが、こちらを見据えて、動かない]
――……どうしようかな。
[天の猟犬を喚び出せば、直ぐに捕まえられるはずだが。
この人通りの多い場で、レラプスを唐突に具現するのは、賢くはないだろう。
何しろ、レラプスは、小柄の女子供であれば載せて運べるほど、立派な体躯をしている。
一騒動になることは、間違いなかった。今度、官憲に見つかれば、一発アウトだろう。たぶん]
[そして、結局。]
…… アヤカ?
……どうした格好だ、其れは。
[セーラー服に近づいていく
書生ルックの青年、というまたこれはこれで
謎の図が出来上がるのであった。]
[近づいてくる人影、いや、サーヴァント影。
それは、見覚えのある――イレギュラー以外はすべて、見知っているのだが――ものだった]
ああ――カリン。奇遇ね。
ん、これ? 似合う?
なんでも、この国の若い娘が、コーコーっていう学び舎で着る衣装で……、
ヤクシマルヒロコっていう、魔弾を放つ英霊が着ていた礼装でもあるそうよ。
[エウロパさんは致命的に勘違いしています]
―中央ブロック/駅前―
えーと。
密偵は見た!
極道の妻の不倫現場!?
[両手の親指と人差し指で作ったファインダーの中に、衆目を浴びる艶やかな女子高生と書生風の留学生を収めて、どこぞのスクープ週刊誌的なタイトルを飾る]
……というのは冗談として。
まあ、あやつには儂の場所は分かるであろう。
今の内に儂は、儂は、……!
[てけてけ小走りに広場を離れ、駅ビルの入り口へと向かった]
姦計で攫われたおみっちゃんがどうなったか、確かめねば!
―中央ブロック/駅前―
[よもや主にスクープ風に
切り取られているなどと思いもせず。]
ああ。
似合うは、似合うが。
あまり見ない格好だと思って……。
[自分は棚上げだった。]
コーコー?ヤクシマルヒロコ?
[また首を傾げた。]
…そうか、魔弾か…。それは興味深いな。
[なればクラスはアーチャーか。ライバルとなるだろうか。
残念、勘違いは伝染してしまいました。]
だが、何故その格好を?
[完全に夫婦と誤解されているとは知らず。
生前から、既婚者だし愛人@天空神もいるので、不倫どころではないのが真実だ]
まあ、いつもの格好から、気分転換したかったから……、
それで、マスターに合わせたの。ゴクドーって、こういうものらしいから。
[勿論、そんなことはない。ああ、マスターといえば]
そういえば……あなた、一人なの?
昨日もひとりで、買い物をしていたけど。
[まあ、自分が言えた義理でもないのだが]
[げに恐ろしきはギリシア神話の奔放さ。
だがエウロパの正体知らぬアーチャー組は
其処まで考えが及ぶはずもないのだった。
ちなみにカルナの母は結婚前に太陽神と子を成した。要はカルナは不義の子だ。]
成る程。
…、ヒメクラに合わせるなら
和装ではないのか…。
[並んだ図を想像してみた。凄かった。]
ああ、……買出しくらいならと思って
出てきたのだがな、ちょっと想定外の事態に
遅くなった。
[猫が足元で鳴く。]
ヒメクラに、北のほうで逢ったが…そちらも別行動なのだな。
[包帯姿のまま客室から出てくる]
部屋貸してくれてありがとう。
怪我の方はもう大丈夫。エラトの薬が効いたみたいだ。
[包帯の上から触れても、もう痛くはない]
ま、ちょっとお腹すいちゃってるんだけどね。
不調なのはそれ位かな。
[言いながらお腹をさすった]
んー……私が和装というのは、似合わないわね。
なんでも、胸が大きいと、着物ってダメらしいわ。
あなたのとこの、コチョーはとても、似合っているけど。
[別に悪気はない。全くない。
が、胡蝶が場を去ったあとで幸運だったかもしれない]
……想定外、ねえ。
ああ――可愛いわね。うちの仔ほどじゃないけど。
[カリンの足許で啼く猫に、視線を落としながら。少し、考える。
商店街へ赴くのに、北から現れたということは。かれらの拠点は北なのだろうか。
いや、この不幸なサーヴァントのこと、道に迷う想定外があったのかもしれない。どうだろう]
タツオが?
ああ……まあ、そうね。
別行動というか、脱走されたというか……何か言っていた?
―中央ブロック/駅前―
そうなのか?
ああ、それで――…
……いや、…なんでもない。
[大変失礼なことを云いかけた。
首を横に振る。胡蝶に伝わったら大変だ。]
今日、魚をやったら懐かれた。
猫を追いかけて、が想定外でな…。
[可愛い。あの猟犬か。少々大きい気がするが
突っ込まないでおいた。]
ああ……。……抜け出して、と聞いた。
ヒメクラは……新しい修行場を探していた、と。
/*
あ。
背が低いだけで胸はちゃんとあるのじゃよ。
小さいのにデカッな人がモデルなので。
中の人はロリ巨乳には全く興味はないのじゃがの〜。
ペタ幼女は飽きたのじゃ。
あ、おはよ。
大丈夫になったなら良かったけど、…包帯のままだと痛々しく見えるね。
[キッチンに入った辺り、姿の見えたユーリに苦笑を返しながら
ぱか、と冷凍庫を開けて中を見てみる。箱入りアイスの姿が見える。
…一度溶けたアイスを再度凍らせてみたは良いが、味の方は如何なものか。
――気になるので食べてみたいけれども、
朝からアイスは…という常識的な部分と、味的な勇気が起きずに
結局、ぱたん。と再び冷凍庫の扉を閉じた。
トーストでも好いか、と食パン二枚を取り出してトースターにセット。
しばらくして焼けた其れを、一枚差し出した。 とりあえず一枚。
流石に朝ご飯まで、エラトに任せる訳にも行かないし
…というか、そこまでこなされたら何と言う家政夫、という話だ。]
この後、ユーリ達はどうすんの?
[かし、と軽い音を立ててパンを齧る。自分も買い物行く必要があるし、あとは――]
隣町、見に行こうかなとは、思ってるけど。
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