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[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
滝川 志乃 は、ライダー を占った。
次の日の朝、自警団長 ヘクター が無残な姿で発見された。
《★占》 ライダー は 人間 のようだ。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、無頼 陣、ゲームマスター、監督者 ルーサー、メイド セリア、姫倉 達生、望月 胡蝶、アーチャー、メイアル・ユーリ、ライダー、オルグロス、アサシン、滝川 志乃、キャスター、ランサー、ラナ ヴラニェシュ、バーサーカー、ジュリア エンジェル、セイバー の 18 名。
―― 西ブロック/古屋敷 ――
[屋敷の地下室。年を通して陽の当たらぬそこにひとつの棺桶が安置されている。
公園の戦闘において発生した爆風で屋敷が揺らいだ時も、棺桶はただ沈黙を続けた。
Eternal Immortal
―― 黄 昏 の 具 現 化 ――
Amurg de Realizare
ワラキア公爵ヴラド3世としての力ではない。
ヴラド・ドラキュリアをモデルとするトランシルヴェニアの魔人、吸血鬼ドラキュラが不死の悪魔として畏れられる由縁。
肉体が滅してもその灰さえあれば、己の棺桶に拠りて復活する。
若き娘――ジュリア――の生き血を触媒として創られた棺桶の中で、セイバーはすでに肉体の再生を終えていた。
後はいま暫く、魔力の充填を終えるまで眠り続ける。]
― 南ブロック / 拠点 ―
…ん……。
[目が覚めた。遅れて覚醒してくる意識。
体だけが、まだ鉛を塗られたように重い。]
ここは…拠点……か?
[昨晩のことを思い出す。
エウロパを迎えに行った。そして、意識の掠れた後――確かに彼女の声が聞こえた。
最初の立場が逆だな。なんて思いながら。]
――無事やったか。良かった。
[改めて、息をつく。しかし表情はすぐに歪んだ。
脳はもう痛んでいないし、傷も手当てがしてあるらしい。
きっと加藤辺りがやったのだろう。
だから、表情が歪んだのは別の理由。]
投票を委任します。
望月 胡蝶は、メイド セリア に投票を委任しました。
[障子紙を通して感じる光。
立ち上がれば、さすがに右脇腹の傷が傷んだ。
凍り、欠けた時の傷も、じわじわと。
軽く押さえる。
そして、ゆっくりと障子に近付いた。
開けば、平穏な朝陽が届く。
――重なる、昨夜の光景。
あの公園はどうなっただろうと、暫し遠い目をした。]
……。何も、出来んかったな。
[ブレスをどう防いだかは、記憶にない。
暫くの瞑目。
鳥の鳴き声が聞こえた。]
―朝/西ブロック:望月邸―
[夜が明ければ雪はやんでいた。
大規模な停電も、
焦土と化した公園も、
教会が《事件》として処理するのだろうか。]
――――…ん
[アーチャーはゆっくり目を開ける。
昨晩あれほどに雷へ肉薄したせいであろうか、彼方の記憶を瞼の裏に見たような気がする。
身分の壁。
許されなかった挑戦。
それから、呪い。
視線は障子窓の外。
何処か遠い目をして居た。
冷え込む秋の朝、
封印のように包帯で右目を覆った。]
アーチャーが「時間を進める」を選択しました。
[思い出されるナルキッソスの言葉。
枕元に置かれた傘を見る。
19年使い続けたボロボロのそれは、昨夜の戦闘で紙が少し破けていた。無茶をし過ぎたのだろう。
酒瓶も、無頼に使った一本を除いては健在だ。]
――。良かった。ほんまに。
[襟を少し引っ張って、胸の令呪を見る。
一画の消費、けれど青年は止められなかった。]
…あいつ、また無茶してへんやろな。
[呟く。
やがて心が落ち着けば、朝食の用意に向かう。
さて、放置された炊き込みご飯とドーナツはどうなったのか――。]
[今日はコンサルティングの仕事という気分にはなれない。
経過も見なければなので、一度向かう必要はあるが。
朝食を食べたら、エウロパを連れて表向きの仕事場へ向かった後、今日も霊光院辺りで修行をしようと、頭の中で予定を立てた。
西と、公園がどうなったかを日の下で*確かめがてら*。]
姫倉 達生が「時間を進める」を選択しました。
セイバーが「時間を進める」を選択しました。
―西ブロック/望月邸―
[休息を必要としている身体は重く怠く、意識だけ覚醒してもなかなか布団から這い出せない。微睡みの中で見た夢は泡沫の如く消え失せてしまっていた]
……っつ、
[包帯の巻かれた肩が、思い出したかのようにじくじくと痛む。敷布の上でしばし身悶えしてから、覚悟を決めて起床した。
忍装束の上に重ねる着物は、昨夜の教訓からなるべく安価なものを選ぶ。菊尽くしに月と雁をあしらった秋の柄]
[朝の食卓には相変わらずの餡パンとドーナッツ。結局昨日も買出しはままならなかった。
いくら餡パンのシンプルながら奥深い味わいを愛していても、連日この貧しい朝食はお嬢様的に辛いものがある]
自炊できんのも考えものじゃな……。
[料理人にやらせればいいじゃない、で罷り通ってきてこの有様。
口にすれば渋面はややほぐれるものの、笑みとまではいかない。
ちなみに、山篭りや野戦サバイバル技術は習得しているが、蛇や獣を捌いて食べるのは料理の内に含まないだろう]
望月 胡蝶が「時間を進める」を選択しました。
…。
必要そうなら、
学んでみるが。
[パーンダヴァの長兄ながら
川に流され捨てられ御者の息子として育った身、
なんらか料理程度なら可能かもしれぬ。
緑茶を淹れながら
朝刊を読む主へ視線を向けた。]
やりたいのなら止めはせぬが、
聖杯戦争とは関係ない枝葉にもホドがあるぞ。
[というか何故アーチャーが急須を傾けているのだろう。ごく自然に、ナチュラルに!
短い礼を言って湯呑を受け取り茶を啜る、まで一流れで動いてから、咽せた]
…昨晩のあれは、
さながら神々すら抵抗しがたい焔《agnea》のようではないか…
[苦い顔をしてから]
確かに聖杯戦争には関係ないが
、――…?
[咽る主を、瞬き1つ、不思議そうに見た。]
どうしたのだ。
[咳き込むと肩から肺まで轢んで、卓に肘をついて突っ伏した]
小人さんが、儂が寝ておる間に
掃除や朝食の準備をしてくれるのじゃな。
これぞまさしく……、
[ブラウニー。
言葉にせずとも分かっているだろう、半眼でアーチャーの片方だけの視線を受け止める]
そうじゃ、昨晩の傷は癒えておるのか?
あの時儂を庇って火傷したじゃろう、儂よりも酷く。
──…
ン。
[硬くしっかりとしたトナカイの毛皮が手のひらに触れる感触。舞い散る雪の華は、灼熱の余波で溶けて水に成りもする。
教会までの距離は、騎乗出来る乗り物があれば然程遠くは無い。
移動の短い時間。骨張った長い指先を空に掲げ、その隙間から繋がった糸の先を見通そうとするように、注意深く首を傾けた。]
[狂化が解除されたけだるい身体の脱力感で、マスターの残魔力を実感しながら、指を曲げた。混戦だった戦闘では、マスターの避難が可能だった。エラトや巨人を操るサーヴァントと目的が一致していた故に、効率よく戦う事が出来ていたと言えるだろう。
ムスリムの子どもの英霊と戦った時よりも、慣れて来たとも言えるが。
だが、今後、展開がより激しくなれば、戦闘中におのれは自覚無いままに、マスターの魔力を使い尽くして、そこで終わる可能性を感じずには居られなかった。]
──…
嗚呼、
神に祈ろう。
[顔を顰め、天を仰ぐ。拷問にも使われる針を取り出し、無言で片耳に突き刺した。行為の理由を問う者が側に居れば、正気を確かめているとだけ答える。確かに、今は狂化が解除されていた。]
―望月邸―
[身体が軋むらしきに口を噤み、見守る態。]
私は小人ではないぞ。
[そして不服そうであった。
ブラウニーでもないと半眼に半眼を返す。
傷を確かめるように己の肩に触れた。]
ああ、……程々には。
夜には問題なく回復しよう。
[――生まれたときから一体だった鎧を
引き剥がしたのに比べればさしたる痛みでも、とは口にはしなかったが。]
主こそ、昼の間に養生しておくべきかと思う。
/*
眠いと独白が増えるのう。正確には寝る前のハイ。
本当に眠いと、頭働かなくて文章が出てこなくなる。
戦闘描写は長く悩んで、相手と矛盾して半分削って、
みたいな作業を延々やっておるからのう……。
プロ〜1日目序盤まで、さっぱり状態じゃったが、
漸く昨晩あたりで筆がのってくるようになったのう。
そういえば、珍しくエロg書く気が皆無じゃったり。
最近本当に枯れておるのと、相手あずまさんじゃし←
恋愛はないにゃー。凛ルートや桜ルートの士郎とセイバーの関係
みたいのが理想じゃったり。弓主従は意識すると引きずられるのでry
茶を淹れる姿が、
あまりにもしっくり様になりすぎておったので、つい。
[和服も相俟って、抹茶を点てるところまで想像しても、似合っていた。
几帳面さと普段の静謐な雰囲気の賜物かと、くつり忍び笑い]
さすがに昼間に戦闘する気は起こらぬが、
行きたい場所やりたいことは山積みじゃ。
……時に、おぬしは龍が倒されるところまで見ておったらしいが。
実際に対峙して、八組目をどう思う?
[大方予想通りの記事の内容、その端々に教会の介入が見える新聞を畳んで、もう一杯茶をねだる]
ついでに、おぬしが見た範囲で
他のサーヴァントの宝具っぽいものも整理しておくか。
そうそう、歌劇座のサーヴァント――鰓の正体は
ほぼ確信したのじゃ。老若男女知らぬ者は居らぬじゃろう、
超有名英霊様じゃった。
[知名度が高ければ幻想の威力は増す、反面正体がばれやすい。
諸刃の剣じゃな、と小さく呟く]
―南/望月邸―
…そうか。
[様になりすぎる、とは悪い意味ではないのだろうが。
強請られ差し出された湯のみに茶を注ぐ]
調べ物も、まだだったな。――…。
8組目だが、…奇妙、だな。
竜の他に、中心あたりに動かぬ英霊が在ったようなのだが
その気配は戦いが終わると共に消え失せた。
あれらのマスターが同じとすれば、
どれだけの魔力貯蔵があるのだと。
[否、それは人の身で可能なのか。
考え込み、眉を寄せた。]
我が主、マスターの気配があったかどうかは覚えているか?
/*
そういえば役職予想とか全然しておらんのう。
人狼は、GMではないのじゃっけ?
GMキャラ除いて赤3人?
赤もあって多弁キャラじゃったらどうかしておるこの村。
弓の中の人も全くいつ寝てるんじゃろう。色々。
さすがあずまーt
[尚、アグネアとはマハーバーラタに記載された
恐るべき兵器の名である。インドラの矢とも称される。]
宝具、か。
あの…竜を切り裂いたのは
巨大な車輪に見えた。
それから、…アヤカの呼び出していた巨大な銅の巨人か。
[状況を覚えている限り説明する。
ランサーの「即身成仏・金剛之型」
アサシンの9つの分銅は宝具だろうか。
話がエラトに及ぶと]
…そのような名高い英霊であるのか。
[西洋と現代の知識不足のアーチャーは、
真剣な顔をして居住まいを正す。]
遠くて分からなんだ。
ただでさえマスターとサーヴァントが
公園に密集しておったようじゃしな。
[数えている暇などなかった、と正直に告白する。
再び湯呑を傾けて、ほっこり一息]
重複しておるサーヴァント等を全て斃しただけで、
いっそ聖杯が満たされるのではないかと思うほどじゃ。
……それとも、既に満ちた聖杯が供給源なのやも知れぬ。
[他の可能性も昨夜挙げていたが、敢えて一つに絞った]
調べ物は、引き続きサーヴァント対策で神話や英雄の書物、
それと例のマスターの正体、じゃな。
あれでくたばってくれれば良いが、楽観はできまい。
……そして買出し。
[最後が切実]
サンタさんがバーサーカーは哀し過ぎるから却下。
キャスターかライダーじゃろうな。
認知度が高いのは死後の話じゃから、生前の伝承は調べてみる価値はある。
……赤服で白髭で小太りなお爺さんと
相場は決まっておるじゃろうに、詐欺じゃ……。
[サンタクロースを知らないカルナに、ざっと説明した。
目蓋の裏に、昨夜のしんしんと降り注ぐ天使の羽根を思い描きながら]
姫倉妻も、バーサーカーといった雰囲気ではないが、
銅の巨人か……。
[顎に手をあて、一つずつパズルのピースを埋めていく]
…では、特定はできないな。
[激しい混戦模様だった昨夜の公園を思い出す。
湯呑みの茶は湯気を揺らす。
主が古きよき日本の風景(しかし男女が逆)を
連想したなどとは露知らず]
《聖杯》を満たしてこそ
《願望機》として機能するのだったか。
……――《聖杯》から力が溢れたなら、
どうなるのだろうか。
[満ちた聖杯が供給源など、
無地蔵な魔力が湧き出る泉を持っているようなものではないかと苦い顔をする。
願いを叶えられなければ、己の居る意味は。
調べ物、そして買出し。
――主の言葉に、深く頷いた。]
…成程、外見さておき
サンタクロースとは人知れず贈り物を配る
いわゆる隠密のようなことをしているのだな。
[何かずれた。
口をつけた茶が熱かったらしく誤魔化すように口を噤んだ。]
/*
>主が古きよき〜
恥ずかしいから復唱しないで!!!!!!!!!(*ノノ)
なんで書いちゃったんじゃろう儂の馬鹿!!!!!!!!!!!!!
/*
病院で入院患者データはっきんg
がしたいんじゃが、やってる時間あるかのう。
ナースのコスプレして←
というかいつまで儂等のターン!?!?
もっといっぱい願いが叶うようになる。
……なんて都合のいいものではなかろうな。
[聖杯の力が溢れ零れたらどうなるか。
嫌な想像は、昨晩の焦土を髣髴とさせる。
頬杖をついて、嘆息]
聖杯が手に入れば、あの公園も
元の緑溢るるものに蘇らせることができるのじゃろうか。
忍神町も……。
[けれどそれは過去の改竄。
聖杯に望むものが、もしかするとこの世界でない、別の世界を形成してしまうのではないか。
強い意志を秘めながらも、一抹の不安がある。
物憂げに睫毛の影を頬に落とした]
おぬし、猫舌じゃったのか。
……可愛いのう。
/*
本当ならば「愛いやつ」と言いながらからかった挙句擽るところじゃ!
(それは対中の人)
あれやっぱり儂なんかおかしい。ねもくて箍が外れておる。
/*
これはアレか!
胡蝶に中の人がはみ出てる!!
最初の頃はキャラ作り頑張っておったはず、なの、に……!
……眠いんじゃなほんと。
…そうなまやさしいものでは
ないようには思う が。
[主が嘆息するさまに、溢れる《聖杯》については
それ以上口にしなかった。]
《願い》を叶えるものならば、
可能なのではないか。
《奇跡》でなければ、求める意味も、ない。
[一度は受け入れた「悪」に加担する死の定めに背ける
《奇跡》でなければ、意味はない。]
……いや、別に。
猫舌とか、そんなことはない。
[真顔で否定した。]
―朝・居間―
[炊き込みご飯とプラスアルファで、朝食を終え。
甘いものがあると聞けば、目を輝かせ、食後にドーナツをはむり。
魔女の秘薬のような緑の苦い湯を傾けつつ、流れるニュースをぼんやりと]
『――現場の田中です。
私はいま、樹那森林公園にきています。地面が抉れて、凄い光景です。
原因はまだ不明ですが、関係者の方の話では、隕石の落下が疑われているようです』
[クレーターと焼けた木々を背景に、キャスターが話している。
隕石。ある意味、間違いではないが]
奇跡の結果が、少し恐い。
命を賭しても目指すもののはずなのじゃが、
ふとこの方向で合っておるのかと、竦んでしまうことがある。
……不平等じゃと、言ったじゃろう。
正確には、儂にとっての「過ち」と、大衆のそれが
合致せぬからじゃ。
[それも、アサシンの少女が言うように、「聖杯を手に入れてから考えればいい」こと。
杞憂であればと思いつつも、表情は翳る。取っている行動はアーチャーを揶揄うものだが]
猫舌じゃろう?
[再度念を押しながら、湯呑を前に狼狽も露なアーチャーの顔を堪能して、にまりと唇の端をつりあげた]
−TVの中−
えー、私昨日みてたんですけどお、もうすっごいおっきな意志・・・・・・じゃない石がどごーん!って。もうどごーんなんですよお?
セリア驚いちゃって〜。
あ、そろそろセリアお使い終わりで教会に帰らないといけないですうー
[インタビューをうけていた]
―昨夜・教会―
[戻ってきたエラトとセムを出迎える。
龍は消えたが倒せたかはわからないと言う]
消えた、あのその前の戦闘と同じ消え方なのかな。
ま、いいや。消えてないと考えた方が無難しょ。
警戒はしてて問題ない。
んでだ。教会への報告も済んだことだし、食事でもしないかね。
共闘結ぶためのコミュニケーションとして。
[なんのことはない。理由を付けただけで単に腹が減っただけである。
ルナの様子も少し疲れたように見えた。
おそらくはセムが暴れたのだろうと推測して]
帰ってエラトに作らせようかと思ったけど、疲れてるだろうからね。
[ファミレスをチョイスし、拠点へと戻ったのはそれから暫くしてか。
戻ると、ベッドに潜り込んで泥のように眠っていた。
見る夢は、ない。
声が脳裏に響く。
それは良く聞いていた声。
今はもう聞こえない声。
目を覚ますとまだ夜中で、寝汗を手の甲で拭った]
やなもんみた。
もっかい寝る。
[まだ夜明けは遠い。
本来の夢を見る時間は充分に]
―朝・拠点―
[その場所は赤く灼けていた。
本当なら、一つの町がそこにあるはずだった。
赤く赤く。燃える世界。
汗を垂らしながら、世界をくぐり抜ける。手にはどこかで拾った杖が一つ。仕込み杖になっているそれはどこで調達したのだったか。
それでも、自分はどこかを目指していた。違う道を通って、赤く灼ける中をまっすぐに。
誰かがいる。目の前少し遠くに。目を凝らす。赤い服。
地面に膝をついて、下を見た。
落ちていく感覚がして、どこかに手を伸ばす。手に取ったものは細く。けれども強度はあって、自身の身体を支えた。
立っていたのは誰だろう。エラトだった気がしたけれど、自信はなかった]
[目覚める。
夢見が悪いと思った。
もともと何が夢にでてくるかは自分でコントロールできるものではない。
ある程度は方向性をつけられるが、普段はそれで良くとも今は違う]
爆発するもん、無かったな…。使うことなきゃいいけど。
つか。なんでエラトでてくるん。
[やつは呼び出さなくとも来るだろ。そんなことを思いなから、ベッドをでた。
シャワーを浴びて、服に袖を通す。丈の長いチュニックに七分のパンツを合わせてもちろん両方白だ。
首に赤のストールを巻いて。
キッチンに向かうとまずはテレビを付けた。ニュースに映ったセリアの姿には目を瞬かせる]
何やってん。
ま、間に合わないよねぇ。
そらニュースにもなるわな。
[エラトに朝食を要求すると椅子に腰掛けた。
支度を待ちながら、髪の毛を整える。高いところで一つに結ぶと、毛先の向きをそろえる。
ニュースを一通り見たところで、朝食に手を付けてた。
無論、食欲はいつも通りだ]
[叩かれた拍子に、チャンネルが変わったニュースは続く]
『樹那町の爆発事件当時、付近を訓練飛行中だった、航空自衛隊のF-4J戦闘機が確認に向かい、事故で墜落したとの情報が入っています。
パイロットは無事とのことですが「いいのかい、俺は無傷だってベイルアウトしちまう男なんだぜ。あ…あんなことがあるわけない。あるわけないんだ。オメガ11いじぇーくと!!」とうわ言を繰り返しているとのことで、一部では、隕石ではなく宇宙人の怪電波発生装置という説もでています』
[勿論、んなわきゃない]
正義に酔ってるねえ。皆。
でも正直に言えば、僕の方が正義に近いと思うよ。
君たちは、闇だ。
例えば、望月。
君は聖杯を求める。
君の望みのために。
その望みのためなら…
君は僕を殺すことを厭わないだろう。
つまり、君も他人の命を軽んじている。
君が勝手に作った自分ルールによれば、それは「命が軽い」ってことになるんだっけ?
他人にだけ勝手な理屈を押しつけて、自分だけは正義面とは、恐れ入るよ。
緑溢れる公園、ってのも滑稽だね。
あれは君たちがそういう気分に浸るために自然を壊して作ったものじゃないか。
あまりに、醜い。
自分も人殺しのくせに、他人には「人殺し」と指を突き付けて正義に酔う。
君みたいなのがいるから、世界から戦争がなくならないんだよ。
僕は「高尚な願いがあるから人を殺してもいい」なんてことを言うつもりは全くない。
「僕には僕の願いがあって、それに立ちはだかるものは打ち砕いてみせる」…それだけだよ。
君たちと同じさ。
君たちがそうでないのなら…
今すぐリタイアしてくれないかな?
リタイアしない、ってのは、つまり「自分の望みのためなら他人は殺してもいい」と追認すること。
だって、聖杯戦争は、そういうものなんだから。
世の中はほどほどに豊かになっておるし、
儂は身内に不和を抱えておるわけではないし、
聖杯に望むほどのものを、
夢みなくなっておるのやも知れぬな……。
[テレビ番組がオカルトかぶれになっているとは知らぬまま。
新聞記事だって大差ない眉唾情報で盛り上がっていた]
何故そんなところで、
子供のように意地を張るのじゃ?
おぬしの舌の火傷を治すのすら、
儂の魔力なのじゃぞ?
[こてりと無邪気に首を傾げた。
無論、十分すぎるほど楽しんでいる。何かに目覚めてしまいそうなほどに。
アーチャーが猫舌を認めるまで、弄り倒す所存]
―望月邸―
[願い、切に、夢見ることなく。
その思考を巡らせる前に]
…… … っく…。
[勢い茶を飲み干したが後悔した。
口元を覆って肩を震わせた。
この強情さがパラシュラーマに
身分を偽る行動を取らせたのだろう。
尚身分を偽って必殺技を授かったが
後にバレて呪い(その1)をかけられている。
それもこれも師匠が宿敵アルジュナびいきでカルナに必殺技を授けてくれなかったことに端を発する。]
… あつ、かった
[ぽつり そう認めるまで暫くかかった。]
「英霊なんて亡霊みたいなもんだろ」「たかが聖杯のために殺し合いなんてくだらない」「それでも通したい望みがあるなら言い訳せずに壁を撃ち砕いてみせろ」「そうでないならやめちまえ」「そこでやめちまうようなやつは生き延びていけないだろうけどな」みたいな。
(前半は1のランサー、後半は2のガトリング
……っくく、
遊び過ぎたか。すまなんだ。
[堪えきれず爆笑、うっすら涙まで浮くほど。
身を乗り出して、向かいに座るアーチャーの、今は藍を髪をぽふぽふと撫でた。
揶揄った謝罪の意だが、子供を宥める感覚に近い。
ちなみに立っていたら届かないのだった]
おぬしも変に頑固じゃのう。
猫舌くらい隠すことでも恥じることでもなかろう。
[走馬灯のようにアーチャーが、呪いに纏るエトセトラを回顧しているとは露とも知らず。
一頻り笑ってから、本日の外出]
−西ブロック・古屋敷−
[昨夜の凶暴な音や風の中、セイバーの棺から離れる事もなく、雷を恐れる子供のように小さく震えていた。
棺にもたれかかって静かな寝息を立てている傍らには、ウィスキーの瓶が転がっている。]
……………………。
ジュリア エンジェルが「時間を進める」を選択しました。
── 昨夜 ファミレス>>32>>33 ──
[食事の提案にラナは何と答えたのか。
ハインリヒは、エラトが食事を作ると言うメイアル・ユーリに驚いた後、ファミレスは店舗によっては24時間営業と知って二度驚く。この樹那町は、首都級の大都会ではなく、住宅街が中心となった場所であると言うのに、朝まで目映いネオンが付いている店舗も有る。]
このような時刻に
食事が出来る場所が有るのか。
酒場でもなく……。
嗚呼、あの堕落を誘う甘い菓子といい、
随分と──随分と、
世界は欲望を満たす事が容易な場所になったものだ。
[ごく真面目な調子で語たる。このような世界に置いてマスター達は魔術師としての栄誉の他に何を望むだろうか、とも。]
メイアル・ユーリは、よく食べるのだな……。
[ファミレスで注文した安価な葡萄酒は酸味が強かった。イレギュラーや、他の英霊についての話題はあったのか。]
―西/望月邸→外へ―
……私はこどもではないぞ。
[髪をなでられてなんともいえず
複雑そうな表情を浮かべた。
過去の出来事を振り払うように首を横に振り。]
そのように笑うことでもあるまいに。
[と、控えめに抗議しつつ
外出する主に付き従う。]
なんかバットマンみたいになったな。
正義について考えすぎて一周してしまったような。
「正義」だったら何をしてもいいのか。
「悪」だったら殺してもいいのか。
「悪」とそれを決めるのは誰なのか。
「正義」と名乗っても、相手を「悪」と罵っても、人を殺せば人殺しなのは変わらない。
「正義」とは「その人の理想」にすぎない。
その理想のためになら人も殺す…
そういう決意があるか否かが全てを分ける。
── 拠点 ──
[ハインリヒは、魔力を消耗しているマスターを壊れ物のようにそっと扱おうとする。]
嗚呼、私は決して
意思の無い人形や
深窓の令嬢のように扱いたい訳では無い。
ただ、 ──…ッ
[目隠しを必要としない拠点での会話。立って話をしようとすると随分と低い位置にある灰銀を覗き込み、血のような真紅の双眸は、人間的で苦しげな色を滲ませる。]
資料となる書物と、
葡萄酒を買ってすぐ戻る。
……買物の仕組みは多少時代を経ても
極端な変化は無いのだろう。
[昨日とは逆、ラナを拠点に残して日の高い刻に出掛けるのはバーサーカーの方。]
大人にも見えぬぞ?
[半神半人相手に、割と酷いことをさらりと言った]
頑固で、正義感が強くて、直向きじゃ。
[それは、大人の多くが諦めて捨て去るもので、叙事詩や英雄譚には憧れが詰まっているとも言える]
神様は人間を虫けらのようにしか思ってないじゃろうとか、
英雄と言えども、一人の犠牲もなしに武勇を馳せることはなかろうとか。
英霊を見縊っておったのやも知れぬな。
[昨夜の激戦を思い出して、やりきれなさの残る溜息を吐く]
まあその英雄としての高潔さが、色々と邪魔なこともあるのじゃが。
[ちなみに、今日は片手に紙袋をぶら下げている。中身はいざという時の仕事道具。
荷物持ちはアーチャーに任せて、食料と本を調達するために商店街へ]
−教会−
ふう、さすがに今回の後始末は大変ですの・・・・・・
[携帯電話を片手にメイド姿のセリアがもどってくる。マスコミへの情報操作が一番手間取った。
3年前の忍神町の災害もある。関連性を書かれたらこの話題は鎮火しづらくなっていくだろう]
投票を委任します。
監督者 ルーサーは、メイド セリア に投票を委任しました。
── 地下鉄→商店街 ──
[昼間の町で長髪に目隠し、黒服の男は目立つ。
今日は試みに徒歩でも移動出来るのを敢えて地下鉄に乗ってみたところ、車両と言う密室で隣人となった市民達は彼をなるべく見ないようにしながら凝視してた。
何気なく見た路線図、地下鉄の進路に忍神町と言う町の名前が視界に入った。]
──…。
忍神町 か。
3年前の……
3年は短か過ぎる。
[イレギュラーとの関連はあるのか、前回戦争の事を詳しく調べるべきか。出来ればマスターと共に行動したいものだったが。
ともあれ、バーサーカーは、ちょうどアーチャーチームが来ている頃に商店街へ向かう。]
―商店街へ―
……そんなことはないぞ。
[大人にも見えぬと云われ不服そうだった。
英雄は理想を集めて謳われる。
例えば「カルナ」は慈悲・慈愛を意味するように。
悲劇すらも織り込み済みだというように。]
《英霊》と云えども様々だ。
貴方の考えているような《英霊》も、居るかも知れぬ。
――神は……
[一度、言葉を切る。続けたのは違う話題。]
昨晩は……
私の気質を優先してもらえたこと、感謝する。
全力ではないにせよ、…よい戦いに身を投じられた。
−教会−
[朝から部下や現場のセリアからの連絡が続く]
成程、判りました。
[当時の状況や現場に残されていた痕跡から、件の第8のマスターは自らが呼び出した竜の英霊と共に死去した可能性が高い、と判断した。無論死骸を確認したわけではない為捜索は続くが、あの災害の中死体が残らない可能性も十分にありえる。
ゲームマスターのクラスだと言っていたサーヴァントは現場から姿を消したが、マスターがいなければ無論維持は出来ない。単独行動スキルを持っているようにも見えなかった事から早々に消滅すると推測も出来る]
これで、元の戦争に戻ったわけですね。
[それにしても不明点が多い騒動であった。事態の収束と判断した以上、一度教会の支部へ報告にいかなければいけない。
出かける支度をしている所に、セリアが戻ってきた]
セリアか。夜通し作業のところ申し訳ないが、少し外出するので留守を頼む。
これでイレギュラーの騒動は終わりです。本来の戦争に戻れるでしょう。
[その戦争もこの世界にとってはイレギュラーなのだろうが。そう心の中で呟いた]
−西/公園−
…こちらにいらっしゃったのですね。御無事で何より。
お伝えしたいことがありましたのでお探ししておりました。
[互い違いの瞳に視線を向けて胡蝶を教会へと離脱させた旨を伝える。
事が落ち着いた時に無事であれば、といいかけたところで竜の姿が霧散した]
エラ、と呼ぶのはうちのマスターからうつったのでしょうか。
正しくはエラトというのですが…まあ、気にしませんしお好きな方で。
それと…もしよろしければお名前をお伺いしても?
[金から藍色へとゆっくり変わっていくのを見ながら、
そういえば包帯はただ瞳を隠すだけの理由だったのだろうと推測が一つ。
名前を問うたところで彼は何と答えたか。
セムルクは無事なのだろうか、と探したが次に視線を戻した時には
既に和装の姿は遠くその背中だけが朱の瞳に映るのみ]
── 地下鉄の中 ──
無頼陣は、忍神町を指定した……。
──明日、すなわち今日だ。
[電車の中で、血が滲むほど指を噛んで思案した事は今はまだ誰にも知られたく無い。]
このまま、忍神町に行くか。
買物を先に済ますか。
それとも、この糸の繋がり等、見えぬふりをするか。
はい、いってらっしゃいませルーサー様♪
[そそくさと出かけるルーサーを見送る。
だが、少しだけ真顔になり]
イレギュラー・・・・・・彼らは、そんな一言で処理していい存在なんでしょうか。
それにこの世界にとって、イレギュラーなんてあるのでしょうか。
イレギュラーとか異端とか、それって私たちの偏見だと思うんです。
きっと彼らも、立派な戦争の参加者だったとセリアは思いますの。
[ルーサーの背中に語りかける]
・・・・・・あなたの言っていることは間違っていないと思いますよ。でも、今はそれを論ずる時ではありません。
[振り返らず、そのまま教会を後にした。
セリアはルーサーの背中を見つめたまま、暫く入り口に立っていた]
[栄養分を含んだ雪が地表に落ちて水となり、
焼けた植物の新たな芽吹きを促し始めた頃、
漸くセムルクの姿を見つければ馴鹿に命じて他二頭のあとを追わせる。
朝がやってくる頃には、焼け野原の中にもすくすくと芽吹き始めている緑の双葉が
あちらこちらにみられようとしていた。
セムルクの、流石に針で正気を確かめるその行為には閉口したが]
あまり無茶をしては、ルナが心配しますよ。
もっと自分を大切になさるといい。
折角、父なる神が下さった体なのですから。
[あんな所から平気で飛びおりる姿を見ただけに自然と零れた。
やがて辿り着いた教会。
プランサーがルナの手を噛んだと聞けば物凄く居た堪れない顔をして
それこそ腹を割って詫びかねない勢いで頭を下げて謝り倒した。
彼のマスターたちへの報告を聞きながら馴鹿たちを身の裡の力の流れへと
帰還させれば消費魔力の膨大さに流石に疲労を感じずにいられなかった]
イレギュラーに使役される英霊達。
世界を破壊する力を望むと言う──無頼陣。
……虚無に満たされる死の世界。
糸が繋がっているからと言って、
私がそれを望むとでも?
・・・・・・
[ルーサーの背中が見えなくなり、セリアは少しだけため息をついて教会に戻る。
イレギュラー、異端、過去自身が思いを寄せ、今は遠くにいってしまった彼を思い出す。
もしかしたら今の自分の思いも偏見なのかもしれない、そう思いながら。
懐から一通の手紙を取り出す]
『封印指定の追跡と確保の指令
魔術炉心:ランクD 研究資料』
・・・これも偏見の一つかもしれないのですわね。
[再び懐にしまい、教会の中に入る]
私が望むのは、
神の御元に頭を垂れる、
きよらで秩序のある世界だ……。
それだけだ。
私自身が呪われた身であるとしても。
魔女に使役される為に檻に在った。
苦しく 狂おしい──
だからこそ。
―商店街へ―
[視線は、公園が“あった”方へ向く。
昨晩のこと。
胡蝶曰くサンタクロースであるエラトに
名をどうやら誤って覚えていたらしいことを詫び
「私のことは、カリンと。」
と、己の仮初の名を告げたのだった。
――人通りが増え始めたころ、]
主
[と小さく呼びかける。
英霊が近くにいる、とそう示す。]
―商店街―
[まあ、大人だ子供だという話は、自身の外見に纏る諸事情もあるので、置いておこう]
なんじゃ、言いたいことは分かっておるのか。
有利に勝つために、
例えばランサーあたりに気取られぬ長距離から
物陰に隠れて狙撃しろと言ったところで、
おぬしは聞かぬであろう?
勝てば官軍の聖杯戦争に於いて、なんとも面倒な性分じゃ。
[言葉とは裏腹に、満更でもなさそうにアーチャーに視線を投げ。
左肘――令呪の刻まれた箇所に、右手で触れる。
魚屋の前で、足を止めて周囲を見回した。
周囲の人の流れが不自然だと思ったら、目隠しの男を遠巻きにしているようだ]
…作るように、ということであれば私は構いませんが。
貴方が食べたいと言っていたので、ちゃんと買ってきましたよ。牛肉。
[思えばあの買い物で体力を使い切ってしまっていたのがいけなかった気もする。
セムルクの驚いたような表情を余所に答えるけれど、
結局はファミリーレストランへと変更になった。
夜なのにびっくりするほど明るい店の中、賑やかな店内。
満ち溢れる飽食と、安い酒。驚いてあちこちを見たけれど、次第にそれもなくなる。
結局開いたメニューで選んだのは]
…アル、おこさまメニューというのは、大人でも頼めるのですか?
[玩具が欲しかったわけではない。
ただ、食べる量を考えたらこうなっただけである。
主の相変わらずの食べっぷりを余所に鳥が餌を啄ばむかのように
少量の食事をゆっくりと摂ったあと、斜めがけの鞄には灰色の兎のマスコットが
ぷらりと下がっていた。誰が選んだのかは覚えていない。
自分は食事中なのに落ちそうな瞼を開くことでいっぱいいっぱいだった]
── 商店街 ──
町は存外に狭いと見える。
簡単に、出会ってしまう訳だ。
そちらも買い出しか?
[商店街の真ん中で、片目に包帯を巻いた英霊と出会い、人が引く所為で見通しの良い通り、真正面から顔を覗き込んで、ゆらりと口端に笑みを乗せた。]
[バーサーカーに声をかけられて、「いいえどちら様ですか」と猫撫で声で返したくなった。
うららかな日差しの買い物客の中にあって、目隠しスタイルは悪目立ちすぎだ。ソッチ系の趣味の方がプレイ中に見える。他人の振りをしたくてたまらない]
せめて杖を持つか犬を連れておれば、
視覚障害者に見えなくもなかろうが……。
[他の人間からどう思われようと拘らない英霊なのだろう。唇の端が引き攣った]
― 南ブロック / 拠点 ―
[何か見てはいけない異界の生き物を見た気がしたが、現実を直視しなければならない。
テレビに出ていたのは教会で見たメイド。
つまり、あれから公園は教会の処理下に入ったということだ。
誰かが報せたのだろうか。
まだ見ぬ誰かにそっと感謝した。]
…公園だけか。良かった良かった。
[直後に映ったニュースについては、幻想に放り込んだ。
傘と扇子を持って立ち上がる。
見れば、ライダーが息巻いていた。]
…うん。しっかりついてきてや。
心配なら、手でも繋ぐか?
[笑いながら言った。まだ傷は痛むけど、歩くくらいなら支障はない。
まずは北ブロックの事務所へ向かうつもり。]
−朝/拠点−
[今日も時課をすませ、洗濯を済ませ、朝食の用意。
主食と汁ものはわかめご飯にかきたま汁。
小鉢は飛龍頭は厚揚げと干椎茸と蒟蒻を一緒に甘く煮つけ絹さやと紅生姜で彩りを。
焼物は店でいろいろ話を聞いた結果に脂が良くのった今が旬の塩鮭。
軽く辛味噌で下味をつけた豚肉と牛蒡にたっぷりの青ネギともやしと共に蒸し、
それに栗と銀杏を混ぜ込んだものもつけた。
こうすると栗の強い甘みと野菜の優しい甘みが赤い味噌の辛さを
適度に円やかな物に変えてくれる。らしい。あくまで読んだだけだ。
主が食べ終わった後、洗いものと並行した牛筋の下煮を一度済ませながら
少し出かけてみるべきか考える。主も昨日は大分消耗していたように見えたから。
自分がまさか夢に特別出演しているなんて知らないまま、
それでも、もう少し街を歩いてみるのは悪くないと思った]
/*
あ、しまった。バーサーカーってまだ知らない。
……でもまあ消去法で、多分分かってないの
ライダーとキャスターくらいかな。うん。
―中央→北ブロック―
……こんさるていんぐ?
[というのが、主の仕事らしい。
生前、労働なぞしたことはなかったが、普通の民は働かねば食べていけないことくらいは知っている]
……ゴクドー、っていうのは、仕事じゃなかったのね。
[昨日、うなぎ屋で、胡蝶が、姫倉について、極道だの組だのと言っていたのを、思い出した。
まあ、身分のようなものなのだろう。納得する]
ライダーが「時間を進める」を選択しました。
[見目の問題だけではなく、バーサーカーは、安売りの酒屋で店頭に有る赤ワインを試飲させろとやや強引に迫っていた所だった。主の血でもある葡萄酒が昨日のファミレスで不味かった事がハインリヒの心に残っているらしい。
くちびるを引き攣らせる胡蝶とは対照的に、その酒屋の店主はバーサーカーが通りの向こう側の二人連れに向かっていった事で安堵した模様。]
──…犬を連れる。
はて
そちらのサーヴァントこそ、
片目が見えぬのか?
[相手のクラスは知らない。ただ、ラナがカリンと呼んでいたらしき相手は武人らしい見目と口調に思える。目が見えないのかは、教会ですれ違った時に気になっていた事だった。]
― →北ブロック ―
まあ、極道も一応仕事と言えば仕事なんやけどねえ。
[何をどう説明していいのか分からないので、「一応」がつく。まさかドスを以ってご自宅訪問をしたり、約束を破ればポン刀が飛び出したり、指をどうこうしたり、などといった映像上よろしくないことは教えなくても良いだろう。
しっかりと左手を繋ぎながら、中央ブロックを抜けた。
現れるのは、高い建物ばかりのオフィス街。]
この時代やと色んな人が色んな仕事をしてる。
…エウロパも何ぞやってみるか?
夜はともかく、昼は暇な時の方が多いやろう。
[例えば極道の仕事が入ったりしたらエウロパを連れてはいけない。…まあ目を輝かせてついてきそうな気もするが、教育上よろしくない。
そんな時、抜け出して単身戦いにでも挑まれては困る。]
……。
そういや、ちゃんと礼言うとらんかったな。
[あの戦いで他のサーヴァントが来なかったら、二人で勝てたかどうかは分からない。
それでも、幾ら負け戦であっても、「自分達にはまだ力が足りない」ということさえ分かっていれば、やるべきことは分かってくる。]
エウロパ。ありがとうな。
昨日の戦い、助けてくれて。
[お前がおらんかったら死んどったわ、などと何でもなさそうに言う。
すれ違う人々。出勤中なのか、仕事中なのか。
いずれにしても、この光景が、公園で起こったような出来事に巻き込まれない為にも、昼の修行は欠かせない。
やがて事務所が見えてきた。他のビルより小さな建物だ。]
ふうん??
[極道の説明には、疑問符を頭のうえに出し。
続く言葉には、小さく考える。仕事。
といっても、あの時代、貴人の女が嗜むのは裁縫くらい。
ミノスやラダマンティスに、立派な衣装を用意してやったこともある]
……んー。考えとく。
[夜は聖杯戦争、昼はパート……どんなサーヴァントだろう、それは]
―商店街―
[酒屋で押し問答が在ったことなど知らず。
藍の隻眼をひとつ瞬かせ]
犬をつれているというと
アヤカを思い出すな。
…否。見えていないわけではない。
[と、布に覆われたバーサーカーの眼を見つつ答える。
やはり人だかりは遠巻きだ。]
[牛筋の下煮、二回目。
今度は葱と生姜を薄くスライスしたものをくわえて煮ながら]
(…病院)
[そう言っていたのは、エウロパのマスターだった。
もしも彼女がマスターも感知できるというのであれば、
行ってみる価値はある。だが、道がもうさっぱりだ。
と、すれば]
…仕方ありませんね。
[手っ取り早いのは、迷子になることである。
自分の足で歩いた記憶は、そう簡単に忘れるものではない]
アル、今日も出かけてみようとおものですが…どうしますか。
[其の頃マスターは何をしていただろう。
少なくとも、その手にぬれせんべいがあったことだけは目撃している。
結局は少しもしないうちに、少なくとも英霊の姿は商店街の入り口に。
なんだか向こうからやってくる奥さま方の噂話に眉をひそめた。
目隠し。着物。色の薄い───。
嫌な予感しかない。思わず気配を消す行動に出たのは言わずもがな]
/*
キャスターメモ>
…………儂はPCを所持しているがそのような目的ではうわなにをすr
儂もまにあっく確定かうわーん。
てか病院先越された。ざんねーん。
まあサーヴァントに、街から浮くなと望む方が無理難題であったな。
[アーチャーの包帯はそのためのもの。ただ和装の二人連れも、どちらかというと浮いている。他人のことは責められない。
猟犬の話が出れば、あの探索力は盲導犬としても余りあると頷く]
マスターは……ルナは一緒ではないのか。
昨晩は災難じゃったのう。
[一夜明けて、まるで世間話のように口にしてしまってから、後悔するように瞳を眇めた]
……マスターを助けるのは、当たり前よ。
[陽光の加減か、その表情は見えず。
それにと前置いて、呟く声は、柔らかく]
あなたがいなかったら、私はここにいないから。お互いさま。
―中央ブロック・ホテルグランパシフィック―
……。
[肌寒さに目を開けると、顔の目の前には絨毯。
ゆっくりと顔を上げると、頭上にベッドの端が見えた。
見事に落下していたらしい。]
んーー……。
[身体を思い切り伸ばす。
頭の芯がまだ気だるげで、視線が定まらずにぼんやりと部屋を見回す。]
……あー……、たっちん…。
[窓際の椅子に腰掛けている英霊を見つけると、てくてくとそちらに向かって歩き出した。]
せめてあのくらいには……!
[指した先では、容姿はそこそこ溶け込めているサンタさんが、店の売り子から何かを押し付けられていた。歩くだけでお裾分けが貰える逆サンタ]
いや、あれはあれで困るか。
[令呪の疼きから逃れられると思っているのかね!]
……昨夜はどれだけ宝具使ったんですかー…。
おかげで、眠くて眠くて……
[急激な魔力捨い上げに、道端でへたり込んでいた所を、どこぞの親切な人が呼んでくれたタクシーに乗って、ホテルになんとかたどり着いた。
そのままばたりとベッドに倒れて、今に至る。]
…たっちんの宝具は。それほど魔力を消費しないみたいですけど、さすがに立て続けだと、こたえま……
[続く言葉は、大欠伸に掻き消された]
滝川 志乃が「時間を進める」を選択しました。
アヤカ?
と、そう言うお前は
──カリンで合っているな。
…ン。見えているのなら、私も変わらん。
[とは言え、見えるなら隠すなと言われれば、やはりだが断わる訳だ。メイアル・ユーリのように生まれながらの真紅であれば、また感覚が違うのかもしれないが、変質した果ての紅色は──やはり他者に見せるべきものでは無いと、ハインリヒは思う。
災難は、何処に掛かる言葉か。マスターの魔力を大きく消耗するバーサーカーと言うチームの有り様についてか、イレギュラーの引き起こした災禍を指すのか──、揺れる胡蝶の大きな黒目に意識を向けた。]
この国では、ルナに酒類の買い出しは頼めぬらしい。
葡萄酒は、主の血である事を除けば、
水と変わらぬと思うのだが……。
[マスターについてはそれだけを答え、]
召還されるサーヴァントによっては、
……昨日よりも大きな災禍を招かん。
それは、マスターの資質や望みに因るのでは。
[何と言うか酒屋の辺りはモーゼが海を割ったかのようなことになっていた。
頸椎の疼きは解っていたが、ちゃんと気配を消したところで
所詮は子供にはばれてしまうのが悲しきかなサンタクロースである。
というよりも、正確には揚げたてコロッケのいいにおいに引かれて
ちらりと昨日の肉屋を覗きこんだのがいけなかった。
おかしい、買う予定はなかったのに結局蓮根メンチカツとコロッケを買い、
おまけに海老クリームコロッケと鶏しそささみフライにポテトサラダ。
あれ、おまけのほうが何だか豪華だ。
しかも振り返ったら何だか指をさされている。
ああ、とっても逃げたかったのに。
戦争的な意味ではなく、状況的な意味で。
仕方がないので、ぺこりと頭を下げることにした。
手元に肉屋の包みがあるが、いたしかたない]
成程、ルナは未成年なのじゃな。
この国では、酒精は二十歳以上でないと購入できんのじゃ。
[訳知り顔で頷いた。
ちなみに父の晩酌の相手はするが、胡蝶自身店で酒を購入したことがない。多分中学生と間違えられて、免許を提示する羽目に陥るのだとうと、容易く想像できる]
ふむ、一理あるな。
[さて彼自身は、災禍を招くものか厭うものか。
布に隠された瞳を見極めようとするが、彼が喋る度舌先で輝く銀が気になって仕方がない]
バーサーカーが「時間を進める」を選択しました。
―商店街―
目隠しで歩けるとは器用なものだ。
然様、カリン だ。仮の名だがな。
[セムルクに答え
視線を瞳を眇めた胡蝶へ向けてから
そのまま頭を下げるエラトへ移し]
買出し組は存外多いのだろうかな。
[感想を漏らした。
この国の法律等に関しては主に任せる。]
― 北ブロック / 事務所「ヒメクラ」 ―
…俺なんかしたっけ。んー…。
[強いて言うなら召喚したくらいだ。
唸っては見たが考え付かなかった。
事務所に入ると、手を解いてライダーを座らせた。
傘と扇子は彼女に預けておいた。
姫倉はと言えば、いつものデスクで書類仕事だ。
今日も大きな仕事は回ってきていないらしい。
…ここでもサングラスに黒服の皆さんが、せっせと働いていた。これでは依頼がこないのも当然である。
ライダーが暇そうにしているので、とりあえず黒服の一人に羊羹を切るよう命じた。ついでにお茶もな、と頼んだ。
お茶と和菓子。
幾重にも味が相乗する魔術的な組み合わせだ。
姫倉は書類の一枚一枚に目を通す。
途中から見づらくなったのか、眼鏡をかけていた。]
昨晩はとても助けられたのじゃ。ありがとう。
[何だか同じ逃げたいオーラを感じたが、礼が先と頭を下げ]
おぬしもあれくらい見事に食料調達を為せれば、
餡パン地獄から抜け出せるものを。
[アーチャーを肘で小突いた。ちょっと悔しい。
いっそルナのドーナッツのように、餡パンを配り歩いた方がいいのだろうか。
袋の中身の大半はメイアルの胃へと消えるのだろうと、その旺盛な食欲を思い出して失笑した]
……。
[日常の一コマが過ぎてゆく。
昨夜のことは何事もなかったかのようだ。
窓の外を見た。今日も冷たい風が外には吹いている。
ここにいる分は、溢れる陽の柔らかさしか見えないが。
掌を見た。
ライダーに送る分の魔力は何ら支障がない。
しかし、どうも体内の魔力の流れ方がおかしかった。
具体的に言うなら、工事中の穴をみんな避けて通っていたり、所々渋滞していたり、…要するに魔力の流れがスムーズにいっていないのだ。
首をかしげた。]
[黒服に笑顔で礼を言って、茶菓子に向き直る。
――……黒い。四角い。なんだろうこれ]
……む。
[黒服と黒眼鏡ばかりだから、菓子も黒いのだろう。
妙な方向に納得して、ひとくち。
へにょりと頬が緩む。うむ、甘い]
―商店街―
[主に続きこちらも折り目正しく礼をした。]
……む。
……そうか。
では、そのようにしよう。
料理が難しいのであれば、
出来合いのものを調達すればよいのだな。
[小突かれてとても真面目に考えている。
バーサーカーをちらと見る。
彼も食べ物を買うのだろうか。]
貴殿…食事に難儀しそうだな。
[舌の話だった。]
…ど、どうも。
[ぺこり、と小さく頭を下げた。袋の中身からは香ばしい匂い。
何故なら袋の中身はポテトサラダをのぞいて出来たてほかほか熱々である。
胡蝶の言葉に、軽く首を横に振った。
そういえば、昨日藍の青年にも聞いたが、彼女の名前も知らないような気がする。
漆のような美しい黒の瞳へと視線を向けながら気付いた]
[その様子をみていた黒服のひとり。
仮に石川としておこう。
石川青年は、勇気を出してエウロパへと声をかけた]
『あの、姐さん。宜しければ、あとで食べて下さい』
[差し出したのは金平糖の袋。自前のおやつストックである。
微笑み浮かべて礼を述べるエウロパに、ごつい顔を赤く染める石川青年]
『や、そんな……ち、ちなみに。若とはどういうご関係で?』
[少し考えた様子で、エウロパが。
マスターを邦訳して、ご主人様です、と、答えれば]
『えっ――そ、そうですか。若の。そうですか……そうですよね、失礼しました!』
[心の涙を堪えて、去り行く石川青年。頑張れ、石川青年。
――そんな、聖杯戦争とも話の本筋とも脇筋とも全く関係のない、いわば牛筋くらいの一幕]
[錆びぬ銀杭は確かに紅い舌を貫いている。注視されれば、バーサーカーは歪んだ嗤いを返す。そして、左耳に昨夜新しく開けたばかりの楔が、昼間の日差しを受けて光を反射していた。
針を貫通させる行為をエラトに咎められた時>>54、「痛みが染みる言葉だ。──が、肉体よりも大切なものが有る。」と、トナカイの背に身を預けながら、その時のおとこは、低く裡を零すような声で答えたのだった。]
──…
イレギュラーは、
この町が残らずとも気にならぬのだろう。
[光の渦の中で消えたあの男は、世界の終わりを破滅を望んでいるのか。あの男があのまま死亡したとは、思えないのだった。]
[牛筋だか御堂筋だかのやり取りを遠巻きに眺めていた。
詳しい会話までは分からない。
しかし石川は泣き出しそうだった。
あいつの給料を少しだけ上げてやろうと思った。]
―――さて。概ね大丈夫みたいやし。
次行こか。…ほなら、後はよろしく頼むわ。
石川もな。何があったか知らんけど、元気出しや。
[その場の黒服に声をかける。一斉にお辞儀された。
石川も、おずおずとお辞儀をした。]
姐さん。行こ。次は……。寺まで。
[公園の様子は、もう見なくても大丈夫だろう。
そうあたりをつけて、霊光院を目的地と告げる。]
…他に行きたいとこあるんやったら、先寄るけど。
[どうするー? と眼鏡をケースにしまいながら言った。]
ふむ、ならば今一度おぬしが這い上がって来るのを信じて、
マスターはサーヴァントを千尋の谷に突き落とそう。
[はい、とアーチャーの手に握らせる一万円札。今日は大盤振る舞いで三枚]
食料と本、じゃ。購入費と置き場所は気にせずとも良い。
自分の正体がバレるような、偏った買い方をするでないぞ。
と、儂は望月胡蝶じゃ。
[目線に含みを感じて、頬笑みながら青年に名を告げた。
相手がサンタクロースだと分かると、齢二十二にもなって、敵サーヴァントなのについ笑顔になってしまう。これはこれで、一種の魅了か]
[ちら、と視線が向かったのはセムルクの左耳。
馴鹿の背なんていうあんな不安定な場所で、何のためらいもなく。
思い出せば少しだけ指先がピリピリとした。
今はそこに銀が増えているようで、なにか呪術的なものだろうかと首を傾げた]
胡蝶……パピヨンですね。美しい名前です。
紅紋揚羽のようだ。
[朱の瞳を細めてにこりと微笑む。
実際に自分がプレゼントを配ることはないわけだが、
金貨を投げ入れたふるいふるい記憶を思い出したのか、
思い出したよう肉屋の包みを彼女の前に少し広げてみる]
宜しければ、召し上がりませんか。
駄目なものが入っていたら無理にとは言いませんが。
[彼女のサーヴァントが牛は食べられないとは知らないが
彼女の信じる教義を知らなかったので尋ねるころには
辺りには揚げものの香ばしい香り]
[鼻孔をくんと動かす。
確かに、キャスターの荷物からは、肉や芋類それに脂の良い匂いが漂っている。主だった買い出しは昨日にラナが済ませてあるはずだったが、消耗が激しいのなら、節制を気にせず、肉や甘味をもっと摂取しても良いのかもしれないと、少しだけ考える。ラナは魔女なのだから。
ちなみに、口腔に異物がある状態での食事は、案外慣れてしまうとどうと言う事でもない、とカリンに首を傾けた。]
ああ、そういえば私も名乗っていないのでしたね。
エラト、といいます。呼びにくかったら、エラでも構いません。
[胡蝶へと思い出したように付け足した]
―商店街―
そうじゃ、忘れるところじゃった。
イレギュラー。
[その単語にぽむと両手を打って、提げた紙袋ともう一つの目的を思い出した。
ちなみに中身は、ナース服とフロッピーディスクである。
概ね、考えていることはエラトと同じなのであった]
教会は死亡扱いにしておるが、どうにも信じられぬ。
取り越し苦労かも知れぬが、
あのマスターについて、少しでも情報を得ておきたい。
買出しをおぬしに任せられるならば、
儂は病院に向かおうと思うが。
[決死の戦いに臨むかの如く、真剣そのもののアーチャーの面持ちに、ぺちぺちと緩い表情で肩を叩いた]
……そんなに気負わずともよい。
失敗しても、叱ったり苛めたりはせぬから。
― 北ブロック → 西ブロック / 霊光院 ―
ほら。ちゃんと前見て。
あー…。ほら。金平糖落ちたやん。
[ライダーを何度も振り返りながら、歩く。
オフィス街から、比較的建物の少ない西ブロックへ。
やはり公園周辺以外には、目に見える被害はないようだ。
一部、爆風の影響か傾いている木々はあったものの。]
んー…。
[公園の方に足が向きかけて、やめた。
金平糖をつまむライダーに足並みを揃えて、霊光院へ。
…爆風の影響で魔力(マナ)がおかしくでもなかったのか、いつも程の安心感は湧かなかった。傘を握り直し、石段を登る。]
……。やっぱエウロパも甘いもん好きなんやな。
[まだ金平糖を食べているエウロパ。思わず呟く。
いつぞやの、青年(アーチャー)の言は本当だったらしい。]
…召し上がります?
[微かになる鼻に、小さく笑って包みの口をセムルクにも向ける。
少なくとも彼とは同じ宗教のようなので、余程の事がない限りは
食べられない、なんてことはないとおもっている。
サーヴァントに買い出し命令を出す胡蝶の様子を微笑ましく眺めながら]
ああ、貴方も病院のほうへと向かわれるのですね。
…宜しければ、ご一緒させていただけませんか?
何分、私はこの辺の地理にはあまり明るくないものですから。
[肉屋の袋の包みを手に、少女に見えるマスターへと尋ねた]
この地で美味と言えば、
エラトが買っていたそれなのだろうか。
[正直、目的物以外にプラスαするなら、何を買って行けば良いのかバーサーカーには分からない。エラトに進められるまま、美味ならば買おうと有り難く試食タイム。コロッケを摘む前に神に祈りを捧げた所で、胡蝶にバーサーカーが信ずる神が知れよう。]
アツ ウマ ……
食料買い出し、本屋と図書館。
病院──と目的地は重なるのだな。
[名を褒められても、所詮は記号以上の何ものでもないから感慨はない。
ただ、はあ、と少し呆気に取られる。
何だろうこの好青年オーラ。ホストのような嫌らしさがないあたりがまた絶妙。
そして更なる誘惑は、餡パンとドーナッツの朝食だった身に、揚げ物の食欲をそそる香り。
思わず生唾を飲み込んでしまった]
ここでいただくのは遠慮しておこう。
[空腹の虫が鳴かなかったのは奇跡だと思う。
危うく餌付けされるところだった。
アーチャーに目線で、コロッケを買うように訴える]
うむ、鰓。
[続投決定。
ただうっかり気を抜いていると、「サンタさん」と呼びかけ兼ねないので、そこは用心しておこう]
― 北ブロック / 霊光院 ―
[境内に着いた。荷物を一先ず本堂前に置く。
ざわめく森。切り取られた空。木々をすり抜ける風。
空ろな静けさは変わっていない。]
…おかしいのは俺か。
[意識を軽く集中する。
――魔力を回そうとしただけで、回路が弾けた。
歪みそうになる表情。深呼吸をして、元に戻した。]
ほならエウロパ。
寒かったら本堂入ってもええさかい。
[幸いにも鍵はかかっていない。
誰も使っている気配がないから、大丈夫だろう。]
[目を閉じ、手を伸ばした。
空をそよぐ風のイメージ。
魔力を回す。
――間髪入れず、回路が反発する。
途中までは回っているようだ。
どこかでほつれでも起こっているのだろうか。
何度も回しては表情を歪めそうになり、回しては鈍痛じみた違和感に首を傾げ――
やがて痛みを感じなくなった頃、漸く空間をくくれた。
尤も、園芸用の小さいスコップ程度のものだったが。]
病院なら、バスでもタクシーでも言えば伝わるじゃろうが。
……誰かしらが怪我したというのでなければ、
目的は同じようじゃの?
[ふむと首を捻って、買出しを任命したアーチャーに目配せした。
危険だと止められるならば致し方ないが、いざとなれば令呪で喚べる]
昨晩の礼もあるし、案内は引き受けようぞ。
奴の情報が何か分かれば教え合うことと、
儂を襲わぬこと、が条件でどうじゃ?
[道端でコロッケを平らげるセムルクに、一応お嬢様としての躾を受けているので嫌そうな顔をする。エラトの申し出を断った理由もそれだった。
祈りの言葉は、キリスト信者なのだなと心に留めて]
美味…ですか?そうですね、私は美味しいと思います。
元々買い物の予定はなかったのですが…ああ、よければお持ちになりますか。
[そう言って包みごとセムルクへ。何ともリアルなサンタからの贈り物である。
胡蝶組がどろって食べないということであれば、
自分も蓮根メンチカツの包みぐらいがあればいい。
胡蝶の考えていることなどいざ知らず、
しかも自分が魚類の一部扱いされていることも知らぬ。
知らぬがなんとやらとはよく言ったものだった]
まあ、現代の医療を間近で見てみたい、というのもあるのですが。
ありがとうございます。よろしくお願いしますね、胡蝶。
条件は把握しました。それで構いません。
こちらがお願いしているのにそのような無粋なことはいたしません。
現代の医療か……。
[何だか妙に説得力があったので、承諾の証に頷いた]
では徒歩なりバスなりタクシーなり、
お好みの方法で行こうか。トナカイは駄目じゃが。
―― 西ブロック/古屋敷 ――
[地下室。
眠るジュリアが身を預ける棺桶の蓋が静かに動く。
ギィ………ィ。
軋んだ音を立て、少しづつ、ゆっくりとその蓋が持ち上がり、中途まで開いたところで動きを止めると。]
………………。
[ギィ……… …ダン。
また軋んだ音を立てて… 閉じた。]
[熱々のコロッケを食べ終えてから、ラードの脂で光る口端を舌で舐めとる。異物感がある状態が馴染む、自身に取って適切であると重ねて答えても、カリンの理解には及ばぬのだろうか。
買い食いよりも、その説明の方が不健全であったりした。
耳朶に貫通された針の跡は、昨日の今日で僅かにまだ違和感が残っていたが、数日で消えてしまうささやかな違和感だった。戦闘時に、出来ればマスターを顧みるだけの理性を保ちたいと言う願いで貫かれたそれは。]
教会がイレギュラーの死亡報告を?
それを素直に信じるかと問われたなら
否、用心を重ねると、私も答えるな……。
[病院の話題で、再び地下鉄の中での思考に戻る。
忍神町、脳裏に浮かぶ駅名。再び聖杯が現れるのには短い3年と言うスパン。聖杯がイレギュラーの魔力供給源ではと言う幾人かの推察。或いは、ハインリヒの聖杯の魔力を利用する事が可能になった参加者があの男である可能性。]
──…
[病院も気になるのだが。ラナには、短時間で戻ると伝えている故に、バーサーカーは、サンタクロースの英霊からコロッケと言う大変実用的なお土産をありがたく頂いて、手早く残りの買物を済ませ、一旦、拠点に戻る事になる。買物の拙さは、アーチャーとバーサーカーどちらが上だっただろう?**]
/*
アーチャーが買い物できないこにされてるwwwww
できない方が可愛いよね。
ここぞとばかりに不幸スキル発動させるのじゃッ!
―商店街―
せっかくの申し出だったのにすまない。
[コロッケに関して詫びて。
胡蝶がエラトと共に病院へ向かうのを見送る。
バーサーカーが指先をなめとる度に
銀の杭は覗く。説明には、やはりよく分からないという表情を浮かべた。
かくして、どう見ても買出しに向かないふたりは
それぞれ買い物に向かうこととなる。
拙さは、きっと双方いい勝負か。]
先程の、黄金色の食べ物は…った、っ …!
[「すまねぇ兄ちゃん!」
――おっと、頭上から *段ボール*]
ええ、どれぐらい医療は発達したのかと思いまして。
[それは漠然とした疑問であり純粋な知識欲。
世界最古の薬局も修道士によるものであるからして]
さすがに、ここは馴鹿が平常化している国ではないですので
その辺りは心得ていますよ。
私は歩きでもかまいませんが、胡蝶が体力を温存したいということであれば
何かに公共の交通機関を使っても構いません。お任せします。
[手元にはメンチカツの包みだけ残して、
どうしたいかを胡蝶に尋ねる。
疲れる、と敢えて言わなかったのはどうも自分のほうが
彼女よりも体力がない気がしたからだった]
/*
偏った買い方…
カレー?
いや、当時カレー在るのか。
香辛料は好きそうだった。
野菜ばかり買ってきそうだな。
・芋、野菜、豆
・一応米
・ヨーグルト、蜂蜜、ギー(バター)などは聖なる供物で美味しくいただく
・チャパティとかか
知的好奇心が旺盛な英霊とは、珍しいのう。
[それも聖杯戦争が終われば忘れてしまうのではないだろうか。
体力温存案は、素直にレディファーストと受け取った。好青年は得である]
ではタクシーでも拾おうか。
[揚げ物の匂いをバスで撒き散らしていたら、周囲に殺意を抱かれる。
商店街を抜けて車道に出るまで、何度も何度も何度もしつこく背後を振り返った]
夜に儂を一人で放置すると不安な
あやつの気持ちが少し分かったのじゃ。
[運転手に「樹那病院」と告げると、二人を乗せた車は軽やかに走り出す。
車に乗りながら地図が頭に入るかは分からないが、案内を買って出た以上はたまに主要な建物の解説もした。
中でも高校と大学は、どちらも自身が通っていた母校だ。
やがて見えてくる病院は樹那町で一番の規模を誇っている。昨晩の惨劇が一歩間違っていれば、今頃ここは野戦病院のような騒ぎだっただろう]
いえ、大丈夫ですよ。
何か食べられないものがあるのでしたら店主に伺うといいですよ。
とても丁寧に教えてくださいますから。
[緩く首を横に振ると、買い出しに向かう英霊たちを眺める。
が。
見事に段ボールの直撃を受けている藍色の姿に少しだけ可哀想になった]
…そうですね、珍しいかもしれません。
[何れ忘れてしまうことを一度でも望む。
それは傍から見ればむなしいことなのかもしれないけれど、
止めるつもりは今のところ無かった。
車を拾う胡蝶に続いて同じ扉に入る]
おや、そうなのですか。
[ひとりにすると、というのは自分も同じなので解らなくもないが。
あちこちの建物を案内してくれる声に、へえ、とか、わ、とか
何だか色々と声を上げる。まるで観光外国人だった。
見えてきた病院は白く大きい。
けれどそこは酷く雑然としていた。
今、この場所が混沌に見舞われているのだと解る]
/*
actに噴いたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「めげる」が精神的なものでなく、
物理的に見えたのじゃった(※岡山弁で「めげる」≒「壊れる」)
―中央ブロック・ホテルグランパシフィック―
[あの後、部屋に戻れば篠はベッドの上で潰れていた。
もしも姫倉を連れ帰っていれば、治療しやがれと起こしたかもしれないが……特に用事もなかったのでそのまま放置。
昨夜と同じ様に、窓際の椅子へと腰掛、街を見下ろしていた。]
……何処に居やがるんだろうね。
[己の相棒、片割れ。
自分が全力を出すのに必要な、欠けている要素。
今のままでも十分に楽しいが…、
やはり、本来持てる力を全て揃えて戦いたいとも思う。]
―樹那病院―
[やはりサーヴァントは留学生や観光者を装わせるのが適切だ。
トラブルもなく目的地に辿り着いて、堂々と正面玄関に進む]
いきなり入って行って
見学させてくれるとは思えぬが、
そのあたりは策が?
それと儂の用事は多分一時間以上はかかるじゃろうから、
帰りは適宜解散で良いかのう。
−忍神町/旧無頼邸−
『こんな不平等な世界、どうにでもなればいい』
くはっ!
[覚醒。見知った風景。
3年前・・・とはいってもその3年間は意識が無かったが、前戦争時に過ごした家。
結界を張り、魔術的な反応が起きないように施してあった。
ゆっくりと起き上がる。身体は何とか動くが、魔力の渇きを覚える。昨晩の戦いでそれだけ壮絶に魔力を消耗した]
くそっ・・・・・・!
[だがそんな呟きは誰にも届かず、静寂。
窓の外を見ても、見慣れた風景だが人がいる気配は感じ無い。幽霊都市]
―中央ブロック・ホテルグランパシフィック―
[―――様々な事を考え、気が付けば夜が明けていた。
ベッドの方から動く気配、どうやら潰れていた物が復活したようだ。
暫く待てば、予想通りの声がかけられる。]
嬢、起きやしたか。
[てくてく、と。
そんな擬音が出そうな歩き方で傍に寄ってくれば、
昨夜の魔力消費に関してのお小言。]
あれ、そんなにキツかったですかい?
[確かに、アーチャーとの戦では常時発動。
その後も、竜の時に姫倉を逃がす為に1回。
更に言えば、スカアハの時にも短時間だが1度使っている。
幾ら己の宝具の使用魔力が低いといえど、すこし負担が大きいか。]
投票を委任します。
ランサーは、無頼 陣 に投票を委任しました。
いやいや、そりゃすいやせんね。
昨日はちぃっと連続で戦に出くわしちまったって話で。
[悪びれもせずに謝りながら、
昨日の戦……アーチャーとドラゴンとの戦いを簡潔に。
ついでに姫倉の事も軽く説明しておいた。]
魔力、か。
[サーヴァント2体を失い、維持する為の魔力消耗は落ちている。だが全力で戦闘を行うとなると全くもって足りない。
鞘に魔力を溜め、抜刀によって放出するセイバー。
固有結界での戦闘を基本とするアーチャー。
ザバーニーヤ・ハールートを用いて他英霊の能力を連続劣化複製するアサシン。
そして、翼の力を増幅する事で神霊へと近づくライダー。
どれもが魔力を想像以上に消費する。彼らの力を使いこなすには、聖杯の供給ですら追いつかない]
どうすれば、魔力を補填出来るんだ。
それだけではない、戦力が足りなすぎる。
[聖杯を経由して繋がっている糸。その糸は明確にあのバーサーカーに繋がっていた。
彼の力が欲しい。倒された無頼だからこそ言える。今回の聖杯戦争においてバーサーカーは最強の部類に入るサーヴァントである]
―霊光院・姫倉からちょっと離れて―
――……。
[静かに、瞳を閉じ。
その一瞬を待つ。
――風が吹き、葉枝が揺れた]
――……てぃっ!
[目を見開き。
気合いと共に、青銅の穂先鋭き槍を、一投二投三投。
風に揺らぎ舞い落ちる、柳葉を縫い取めんと――]
ー樹那病院ー
まあ、一筋縄でいくとは最初から思っていません。
私も医療設備を見る他にもう一つ用事があります。
なので、同時平行するつもりですよ。
[適宜解散に頷いて、
十分に気を付けるよう伝えて]
…そういえば、胡蝶はどうしてマスターに?
いえ、プライバシーの関わることなので
別に教えて構わないということであれば、なんですが。
−古屋敷−
[棺が動く気配で目を覚ましたが、意識はまだぼんやりとしている。
目を擦り、辺りを見る。]
ん、……。
あ……、そっか、寝てしまったのね……。
[従僕が棺から出た気配は感じられない。]
んもうっ、オジサマったらいつまで寝てるのよ!
[重厚そうな棺を、ゲシと足蹴にした。]
―樹那病院―
健闘を祈るのじゃ。
[昼食時前の病院のロビーはごった返していた。
ところどころ老朽化の垣間見える白い壁。独特の薬品臭。総合病院故、集まる人が抱える不調もまた様々]
マスターに何故なったかということか?
それはまあ、聖杯に願いたいことがあるからじゃが。
一応仕事として、聖杯取得の任務を引き受けておる。
んー……差し障りないなら、そちらに聞いても?
鰓も聖杯に賭ける願いがあるのじゃろう?
―― 西ブロック/古屋敷 ――
[眠るジュリアをソファへと寝かせ直し。
棺桶より起き出したセイバーは我が身の具合を確認する。]
ふぅむ。
[悪くはない。落とされた右腕も含め、怪我のひとつもない身体。いらぬ副作用なども感じられない。]
便利なものであるな。
[望み得た訳ではない、己の能力にふと呟いた。]
―― 西ブロック/古屋敷 ――
迷惑を、かけたであるな。
[ゲシ、と蹴られた弾みで蓋のズレた棺桶より声を投げる。
ギギィ………ガタンと。蓋を開け、半身を持ち上げた。]
おはよう主。ご機嫌は如何かね。
投票を委任します。
ランサーは、メイド セリア に投票を委任しました。
―回想・西ブロック森林公園―
[ナルキッソスの声が辺りに響く。
地面でもがきながらもその声、その存在を必死に否定した。
でなければ、取り込まれてしまいそうだったから。
美しくないなんてただの意地を張っただけの話だった。
客観的に見れば、ナルキッソスはきっと美しいのだろう]
う、そつきだ。
[マスターが死んだから、自分に手出しは出来ない。
うそに決まっている、でなければ余裕の声色など出るはずがない。
ただ、遊び半分で見逃されているだけ、それぐらいはショート寸前の状態でも理解できる]
[再び。響くナルキッソスの声。
尻尾を巻いて逃げなければいけないのは本来は自分である]
っ!!!!
[しかし、痛みは増すばかりでしばらくは動けそうになかった]
投票を委任します。
滝川 志乃は、メイド セリア に投票を委任しました。
如何、ですって?
この私に灰掃除なんてさせておいて、随分暢気な事を言うのね。
[腰に手を当てて胸を張り、寝起きの従僕を見下ろした。]
昨夜は近所で派手な戦闘もあったみたい。
イレギュラーも気になるし、私たちだけいつまでものんびりしているわけにはいかないわ。
さあ、出かけるわよ!
[ほらほら、と言った感じで従僕を急かす。]
投票を委任します。
アーチャーは、メイド セリア に投票を委任しました。
[ジュリアのお小言など耳にも入れず。
棺桶より起き出てみれば我が身の具合の確かめる。]
ふぅむ。
[五体満足。落とされた右腕も含め、怪我のひとつもない身体。いらぬ副作用なども感じられない。]
便利なものであるな。
[望み得た訳ではない、己の能力にふと呟く。
そして出掛けるという主に対してニヤリと笑い、勿論だともと頷いた。]
投票を委任します。
セイバーは、監督者 ルーサー に投票を委任しました。
投票を委任します。
セイバーは、メイド セリア に投票を委任しました。
―中央ブロック・ホテルグランパシフィック―
[悪びれない様子の英霊に、軽く頬を膨らませる。付属の電話でルームサービスのコーヒーを注文してから、座っている椅子の近くの床にぺたりと座った。]
……ふわ…
[西ブロックでの戦闘の様子を聞き、思わず口をぽかんと開ける。
聞けば聞くほど酷い戦いだったはずなのだが……本人は楽しんできたに違いない。
姫倉の事を伝えられると、少し顔を曇らせた。]
……姫倉さんが…
怪我が大事でなければいいんですけど…。
[後ほどに、お見舞いを兼ねて挨拶に行こうかと一瞬考えたが、……昨日の今日ではさすがに顔を会わせづらい。]
それにしても…
[なんだかんだ言って、姫倉さん達を助けてきたのだという事を知って、思わず顔に笑みが浮かぶ。]
……たっちんが、私のパートナーで良かったです。
[そう言って、にっこりと微笑んだ。]
―商店街―
[段ボールを拾い上げ片付けの手伝いをして後、
まず先程の揚げ物を購入した。
行き交う人々は自由気儘、
階級に縛られることなく日々を謳歌しているように見えた。
もしも。]
…――― 斯様な世なら
[あの日、競技で弓を引けたのだろうか。
追憶は少しの間。
此処は異国の地。
思うてもせんないこと。
ぽつりぽつりと購入した荷物は増えていった。]
ま、あの様子じゃ致命傷には程遠い…とは思いますがね。
[姫倉の怪我の度合いを心配する様子を見れば、
軽い口調で、そんな風に返した。]
ったく、こっちは良い迷惑ですわ。
折角の面白い戦を中断してまで駆けつけたってのに、
着いてみれば多勢に無勢で、心底つまらねぇ戦。
あんなんで勝っても、誇りも価値もありゃしませんわ。
[思い出せば、自然と舌打ち。
一騎打ちならさぞ面白い相手だったろうに。]
……別に、姫倉さんを助けたのはついでって話で。
そんな風に微笑まれる覚えはねぇですわ。
―― 西ブロック/公園"跡地" ――
これはまた酷いものであるな。
ダイナマイトが百五拾屯ほど爆発でもしたのかね。
[なんですの、とジト目で見上げてくるジュリアに「そんなもので"我が輩"を倒そうとした輩がいたのだよ」と軽く答え…何やら動けない様子の人影を見つけた。]
[人影に近づいてみれば見覚えのある姿―― オルグロスだ――に気付き。]
なんんだ昨夜の小僧ではないか。
どうした生きているならば返事をするがいいぞ。
[手を差し伸べもせず声だけかけた。]
投票を委任します。
姫倉 達生は、メイド セリア に投票を委任しました。
はー……
[難儀な心情だなぁ、と思いつつ、続く言葉には、はいはいとあしらう。]
そうですねー、ついでですよね、ついで。……あ、はーい!
[ドアの方からチャイムの音と、「ルームサービスです」との声が聞こえて、そちらにとてとてと歩いていく。
戻った時には、手にはお盆と、その上に乗ったコーヒーセット。]
…飲みます?
[カップにとぽとぽとコーヒーを注いで、差し出してみる。]
― 西ブロック / 霊光院 ―
[魔力が正常に回り始めて少し。
それでも巡る速度は遅かったが、痛みは完全になかった。
空間も、椅子程度ならくくれるまでに戻った。
一息つく。
そして、何気なく右掌を見た。]
…あー…?
[一部が、黒く染まっていた。
令呪や刻印はこんなところにはならい。ならば。
もう片手の人差し指で触れた。
感覚がない。
――神経…否、回路が壊死していた。]
んー…。ここだけや、ないんやろなあ。
[呼びかける声で、意識が呼び起こされた。
気づけば夜は明けていたようだ、眼に飛び込んでくる日光がまぶしかった]
ん?? 俺寝てたのか……? てかその声爺さんか?
よっと!! っ!!
[無意識に起き上がろうとしたときに鈍い痛みが走った。
そういえば、昨日は激痛で倒れこんだのだった]
[右掌を握って、隠した。
そのまま周りを見渡せば――]
…。
[微笑んだ。
ライダーも、何か目標があるのだろうか。]
…。どしたん。急に。
そんなに暇やったん?
[彼女の心を揺らがせないよう、立ち位置や距離は変えず。]
−病院・集中治療室−
これは、また。
[病院のスタッフの魅了状態はかなり深刻だった。
これが先日あのゲームマスターを名乗るサーヴァントが原因で有ることも身を持って知っていた。
教会へ報告にあがった際に持ち上がった入院記録。職員の静止を部下を使って侵入したが・・・・・・既にそこはもぬけの空だった]
無頼、陣。
[記録上では前戦争のキャスターのマスター。勝者となったがその後忍神町の災害に巻き込まれ死亡とされている。
だが実際はこの病院で3年間過ごした事になる。何故教会にはこの事実が伝わらなかったのか。
よもやとは思うが、魔術師協会の隠匿の可能性もある]
いや、もう終わった事です。
[何も残っていない集中治療室の調査を切り上げ、病院の外へ]
オルグロスが「時間を進める」を選択しました。
投票を委任します。
オルグロスは、メイド セリア に投票を委任しました。
ぎゃああああああっ!!!!
[激痛が残る体に何たる鬼畜たる事か。
さすがドラキュラ伯爵とでも言うべきだろうか。
哀れ、オルグロスは再び地面を転がる事になりました]
[ぼーっとしてました]
…………っ!
[マスターの叫び声で我に返りました]
……あの綺麗なサーヴァントはどこへ?
[我に返ってませんでした]
[叫びをあげて転がる様を見て「好し」と頷く。ジュリアに窘められるも気にはしない。]
生きているな、無事で何よりだ。
昨夜ははぐれてからどうしていたのか心配したぞ。
[心にもない。]
それで、我が輩がここを去ってから何があったというのだね。
―樹那病院―
胡蝶も、気をつけてくださいね。
何かあったらまず逃げるんですよ?
私を頼ってくださっても構いませんし、サーヴァントをよべるならそれが一番いい。
[蓮根メンチカツは既に胃の中。
胡蝶の目が痛いと思いながらタクシーの中でささっと食べてしまった。
病院に持ち込むほうがもっと怖かったからだ。
帰ってきた返事は意外だったけれど、なるほど、という相槌だけ]
…請負、ですか。それはまた予想外でした。
私の理由なんて聞いても、大して面白くもないですよ?
まあ、そうですね。己の偽善と欺瞞を現実に捧げる、それが望み。
というところでしょうか。
[そんな風に告げて、では、というあいさつ。
胡蝶とはそこで別れることにした]
投票を委任します。
キャスターは、メイド セリア に投票を委任しました。
……いや、いいですわ。
どうも慣れない物を口にする気は起きねぇって話でして。
[目の前でカップに注がれる黒い液体。
確かに匂いは良い香り…と言えない事もないが。
やはり自分には、日本茶の方が落ち着くと言える。]
で、今日はどうなさるんで?
アサシンが「時間を進める」を選択しました。
一応俺、体調不良の人間なんだけど。
[爺をなだめるマスター?らしき女性に手で礼をする]
そうそう、あの後大変だったんだぜ??
爺さんを追いかけてきたら怪獣大決戦に巻き込まれた。
んで、もろもろが合ってこんな有様だ。
[大体の事情を爺のサーヴァントに伝えた]
投票を委任します。
アサシンは、メイド セリア に投票を委任しました。
[横で聞こえてくる自らのサーヴァントの情けない声]
ファフ!? いたのか!?
でも苦しむマスターを放置しておいて、第一声が
「あのキレイなサーヴァントはどこへ?」ですか……。
[サーヴァントなんてどいつもこいつも人でなしだ。
なんだか、いじけたくなって地面にのの字を書き始めてしまった]
[――墓標の如く突き立った槍が、数十]
ん――……そうね、そんなところ。
[暇だったのか、と問われれば。小さく、肩を竦める。
――無論、応えたとおりのはずもなく。
暇だからとて、武具を手に遊ぶような育ちはしていない。
――負けるのは、嫌と。勝って笑ってみたいと、言った。
また、果たせなかった
令呪のサポートを受けて、宝具を放ってさえ。
あれだけの主従を前に、切り札を晒してさえも、勝てなかった。
宝具以外に戦う術を持たなければ、主に負担をかけすぎる。
その思いも真実ではあったが、心底で揺らめくのは、単純な炎。
つまりは、そう――悔しかったのだ]
――……て、いっ!
[今一度。
振り向き様に投じた槍は、狙った葉を逸れ、虚しく大地へと]
っ、ふう……駄目ね。
[――溜息を吐いて、指を鳴らせば。
槍の林は夢幻のように、霞と消えて]
……メリとハリが大事だわ。
タツオ、そろそろ切り上げましょう。
無理して、傷に響いてもいけないし……あまり続けると、夜に影響が出るわ。
[自分は兎も角、魔術の修練をする主は、当然、魔力を消耗する。
聖杯戦争に備えた鍛錬で、戦争に遣う魔力が枯渇してしまえば、本末転倒である]
[まさかよもや幾らなんでもと否定したがっていはいたが。本気でマスターだったようだ。しかも有り得ない程に無防備を曝すサーヴァントを近場において。]
そぅぅぅか判った、情報提供感謝しよう。
では殺す。
[虚空よりエストックを取り出して見れば…ジュリアのハイヒールが頭に突き刺さった。]
[やっと我に返った]
マスター、どうしたのですか? そのうちひしがれる姿、なんだか初めて見る好印象なのですが。
[きょとん、とした顔だった]
あらー…
美味しいですのに…
[残念そうに、お盆の上の小瓶のミルクをどぼどぼとコーヒーの中に注ぐ。
黒い液体から薄茶色の液体に変わるまでたっぷり投入してから、今度は角砂糖の瓶から、ぽいぽいと砂糖を沈めていく。]
あっ
[ぽろりと角砂糖を一つ取りこぼす。
慌てて手を伸ばすが届かず、床に落下しそうになった瞬間、角砂糖がその場で止まる。]
(―――?)
[宙に止まったと思ったそれは、一瞬後には小さな音を立てて床に転がった。]
ふうん…。
[暇だったから槍を握るようならば、いつぞやも街へ繰り出したりはせず、庭で槍を握っていたことだろう。
けれど、彼女の目が確かな真剣と、覚悟を告げている。
ここは、これ以上声をかけるのは野暮だ。]
そっか。
[そう考え、自身は自身の修行へと戻る。
目を瞑り、手を伸ばし、空間を括る。
今までよりゆっくりとした速度で、けれど時折違った方法も試しながら、未だ見えない奥へ到達するため、繰り返す。
公園の彼がどうなったかは分からないが、彼ほどの力を持った相手が他にもいないとは限らないのだ。
それに――ナルキッソスのガンド(病風)。
あれにやられると身体が重くなる。
そして、魔力を帯びた攻撃は空間壁だけでは防げない。
一日一回、昼だけの修行だがやるべきことは多かった。]
………。
[床に転がった砂糖を見て、それから自分の手をじっと見る。]
あ、そうですね、……昨日の戦闘跡地でも、行ってみますか?
何か情報が得られるかもしれません。
[尋ねられれば我に帰り、そう答えた。]
あ、やべっ……、ばらしちゃった。
[いつもの調子がどうも出なかった。
飄々としていない自分なんてただの生贄に違いない]
ちょっ、っと、まって!?!?
[急に現れるエストック、そして向けられる矛先]
ファフ、くだらない事いってないでたすけr
[サーヴァントニ助けを求めたがその必要はなかった。
爺さんのマスターの踵が炸裂したからだ]
[やがて時間が経つと、ライダーから終了の提案が入った。
伸ばしていた手を下ろして、うん、と頷く。]
そやな。…ちょっと疼いてきたし。
[傷自体は疼いていない。
異常があるのは回路の方なのだが、それは言わないでおいた。彼女の戦いに余分を増やして、敗北させたりしてはならない。
これは二人の戦いであり、互いの戦いでもある。]
ほならどこ行こう。
俺、特に決めてへんのやけど…。
ああ。そういや茶請けが切れとったっけ。
[本堂前に置いた傘を取る。
そうなれば向かう先は商店街だが――と目で問うた。]
[マスターと話していた男性サーヴァントが剣を出すのを見た。刺突用のエストック。剣]
…………。
[相手のマスターに止められて、振り下ろされなかった剣をじっと見つめる]
おじさん、セイバー?
…さて。
[何処へ向かおうか。
ちらちらと色々なところで設備やらを眺めつつ、
結局向かったのは病棟だった。それも小児科病棟である。
青年ぐらいの年齢の外見は珍しくはないのだろう。
よく見てみればボランティアできているらしい学生の姿もちらほら見える。
子供というものは好奇心が旺盛だ。
小さい体で大人の目をかいくぐって色んなところを歩きまわる。
だからこそ、英霊は入院歴が長そうな子供を探すことにした]
ん――……どこ、って。いってもね。
[それなりに町を歩いたとはいえ、どこに何があるのかは、未だ、よく知らない。
それこそ、食料の確保くらいしか、思い浮かばない。
情報を探るという手もあるが――イカロスに、ナルキッソス。
ふたつの名に纏わる伝説を調べることも、昨晩、異常が滅されたいま、優先度は下がる。
その旨を告げて、結局、行き先は任せると]
―商店街―
[買い物をしている。
酒瓶が棚から落ちてきたり
くじ引きで全部最下位を引いたり
ドアの取っ手が急に回らなくなったりしていたが
それなりに順調だった。]
…ん
[古い本屋の前でふと立ち止まる。
少し日焼けした背表紙。
神話の本が並んでいた。]
さて、どうであろうな。
[アサシンの問い掛けに得物を片付けながらトボケて見せた。]
ひとまずは…伊達男のサーヴァント、デュークとでも名乗っておこうか。
かく言う貴様は何であるかな?
[と。どうやらこの公園は現在、立ち入り禁止であったようだ。警察だか何だか判らぬが離れた場所よりこ警告の声が飛んできた。]
おおっと。
次に会えば容赦なく殺そう。またであるぞ…ッ
[自分が投げた問いにどのような反応をされようともさほどの興味を見せず、ジュリアを抱え一足の元に跳び去った++**]
―夜・ファミリーレストラン―
[頼んだメニューは4品。もちろん自分ひとりの量だ。
それであきらめたのは単にテーブルに乗り切らないからだったりするのだが、食べている間は文句も言わない]
お子様ランチ? 頼めるんじゃないかな。
誰が食べんのよって思われるだろうけど…。
[じ、とルナを見た。一番子どもに見える。はずだ。
一品目のカルボナーラ、二品目のエビフライ定食、三品目のハンバーグ&ステーキセット、四品目のオムライスまでをぺろりと平らげて、食後のコーヒーで〆る。
知っている情報はあっても、こちらしか知りえない情報は殆ど知られている気がした。何かあったらここに、と電話番号を教える。
家にある電話だが、いまだ使ったことはない。
実りはあったか、別れてうちへと戻る]
なるほどねえ。
まあ、調べ物する言う手もあるけど。
油断は禁物やしな。…起こってから考えてもええけど。
[どちらにしても、やるべきことは変わらない。
境内を後にしようと、石段の方へ。]
ああ。
姐さんに街を案内するとか――。
…言うてもどこに何がおるか分からんしなあ。
[歩くところを間違えば、目を離した隙に怪しいキャッチセールスに捕まえられそうだ。それはよろしくない。
結局、商店街へ向かうことにした。]
―朝・拠点―
[今日は和食らしい。
何故本を見ただけでこうもうまく作れるのか、料理を作らないメイアルにとっては不思議でならなかった]
美味いし。
手際もいいし。
どこの良妻。
[もちろんご飯一粒すら残さずお腹の中へ。
片付けている間煮ている牛筋も美味しそうに眺めつつ、食後のデザートにぬれせんべいを一枚二枚三枚。
新聞はとっていないからテレビで情報を手に入れるしかない]
出かけんの?
いいけど。
アタシも後で出かけるからさ。なんかあったら飛んできて。
[後ろ手を振って、テレビの朝のワイドニュースを観覧中]
投票を委任します。
バーサーカーは、メイド セリア に投票を委任しました。
[ワイドニュースを見終わった後、戸締りと結界の張り直しをしてから外へとでる。
たまには歩いてみようと、駅前の方へと向かって歩き出した]
いい天気だねぇ。
昨日のことが嘘のようだよ。
いい天気だと眠たくなるやねぇ。
[大きなあくびを一つ。住宅街を抜け、駅前まで続く商店街に入る。
先ほどまで目立つ顔がいたらしいと噂話を聞いた。
目隠しだの白髪だの、終いにはこちらを指差された]
…セムいたんだ。
噂の内容からすると、エラトに胡蝶たちもいたんかなぁ。
……。いるし。
[店の軒先に立つサーヴァントが一人。どうやら古本屋らしい]
……それが、姫倉さんの力で?
[途中で角砂糖が一瞬停止する。
明らかに、異常な動き……
これが、模倣した力だろうか。]
戦場後に行くんで?
なら、俺も一緒に行きましょうかね。
―商店街:古本屋前―
[――そういえば。
真名から伝承を調べれば、と
そんなことを云っていた。此処は図書館ではないが。]
失礼、これを見てみたいのだが。
[当てずっぽうながら断りを入れて
本を取っ――]
ッ !!!?
[本が雪崩れてきた。]
[警察の警告に反応した爺が飛び去る]
おーい、ドラキュラー隠しても無駄だぞ〜?
[去っていく後姿に真名を叫んでみる。
聞こえたかどうかは定かではないが]
さて俺達も行こうか、そして俺まともにまだ動けない。
ファフ、運んでいってくれるかなぁ。
[動けないほどではないが、運搬をうながす。
ほうけていた罰には丁度いいだろう]
― 南 / 商店街 ―
ほう。
[硬貨を拾うライダー。その指先をじっと見つめた。]
良かったな。ライダー。
――さあ、交番に届けようか。
[当然のように言った。]
ネコババしたらあかんよ――っと。
[言い切る前に、胸の疼き。
周りを見渡したが、人の流れですぐには見つからなかった。
しかし。
さすがに盛大な物音には気付くというもので。]
……。
[本が雪崩れをおこしたようだ。
思わず笑いそうになるのを抑える]
おはろー。
何してんのにーさん。
[折角なので隠れるのをやめて声をかけてみた。口元は笑いそうになるのを抑えているからかにまにましている]
デューク。
[問いには答えなかった。慌ただしく跳び去る英霊。その背中を見つめ、呟く]
彼の剣のイメージは、もう少し大きいんですが、竜は心臓を一突きにされたという話ですし、その概念が特化したと可能性はありませんかね……。
[できることなら会ってみたいと思った、自分の血縁。しかしそれは極小確率のクジ引き。
だが希望を繋げようと思った矢先の、マスターの言葉]
……了解ですマスター。移動しますので、舌を噛まないように。
[首根っこを掴んだ。できるだけ揺らしながら走ろう。そう決意して、その場を離れる]
あー……。
[本が崩れている。
前も思ったが、あの英霊はなんて不幸なのだろう。
半分自分のせいなのだが――と近づこうとして、別の人影が現れた。このままスルーべきなのだろうか。
仮にも敵マスターとサーヴァントである。
それに、あまり多くの人手で目立たせて困らせてはいけない。]
………。何してんねんな…。
[呟いて、結局は近づき、本を一冊拾った。
元あったのであろう棚に戻す。]
……。
[本を拾っていたらもうひとり現れた、
姫倉だった。一寸先日のことを思いだした。
いたたまれない。]
……本が雪崩れてきたのだ。
[事実を説明した後、
黙々と本棚に本を戻していった。]
[顔を出したところで姫倉達にもひらりと手を振った]
やほう。
奇遇やね。
[自分も同じように本を拾い始める。
本を探している、というカリンに拾い上げた本の背表紙を確かめつつ]
探してるって、例えばどんな内容だとか、そういうのは目星付けてんの?
こういったとこだとジャンル分けされてるとこってあんまり見ないんだよね。
[恥ずかしそうにしているのを見る表情はやっぱり笑みを浮かべている。目元はサングラスに隠れてわからなかったが、笑っているのがうっすらと見えるだろう]
[きょとり]
――……こう、ばん?
[略奪上等、街を襲って金品と家畜を奪い、戦場で敵を殺さば鎧を剥ぎ取れな時代。
拾ったものを届ける理由は、理解出来ない。が、"あかん"と言われれば、否応もなく]
…………あ。
[胡蝶にカリンと呼ばれていた、昨晩の戦いでは弓を放っていた英霊。それに、メイアル。
各々の相方は、周囲には見当たらない。とりあえず、応じて、手は振った]
おそらくは…
[掌を見つめる。
一度取り込んで、変質した部分はあるかもしれないので、一概に同じ物だとは言い切れないけれど。
ぐにぐにと掌を開いたり閉じたりしてみる。
まだ意識してどうこう、という事は出来そうも無い。]
あ、そうそう、昨日着ていた服ぼろぼろになってますから…
[そう言うと、傍らの紙袋からごそごそと服を引っ張り出す。]
これなんかどうですかね?
[取り出したのは、銀のスパンコールで埋め尽くされた、開襟のシャツ。]
雪崩か。そうか…自然現象ならしゃーない。
まあ、本かてたまには崩れたくなることもあるやろ。
ずっと同じ場所におんのもしんどいやろうしな。
[本を戻しながら、そんな相槌を打った。]
ああ。歌劇座の人もこんにちは。
…ご無事そうで何よりです。
[青年(キャスター)の無事は確認したが、マスターの無事は確認していなかった。良かった、と息をつく。
メイアルが言えば、自身も背表紙を確認しつつ。]
ま、アタシあんまり日本の古本屋さん知らないけど。
過去少ない経験から。
[本を拾い上げては元の場所に返していく]
雪崩れる置き方してるのも、悪い。
古本ってのは特にいたみ易いんだからさぁ。
ちゃんと棚に揃えて入れないと。
[本を拾い上げるのに屈むごと、ポニーテールが揺れる。結った状態でも腰近くまでの長さ]
あ、姐さんもおはよ。
何、夫婦連れ立ってのお買い物? それとも情報収集? それともただのお散歩かな。
って歌劇座違うってば。
[音符でもつきそうなリズムで言うと、姫倉からの呼びかたにすかさず突っ込みを入れる]
そいや、姐さんには姐さんって名前を聞いたけど、マスターには聞いてないな。
アタシはメイアル。あんたは?
[拾い上げた本の埃を落としつつ、聞いた]
[ふたりのマスターを手伝って、本を拾い、戻そうと。
そこで、はたと、手を止める。掴んだ本は、ギリシア神話。
何の気なしに開いてみれば、クレタに関わる章。
自分の名も、息子の名も、イカロスの名も記されている]
――……。
[裏返してみる。500という数字が書いてあった。
先程の硬貨を、じっと見る。500という数字が書いてある]
ええと――……ください。
[購入完了。あとで怒られるかもしれないが、まあ、それはそれ]
―商店街:古本屋前―
…商店街には
よく集まるのだろうか。
[バーサーカーにも先ほど逢ったのだった。
敵同士だが街中で戦うは好まず。
集う面々を見、ライダーにも頭を下げる。]
……古い伝承の本を見ようと思ってな。
[云ってから、本棚に戻った本を見る。
今日の料理、はじめての盆栽、神話大全、星占い――]
成る程雑多だ…。
[メイアルが笑っている。不服そうに眉を寄せた。]
―樹那病院―
いや、頼ると言っても……。
儂がさっさと脱落した方が、おぬしらも都合がよかろうて。
[複雑そうな表情で、警告には頷いておいた。
病院で戦闘を起こそうなどという気は毛頭ないが。
願いに、少し罪悪感の匂いを感じて、苦笑する。
偽善と欺瞞。自分に置き換えても、ああその通りだとも]
偽善と欺瞞か。
まあ多分、鰓なら聖杯を手に入れても
悪いことには使わなさそうな感じはする。
[THE・人畜無害。サンタさんが優男だったなんて初耳だ。褒めているのか微妙な言葉で別れ]
……さて。
[お着替えタイム終了。そこには患者さんからも自然に話しかけられる、ちょいと低身長なナースが居た]
―昨夜・教会―
[真白が重く落ち始めた頃。
ようやく教会へ戻ってきた二人のサーヴァントを視界に捉えて
階段に腰掛けて、ぼんやりと待っていた姿勢からもたもたと立ち上がる。
…新しいトナカイに乗ってきた事に、内心そわそわしていたのは、内緒。]
逃げた、かぁ。
――マスターと、あの魅力を操るサーヴァントも
何かしら傷を負わせられたら――良かったけれど。
…あの巨竜を倒す事が出来ただけでも、充分かな。
[此方は誰が欠ける訳でも無くの結果だ。
既に十二分の成果で、其れ以上を望むのは愚かだと理解している。
紫の馴鹿が噛んだ事に、全力で頭を下げるエラトを必死に止めて。
(噛まれても可愛いので全然許す。むしろ許すとかじゃなくて可愛い。)
お疲れ様、とセムルクとエラトに一つ言葉を投げ――
…ふと、視界に入った緋色に、ぱちりと瞬いた。]
――…、何してるの?
[己のサーヴァントの片耳。
其処に穿たれた針が、戦闘で負った傷ではないとは直ぐに判った。
己の耳に触れ示して、己のサーヴァントに問う声は
咎める訳でも無く、僅かに困惑の混じった疑問の色。
その答えを、深く問う気は無い。答えないならば、それで。
…傷を含むサーヴァントの回復には、己の魔力が使われるわけだが
彼だって其れは知っているだろうし、その上でしたのであれば理由もある筈。
そも耳の刺し傷一つ、其れ位の傷など最早大した差ではない。
…尤も、教えてくれなかったら、ただ少女の中で
彼はマゾいという仮定が一気に確信として色濃くなるだけだ。]
[ユーリからの食事の言葉には、二つ返事で頷いた。
普通にお腹が空いているのもそうだし――何分魔力の消耗が酷くて、
疲れているのもある。帰るまでに、もう少しゆっくり休みたかった。
遅くまで飲食店がやっている事に
ファミレスに入ると、量は食べられそうにないと暫しの思案の後
甘いものなら食べられそうな気がして頼んだのはパンケーキ。
…アイスも乗ってたし。
ユーリの、明らかに人数と噛み合わないオーダー数に驚きながら
エラトが頼んだお子様メニューの天辺に刺さっていた旗だけ貰った。
おもちゃも気になったけど、我慢した。流石に貰えない。
…兎のマスコットを選ぶように強請ったのは、自分だけれど。]
茶請けが切れとってなあ。
昼間は特にこれと言って…まあやることはあるけど。
[修行とか。
しかし即突っ込みが入れば、瞬いて、笑った。]
ああ。すんません。
そういや、名乗っとりませんでしたね。
俺は姫倉達生です。よろしく――メイアルさん。
[軽いお辞儀。
その横を縫って店内へ入って行くライダー。
中で購入手続きの声が聞こえた。……うなだれた。]
……あーあ。使ってしまいよった。
…立て替えて届けとくか。
[例え500円でも困る人は困る。
自分の財布から出して交番に届けよう。そう思った。]
―商店街:古本屋前―
本も動きたくなるものなのか。
[真に受ける。
隣で麗人が本を購入している。
店主は思わず彼女に見とれているようだった。]
雪崩れるのはまあ、積んであったからな…。
綺麗に並べておけば、次の人は心配あるまい。
よし。…手伝い感謝する。
[綺麗に並べ終わってから、
神話大全を手にしてみた。見慣れぬはずの文字が読める。聖杯の神秘。]
[500円玉で本を購入する姐さんの姿にやや首を傾げた]
…その500円って、ひょっとして。
[拾ってのかなと思ったがそこまで口に出来なかった。財布にもいれず500円玉だけ差し出すのも珍しいと思ったからだ]
ううん。なんでもない。
商店街で誰かに会ったのはアタシは初めてだね。
大体素通りだし。
買い物はエラちゃんがしてるし。
古い伝承?
図書館とかのが良さそうだけど、部外者借りられないとことかあるしね。
日本神話の本とかはあるけど。
[手に取った本は日本昔話だった]
誰もおらんはずやのに本やら忘れ物がのうなるんは…。
なんやっけ。なんとか言う妖精の仕業で。
[神話大全を手にする青年。
なるほど、情報収集ということだろうか。]
…雪崩も雷と同じくらい怖いしなあ。
本の雪崩も、巻き込まれたら恐ろしい。
いやはや無事でよかった。
[ならば多く触れることはあるまい。
言葉を選んだが、色々と地雷だったとは知る由もない。]
お茶受け! それは美味しそうね。
[食べ物には即反応。別に今はお腹がすいているわけでもない]
ヒメクラタツオ、うーん、お姫さんでいい?
[真顔]
お姫…。
[真顔でフリーズした。
再開。再起動。神妙に首を横に振った。]
それは勘弁。俺、男やし。小柄やけど。
まあお茶請け言うても羊羹とかやけどね。
姐さんが甘いもん好きみたいで。
そこのお兄さんが、女性は甘いもん好きやって。
[メイアルさんも? と目で問いかけた。
あと当たり前のように女性として扱った。]
[本を手に、少し、上機嫌。
イカロスの情報を、差し引いても。
自分や縁の者が、後世、どう伝えられたのか。どうしたって、気にはなる]
――神話大全? へえ……色々あるのね。
北欧、ギリシア、ケルト、日本、それに、インド?
[胡蝶のサーヴァント、その背越しに、覗きこみ。
ぱっと、目次に並ぶ幾つかの名を、口に]
[本を全て棚に戻し、自分もいくつか本を手に取る。
伝承に関する本は既に家にたくさんある。
聖杯戦争用にと用意されただけあって、世界各国のそういった本がおかれている。
最も、メイアル本人はその内の半分も見ていないのだが]
日本語難しい。
[童話ならともかく、普通の本は眼に痛い。ある程度までは読めても、難しい漢字が出てくると辞書がなければ読めない。
なので、手に取るのはもっぱら絵本か漫画だった]
肉屋さん? 今日はお肉かなぁ、結局昨日はファミレスだったからちゃんとエラトの作った晩御飯食べたいんだよね。
[昨日頼んだ肉も買ってきたといっていたのを思い出す]
……ん?
すまん。何や言うたかな。
[青年の手が止まった。
何か気になることがあったのだろうか。
思いつつも自身も一冊を抜き出す。
表紙には「見て聞いて分かる! 庭木の剪定」とあった。
謎の雑誌だ。ぱらぱらとめくる。]
なんちゅう妖精やったかな…。
確か……。パック?
[美容に効くといわれる卵なんとかのことではない。]
―西ブロック―
って、おい、無茶するなってのー!!
[首根っこを掴まれた。
掴み方に悪意を感じたのはきっと気のせいではないだろう]
図書館の方が本の量は多いし、返せばいいしね。
[フリーズする姫倉に目を瞬かせる]
うん、男の人かなとは思ってたけど。
お姫さんでも問題はないかなって。
うんうん、甘いものは別腹やねぇ。
いくらでも入るよ。
たぶん甘いもの用の胃袋が別にあるんだ。
[無茶を言った。女性扱いされているとはそれほど思っていなかったが、今日の服装のテーマは昼下がりの専業主婦である。
ただ、主婦らしいことは一つもしていない]
好きっていうか――好きだけど。
かなりの贅沢だったのよ、甘いものって。
蜂蜜くらいしか、なかったもの。私でも、たまにしか。
……パック?
[なぜか、栗のような妖精と、鉄塊のような大剣を持った男を幻視した]
―樹那病院―
[名を変え姿を変え。変装しての潜入は普段の仕事に近い。
「田中」のネームプレートを引っさげて、病院内を遠慮なく闊歩する。
何度か迷子の患者さんを案内し、既視感に嘖まれながら目的のカルテ室へ。
そこはさながら戦場の如し、スタッフが電話対応やカルテ整理に追われている。
壁際には端末とぎっしりカルテが詰まった巨大な棚]
あの〜ちょっといいですか。
先生に頼まれごとをされたんですけど。
あ、丁度昼ですし、お食事にでも行かれたらどうです?
[端末前の席を陣取っていた、機械に疎そうなスタッフを適当にどかせて、さてお仕事開始。
ちなみに話そうと思えば訛らず喋ることもできる]
えーと医師名簿……会計処理……外来カルテ……病棟管理……あ、これじゃ。
[棚にずらりと並べられたファイルとフロッピーの山から、入院患者の記録を探す。とりあえず三年分ほどコピーすることにして、持参していたフロッピーを取り出した。
なうろーでぃんぐ。。。]
俺より、兄さんの相方さんの方がお姫様っぽい気がするけどなあ。こう、名を名づけるということは古来より呪術的な意味がございまして。
…せやから、お姫さんは勘弁。
[何故か後半から敬語になった。
また1ページ捲って、笑った。
二人の回答が合致している。なるほど、やはり女性とは甘いものが好きらしい――と頷いた。]
元々、人間の間でも甘いもんって贅沢のためのもん…やなかったっけ。よく覚えてへんけど。
食べる言うより、趣味、って考えたら、確かに。
別の胃袋がある言うんも分かる気がする。
[パックに対するライダーのイメージは分からない。
1ページを捲りながら、ちらとライダーを見て、首をかしげた。]
なんか違う気もする。シルキーやっけ。
[シルクのドレスを着た、家事手伝いの美人妖精。
青年を見た。なるほど、似合いそうだ。]
パック?
卵パック?
[妖精の名前といえば、世界文学での名前が思い出されるがそうではないのだろう。
そも思いついたときには卵パックが先に出ていた]
うん、料理できるよ。
本で読んだだけだったのに、どうしてあんなに美味いんだろね。
アタシ朝から食べすぎよ。
[食べすぎなんてことはもちろん思っていないのだけれど]
あ、買うんだ。買出しって、本だったの?
別のもの頼まれてたとかじゃなくて。
料理……サーヴァントって、そういうもの、だっけ。
[アーチャーは出来るのかと、ちらと見る。自分は出来ない。
胡蝶のほうがお姫様っぽいという、言葉には。
私、正真正銘、お姫様だったんだけどなあ……と、少し、眉根をよせて]
……昨日も、食べすぎじゃあ。
[朝から食べすぎという、メイアルの言葉には、苦笑を。
己の主がその場にいなかったことは、失念している]
―西ブロック―
[首を掴まれながらの移動にも慣れてきたときだった。
先日不戦協定を結んだマスターの姿を見つけたのは]
ファフ、ストッp!!!!
[思いっきり舌を噛んだ、ファフの狙い通りだったのかもしれない。
幸い言葉通じたらしく、マスターの前でファフは停止してくれた]
?
[ライダーの視線を感じた。その意図は分からない。
首を傾げそうになったが、後の言葉が先に耳に入った。]
ふうん…。
[どうやら二人は知らない間に食事をした間柄らしい。
もしくはメイアルが食べているのを見たということか。
何があったのだろうと興味はあったが、深くは聞かないことにした。根掘り葉掘り聞いて、ライダーの楽しみを汚してはいけない。]
[お姫さんを却下されて考え中]
……ヒメクラ、タツタツ、…んー。
[タツオ、は言いづらいらしい。姫倉、も真ん中にカ行が来るのが苦手のようだ]
そっか。
[ぽんと手を叩き]
姐さんの旦那さんだから、旦さんでいいかな。いいよね。
[決定したようだ]
旦さん?
[なんだか常時お茶を入れていそうなネーミングだ。]
まあ…ええけど。
じゃあ、俺もメイちゃんと呼ぶことにしよう。
[真顔で言った。そして相手の名呼びにも頷いた。]
……嬢、あれですかい。
[取り出された服を受け取り、暫く無言で見つめてから。]
今の世の服は、何かしら光ってないと駄目とか、
そういう規律でもあるんですかい?
[いや、この間から出会う人の服を見ていれば、
明らかに自分だけしか、こんな服を着ていないのは分かる。
とすれば、何か深い意味でもあるのだろうか……。]
―朝・拠点―
畏まった扱いされても困るよ!
そんな心配される程、柔じゃないもん!
[――起きて早々、朝から慌ただしかった。
主に軽い言い争い的な意味で。]
…「ただ」、 何。
[確かに、同じ年頃の少女に比べて、体格も小さいのは自覚している。
しかしそんな気に欠けて貰う程、ひ弱な心算では無いのだ。
向けられる真紅を、灰銀で見返して。
――その続きが、紡がれる事は無い。 一つ溜息を落とす。
出掛けると告げるサーヴァントを、引き留めはしなかった。
勿論、自分が付いていく体力が余っている訳では無かったし
引き留める理由も、なかった。 考える事もあった分、尚更。]
[そうして胡蝶が目立つサーヴァント達に頭を悩ませていたり
エラトが敢え無く捕まって内心嘆いていた頃。
その保護者――もとい、マスターはと言えば、羊の抱き枕
(この国に着いた直後頃に購入。可愛かった一目ぼれだ。)に抱きついて、
寝台の上でゴロゴロと転がっていた。]
……うあー。
[当たり前だが唸った所で、身体に残る倦怠感が取れる訳でも無く
ごろ、と転がって見えた天上へ一度視線を向けて、ゆると瞬いた。
――実際、魔力の量が少ない訳ではない。
むしろ、普通に比べれば貯量は多い方。
バーサーカーを呼び出し、且つ宝具を連発されようと
倒れない、むしろある程度ならば耐えられる程の魔力は、持っている。]
[ただ、其れは自分が何もしていない上での話。
――魔術刻印で受け継いだモノを含めて、
自分の使う魔術は、反射を除いて酷く魔力消費が著しい。
今は耐えられても、次第に其れが命取りになるのは目に見えていた。]
……、
[魔力不足を、解消する方法。 ――思い当たりが、無くは無い。
たった一度だけの不戦協定を結んだ相手の顔を思い起こして
横向きに羊枕へ抱きついたまま、灰銀を瞬いた。
一度の不戦協定を利用してまで、聞きに行く価値はあるか否か。
前に落ちる髪が少しだけ煩わしい。
ふるふると首を振って、それを除ける。]
[もそ、と起きあがる。
名残惜しげに羊の抱き枕を手放すと、出掛ける身支度を始めた。
…サーヴァントが戻るのを、待つ心算は無い。
否、戻る前の方が――好い気がした。
サーヴァントの相性が、この上なく悪い二者を敢えて合わせる利点は無いし。
白のスカートにキャミソール、薄桃色のレースボレロを羽織って
髪はサイドでツインテールに手早く纏める。
財布と、色々入ったポーチを纏めたポシェットを肩から下げると
そのまま、家に施錠を施して――その場を後にする。
…セムルクが戻ってきたら、入れない事になるが
――まぁ、だからと言って空けて行くわけにも行かないだろう。]
さぁ、て。
[何処に居るのか。流石に想定つかない。
いや待て、そう言えば昨夜の森林公園には、いた。思い出した。
…そこで、くたばっているとは――思わないが。
ふら、と其方へ向けて歩きだす。]
── 図書館 ──
[バーサーカーが目撃したアーチャーの不幸体質は、通りで別れてすぐにダンボールを被る彼と、ダンボールに追加で、何故か鳩に踏まれていた場面だけである。
バーサーカーは、ラナが作った小リストに有った買物、それから例の酒屋に再びもどって、店主を涙目にさせて吟味の末に葡萄酒を買った。アジア圏以外の神話や歴史、伝承に関する書物はすでに拠点に有ったので、前回の聖杯戦争に関わる地域情報を増やす為に、図書館へ足を運ぶ。]
このコピーなる技術は便利だな……。
収拾した新聞記事の寄せ集めでは
正確な情報は得られはしないわけだが。
──…ん。
前回も隕石が起きたような災害。
火災、火は日常的な危険であるとして
地割れ……。
[火を使うサーヴァントや魔術師はそう珍しくは無いと言えば無いのだが、一面記事になった地方紙の地割れの断面は昨日の樹那町のそれと同種に見える。]
―西ブロック―
[そうして、目の前に探していた人物が現れたのは
丁度西ブロックに差し掛かった辺り。]
……、ああ。
[丁度良かった。と思いつつ、 声に出なかった。
相手の酷い状態に、ぱちぱちと驚愕に瞬く。
首根っこを掴まれて、運ばれるマスターって どうなの。]
…息、出来るの?
[つーか、血行止まってない?
流石に無呼吸でも生きていけるとは知らない故に、投げた問い。
しかし、幾ら何でも血行が止まると些か宜しく無い気はする。]
…メイちゃん…ちゃん…。
[内心頭を抱えそうになった。が、そこは表情に出さず]
あーあー、うんなんでもええよ。
エラトは執事ってよりおかんだげどね。
いま何処にいるんだろ…。
[病院で子どもと戯れているとは知らない]
― 西ブロック ―
なんですか、マスター。
また何か面白いものでも見つけたのですか?
[蝶を見れば追っていくかのごとき言い方だったが、その視線の先を追って目を瞬かせる]
……ああ、なるほど。
面白いものを見つけましたね。
[言って、挨拶する]
どうも。先日はご迷惑をおかけしました。
君、俺をなんだとおもってるわけさ。
本当に酷いサーヴァントだよ……。
[ファフの言葉に思わず腹を立てていた。
目の前のマスターは呆れてしまっただろうか]
おっと、こんにちは。
今日はサーヴァントはいないの?
む。
[メイちゃんはお気に召さなかったのだろうか。
ならば、これからもどんどん呼び続けようと思った。]
エラト? …ああ、あの兄さんのことか。
書置きとか、言伝とかなかったんですか。
行き先分からんねやったら、探すん手伝うけど……。
[ライダーに頼めば一発なのだろうけど、どうも副作用があるようなので、安易には頼めない。
だとするならば足で探すことになるのだが。]
うん、こちらこそ。
――…ええと、ファフ?
[彼が言っていた名を記憶から掬って、かくんと首を傾ぐ。
互いに自己紹介をした訳ではないし、その記憶も曖昧なだけに、
間違っていたら申し訳ないと思いつつ。]
ちょうど良かった。探してたとこだったんだよね。
――ちょっと、君のマスターの方に聞きたい事があって。
[首が締まってるけど。]
えーっと、確認していいかな?
昨日僕達、一瞬だけだったけど会ったよね……。
つまり、一回だけの不戦協定は昨日で終わり。
ここで殺されても文句は言えないってなるのかな?
[悪質な冗談をさらりと述べる。
もちろん実行する気などない、相手サーヴァントの強さを見せ付けらてるから。
だけど、やっといつもの調子が戻ってきた気がした]
ああうん、今は居ないよ。
置いてきた、――…とはちょっと違うな。
抜け出してきた。
[首が締まっている方の言葉に、一度訂正を重ねて、返す。
バーサーカーとしては、休ませる意味合いも含めて
拠点に置いてきたのだと思うが――残念ながら。
何かあれば、勿論呼び出す心算は存分にあるけれども、]
休戦協定は、まだ有効でしょう?
[その内にね、と薄く口元に笑みを浮かべた。]
[同時に口を開くも、発せられるのは真逆の言葉]
くっ!! あはははは!!
なんてタイミングだ、君は最高に面白いね。
[あまりのタイミングのよさに笑い声を隠せない]
[じ、と姫倉を見る。何かあきらめたらしい]
書置きって言うか、出て行くのは見送ったんだけどネ。
多分ね、初めの予定からすると違うとことか行ってるんだよ。あの子。
どうしよっかなぁ。
うん、探したいって訳じゃないのよ。
アタシが危険な時は飛んで来いって言ってあるし。
ただ、アタシもいつまでもこうやって遊んでる訳には行かないっていうかね。
昨日のこととかまだまだわかんないこといっぱいだし。
…そんなに、笑う所?
[随分とツボに入ったらしい、大声で笑う相手に肩を竦めながら
まぁ、本気で仕掛ける心算は無いらしい様子に、一つ安堵の吐息を零す。]
そもそも、あんなのノーカンでしょ。
――巨竜を目前にして、
「本当は戦いたいけど、協定があるから」
…なぁんて心算だったんら、あの時踏みつぶされてるんじゃない?君。
[逆に褒めてあげるわ、と告げる口調は冗談交じり。
別に挑発やら、ケンカを売りに来た訳ではないのだから。]
―樹那病院―
[引っ切り無しに電話がかかってくるおかげで、無駄な世間話もしている暇はないようだ。
守備よく四枚のフロッピーにデータを収め、「失礼しました」とカルテ室を後にする]
無駄骨のような気もするがのう。
[さて、エラトの方も目的は果たせているだろうか。
元の着物に着替えて、用の済んだ病院を後にした。
ついでに、単身動ける内にと樹那大学の図書館に寄ることにした。
学生の頃から和装で通学していたため、入り口の守衛に顔を覚えられているのだ。
軽い挨拶で快く通して貰い、学術的な蔵書では引けを取らない本の巣へ足を踏み入れる。
積み上げていくのは、神話の本ではなく図鑑や写真集。なるべく見た目で、現在のインドの生活が分かるものがいい]
これで土産になるじゃろうか。
[カルナはエラトほどに、召喚されてから知識を得ることに積極的ではないかも知れないけれど。
これも半ば自己満足だと割り切って、帰路に着いた]
[小柄な少女のサーヴァントを、思い返し]
……昼間といったって、危ないわよ。
実際、私、一昨日、昼間から襲われたもの。
[はた、と。いまひとり、ひとりでいるサーヴァントに視線を]
そういえば。
モチヅキとは、一緒じゃないのね。
[捜していた、と彼女は言った。サーヴァントも連れずたった一人で、休戦協定を結んだとはいえ根本的にどうしようもなく敵である自分たちを。
じっと見つめる。少女のようなマスター。
白い少女。
……もしかして。
バトルから産まれるラブかもしれない。
そんな考えに行き着く辺り、まだ魅了の後遺症が残っているのかもしれなかった]
笑うところ笑うところ、これは笑うところだとおもう。
あー、でも真面目な話をするなら。
昨日のはいいチャンスだよね、君に限らずねー。
あの状況じゃ竜に注目が集まるんだから、
その間にマスター討つっていうのはいい手段よ?
僕に余裕がなかったから無理だったけどねぇ。
ところで、同盟組んでおいてなんなんだけど。
俺、オルグロス、君は?
[少し笑いすぎたかと反省する、相手にどう見えていたかはわからないけど。
そして、名前の交換なんていう基本的な事を行っていなかった]
あー……。
[自分も、買い物と言いつつ仕事に行ったり修行に行ったりしたことを思い出す。ちら、とライダーを見て、また戻した。
ほんの少しだけ目を細め、視線を彷徨わせた。]
昨日のことか。……そやねえ。
テレビでメイドが何やしとるとこ見ると、処理には入っとるんやろうけど、具体的な被害は分からん。
それに――。
――まあ、変身しとった兄さんやら、ナル…なんとかいうサーヴァントやら、どうなったんかも気になるしな。
―商店街:古本屋―
[メイちゃん。姫。
なんだろう、女性のやりとりのようだ。]
エラトなら、
我が主と共に病院へ向かったが。
[特に隠すことでもないと思ったか
行き先について口にした。
ライダーの視線を受けて其方を見]
嗚呼、我が主とは少々別行動だ。
千尋の谷に突き落とされたのだ。
[サーヴァントのほうが。だが。買い物的な意味で]
――昼間から、でもか。
明るいうち戦わぬというのは明文化されたルールでなくただの不文律のようだからな。従わぬものも、いるか。
いんや。何も。
[青年には、笑って返す。種も仕掛けもありませんと言った風に、両手をひらひらさせてみた。
そして心配をするライダーには視線を向ける。]
そらまあそやけど。
今はライダーもおるやろ。
[百人力や、と笑った。
庭木の剪定の雑誌を、元に戻す。
協力が必要ならついて行くが、とメイアルを見た。]
[料理、買出し。
最近のサーヴァントには、そういうものが求められるのかもしれない。
機会があれば、自分もと。
心に決意して、掌を軽く、閉じたり開いたり。
――ちなみに、無論。
生前、料理などしたことはない]
?
[首を傾げるカリンのほうを見た。なんだろう]
何?
[性別をいまだに不思議に思われているらしいのはわからない。
そういえば胡蝶には胸を触らせたのだったとふと思い出した]
特殊能力じゃないと思うけど、好奇心のなせる業ってやつなのかもネ。
食料買いに来たんだ。料理に使えるものがいいよ。
[助言をしようと思ったが、肉以外の材料名が出て来ない]
[印刷した記事を全てファイルに納めてから、図書館外のベンチへ出る。
地割れの断層写真を目隠しのまま注視していると、コロッケの匂いに引かれたか、酒瓶に誘われたのか。浮浪者と単なる地元の人なの中間くらいに見える老人達に話し掛けられた。]
嗚呼、
昨夜はお住まいの場所が地割れで?
この記事は……否、こちらは今朝の新聞だが
こちらは三年前の。
──…嗚呼、
三年前も大変だったとは。
[ハインリヒの興味を引いたのは、彼等の発言がまちまちで、記憶の消去が曖昧なのか、老人特有の症状で逆に教会の操作が上手く行っていない部分があるのか。3年前の災害の詳細が聞けそうだと言う事だった。
家が無い、空腹だと言われて、お土産にするはずだったコロッケと、実はそれも拷問具な『太針』で器用にコルクを抜いた葡萄酒の一本を差し出す。]
どちらも、美味ですよ。
否、興味深いお話のお礼です。
……千尋の谷へ?
よく、判らないけど……頑張って?
[不幸そうなサーヴァントへ、視線。
己とは、正反対のスキルを持つとは、知らず。
怪訝げに、主の言葉へ問い返すのを、耳にすれば]
あれ……昨日、言わなかったっけ。
[うなぎ屋での会話を、思い出す。
聞かれたことには答えたはずだが、どうだったか。まあいい。]
えっと……昨日の、ワイアーム。
あれも。"8人目のマスター"が、変身したのよ。
ナル? ナルシストのサーヴァント?
[嫌な顔をした。たぶん誰から見てもいやそうな表情だっただろう]
いたんだ。あそこに。
変身してた兄さんって誰だろ。ま、そのあたりは追求しないでおくけど。
うん、でも、たぶん昨日で終りじゃないよね、あれは。
やだなぁ。あいつ。
え、エラト病院行ったの?
って、そっか、そうだね。
マスターの方調べにいったのかな。
[協力してくれそうな姫倉を見る。確かにマスターの一人歩きは危険だとわかっている。
それでも単独行動を好むのは性格上とめられないからだが。
メイアルの属性が『欲』であることも関係しているのかもしれない]
[沈黙を保つ少女のサーヴァントが、何を考えているのかは判らない。
一度だけ其方へ視線を向けて、少年へと向き直る。
…もし、考えが読めていたならば、たった一言だけ言い返したに違いない。
「どうしてそうなった。」]
…まぁ、そうかもね。
他のチームを討つタイミングとしては、ある意味絶好の機会だったのかも。
[相手マスターの言葉。否定はしない。
普通の聖杯戦争ならば――その手段を、もしかしたら取っていただろう。]
でも喩え其れで残っても、私達だけじゃ、
――…、まぁ正直。あの竜を倒す事は無理だと思ったから。
協力体勢を取れる面々を下手に削るより、強敵に対抗する手段を選んだ結果だもん。
[倒せない事を認めるのは、酷く苦いが。
あの判断を誤ったとは思っていない以上、偽る事はしない。]
…私? ――「ルナ」。そう呼んで。
[今更だと思える自己紹介に、小さく笑いながら
此方も、この戦争の間だけの名を、名乗る。]
オルグロス。
この前…、確か言っていたでしょ。
魔力不足を、解消する「手段」ってヤツ。
その話を、教えて欲しいの。
[勿論、ただでとは言わない。
対価に見合うのであれば、――己のカードを。
魔術の其れを、ある程度ならば晒すと一言添えて。]
[ライダーの説明にああ、と納得した]
そっか。そゆことか。
[ようやく繋がった。マスターの気配、移り行くサーヴァント。思えば、イレギュラーとされるサーヴァントはそれぞれ同時にいるのを見ていない。
あの魅了を使うサーヴァントだけが、他のサーヴァントと同時に存在していた]
あのサーヴァントのマスターが、他のサーヴァントに身体を貸してるんだ。
でも、どうやって?
まぁ、終わった話はいいじゃないの……。
[結局自分も相手も有効な手段は打てなかった。
もっとも、相手のサーヴァントは竜を討っていたので不思議ではあったけど]
で、聞きたい事って何?
[一回限りの協定を捨ててまで聞く用事は少なくとも自分にはなかった]
/*
そろそろこのすれ違いをどうにかしたいwwwwwwwwwww
マジで笑えてくるwwwwwwwwwwwwww
*/
[ライダーの説明に、追従するように頷いた。]
公園で戦闘になって――。
情けないことに、最後までは見てへんのやけど。
[苦笑いをして、こほんと居住まいを正した。]
……途中までは、まあふらふらした兄さんやったけど。
途中からは、どうも持ってる槍に操られてるっぽかった。
飛び方も不自然やったしな。
……途中から目え覚ましたっぽいけど。
[あいつどうなったんかねえ、と呟きを付け足す。
そしてメイアルが――苦虫を潰したような顔をした。]
…ええと。そう。ナルシ…ちゃう。ナルキッソス。
なんか急に後ろから抱き付いてきよって。
肘鉄したったけど。
暫くて魔力切れ近くなってから体が重かったから、弱い病風(ガンド)使いかもしれん。
―中央ブロック・ホテルグランパシフィック―
たっちん、これは……
選ばれし者の服、スターにしき○あきらのレプリカモデルです!!
[ばーん、と効果音が鳴りそうな勢いで掲げ持ち。]
そんじょそこらの一般人は、袖を通す事は不可能なのです。
さあ、試してみてくださいっ!
―商店街―
[カリンに言われた言葉に自分の格好を見た。二度頷いて]
うん、何処からどう見ても、今日のアタシは女の子。
剥くとわかんないけど、剥かなきゃ性別なんてどうでもいいじゃない。
[結局正解は言わないらしい]
でも、アタシが女の子なら、胸触っていいなんて、言わないけどなぁ。
[なんて言う表情もいたずらっ子のようだ]
どうだろう。それは、私も知りたい。
[どうやって、という問いには。肩を竦めて、苦笑を]
私 た ち
サーヴァントは霊体だから、人間から変身なんて、できる筈はないんだけど。
[ナルキッソスという音には、やはりと。小さく、頷いて]
……えらい嫌な予感しかしませんな。
今回は遠慮させてもらいますわ。
ちぃと俺には派手すぎるって話で。
[もうちょっと地味な服はないのかと、遠まわしに。]
投票を委任します。
ライダーは、メイド セリア に投票を委任しました。
ナルキッソス…。
[姫倉から名前を聞いて、あの大天使を思い出した。
同じギリシャ神話のサーヴァント。
そしてイカロスが言っていた言葉。
視線を姐さんに向けて、伏せた]
ん、なら、やっぱアレは魅了かも。
旦さん、たぶんその魔術違うんじゃないかな。
あー、魔力不足の件ね、はいはいちょっとまってね。
[ほんの一息だけ、呼吸を行う。
――大丈夫、問題はないようだった。
魔術炉心は時間が空いたお陰で平穏を取り戻していた]
まぁ、単純にいうと俺は流動の魔術を持っているのさ。
だから、困ってるなら条件次第で魔力分けてあげなくもないよって事。
[手札を隠さずフルオープン。
オープンにしたところで、こちらに意思がなければ無意味だから]
魔術で、あんなことが可能かは――、
あなたも、あの場にいたから判るでしょ?
[現代の魔術師が、どう足掻こうと。
サーヴァントに対抗――いや、圧倒することなど、出来はしない。
出来るとすれば、それは、魔法の域になるだろう。
弓兵の疑問には、そう応じて]
――……?
[メイアルの視線が宿す意味には、気付かず]
[破廉恥、と言い放つカリンに抱きついてみようかとも思ったが、サーヴァント相手にはまずかろうと腕を引っ込める]
自分に、自信があるんだろね。
じゃなきゃあんな風に言われてないだろうけど。
何であんなに自信もてるんだろうねぇ。
[自分のことは棚に上げた]
―商店街―
……あまりそういったことを
往来で口にするのはどうかと思うのだ、メイアル。
[諭した。主に剥く、というあたりで。]
……む。
[確かにそうか、と
いたずらっ子のような表情に惑う。]
……メイアルはその、
ナルキッソス、に逢ったとき
強力な魅了だといっていたが。
ガンドはまた違うものなのか。
[インドの聖典が出自の英霊、カルナ。西洋魔術知識には果てしなく疎い。]
何とも…ねえ。
回復まで待った思えば、対等な関係言えば対等なんやろうけど。槍壊れたし、主導権が完全に槍にあるんやったら、兄さんもドラゴン変身待たず糸切れとるやろ。
[そうでなかったということは、対等だということだ。
そこは通常のマスターとサーヴァントと変わりはない。]
さあ…。自分は美しいとか言うとったけど。
兄さんも気いつけや。
[破廉恥、と言った青年にはそう笑って忠告した。
メイアルの「魅了」という言葉には、首を傾げた。]
…魅了? ……え。あれが? …。
そうなん、かなあ。
小さいガンドでも、まともに食らうと風邪を引く。
兄さんの場合は…。
[視線が下に言った。気まずそうに戻した。]
…もっとどえらいことになりそうやけど。
往来じゃないとこで誰に向かって言えば言いのさ。
二人とかで口にしてもそっちの方が恥ずかしいと思うけど。
うん、あれは強力だったね。
アタシの趣味からは完全に離れてるのに、なんか美しいとか一歩はずしたら向かってしまいそうな魅力をネ、感じちゃったわけなのよ。
ああ、腹立つ。
[なんだか胸を見られた気がする。
お返しにカリンと姐さんの胸元をじっと見た]
そだよ、魅了だよ。
旦さんに効かないのなら、なんか耐性があるんやろね。
あれがただのガンドなら、アタシは術にかかってないもん。何も触れてないし受けてないから。
――…、
此方の手を開示するだけじゃ、対価見合わないじゃない。
[此方のカードと引き換えに、相手方の手を晒させた様なもの。
実際に其れを行使しようとすれば、成る程。更に条件を重ねる必要がある。]
まぁ、――なるほど、そう言う事ね。
それ、…私にとっては確かに有難いけど。
――君は、大丈夫なわけ?オルグロス。
[分ける、ということは、勿論その分相手の分を減らすということ。
普通に考えるのならば、ならば彼の魔力の回復は、普通の手段と言う事になる。
なれば余程の条件を提示しなければ――見合う気がしない。
僅かに、眉を寄せる。]
むー……
じゃあ、これにしましょう。
[がさがさと取り出したのは、黒の無地のTシャツ。]
これにジーパンでどうですかね…。
[くるりとTシャツを裏返すと、そこにはドデカいキ○ィちゃんのプリントが付いていたが。]
[メイアルの言葉には、同意の意を示す]
まあ……ナルキッソスなら、魅了でしょうね。
――彼に恋し、騙され捨てられたニンフは数多。
繰り返す非道に、神は報いを与えて。自分しか愛せない呪いを、かれに与えたと。
水面に映った己を目にし、飲食も忘れて恋に悩み、痩せ衰えて死んだとか。
[と。かつて生前、伝え聞いた話を口に。したあとで、不味いかなと、少しだけ。
怪訝な視線を感じれば、先程買った本を指し、笑顔で誤魔化すつもり]
―南ブロック/望月邸―
[帰宅してもアーチャーの姿も気配もない。母屋には母と祖父は残っているはずなのだが、忍者だからか生活臭があまりしないのだった]
買い物にしては長い……嫌な予感しかせぬのう。
[ダンボールに襲われていたところまでしか目撃はしていなかったが、想像すればするほど悪い方に転げ落ちていく。何せ伝説に残るくらいの薄幸っぷりなのである]
お金を落とすとか職務質問されるとか店先の商品を壊して弁償させられるとか車に轢かれるとか。
[本の雪崩れに見舞われているとは知らず。
ぶつくさ不安を膨らませながら、PCの電源を入れると、早速拝借してきたデータを確かめた]
……バイナリベタ打ちに暗号化じゃと……。
ふっ、古来より暗号は忍者の得意分野、
じっちゃんの名にかけて!
必ず解き明かしてみせるのじゃ!
[因みに今は引退している母方の祖父が、忍者としての師匠である。
しかし処理速度のお粗末な端末のこと、膨大な入院患者データと暗号の照合に、やたらとフリーズして苛立ちを募らせるのだった]
── 図書館→移動 ──
[途中からクダをまく、もといループしだした話を適度な所で切り上げて、図書館を去る。]
昨日倒したサーヴァントの龍は、
前回参加者の可能性が非常に高い……。
[骨張った指を空に彷徨わせながら、バーサーカーは思案する態。今から、教会に寄って帰るべきか、まだ空は明るい。それとも──。]
[少しだけ外に出る。この間までこの町を駆け回っていた気がする。
もう3年も前のことだ。信じられない。
無頼の拠点。聖杯戦争に参加するにあたり家を購入し陣地作成を行ったもの。
今では廃墟に近くなっているが、その結界は3年経った今も無頼を守っている]
これが、前回の聖杯戦争の結果か。
[あの闇は一体この町に何を起こしたのだろうか。
今度の戦争の結末も、こうなのだろうか]
[再び受け取れば、意味の解らない絵が。
一体なんなのだろうか、これは。
とりあえず解ることは一つ、コレは危険だ。]
……もういいですわ、嬢。
一昨日の服に、ジーパンとやらで行きますわ。
── 忍神町 ──
[思案の後、教会よりも先に向かうのは忍神町。
具体的な待ち合わせも無く、一方的に落ち合おうと言ったあのマスターは、糸の繋がりを確信しているのだろうと思われた。]
──…
無頼 陣 か。
うん、もちろん大丈夫じゃないよ?
だからこそ対価なしには受け入れない。
ほら、魔術師の基本は等価交換でしょう?
残念ながら提供できるものが僕には魔力しかないんだよね。
[これは嘘ではなく本当、補充は利くが多用はしたくないから。
ただでさえ、サーヴァントに魔力を持っていかれているのだから、
[眉を寄せる、ルナに対してこちらはあえて笑顔を作る。
あんまり考えての行動ではないが、そのほうが有利に思えた]
[ライダーの説明に、ほうと素直に感心する。
視線は向けたが、それは責めるようなものではない。
彼女の弱点は、自分が補えば良いのだ。]
耐性か。うーん…。
メイちゃんになくて、俺にあるもの。
もしくは逆か。
[考える。が、浮かばないので、ライダーに目を向けてみた。
ナルキッソスに詳しそうな彼女なら何か分かるだろうか。]
まあ…術によるもんやて分かってたら、ええんちゃう。
自分からどうこうしてもうた、言うわけやないんやし。
[姐さんの説明を聞きつつ、なるほど彼女もやはりギリシャ神話をもととする英霊らしいと思う。
けれどもそれを口にはせず]
そこまで行くと不毛だと思うんだけどね。
ほどほどに自分を好きでいればそんな最後迎えなくてすんだのに。
ううん、ほどほどじゃなかったら名前残らないか。
難しいもんだね。
えーー!
同じ服を着るなんて、お洒落メンズの風上にも置けませんよ!!
[ぶーぶーと文句を言う自分を尻目に、さっさと着替えを済ませていくサーヴァント。
もっと言ってやろうかと口を開きかけた所を、猫のように首根っこを掴まれて、そのまま外に*連れ出された*]
はいはい、意味のわからねぇ事いってねぇで。
戦場跡に行くんなら、さっさと行きましょうや。
[まったく、一体何を考えているんだか、と。
溜息を一つ、志乃を掴んで部屋から外へと*]
メイド セリアは、監督者 ルーサー を投票先に選びました。
ランサーが「時間を進める」を選択しました。
・・・・・・来たか。
[英霊の、いや聖杯の気配を察し振り返る。
そこには昨晩リンドヴルムを倒した英霊]
君も感じているのだな、聖杯の意思を。
君は何を望むんだ、この聖杯戦争に。
タツオにあって、メイアルにないもの……なんだろ?
逆だったら……食欲、とか?
[そんなで防げれば、苦労はしない。自分の言葉に、首を振る]
[繋がった糸の先に意識を集中する。相手の魔術に掛かる訳にはいかないと、返答は用心深く。]
……少なくとも、
永劫の死の世界を実現させる為に
此処に居るわけではない。
──…
そちらは、昨日のあれは
世界を壊す 心算か?
……
[三者の話を聞きながら、考え込む。
自分しか愛せない、自分を美しいと語ったナルキッソス。
しかし――彼は姫倉に何と言ったのだったか。
美しい、と。確かそんなことを言っていた。
――なんだろう。物凄く、腹が立つ。]
それぞれに事情があれども。
そんなんおくびにも出さず、生きとるもんやねえ。
[静かに呟く。
ライダーの食欲が耐性説には、首をかしげた。
となると、メイアルはダイエットをすれば耐性がつくのだろうか。
彼女を見た。]
ヒメクラが魅了に耐性があるのなら、
影響受けず対抗できるというのは有利、だろうが
[ずれ落ちてきた荷物を抱え直す。]
……食欲?
[そういえばよく食べていた。
いや、それは関係ないか。と首を横に振る。]
私はヒメクラの魔術を知らないが
関係があるとすれば、そのあたりではないか。
[聖杯戦争の参加者同士
顔を突き合わせて井戸端会議。
男性がライダーに見とれて人とぶつかっていた。]
[忍神町に到着した途端、頭を割るような頭痛が襲ったのはさもありなん、ではあった。
不吉な予兆は常に渦巻いている。
この対話とて、それが実現した形になるわけだ。
が、まだ、完全に絶望の淵に沈んでいる訳では無いのだ。彼女が魔女であれ、マスターのラナと共に居る限り、ハインリヒの願いは叶えられよう──。]
判らない。
[本当に判らなくなっていた]
俺はもう救われないと思っていた。
だが、無頼の一族をこれ以上不幸にするわけにはいかない。
その為には、力が必要だった。
だが何も解決などしない。運命の輪はさらに回り続けるだけだ。
この風景。俺が力を求めた結果がこれだ。
それ理解し、絶望した。
『こんな不平等な世界など、どうにでもなればいい』
俺はきっと、この世界を恨んでいる。
俺にとってこの世界は蟻地獄みたいなものだ。あがけば足掻くほど、苦しみは増えていく。滅ぶのが早いのか遅いのかそれだけだ。きっと神という存在はそんな俺を見て笑っていのだろう。
──…
否、聖杯はもはや誰の望みも叶えられぬ程に
壊れているのか?
世界の破滅を望む聖杯は、
もはや望みを叶える為の器では
無くなってしまったのか。
……そもそも、貴様は何者なのだ。
イレギュラー、無頼陣。
――でしょーね。
[向けられる笑みに、一つ息を落とす。
だからと言って、己が提供できるモノもそう持っていない。]
…とりえあず、教えてくれた情報料分の対価は渡すわ。
何となく判っていると思うけど。私の魔術は「鏡」。
実際に、君に使った様に「反射」させて使うのが主な手段だけど。
[合わせて付け加える情報は、異空間へ繋げる「歪曲」。
昨夜、あの爆炎を咄嗟交わす際に使っている。何となしに理解しているだろう。
其れも流石に弱点までは口に出さないが、発動させる条件は全て提示する。]
…もう一つ、「増幅」。
数でも、範囲でも――魔術を増幅させる。
むう。
[それはそれで重責を負っているような気がしなくもない。
しかし自分の何が彼の魅了を妨げているのか。
分からなかった。]
まあ、あの変身する兄さんのことも含めて。
考えるより、戦ってみた方が分かることも多かったしな。
俺の魔術も、夜に会うことがあったらバレるやろうし。
[まだ昼間だが、そろそろ人通りも多くなってきた。
どうする? とライダーと、エラトを含めた探し物や、「彼ら」と事件に関する調べ物をするらしいメイアルを見た。]
違うな英霊。
これが聖杯が出した答えなのだろう。
怨恨、暴虐、嫉妬、衝動・・・・・・
多くの人間の意志を飲み込んだ聖杯は、人間の願望を「破壊」と理解したのだろう。今の俺ならば判る。
俺は、混沌そのものだ。俺だけではない、ナルキッソスも、そして・・・・・・君も。
……自分自身が、理想の存在なら。
少なくとも……裏切られる心配だけは、ないのかも。
[それが良いこととは、欠片も思わないが]
――……?
[また、なにか視線を感じた。やけに、多い。
直後、路上で怒声。通行人同士がぶつかったらしい]
……どうも、目立ってる……みたいね。
[メイアルと自分は、兎も角として。
包帯男と和服の青年が、一所にいれば。まあ、目立つだろう。
古本屋の前で話し続けるのも、営業妨害気味のはず。
そろそろ、移動すべきだろうかと、視線を流す]
勿論虚像を具現化するだけだから、威力は変わらないし、
…私の実力じゃ、3倍までは無理だけど。
[此処まで告げて、一つ、息を整える。
結構な対価だ。これだって其れなりに魔力を消費する。
…しかし、其れ位に見合う対価など、 他に無いのだから。]
支払方法を、先に提示しとく。
『貴方の好きな時――望むタイミングで。
状況を問わず、無条件で助力する。』
対象が私と、セムルク。…あと、私が味方する人達以外に限るけど。
それ以外ならば、相手も問わない。
[それでどうかと、視線で問う。]
――だから有難い話だけど、今回はまだ良いや。
…そんなに、毎度頼めるほど持ち合わせが無いもん。
聖杯を経由して俺にも伝わってくるぞ。
君が生前、どれだけの殺戮を繰り返したか。
それは本当に大儀だけだったのか。
嫉妬や怨念はなかったのか。
―南ブロック/望月邸―
[三年前からの入院患者で、ここ数日の間に退院したのは55人。その内半数は入退院を繰り返している。
病棟の診療科を絞り、十名程度まで割り出す]
後は性別と推定年齢……。
既に死人であれば、素性が割れたところで何にもならぬが。
ん。
[引っかかる文字列があった、気がした。最近見た記憶があるが、どこだったか思い出せない]
……主治医?
[無頼から糸を通じて伝わるのは、聖杯から伝わるの同質の闇──絶望の果ての虚無。]
力を求めた結果 と言う事は、
元々は通常のマスターだった か。
嗚呼、力は有るだろうな。
貴様は、矢継ぎ早に複数のクラスの
サーヴァントを召還するだけの魔力が有る……。
[無頼やもう一つの話し掛けてきた美声が、聖杯そのものである可能性も考え始めていた故の疑問を口にしかけた所で、相手のいらえが有って、一度口を噤む。]
この俺が異端だというのなら問おう、この世界には異端ではない物などあるのか!
価値観や偏見で優越をつけ、強きものが弱きものを糾弾し迫害する。
人間の歴史などそれの繰り返しだろう。
君も理解しているはずだ。君はその先に何を求めた?
──…
私が望むのは、
我らが神の御もとに膝を折る
秩序ある清らな世界だ。
世界がバビロニアに近付くほどに
それは強く願い叶えねばならぬ はず。
>>263
騙したことなんてないよ。
向こうが勝手に僕のことを好きになって、勝手に「こんなはずじゃない」とか「あなたには大切なものが欠けてる」とか怒りだして、そういうデマを広めるんだよね。
僕に誰のものにもなってほしくないから。
そして皆で僕を呪われた存在のように扱うのさ。
「破滅を呼ぶ」とか言ってね。
僕は僕として生きているだけなのに。
身勝手で醜いと思わない?
…エコーはそういう風にはならなかった。
彼女は、僕の言葉を繰り返すだけ。
僕が彼女に向けた言葉だけが返ってくる。
彼女が僕を呪う時、それは僕が僕を呪う時だけ。
そうなったら自業自得だから、仕方ない。
だから彼女とだけは一緒にいられた。
まあ、それに嫉妬した誰かが彼女を木霊に変えてしまって、僕はまた哀しい思いをしたけどね。
本当にそれだけか?
異端とは君にとってどんな存在なのだ。
狩るべき相手とは何だ。
君も本来は、俺と同じ側の存在だ。
破壊を行うことで自分という存在を保とうとしている。
―商店街―
[裏切りなく、理想が己自身である。
それは、どんなにか――少し渋い顔になる。]
ん。……そのようだな。
[目立っている。
少し店から離れ、退く。
古本屋の店主に向けて一礼した]
刃交えねば分からぬこともある か。
《夜》に逢えば戦うこととなろう。
[《戦争》は、続行される。
《聖杯》を求めることも変わらない。]
ラナ ヴラニェシュが「時間を進める」を選択しました。
投票を委任します。
ラナ ヴラニェシュは、メイド セリア に投票を委任しました。
/*
唐突に
知名度ランク
サンタ>>>ドラキュラ>ナルキッソス>本田>エウロパ|越えられない壁|ハインリヒ、ハサン、カルナ
超えられない壁の向こうの人は
知識次第である気がしている。
この
悪魔 め!
如何なるものが異端者かは、
神がお定めになる事──。
私はその意思を具現化するための
忠実な媒体に過ぎない……。
嗚呼、それは英霊となる以前からそうだ。
私はそのような存在で有りたいのだ。
──世界の為に。
[そして死の直前に魔女の呪いを受け、狂気のうちに漆黒の怨念と破壊衝動を行わずにはいられないと言う状態と矛盾する。
二律背反の綱渡りを、暴かれる苦痛と屈辱。無頼と話をするほどに、頭痛は酷くなる。]
[提示された条件は魔術での助力だった。
破格の条件だ、魔術の詳細とは。
ある程度予想が付いていたとはいえ、である。
少なくとも信用はされているのかもしれない。
なぜなら、今後の敵対を考えていない行動に見えたから]
ほぇ〜、大盤振る舞いだ、俺が裏切る事とか考えてないの??
ま、いいやじゃあ俺も魔力の提供方法についてかな。
皮膚に接触する事で緩く魔力を提供できる。
ただ、この方法は時間がかかるから緊急時には使用できないよ。
高速でのチャージを希望の場合は口付けが必要となるよ。
僕としてはあまり好みじゃない方法だけどね。
あとは媒体を用意した方法もあるけど、
これは効率が悪い上にやはりすぐに用意はできない。
[何より自身の魔力が激減するため、出来れば避けたいのだ]
[髪をかき乱し、苦悶しながら背を曲げて、膝を付く。
こめかみを押さえた際に、目隠しが剥がれる。
露呈される狂気、真紅の双眸は点滅する警鐘のような光。喉を付くのは、獣のような咆哮。]
──… グァ アア
[手を差し伸べる無頼を見上げた。]
[歪む嗤い。突き刺さったままの銀杭が光る。
地に唾を吐いた。]
クッ
誰が そのような戯れ言を
──認めるものか。
[荒い呼吸を整えるため、襟を開き後じさりながら。]
――……そうね。夜に出逢ったなら。
[弓の英霊が放つ矢を。果たして、白き牡牛は避け切れるかどうか。
移動しつつ、暫し、黙考し。考えても仕方のないことと、首を振る]
じゃあ――……このあたりで。
おつかい、頑張って。メイアルも、気をつけて。
[別れを告げ。ぱたぱたと、手を振った]
そうだなー、ちょっと動かないでね。
[ルナの額に人差し指を当てる。
その上で息を吸い魔力を生成し、ルナヘと送り込む]
これはサービスって事でいいよ。
[5分位、その状態を続けた。
皮膚接触で感じ取った魔力総容量からしたら対した量ではないが、
それなりの魔力量が送り込まれたはずである。
別にサービスなんて行う必要はなかったが、
貸しを作っておくのも悪くない、そう思った]
― 南ブロック / 商店街 ―
おう。その通り。
迂回はするやろうが、結局はやることは一つ。
諦めきれんもんがあるから、皆ここにおるんやろうし。
それに――男やったら覚悟決めんとな。
自分が決めたもんの為に。
[例え結果がどうであろうと、自ら芯を折ることは出来ない。
ライダーも場所を移すことに賛成のようだ。
視線を受け取り、頷く。
メイアルは、引き続き単独行動したようだ。]
ほなら――また。
[笑って、お辞儀をする。
いつも通りの、茫洋とした気配。
傘を揺らした姫倉達生は、ライダーと二人、人ごみに+消えた+。]
/*
高速チャージはやりたくないですwwwwwwwwww
中のヒト的理由でwwwwwwwwwwwwwww
GMのばーか!!wwwwwwwwwwwwww
貴様が他のチームを壊したいと言うなら
有る程度は目的は一致しよう。
だが、それはどの組も同じ事 だ。
破壊だけで叶う望みは、
持ち合わせておらん……。
[まだバーサーカーは破壊衝動を認めまい。他のサーヴァントにはこの糸は現状繋がっていないと言う事も認めまい。]
そもそも、私は
貴様のサーヴァントを一体倒している。
──…あくまで敵だろう?
[マスターが少女に近づき、おでこに人差し指で触れる]
あれが……少女の憧れ。純愛の王道。
ピュアラブ宝具。
『おでこ、ちょん』
― 商店街→ 南ブロック/望月邸 ―
ああ。
それではまた、いずれ。
[一礼を向け、残る買出しを済ませる。
途中信号無視の車に肝を冷やしながらも
粗方必要なものを揃えて拠点へ戻ってくる。]
戻られていたか、主。
[大荷物をどさりと置いて、
それぞれ適切な場所へ仕舞い始める。]
商店街で、ヒメクラらに逢った。
…どうやら魅了の力を持つサーヴァント、
ナルキッソスと云うらしい。
[マスターが“変身”すること、
ライダーが詳しくナルキッソスについて話したこと、
姫倉がどうやら魅了の耐性があることなどを伝える。
本が雪崩れたことは伏せた。
片手に神話の本、もう片手にコロッケの入った
紙袋を持って、主の下へと近づく。]
それは、何だ?
[端末が何か分からず尋ね、答えを*待った*。]
神って…
僕に嫉妬して呪いをかけたり、僕のそばにいたエコーに嫉妬して呪いをかけたりした連中のことかな。
それとも君の信じる神は違うのかな。
まあ、どうでもいいけど。
――裏切る可能性? 充分考えてるよ。
でも其ればっかり考えて、対価を出さない訳には行かないでしょ。
[リスクは承知の上。但し――等価交換は、逆も然りだ。
反故にするのなら、勿論相当の対価は払って貰う。
其れだけの実力はあると思っているし。
告げられる方法に、僅かに眉を寄せた。
接触。…成る程、言われてみれば納得出来る。…出来るのだが。]
――…、…。
[高速チャージの方。誰だこんな設定で通したヤツちょっと表出ろ。
おっと何を口走ったか何の話か私にはよくわからないな。
しかし眼の前のマスターが、下心があるヤツじゃなくて
本当に良かったと心底思った。
…世の中似たような魔術を持つものが居たのなら、
其れを目的に魔力を売る奴だっているんじゃないかと思う。]
──…
な、ッ!
[いっそ潔いと言って良い、無頼の言葉に大きく真紅の双眸を見開く。言葉に詰まった。]
……愚か
な。
[絞り出すような声の後、沈黙。]
…ん?
[とん、と触れる指先。
何かとぱちり瞬いて――続いた言葉に、意識して動きを止める。
それから暫し、ようやく指先が離れると同時灰銀をゆるりと瞬いた。
数分、触れていた個所から確かに流れ込んだ魔力に
倦怠感が随分と取れているのが、判る。
勿論全快とは言えないが、それでも十二分に有難い。]
…なるほど、こういうことなんだ。 ――ありがと。
[5分。確かに急を急く状態でその時間を確保するのは難しい。
其の実感を反芻するように、掌を握って、開く。それを繰り返して。
短い礼の後、幾つかの会話を交わして
用を済ませた以上は一度戻るべく、来た道へと踵を返す。
引き留められない限りは、そのまま拠点へと向かって――
…さて、セムルクが戻ってきていたら、怒られそうだけれど**]
―南ブロック/望月邸―
ああそうか、例の医療ミスの記事じゃった。
ふーむ、繋げていいものか……。
ミスが発覚して主治医を代えることは有り得るが、
前後に退院となると微妙なセンじゃのう。
[キーボードをかつかつ爪で叩きながら、ついでにもう一つ思い出した。
忘れていたのは、図書館で三年前の事件の詳細を――生き残りはいないか調べることだ。同じ発想に辿りつく者も居そうだが]
聖杯に何を望んだら、あんなになるのじゃろうな。
でももし、セムルクの言う通り、
町を焼き払うをものともせぬ者なのじゃったら……。
[何人がかりだろうが、最優先で排除する。その結論に揺らぎはない。
目はディスプレイの文字と数字の羅列を追いながら、そこからなにがしかのヒントを得ようと瞬いて]
無頼 陣。
本当に、
貴様には、
何も 残されていないのだな。
……それだけはよく分かった。
[僅かに落ち着きを取り戻し、視線は無頼を捉えたまま、落とした目隠しの布を拾い上げた。]
[空からゆっくりと霧が降りてくる。]
ふう…。
探した、探した。
君たちの声が聴こえなかったら、辿れないうちにまた戦いでも起こっていたかもしれないね。
ふふ。
ブライ…昨日は、無茶をしたね。危うく僕の存在すら維持できなくなるところだった。
[霧が消えると、人の姿。]
こんにちは。
―南ブロック/望月邸―
コロッケ……。
[匂いだけ嗅がされて長らくお預け状態で、最早禁断症状が出そうだった。挨拶より名を呼ぶより先にコロッケをリクエストする、酷い食い意地である]
ナルキッソス。
はあ、それはナルシストなわけじゃ。
[まさかご本人様とは思わなかった]
水面に映った自分を死ぬまで愛し続けたという酔狂じゃな。
……鏡でも持って行ってやれば、
自分に見惚れて動きを止められるのではないか?
そこで死角からずばーっと。
[無茶を言う。そして鏡が有効なのはメドゥーサ討伐だった]
[交渉は終了し、僅かばかりの魔力を土産にルナは去る。
その後姿を見守りながら、交渉の結果を考える。
実際のところ、得る物はそう多くないかもしれない。
自身の魔術は2倍に増幅したところでたかがしれている。
だけど、今は味方になる可能性だけでも残して置く方が得策。
イレギュラーはまだ生きている、ナルキッソスも同様。
ならば、利用できるコネクションはいくらあっても足りないのだから]
…バーサーカー、かな。
君がここにいるってことは、てっきりもう意識の奥の「声」を聞けるようになったんだろうと思ったのにな。
まだ意識の表面に拘っているの?
僕とブライは似ているけど、求めるものは少し違う。君も同じように、似ているけど、求めるものは少し違うだろう。
だから、意識の表面に拘ってちゃ、僕らと話しても、まるで納得できないかもしれないね。
でもそれは、即「君と僕らが似ていない」ってこととイコールになるわけじゃないんだよ。
せっかく「闇」のイメージを伝えたのに。
こっちの概念じゃ、分かりにくすぎたのかな…。
じゃ、いこうかファフ。
[用事は済んだ、行く先はなど決まっていない。
だけど、今は前進あるのみだ。
それが、いつ神を結ぶ日が来ると信じて**]
だが、私には
私のマスターと言う希望がある。
貴様とは違う……。
[僅かに優越。聖杯が機能するのかしないのか正確に無頼も把握してないのかもしれない。ならば、此処で無頼を倒してしまえば──と、右手に力を込めかけたところ。]
[当たり前のように現れた美声のサーヴァントが現れた。]
……私が信ずる神は、
女とまぐわう為に家畜に化け
寝床に潜り込むような享楽の神々ではない。
[首を横に振り、否定する所から。
中世ヨーロッパでサバトはディオニソスの宴と称して開かれる事もあった故に、どちらかと言うとそれらの神々はハインリヒの否定の対象である。]
ナルキッソス。
僕が言いたいのは、神と人間はよく似たものだってことだけだよ。君の神は、もうちょっと人間ができているのかもしれないね。人間にも、人間くささを表に出す人と出さない人ってのがいるからね。
なにかな。
ブライ…?
なんか、わがままだね。
力が足りない、どうすればいい…ってなら。
そりゃ、強くなるしかないね。
「強くなりたい」
…原初的だよね。
けど、ブライ。
魔法のように強くなる方法はない。
ごく当たり前のことだ。
判っている。どんな手段でも受け入れよう。
[バーサーカーを見つめ]
まだ受け入れることが出来ないならそれでもいい。
だが、君もこの聖杯戦争の勝者になりたいのだろう。
最後に俺たちとバーサーカー、君たちが生き残るかは判らないが、俺は君の力が欲しい。
それまでは、共に戦わないか。利用してくれても構わない。
……水仙の
ナルキッソス か。
[マスター単体ではなく、相手方のサーヴァントが現れた事で、声が低くさがる。戦争はそう簡単には進まぬらしい。
魅了の力を拒否しなければ、と視線を背ける。バーサーカーかと問われ、そうだと答えてしまったのは、最初に確りとその美貌を見てしまった所為だろう。しかし、意識を逸らしてしまうと隙が生じるもの。
ナルキッソス彼の存在は、昨夜も感じたものだが不気味である。
糸で繋がった声を聴いた後、遠くに居るナルキッソスを視認しただけで、側に居るエラトの細首を手折りなかせたい衝動に駆られた。]
──…ッ
抽象的な話は結構だ。
如何あろうと、現状
私は貴様らとは違うと言う話をしている。
[ナルキッソスから視線をはずして思い描くのは、マスターであるラナの灰銀。]
[昨夜から彼等がどの程度回復しているのかはしれない以上。差し当たり、目の前の彼等から距離を置かねば不味い。不味いと言う事を考えており、表面上の同調と言った心算だ。]
だが、糸で繋がった私が協力する事で
双方に何かしらの利益が得られるなら
イレギュラーだから不味い訳では無い。
力を集める為に、何をすればいい?
貴様らは、聖杯そのものから力を得ているのだとばかり。
[聖杯の力は無尽蔵ではないかと、首を傾ける。
バーサーカー自身、令呪を剥ぎ取る能力を聖杯の影響で持ち得る事をまだ知らない。]
僕らは「イレギュラー」ってのじゃないよ。
[首を傾げる。]
他の人にも言われたんだけど、一体誰がそんなデマを流しているのかな。
抽象的になってしまうのは、あの「闇」をうまくこっちの言葉では説明できないからさ。
難しいもんだね…。
もし「イレギュラー」とするなら、この聖杯戦争そのものは少しイレギュラーかもしれないね。
過去のものと少し違うという意味でのみ、ね。
人数がちょっと多いのは確かだ。
でも、目の前でそれが起こっているのに、それを「イレギュラー」だなんて、ナンセンスだよ。
ちゃんとこの世界の法則に従っているのに…。
もうその言葉を口にするのはやめてほしいな。
僕らや聖杯に対する中傷でしかない。
さて、力についてだ。
簡単に強くなることはできない。
当たり前のことだ…と言ったね。
ただ、この聖杯戦争を通して君たちが強くなる方法がまったくない…とは言わない。
例えばだけど、今のブライの力は、「僕らが前に戦った聖杯戦争の結果」としてある。
…何をすることもなく強くなるってのは、少なくともこの世界の法則には反する。
聖杯が自分の意思だけで世界を曲げることはない。
それができるなら…
今僕らがここにいることはなかっただろう。
ふ。
[笑う。]
望みを叶えるためには、何かの代償がいる。
例えば身体を鍛える。
例えば勉学に励む。
例えば化粧をする。
例えば聖杯戦争を勝ち抜き、ライバルとなるサーヴァントを聖杯へ捧げる…。
聖杯は、何かと引き換えにならば世界に何かを働きかけることができるだろう。
例えば、サーヴァント…だけど、サーヴァントは聖杯戦争の結果のために必要な代償だ。
君たちが強くなるのに使えるものじゃない。
けど、聖杯戦争においては、もうひとつ、大きな力を持つものがある。…何だと思う?
成る程・・・・・・
[だが、それがどういう意味かは知っているつもりだ。
魔術回路が繋がっている令呪を霊媒手術なしに奪い取る行為。
その結果、剥がれた魔術師がどうなるか。魔術が二度と使えなくなるだけでは済むまい。
滝川の顔が一瞬脳裏をよぎる]
やろう。
そして、彼も恩恵を得ることが出来るのだな。同じ聖杯で繋がった英霊と。
聖杯でつながった英霊…って言うだけだと、ちょっと語弊があるんだけどね。
聖杯とつながっているのは誰しも同じだから。
僕らは「同じ」なんだよ。
…また抽象的って怒られるかな。
必要なのは、意思…覚悟と、代償。
聖杯戦争においてだけじゃない。
どんな時もそうだ…望みがあるならば。
諦めるという道もある。
でも僕らはそれを選ばなかった。
手段さえ判ればそれでいい。
ならば、俺かナルキッソス、そして彼・・・・・・バーサーカーが他のマスターから令呪を奪うことで、我々の魔力が増す算段という事か。令呪であれば生死は関係ないのなら、手段はいくらでもある。
[魔力が充填されるまでは、アサシンで行えば有利に進めることも出来る]
どうだ、バーサーカー。
[沈黙してナルキッソスの話に聞き入る。]
……ふむ。
令呪を剥ぎ取るとな。
奪われた魔術師は廃人。
──それは、まさに
目的の為に手段を選ばないものだな。
[それが、やろうと言って己に可能な行為なのかが疑わしい。目の前の彼等は確かにおかしい。自分がそれと同じ──と言うナルキッソスが何度も繰り返す言葉が、何故か腑に落ちてくるような感覚もある。
また 沈黙。幾つかの思考を辿り、頷く。]
問題無い。
ただし、私のマスターは駄目だ。
[それだけは言い切る。如何彼等がとらえるのかは知らない。
目隠しを巻き、真紅を隠した**。]
[バーサーカーの返答にこくり、と頷き]
これが、俺たちなりの共闘だ。
よろしく頼む。
[今はただの共闘かもしれない。だが聖杯から流れ込んでくる破壊の衝動は、いつかバーサーカーを飲み込むのだろう、そう感じていた]
俺はもう少し魔力の回復に努める。君もマスターの元に戻るといい。
・・・・・・君のマスターとも、いつか話をしなければいけない日がくるのだろうな。
判った、君のマスターには手を出さない事にしよう。
[バーサーカーが理性を失ったとしても、マスターを守る心が残っていることをわずかに願う**]
単純に魔力が増すのか、どうなるのかは、知らないよ。あと、本当に令呪をそういう風にして奪われた魔術師が廃人になるのか、どうかも知らない。
意思の強さ次第さ…なんでも。
試したこと、ないしね。
…今まで誰も試さなかったんだろう。
君たちが魔術師たちの意思に喰われてしまわないことを祈っているよ、僕は。
[絶望に曝されて破壊の衝動だけに喰われてしまわないこともね…と、心の中で付け加える。
まあ、得られる結果は同じだろうけど。
世界を造り変えようとしているんだから。]
バーサーカー…
早く、意識の奥にある「声」を聞きなよ。
じゃないと、自分の本当の望みが分からないよ。
[そうでなければ、ただ「闇」に飲まれ、破壊衝動に身を任すのみのものになってしまうかもしれない。
別に構わないと言えば、構わないが。]
[なんだか姐さんから酷い言葉を聞いて気がしたがスルー。
姫倉にも見られた。ダイエットなど考えるはずもない]
ン、魔術師の魔術なんてばれようがばれまいがあんまり関係ない気はするけどね。
結局サーヴァントには叶わないんだし。
人、多くなってきたね、ちょい目立つか。
[あまり気にしてない様にいうと]
うん、夜にはね。
うちのこその辺大丈夫なのか気になるところだけど、大丈夫かなぁ。
んじゃ、アタシはちょいと調べ物。
[三人に手を振ると、その場を離れた。
ふと、自分の格好を見て、買い物袋でも提げた方がいいだろうかと思ったが、食べ歩きになるのはわかったからやめておいた]
― → 東ブロック / 樹那高校前 ―
[簡単な茶請けを購入し、ぶらぶらと東までやってきた。
ライダーは行きたい希望先がないということで、とりあえず手当たり次第案内することになったのだ。
やがて見えてきたのは、フェンスで囲われた建物。]
ここが「高校」と呼ばれる場所です。
[何故か敬語で説明する。真顔だった。
未だ生徒達で賑わうそこを、正門前で説明する。
現代で必要な知識を得る為、子が通う学び舎だ――と。
ライダーの横顔をちら、と見る。]
…。ほなら、裏にでも回ってみよか。
[正直、そちらには何もないのだが。
運動場にいる生徒がちらほらとこちらを見始めた。
裏の雑木林ならば、そう目立つこともあるまいと。]
──…
人は呪わば、穴一つ。
多くの物事の基本だな。
[だからと言って望む事を止める心算は何処にも無いわけだが、深くふかく身に沁みてそれを知っている。
破壊衝動に呑み込まれる。己よりも深く暗い場所に居る無頼が予見した事の恐ろしさは、バーサーカーはまだ思いも及ばない。]
[教会に来たのは勿論、懺悔のためだけではない。
一番大事なのに、前回参加者の情報を少しでも得るため。
神父、メイド、どちらが答えてくれるのか、そもそも完全に情報は得られないのかも分からなかったが。組織的に隠蔽される情報を、召還された英霊が得るための手段はあまりない。調べ知った事の裏付けが欲しかった。]
──…
前回参加者を知りたい。出来れば全員。
不可能なら、優勝者だけでも良い。
[回答が有ったか否か。]
/*
…。久しぶりの休日なのに母上に所用で起こされたので
ついでに鳩で覗いたら、もうログ動いてんのな…!
みんなすげぇ。
仕事上、人より数時間遅い生活サイクルなので、
みんながすごく早起きさんに見える件。
個人的に、9時前は早朝←
*/
── 拠点 ──
[商店街に戻る時間はなく、かと言って拠点近所のコロッケ屋は休業日だったので、コンビニでアイスを買って戻る事にした。]
──…
ぬ
[扉が閉まっている**]
―― 東ブロック/樹那高校前 ――
ビンゴであるな。
[サーヴァントらしき魔力を追ってみれば、ジュリアの令呪が反応を示した。
そしてそれらの反応は、自分達が近付くにつれ雑木林へと移動する。]
成る程。ここならば人目につきづらくしかし派手な事は出来ぬ。
隠密戦のアサシンかゲリラ仕様のアーチャーか。はたまた陣地戦を得手とするキャスターか。何にせよなかなかの策士ではないか。
[まだ陽は高い。一歩、雑木林に足を踏み入れようとしてジュリアにそれを止められるも、なにを言うかと振り返る。]
かように招かれて行かぬは恥であるぞ。主は万が一を考えそこの人間共に混ざっているがいい。
[校庭を指差す。それから大丈夫だと付け加え。]
いざともなれば、地の利はいつでも我が輩のものよ。
[そうして一人、雑木林へと入っていった。]
―南ブロック:望月邸―
[リクエスト通りコロッケは手渡し、
光る箱に映る文字を不思議そうに見る。]
これは、病院の入院患者か。
[アーチャーが覗き込んだときには
もうかなりの人数にまで絞られていた。
そこにかの青年《無頼》の名があったとて、
彼らの知識の中では特定するに至らない]
鏡で…油断させられるものなのだろうかな。
[真面目に検討しそうになった。
そしてメドゥーサ退治は知らなかった。]
― 東ブロック / 樹那高校裏・雑木林 ―
[足元は大量の落ち葉。土が見えない。
乱立する木々の向こうに、何となく道場のようなものが見える。弓道場か何かだろうか。声や音は辛うじて聞こえるが、そこにいる姿形は見えなかった。]
やっぱこっち着ても何もないな…。
道場の見学とか出来たら、何か勉強になるんやろうけど。
[霊光院で、槍を葉っぱに投擲していたライダー。
ちら、とそちらを見る。
――と。]
ん。
……姐さん。気いつけや。
どうも、なんかおるらしいわ。
[胸の令呪がちくりと反応する。
視界も悪く、どこにいるのかすぐには見当たらない。
下手には動かず、静かに周囲の気配を見張った。]
――子供が集まる場所、ねえ。
[感心しながらも、その表情は微かに、遠く。
大神ゼウスの胤、神にも見紛う息子らを、思ったのかどうか]
――……街中で、こう、直ぐに自然があるのね。
[足を踏み出すたび。積もり朽ちた落葉に、沈む感触。
滋養に満ちた土の、湿った匂い。
生葉、小動物の糞、それに死骸。それらが腐りゆく、混淆とした匂い。
――悪くはない。呟いて。大きく、ひとつ、息を吸い]
/*
マスター胡蝶は三連休居ないので
かなうならば我が主は
今回の脱落に上がって欲しくない の だが!
後私も。 もう少し 頑張りたい。
−東ブロック・樹那高校前−
馬鹿にしないで!
私だって聖杯戦争の当事者よ!
何かあったらしっかり守りなさい!
[一人で行こうとする従僕の尻を蹴り上げた。]
投票を委任します。
ジュリア エンジェルは、メイド セリア に投票を委任しました。
[じりじりと近付く気配。明白にこちらを目指す動きに、舌打ちする。
日中、とはいえ。木々に遮られ、外界の目が届かぬ林。
向こうにやる気があれば、面倒なことになる。
なにしろ――障害物の多い場所は、騎兵には全くの不向き。
天の猟犬にとっては、まさしく本領発揮の場ではあるものの。
まさか、英霊相手に挑ませるわけにもいかない。
精々が、木々を縫って、敵マスターを脅かすことくらいか]
[蹴りをくれた主を振り返り睨みつける。]
………。
[セイバーとしてはまずアサシンの可能性を考慮した。隠密戦において自分自身がひけを取るとは考えていないが、まだ陽も高いこの時間帯では気配を完全に遮断したアサシンにマスターを狙われて守りきれると断言は出来ない。
だから残れと言ったのだが…]
ふぅむ。さすがは我が主であるな、見事な度胸よ。
ならばついて来るがいいであるよ。
[そしてずかずかと雑木林の中へと。]
[さりとて困った。想定されるゲリラ戦において先に奇襲を仕掛けるべしと考えていたが、これではどうしたものか。]
ふむ。
[ちらりと己のマスターを見やる。憮然とした、恐れ知らずな顔。思わずニヤリと笑みが浮かぶ。
よかろう、ならば真っ直ぐに向かおうか。
そのまま主を後に連れて雑木林の奥へと――。]
−教会前−
ふんふんふ〜ん♪
[気楽な買い物から帰宅。手にはスライム型の瓶の飲み物がダース単位で入っているビニール袋を下げている]
−現在プチ回想中−
あら、誰かと思えばバーサーカーさんですの。
[過去の記録について問われる]
参加者ですの?うーん・・・・・・
[前回の戦争についてはシークレットな部分が多い。実際セリアは当然だが、ルーサーですら触れられない部分も多い]
参加したマスターの名前と戦争の結果くらいなら見れるはずですの。ちょっと待ってくださいね。
[教会の中へ]
―南ブロック:望月邸―
[主がコロッケを平らげる間、
同時に購入した神話大全を捲る。
アヤカことエウロパの名も知らねば通り過ぎるのみ。
ただ、アヤカがしたナルキッソスの説明の詳しさからギリシア神話に関わる英霊ではないかと胡蝶は推測を口にした。
インドの神話のあたりで
アーチャーの眸の複雑そうな色は増す。]
……これでは東洋の方は分からないな。
そういえばエラトはどうしたのだ?
[本を閉じ尋ねると、子供たちの人気者
サンタクロースらしく入院している子供たちと戯れているのを見た、と答えが返ってくる。]
――……まあ、少なくとも。アサシンでは、ないみたいね。
[気配は、呆れるほどに堂々と。逃げ隠れはせぬ、王者の威風か。
サーヴァントとしての判断は、猟犬を潜ませ、危急に備えるべきと告げるが。
この身に流れる貴き血は、奇襲を肯んじず、正面からの相対を求めていた]
……どうする?
[横目で、主の表情を窺って。
相手が視界に入るのと、主の返答は、どちらが先だったか]
どうするかなあ…。
[手持ちに瓶はなし。日本刀もなし。
おまけに魔力は何か変ときたものだ。
強くなる令呪の気配に、ふと笑った。]
ま。相手が見えてのお楽しみ。
――やな。
[右手は扇子。前に伸ばす。
今までよりは遅い。
さりとて、総量が減ったわけではない。]
痛っ―――。
[霊光院から時間が経ったからか。
魔力を流せば再度痛む回路。]
[それでも、回し続ければ徐々に痛みは引く。
――木々の間を埋めるように、見えない重圧が張られる。
さながら「KeepOut(立ち入り禁止)」のための格子。]
―― 東ブロック/樹那高校裏手・雑木林 ――
なんんだ見覚えのある顔ではないか。
[未知の敵と期待して来てみれば。多少つまらなさげな顔をしながらも右手にはすでにエストック。]
そちらが貴様のマスターかね。このような場所を陣取るとなればやはりキャスターか。ではご自慢の魔術を見せてみるがいい。
[先日、共に食事をした美女――ライダー――に対し左手で「かかって来い」と差し示し。]
おや。
[現れたのは知らない顔だった。
が、どうやら相手はライダーを知っているらしい。
ちら、とそちらを見てから――鈍い音。]
あ。
[男がぶつかっ――何事もなかったかのように笑っている。]
………。痛くないんか。
鼻とか。下手したら曲がるぞ。
ピーナッツ食いすぎたみたいになるかも。
[防御には向かないが、一応硬度は鋼並である。
鼻血ぶーっとかされたらどうしよう。見つめた。]
あら、アネサン。
[見知った顔に声をかけようとした時、少し前を歩いていた従僕から鈍い音が聞こえた。
それを横目に見ながら嗜める。]
……オジサマ、真面目にやりなさ
[ごん、と額をぶつけた。]
――……焦げる、鰻の。
その剣……そういうあなたは、セイバーかしら。
[こちらのクラスについての眼鏡違いは、無論、正す義理もない]
――……あ。
[ごん。ごごん。
立て続けに、不可視の壁にぶつかる主従。緊迫感の欠片もない]
[鷲鼻だ。元々曲がっているとも言える。
さておき、目の前の見えぬ壁に手を当て、軽くダムダムと叩いてみる。]
空気の塊か、小器用であるな。
だが――…
[言いながらエストックを構えれば――
Pierce air
空穿つ切っ先
Pierce cer
一閃。空間をひと突きに。]
我が輩の切っ先は、大気をも貫くであるぞ。
[貫かれた箇所には真空という名の風穴が生じ、それが槍の如き螺旋を描きながら笑いを堪えるライダー目掛けて真っ直ぐに伸びた。]
――……って。
[鋭い剣先は。不可視をも貫いて。
剣戟がまま、延びたかのような、空気の穂先。
対応を、考える暇もなく。ただ、反射的に後退されば]
――……わ、たっ!?
[ずぶり、と。足許の落ち葉が凹み、背から転び。
それまで立っていた空間を、螺旋の大気が貫くのを、見上げることになった]
―西ブロック・公園近く―
[遠目に公園のほうを見る。
まだマスコミやら野次馬やらがたくさんいて、近づくことは出来そうになかった。
自分の姿が目立つことは理解しているからだ]
さてねー。どうすっかな。
このままじゃ中にも入れそうにないし。
ちょっと暗い昨日の残り香とか残ってないかなって思ったんだけど。
[メイアルの起源は『夢幻』であり、幻術も多少扱うことがある。
それで自分の身を別に見せる、というのも魔力次第で何とかなりはするのだが]
やる気ないしね。
そんなんで魔力消費するくらいなら目立ったほうが楽しい。
[なんて真顔で言う]
[セイバーが放った「何か」により、多少堪えはしたものの、勢いよく破裂した。
ひとくくりだった壁は全てがこぼれ崩れる。]
――剣士で魔術か。威力過多か。
どっちかに、せえよっ…!
[防げぬなら――と。
伸ばしていた扇子を横に薙ごうとして、ライダーが転んだ。
扇子が止まる。]
………。
[無言で手を差し伸べた。]
[野次馬に紛れるように入っていく。
物珍しそうにロープの向こうを眺める。
じろじろと視線がこちらを向いたが、気にすることなく自国語であるドイツ語で大げさに驚いてみせる。
そのまま<ロープが張られているところを通り過ぎると、人気が少ないところまで歩いていく。まだ、木々の残る場所]
中に行きましょっと。
[辺りを一度見回してから、公園の中へと*入っていった*]
[どうやら見えぬ壁はいまの攻撃で爆ぜたらしい。分厚い風が押し寄せる。]
ふん。
[一瞬、動きを止めたが結果に満足し一歩、前へと足を踏み出して――…]
真面目にやる気があるのかね。
[転んでいるライダーに呆れた声を投げかけた。]
――……ありがと。
[差し出された手を取って、身を起して。
呆れたように刃先を揺らすセイバーらしき英霊へと、向き直る]
……いきなり、やってくれるじゃない。少し、驚いたわ。
[内心ちょっとビビっていても、不敵に笑むのが貴人の嗜み。
だけど残念ながら、髪には落ち葉とか松ぼっくりとか、色々と]
………。
[更に無言で、落ち葉とか松ぼっくりとかを払った。
ぱしぱし。]
さて、どうするかねえ…。
[先程の風撃なら、横から空間圧をぶつけて、弾き飛ばすことも出来ただろうし、螺旋にまわして空へ舞い上げることも出来ただろう。
防戦に回らなければ対処できる。さりとて。
いきなり手の内を見せる愚は冒すまい。
他の手があるはずだ――と考えると、]
…場所が悪いか。俺はええけど。
[呟く。
ライダーは、こういうせせこましいところでの戦闘は苦手そうだ。]
――昼間からやる気なんて、元々、ないわ。
[セイバーの問いには、そう応え]
大体……本気で戦えるわけなんて、ないでしょ。
直ぐそこに、何百人かの子供がいるのに。巻きこんじゃう。
[――だから、と]
――やるってなら、卑怯な手は遣うわよ?
[と。天の猟犬を、喚び出して。
未だ、木々の合間に放ちはせず。
ただ、ジュリアへ向けて、ひとこえ吼えさせる。
――この場で戦う気なら、マスターを狙うと。暗に]
[頷く気配。そして続く言葉。
遠く、道場では弓が中った音が響いた。]
卑怯な手――か。
[そっと手を伸ばす。
高さは相手マスターの上から1/3くらい。
そのまま目を閉じ、そっと前へ押すと―――
見えない空間圧に押され、ジュリアは貧乳になった。]
ふ、ん……、まぁまぁね。
[不可視の壁を難なく打ち破った従僕に有難い言葉を授ける。
アネサンを支える腕に、少しだけ羨ましそうな視線を送りつつ。]
そちらの男性は初めまして。
ジュリア・エンジェルと申しますの。
手厚い歓迎、痛み入りますわ。
[赤くなった額をさすりながら、不敵な笑みを浮かべた。]
あ。どうも。
姫倉達生です。
もっと激しいのがお好みやったかな、お嬢さん。
[そのままの態勢と状態で、笑顔で挨拶を返した。
色々と台無しである。]
ふんふんふ〜ん、えっとですねえ・・・・・・あ、英霊さんの名前までは判らないですわよ。
敗北した順に言いますね。
アサシン:ティアン・コーキン アーチャーチームにより撃破、マスターは死亡。
ランサー:アルベルト・ヴェラ キャスターチームにより撃破、マスターは死亡。
バーサーカー:中邑竜牙 ライダーチームにより撃破、マスターは死亡。
アーチャー:モニカ・クラン セイバーチームにより撃破。マスターは死亡。
ライダー:デヴィット・アルカラ セイバーチームにより撃破。マスターは死亡。
セイバー:戸狩美奈 キャスターチームにより撃破。マスターは死亡。
キャスター:無頼陣 勝者となるが直後に忍神町の災害に会い行方不明。死体未確認だが死亡と推定。
マスターの生存者はいない可能性が高い、という事になりますの。
[挨拶していると、胸の辺りがやけに寂しくなった気がした。
視線を下ろして、手で触れてみて、キッと姫倉を睨む。]
こ、の……、破廉恥漢っ!
[ゴゴゴ、と大気が打ち震える。]
…大人しく引いてくれれば。
俺もこないな真似せんでええんやけどねえ。
[大気が震える。睨まれた。それでも笑ったままだ。]
こわいなあ。
でも、ぱっと思いつく交渉材料言うたら、お美しいお嬢さんくらいしか思いつかんかったんよ。
堪忍してな。
[ちら、とエストックを持った男を見る。]
ほんで、どうする?
なんて、卑劣――……。
[心のなかでジュリアに謝った。
自分のやろうとしたことは、勿論、棚に上げている。
殺してもいいけど、女の顔と胸は傷付けては駄目なのよ]
[昼間から――などとのたまうライダーに落胆の息を漏らし。]
いつ如何なる状況に於いても戦いの心構えは持つべきとも判らぬか。
では何故にアサシンなるサーヴァントが存在するのか。奇襲奇策で寝首をかかれて死ぬがいいぞ。
[これ以上は戦うに値しないと剣を消し去る。
繰り出された猟犬に対して「脅しをかけるなら、気迫というものを覚えろ」と言い放ち………姫倉とジュリアのやりとりにやおら慌てふためいた。]
いや待て、待つのだ何をしておるか。
主の胸は確かにささやかだ。だがそれはまだ成長途中であり主の胸には未来がある。その希望を闇に閉ざすなどしてはならぬぞ控えおろう!
[男が剣を消し去った。その後の演説は記憶にとどめた。]
ふう。
そやねえ。…まあ、余裕がなかったんもあるけど。
おっちゃんの胸に対する情熱はよう分かった。
ありがとう。
確かに未来が等しく輝かしくあるのが望ましい。
[伸ばしていた手を下ろす。
壊死しかけていた回路に無理矢理魔力を通したからか、右手に力が入らない。
震える掌を、握ることで隠した。]
すまんな。えーと…ジュリアさんやったか。
[一応、ジュリアには追加で謝っておいた。
咄嗟に魔力が回らなかったとは言え、「仕方がなかった」で済むものではない。頭を下げた。]
[“美しい”という世辞に少しだけ機嫌を直す。]
ふん、少しはわかってるようだけど、レディーの身体に手を付けた責任は重大よ!
死を以て償いなさいっ!
[セイバーの言葉も、姫倉の謝罪も、届かない。]
『万物の根源たるマナよ……』
―南ブロック/望月邸 → ―
[主が光る箱(パソコン)との睨み合いを終了するころ、
弓兵は背後で茶を淹れていた。]
調べそこねたことがあるなら、
今一度出向くもよいかと思う。
或いは教会で尋ねるか、か……。
それにしても 日中故か、聖杯戦争の参加者と
出会す率が随分高いな…。
[コロッケを滅ぼし茶を干して後、相談の結果
外へと向かうこととなる。]
あー…。
やっぱ、許しちゃくれへんか。
[ジュリアを中心に起こる魔力の鳴動。
姫倉は、何をするでもなく、ライダーの前に歩み出た。]
罰を受けるんは、まあ構わへんけど。
死ぬのはちょっと、かなんかなあ。
[とは言っても、回路が言うことを効かない。
左手の傘は、何とか持ち上げたが、右手は垂らしたまま。
突っ立ったまま、困ったように笑った。]
気持ちは判るけど――……。
[額を抑え、大きく、溜息を吐いた。余計なことをするから、こうなる]
……自分で蒔いた種なんだから、自分でどうにかしてよ?
[主の背には、半眼を向ける。
まあ、そもそも。こちらに任されても、逃げる以外に何が出来るでもないが]
んー…。
[ここまで来たら隠していてもしょうがない。]
すまん。俺、死ぬかも。
魔力回らんし。
[背中越しにエウロパへ、何でもないことのように告げた。]
んー…。
[ここまで来たら隠していてもしょうがない。]
すまん。俺、死ぬかも。
魔力回らんし。
[背中越しにエウロパへ、何でもないことのように告げた。
ところへ]
あ。
[老紳士がジュリアにチョップした。痛そうだ。]
『我がまりょぐっ……』
[ポイントがずれたのか気絶するには至らず、舌を噛んだ。]
何するのよ!
痛いじゃないの!
[従僕を睨み上げる。]
『我がまりょぐっ……』
[ポイントがずれたのか気絶には至らず、舌を噛んだ。]
何するのよ!
痛いじゃないの!
[涙目で従僕を睨み上げる。]
――は? 魔力が?
[回らない、というのが。
何を示すのか、魔術と縁のない自分には、判らない。
第一、パスを通じて供給される魔力には、異常はない。
召喚されてからこっち、順調に供給されている。
ならば、魔術の行使に支障があるということか。
――いや、待て。それで、なんで。前に立つ]
……こ、の、死にたがりの大馬鹿マスター……!!
[殺意も露わに、襟首を引っ掴んで引き倒そうと。
――手を伸ばしかけたところで、セイバーのチョップ。
不自然にと、中断される詠唱。内頬か舌を噛んだに違いない。ありゃ痛い]
………………。
アホ言え。死ぬとかまだかなんわ。
いつぞや教会でも言うたやろ。
[ちら、と振り返る。]
いや。まあ策はなかったけど。
咄嗟に。
[何となく、自分を庇って倒れるエウロパが見えたのだ。
それに、彼女が怒りをぶつけたいのは自分。
少しくらいは死んでも仕方がない。]
なにが、咄嗟に――……なのよ。
[双眸には、幾種類かの感情。怒りと、憤りと。それに、]
――……なによ。なんなのよ、それ。
確かに、弱いけど――私だって、サーヴァントなのよ。
防ぐなり、避けるなり……そのくらい、出来るのに。
[頭を振り、息を吐き、俯いて]
人間の、魔術師相手でさえ。庇われて。
……その程度さえ、信じて貰えないないんじゃ。
[顔を上げ。弱く微笑めば。瞳には、濡れた光]
それじゃ、私――なんのために、喚ばれたのよ。
―南ブロック→西ブロック教会へ―
[まず足を向けたのは「教会」。
前回の聖杯戦争について尋ねようとしたのだ。
同じことをバーサーカーがしていたとは知らず。
懐には胡蝶が割り出した入院患者の名。
バス停を降りて、教会を目指した。
神の家の戸を叩く。
現れたのはメイド姿。
どうやら監督者は留守らしい。
胡蝶が前に立ち、
前回参加者について尋ねる。]
おっと、またまたばおー来訪者ですの?
[セリアの向こう側に、木にも似た何かがうごめいている気がする。何も気にせず盆栽鋏で一撃を入れると、ぶおーぶおーという喚き声が響くがしばらくして静まると、いそいそと机の下にしまいこんだ]
―どっかその辺―
[敏捷E-が一時的にA+になる勢いで、走ってきた]
――……あ……。
[敵の前に、置いてきてしまった。魔術も遣えない、状態で。
――これだから、サーヴァント失格なのだろう。自嘲して]
――……ううん。どうせ、私がいたって。
[あのひとは、私を護ろうとする。
サーヴァントの役目は、護られることではないのに。
――なら。護らねばならない足手纏いなど。
いないほうが、安全――なのだろう]
[仕損じた。上目に睨みつけてくるマスターにはしかしにべもない態度でスルーを決め込みなにやらおかしなドラマを始め、女に逃げられた形になった姫倉にかける言葉を探す。]
あー… その、なんだ。
ひとまず貴様のその死臭はなんとかならぬのか。
………。
[色々と言いたいことはあるが、なるほど。
ライダーが自分が弱いらしいと思っているのは分かった。
突っ込んだ話もしないし、聞かれない。互いに。
その代償が、これということ。]
あいつが弱い、ねえ…。
[はたかれた頬が痛い。
何度か自分がエウロパに伝えたことを、世辞だとでも思っていたのだろうか。
いや。きっと、届かなかっただけなのだ。]
―中央ブロック/ホテル付近―
[無理矢理連れ出したはいいが、
さてエレベーターとやらに乗ろうかとした所で
「起きぬけなんですから、身仕度ぐらいさせて下さい」
等と、もがき始める。
確かに女人ならば、最優先される事柄か。
溜息一つを出しつつも納得すれば、先に行くと伝えて解放、そして現在に至る。]
死臭?
[くんくんと袖を嗅ぐ。匂わない。いや違う。]
……別に、死にたいわけやないですけどね。
ただジュリアさんにすまんと思うたんと――。
まあ。
[色々と間違っていた気がするので、それ以上は言わないことにした。]
…ま。今のはどう考えても俺がおかしいわな。
[「ちょっとおかしい」
そんなことを言ったナルキッソスを思い出した。]
しかし、まあ。
どっちか言うたら今の足手まといは俺なんやけどねえ…。
[セイバーと、ジュリアを見る。
表情は、あくまで笑顔だ。]
あいつ追いたいんやけど。
――ちょいと、見逃してくれはらへんやろか。
あはっ、ぜんぜんかんけいないですのー!
こんなのただのふういんしていランクがいのはいきぶつですのよー
[棒]
ところで、本日は教会に何の御用ですの?
―回想/望月邸―
趣味嗜好の偏った者が、
淫らな遊戯に耽るため専ら用いる道具、じゃが。
[PCを説明するのに前にも似たようなことを言った]
これはちと病院から拝借してきた、ここ三年の入院患者の記録じゃな。
以前姫倉嫁が、例のマスターらしきは
病院から中央ブロックへ移動しておったと言うておったろう。
病院に何用があるのかと思って、調べてみた次第じゃが……。
三年前の事件前後に入院していて、
関係があると思われる三名までに絞ったところじゃ。
何れも、今週中に退院しておる。
虱潰しに当たるもいいが、実を結ぶかは怪しいのう。
[医療ミスを起こした主治医に限定すれば、510号室の患者に行き着くのだが、まだそこまで確信は持てなかった]
おぬしは腹は空かぬのか?
……英霊じゃから餓死することはないのか。
[用意して貰った箸でコロッケをつつく。その半分はウースターソースの海に沈んでいる。普段は下品だからと禁じられているが、調味料はあらん限り使いたいタイプだった。
ディスプレイの電源だけ「お手上げ!」と落として、アーチャーに向き直る。
ページを捲る手が鈍ったので期待して覗き込むと、インド神話だった。過去に思いを馳せる様子を、止めることはしない]
そういえば、買出しのご褒美に現代のインドに関する
資料を幾らか借りてきたぞ。
興味があるなら、見てみるといい。
[端末の傍らに積み上げた写真集の表紙を示し]
東洋か。歴史の教科書程度しか持ち合わせはないのう。
三国志や戦国大名であれば、そこそこ蔵書もあるのじゃが。
もう少し手の内を見ぬと、雷に変ずるような伝承は誰にもなかったように思う。
[家に篭もっていては手詰まりか、と食後の茶の後、教会に向かうことに決めた]
連日誰かと遭遇するし、昼にあそこでは戦闘にはならぬからな。
別に貴様が死にたがっているかどうかなどは我が輩は知らぬよ。
怪我を隠しておるのだろう?
[づかづかと歩み寄る。持ち上げた右掌には柔らかな光と――零れ落ちる灰。]
――Mila.
[ほぅ、と掲げた光を姫倉へと押し付ける。治癒能力を高めるだけの初歩の治癒術だがどれだけの効果になるものか。]
後は勝手にするが好いぞ色男。
次は万全で戦いに挑めと伝えておけ。
[後は、興味なさげに。]
痴話喧嘩、と言うのかしら。
[走り去るアネサンの背中と、姫倉の張られた頬が、ドラマティックに見えた。]
アネサンのおかげで、少し気が晴れたわ。
今日は特別に許してあげてもよくってよ。
……敵に塩を送るなんて、オジサマにしては気が利いてるわね。
こほむ。皆さんそんなに前の戦争が気になるんですの?今日2回目ですの。
[そしてまた、バーサーカーに伝えたとおりに戦績を伝える]
と、そんな感じですの。
[柔らかいとも、厳かとも、何とも形容のし難い光に右手が包まれる。同時、削られるように灰と貸す男。
瞬いた。]
……おおきに。
何や、あんたが大丈夫そうやないんやけど。
[色男の部分はスルーしておいた。
掌を見る。黒かった部分は、嘘のように引いていた。]
んー……。
[そのまま右掌を伸ばし、魔力をまわす。
万全、とは言い難い。まだどこかが壊れているのだろうが、先程までよりはマシだ。]
[目の前の空間を括る。
見えないけれど、そこにある形は「箱」。
それを手に取り、男に押し付ける形で渡した。]
これ、それ入れんのに使い。
…ほなら。また。おっちゃん。
[最後まで不遜な態度を崩さないジュリアに、微かに笑い、残された犬にライダーの大まかな位置を聞いた。
どうやら「あっちの方」らしい。]
それじゃ分からんて。
[呟きながら、後を追った。]
―西ブロック―
――…、
[オルグロスとファフの二人と別れて、ぼちぼちと帰路を進む。
来た時よりも、遥かに身体は楽になっていた。
全快には至らなくても、此れぐらいなら大きな支障も無いだろう。
…しかしサービスと言う割に、随分高い手付金だ。
むしろ、貸し?]
――…本っ当、
[どうしようかな、と独りごちる。
二日でも休養を取れば回復量も申し分ないだろうが
…戦争においてそんな空白を過ごせると思っていない。
肩から掛けたポシェットを軽く叩くと、
財布と、幾つかの小物に混じる硬質な感触。]
・・・・・・
[だが、その報告書の箇所にメモが挟んである。アーチャーやバーサーカーには伝えなかったが]
『確認されたマスターの死体に異常有。令呪欠損』
―中央→西ブロック―
さて、そんじゃ先に行っておくとしやすか。
[正直、自分にとって戦場跡自体に興味はない。
ただ、そこに足を運ぶのは……供養。
忠勝は生前、戦で殺した者は必ずその場で供養したと伝えられる。
そしてそれこそが、忠勝を人から仏へと昇華させた仏性に他ならない。]
死ねば敵も味方もねぇ、ってね。
誰も死んでなきゃ無駄足ってぇ話ですが。
[それならそれで喜ばしい。
戦相手が減っていないという事なのだから。]
なに、気が向いたま で よ。
[腕より崩れ落ちた灰を拾えと渡された"箱"を手に、走る姫倉を見送って。]
で、我々はどこに行こうかね、主よ。
[隣のジュリアに、聞いてみた。]
―教会―
無頼陣?
つい先日まで、樹那病院に入院しておったようじゃが。
あれは教会が手配したわけではないと?
[前回の勝者の名前を聞くや、先ほどまで見ていたデータとの共通点に、反射的に問いかける]
随分と杜撰な死亡推定じゃのう。
[聖杯戦争のカモフラージュはそこそこ頑張っているようだが、これでは八組目の死亡も明確な証拠あってのことではないのだろう。遺体を回収できていないのなら、期待はできない]
まあ、おぬしを責めても始まらぬな。
ふー、残念ですけどセリアもルーサー様も前回の戦争は監督者ではありませんの。前々戦争が終了した時に一度ふたりとも別件の任についていますの。
私から言わせてみれば推定死亡はそんなに間違ってはいない判断ですのよ。それだけの災害でしたし、発生した被害を考えれば生存していないと判断せざるを得ないですの。
1年前に南極に冒険にいったまま消息不明になった人間を行方不明のまま定義するか死亡とするか、それだけの差ですの。
[左手を腰に当て、右手は眼鏡のすみをくいっと上げる仕草をする。
問題は、セリアは眼鏡をかけていない事だ。両目とも視力6.0]
前回戦争が気になるのは、今回に何かと異常事態が
見受けられるからじゃと思うぞ。
勝者死亡で、あの事故があって、
ならば前回の聖杯はどうなったのじゃと。
気になるのは仕方無かろう、
己も聖杯を求める以上は。
教会側も調査をしておらぬとは思えぬが。
[メイドに、引き続き後始末の方は頼むと言い残して、踵を返した。
前回の勝者の願いは、果たして叶ったのだろうか。真相はまだ闇の中**]
オジサマも紳士なら、レディに行き先を決めさせるなんて野暮な事しないで、責任持ってエスコートしなさい。
[先ほどの恨みもあり、少し意地悪く返答した。]
― → 南ブロック ―
[拠点に帰ってはみたが、当然のように戻っていなかった。
犬の方向違いなのか、犬言語を把握出来なかったのか。]
あー。加藤。加藤。日本刀と酒瓶。
はよ!
[玄関からのんきに現れた加藤に声をかける。
途端に機敏な動きになった加藤は、中から日本刀と酒瓶を持ってきた。残念ながら酒瓶は三本しか持ってきれはくれなかったが。]
ありがと。戸締りよろしく!
[手早く籠を作って酒瓶を詰める。
言って、再び街へ駆け出した。]
―西ブロック/教会―
そうか……。
担当が異なっていたなら、
仔細は分からないもの か。
[被害。――街が壊滅したという。
西の公園を焼いた焔をアグネアと称したが
その比ではない被害。生きている方が、おかしいと。]
…?
[仕草に一度眼を瞬かせた。
何を持ち上げたのだろうと
セリアの手元を一寸見る。
主が踵を返すなら一歩遅れてセリアに礼を向け
それに付き従った。]
[少しだけ悩んで、本来の道から一本路地に入る。
此処を真っ直ぐ抜ければ、確か森林公園の方だ。
堅苦しい日本語は難しい言葉ばっかりで聞きとり難いから、
ニュースはチラ見して直ぐに消したけれど少しだけ、気になっていた。
少しだけ回り道になるが、此処まで来たのだから一緒だろう。
…サーヴァントが帰ってきていたら、まぁ、謝るしかない。
夏は過ぎているから、炎天下で待たす訳でもないし。
そう呑気に考えて、結論付けた。
アイスを持っていたと知っていたら、速攻で飛び帰ると言うのに。]
――…ん、
[ふと、手首付近に伝わる熱。サーヴァントが居るらしい事は直ぐに判る。
付近の気配は一つしかないから、単独で動いているのだろう。
小さく、思案する。…此方の魔力が、相手に伝わっては居ない筈。
迂回して、気付かれる前に逃げるのも、手だが。
結局足が向かうのは、魔力の手所を探る様にして其方へ。
万が一戦闘になっても、魔力がある程度回復した今なら
凌ぐ方法はある程度持っているし、 あとは、純粋な興味。
魔力を目印に、自分も見覚えないような細い道を何度か抜けて、
辿り着いた先に見えた人物に、ぱちりと瞬いた。]
…わぁ。
[凄く ファンキーです。]
―中央ブロック・ホテルグランパシフィック―
まったく、もう!
デリカシーってものが無いんですから…
[パジャマで髪もとかしていない状態のまま、外に連れ出そうとする英霊に必死で抵抗する。
ようやく離されて、先に行くと告げられれば、返事の代わりにその背中に向かって特大の「あかんべー」を送った。]
聖杯は回収しましたわ。異常も無し。
忍神町も現在調査中ですけど魔力的な異常は無し。近日中には調査も終了し、開放されますわ。
つまりほんとに天災だったんですの。
願いが叶ったかどうかは・・・・・・本人じゃないと判らないですのよ。
[知っている。8人目のマスターが無頼であることも、そしてこの3年間人知れず病院に保護されていた事も]
でも、それは今回の聖杯戦争を運営するにあたって何ら関係性はないですの。
皆さんは、安心して聖杯戦争に集中して欲しいですの。
[躊躇いの無い口調。]
― ―
「人間の幸せなんてね、数が決まってるんだよ。
神様も忙しくて、全員の世話なんて見られないってさ」
幼い頃。
父と母に連れられて街中を歩いていた時、そんな会話を聞いた。
思わずそっちを注視して、電柱にぶつかった。
先を行っていた父は笑い、母はおでこをさすった。
痛かった。
ふむ、それもそうであるな。
[もっともらしく頷き。]
それでは参るといたしましょうか、お嬢さま。
[恭しく礼を取れば、そのまま有無を言わさずジュリアをお姫さま抱っこして空へと跳び抜けた…**]
帰ってから、居間の隅に固まってテレビを見ていた。
中の人達は、みんな楽しそうに笑っている。
とても幸せそうに見えた。
街で聞いた誰かの声は、嘘っぱちだと思いたかった。
でも。
母の父――爺やが亡くなった時、父は泣かなかった。
母は、みんなの見えるところでは泣かなかった。
もしかしたら、街で聞いた声は本当で、テレビで見た人達は、幸せな人とそうでない人がいるのかもしれない。
そんなことを思った。
[誰も居なくなった部屋で、ふぅ、と一つ息を吐く。
顔を洗って髪をとかし、ベッド脇のバックの中から替えの修道服を取り出す。
荒い替え用に何着か持ってきているが、デザインはみな同じだ。]
むー……。
[ちらり、とバックの底の方を見る。
そこには、一応持ってきていた薄手のグレーのワンピース。
少しだけそのまま迷っていたが、溜息をついてバックのチャックを閉めた。]
…さすがに、普段着の時に自動防御が発生したら、誤魔化しがきかないですからねぇ…。
[歩く度に、ジャラリと音が鳴る。
アロハはまだいいとしても、ジーンズに何故かくっついている何本かの鎖。
一体コレに何の意味があるのだろうかと考えながら歩いていれば、何処からか感嘆と呆れの入り混じった声が。]
……?
[ソチラの方へと視線、瞬間、目が逢う。]
どうかしましたかい?
「人間の幸せなんてね、数が決まってるんだよ。
神様も忙しくて、全員の世話なんて見られないってさ」
なら、もしかしたら。
自分が生まれてこなかったなら、自分の分の幸せを他の誰かが受け取ることが出来たんじゃないだろうか。
そんなことを思って、一晩泣いた。
今でもよく覚えている。
馬鹿なことを考えていたと思っている。
それでもきっと、「みんなが幸せになる魔法」に憧れたのは、そんな馬鹿な考えをどうにかしてくれるんじゃないかと思ったからだ。
きっと、それが始まり。
― 北ブロック ―
あー……。
[行き交う人の群れを注視しても、エウロパらしき影は見当たらない。犬は何も言ってくれない。]
…自分で探せってことか? はは。
きっついなあ。
[笑って、とりあえず適当なビルへ入った。
最近では使われていない廃ビルらしい。
どこかの屋上にいるならここから大雑把に見えるんじゃないだろうか――とかそんなことを。]
―西ブロック/教会―
[躊躇いなく続けるセリアに頷いた。]
――…そうか。
[例えば――己の願いも
見るものが見れば、
ばかげていると笑うかもしれない。
けれど。]
云われずとも。
《聖杯》を手にするため――力を尽くす。
[云い、教会を後にした。
秋風。金木犀の香りは薄い。
森が焦土と化したからだろうか。]
[教会を背に、呟きは問わず語り。]
無頼、陣。
彼は、何を願ったのだろうか。
[『――願いが叶ったかどうかは・・・
・・・本人じゃないと判らないですのよ。』]
破壊が願いではなく
天災に 巻き込まれたなら
…無念であったろうな。
[ねがいみたすさかずきが――ゆがんでいることも、知らず]
…い、いえ。
[問いに咄嗟ふるふると猛スピードで首を振った。
なんか金属音が、すごい。デカイ。
自分の身長もあるけれど体格差も相まって、威圧感が半端無い。
口調は其処まで言うほど乱暴では無いのだが、
如何せん先入観と言うものは恐ろしいもので。
…幸いにも、自分がマスターだと言う事は多分気付かれて無い。
一般人の振りをすべきか否か。 ええと。]
――…、こ、こんな所でおじさ…
お兄さんは何をしてるのかな、って。
なんか、近くの公園で事故があったらしい ですよ?
[事故どころか、まさかの隕石扱いになっているとは知らないが。
何故素知らぬふりをして探りを入れるだけなのに
此れだけドキドキするのか判らない。手汗酷い。]
[ふと、何かに気付いたように再度バックを開ける。
隅にしまわれていた、和紙に包んだ棒状のもの。
それを取り出して、がさがさと包みを開く。
青貝螺鈿細工の柄のようなもの―――召喚の時に用いた ]
……大事なもの、だったのかしら…
[移植された子宮の力を、宿主である志乃自身はコントロール出来ない。
だから、英霊を呼んだのは、子宮のなんらかの作用だと思っていた。けれど、もしかしたら、この柄にもなにか要因があったのかもしれない。]
あとで…たっちんに聞いてみましょう。
[そう呟くと、もう一度丁寧に包み、バックにしまった。]
[何か、妙に緊張している様子の少女。
自分が何かしたか?とも思うが、
特に何もしていないはずだ。
ああ、そういえば生前は名前を出すだけで敵兵が撤退したこともあったな……等と、関係ありそうでない事が脳裏を過ぎる。]
ん、事故………嗚呼、事故。事故ね。
[どうやら、あの騒ぎはそういう事になっているらしい。]
まぁ、ちょいとそこに用事があるって話で。
嬢ちゃんは、その事故とやらを見たんですかい?
[あまりに不幸そう・・・・・・否、寂しそうに教会を後にするアーチャー達の背中に、少しだけおせっかいをしたくなってしまった。うっかりセリアさんが少し大きめの声で]
アーチャーさん達。
敵は、8人目のマスターだけじゃないはずですのよ。それを忘れると、もっと不幸になっちゃいますよ。イレギュラーを特別視しすぎですわ。
それでも気になるなら・・・・・・いっそ全力で追っかけなさいですの。
きっと、会わなきゃいけない人ならばいつか会えますのよ。
[そう言い残すと、エクストリーム盆栽クライマックスへと戻っていった]
―中央ブロック/噴水―
[きらきらと光る、噴き上がる水の飛沫を、ぼんやりと。
幾人もの若者に声を掛けられたが、都度、黒服がその肩を叩いて、連れていった]
――……いい世界よ、ここは。
[日常的に、戦で人が死ぬわけでもなく。
自儘に振る舞い、地上を乱す神々もいない。
こんな世界で平穏に暮らせたならば、どんなにか。
――けれど、それは今ではない。
聖杯戦争で、戦うために。この世界に、自分は喚ばれたはずなのだ]
[――もちろん何もされていない。
むしろ自分が勝手に感知して、興味本位で勝手に探りに行った結果
今うっかり怯んでるなう。昔の武将並に、潔く撤退出来たらいいのに。]
え?
[公園に? という態でぱちりと瞬いた。
否、驚いたのは事実だけれども。]
…でも、多分危ないんじゃない、かな。立ち入り禁止だと思うし。
――えーと、うん。一応、見たよ。
[こくん、と頷いた。少しだけ悩んで、其処は偽らない。
確かニュースをチラ見した時に、立ち入り禁止のロープが張られていたり
マスコミだったり野次馬だったりで、人の多い周辺を思い起こす。]
――そうだな。
……ありがとう。
[居住まいを正し、笑みを向け
エクストリーム盆栽へ向かう背に礼を云った。
あの盆栽の運命は
謎、だが。]
いやいや。
危ない場所なんざ、吐いて捨てるほど駆け抜けましたわ。
[むしろ、安全な場所というのがあれば、
その場所こそが、己が最も避ける場所だろう。]
ほう、事故を見たんで?
なら嬢ちゃん、ちぃっと聞きたいんですがね。
その事故で、人か龍が死んだって話はありますかい?
[あれほどの大騒ぎだ。
一組ぐらいは死んでいてもおかしくはない。]
…ふぅん。
聞きたい事? …――、
[私が一般人なら、
「人が死んだとか物騒な上に、竜って何を言っているんだこのファンキーは」と
全力でドン引きするか生温かい視線を送るタイミングなんだろうが。
哀しいかな、其れが何を言っているのか自分には判る。]
――竜が消えたって話なら。
[暫しの沈黙。
どう答えるべきか悩んで、結局返したのは自分の知る顛末の其れ。
…これで自分の立場も伝えた様なものだが、今更だろうと胎を括った。
念の為に、咄嗟に何があっても良い様に、内心身構えはすれど。]
―中央ブロック→西ブロック公園付近―
[神経を集中させて、自らの英霊の気配を探り、その方向に進む。
途中で、「森林公園まで200M」という看板を見つけ、ぷぅ、と頬を膨らませた。]
………あってる。
[自分よりも、現代に呼ばれてまだ数日しかたっていない英霊の方が、優れた方向感覚を持っているらしい。
それをなんとなく癪に感じながら、これからは行き先をすべてたっちんに告げ、自分は後ろについていくだけにしようと密かに心に誓った。]
龍が、ね。
そうですかい。
[つまらない結果だった。
結局、龍は数の前に倒れてしまったらしい。
龍を倒した者達は、それで満足感を得たのだろうか。]
……だとしたら、つまらないこって。
[ぼそりと、吐き捨てるように。
その後、少女をじーっと見れば、溜息。]
英霊は、いねぇんで?
[反応が無い時点でほぼ確実だが。
アサシンという可能性も考え、一応尋ねる。]
― 北ブロック ―
[結局61件ほどのビルを登ったり下りたりしたが、屋上にぽつんと佇んでいる姿は発見できなかった。
川の方だろうかとあたりをつけるも、犬はどう足掻いても西の方を向こうとしない。そちらの方角にはいないということだ。]
あー…。加藤。姐さん帰ってるか。
[見つけたのは公衆電話。
銅貨を取り出して、自宅に電話をかける。
予想通りの答が返ってきた。]
ほうか。ありがとう。
[静かな声で答えた。電話を切った。]
―西ブロック・公園―
[公園の近くまで差し掛かると、下腹部につきり、という痛み。
どうやらマスターが近くに居るらしい。]
……英霊さんは、居ないみたいですねぇ…。
と、なると。
[たっちんは戦闘モードには入らないだろう。
きょろきょろと辺りを見回し、手近な自動販売機を見つけると、そこにてくてくと歩きながら、何枚か硬貨を投入した。]
ガコン ガコン
[何回か硬質の重そうな音がする。
取り出し口に手を入れて出てきたものを取り出すと、それを抱えて気配のする方に歩き出す。]
[召喚の日から、そうだった。
魔力切れでふらふらの癖に、ひとりで、夜まで出歩いた。
その翌日は、敵――メイアルたちを援けて竜に手を出し、危険を招き。
昨日も、そうだ。
イレギュラーの"8人目"を案じて、駆けよって。殺されかけて。
地上の物ならぬ焔にも退かず、むしろ、自分を囮にするように動く。
仕舞いには、重傷を負いながらも、あの灼熱と極寒の地獄に戻ってくる]
――……莫迦よね。
[自身ではなく、他者のために。後先も考えず、己を危険に晒す。
かれには、自分というものが、ないのではないか。そう、思ってしまう]
[まあ――百歩譲って、それはいい。
他人に己の力を捧げる英雄は、ある意味で、貴き存在だ。
それをただの人間が行うのは、無謀だが。誰だって、最初から英雄であったわけでもない。
――なんの術もなく。
サーヴァントを庇って、相手の魔術の前に立つなど]
やっぱり――……信頼されてない、のよね。
[異常を自覚しながら、それを告げてもくれなかった。
――それが、一番の。なによりも痛く、苦い思い]
[犬を撫でる。]
お前ももうええよ。
…案内ちゃう気がするけど。まあ、ありがとうな。
[言うと、犬はどこかへ向かって駆けて行った。
エウロパの元へ戻ったのだろう。
その背が小さくなるまで見送る。]
令呪で呼ぶんが早いんやろうけどなあ…。
[残り二画。
呼び出したところで、何を言っても納得しないだろう。
とは言え、放っておくことも出来ず。]
んー…。
[西に向かって歩き出した。
向かう先は、朝の一時を過ごした霊光院。]
[つまらないと言い切った目の前のサーヴァントをじぃ、と見上げながら、
それ程に戦いが好きなのかと容易に想像ついた。
…うちのサーヴァントよりも、余程、戦狂いな気がする。]
――心配せずともいないよ。今はね。
…心配? 違うか。
「残念」、って言うべきかな。おじさんにとっては。
[これで、じゃあつまらないけど。でさっくりされたらどうしよう。
いや、興味本位に不用意に近付いた分自業自得ではあるけれど。
肩から掛けたポシェットへそっと手を添える。
…流石にサーヴァント相手に、自分独りで耐え凌げる気はしないのだが。]
そりゃ本当に残念って話で。
英霊が居ないんなら、興味ないですわ。
[どうやら、最後のアテも外れたらしい。
ここで喉元に槍を突き付けて呼ばせるという手も有るには有るが………。]
……無粋って話で。
[相手がその気じゃ無いのを無理に戦わせても仕方が無い。
それにまぁ、周りにはまだ人通りが有る。
そんな場所を戦場にするのは、些か気が進まない。]
嗚呼、もっとも―――
嬢ちゃんがサシで殺り合いたいってぇんなら、話は別って話で。
…おっと。
[何かあったらまずいので、一応姿は隠しておこうと近くの茂みにがさりと身を沈みこませる。]
ガサガサガサガサ
[そのまま近くまで近付くと、ひょこりと目の所まで出して覗いてみる。]
はらー……
[思わず感嘆の声。
思いもよらずのツインテールのかわいこちゃん(死後)を見つけて、にこにこと微笑んだ。]
…、興味。
[興味云々が原動力なのも如何なのか、と思いながら
此方としては助かったのも事実。本気になられたら一撃を凌ぐのが精いっぱいだ。
警戒を解く事まではしないものの、ほ、と小さく安堵の息を零した。]
――謹んでご遠慮しとく。
流石にサーヴァント相手にケンカ売れるほど、
自分の実力を過大評価する心算はないし、ついでに自殺志願者でもないから。
[殺り合いたいって、そんなスリリングな快楽を求める様な趣味は無い。
ふるふると首を振りながら、ふと、視線を落とすのは左手へ。
先程から微かに感じる、近付いてくるマスターの気配。
…ついでに、がさがさと賑やかな音と一緒に。]
― 西ブロック / 霊光院 ―
[霊光院につく。
朝に来た時よりも、満ちる魔力に現れる。
老紳士のサーヴァントのお陰だろう。
特に独り言を呟くこともなく、石段を登った。
よく見れば一粒、金平糖が落ちていた。]
……。
[そのまま通り過ぎて、境内へ向かう。]
はわわ。
[ばっちりと相手と目が合ってしまい、茂みに身を隠すのも間に合わず。
諦めて、茂みから這い出る事にした。]
ええと……
[ぽかんとしている相手の近くまで辿り着くと、身体に付いた葉っぱやゴミやらをぱたぱたと掃ってから、一言。]
……飲みます?
[差し出した手には、オレンジジュースの缶。]
[境内へ着くと、その一角へ――というか林へ向かった。
爆風で倒れたのであろう、木。
地面に倒れ伏しているそれを抱きかかえるように起こ――そうとして、傷が痛んで持ち上がらなかった。]
しゃーない。
…ごめんな。死人に鞭打つような真似して。
[木をもう一度倒し、適度な長さで切断を試みる。
得物は勿論、日本刀。]
ふう。
[やがて斬り終えると、それを抱えて境内へ戻った。]
え。 あ。
[間違いない。
魔力の気配は目の前の女性からしているし
多分、目の前のサーヴァントのマスターだろう。
――だろうけれども。
見上げた姿勢のまま、女性を見て、男を見て
そしてもう一度女性を見やった。]
…、あ、ありがとうございます。
[ぺこりとお辞儀して、うっかり受け取った。
オレンジジュース大好きです。]
ありゃ、そうですかい。
増々残念なこって。
[まぁ、予想していた通りではあったが……と。
少女が何かに気がつけば、
ガサガサと現れるマスターの姿。
その後の行動をみれば、今日何度目かの溜息。
正直、一体何がしたいのか……。]
なにしてるんですかい、嬢。
…どっちにせよ、ただの魔術師相手じゃ
おにーさんも戦い応え無くって、つまらないと思うよ。
[残念そうな言葉に、苦笑を零す。…随分と戦うのが好きな英霊だ。
下手にサーヴァントを呼ぶと逆に場が荒れそうだと、小さく肩を竦めて。
続いた言葉には、やはりと一つ納得に頷く。ああ、やっぱり彼のマスターらしい。
オレンジジュースの缶を握ったまま、二人を見やる。
ファンキーなにいちゃんに、修道女。]
――ミスマッチ。
[これほど異色な組み合わせも珍しかろう。]
[差し出したジュースが受け取られると、にっこりと微笑む。]
かわいらしい方ですねぇ。
はじめまして、滝川志乃と申します。
ええと、そちらのサーヴァントのマスターです。
[自己紹介を済ますと、溜息英霊に振り向いて、頬を膨らます。]
…なにって、たっちんが私を置いて先に行っちゃうから、追いかけてきたんじゃないですか。
あ、たっちんも飲みます?
[手にしていたコーラの缶を差し出した。]
―中央ブロック/駅前・某パチンコ店内―
[景気のいい派手な音楽と、電子音。
喧騒に満ちた店内には、人だかりが出来ていた]
『すげえ……これで六十連荘だぜ……』
『どこのプロだよ、あの美人……』
『そんな馬鹿なそんな馬鹿なあのクズ設定の台でそんな馬鹿な』
[その中心には、面白くもなさそうに銀玉を見詰める、ライダーの姿]
(――全然、気晴らしにならないじゃない)
[偶然会って、ついてきた黒服――山田とかいった――を、ぎろりと睨む。席を立った]
『ちょ……姐さん、確変中ッスよ! てか、この玉どうすンすか!?』
――あげる!!
『え、マジっスか!? いいんスか!?
あ、でも、屋敷に電話してオレの代わり呼ぶンで、待ってくだ――……』
[勿論、それは無視をして。
ざわめくギャラリーを割って、外にと向かう**]
へ? は、かわい…? や、ありがとうございます…。
ええと、「ルナ」、です。
[初めまして、と反射的にぺこり頭を下げる。
此処まで丁寧に自己紹介されるとは思わず、思わず拍子抜け、というか
…一応、立場的には敵対する位置ではなかろうか、と
一瞬当たり前である筈の事を見失いかけた。 あぶない。
しかしこのチームは、性格からして真逆な気がする。
マスターだと名乗る女性は、温和な印象だし――
…は、戦闘になったら性格が変わるとか? そういうこと?
そんな事を頭の隅で考えながら、二人を見やる。
ファンキースタイルにコーラって、どうしてこうも似合うんだろう。]
……何ですかい、これ。
[コーラの缶を受け取れば、不思議そうに眺める。]
置いて行ったっていわれても、アレですわ。
あそこで俺も部屋に戻ると、また変な服を選ばれる気がしたって話で。
―西ブロック―
[大きな進展は得られなかった。
教会より遠ざかり、
いくらか主と言葉交わす。]
…―――追いかけるなら、か。
[ひとりごち。
拓けた視界の彼方には、
教会とまた趣を異にする佇まいの聖域―――霊光院がある。]
―教会―
あれが天災?
大地震とか、核ミサイルが飛んできたとかではなし、
裏で聖杯戦争があったと知っていて尚、
……あのタイミングで無関係の天災と思え、
という方が無理じゃろうが。
[ふと、セリアの言う「前々戦争」が気になったりはしたが、口にするのは違うこと。エア眼鏡に不可視のマジックアイテムでも有しているのかと首を捻り]
ただ南極で野垂れ死んでおいてくれるなら、
誰にも迷惑はかからぬから目くじらはたてぬよ。
ルナ、さんですね。
名前も可愛らしいですねー。
[頭を下げられれば、こちらも同じく返す。
どこか目を白黒している少女に、ああ、と呟き。]
…見たところ英霊さんがいらっしゃらないみたいなんで、戦いになるような事は無いんだろうなぁ、と思いまして、そこの自動販売機で買ってきたんですよー。
[なんか違う方向の説明をしだした。]
今日は英霊さんはどちらの方へ?
[コーラを受け取った英霊に対してにこりと微笑み。]
それは、よーく振って飲むと美味しい飲み物なんですよー。
勢いよくしゃかしゃかいってくださいな。
[どうぞどうぞと進める。]
変な服とは失礼な!
一生懸命たっちんに似合いそうなのを選んでるのに。
バーサーカーは、ジュリア エンジェル を能力(襲う)の対象に選びました。
―中央→西ブロック―
[黒服の山田を振り切って、あてもなく歩けば]
『よーよー、ねーちゃん』
『オレらとあそばねー?』
[――ヤンキーに絡まれていた]
正体不明の八組目に襲われる者が居て、
それがもしかすると一般人に被害が出ても
已む無しと考えるような輩であっても
今回の聖杯戦争に関係ないから安心してくれ?
話しにならん。
[しかも相手は規格外で対策のたてようもないとくれば、特別視するなという方が無理である。単騎撃破できるほど生易しい相手とも思えないから余計に。
言葉の端々に、マスコミを煙に巻くのと同じような空気を感じて、眉間に皺を寄せた。
はっきり言って信任はできないが、そこまで教会に期待していないのもまた事実]
無論、他チームも敵であることに違いはないが、
多くは魔術師の秘匿を弁えておるように見える、今のところは。
優先順位の問題じゃ。
[あの惨事が、公園でなく人の密集していた場所であれば?
賛同する者を掻き集めて、最優先で袋叩きにしていたであろう。
それが今回の参加者であっても。それだけのことである]
―教会→外―
[教会から出ても、奥歯に何か物が挟まったような気持ち悪さが残っている]
会わなければならない人、か。
……あのメイドも、何かまだ隠しておるな。
が、今は言われた通り、
目の前の聖杯戦争に集中するとしよう。
龍は倒せたようじゃし、即刻復活するような化物でなければ、
少しは大人しくしておるじゃろうて。
[何か気になるものでもあったのかと、アーチャーの視線を追った]
ああ、それと。
― 西ブロック / 霊光院 ―
[切断した木を更に幾つかの切り株に変えた。
忍者の空蝉とかに使われそうなアレだ。
ある程度の厚みは残したまま、年輪の見える向きで釣ることを頭にいれ、幹に紐を通す。勿論、空間圧を括った見えない紐だ。
紐は中空に繋がらせたまま。
つまり、手を離せば切り株の的は宙に浮くこととなる。
年輪にはちゃんと弓矢で使う的のような円を幾重も書いておいた。真ん中に赤い塗料を塗ることは出来なかったが、投槍の的としては丁度いいだろう。
計10個の的が、境内の隅に浮いている光景が出来上がった。]
……降るんですかい?
[言われたとおりに思い切り振れば、
さらに指示された通りにプルタブを開ける……
―――ただし、志乃の方向へと向けて。
当然中身の液体は勢いよく、前方へと。]
……これは、こうやって遊ぶ遊具で?
[どうやらこれは飲み物ではなかったらしい。
服の事に話題が移れば、ハイハイと流しておいた。]
あっ
[いきなり缶を向けられて、黒い液体がぶちまけられ――]
―― ブン
[突如、何かの音とともに、志乃を中心に球状の透明な膜のようなものが発生し、液体は志乃には届かずそのまま弾き飛ばされる。]
…………。
[はっ、として、慌てて胸の十字架のペンダントを握ってから、ルナの方に向き直る。]
か、神の思し召しです!!
[目の前で十字を切って、祈りを捧げるポーズをしてみせた。]
―西ブロック。森林公園内―
[公園の中に入って、三度。
警察だかマスコミだかに呼び止められた。
立ち入り禁止であるのはわかっていたから、警察に呼び止められるのは仕方ない。
それが一度目で無論、何も知らない外国人を装って逃げておいた。
二度目は取材に来ていたらしい雑誌記者に呼び止められて、名刺を渡された上に食事に誘われた。
三度目はやはり警察の一員らしい人に声を欠けられた。あれは恐らく科学捜査の人だろうと推測する。
サングラスの奥に非常に興味をもたれてしまったので、やっぱり観光客を装って質問を10ばかりしたら逃げていった。
そして現在。
昨日の跡地と思われる場所にいる]
…ほんと、隕石みたいね。
そうじゃないのは知ってるし、こんなふうに教会が仕上げたのかもしれないけど。
竜王…。
人の身であれを召還するか。
どんだけの魔力だよまったく。
[教会が掃除をした後だからだろう、ろくな痕跡は残っていない。
もちろん、そんなものを探しに来たわけでもない]
何か仕掛けておこうかとも思ったけど。
やめとくか。
こんだけ一般が多いんじゃろくな事になんね。
…ん?
[令呪に反応が二つ。マスターが近くにいるらしい。
反応度合いからすればあの男ではない。
そちらの方へと歩いていく]
…そうなのかな。 ありがとうございます。
[――サーヴァントがつけた名前に、
可愛らしさなどを念頭に入れていたとは思い難いけれども。
音は似ているけれど、実際には自分の本名では無いから
心の底から喜びは出来ないが、まぁ不快になる事はない。
ぺこりと、頭を下げた。]
――ええと、…いつも、こうなんですか?
[…其処を思って見ていた訳ではないのだが、…まぁいいか。
「英霊がいないと、戦いにならない」という部分を指して問う。
オレンジジュースの缶を軽く振って、プルタブをあける。
ん。冷たい。んまい。]
何か、買い物と――調べてくるとか言ってました。
たしか。
[置いてかれた。と言葉裏に含めて。]
前回無念があったとしても、
昨晩の所業とは無関係じゃ。
一般人を巻き込む可能性がある
暴挙をやらかしたことの言訳にはならぬ。
サーヴァントの暴走だとしても、
マスターの責任の範疇じゃ。
[「無念であったろう」と呟いたアーチャーの声色が気になった。
胡蝶からすれば「同情の余地なし」なのだが、隣の英霊には何か違う感慨もあったのだろうか。
彼方を見詰める横顔からは、今は如何な思いも読み取れず]
……追いかけたい、のか?
[張られたロープを足でまたぐ。
反応に向かって歩いてきたわけだが]
……。
[思わず。嫉妬しそうになった。
その目立ち具合に。
アロハシャツとジーンズを着た大柄な男。
そして修道女に北欧系を思わせる少女。
その取り合わせに、吹きそうになったが留めた]
チワッス。
[なんでもなかった顔をして、挨拶を一つ]
あ。
[まるで判っていたかのように志乃へと向けられる液体。
止めるより先に、プルタブのカシュッ、という良い音がした。
流石にヤバい、と声を上げようとして
不可視の膜。 弾かれる黒い炭酸水が、ちょっぴり此方にかかった。
…いや、別にいいけど。 いいんだけどね。]
い、いやいや…。
[ぶんぶん、と顔の前で手を振る。 すごい、はっ、とされたんだけど。
私に思し召しは無いのか。此れでも私もクリスチャンなのに。
とか論ずべきはそんなものではない気がした。
――仮にもマスターであるのだから、考えられるのは…魔術?
しかし自動(オート)というのも、]
おねえさんのちから、…珍しいね。
[根掘り葉掘り聞く心算は無いが、純粋な感想。]
あ、ユーリ。
[ごし、とポシェットから出したハンドタオルで
炭酸水を拭いながら、やってきた白い影に小さく手を振る。
うっかり炭酸水やらに気を取られていたが、
そういえば、気配が近付いてきていた気がする。
コーラに気を取られるなんて、仮にも戦争中に不覚。
まさかその取り合わせの目立ち具合に嫉妬されたとは予期もしない。]
……。
[下腹部の令呪が鈍く反応する。
近くに別のマスターの気配。それよりも今は――]
…見てはいけないものを、見ましたね……。
[咄嗟の事に、詠唱(エセ)が間に合わなかった。
顔からは微笑が消え、瞳の奥が鈍く光る。]
(ゆらり)
[ゆっくりと、けれど威圧感を持って片手をルナの方に向かって挙げる。
そのまま首筋に触れ、自らの顔を近づけた。]
[缶を持ったアロハシャツ。
濡れていないそのマスター。
反対にかけられたらしいルナの姿]
……ジュースかけるとか子どもの遊び?
[ルナへと手をひらりと振ってから。
た滝川がルナに手を伸ばし顔を近づけるのを見た。見た]
/*
――…、
…!?
!!!!?!?wwwwwwwwwwwwww
何なに?wwwwwww
噛まれたwwwwwww吸血みたいに噛まれた!wwwwwww
*/
―――あんた、阿呆ですかい?
[再び訪れるマスター。
……正直、この者達は緊張感がないのか。
確かに自分は英霊との戦いにしか興味はないが……、
それ以上に、戦を自覚していない兵という物にも若干の苛立ちは覚えるのも事実。
そんな中、己のマスターが突然の奇行。]
嬢も嬢で何してやがるんで。
…ひゅう。
滝川さんたら大胆。
いきなり少女の首筋を奪うとか。
シスターって、やっぱりそういう趣味の人が多い、の?
[阿呆といわれてアロハを見る]
誰が阿呆だ。
[すかさず反論した]
……これは内緒にしといてください。でないと、
――殺します。
[そうルナの耳元で囁いてから、くるりとメイアルの方に向き直る。]
あ、メイアルさん、こんにちは。
[微笑みながら、ぺこりと頭を下げ。]
せめて馬鹿といってくれないか。
[もちろん冗談だ]
いやいや、あんさんの言いたいことはよおくわかるよ。
マスターとしての自覚が足りないとか、単独行動何してんのとか、アンタの白さ目立ちすぎだろとか、いやいやあんさんの方が目立ってるって、とか。
アタシは別に考え無しに一人で出歩いてるわけじゃないのでね。
そりゃ正面切ってサーヴァントとやりあおうなんて思ってはいないけど、逃げる時間を稼ぐくらいの魔術はもってんの。
どうしてもやばい時はうちの子呼ぶし。
確かに俺は、英霊との戦いにしか興味はありやせんがね。
それでも、敵ですぜ?
いくら昼間で英霊連れてねぇっていっても、ちぃとばかし緊張感に欠けるんじゃねぇですかい?
[反論されれば呆れ顔で。
敵であれ、会話ぐらいは確かにする。
だが、逆に言えばいくら会話をしても敵は敵だ。
今すぐ首を刎ねるぐらい、正直造作もない。]
確かに俺は、英霊との戦いにしか興味はありやせんがね。
それでも、敵ですぜ?
いくら昼間で英霊連れてねぇっていっても、ちぃとばかし緊張感に欠けるんじゃねぇですかい?
[反論されれば呆れ顔で。
敵であれ、会話ぐらいは確かにする。
だが、逆に言えばいくら会話をしても敵は敵だ。
今すぐ首を刎ねるぐらい、正直造作もない。]
それに……。
ヤバくなれば呼ぶって言うのは、俺にとっちゃあ餌にしかならねぇって話で。
[呼ぶなら喜んで待ちやすぜ?と。]
いえいえ、可愛い子を愛でるのは、万人に与えられた共通の権利ですからねー。
[メイアルの軽口には、あっさりとそう返す。]
……フラストレーション溜まってますね、たっちん。
[またもや単独で現れたマスターを見て、そっと傍らの英霊を気の毒そうに見上げた。]
[そもそも昼間に一人で出歩けないほど自信がないのであれば、聖杯戦争になど参加していない。
とはいえ、いらぬ戦いはしない主義である。
危険を察知すれば顔を見せずに去っている。
今顔を出したのは、アロハシャツに驚いたというのもあるが、ルナがいたから、というのが大きな理由だった。
共闘関係にあることはもちろん口にはしないが]
おはろう滝川さん。
質問していいかな、どうしてアロハなの。
―西ブロック―
[夜目は利くが視力は標準程度。アーチャーの視線の先を探しても、霊光院の五重塔の天辺が霞んで見える]
あちらには教会とはまた違う、
日本古来の宗派の寺院があるのじゃが。
勝利祈願で参拝にでも行くか?
……というのは冗談じゃが、
神社仏閣、宗教施設はその土地の霊スポットに
建てられることが多いから、
強ち無駄でもないやも知れぬ。
[そこを姫倉が修行場にしているとは知らず、徒歩で向かうことにした。
公園に近付くにつれ、昨晩の余波が目に映り、不快な想いが胸に渦巻く]
は、――
[こわ。 ちょ、笑顔消えてますおねーさん。
ってゆーか、いや、見る見ないの前にそっちが勝手に。
とか、色々口に出そうとして
伸ばされる手。
首筋に触れる其れに、灰銀を瞬いた。]
…ちょ、何
[咄嗟にその身体を押し返そうとして、言葉は続かない。
首筋に走る僅かな痛みに、びく、と肩が揺れた。
なに、ちょ、噛まれた。
…かまれた?]
……、
[耳元で告げられた、僅かに低い声。
こくこく、と無言でうなずいた。
何、なんだったんだ。
そんなに見てはいけないものだったのかアレは。
オレンジジュースの缶を掌でぎゅうと握りしめて
彼女が離れたのを見やって、おたおたとユーリの方へ近寄った。
むしろ、逃げたと言った方が正しい。]
[何故アロハなのかと尋ねられ、不満そうに口を尖らせる。]
…私は違う服を用意してたんですが、たっちんがそっちをどうしてもって着たんですよ…。
[またもや見当違いの方向に返答しながら、メイアルに向かって首を傾げる。]
……そういえば、メイアルさんの英霊さんともお会いしてませんねぇ。
[きょろきょろと辺りを見回す。やはり近くには居ないようだ。]
そりゃ、昨日あんな胸糞悪い戦をみれば、ね。
流石の俺でも苛々しますわ。
多勢に無勢なんて、粋じゃねぇにも程がある。
[フラストレーションと言われれば、
吐き捨てるように言い放った。]
……まぁいいですわ。
寄り道が過ぎたって訳で、さっさと行きましょうや。
[間もなく夜になる。
そうすれば、この気持ちも少しは晴れるだろうか。]
−西/小児科病棟・遊戯室−
[胡蝶と別れたそのあと、小児科病棟へと早速足を踏み入れたところ]
『こんどは何して遊ぶー?』
[右手にタンバリン。左手に折り紙。
周りにわらわらと子ども、子ども、子ども。
アーチャーの想像はあながち間違っていなかったというわけだ。
なぜこうなった。こちらがききたい限りである、が]
(流石に一筋縄ではいきませんか)
[スケッチブックの端っこにクレヨンで描いていくのは
ラテン語によるメモ書き。
しかし、そこにはカラフルなトナカイたちのイラストもある。
皆にサンタを描いて貰ったらお爺さんばかりでちょっと凹んだりもした]
アタシは緊張感はいつでも持ってるよ。
それと、単独で行動するかどうかは別の話。
魔術師は力でなく頭で勝負するんだし。
それに、今のアタシは攻撃を受けたときにはここにいないかもしれないけど。
餌っていうけどね。
本当に餌になるのはどっちになるかわからないよ。
サーヴァントは、サーヴァントであることが既に同じラインなんだ。
―西ブロック/路上―
――……私、不機嫌なの。他を当たってくれる?
『オレらが機嫌良くしてやんよー』
『つーかキモチ良くしてあげちゃう、みたいなー?』
[下賤で下品な下民の下卑た笑い。鬱陶しい]
……諦めて、去りはしないと?
『たりめーじゃん、ばっか』
『つーか、ごちゃごちゃ言ってっとキレんよ?』
『ヨッちゃん怒らすとコエーぞ、マジギレだから』
[かれらの背後に向かって、溜息のように呟いた]
――……好きにしていいわよ、レラプス。
[天の猟犬は、喜んでそうした]
―西ブロック/霊光院―
[一歩一歩、考えを整理しながら石段を上る。集中しすぎたせいか何か踏んだ]
?
[元は金米糖だったものも、砕けてみれば分からない。
硝子だったら危ないなあなどと頭を掻きながら、最上段。
町の喧騒からは遠く、小鳥の囀りだけが聞こえる。
境内も手入れは行き届いていて、決して寂れているわけではないのに、何故か落ち着くより侘しい気持ちが先立ってしまった]
[逃げてきたルナの頭の上に手を置いた。
小さいなぁと思いながら、撫でる]
ふうん、それなら、滝川さんの趣味じゃないんだ。
そりゃ仕方ない。
でも目立つのは目立つよ。
目立ちたくないのなら、少し衣装を変えて見るといいかもネ。
うちの子?
うちの子は今頃どこかで子どもに懐かれてるんじゃないかなぁ。
そういう時間ね、大事にしてあげたいわけ。
ほんの少しでいいからさ。
―西ブロック―
[いつもどおり当てもなくうろついてゆく。
勘任せだったが、結局見つからず]
暇だ……。
[戦争をしているのに暇だなんて感想はおかしいかもしれない。
だけど、事実として暇だった]
[去ろうとしたその時、
メイアルの言葉が耳に届く。]
成程成程、そこまで言うなら
―――覚悟は出来てるんでしょうな?
[刹那、体は稲光を帯びる。
昨日から溜まっていた苛々もあったのだろう。
宝具を使うのに躊躇いはなかった。]
さぁ、いきやすぜ?
[なんの躊躇もない、疾風の如き一撃をメイアルに。]
― 西ヌロック / 霊光院 ―
[的を作り終え、本堂前の段に座って一休み。
息をつき、元から置いていた酒瓶、傘、そして腰に提げていた日本刀と順に置き、力を抜いた。
胸の令呪が、反応しさえしなければ。]
…また怒られそうやなあ。
[苦笑いしながら顔を上げる。するとそこには、霊光院の風情によく似合う菊柄の着物と、それに付き添う青年の姿。]
あ。…えーと…。
そう。望月の姉さんと、お兄さんか。
珍しいとこにお越しですね。
…どないかしはったんですか。お参りですか。
[座ったまま、そう問いかける。
確かに本堂は寂れてはいないが、人の気配もしない。
ならば他の目的があって来たということだろう。]
―西ブロック―
[気づいたらファフは姿を消していた。
僕が迷ったのか、なにかえさに釣られたのは不明だった。
よく考えたら、バーガー以来まともな飯をくっていなかったから]
腹減ったかな……。
そういえば。
[食事は別に必須ではない。
だけど、たまには食欲もわくのだった]
[メイアルに言葉を返そうとしたその時――]
た――
[ふいに、魔力を吸い上げられる感覚。
はっと傍らを見上げると すでにそこに英霊の姿は無く。
名前を呼ぶ間もなく、その力を放っていた。]
――……ふん。
[絡んできた下品な男たちの懐から、紙幣と硬貨を奪い取った。
衣服を剥がなかったのは、どうみたって、安物であったからだ]
……て、いうか。
レラプス……あなた、どこにいたの?
[聞けば。わう? と、首を傾げる天の猟犬]
……そう。わう? なの。
[幾ら主人だって、判るわきゃない]
[逃げた先、撫でられたその手を見る様にして、上目に灰銀を向ける。
…うん、背が高い。ユーリからすれば随分と小さく見えるに違いなかった。
実際に、思われてるとはつゆ知らず。]
…「イキ」?
[アロハのおにーさんが言う言葉に、眉を寄せる。
何に苛々しているのか、イマイチぴんと来ない。
…戦いに「粋」なんてあるものなのか。
そもそも、日本人では無い自分には、その感覚が判らないとも言えたが。]
――…ッ、! ユーリ!
[そのまま、何となしに見ていた男の身体から発される稲光。
僅かに眼を見開いて――咄嗟、その場の地を蹴って、離れる。
流石に速度を誇る攻撃に対して、咄嗟防護の詠唱は紡げない。]
[――……と。再会したばかりのレラプスが、ぴくりと]
ん――……あら?
[天の猟犬、その視線の先には。
召喚されてから――いや、生前も含めて――初めての戦いの、相手。
そのマスターらしき、人影が。おそらく、ひとりで]
[飯屋を探していた時に令呪がうずく。
サーヴァントの反応だった。
うずいた方向を見やるとそこにはいつぞやの清楚な女性。
行っている行為は下賎としかいえなかったが……]
へぇ、短い期間でずいぶんと堕ちたものだねぇ。
こりゃ、マスターは鬼畜かね。
じゃあ、そうですね。ジュメみたいな遊びをやりましょうか。
暴れない程度にね。
[スケッチブックを鞄にしまいながら、子供達に円座を作るように。
集まった子供は新しいボランティアだと思っているのか、興味を持ってくれているらしい。
三年前の話も難しい事は聞けなかったが、それぐらい前からずっといる
入院患者や石については色々聞くことができた。けれど多すぎて掴みようがない]
いいですか?使うのは体ですよ。顔と、両の手。
デュメっていったら、目を隠して。デヴェっていったら手を下ろす。
右から順番に親が移りますよ。最後まで残っていた人には…何がいいかなあ。
[クレヨンを手に持ったまま首を傾げる。
其のころ主がピンチなんて思ってもみない]
まあ、とりあえずはためしにやってみましょう。
最初は、ずっと私が鬼をやりますから、みんな慣れるように頑張って。
[良い子のお返事が遊戯室に響く。
それを聞くと、何だかこちらも嬉しかった]
/*
wwwwwwwwwwwwww???
別に、ランサー自体が話してる隙があるんだから
良いんじゃないかなって思うんだけどwwwwwww
というか、突然の戦闘と引き換えに令呪使ってるんだから
許されると思うんだがwwwwwwだめなのかなwwwwww
俺に至っては、逃げたよwwww 逃げちゃったよwwwww
足でwwwwwwwwwwwwwwwwww
ちなみに、私に至ってはサーヴァントすら呼べないよwww
PL的な事情でwwwwwwww
しかもその後セイバーと戦うらしいしwwwwwwww
*/
―西ブロック/霊光院―
いやまさか、本当にこんなところで
聖杯戦争関係者に遭遇するとは思わなんだ。
[令呪をアテにするまでもなく、本堂の前に座り込む着物姿を発見。
サーヴァントの気配はない。あちらが放任なのか、こちらが過保護なのか]
神頼みは性分ではないのじゃがな。
おぬしこそ。
というか何故「姉さん」?
[すぐに自分のことだと分からなかった、くらいには見た目中学生の自覚症状がある。「姐さん」とは発音も違うし、相手の見た目がどうしたって学生より若くはないので、疑問は深まるばかり。まあ見た目下っぽくて「妹さん」と呼ぶこともないけれど]
[気づかれたらしい、猟犬のほうに。
つづいて、サーヴァントの視線も飛んでくる]
こんにちは、マドモアゼ。
今日も一人なの? お宅のマスターは自分勝手なのかな?
[自分の事は棚に上げる。
地雷を踏んだ可能性があることには気づいていない]
そもそも宝具を人間相手に出すのがどうかと思う。
アタシの表情の前にルナが飛び避ける方が難しいと思うんだぜ。
人間相手であればただ槍振るうだけで充分だと思うんだけども。
――……あなた。
[どうも――……あの、少女のサーヴァントを連れてはいないらしい。
レラプスの反応からすれば、あれがアサシンでなければ、そのはずだ。
宝具を発動すれば、気配遮断をされていても、捉えられるが。
いまは。宝具を使って、己のマスターに気付かれるのは、避けたかった]
……自分勝手、ね。
[自分のことを省みない、というのは。自分勝手と、いうのだろうか。
周囲のことを考えず、自分のしたいようにする――という意味では、そうかもしれない]
まあ…俺はねえ。色々と。
力不足やら、悩むこともやらありまして。
望月の姉さんは?
まさか、拠点にしに来た言うわけでもなさそうですし。
[見ても、引越し的な荷物は見当たらない。
ふうと息をつく。顔を上げた時には、笑顔。]
んー……。そやねえ。
強いて言うなら、雰囲気かな?
何事も見た目やプロフィールで判断したらあきません。
その着物も、ばしっと似合っとるし。
そやから「望月の姉さん」と。
[二人を見る。本堂前から退くべきか、否か。]
お?当たりかな? 大当たりかな?
[肩を竦める様子を肯定と取った]
まぁ、この戦争にいる人なんてみんな自分勝手っしょ。
一回死んだのに、納得いかないからよみがえったサーヴァント。
自分の願いをかなえたいが為に戦争で人を殺すマスター。
自分勝手の大集合だよ、まさに。
でも、自分より周りが大事なんて人間はどこかおかしいと思うけどね。
[まさか相手のマスターがそんな人間だとは思っていなかった]
── 中央ブロック ──
[拠点で待てどもマスターが戻らない。ダース単位で購入した葡萄酒等、置ける荷物は封印された扉の前に置いて探しに出掛ける事とする。]
昼間、一度、数秒で急速に回復が進んだ時間帯があった。
何処で何を……嗚呼、もうそろそろ黄昏時では無いか。
[暗闇の時間がやって来ようとしている。
昼間は兎も角、これからの時刻は危険、と探しに出るも見付ける事が出来なかった。中央ブロックに戻り、後は西ではないかと息を付いたところで、]
──…
マスターよりも先に
サーヴァント?
[気配。だが、まだ姿は見えない。]
[とはいえ習い癖で、寺に来たからには参拝はする気である。
神社と寺の参拝の仕方はどう違ったかと、必死で頭を悩ませるが、結局そこに賽銭箱があれば小銭を投げ、鐘があれば鳴らせばいいという結論。懐から財布を取り出す]
願い事は、神様でなく聖杯様に
聞いて貰えばいいことじゃしのう。
専門家に即身成仏について説いてもらうというのも
なきにしもじゃが。
[恐らく説法の類は、とてつもなく長くなる。求めているのはランサーの宝具からの正体予測であって、「雷に化ける人知りませんか」とか聞いても門前払いだろう]
――…………。
[――みんな、自分勝手。
私は、どうなのだろうか。どうだろう。
結局、やりたいようにやっていた気もする。よく、判らない。
判らないだけで、私にも、原因があったのかもしれない。
過度に、心配させてしまうようななにか。信頼されないような、なにかが]
……あのね、あなた。口の滑りがいいのは、結構だけど――、
[自分より周りが大事など――どこか、おかしい。
まあ……その通りだと、思う。私も、タツオはおかしいと思う。
……ただ、何故だろう。他人にそれを口にされると、とても、腹が立つのは]
うちのマスターを馬鹿にすると――……殺すわよ?
―霊光院―
引っ越しなどせんよ。
……、ヒメクラ、
アヤカはどうしたのだ?
[他に呼び名を知らぬから、
そう尋ねた。
商店街では一緒だったのに。
賽銭の作法を知らぬゆえ、
見よう見まねで参拝となろうか。]
力不足?
火輪から、ナルキッソスの魅了を
退けたとか聞いたのじゃが。
[魔術師として、まだ足りぬところがあるのかと首を傾げる。
ただ、謙虚なのは嫌いではない。兎角魔術師というイキモノには、何故か根拠もなく自信満々な勘違い野郎が多いからして]
拠点にするつもりなぞないが、
まあ誰ぞ陣を敷いておったりせぬかなーとは
ちょっぴり期待をしておった。
霊脈は通っておるじゃろうからな。
[そうしたら、姫倉が居たのだ]
ここはおぬしの拠点なのか?
―― 中央ブロック/裏路地 ――
[バーサーカーが一歩、裏路地に入ったところで。]
………気付いたならば都合がいい。
[主人を屋上に残し、ビルの壁面を駆け降りながら眼下のサーヴァント目掛けて声をかける。]
さあ、戦を始めようではないか…ッ
[降り落ちる勢いと共に、狙った標的の頭蓋目掛けてエストックを突き出した。+]
どーどー、怒るな怒るな。
馬鹿にするつもりはなかったんだけどねぇ。
[予想外の怒りに、思わずバックステップで距離をとる]
しかし、見違えたねぇ。この間とは。
戦闘慣れしていない感じが消えたね。
おかしいなぁ、英霊ってのは『一応』完成された存在のはずなのにね。
[相手の怒り具合からすると状況は悪いといわざるを得ない。
逃げるにしてもファフを呼ぶにしても隙が必要だ。
ならばこそ、いつものように相手の心を乱すしかない]
即身成仏――て肉体のまま悟り開くことやったかいな。
[立ち上がり、適当な場所に立った。
日本刀は元通り腰に提げ、傘は手に持つ。
このまま望月が銭を投げて鈴を鳴らすと、まるで自分が仏様として参られている気分になりそうだったから。
賽銭と、鈴を見た。
なぜ寺に鈴があるのだろう? とかは気にしなかった。
きっと昔は寺ではなく神社だったとかだ。
再度鈴を見た。
あれはどのような響きを風に乗せるのだろう――と瞑想。
しようとして、アーチャーの視線に気付いた。
瞬く。]
……。
ああ。そういやそうか。そやった。
[暫しの沈黙。そして教会で、ライダーを彩香と紹介したことを思い出した。視線を彷徨わせ、舞い戻ってくる。]
あー……。ちょいとな。
俺が何も考えてへんせいで、勘違いさせたらしい。
[詫びたいけど、どう説明していいか分からないので考えていた、と説明した。]
…いや。なんとかなるやろ思って俺対魔術師の構図に持っていったろう思てんけど。
なんやいざ前に立ったら、急に魔術出来ひんなったから、あれーって。
[ただそれだけのことだったのだが。
まあ、動いた衝動の理由はともかくとして。]
[それでまあ、怒って行ってしまわれた、と説明した。]
魅了は俺にもわからんのよなあ…。
魔術の素養かて、元々ある方やないし。
[掌を見た。]
まあ、ここ数日では誰も見てへんな。
そして俺らの拠点でもない。
――まあちょっと、今は拠点にされると困るんやけど。
[境内の隅、宙に浮いている的を視線で示した。
あいつを待っとるんや――と呟いた。]
−西/森林公園−
[耳に届くのは鈴の音。
まさか小児科病棟から強制的に引っ張られるとは思っていなかった。
子供達が目隠しのまま声がかからないことに飽きて目をあけて
魔法みたいにいなくなった、なんて大騒ぎしていることも]
───ッ?
[ころん、と手の中から赤いクレヨンがおちた。
落ちたというよりは投げた。文字通り、咄嗟である]
Sctum
盾であれ
[咄嗟すぎてまともな対応も出来ない。
出来上がるのは春先の湖を覆うかのような危なく脆い透明な壁一つ]
―西ブロック/霊光院―
そう見えるのならば、
多少不便なれど着物を着ておる甲斐はあるのう。
おぬしも同志と見える。
……寺で和装三名出揃うとは、何の因果か。
[雰囲気が老けているのだろうか、この訛のせいかとちょっぴり気にはなるが追及はせず。
姫倉が腰を浮かして道を譲ってくれたので、そそくさとアーチャーと並んで参拝を済ませた。
両手を合わせて目蓋を伏せる。が、心の中を探っても、願い事が出てこなかった。聖杯戦争に纏ることは、神や仏に頼んでもしょうがないことで、それ以外は?
――なるように、なればいい。
自分に必要なのは、真実を受け止める強さなのだと。最後にちらりと、今は亡き一人の親友の顔をぼんやりと思い出した]
[本当に――癇に障る、ことを言う。
いや、無論。英霊とて。現世に降りれば、その間の経験は積む。
それが――座に戻れば、ただの記録に過ぎなくなるとしても]
――……っ! 本当に、殺すわよ!!
[殺気を強めながらも。
言葉だけで、武器を手に取れないところが。
――サーヴァントとして、甘過ぎるのかもしれないと。
セイバーや、ランサーであれば。
主のみならず、己をも侮辱されれば。
瞬きをさせる間もなく、殺しているだろう――と、ふと、思った]
── 中央ブロック:裏路地 ──
[暗い裏路地には光が射し込まず、まるで一足先に夜闇が訪れたかのよう。
サーヴァントの気配は、ビルの上方から風圧と共に落ちて来る。]
──…ッ
[頭蓋を狙ったエストックを避けて横に飛びながら、咄嗟に、黒い影のような相手に向かって『針』を吐いた。風圧でバーサーカーの髪が乱れる。]
ふ、ッ
[バーサーカーの手のひらにスティグマの如く浮かび上がるのは、真紅の十字。“ 魔女に与える鉄槌” ──拷問具を召還する際のまがまがしい輝きは、中世拷問史の残酷さのみを気配で伝える。
幸い路地に人通りは無い。が、この狭い空間で、敏捷性を持つ相手に大型の拷問具の召還は不利だろうと思われる。]
……悟りを開いたら
仏でなく雷になった?
[わけが分からない。
ついでに姫倉がサーヴァントと一緒にいない理由も、聞いてもさっぱり分からなかった。理解力が足りないようだ]
どこかのチームと交戦しておったのか?
魔術が出来無いとか……、
[今、敵チームを前にしてあっけらかんと白状してもいいことなのだろうか。
アーチャーが拒んでも令呪があれば、即刻相手を射抜けと命ずることもできる。
嘗められているのかと苛立ちを覚えた。顔には出さないけれど]
―霊光院―
[異国の参拝を終えて瞬きひとつ、
和装の三人の中で異彩を放つ弓兵は
舞い戻る姫倉の視線を捉える。]
…勘違い?
何があったのか、仔細知らないが…詫びを入れたほうがよかろう。
嗚呼、今考えているのか。
[真面目な顔になる。]
人がサーヴァントを庇って立つなど、貴殿は何処か、危ういぞ。
……頼ってほしいのではないかな。 アヤカは。
彼女も英霊、誇りがあろう。それに……心配しているのではないか。
……魔術ができない?
[今度は目を丸くする。]
[翻すマントで飛来する針を払う。そして何かを喚び出そうとする相手の動きを見てニィ、と笑みを浮かべ――]
その暇が………
[捻った身体の反動からそのままに繰り出すエストックが大気を穿つ。]
あると思うたか!!!
[真空の螺旋が勢いよく迅った。]
?
何の話やらよう分からんけど、そら生前の能力言うより、後世のイメージが定着した方のケースとちゃいますか。
[雷と言えばライダーなのだが、正直、彼女が悟りを開いた寺関係者のようには見えない。違うだろう。
ちなみにランサーが救出してくれた時のことはよく覚えていない。]
頼ってる…つもりなんやけどねえ。
庇ったというか、何と言うか。
後ろから援護するような器用な魔術、出来ひんし。
[ライダーなら上手く避けてくれるだろうが、あそこは場所が悪すぎた。それでも、彼女が何を思ったかと、自分の思惑は別だ。]
……確かに。
俺もまだまだ、修行が足りん。
[魔術的な意味でも、マスターとしても。
――そして早速、目の前の殺気を見逃していたようだ。]
……。や。
幾ら俺でも、回復しとらんかったら言わへんよ。そんな。
アホなんは認めるけど。
[そこは認めるのです。]
[令呪の発動と代わる様に現れる朱色。
盾が出るよりも早く、アロハの切っ先が届く]
ッ――!
[無論庇う間などない。
その前に空気圧で飛ばされる。
サングラスが割れて、白い肌に血が滴り落ちる。
上着も半分ほど避けて傷が走った]
つ、来んの、遅い…。
[肋骨が逝ったな、と思いながら地に伏した。服に込められた魔力がなければ、もっと酷い怪我か怪我ではすまなかっただろう]
[咄嗟数歩下がって、崩れたバランスを立てなおしながら顔だけで向き直る。
此方に攻撃が向けられた訳では無いといえ、
隙を見せる訳には行かないのだと判っている。 これは、戦争なのだから。
――ふと、その場に現れたキャスターの姿に瞬きながら
令呪が使われたのだと、理解したのはその直後。]
…っ、エラト!―― は、
[ぐと、眉を寄せる。魔力が吸い取られた感覚。
バーサーカーが宝具と出したのだと直ぐに判った。]
…何やってんの、アイツ…!
[巻き込まれている自分の事は軽く棚に上げて毒づいた。
誰を相手にしているのか。…相手が複数だったら、分が悪いと言うのに。]
―西ブロック/霊光院―
儂も魔術はそう得意な方ではない。
昨晩は相当に悔しい思いもした、が。
一人の魔術師にできることには限界がある。
じゃからサーヴァントが居るのじゃろう。
……おぬしもなかなかいいことを言うな。
[アーチャーが姫倉を諭すという何か珍しげなシチュエーションに、何度か瞬いて。感心したような眼差しをアーチャーへ。主従の信頼関係、果たして自分は上手く築けているのだろうか。
示されて林との境目に目をやる。何か浮いてる。武道の修行に使う的に似ているが、「待つ」と言われても用途はさっぱりである]
罠を張るならもう少し実用的な場所にするじゃろう。
陣形成でもしておるのか?
───ッ、アル!
[遅かった。それは解っている。
赤に染まる白に眉を寄せて]
…。
[マスターから真っ直ぐに伸びる力の先を見る。
アロハ。いや、それはどうでもいい。問題は手にしているものだ。
まあ、マスターのことなのでなんとなく想像ができる。
が、ここは言わずに置くのが紳士のたしなみというもの]
…どういうことか、説明して戴きましょうか。
[主と、恐らく英霊。
その間に立つようにしながら男へと声を投げる。
つとめて、冷静に]
[拷問具の召還に時間はほとんど掛からない。するどい真空波を受ける盾のよう、金属製の両腕を広げた乙女が立ちはだかる。]
『鋼 鉄 の 乙 女』
および
『鋸(ノコギリ)』
[乙女の胸から飛び出すのは、最初に飛ばした『針』よりも太く鋭利な心臓をも突き刺す串刺しの針。だが、抱きしめて処刑する動作はサーヴァント相手にはそれ程確実性が無い事は、対アサシン戦で知れている。
バーサーカーは『鋼鉄の乙女』の後方から、セイバーに向かって飛ぶ。]
──…
嗚呼、
得てして、
性急な男は女に嫌われる。
[くつくつ喉を鳴らすのは、己よりも性急で攻撃的な相手に対峙するのは、愉快であったゆえ。今度は斜め上からバーサーカーがセイバーの肩をめがけて、鋸(ノコギリ)を振り下ろした++。]
[キャスターの繰り出した盾で軽減されたのが一番の理由ではあったが]
ン、交代、よろしく。
[息も絶え絶えと言った様子で、顔を伏せた。
土の匂いとアスファルトの匂いがした。
傷の痛みは深刻だったが、今は魔力の方が心配だった。
簡単な回復くらいなら使えても、今の傷を治すとなれば時間も魔力も食う。何より、こんな怪我を想定したものではない。
そんな時間はないと、動いて体力を使わないように務めた]
[どれだけの罵声、怒声を浴びせられても折れてはいけない。
今ここでの自らのアドバンテージは心の強さだけだから。
いつものように飄々と振舞うのだ。
だって、心が折れた瞬間全て終わってしまうのだから]
殺す殺すって物騒だなぁ……。
まぁ、落ち着いて深呼吸をしてみようか。
その上で、考えてみようか?
俺がなんで西ブロックにあえて一人でいるかを。
俺のサーヴァントはどこに言ったんだろうねぇ。
そして、ここには何がありましたっけ?
[それとなく暗殺を匂わせる。
結構な博打ではある。相手のマスターが西にいなければ、
アサシンのマスターである事をばらすだけになるから。
もっとも、対サーヴァントなんて状況で博打を打たない安全策など無いのだが]
……そいつの英霊かい?アンタ。
[出てきた男に、槍を向けつつも口を開く。
己とて今は只の兵に過ぎぬと自負はするが、
これでも嘗ては武将として馳せた身。
義には義で、礼には礼で返す程度は弁えている。
胸の置くから搾り出すように、大きく息を吐く。
それで、幾許かの冷静さは取り戻せた。]
いえね、アンタのマスターが英霊の前にノコノコと姿現した挙句……ちぃっと挑発してきたもんでね。
そこまで大口叩くなら、覚悟は出来てるんだろうな、と。
まぁそういう話ですわ。
……そいつの英霊かい?アンタ。
[出てきた男に、槍を向けつつも口を開く。
己とて今は只の兵に過ぎぬと自負はするが、
これでも嘗ては武将として馳せた身。
義には義で、礼には礼で返す程度は弁えている。
胸の置くから搾り出すように、大きく息を吐く。
それで、幾許かの冷静さは取り戻せた。]
いえね。
アンタのマスターが英霊の前にノコノコと姿現した挙句……ちぃっと挑発してきたもんでね。
そこまで大口叩くなら、覚悟は出来てるんだろうな、と。
まぁそういう話ですわ。
[──刹那
メイアルの叫びと共に、英霊が召喚される。]
……エラト、さん。
[ルナが叫んだ名前を聞いて、そのままそれを繰り返す。
にこりと微笑んで、はじめまして、と頭を下げる。
その様子は、この状況では少し不気味に見えたかもしれない。]
…滝川志乃と申します。
きちんとご挨拶したい所ですが…
[そこまで言うと、ふい、と傍らの英霊の後ろに移動する。]
私が入り込むと、きっとたっちんが機嫌悪くなるんで、どいてますね。
[人間の身体は弱い。
そんなのはわかっている。だからこそ起源を求めるのだ。
いつか魔術を魔法へと昇華させるために。
つかの間の夢は、その世界。
ただ、世界だけ。そこには何もない
それはほんの数秒にも満たない時間。
目を開けるとまだ、エラトの背中が見えた]
チイィっ
[現れた鉄塊にさも嬉しげに舌を打つ。乙女の抱擁を避け喚び主を叩かんと上に跳べば、すでに相手は自分のさらに上にいた。]
ブルワァァァァァァ!!!
[振り下ろされた鋸の側面に左裏拳を打ち込み軌道を逸らすも、それは肩から腕にかけて皮一枚を剥いで行く。
そのまま臆する事無くお返しとばかりに切っ先を突き上げた。]
/*
キャスターメモより抜粋
>槍の人>色々うちの破天荒鱒がお手数おかけします(正座
>…こう、前回の槍の人の気持ちがちょっとわかtt
すまんかったwwwwwwwwwwww
ゆるしてくれwwwwwwwwwwww
といいつつ、かつての主従で挑発合戦ですorz
投票を委任します。
メイアル・ユーリは、メイド セリア に投票を委任しました。
この場に好き好んで乱入する一般人はそういないと思いますが?
ああ、うちのマスターはその辺り変わっているので一般人とは一緒だと思わないように。
[土の上に落ちた蜜蝋クレヨンは何処へ行ったのだろう。
己へと向けられる槍の穂先に動じることなく、
耳馴染みの良い声で槍を持つ英霊へと答えを返す]
…なるほど?
[ある意味予想の範疇内であり、その反面男の気質を読むかのように
朱の瞳は槍の英霊へと向けられる]
ユーリ…ッ!
[地に伏せた相手に駆けよって、しゃがみ込む。
滲む緋色。――怪我の程度は容易に知れた。
本来ならば直ぐに連れて場を離れる方が得策なのだろうが
どうやら肋骨も折れているらしい、大きく動かすのは得策ではないし
…だからといって、怪我を直す術は勿論持っていない。]
――…っ、…
[エラトの向こう、悠々と頭を下げる志乃が、酷く怖い。
…それは、先の事もあったからかも知れないが。
――無意識に噛まれた首筋を、掌で押さえた。
このオレンジジュースどうしよう。
もう、呑気に飲んでる場合じゃないんだけど。]
―霊光院―
…話してみるといい、腹を割って。
伝えなければ伝わらないこともある。
何というか、敵マスターに向かって
お節介であるとは承知しているが。
[ごく真面目に、弓兵は語る。
感心したように主に見られ瞬き]
……否、
思うたことを云ったまでで。
[少し眼をそらしてから
浮いた的に視線を移す]
……武芸の訓練でも?
[すぅ。はぁ]
――……物騒って。
その覚悟があって、参加してるんじゃないの?
ここに、なにがあったか……?
[町の西側。何が、あっただろう。
考える。昨晩の、公園。キョーカイ。川に、寺院。それくらいだ。
――よく判らないが、自信は満々。なにかのブラフ、だろうか]
……あなたのサーヴァント、ね。
ふん……自分でも、どこにいったか判らないんでしょ?
どうせ――サーヴァントとはぐれたとか、そんなところでしょう。
そうやね。
俺の場合は……、特にそうかもしれん。
[ライダーに出来ること、自分に出来ること。
…まあ、今のままでは足手まといになるしかないので、修行をしているし、生まれて7年、魔術に関わっていなかった差は大きい。
普通は、生まれてから「細工」するのだから。
そして、続く言葉に瞬けば、ほんの少し笑った。]
……。
姐さんと、一緒に修行しようと約束した。
せやから待ってる。…ほんだけ。
[約束などしていないし、修行をしたのは朝の一時だけ。
それでも。
互いが目指すもののために、互いが強くなるために。]
…滝川、志乃さん。ですね。
こちらこそ、このような慌ただしい場で初見のご挨拶を
差し上げ申し訳ありません。
エラト、と呼ばれております。呼びにくければ、エラ、でも。
[その場から微動だにすることはなく、ただ朱色を向けて
こちらもまた簡単に偽名を名乗る]
ええ、下がられたほうが良いかと。
ここはどうやら男の戦場のようです、儚い女性の肌に
傷の一つでもつけるわけにはまいりません。
[そんな風に告げて、朱の瞳を軽く弧の形に細めた]
[意外な展開、マスターの暗殺をちらつかせれば、
怒りは頂点に達し、隙が出来ると考えていた。
現実は逆で、目の前のサーヴァントは落ち着いていた。
まさか、促した深呼吸をするなんて思わなかった]
覚悟はしているけどさ、別に殺したいわけじゃないからねぇ
なんていうか、別の意味で規格外だね、君……。
[まさか、暗殺のブラフがきかず、サーヴァントと
はぐれていると判断されるとは思わなかった。
だけど、穏やかな空気に戻ったのは助かったかもしれない]
ありがとうございます。
[相手の紳士な物言いに笑みを返して、ゆっくりと邪魔にならなそうな場所まで歩く。
その位置で、一度全体を見回してみる。]
……。
[視線の先には、先程まで談笑していたマスターが二人。
一度そこを見て、それから自分の掌に視線を移す。]
[眼前の少年が、何を驚いているのかは、判らなかった。
町の西に、自分と関係する何があるわけでもない。
拠点は南で――マスターと別れたのは、街の東。西にはなにも、ないはずだ]
……褒め言葉、それ?
[呆れたように呟かれた、規格外という言葉には、半眼で]
手ぇ振ってる場合じゃないでしょ…っ!
[運ぶにも、自分の体格じゃ勿論そんな遠く運べないし
動かすにしたって酷くゆっくりになる――そんな隙だらけな事、出来ない。
ならば、自分に残された取れる手段は一つ。
…その合間にも、自分の魔力が更に減った。ああもう。
さっき魔力回復させてもらったのが本当に幸いしたと思う。]
エラト。 …私達、下がった方が良い?
[キャスターというクラスである彼が、
護りながら戦うに向いているとは思い難い。
ランサーと相対する彼の背中に、一言だけ、問う。]
サーヴァントが、修行。
……してどうにかなるものなのか?
うんまあ、それがそちら流の
親睦の深め方なら、口を挟むべきではなかろうが。
[ふよふよ浮いている的たちを一瞥]
修行の足りる足りぬの問題ではない
次元では悩んでもしょうがないと思うぞ。
[日々鍛錬は欠かさなかった、そんなことしている暇がないのが現状。
眼前の相手はタフなのかアホなのか、両方か]
過度に身体を痛めつけたからといって、
強くなれるわけでもなし。
速い な。
[皮一枚しか裂けなかった事に舌打ち。
相手も宝具である『鋸(ノコギリ)』を素手打てば、拳が痛いだろうが。突き上げるセイバーの切っ先は、バーサーカーの身体をかすり、浅く肉を削る。]
ッ
闇の気配がする。
[歪む笑み。
二回目に横から入る『鋸(ノコギリ)』は胴体を狙って。
追いついた『鋼鉄の乙女』がセイバーの足を引くなり、針山が突き出した胸に捕えようとするなり、素早い相手の動きを妨害するだろう。]
[少し顔を上げて、ルナを見た]
たぶんね。
アタシら邪魔だと思うんだ。エラトにとっては。
どっか、逃げた方がいい、かな。
[割りと口調ははっきりとしている]
……なんだ、マスターとは逆にいやに礼儀正しいって話で。
[それでも、張り詰めている物は変わらず。
唯一変わった事といえば……
その例に倣い切っ先を少し、キャスターから外したことか。]
んで、だ。
旦那は一体、どう出るって話で?
――……ひ、やっ……!?
[微電流のような感覚が、背を奔り。ヘンな声が漏れた。
――宝具や令呪クラスの、魔力の波動。それも、ふたつ]
(西――……それに、東でも?
昼間からよくやるわね、ホント――……)
[内心で、悪態を吐きつつ。少年から、目を離す愚は犯さない。ただ]
――……っ。
[二か所で、魔力の激突。最低、四騎。
あの少女のマスターが、何の反応も示していないことをみれば、それ以外。
であれば、同盟相手たるランサーが、戦闘している可能性は高い。
あちらの戦闘中は手を出すな、とは、言われたが。
それでも、気にはなった]
[半眼で問いかけてきたと思ったら、急に
なんだか悩ましい声を上げるサーヴァント。
それでも視線をはずしてくれないのは流石といったところかな]
褒めてる褒めてる。
つうか、天然って怖いねぇ。
解説しちゃうと、寺院に君この間いたよね?
そこにマスターがいる事を想定して、
僕のそばにいないうちの子が襲撃とかしてたらどうすんのって脅しなんだけどね。
[アサシンの部分を避けてネタ晴らしをする。
完全に負けでした、心理戦が通用しないなんて想定外。
まさに僕にとっては規格外でした]
そうですか?恐れ入ります。…どうでる、ですか。そうですね。
まずは魔力だだもれの主の怪我をどうにかしなくては、と思っています。
[やり方を選ばないのであれば、こんな会話をするより先に
仕掛けてしまうほうが手っ取り早い。
切っ先が外れたことをみつつ、左の手を握って小さく呟いた。
右の手は、攻撃をしないことを示すかのように掌を男に向かって向けられる]
───Requiem aeternam dona eis Domine, et lux perpetua luceat eis.
主よ、永遠の安息を彼等に与え、絶えざる光を彼らの上に照らし給え。
Requiescant in pace.
彼らの安らかに憩わんことを。
[聖句は左の手の中に器に入った膏薬を作り上げて、
それをルナに向かって軽く放る]
すみません、アルのことを頼んでも宜しいでしょうか。
私からの説教のかわりに、たっぷりと塗り込んでやってください。
[あとは任せます、そう告げて改めて男のほうを見た]
……寺院? あー……、
[敵からの親切な解説に、手をぽむり]
……あれ、でも。
私、あなたのサーヴァントに、言ったわよ?
あそこ、一時的に使ってただけで、拠点じゃないって。
[きっと、この主従も信頼関係を築けていないのだろう。
どうせ、首を掴まれて跳び回ったりされたり、しちゃってるのだ。可哀想に]
――だよね。
立てる?
…無理なら、連れてく。
[ユーリの言葉に、少しだけ眉を寄せて、問う。
其処まで遠く離れられる訳ではないし、
…正直これで移動するには、どうしてもリスキーなのだが
しかしそう悠長な事は言っていられないし――何より。
エラトから投げられた小さな器を片手でキャッチして、
蓋を一度開けて、中身を確認する。
代わりに塗り込め、という言葉に真顔で頷いた。…どうやら大変染みるらしい。]
えぇぇぇええ!? 聞いてねーよそんな話。
そりゃ、脅しが効かないわけだ……。
[規格外なんて事は無かった。
ただの自分達の連携が取れていないだけの話。
相手の見下す視線がなんだか、心に深く刺さった気がする]
ン……。ルナ、肩貸してくれる?
......Ich rufe dich an.
Sie träumen von ... fehlenden.
Als Ori..entierungsgröße in meiner spirituellen... Kraft und Ihr Erscheinen hier
"Sword Zuckerrohr"
『In den Händen』
[途切れた詠唱はそれでも最後まで。
終わると、杖が手の中にあった]
あ…。令呪じゃなくても呼べたんじゃない?
無理か。
[エラトの方を一度見て、杖で身体を支えながら起こす]
むうん。
[体勢が悪かったか。浅く終わった切っ先に不満の声を漏らすも、それどころではない。
下からは針山が、横からは鋸が。乙女の伸ばした腕先を蹴り跳んで、あわやのところで鋸を避ける。
闇の気配、との呟きにはニヤリと笑いながら。]
しかし力任せの英霊よ… 貴様、バーサーカーか!
[問い掛け叫び。ビルの側壁を足場に右へ、左へと跳びながら続けて三本の螺旋を撃ち貫く。
そのまま、口の中では呪文の詠唱へと…。]
お待たせしました。私は何処からでも構いませんよ。
[すみません、と小さく頭を下げて見せてから
短い言葉は英霊の右手を中心に朱色の陣を描く。
それは、自分にとって盾であり武器であり、総てである]
主の非礼の詫びに、先手を打っていただいても構わないのですけれどね。
そちらが私の出方を見るというのであれば、ご覧にいれますよ。
───Cum Sancto Spiritu in gloria Dei Patris.
聖霊と共に父なる神の栄光のうちに
[右の手を持ち上げる。正面の男に向けて。
朱の円陣に滲むのは真珠を砕いたかのような淡い光。
それが緩く渦を描いたかと思えば、急速に中心へと向かい
それは光の槍のように英霊へと狙いを定め放たれる]
―西ブロック/霊光院―
夜になっても来ぬようなら、
素直に探しに行った方が
良いと思うがのう。
[陽は没し、既に周囲は薄暗い。
木々のシルエットを浮かせる茜色も、ほどなく闇へと移るだろう]
儂等に戦う気がなくて、命拾いしたな。
[キャスターの治療。
そしてその後のマスター2人を黙って見送る。
基本的に、手を出す…もしくは挑発等をされなければマスターに攻撃をするつもり等無いのだ。]
さっさと連れていきなせぇ。
急がなくても、別に何もしねぇですわ
[メイアルの傍へと寄るラナへと。]
……。
[ぐにぐにと、掌を握ったり開いたりする。
新しく手に入れた力は、正直、まだまったく感覚が掴めない。
それを今行使するのは不可能だろう。
何より――]
……邪魔したら、後で怒られますよね。
[ふー、と息を吐くと、少しだけ柔らかな草が生えている所にぺたりと座った。]
それでも。
どうにもならんと分かってても、何とかしたい時もある。
……そういうもんとちゃいますかね?
[にこりと笑って、望月胡蝶にそう返す。]
そらあ、サーヴァントは強くならんかもしれません。
それでも無駄やないと、あいつは信じとりますんで。
……強くなりたい。一心で土に塗れる。
端から見たら、笑い事かもしれませんけどね?
[笑ったまま。ほんの少し、傘を強く握った。
――が、アーチャーの言を聞いて、表情が落ちる。]
……ま。
俺も、やるだけやってみたいしな。
結局、伸ばした手が誰の助けにもならんくても。
……ほうやねえ。
まあ、ホンマにいざとなったら令呪使ってでも呼び戻しますわ。…朝になったらさすがに総出で探さんと。
[組のもんで、と呟いたのは聞こえたかどうか。]
そうですねえ。
…おおきに。見逃してくれはって。
明日になって俺が死体でここにおった――なったら。
どう詫びてええか…まあ詫びられませんけど。
死んでしもたら。
[笑う。先程とは、種類の違う笑み。
傘を握っていた力は、もう緩くなっていた。]
……まあ、他はドンパチやっとるみたいやけど。
[先程感じた魔力の鳴動。
ちら、と下界があるであろう木々の闇の狭間を見た。]
[ふと、植え込みの向こうに目を見やる。
そこから先は、不自然に切り取られたように緑が無くなっていて。
酷い戦闘の痕がギスギスと音をたてるように、自己主張している。]
(……生きて……いるだろう、か)
[ふいに生じた思考を、ふるふると頭を振って掻き消す。
頭を切り替えるべく、英霊の方に目を向けた。]
―霊光院―
――…否、意味がないことなどないと、
私は思う。笑いはせんよ。
[傘、を見る。
ぼろぼろの、それでも
大切に持たれていたであろう傘。]
物好き以外は来ぬから危なくはなかろうし
アヤカが帰ってきたとき、
邪魔もそう入るまい。
[落ちた表情を見ながら、そう静かに、どこか柔く続けた。]
――…、……伸ばした手は、
[其処から先、言葉にならない。]
ん、
[肩を貸せというユーリの言葉に、背中に手を添える様にして支える。
自分では少々位置が低いだろうが、そこは我慢してもらうしかない。]
――…、
[アロハシャツのおにーさんへ、一度視線を向ける。
何もしない、その言葉に少しだけ安堵した。
気を抜く心算は無いが、…恐らく其れは信じて良い気がする。
今までの言動を省みるに、背を向けて逃走する相手を
追い打ちを掛けるという行為は、しない。――そういう人種なのだ、多分。
片手の中のオレンジジュースをどうするか暫し悩んで、
勿体ないので残り半分ぐらい、一気飲みした。うあ、喉…というか食道が痛い。]
おねーさん。オレンジジュース、ありがとうございましたっ!
[カンッ、と高い音を立ててアスファルトに立て置く。
一応礼は告げると、ユーリを抱えてゆっくりとその場を後にした。]
…やはり、
貴殿は何処か少し、
危うい。
[呟き。 風が吹く先へ
藍の眸を映した。]
《夜》だな。 ……戦争の時間だ。
[その先を見据えるように、眼を細めた。]
[『鋸(ノコギリ)』を避けられた勢いで、上体が傾く。
くんと鼻孔を動かし、相手を見るとニヤリとした笑みを浮かべたところだった。]
──…
闇の気配 当たりか。
魔物の臭い だッ な…
[身体の内側から沸き上がるのは、衝動。
だが、黄昏、空は西に傾き黄金の光は消える。紫黒の闇が徐々に世界を覆わんとする。バーサーカーのマスターは側に居ない。指示、補助、連携と言った応援は望めず、逆に相手はチーム戦の可能性が高いと言う状況。
目の前の相手だけに集中していては、不利──。もしくは、ラナが安全でない状況で魔力を消耗してしまうおそれがある。バーサーカーかと問われたのは良かった。]
サァ、如何だろう?
私は至ってまだ正気──。
[力任せに、真っ正面から相手に飛び込まず。撃ち込まれる螺旋を避けて、飛び、ビルの外壁を利用し、上方へ向かって行く。]
[ふいに高い声がして、ルナがメイアルを支えて立ち去ろうとしているのが見える。
立ち上がって、その背中に声をかけた。]
…先程首にした事は、何の効力もありませんからー。
[次はわかりませんけど、と付け足してから、にっこりと微笑んだ。]
[相手の男から放たれる光の槍。
それを目で確認すれば……
―――雷から人へと戻った体の中央に。
避けずに、態と受け止める。
一瞬堪えようともするが、流石に受け止めきれずに後ろへと吹き飛んだ。]
……ってぇ…っ。
いやいや、中々効きやがるって話で……。
[のそりと起き上がれば、服は破け、肌には焦げ跡。
口からは血が流れていた。]
成程、ね。……アンタ、キャスターかい。
[ズキリ、と体の内部が痛い。
今までも怪我そのものは色んなところに負ったが、サーヴァントの宝具を受けたのは当然初めてだった。
生きているのが僥倖とも思える。
杖を片手に、余りルナのほうに体重をかけないようにして歩く]
ごめんねぇ。
アタシはアタシの性格を変えられないからさ。
とばっちり食っちゃったね。
[にこりと笑う。
流れた血が、乾いて赤黒く変色していた。
サングラスは割れたので、血よりも眼の方が赤く見える。
後で買ってきてもらおうと思いながら、息を付いた]
―西ブロック/霊光院―
好きにするがいい。
儂はおぬしのような不屈の精神は持ち合わせておらぬ故、
我が身に余ると思ったら、とっとと諦めて
自分のできることを探す。
[笑顔を向けられても、付き合っていられないとぷいと顔を逸らす。
熱血論。爽やか青春路線? 鳥肌がたってきた。ついでにアーチャーまで同調しているものだから、頭が痛い。
アーチャーに茶汲みや買出しをさせている自分も大概だと思うが、修行したいとは奇特なサーヴァントもいたものだ]
一つ貸しじゃ。
助けたいなどとは傲慢の限りじゃが、
その気持ちは儂も分からぬではない。
で、話戻すけどさ、なんで君一人なの?
この間みたいに門番ってわけでもないみたいだし。
[自分だって一人じゃないという指摘を受ければ、
苦笑いで誤魔化すだろう]
[右の手に魔力越しに伝わってくるのは手ごたえ。
微かに朱を眇めたのは睨むような雰囲気もある。
本当に、槍の英霊であるなら何故よけなかったのかとばかり。
見くびられているというよりは、力量を把握するかのように]
さぁ、…ランサーかもしれませんよ?
[あくまで首を傾げてみる。
相手の出方をみるのは重要な手であるから。
警戒は、未だ解かないまま右の手を中心に朱色がゆっくりと回転する]
もし、誰か着たら逃げていい。
そんな強固なもんじゃないはずだ。共闘はさ。
サーヴァントは、マスターを感知できない。
マスターは、アタシの見る限り手負いのやつに手を出してきそうな輩はそういない。
ばれないように隠れるよ。
[でも今日の夢見は悪かったなと内心思う]
?
そら、好きにしますよ。
[望月には、先程の笑顔が普通と違わず見えたらしい。
特に正す必要もないので、深くは突っ込まないでおいた。]
まあ、俺が修行してるんは、単に決定打がないって話で。
あいつが頑張ってくれたのに、俺に何か足りひんかったら――まあ、この話はもうええか。
戦闘は結局、現場判断ではあるし。
[足りないものを判断と経験で補う。
ただ、傲慢という言葉を聴けば、遠くを見た。]
……まあ、確かに。
でも、自分のやりたいことくらいには傲慢にならんと。
後々後悔しても、かなんしな。
[――と。
青年から、妙な言葉が聞こえた。]
――あなただって、ひとりじゃない。
私はともかく……マスターがひとりで出歩くと、危険よ?
[応えつつ、かりかりと頭を掻いて。苦笑と溜息。
そして、いいことを思いついたとばかりに、輝く笑顔で]
んー――……あのね。
……いい女には、ひとりになりたい時間があるものなの。
[どーん、と。何故か、どや顔で]
それはねぇですな。
ランサーなら此処にいるってぇ話でして。
[口から流れる血を拭い、槍を掴む。]
……今食らったのは、侘びとケジメですわ。
例え理由があったとしても、武人じゃねぇやつに斬りかかった。
これをそのまま放っておいちゃ、俺が気持ちよく戦が出来ねぇって話で。
[首をゴキリと鳴らす。
体は…痛むが動く。
多少反応が遅れるだろうが、致命的な遅れにはなるまい。]
だから……もしアンタが続きをするってぇなら。
―――此処からが本番ですわ。
とばっちりとか、いいよそんなの。
…っていうか、笑ってる暇があったら、歩く!
[ぺち、と叩くべくチョップを繰り出す。
もちろん、相手は怪我人だからそんな強いモノではないけれども。
空を仰ぐ。
…既に夜とも言える程に、色は濃い物に変えていた。
――あまり状況は宜しく無い。
ユーリの状態を見て、人目を引くのは違いないし
…だからと言って、救急車を呼ばれても困る。
エラトから渡された手の中に収まった其れを
塗る場所も確保しなければならないだろうし――
ふと、ユーリの言葉に、 ぱちりと瞬いた。]
―――。
[暫し、考え込んだ後。]
……そうかもしらんねえ。
気いつけとかんと。
うっかりぽっくり、なんざ洒落にならん。
[そう、青年の言葉には呟きを返した。
戦争の時間――と聞けば、一つ、頷いた。]
さて…これからどないしたもんか。
[ここを離れるわけにもいかないのだが、青年の言を信じるなら、離れても誰も入ってこない気もする。
地面に置いたままだった見えない籠を持ち上げる。
自然、中に入った三本の酒瓶が浮く形になった。傍目には。]
さて、その闇の魔物は………こんな事をするであるかな?
[詠唱の完了。握った左掌から光が漏れ出す。]
――lumina.
[陽が暮れ落ち、辺りが闇へと包まれた瞬間に。
開いた掌より、柔らかくも眩しい輝きが路地裏に瞬く。
我が身より灰が零れる。
光の最中で敵目掛けてビル壁を蹴れば、手に持つ鋸目掛けてすれ違い様に切っ先を突き出した。+]
――…んの、 バカ!!
[チョップ再び。
さっきより強めに。]
私は、エラトに、頼まれてんの!
それを放り出して共闘を放棄って、なにそれ、ばか。
そんなんしたら、私がセムルクにも怒られるじゃない。
ってゆーか、信じらんない、そんな薄情な人間に見える私!?
[私が後味悪いでしょーが!
文句タラタラで言い返す辺り、離す心算は無い事は明らか。
…さて、どうしよう。思考を巡らせる。
一番近くて――安全が確保できるのは、教会だろう。
次点で、自分の拠点か。間違いなく休むには適している。
――場所を明かすリスクはあるが、そんな問題はとうに通り越した。]
成程?ではアーチャーだといったら。
……いえ、こんな問答を繰り返している場合ではありませんね。
[軽く肩を竦めたあと、一つ思案顔。
ゆっくりと目を細め、それから開いて告げる]
そうですね、ではこうしましょう。
貴方が正々堂々と戦う武人だというのなら、
ここはお互い一度引いて、万全な状態で再度手合わせを、というのは。
利点はお互いに一つづつ。私はこの場を引いて主を回復させることができる。
貴方は満を持して堂々と名乗りを上げて戦争に全力投球できる。
…如何でしょう。
もちろん、いまここで続ける分にも、吝かではありませんが。
[軽く首を傾げてランサーを見る。
その表情は聖人と呼ばれし者そのもの。
尤も、腹の中で何を考えているかなんて
その顔を見たところで誰も解らないに等しいのだろうけれど]
ああ――。
別に、ルナに対して善意だとか、そういうんじゃなくてネ。
聖杯戦争にかける思いってのが、何より優先されるべきだから、だと思うからさ。
アタシは、そんなに善人じゃない。
悪人だとは思ってないけど。
魔術師が相手である以上、アタシは相手に術を使うことはなんとも思わない。
一般人は、別だけど。
それでも、めんどくさいのが大きな理由かな。
…ッ。
[口の中に錆びの味。
果たして膏薬がどれほど効くのか。何よりとても染みるのだろうなと思った]
滝川 志乃は、キャスター を能力(占う)の対象に選びました。
/*
セムルクたんが、エラトたんを気に行っているので
其れ放棄したら、 絶対怒られう!
と思ってる。
おもってるよわたし。
*/
痛いってば。
ん、えとねぇ。
薄情なのは、アタシの方かな。
ルナが、後味悪くするのをわかって、言ってるから。
[髪が、血に濡れているのが見える。結った髪はほどけて、今はほつれていた]
……確かに、ちぃと興が殺がれる始まりだったって話で。
戦ってのは、もっと粋でなきゃいけねぇ。
特に、一騎討ちなんて戦の華は、な。
[クク、と笑えば。
槍を収めて、音も無く虚空へと。]
アンタのマスターに言っておきな。
喧嘩を売る相手は良く見て選べって、な。
じゃねぇと、令呪が幾つあっても足んねぇって話ですわ。
[そんじゃ、と振り返れば。
後方にいた志乃の手を取り、公園へと足を向けた*]
危うい、か。
わざわざ心配してやる必要もあるまいに、
過保護な英霊じゃのう。
[蟀谷を押さえる。
我が身を滅ぼす類のお人好しという点では、アーチャーと姫倉はいい勝負な気がした。
姫倉が手品のように酒瓶をも浮かせても、魔術師なのだから驚いたりはしない。先ほどの的といい、浮かせるのが好きだな程度である]
そうじゃ、一つ聞きたいことがあるのじゃが。
無頼陣という名に心当たりはないか?
三年前の忍神町の聖杯戦争の勝利者で、
つい先日まで三年間樹那病院に
入院しておったようなのじゃが。
八人目のマスターと同一人物じゃと思われる。
[振り返ってこちらに来る英霊。
思わず、痛々しい傷に目が行き、口を開きかけた所で手を引かれた。]
……えと…
[後ろを振り返ってエラトにぺこりと会釈をすると、手を握られて落ち着かない表情のまま公園の方に*歩いて行った*]
痛くしてるもん。
…判ってて言ってるとか、サイッテー。
[その言葉に、む、と眉を寄せた。
…不機嫌な態だと、相手にも見えるだろう。]
じゃあ、代わりに後味悪くしてあげるから良いよ。
…別に、庇って自分まで死ぬ心算なんて欠片もないけど
意地でも見限ってあげないから。
[居心地悪くなれ、と見当違いの念を言い捨てて
足を向けるのは、結局拠点の方へ。
――機動性を欠くこの状態、既に夜になってしまった以上、
サーヴァントを早急に拾いたいのもあった。
どうやら、彼も何者かとぶつかっている気配もするし。]
話がお分かりになる方で、何よりです。
[消える宝具に、目を細めた。
それから、ゆっくりと息を吐き出してこちらも陣を霧散させ
英霊へと少しだけ頭を下げた]
説法ですか。よく言っておくようにします。
[消えていくその背中。
二つ並んだ姿が見えなくなった頃、英霊は息を吐き出した]
…子供たちが、驚いていなければいいのですが。
[土の上に転がっていた赤いクレヨンを拾い上げて
土を丁寧に払うとスケッチブックの一枚を破いてそれに包み鞄へと仕舞い込んだ。
まさか魔法だと大騒ぎで喜んでいるなんて知りもしない。何という幸運技能補正]
無頼陣?
いや、あの時聞いたんはナルキッソスの名前だけで…。
[いや、待て。
自分はその名前に聴き覚えがある。そう。
遠い昔、どこかで聞いた名前。記憶に引っかかる。]
―――。無頼陣。俺はその名前を、知っとる。
[そう。
あれは―――――大好きだった時代劇
「丙(へい)!出店茶屋」の主人公の名前が、無頼陣。
ちなみに「丙!出店茶屋」とは「甲!出店茶屋」「乙!出店茶屋」とのシリーズもので、不可解な金塊の出所を巡って紋所をつきつけたり、看板娘が海賊と渡り合ったり、忍者と町奉行が恋に落ちたりする、大河ヒューマンドラマである。]
闇で有りながら、
聖なる 光 か。
[目隠しをしていても、光と言うよりはエネルギーは感知出来る。そして、目くらましの後は、直接攻撃が来ると相場が決まっている。
『鋸(ノコギリ)』のギザギザとした刃を、正面へ押し入れる。腹に刃を食い込ませ、轢き切る状況をイメージして。己は、心臓や首、頭部に攻撃さえ受けなければ良いと。
何かを裂いた手応えはあったかのか。だが、突き出された剣が『鋸(ノコギリ)』を、弾き、バーサーカーの腕から飛んで空を舞う。]
不遜 ──否、それとも。
──クッ
[完全に闇の魔物であると断定しきれなかった事が、狂化とセイバーへの執着を留めるに幸いしたか。一旦、武器を飛ばされて回避。]
あはは、見限らないなら、それはそれで。
アタシ後味悪くなんてならないから。
[にっこりと笑った。
魔力の放出が落ちてくる。どうやら、戦闘は終わったようだ]
終わったのかな。
[少し振り返り。
又すぐに前を向いて、どこに向かっているのだろうと思う。
お腹の虫が騒ぎ始めたようだ。
既に辺りは暗い。夜になっているのに、今更気づいた]
[いい女? そんなものはここには存在しなかった。
目の前にいるのは可笑しい顔のサーヴァントが一騎]
いい女?
[当たりをきょろきょろと見回す。
やっぱりどこにも存在しなかった]
な、なに!? 本当か!?
[既知との言葉に、身を乗り出すようにして食いついた。
そして、時代劇「出店茶屋」シリーズについて、微にいり細にいり聞かされて]
…………。
…………。
[無言でどついた。今度は遠慮なくグーで]
…なんでよ。後味悪くなれ。なってしまえ。
[反省すべきところであって、笑う所じゃないやい。
えい、と脇腹をつつく。酷く軽くとは言え、多分痛かろう。傷口だ。
背後で離れていくマスターとサーヴァントの気配に
…どうやらあの場は収まったらしい、と判断する。、]
治療するにも、このままじゃ休めないでしょ。
――かと言って、ユーリの拠点知らないし。
[サーヴァントと繋がっている令呪越しに、その名を呼ぶ。
強制は掛けていないから即座に来る事は無いだろうが――
それでも、この居場所は判るだろう。
セムルクがやってきたら、ユーリを拠点まで運んで、と一つ頼んで。
その後はキャスターを迎えに行ってやれとサーヴァントへ託ける。
その間に治療…と称してエラトから渡された膏薬を、
これでもかとばかり塗り込んでやるつもり。…どれだけ染みようが、容赦なし**]
――……。
[ぴきっ]
――……そう?
[オルグロスに応じる言葉は、絶対零度。
クロノスの御子ゼウスにさえ、睦言に、黄金のアフロディテにも劣らぬと言わしめた、この私を。
……いや、無論、タラシの駄目神様の言うことだから、差し引く必要はあるけど。
大体、自分の娘と比較するってどうなのよ、ねえ、ちょっと、ゼウス様?]
……そう、人々に顔を分け与えたおみっちゃんは、ついに無頼陣と手を繋ぎ、江戸の町へと…
あいたっ
[熱々と語っていたら殴られた。]
お、おみっちゃんのどこがあかんかったんや!?
ここから喜八郎と権兵衛と五右衛門が登場してやな…
[もう一発殴られた。]
無頼陣の魅力について説明しただけやのに…。
―西ブロック/霊光院―
本当の忍者は、もっとこう……!
いや、いやいやいや。
[憤慨するところを間違えた。
フィクション化された忍者像には一家言あるのだが、忍者のコスプレ紛いの格好をしている時点で本人も似非は混ざっている]
魔術師なら知っておる者も居るかと思うたが、
愚問であったな。うん、聞く相手を間違えた。
[ただ、粗筋は面白そうだったので、今度レンタルしてみようとか*思っている*]
[首を傾げると、こきりと小さな音がした。骨がなるかのような音]
…取り敢えず、戻りますか。
[夕食は何にしよう。
牛肉はアスパラを巻いて少し辛目の味付けにしよう。
ご飯はもろこしを混ぜて甘く、華やかに。
青梗菜は海老と塩とスープで炒めてとろみをつける。
人参を大根と一緒に昆布と塩で炊き合わせるのもいい。
牛筋にも火をきちんと入れておかなければ。
だが、その前に説教だ。取り敢えずマスターが何処へ運ばれたのか把握しなくては。
セムルクが道案内として現れたならルナに感謝をしつつ、
アルへくどくどとしつこくしんみりと説教を垂れる未来がすぐそこに見えていた。
勿論、礼とばかりに夕食の調理は進んで承ろう**++]
ほ、やりおるか。
[光の中で突き出された鋸に感嘆の声を挙げる。
今更に軌道変更など出来はしない。両手で柄を握り一気にそれを突き出した姿勢のまま、右腕に肉をえぐられる衝撃が押し寄せる。
が、からくもぶれずにいた切っ先は見事、鋸の付け根を弾いて虚空へと飛ばした。]
後味なんて悪くなんないよ。
そんな感情はね、持ち合わせてないんだ。
アタシは、夢を語る人だから。
[なんて真顔で言った。
脇腹を突付かれればもちろん痛い。
少し眉を歪めて、けれど笑みは崩さない。
バーサーカーがこの場に来たときには、いつもと同じように手を振って、素直に*運ばれる事にした*]
[屋上より主の叫び。その意図は戻れとの様子。]
ふむ、まあこちらの分が悪い様子であるしな。
[ビルの外壁に張り付くセイバーは、右腕がなんとか落ちずにぶらさがっているだけの状態だった。]
それではこの右腕の傷、次の機会に礼をするであるよ。
[ひと際大きく跳べば一気に屋上へと。そしてそのまま左腕に主を抱え、闇の空へと消え去った。**]
――……まあ、いいけど。
[溜息を、吐いて。見上げる空は、いつの間にか、紅く]
そろそろ、帰りなさい。
陽が完全に落ちれば――流石に、見逃せはしないわよ。
[と――オルグロスへ、視線を]
[絶対零度ってのはこんな感覚なのかもしれない。
それに、どうやら相手は言葉の意味を勘違いしてるようだった]
いや、君が美しくないとはいわないけどね。
いい女ではないよね、ただキレイなだけ。
さっきは勝ち誇ったよくわからない顔だし。
ちょっち挑発すりゃこんな空気作るし……。
[恐る恐る口を開く]
――え、うっ。
[綺麗だけど、いい女ではない。
それは、如何なる英霊の宝具よりも深く、心を抉り]
――……どぉせ私なんてぇぇぇぇぇ――……っ!!
[敏捷E-もなんのその。
ライダーは疾風となり、オルグロスの前から消えた]
[口つぐんだと思えばパクパクさせて泣き出すサーヴァント。
予想外の反応過ぎてこっちまであわててしまう]
ごめん、言い過ぎた。
俺が悪かった……。
[今時分に出来るのは謝罪のみである]
……否、嗚呼。
私は正気だ。
正気だとも。
[月を背に跳躍するセイバーに闘志を向かわせたまま、今出来たばかりの自身の腕の傷口に歯を立てた。痛み、吸血鬼ではないバーサーカーは血混じりの唾を地に吐き捨てる。]
──…
勿論、また逢おう。
―中央ブロック/駅前・パチンコ店―
ふふ……弱くて、信じて貰えなくて……、
そのうえ、魅力まで否定されたら、存在意義が……。
[ちーん。じゃらじゃらじゃら……]
『昼間の美人がまた来たぞ!』
『すげえ……座って三十秒で確変で、ずっと連荘だと……』
『そんな馬鹿なそんな馬鹿なあの台の釘で物理的に入るわけが』
[虚ろな目で、暗いオーラを漂わせながら。
結局、神の豪運で、二十万円分ほど勝った]
結局、よくわからないけど得したのかな?
[令呪も消費せず、むしろ相手から引いてくれた。
なんだかあしらい方もわかった気がするし、
元々、情報収集のつもりなんては無かった。
だから、ずいぶんと儲けたのかもしれない]
―南ブロック/住宅街・姫倉拠点―
――…………。
[何度も、このままどこかに消えようかと、足を迷わせて。
屋敷前まで、戻ってきてからも。門を潜るのに。何分も、躊躇して。
それでも、結局――、
自分に原因があったのかも、しれないと。戻ってきた]
[ここ数日で見知った顔が、駆けてくる]
『――……姐さん? どこ行かれてたんです、若が心配――……』
――……加藤さん。タツオは?
『ん、ああ――……一度、寺のほうに行くって、電話がありやしたが』
私……行った方が?
『ああ……いや、行き違いになっちまうと、あきません。
暗くなるし、じき、帰ってくるでしょうが――若いもんを、一応、走らせます』
……そうですか。私、部屋にいますから――タツオが、戻ったら。
[呼んで下さい、と。それには、加藤も頷いて]
―中央ブロック・隠れ家―
[結局、ファフとは合流せずに隠れ家に戻った。
ついでに中央ブロックにあったバーガーショップにて食事を二人前購入した]
案外、はまってんのかな? 俺。
[もごもごとハンバーガーを頬張る。
残された片方の袋は当然相棒の分だった]
『……ちなみに、姐さん。その荷物は』
――……ああ、えっと。
ヤマダに教わった、パチンコとかいうので、貰いました。
[それが、山田のコンクリ詰めか指詰めフラグとは知らぬまま。
大量の御菓子と、何本もの酒――越乃寒梅、一ノ倉、上善如水、魔王、森伊蔵――を。
土産とばかりに、加藤へと。焼酎が混じっているのは、区別がつかなかったから。
ちなみに実は、あのほかに。何万円かは換金し、懐に持っている]
……では。お願いします、カトー。
[己のマスターが戻ったときのことを、頼み。
自分の部屋として割り当てられた、和室の。整えられた寝床へと、ぽすり**]
ゲームマスターは、ジュリア エンジェル を能力(襲う)の対象に選びました。
投票を委任します。
ゲームマスターは、メイド セリア に投票を委任しました。
メイド セリアは、アサシン を投票先に選びました。
[セイバーと別れ、向かうは灰銀の瞳を持つマスターの元>>568。
痺れたままの利き腕から僅かに血を垂らし、骨張った指をさまよわせながら、メイアル・ユーリに差し出す。]
──…
メイアル・ユーリは、
誰と戦闘を?
[相手と状況を聞けば、それ以上何も言わず口を噤み。]
拷問具であれば、
椅子や寝台も用意出来るのだが。
[冗談だ。まともな抱え方でメイアル・ユーリを運ぶ。途中でラナに問われれば、自分が遭遇したのは相手の様子と状況も伝えた。
拠点に辿り着くと溶けたアイスクリームが待っている。途中でマスターの魔力が一度増えた理由も気になったが、ともあれエラトを探しに。]
── 拠点 ──
[食事の支度をしてくれる聖人は、何故か良妻賢母の鏡のように見えた。
共同戦線が深くなっている事に、ラナが如何なる性質のマスターなのかと、少しだけ言語化し難い感情を覚えて、マスターの本当の名前を誰にも聞こえないよう口の中だけで呟いた**。]
別村を覗いてシーザのチップにきゅんとしたのは何故だ。
ちなみに、メイアルは24歳です。
シークレットなので表では言いません。
そうしてどうやら性別がばれそうな予感。まだ2日目なのに。
ちなみに、現在の傷
肋骨骨折。頭部、胸部、腹部等への裂傷
実は手足は無事だったりします。
簡単な回復→ばんそーこー貼る程度の怪我の治癒
骨折なんぞ治せるか!
それはさすがに初歩ではないな。
これで単独行動の虫は治まるかと言うとノンノン。
それで治まったらかっこ悪い。
むしろ今までのマスターが全てそんな感じだったので今回は逆を行って見たんだ。
ただし、行動には気をつけるはず。
怪我してるしね。
/*
おはようございます。
表ログが原則禁止、 だから独り言は大丈夫!←
ということで、こっそりいます。
…全然休村するきねぇな俺!! さーせん!
いえ。 なんか癖になりませんか村覗くのって(
ちょっと中の人と役職者探ししようと思います。
全然役職とか考えてない(吐血)
流し読みってた部分のログ今のうちに読むぜ!
*/
投票を委任します。
無頼 陣は、メイド セリア に投票を委任しました。
−忍神町/無頼邸−
[疲れて寝ていたようだ。体を起こすが、まだ全身が軋む]
・・・・・・くそ。
[周囲を見回す。どうやらこの家周辺は前戦争に施した結界によって魔力の反応が抑えられているようだ。
外の反応も鈍く、そして内側からは外へ魔力も令呪の反応ももれないようだ。
家の外に出ても、その効果がある。範囲までは完全に理解できないが、当時お願いした結果術師がいかに優秀であったかが判る]
まだ、戦闘が行える状態ではないか。
[だがこの戦争を勝ち抜くために、やらねばならない事がある]
/*
ランサー 戸田さん
アーチャー あずまさん
ライダー みぎゃさん?
キャスター あずみさん
バーサーカー やみーさん
オルグロス ちゃびさん
ユーリ たきさん?
ラナ 俺
…こ、ここまではほぼ確定だと思っている!「?」とかついてるけど!!w
姫倉さんとか滝川さんあたりは、何かRP傾向に覚えがあるんだけど自信がない。
セイバーはもう中の人:若本でいいじゃない(
…他にいるっぽいのは誰だろう。恋愛村面子しか思い当たり無いけど。
じゃんくさん、まおうさん、かめさん、紳士さんあたり?
神取さんとかも、いる…のかな。わかんね。
*/
/*
あ、ログ読んでて気付いた。
訳を独り言に載せてない詠唱がある。
“Napominjemo”
(剋目せよ)
Otvoreno, Devil's desetak ogledalom.
(開け、十三対の共鏡)
上が魔術回路スイッチ。下が歪曲の魔術詠唱。
そういえば言ってない気がしたけれど クロアチア語です。
*/
/*
あ。姫倉のおにーさんはあれか。じゃんくさんか!
たぶん。
どうやらSNSを調べるとうつみさんもいるみたい。
でも判らない。くそう判らない。
で、私は役職予想どこいった。
*/
―西ブロック/霊光院―
おみっちゃんは悪くないぞ。
むしろ続きが気になり過ぎて
おぬしを仕留める手が鈍りそうなほどじゃ。
[力説した。一瞬心の中で無頼陣にエールを送っていた自身を恥じる。100%同姓同名の別人と分かっていても]
無頼陣……斯様な豪傑が今も生きておれば……、
いやいっそ召喚できれば、心強かったであろうのう。
[うむうむと腕組みしながら頷いて。
むしろすっかり入れ込んでいた。口伝えなので、実際に映像を見るとギャップに苦しむかも知れない。
一頻り話し込んで、冴え冴えと月も深き夜に君臨している頃合。
暗い石段を引き返す前に、派手な昼の衣装は樹の根元に畳んで、落ち葉の幻を被せておいた。
髪には深淵の蝶が留まる、聖杯戦争の夜。魔力の残滓を、或いは令呪の反応を追って、夜闇に*繰り出す*]
― 西ブロック / 霊光院 ―
レンタルビデオにあると思うんやけどねえ。
…まあ、借りられてたら貸したるわ。
[無頼陣が英霊として召喚された場合、宝具はやはりおみっちゃんなのだろうか? そんな話をしていると、意外にも望月は乗ってきた。気になるらしい。
姫倉は軽く笑った。]
すまん。期待してた答えやなかったらしいな。
…まあ、他に無頼言うたら…。うーん。
俺、そもそもこっちに住んでへんしなあ。
[頭を掻こうとしたが、両手が塞がっていて途中で止めた。
ふと、入り口付近を見る。向かってくる人の気配。]
無頼……無頼。うーん…。
そいつ多分、魔術師言うより――
[滝川の能力、そして彼女が公園の男の知り合いであることを考えると、何となく想像は吐く。尤も、公園の男=無頼と決まったわけではないのだが。]
福井か。どないしたん、こんなとこまで。
[黒服が駆け寄ってきたので、続きは夜に溶けて消える。
福井曰く、「姐さんが帰ってきました」らしい。]
どうやら、待つ理由はなくなったらしいわ。
[苦笑いして、二人がまだそこにいるならお辞儀をする。
福井に黒い羽織を着せられた。
せせこましいと抵抗したが、「風邪を引いてはいけないと加藤さんからのお達しで」とのことだった。着せられた。]
今度夜に会った時は――よろしく。
[あくまで笑顔で、姫倉達生は境内を後にすべく歩き出す。]
―霊光院―
……、何かしら
関連がありはしないのだろうか。
[ごく真面目な弓兵は、
姫倉の出した同性同名の別人について
少々考え込んでいた。レンタルビデオと聞いて
首を傾げたが疑問を口にするにはいたらなかったらしい]
魔術師というよりは?
[言いかけた言葉を問うたが
それは新たに現れた黒服の言葉に答えを得られたかは怪しい。]
――……そうか。
[苦笑する姫倉に視線を向けた。]
アヤカに逢えたなら話せるといい。
[姫倉へ言葉を向ける。
あくまで笑顔の青年とは対照的な生真面目な表情。
黒服は和装の異国人を警戒したろうか。]
――揃い、《夜》に逢うなれば――その時は。
[みなまで云わずともわかること。
境内を黒服とともに歩き去る青年から、
一度視線を空にあった的へと移した。]
――、あんがと。
[彩香に会えたなら。
ほんの僅か振り返り、滲んだ笑みは、先程と少し違うもの。
どのように違ったかは――さて。
樹那町を沈める闇に、真っ赤な蛇の目が揺れる。
夜は深くても、提げた刀の金音は、段を歩き終えるまで、そこに道があるのを導くように、自己主張を繰り返していた。]
― → 南ブロック / 拠点 ―
[望月達と別れ、すたすたと拠点への道を歩く。
幾ら一般人…まあ一般人とは言い難いオジサマが傍らにいるとは言え、襲ってくる相手がいないとは言えない。
雑木林での一件で改めて知れたことだ。
姫倉の魔術は防戦には脆い。
通用するのは、せいぜいヤクザの喧嘩くらいだろう。]
あいつ、元気やったか?
[福井に尋ねる。すると、何とも言えなさそうな顔をした。]
…ほうか。
[それだけ呟き、歩く。
やがて立派な囲いの中に佇む場違いな小屋が見えてきた。
閂を外し、門構えを潜れば、そこは厳かなる和風屋敷。]
― 南ブロック / 姫倉拠点 ―
[ここまでも僅かに香る魔力の残り香。
玄関を開く前、振り返り、空を見た。
一見、いつもと変わらない夜のように見えた。]
さぁて。どないして切り出そうかね…。
[戸を引く。連動して、木枠がぶるぶると震える。
傘と腰の刀がつっかえないよう、中へ踏み入れた。]
[静まり返る板張りの廊下。
上がり框(かまち)で、もそもそと雪駄を脱ぐ。
――すると、闇の深遠から声が聞こえてきた。
曰く、「お帰りなさい、若」。
振り返ると、夜に同化した加藤が立っていた。]
……。ふん。ただいま。
[挨拶代わりにお辞儀ではなく、チョップしておいた。
「姐さんは?」と聞くと、「お部屋に」と加藤は答えた。
よく耳に馴染んだ加藤の声。頷く。
傘も酒瓶も刀も置かず。
そのままエウロパの部屋に向かった。]
―霊光院 → ―
[姫倉の、常とは質が違う笑顔。それを心の隅にとどめながら
彼らが去って後、幾らか主と言葉を交わす。
胡蝶から、お人よしめ と苦言があったろうか。
それにはひとつ瞬きをした後
難儀な性分かもしれんな、と呟いた。
だが戦いの場においては容赦はない とも。]
――… …逢う必要があるならば、逢える か
[無頼に話が及べば、ふと、メイド姿の女性
――セリアが云っていた言葉を思い出す。
《聖杯》を求めるならば交わるであろう道。]
…必要なのは勝ち残ること、だ。
[かなえたい願いを。切望を。奇跡に託す。
月の光に照らされて胡蝶の赤い髪飾りが鈍く浮き上がった。]
[主の合図に頷く。
探知の能力は令呪があるため
胡蝶《マスター》のほうが優れている。
ごく軽く地を蹴る音が響いて
弓の主従は夜へと飛び込んでいった――]
―霊光院→何処かへ―
―拠点・南ブロック―
[エラトを迎えにセムルクを寄越している間、
客室へ通したユーリを休ませつつ、エラトに言われた通り
しっかりガッツリ傷口に、預かった膏薬を塗り込んでやる。
…見るだけでも痛そうなのに、塗ったら反応が大変そうだったので、
まぁ酷く染みるのだろうなぁと思いながら、全く手加減はしなかった。
塗り終わった上から念の為に包帯をぐるぐると巻いておいて
(別に心得は無いので巻き方も適当だ。解けはしないようにしたけど。)
部屋で暫く休んでて良いよー、と言い残すととりあえず台所の方へ。
溶けたアイスクリームをダメもとで冷凍庫へ丁寧に入れておく。
…流石に一度解けたアイスを冷凍庫に戻しても、厳しいだろうなぁ。
くそう。まさかアイスを買ってきているとは思わなかった。もったいない。]
――ん、セムルクおかえり。
エラトも。
[無事でよかった。と拠点へ戻ってきた二人を出迎えて
エラトには、あっち。とそのままユーリを運んだ客室を指差した。
…言いたい事は幾らでもあるだろう、説教の妨害を進んでする心算は無い。
たっぷり時間をかけて、説教が一段落した後に、
夕飯を名乗り出てくれたので、ありがたくご相伴に預かる事に決めた。
何が食べたいか問われて、少し考えた後告げたのはオムライス。
ついでに、昨夜ファミレスでエラトが頼んでいた(お子様)メニューの
プレートの上に乗っていた旗が気に入ったので、其れも付けてもらった。
…ライスの天辺に、ミニチュアの旗を立てるなんて
日本は本当に不思議な風習を持ってるよね。うん、何か可愛いし。]
あの客室自由に使ってくれていいからね。――あ、そうだ。
[薬を塗ったとはいえ、流石に軽傷とは言えない傷だ。
サーヴァントから受けた傷がどれ程で直るか知れないし。
――勿論、帰ると言うなら引き留めはしないけれど、
一度迎え入れた以上、それをわざわざ追い出す心算は無い。と告げて。
はたと、思い当たったかのように一度顔を上げた。]
えと。 その。
エラト。
[キャスターは、突然呼び止めたのをどう思っただろう。
…いや、大した用事では無いのだけれど、ずっと気になっていたから
オムライスにつけてもらった旗を指先でくるりくるりと回しながら
暫く口ごもった。 しばしの沈黙の後、 漸く口を開く。]
……、と。 トナカイ。
[見せて欲しいな。
とか、ちょっと強請って見る。
もちろん、と言うべきか否か、相手の手の内の研究とかでは、全く ない。
ただ本当に見たいだけだ。…いやだって可愛いんだもん。
ああ、でも見せてくれるとしても流石に室内だと狭いだろうかとか
悶々と勝手に脳内で考えては見るものの。
――さて、実際に彼が見せてくれるのかは、謎だ**]
[――ゆっくりとした、足音。
静かに軋んで鳴る、木張りの廊下――いや、軋んでいるのはきっと、別のもの。
すべてが死に絶えた冷たい荒野が如き静寂に、何かが鳴る音は、とてもよく響いた]
――……。
[背に、横開きの紙戸が滑る音が届いたとしても。
きっと、視線は揺らがず。
ただ、夜空に浮かぶ冷たい月へと据えたまま]
拷問具?
やめて、似合いすぎるからやめて。
[痛くとも軽口は叩けるらしい。
セムからの提案を拒否した後、連れられていずこかへと向かう]
…ここ?
[どうやら二人の拠点らしい。
客室に通される。
まずはべったりとついた赤黒い状態の血を拭き始めた]
[破けてしまった服を脱ぐと端正な体が現れる。
胸のふくらみは――
――ない。
代わりに、既に治ったと思しき傷がいくつか浮かんでいた。
そして真新しい傷がいくつも]
痛い痛い痛い!!
Stopp!
Schmerz......――
[薬を塗り篭められるのは容赦なく。ついでに折れた肋骨に響いた。
更に巻かれる包帯すら痛い。
処置が終わるとぐったりとした様子でベッドに転がる]
……お腹すいた。
― 南ブロック / 姫倉拠点 ―
[返事がない。
加藤を振り返ると、微妙な顔をした。
いるにはいるはずだ、ということらしい。]
………あー…。
[じっと閉じたままの紙戸を見つめる。
暗い音が張り付いて、部屋に差し込む月明かりは届かない。]
よし。
[確かに反応するライダー。姫倉は見逃さなかった。
不敵な笑みを浮かべた。擬音にするとにやり。]
エウロパ。
俺、こういう雰囲気苦手やから単刀直入に言う。
[傘を放り出す。加藤ナイスキャッチ。
酒瓶はさすがに床に置いた。
そして、膝をついて頭を畳につけた。
いわゆるDOGEZAだ。]
俺が悪かった。―――すまん!!!
―西ブロック・樹那川―
[風はするする通り抜け、水面はゆらゆら。木の葉が流れに身を任せるのを見れば、その下に隠れる魚に気付く。水は清く、匂いは心の奥へ奥へと侵入するよう。
暗く、醜い、自分の奥へと。
戦いは遠く。
空は高く。
誰も居らず。
ここは自分の要らない場所]
[傷はじんじんと痛んだ。
頭の怪我はそこまで酷くはなかったらしい。
鏡で確かめて止血だけを施しておく。
ルナが出て行って程なく、エラトの姿が現れた。
光が眩しくて、眼を閉じて言葉を聞く。
説教を左の耳から右の耳で受け流し、右耳から又戻ってきたそれを心の中に留め置いた。
サンタのなせる業だろうか。酷く心地よいものに聞こえる]
わかった、わかったから、ご飯頂戴。
もうアタシお腹がすいてふらふらなの。
[わかりました、というエラトの声。溜息もつかれた。部屋から出て行く音。程なく、料理をする音が耳に入ってき始めた]
[川辺に立ち足下を見下ろせば、自分の顔が映った。
子供の顔。
無いはずの貌。
見つめれば、かつて死ぬ間際に一度だけ口走った、自分の真名を思い出す。
誰でもない誰かではなく、何かである誰かとして死のうとして。
私は、それを殺したのだ]
[なんという――なんという見事な、ジャパニーズDOGEZA。
無論。この国の文化は、未だ知らねど。
余程の礼であることは、目を丸くしている加藤の反応から、それと知れた]
――……それは。
[ゆっくりと、振り返る。目を回す、主の姿。
なんというか――しまらない、ひとだ。小さく、溜息を吐いた]
それは――……、
[すう、と。息を吸った。単刀直入。いまは、それに倣おう]
フラフラの癖に夜まで出歩いて、気絶したこと?
それとも、さっさと逃げればいいのに、横から茶々入れて巻き込まれたこと?
でなければ、明らかにクサい"8人目"まで助けようとして、襲われたこと?
離れてって言ったのに、その傘だけであんなのに立ち向かおうとしたこと?
せっかく離脱したのに、怪我したまま、のこのこ公園に戻ってきたこと?
違う? じゃあ、調子が悪いのを、私に黙ってたことかしら?
もしかしたら、何も出来ない癖にジュリアの前に立ったこと?
あれ、葡萄酒がまだ私の口に入ってないことかも?
心当たりが、あり過ぎて。
なにを謝られたのか、ちょっと判らないわ、タツオ。
―― 中央ブロック ――
[夜も深けようとする頃。
バーサーカー戦を引いて後、また別のビルの屋上にてセイバーとジュリアは身を潜めていた。
千切れかけていたはずの右腕は程よく繋がっていた。拳を握り、また開き、その具合を確かめる。完治とは言えぬが戦闘にさほどの支障はないだろう。]
――本当に、便利なものであるな。
[これもまた闇の眷属としての能力か。己の身体に向かいぼそり呟く。
と、これまでずっと黙っていたジュリアが口を開いた。
治るからと自ら怪我をするのはどうなのか、という意味のお小言。それに対し何を言うかと鼻で笑い、マントをばさりとはためかせる。]
我が輩とて何もこの身だからと好んで怪我をしている訳ではないぞ。
怪我を惜しんで勝てる相手がいない。それだけの事よ。
[けれど、まだ先は長いという主の言葉に。それはその通りだと笑って見せた。]
こうしている間にも他で潰しあっていてくれれば好いのだが…希望的観測など無意味であるな。よかろう、もう少し自愛をしておこうか。
[ではそろそろ行くとするかね、と抱きかかえれば主はレディをあまり気軽に抱き寄せるなと不満をあげる。だがセイバーはまたしても何を言うかと鼻で笑い。]
レディであるからこそ抱き寄せるのであるよ。
[などと冗談めかせ、ジュリアと共に夜の闇へと身を翻した。]
―南ブロック / 姫倉拠点―
[姫倉は黙って頭をつけたまま、ライダーの言葉を聞いていた。
一つ一つが、機関銃のように身を貫く。
身を穿たれれば溢れるのは、当然に血。
自ら招いた血は、自らの骨に凍みる。
そして―――ゆっくりと顔を上げながら、言った。]
す、すまん。もう一回…。
[姫倉達生。齢26。
頭の回転は、すこぶるにぶい。]
[食事の用意が出来たころ、閉じていた目を開ける。
一瞬細めて、手で覆った]
魔力回復はいいとして、問題は怪我だな。
骨折れたの、治るのかなぁ。
[じ、と包帯を見下ろす。
手を当てると怪我もあって痛い。
食事を部屋まで持ってきてもらうと、食べ始めた。
嚥下する時に痛んで、食べるスピードは落ちる。
量もある分は全て食べたが、普段からすれば少なく思える量だった。
食材の限界だろう]
―西ブロック→移動 ―
[姫倉が別の意味で
大変な目にあっているとは知らず、
弓の主従は夜を駆ける。]
――――主?
[屋根の上、胡蝶がふと辺りを探るように
石榴色の眸を動かした。
公園跡。
中央ブロック――それから。
秋風に蝶が揺れる。
気配を読まんと研ぎ澄まし。]
― 南ブロック / 姫倉拠点 ―
………突き詰めて言えば、全部悪かったと思う。
傘は俺の礼装やから、そこは否定させて貰うけど。
お前にはお前の戦い方があるし、戦いがある。
理由が何であれ、それを尊重出来んかったんは謝る。
ただな、ライダー。
俺はお前を弱いなんぞ思うとらんぞ。
昼間も言うたやろ。
お前がおらんかったら、あの熱波にやられて死んどった。
それに、令呪の一撃。
あんなもん、あいつ一撃で倒せるようにて後押ししただけやし、お前信頼しとらんかったら怖くてようせんわ。
――雑木林のあれは、さすがに皮算用過ぎたけど。
――そんなことを、怒ってるんじゃない。
尊重もなにも、私の戦い方なんて――元々、そんなものないんだから。
[ひとつ、息を]
――あのね、タツオ。あなたがどう思うかは、別として。
客観的に、弱いの。あなただって、私の能力、視えるでしょう。
キャスターと殴り合ったって、負けるわ。きっとね。
……全部、あの子たちの力よ。私じゃない。
[問いには、軽く頷いて]
――そうね。
戦車を駆れば、群がる兵どもを蹴散らして。
輝く槍を投ぜば、三枚張りの盾と鎧をまとめて貫きとおす。
敵の勇士には好んで挑み、斃し、立派な武具を剥ぎ奪う。
それが――真の英雄というものよ。私の時代では、そうだった。
[この平和な世界では、どうかは知らないが――と]
?
………。よう分からんけど。
ぶっとい腕と脚したエウロパとか、俺見たないぞ。
[真顔で言った。]
いや違う。そうやなくて。
お前、俺が喚んだ時。
自分が言うたこと忘れたんか。
―ブロック移動―
[魔力の残滓は其処此処に。
[立ち入り禁止]のロープが張られた公園跡を
見下ろして、過ぎる思いは如何なるものか。
其処には既に発生源の姿はない。
現代を生きる忍者に付き従い、
屋根から屋根へと飛び移る。
「マスターを伴うサーヴァントが居るな」
――胡蝶の令呪は其れを示す。]
珍しい――と思うのが
何かおかしな気もするが。
[単独行動を好むものが多い所為だろうか。
それとも己が異端なのか。気配のほうへ、往く。]
『騎乗の英霊とは、本人が強者である必要はなく。
その手で、最強のモノを操れば良いのよ』
お前、自信満々の顔で俺にそう言うたんやで。
エウロパ。
例えお前がぶっとい腕やら脚やらしとらんでも――
それはお前の「強み」とちゃうんか。
……お前が自分に出来ることと出来ひんことがあると自覚しとるように、俺にも出来ることと出来ひんことがある。
せやから二人でこの戦争に挑んどるんやろ。
お前一人しか要らんのやったら、俺はここで縮こまってればええだけやし。逆も然り。
俺は、エウロパが俺の弱いとこ埋めてくれる最高のパートナーやと思っとる。…実際、作戦も立てやすい。
お前はどうや、エウロパ。
お前にとって俺は何や。
………俺が相方では、不服か?
―― 移動途中 ――
ほほぉぉう。
[跳びながら、嬉しげな声を漏らす。腕の中のジュリアを見れば、神妙に頷き返してくる。]
ついて来る輩がおるか。では歓迎せねばならぬな。
[民家の屋根に着地し、エストックを取り出そうとして――ハイヒールが頭に突き刺さった。]
――…、
[胡蝶と眼を合わせ、頷く]
誘われている。
[市街地から離れるように移動するふたつ。
胡蝶は往くぞ――と、先を促す。
一息に飛ぶ。
地上から見るものあらば、
夜行く鳥か蝙蝠の影と見誤ろう。]
―中央ブロック・隠れ家―
[眼を擦りながら体を起こす。
仮眠を終えてもそこに自らのサーヴァントの姿はなかった]
どこふらついてるんだろうね。
マスターでもサーヴァントでもしとめてきてくれればいいんだけどさぁ……。
[アサシンのサーヴァントならば可能性は十分にある。
しかし、たとえ結果を残しても自分の制御下にないのはなんかすっきりしなかった]
/*
うなぎ「やめて!私の為に争わないで…!」
的なドラマが幕を開けるんですね判ります。
ってメモで言おうと思ったけどさすがに思い直した。
だって、うなぎぐらいって言うから…。
ラス1のうなぎ争奪戦でサーヴァントのぶつかり合い希望。
うそです、ごめんなさい。
*/
[いつもの薄汚れたローブを身に着ける。
サーヴァントは戻らない、ならば外に出よう。
危険だが、黙って待っているのは性に合わない]
――不服か? もちろん、不服に決まってるでしょ!
私にだって、一応、サーヴァントとしての矜持はあるのよ!
マスターに庇われて、喜ぶサーヴァントなんていない!!
それであなたが死んだら、私だって消える!
――そんな無意味なこと、なんでするの!?
[暫し――……息を、整え。呆れたように、首を振る]
私にとって、あなたは――莫迦よ。宝具級の莫迦。
――どうしようもない莫迦で、ぼけっとしてて、鈍くさい。
それでも、あなたは――……私を喚んでくれた。
狙ったか偶然かは知らないけど……あなたのお陰で、私はここにいるの。
だから――……勝って、あなたの願いを叶えてあげたいのに。
あなたは無茶ばかりして、傷付いて――死んだら、願いは叶わないのよ?
――……もっと、自分を大事にして。
それが約束出来ないなら、私、あなたを戦場には出したくない。
……あれも一応、色々と考えた結果の失敗なんやけどなあ。
いやはや。頭とろくさくて、すまん。
[吐き出される想い。
姫倉は、どのような表情を出すでもなくそれを眺めた。]
………。俺の願いは、まあ。
[僅か、視線をさまよわせ]
お前が消えても、お前の願いが叶わんやろ。
俺だけ勝っても、後味が悪いし気も晴れん。
せやからライダー。二人で勝つぞ。
それが約束を飲む条件や。
――お前は強い。弱くなんかない。
それでも、お前が自分を――俺を許せへんのやったら
――――
行けば分かる。
[言って、加藤に傘をライダーに渡すよう示した。]
持っててくれ。
俺の大事なもんや。
落とすんはええけど折ったりすなよ。
―南ブロック /拠点 → ―
[ライダーに傘を持たせて、ひたすら歩く。
独り言は気にしないことにした。
ついさっき歩いてきた道を逆走する。
片手にライダー、もう片手に酒瓶の篭を持っているので、速くは走れないのだが。
夜の街を行く紋付き羽織が揺れる。
腰の刀が、闇を弾くように鳴った。
向かう先は当然のように霊光院。]
―― 移動途中 ――
[人影が少ないところとなれば
自然中央からは遠のいていく。
北ブロックのオフィス街か、
さもなくば東の大学・高校の敷地か。]
――…悪戯に一般人を
巻き込もうとするような輩ではないらしいな。
[胡蝶は頷く。
東ブロックには、件の「無頼」が入院していた
病院もまた存在するが其方は避けることになろう。]
…黒衣
[弓使いの視力は捉える。]
― →西ブロック / 霊光院 ―
[辿り着くと、ライダーから傘を受け取った。
今度は手を繋がないまま、階段を登って行く。
特に言葉をかけることはせず、振り返りもせず。
ライダーの足音を聞きながら、歩いた。]
自分は他人より劣っとる。
それでも、そんな自分を何とかしたい。
強くなりたいんやったら、――倍やるしかないやろ。
[本堂前の広場に辿り着けば、一角に見えるものを示した。
宙に浮かぶ、十個の的。
さながら専用の射的場だ。]
……たかだか十(とお)しか用意出来んかった。
すまん。
[そう言い置いて、立ち止まる。
後は、ライダーの判断次第だ。]
── 拠点 ──
[エラトが、器用に料理を作っては、ドーナツと酒しか無かった食卓へ、オムライスを運んでくれる。黄金色の卵に包まれたそれに、旗を立てて楽しんでいるラナに、]
日本人と言うのは、
陣取り、征服の証を食事に持ち込むの か?
なにゆえ旗……
[この国は随分と治安もよく平和に見えるのにと、いぶかしみ。]
[樹那町と近い、けれども、すべての魔力が不自然に消えたままの町は、昼間の光に照らされ、不気味な静寂に満ちていた。]
誰も居ない。
──まるで、虚無の世界。
悪夢のような。
身の裡が寒くなるような場所だったが。
[チチと鳴く雀の声や、それを狙うしっぽをゆらゆらさせた猫と言った生物は見掛ける。だが、住民ごと根こそぎ魔力が奪われたまま3年が経過したその土地は、乾いて朽ちており。
ゴーストタウン。魔力の供給を必要とする英霊が、長居したい土地では無いかもしれない。]
──…
一度、聖杯を満たしたはずの英霊達が、
あの男に行使されていた可能性を
我々、サーヴァントは
頭の片隅に置いても良いように思う。
[それは英霊に取って如何な心地がするのであろうか。
何故、あの龍が多重契約に至ったと思うか。
同じ英霊であるエラトに尋ねてみたいような。舌先に続きの問いを乗せることはなく。ただ、彼の朱色の瞳を注視するように首を傾けた。]
柔い あか だな。
[だからどう、と続ける言葉は無く。自身のこめかみに骨張った指を置いて、バーサーカーは椅子に身を沈める。トナカイ、トナカイと、どこかウキウキしたマスターの声に耳を傾ける。目隠しの下で閉じる双眸は真紅。]
[メイアル・ユーリを負傷させた相手はランサー。バーサーカーが遭遇した組は素直に受け止めれば、セイバー。]
戦いが続く以上、生き残らねば、
エーテルの光の渦の中に消えたあの男と
再会する事も無いゆえ。
あくまで「頭の片隅に」だろうが。
[口元を歪めてくつりと喉を鳴らした**。]
[サーヴァントは、霊体。成長しない。
トレーニングなど続けなくとも、身体が衰えることはないが。
逆に、どれだけ過酷な鍛錬を積んでも、
筋力が増すことも、足が速くなることもない。
もちろん、経験は経験として蓄積されるから、槍の精度は上がるのかもしれないが。
そのために、こんなモノを用意する必要はない。
人間大の目標を狙う練習ならば、立ち木で充分]
――……やっぱり、莫迦ね。
[聞こえないよう、口のなかだけで苦笑して。槍を取った。
これは、はっきり言って――気分の問題。
姫倉達夫というマスターの、自己満足。
――……だからこそ、それに付き合ったともいえる。
無意味ではあっても。気遣いだけは、まあ、有り難かったので]
―― 東ブロック/樹那大学 ――
[主人が指し示したのは大学の敷地だった。ほどほどの広さの中に無数の建物が並び、中庭には多くの広葉樹が植えられていた。]
なるほど、好き戦場であるな。
[誘うように。より大きく跳んで後ろを振り返れば、視界の遠くにこちらを追っているであろう影2つ。]
接触までいま暫くの時間はありそうか。さりとて――。
[陣地作成などのスキルはない。先に戦場へと着いた優位を如何に活用するか。如何にして一計を講じるべきかと思案しながら、大学の敷地へと降り立った。]
[選んだ場所は最奥の建物、その屋上。追跡者の目にはつかぬようと裏手より壁を駆け登る。]
さて、主はここで待っているがいいであるよ。
[返って来たのは憤慨の言葉。ジュリアも戦えますわ、との反論に戦は我が輩の仕事であるぞと呆れるも、引く様子はない。
束の間の、無言の押し問答。先に折れたのはジュリアだった。出来る事はないのか、と問う声。]
では、許されるならば………我が輩に魔力と祝福を、であるよ。
[言ってジュリアを抱き寄せ、その白く細い首筋へ接吻を施すようにやわらかく牙を立てる。
――幾分か欠けた月が、雲の裏へと隠れた。]
― 東ブロック/樹那大学 ―
[飛び往けば、見えてくるのは広い敷地を持った
由緒ありそうな建物。
胡蝶はほんの少しだけ眼を細めたようだった。]
……――此処なら問題あるまい
[風が吹き雲が流れ
銀月の光は淡い虹の色で雲を縁取る。
右眼を覆っていた包帯を解けば開ける視界。
一段高い場所、
本校舎とは別棟の屋上に降り立つ。]
[目を覚ます。眠りに落ちた時間はほんのわずか。
夢は、見ない。
どちらにしても、今夢を見たとして、自分の力になるわけではなかったから]
…忍神町かぁ。
行ってみたいっていったら、エラト反対すっかな。
[寝転がったまま眉を寄せる。
眠る前にリビングのほうから聞こえたセムの報告]
行って何がわかるってわけじゃないなら、行かないほうがいいのかね。
[ぱさぱさになってしまった髪を指で梳くと、ぽろぽろと黒が落ちる。元は赤かった色。髪を洗うのは傷に沁みそうだと思う]
― 東ブロック/樹那大学 ―
…闇に紛れたか
[――足手まといにならぬように。
いつぞやそう云ったように、胡蝶は自ら
身を隠すことを選ぶ。現代に生きる忍者にとっては
隠密活動は専門分野だ。
令呪の反応を追えるマスター同士では
効果は薄いであろうが。
街灯が頼りない影を作る。
伸ばした指は弓を握る形を作る。
まだ現界はさせない。]
−東ブロック・樹那大学−
は、破廉恥な……。
[文句を言いながら、視線を落として羞恥に頬を染める。]
……か、必ず勝ちなさいよねっ!
無事に帰ってきたら、ジュリア特製カレーライスをご馳走してあげなくもないわ。
[懐の金属砒素をコリコリと弄びながら、凛とした表情で従僕を送り出した。]
[夕飯(オムライスはふわっとろで大変美味でした)後、トナカイと戯れる試みは成功したのか否か。
一通りの事を済ませて落ち着いた頃、セムルクに声を掛けて拠点を出る事にする。
セムルクが食後に口にした内容も、少しだけ気になったから。
ユーリはどうやら休んでいるらしかったから、エラトに任せておく。
…や、私の拠点だけど、ご飯的な面でもエラトが居た方が間違いなく望ましいし
万が一襲撃があった場合も考えたら、彼以上の適任は無いだろう。
自分たちが留守の間は、家の中の物は自由に使っていいと託けて
(しかし何故か食料は残り少ない。…おかしい前にたくさん買ったのに)拠点を後にする。
もちろん、上から魔術を重ねて戸締りは厳重に。]
[敵を迎え撃つまでの僅かな時間が終わりを告げる。
別棟へと降り立つ敵の姿を確認し、ジュリアの腰にまわしていた腕をほどいた。]
ふむ、それは楽しみであるな。
[激励の言葉に背中で応え、闇よりエストックを取り出す。
そして――]
――得物はいいのか?
[問い掛ける声はアーチャーの後ろ………いや、足元。]
すでに戦いは始まっておるぞ!
[アーチャーの影より現れたそれが心臓目掛けて切っ先を突き出した。]
― 東ブロック/樹那大学 ―
[く、と握る指先に僅かに力をこめれば
中心より光に編まれ現出する手に馴染む弓。
藍と金の眼で闇の中の“それ”を追い――]
――…――!
[矢を放ったのは“足元に目掛け”
矢とは反対に飛び退り、着地。
光の矢を番え――闇色の男を見据えた。]
[突き出された切っ先は僅かに服を裂く。
咄嗟に足元へ放った矢は精密さに少々欠けたか。]
貴殿、先日ぶりだな。
…闇か。成る程、「神の家」を苦手とするわけだ。
[呟き、弓を引く。]
[咄嗟に放たれた一矢。
それは黒衣の剣騎を貫いた――かに、見えたが。]
ふむ、ただの腑抜けではなかったか。安心したぞ。
[ゆらりと落ちるつば広の帽子。放たれた矢を避けたものの、おかげで攻め損ねた。]
此度は無様を曝すなよ。――参る。
[身を低くし………奔った。]
―東ブロック/樹那大学―
[鍔広の帽子は夜へ舞う。
闇から闇へ渡るらしき男の動きは読むに困難か。]
無論。
[言葉紡ぐ闇を見る眼は鋭い。
きり、と微かに弦が鳴る。
翻る髪の先は金に変わり]
…――参る。
[言葉少なに応え、放つ光矢は数えて3つ。
急所を狙いすますもの、威嚇と撹乱。
矢を追うように反対側へ飛び、もう1矢。――風を切る音。]
ん? えっと、忍神町っていうんだっけ?
気になったから、見ておくのも損は無いかなって。
[何処へ行くのかと問われれば、返すのはそんな答え。
奇しくも、家に置いてきた負傷者と同じ思考に至っていたらしい。
怪我もなく、魔力も回復している身分故に実際に行動に起こしたという、其れだけの違いだ。]
んーと、
[かと言って隣町まで出た事は流石に無い。
何だか頼るのも悔しかったので、ムキになって一人突き進んだら、
結局はウロウロした挙句、見兼ねたセムルクに道案内を任せる形になってしまった。
しかも結構回り道したらしい。 心底申し訳ない。]
…、?
[西ブロックに差し掛かった辺り、ふと令呪から感じる気配に視線をあげる。
何かの寺院か、石の階段の上から感じる其れ。
ゆると、首を傾いだ。]
― 西ブロック / 霊光院 ―
[ライダーが槍を振るうをじっと観察する。
肉体面の増強は、長年の基礎が積み重なって出来上がるものだ。一朝一夕でどうにかなるものではない。
ならば彼女に必要なのは、「槍に慣れる」こと。
強くなる、というのは何もムキムキになったり雷獣のように走り回ったり、泉のごとく魔力を垂れ流すことでもない。
生憎と、あの的はそう易しく出来ていない。
上の空間から見えない紐で吊るしてあるだけだから、風にも揺れるし、威力が弱ければ刺さらない。
それにどう対応するのか――彼女が唯一、鍛えられるとすれば戦闘勘であり、槍をどこでどう使うべきかの判断力。
彼女の、白兵戦でのステータスは確かに低いが、それを補えるだけのものを身に着ける修行をすればいい。]
……まあ、もっと効率的な方法もあるかもしれんけど。
[自分にはこれしか思い浮かばなかった――と眺めながら独り苦笑していると、令呪の疼く気配がした。]
……。ライダー。どうやらお客さんらしい。
[組んだ腕を解き、傘を握り直し、入り口へ向き直る。]
[ドアの開く音。誰かが出て行ったらしい。
顔を見せたエラトをみて、ルナとセムの二人が出て行ったのだと知る]
二人、出てったんだ。
アタシが動けないからだろうけど、ずいぶんと信頼されたものだね。
拠点に残していって、何かするかもしれないのに。
…何もしないけど。
薬、ありがと。たぶん効いてる。骨まではわかんないけど。
[包帯の巻かれた腹部に手を当てた]
[余計な動きは最低限に、放たれた3つの矢を弾き、避け走るもすでに敵は跳んだ後。咄嗟に跳べば風切り音と共に元いた場所へと矢が抜ける。]
疾っ
[アーチャーを補足し、空中で切っ先を突き出せば真空が螺旋を生み出し真っ直ぐに伸びた。
そしてセイバーはそのまま大学の中庭へと降りていく――]
―東ブロック/樹那大学―
[弾かれる矢に眼を細め
螺旋の疾風へ身を翻す。
抉る――千切れたのは風に踊る和装の袖。
コンクリートが穿たれ悲鳴を上げた。]
―― ッ!!
[屋上の手摺の上へ音なく着地し
中庭へ降りていくセイバーを追うように矢が降る。
影を縫うが如く地に突き立ったそれはこの世のものならぬ光を帯びている。
――太陽神の血族の片鱗。]
…腕…
[視線はセイバーの腕をちらと見た。
捕捉できる位置へ。追う。]
[夜闇は深く、森は深く。人家からも離れ、人気はない。
戦場としての条件は、これ以上ないほど。
問答無用で仕掛けてくる、その可能性さえもある。
と、いうより――ランサー以外の組ならば、その覚悟で対するべきだった]
――……お客さん、ねえ。
[槍は手に。いつでも宝具は具現できるよう、備え]
――…、何してんだろ。
[…院の名前を読もうと思ったが、漢字はどうにも弱い。
街灯も少ない、暗い階段の上を見ようと目を細めた。
マスターとサーヴァントの気配が、一つずつ。
それ自体は不自然ではないのだが、場所が場所だけに疑問が深まる。
何の場所だろう。…少なくとも、自分はあまり用が無い。]
…ごめん、セムルク。
――ちょっと寄り道していい?
[こちらの令呪が反応しているのなら、相手にも恐らく伝わっているだろう。
場所に対する興味と警戒も含めて、石段に足を掛けた。…答えが何であれ拒否権はないのだけれど。
サーヴァントを前に行かせるのは、念の為。――既に夜、有無を言わさず襲われたって不思議じゃない。]
[飛来した幾本目かの矢を剣で弾き落とす。
中庭に降りてからも執拗に狙い放たれる光矢はまだこの身に刺さりはせぬものの。]
遠距離となっては、なんともならぬであるな…っ
[剣を持つ腕に痺れが走る。防戦一方で勝てる訳はない。矢の雨を掻い潜り棟が立ち並ぶその合い間へと駆け込んだ。]
―東ブロック/樹那大学―
[弓使いにとって
高い位置取りをするは有利。
射抜くべき相手を捉え、射程を伸ばす。]
(――速いな)
[稲妻と化したランサーには比べるべくもないが
セイバーと駆けたならば己は先回りせねば
追いつけるかどうか危うい、と見る。]
――、っ――
[棟の群れにセイバーは紛れた。
真っ直ぐにしか飛ばぬ矢は不利。
だが追い立てねば埒が明かぬ。
眼を眇め、影の向かったほうへと駆けていく。]
まあ――ここなら。
[境内には、牡牛の駆けるスペースは充分にある。
周囲の森に誘いこまれないように注意すれば、どうにか戦いにはなるだろう]
ま、最悪、マスター狙いもね……。
[――有効ではある、のだ。
元々、それは聖杯戦争の定跡のひとつではある。
あまり、やりたくはないし――己の主に制止される可能性すらあるにせよ。
――ちらりと、後ろを見遣った。
念のため、酒瓶の、ラベルの色も確認する]
[棟と棟の谷間。アーチャーが油断なく辺りを確認し中へと駆け込むも敵の姿はない――直後。]
待っていたぞ。
[アーチャーの真上、夜霧から実体化したセイバーが躍りかかった。]
―西ブロック・公園―
[ずっと手を引かれている事が妙に居心地が悪くて、口を開きかけた所でふいに離される。
どうやら目的地に着いたらしい。]
あ…。
[思わず出てしまった言葉を隠すように、ふい、とそっぽを向いた。]
……女性の手を握る事が、どういう事だかわかってるんですか?
[おそらくは理解していないだろうと思いつつも、何か当たらずにはいられなかった。
ぷりぷりとしつつも前方に目を向けると、無残な跡地が見える。]
………。
…向こうから来ないかぎりは、出来る限り手ぇ出さないでね?
仕掛けてきた場合は――全力でやっちゃっていいけど。
[…バーサーカーたるクラスに望むべき事では無いとは理解しているが、
むやみやたら、相手に手を出させる理由は与えたくない。
石段を登り切る手前で一度立ち止まり、囁くように告げて。
掌の中に手鏡を収めて、握る。
あまり魔力を浪費したくは無いが――乗り込む以上は覚悟の上。
…且つここで放置して、何を企まれても困るのだし。
一つ、深呼吸して。合図と共に残りの石段を一気に駆け上がる。
こちらの足場は良くない、ゆっくり上がる隙に攻撃されるのは愚の骨頂。
――広い足場を確保すると同時、前を見据えたまま立ち止まる。
向けられる攻撃へと警戒は最大限に、その場に構える相手を見据えようと。]
[想像していたよりも、酷い光景だ。
意識を集中させて、何か残留思念でも残っていないか探すように辺りを見渡す。
しかし、感じ取れるのは夜風に混じった、草がくすぶった様な匂いだけで。
そこで一つ溜息を吐いた。]
何も…残っていないようです。
[龍と称された生き物の物も、…彼の人物の物も。]
―東ブロック/樹那大学―
ッ――!
[夜霧は人の形を成して
闇より現れ出でるは闇の公爵《デューク》。]
っく
[近距離戦はこの弓兵にとって
明らかなる不利。
風を切るエストックを避ける紙一重、
腕を裂いて飛沫が散る。]
[強い思念は、その肉体が滅んだ後でも、時として現世に残されたまま、強い影響力をもたらす事がある。
それが俗に言われている「霊」という存在であり、その思念が強ければ強いほど、はっきりとした形を持った物としてそこに現れる。
たまたま波長が合ったり、なんらかの理由や因縁でごくたまに一般人でもその存在を垣間見る事が出来るが、大体はそういう能力を持った者で無いと、その姿を見る事は出来ない。
滝川家は、その能力に特化した一族だった。
だからこそ――]
……。
[ちらりと傍らの英霊を見る。
霊という存在が、これほどまでの確かな形を持って、しかも万人に視認出来るような現象は、心底驚きなのだ。
文献での知識はもちろんあったけれど。]
―東ブロック/樹那大学―
[地に弓持たぬ片手をつく。
其れを軸に身を回転させ体勢を整え]
この ッ!!
[勢いと体重を乗せて
己からセイバーを突き放さんと回し蹴りを放つ。
彼の振るう剣戟の僅かな合間を縫えたか否か]
[しかも、傷を負い、血を流す。
生きている人間と同じように。
腹の痛々しい傷を見て、深い溜息を吐いた。]
……たっちんの気持ちは、なるべく尊重したいとは思います。
攻撃をわざと受けたのは、貴方の矜持によるものなのでしょう。
だけど…。
[もう一度だけ小さな息を吐いて、向き直る。]
傷つかなくても良い場面で、自らを傷つけないで…。
心が……痛いです。
― 西ブロック / 霊光院 ―
[気配が急に動き出した。遅れて聞こえる駆け上がりの音。
じっと見据えたままで、傘を揺らめかすのみ。
姿が見えれば、ふうんと目を細めた。
次の瞬間に見えたのは笑顔。]
あれまあ。
…随分と強気な正面襲撃やねえ、ドーナツの姉さん。
[二度も三度も同じ手が通じる訳もない。ここで取ると幾度も切っ先を繰り出すが相手も流石の英霊。
不得手とする近接戦であろうともその体技は目を見張る。こちらの攻撃は浅手にしかならずヴラドの心には次第に焦りが生じ。]
…――――?!
[その焦りが幾分、突きを大味なものにしたその隙をつかれ。放たれた回し蹴りを腹に受け棟の谷間へと大きく吹き飛ばされた。]
[――こつ、こつ、こつ、と。軽い、足音。瞬間、止まり。
そこから先に、最早、迷いはなく。一息を以って。
その足音に、やはり、"やる気"かと――、
石段の下り口に、雷撃を落とすべきかと逡巡して。
境内に駆け上がる、その姿に。奇襲は出来ぬと、首を振った。
――石畳を、踏み締め。滑らかな髪を、風に流し。
水鏡のようにこちらを映す瞳には、強い芯。
未だ少女の域を脱していないとはいえ、
眼光鋭きパラス・アテネにも見紛う魔術師が、そこにはいた]
――……こんばんは、可愛いお嬢さん。
――……初めまして、で、良かったかしら。
あなたのサーヴァントとは、一度、会っているけど。
[あの夜。ワイアームを殺した、サーヴァントが。少女の傍にはいた]
/*
wwwwwwwwwwwwwwwwww
うっかり芝が生えた。
どうしてこうも綺麗なものに形容されたし!
何か最近多いな!
…姫とか女帝とか女王とか精霊とか月の女神とか(
※全部同一人物です
*/
それから…
勝手に同盟を結んでしまってごめんなさい。
どうしても、力が欲しかったんです。
――勝つために。
[そこでぺこりと頭を下げる。]
相手は見て選んだつもりです。
姫倉さんも、エウロパさんも、…良い方だと思いますので。
まあ、人を見る目に自信はありませんが…
[そこで、一瞬目の色が深くなり、遠くを見るような目になる。]
…エウロパさんは、悪い霊ではありません。
それは、滝川の名にかけて、断言できます。
―東ブロック/樹那大学―
[手応え。
派手な音を立ててセイバーが
その身をコンクリートに打ち付ける、前に]
――…― ッ!!!
[アーチャーは片膝をついた姿勢から
追撃の矢の雨を降らせる。
数多、数えること叶うか。
クルクシェートラで降らせた矢の雨には及ばず
最大の解放にはいたらねどまさしく英霊ゆえの技。
――射抜く。
互い違いの眼が捉えたは眼前の黒き剣騎のみ。
故に、気づかなかったことが――
それは 不運か 呪いか それとも]
[英霊同士の戦いに介入できるはずもなく、目で追うことすら出来ないままに唇を噛む。
戦場が地上に移り、居ても立っても居られなくなったため、階段を駆け下りて建物の外へ飛び出した。
そこにアーチャーの一撃で弾かれたセイバーの姿が視界に飛び込んだため、夢中で従僕の元へ駆け寄る。]
何してるの!
しっかりしなさい!
[腰に手を当てて従僕を見下ろした。
夢中で駆け寄ったため、アーチャーの追撃には気付いていない。]
――ッ、
[暗闇の置く、視界の端に捕らえた影に眼を細める。
響く声に、ぐ、と、掌の内――手鏡を握り締めて]
…っ、え。 …あ。えっと、ヒメクラのおにーさん?
――いや、強気っていうか、
[姿にも、声にも覚えはあった。自分をドーナツの姉さん、なんて呼ぶ人は一人しかいない。
ちらりと、横目見る。少し離れて立つ女性の――サーヴァントの方は知らなかったが、
そういえば彼と逢うときは常に一人だったのを思い出した。
…成る程、ならばあのお姉さんが彼のサーヴァントと考えて間違いないだろう。
セムルクとは逢った、と告げる言葉には、いつの事かと視線だけで己のサーヴァントへ問い。]
…こんばんは、綺麗なおねーさん。初めましてであってるよ。
私も、そっちのおにーさんとは何度か逢ったけどね。
[しかし、その時とはまた状況が違う。互いにサーヴァントを連れていて、且つ 夜。
構えに、地を踏みしめる。じゃり、と砂地に小石の混じる音が耳に届いた。]
そうですねえ。姫倉達生です。
えーと……。ドーナツの姉さん
[名前を思い出そうとしたが、名乗られたかどうかさえ覚えていなかった。続けて愛称で呼ぶことにする。
赤い蛇の目は揺らめかしたまま。
もう片方の手は緩く掌を開いた。
ちら、と本堂前に置いたままの酒瓶を確認する。
ラベルの色は、赤、黒、緑。
三本で足りるか――ということも含めて、今回はライダーを掻い潜っていかにサポートするかということも考えなければならない。
自分に向かってくる相手ならば、紐で引き寄せてぶつければ良い話なのだが、今はそれ以上に複雑な「形」で対応する必要がある。
酒瓶から目を話し、相手の二人を見比べた。
方や、目隠しの男。方や、灰銀の瞳をした少女。
取りぬける一陣の風。
林がざわめく。
本堂の木板が軋み、ざわめき、姫倉の羽織もはためいた。]
[現れた主人。そして飛来する大量の光矢。]
ふ………ッ
[まったく、我が主は。笑みを浮かべ、軋む身体で大地を蹴りジュリアの前へと身を投げる。
降り注ぐ矢雨を剣で薙ぎ、我が身を楯に主人を庇うもそのうち一本はヴラドの脇をすり抜けて………]
[現れた主人。そして飛来する大量の光矢。]
ふ………ッ
[まったく、我が主は。笑みを浮かべ、軋む身体で大地を蹴りジュリアの前へと身を投げる。
降り注ぐ矢の雨を剣で薙ぎ、我が身を楯に主人を庇うもそのうち一本はヴラドの脇をすり抜けて………]
―東ブロック/樹那大学―
[誘われるようにたどり着いた先は、嘗ての己の学び舎。
深夜に研究で居残る学生も居そうにない。
適度に遮蔽物もあり、内部の構造は胡蝶は熟知している]
絶好の狩り場じゃ。
多少校舎を傷めつける分は、
OG名義の寄付金を弾むことで
勘弁して貰おう。
[屋上で二手に別れる。
此方も闇に忍び、可能ならばマスターに奇襲をかけるべく、校舎の窓へと身を投じた]
サーヴァントの方は任せたぞ。
[金の針が氷雨となり飛来するのを視界の端に確認して、無人の教室を腰を屈めて駆け抜ける。
廊下を疾り、階下への足音が響くのを追って、手摺を滑り降りる。
女性が、サーヴァントを叱咤する声が聞こえた]
[目にも留まらぬ疾さで立ち上がり、アーチャーの攻撃を悉く撃ち落すセイバー。
己の迂闊さを呪う。
せめて足手まといにならないように、と一歩下がったところへ、撃ち洩らした一本が胸を貫いた。]
ぁ……
[ふわ。と華奢な身体が宙を舞う。
とさ。と軽い音が響く。]
カ、ふ
[口から血を吐いた。
胸から血が流れた。
従僕の頼もしい背中が霞んだ。]
――――――!!!
[間に合わなかった。
背後、すり抜けた一矢が肉を貫く音がする。人の倒れる音がする。命の――落ちる音がする。]
………ぅ。
[声にならぬ叫び。
身体にある魔力を一気に練り上げる。詠唱が迸る。]
―――― ayros "Tepes!!"
[世界が血煙の荒野へと染まる。
棟の壁さえも大地とみなし、凶矢の射手目掛けて幾多の黒杭が飛び出した――。]
―東ブロック/樹那大学―
[か細き悲鳴は届かない。
足音もなく昇降口へと下り立った、その刹那。
世界が凍りつく。
全身を巡る魔力が逆流するよう。
その寒気の正体が、セイバーの展開した固有結界とは知らぬまま]
――なんじゃ!?
[影でも縛られたかのように両脚はその場に縫い止められ、異なる世界に呑まれていった]
―東ブロック/樹那大学《固有結界》―
――な、
[予想外のこと――僅かに反応が遅れる。
ほんの、僅か。
その刹那、膨れ上がる魔力が一体を包む。
乗るは男の響く声。
現われしは荒涼たる血塗れの丘。]
ッ、―― これは、…結界…!?
[それは一つの到達点。
内なる世界の具現化――固有結界。
されどアーチャーは、カルナは魔術師ではなく武人。
その答えにたどり着きはせず。]
くッ――、
[黒き杭は矢を遮って
弓兵が元へ、主が敵を穿たんと
血腥い丘より放たれる。
飛び退り、そのまま弓を引き
杭を射落とし、更にはその向こうに居るはずの
黒衣の男へ向けて矢を放つ。
されど――黄金の光は黒き杭に遮られる。
藍から金へ移り変わる髪を掠め
杭は地面に突き刺さった。
捕らえられたなら磔となろうか。]
[畏れのためかきつく閉じていた目蓋を持ち上げると、校舎から見えるはずの校庭は様変わりしていた。
噎せ返るような血の匂い、腐臭。
夜より凶々しい暗黒渦巻く、それは歴史に刻まれた悪名高き虐殺の果て]
幻影にしては大掛かりな……!!
[編み上げられた空間の異質さから、それが幻術の類でないことは容易に察せた。
現実を塗り潰す、世界の侵食。
魔術師ならば誰でも知っている。その幻想こそは、]
まさか、固有結界かッ!!?!?
[振り仰いだ先では、同じく取り込まれたアーチャーに、無数の杭が串刺しにせんと襲い掛かるところだった]
――、「ルナ」。
ドーナツの姉さん、って名前じゃないもん。
[愛称、とも疑わしいそれを短く訂正する。
――尤も、自分とてカリンがそう呼んでいたのを聞き及んだのみで、
合っているかは二の次に勝手にそう認識していただけだ。
相手が自分の呼び名を知らないのも道理なのだが。]
…こんな人気ないとこで、何やってたの? おにーさん。
[向こうへの刺激を押さえ、しかし探りにも似た問いを投げながら、相手の視線の先を見やる。
見慣れない大きな瓶に僅かに眉を寄せて、しかし直ぐに視線は男へ、
そしてサーヴァントである女性へと戻った。…手に持つのは、槍。
――それだけを考えればランサーだが、なれば夕暮れに対峙した相手の宝具の説明がつかない。
セイバーの存在は夕飯時に、セムルクから聞き及んだ。
…そうして消去法を続けて行けば、相手のクラスは凡そ思い当たる。
――風が、灰銀を撫でて過ぎる。
周囲を囲む森林の騒めく声が、やけに酷く耳に届いた。]
[どこか憶えのある風が、東から西へと、吹き抜けて。
大地の西にあるのは、ひとつだけ。この極東の地で、同じかは知らねども]
――……いやな、空気。
[呟いて。ほんの数瞬、瞳を閉じた]
[意識を、この場へと戻した。
三騎士のクラスとキャスターは、特定済み。
であれば。あの少女と、このサーヴァントが。アサシンとバーサーカー。そのいずれか。
そのどちらの戦いも目にしてはいるが……、さて、どちらも狂気というには、遠い]
――……ルナ?
ああ……銀弓持つアルテミスのことね。いい名前だわ。
[微かに、口許に笑みが浮かぶ。
ああ、いや……セレネだったかもしれない。まあ、兎も角。
いずれ、月の女神の名であることに違いはない。
それは、この少女には、とても似合っているように思えた]
ルナさん、ね。
俺らはまあ―――。修行しとったわけやけど。
[手の下、そして傘の先で括っている空間の形は、砲弾。
流線型を保つその見えない兵器は、しかし回転をすれば周囲を巻き込んで、強風を巻き起こしていた。]
そういうルナさんは、何をしに来はったんかな。
さっきの動き見るに、やる気みたいやったけど。
[少女の問いかけ。
強襲にしては、次の段階に移るまでの間隔が長い。
ゆっくりと魔力を鎮め、砲弾の回転を弱まらせて行く。
やがて、周囲を戦かせていた風は潰えた。
また僅かだけ、姫倉の羽織はたなびいてはいたものの。
ライダーの気配が緩んだので、やがて完全に制止した。]
退けッ!
奴の術中では不利じゃ!!
敵わぬなら、最大出力で"世界を壊せ"!
[叫んだところで、手で掴んでいた鉄扉だったものが、粟立ち波打った。
不吉な魔力に咄嗟に離したのと、黒杭の鋭利な切っ先が身を引き裂かんと打ち出されたのが同時]
――ッ!!
[身を撚る。跳ぶ。その足場さえも無数の杭と化せば、躱し続けるも困難。
恐らくは術者を中心に形成されたものと見込んで、逃走するを選んだ]
―東ブロック/樹那大学《固有結界》―
[無数の杭を何とかいなしながら
矢を放てどそれは届いたかどうか。]
――主!
[結界の《中》に主が居る。
黒き杭は結界を張った者が
敵とみなした全てを貫こうとするだろう、つまり]
っ、…!
[杭が腕と肩を掠めていく。
血濡れの丘、串刺しの兵士を足場に、飛ぶ。
ぬらり――足を取られ均衡を崩し
巻き込まれた羽織がずたずたに引き裂かれた。]
――…――!
[“壊せ”
赦しが下れど今最優先は
主の命を守ること。
撤退する主を守るように引き絞る弓は――]
―――光よ…!
[黒き杭を打ち消すための矢を放つ。
金。黒。黒。金。地より上る金。降り注ぐ黒。
僅かに腕と耳朶に踊る金の陽光は
かつての姿《英雄》を縁取りながら
まだ形を取らない。]
[照らすは天の焔《Surya》。
主の姿が見えたならそのまま速度を上げ、]
失礼する、無礼を許されよ…!
[胡蝶を引き寄せ小脇に抱えんと手を伸ばす。
抱えること叶えば、
血濡れの丘の途切れるところまで
一気に駆け抜けるつもりで]
…そう?
うん、まぁ…私には大層な名前だけど、嫌いじゃないよ。
[女性の言葉に、一度だけゆると灰銀を瞬く。月の名なのは知っていたけれど。
それが自分に合っているかはさておき――己のサーヴァントが呼び出した名だ。
…そこまで知っていて、その名を呼んだのであれば、――まぁ随分と。
緊張を解く事はしないが、それでも小さく零れるのは笑み。]
…修行?
[…おにーさんが?それともサーヴァントが?しかもこの時間に。
良く判らない、と訝しげに浮かんだ色は相手にも伝わるか。強く取り巻く風は、僅かに緩む。]
やる気ってゆーか、…人気の無い、特に寄り付く必要もない場所で、
戦ってる訳でもないマスターとサーヴァントの気配を見付けたら、何だってあやしーでしょ。
[…何か変な気を起こす気があるのなら、厄介をされる前に
先手を取って潰す覚悟のつもりではいたが。]
別に、…何にも無いのに見境無く喧嘩売る趣味はないよ。
カ――、
[迸りかけた絶叫は、彼の英霊の真名。
今尚、仇敵を追うように杭の大半は黄金の輝きを食い荒らさんと迫っている。
杭に折られ砕かれた煌めく筋が示す先は、黒衣の紳士。
逆様の視界で彼を確認し、動きが鈍った瞬間に、背から脇腹を刳るような衝撃を受けた]
っは、 ぬかった、
[跳ね飛ばされる前に、小柄な身体はアーチャーの腕に抱き留められた。
苦悶に歪む表情はそのまま、悪夢のような心象風景の終わりまで、運ばれる。
道標のように、新たな贄の流血が滴った]
――……そう?
人気のあるところで戦うほうが、どうかと思うけど。
[ルナと名乗った少女の言葉には、再び。今度は、意地悪げな笑みを]
大体――喧嘩を売る趣味はない、って。いうけれど。
夜、陣地に入りこめば。それって、喧嘩を売っているのと同じじゃない?
[――無論、自分はキャスターではないが。
この寺院に張られた、土着宗教の結界もある。
薬をくれたキャスターと、少女のサーヴァントが。
あの公園で、共にいたことを思えば、ブラフともいえなかったが。
此度の戦争の異常を思えば、全くの無駄ではないかもしれない]
―東ブロック/樹那大学―
[――結界を抜ければ
世界はあっけなく夜の校舎へと戻る。
背にした空間が歪み、揺れた。
術者が遠ざかれば結界は解けるであろう。]
主、… コチョウ!
[着物に血が沁みていく感覚が在る。
重なるのは射抜いた黒衣の剣騎のマスターの姿。
きつく眉を寄せ、負担の掛からぬ体勢を探る。
自身の服の袖を裂いて急ごしらえながら
止血を試みた。]
―東ブロック/樹那大学―
[幸いといおうか
其処まで深手ではないように見える。
相手の気配はもうないか探りながら]
――セイバーを仕留めそこなった が…
[ぎゅ、と布を結び
血がこれ以上流れ出ぬよう処置を施した。
それから、眉を寄せた表情で告げたのは]
……マスターを射抜いた。
[それ以上仔細今は語るつもりはないようで口を一度鎖し]
退く。病院か、拠点か。どちらだ。
―中央ブロック―
[人が去り静かな街中を魔力を垂れ流しながら歩き回る。
自らのサーヴァントはいまだ見つからず……。
気配すらなかった――
もっとも、素人に見つかるアサシンのサーヴァントなんてごめんではあったが]
んー、教会にでも行こうか……?
[なんとなく、そんな気分になった。
結局、いやな予感が云々でまともに監査役とは話をしていないから]
[固有結界、その中心。
獲物を求める黒杭は結界の外縁へと広がり、中心部分はただ荒れた大地が残るのみ。]
………。
[そこでヴラドは身を屈め、己が主の身体を抱き上げた。]
セイバー さんの発言:
結界の中で主抱きかかえるよー?
ジュリア さんの発言:
主砲に見えてわくわくした
セイバー さんの発言:
我が主砲で主を貫
[その境界は如何なるものであったか、意識にのぼる間もなく。
しんと静まりかえる構内には、忙しない吐息だけがやけに大きく]
内臓は貫通しておらぬし、恐らくは骨も無事じゃろう。
ちょいとばかり……ッ肉が削げただけじゃ。
[失血のショックで蒼白く強張る指先では、上手く手当てができない。
脂汗を流しながら、腕を上げて脇腹を晒す。
赤黒く汚れた傷口、きつく布があてられると一度苦痛で腰を折り曲げた]
むしろ、少しずれておったら
令呪のある腕が千切れておったろうから、
不幸中の幸いと言うべきじゃな。
[少しでも遠ざかろうと気力だけで立ち上がるも、数歩歩いただけで踞った。
結局はアーチャーの手を借り、]
――何があったのじゃ?
[仔細を問い質す]
屋敷で救急措置はできる。
病院の世話にはなれぬよ。
どの道、今夜はこれ以上の戦闘は無理じゃ。
[頼む、と呻きと同時に吐き出して、体重の半分をアーチャーに預けた]
セイバー……剣の英霊が為す固有結界は心象風景じゃな。
あれは恐らく、ワラキア公。……否、串刺し公。
成程、教会で燻っておった訳が分かったわ。
マスター、は……ジュリアじゃったか。
[射抜いたと端的に告げられて。
それ以上は見上げた横顔が拒否していたから、ただ血の気の失せた顔で頷いた]
[真祖の姫君伝説を語り聞かせる父の声。
不死に魅入られて家を捨てた母の背中。
色褪せていく世界の中、最後に映ったのは――]
……オジ、サ、
[余り見たことの無い表情を浮かべる顔に手を伸ばす。]
……マ……。
[くたり、と糸の切れた人形のように力なく落ちる手が、その頬を掠めた**]
だからだよ。
人気の無いところで、誰かと戦ってもいないのに
…じっと留まってるから、おかしいと思ったんじゃない。
[その場所がどれほど人気無かろうが戦っていたなら、別に訝しんだりしない。
何があった訳でもない場所で、人目着かず“何か”をしているから怪しいのだ、と
言葉裏に含めて、小さく吐息混じりに返した。
…別に呆れている訳ではなく、どちらかといえば安堵の意味で。
気を緩めるつもりは欠片として無いが、穏便に解決出来そうならば其れが一番幸いなのだから。]
――…そりゃ、何かあると思ったから喧嘩売るつもりで来たんだもん。
[実際は何も無かったから、取り越し苦労だったけどさ。とか肩を竦めながら
その気が無いわけではなかったと、あっさり白状した。
…陣地、という言葉には一度瞬いたものの言及はしない。
下手に口を出して、キャスターと現状組んでいると確信されても厄介だったし。]
―東ブロック/樹那大学―
――承知した。では、屋敷へ。
[預けられる体重をそのまま抱え上げる。]
…串刺し公?
[神話の本にはなかった名だ。
自分の状態を示されれば]
――私は問題ない。
[今は此処から離れるが先決と地を蹴る。
夜に、太陽の金を帯びた影が舞う。
――東。夜明けにはまだ遠いその先、忍神町がある。]
[二人のやり取りをじっと眺めている。
ライダーは多少Sっ気があるのだろうか。いや違う。
戦いに積極的に関わっている彼女は楽しそうだ。
彼女の英雄論を思い返せば、目指すものは戦闘の中にあるのかもしれない。
腕を組んだ。少女のマスターを観察してみる。
彼女の理屈からすると、相当優秀なマスターなのだろう。才能があるなら、そもそも「何か」する必要などない。正面から敵を撃破すれば良いのだ。
自分の場合はそれが無いから、色々と講じるわけで。
きっと手ごわい相手なのだろう。そう思った。
それに、あの目隠しのサーヴァント。
ここから見るだけで、その魔力の高さは見て取れる。
きっと自分の空間砲では、彼には届かないだろう。
ライダーをサポートするにしても、あれに直接ぶつけなければ途中で破られてしまうに違いない。
ボスクラスの相手だ。そう結論した。]
[落ちる手を掴もうとするも、するりと滑るようにしてすり抜ける。]
………………ッ
[その表情にどれだけの感情が現れたのだろう。言葉もなく、ジュリアを抱えたままに立ち上がった。]
/*
>相当優秀なマスター
>ボスクラス
wwwwwwwwwwwwwwwwwwそうでもないwww
途中で自爆する小物クラスですwwwwwwwwwwwwwwwwww
*/
ひぁっ――
[肩を借りるだけのつもりだったのに、足先が宙に浮いて変な声が出た。
移動速度と、傷に障らぬ運搬方法と、手荷物のように小脇に抱えられる屈辱やらを考慮して、抗議の言葉は飲み込むことにした。
吐き気がするほどの濃い血臭からは解放されたものの、未だ鉄錆のそれは二人の身から離れず]
あれもまた、生前と死後で随分と解釈に隔たりのある人物じゃ。
後世の伝承では、すっかり生き血を啜る化物じゃよ。
[校舎の四角いシルエットに切り取られた先では、未だ校庭の一部に空間の歪みがある。
朦朧とする意識と、薄れゆく戦闘酩酊。
黄金の色彩を散らし失ってゆくアーチャーの髪を、ぼんやりと見詰めていた]
−忍神町・無頼邸前−
力を集めなければ。
[明確に魔力を増やし、彼らに対抗する為に、誰にも悟られないように行動を起こさねばならない。
既に、仲間と為った”モノ”も動き始めている。
頼り切るわけにはいかない。戦闘は避けるとしても、やれるだけの事をせねばならない]
・・・・・・ならば、アサシン。頼むぞ。
[結界範囲内の場所で、サーヴァントの力を呼び覚ます]
・・・・・・
[無頼の体を借りて、闇は降り立った]
理解した、無頼の勝利の為に力を貸そう。
その為に、ひとつやりたい事がある。
[そう言うと、隠密行動のスキルを発動させる。
闇の衣に身を隠し、マスターはおろか同じサーヴァントにすら気配を悟られぬように世界に溶け込んでいく。
目指すは、自らの娘・・・・・・”ハサン・サッバーハ”の元へ]
――なにかあると思った、か。
ふふ……勇敢で、正義感があって。良い娘。
[それが、魔術師として良いかどうかは、知らないが。
人として、得難い資質であるのは、間違いないだろう]
それで――……ルナ、でいいわね?
なにもなかったけど、大人しく帰ってくれるのかしら。
[まあ。ルナに心配はなかろうが――……。
気になるのは、目隠しのサーヴァント。
あれが、アサシンならば良いが。
バーサーカーであれば、話は違う。
正気と引き換えに、強大な力を得るクラス。
如何に、有能そうとはいえ――年若いマスターが、抑えられるのかどうか。
実際問題として、あの、夜の公園でも。剣呑な視線を浴びせられた記憶があった]
―南ブロック―
[教会に向かっているはずだったが、
気づけばなんだかまったく知らないところを彷徨っていた]
ここ、どこ……?
[場所はわからないが、一つだけわかる事があった。
道に迷ったという事だった……]
−西ブロックへ移動−
[川辺。この近くに自分の血を引く暗殺者がいるはず。
闇から闇へと移り、血縁者のサーヴァントへと近づいていく]
―東ブロック→移動―
――…無礼であるとは分かっている。
叱咤は後で、幾らでも。
[物言いたげな視線を感じたか、
ばつが悪そうにそう告げた。
纏わりつく死臭。血の臭い。
それは“世間一般”とはかけ離れたもの。]
…生き血を啜る…だと?
それは、また。面妖な。
[キリスト教の概念がカルナにはない。
だから、分からないのだ。“光”に対する“闇”であることしか。]
――痛むのならば速度を落とすが…
[ぼんやりと眺めてくる視線に気づいたが、意味を図りかねそう問いかけた。]
― 西ブロック・樹那川 ―
[月が嗤う。星が瞬く。
空を見上げる瞳には、何が映るか。
夜の静謐が落ちている。
―――今は、戦争の時間]
―西ブロック・樹那川−
[姿を補足し、影の陽炎のようにアサシンの傍に出現する。
隠密行動を解かないよう、ささやくように]
ハサン・・・・・・ハサン・サッバーハ。
私だ。
/*
>令呪を剥がれる
なん、だt…!?
うわああそれってサーヴァント取られちゃうって事じゃないの、か…?
…あれ?余ったマスターはどうするのぜ…?
*/
―南ブロックへ―
いや、合理的に考えて一番効率が良い方法じゃと思う。
故に不問に処す。
[未だ些か鬱屈が残っていることが、口調の端々に滲んでいる。
なるべくアーチャーの負担にならぬよう、重心をあれこれと悩んでは、傷の痛みに硬直する始末]
それよりも問題は、
儂はマスターとしてはおぬしを褒め労わねばならぬのに、
おぬしがそうして欲しくなさそうなことじゃ……。
[姫倉との問答があった矢先であるから、この英霊が何を考えているかも凡そ見当がつく。
複雑な胸中をそのまま溜息にのせた。
と、進路を塞ぐ何者かの気配を、令呪が感知する]
待て……誰か居る!
――、…?
[何だか見られている気がする。
僅かに眉を寄せて、姫倉の方へ視線を向ける。
――勿論、考えが読める術がある筈も無く、ただ首を僅かに傾ぐだけ。
二つに結った灰銀が、其れに合わせられるようゆらりと揺れる。]
うん、ルナで良いよ。…おねーさんの事は、おねーさんでいいのかな。
修行って事ならね、ただお邪魔なだけだもん。
――強くなられちゃうのは厄介、っていうのが本音だけど
実際思ってるような事は何もなかったし、大人しく、ちゃんと下がる。
[今回ばかりは揚々と乗り込んだこっちに非があるしね。
そう言って小さく笑う。大丈夫。――大丈夫な筈だ。少なくとも今は。
今日は此方の魔力も其れなりに回復しているし、
幸いにも「何もないなら手を出すな」と予め言い含めてあったから
…といえども、ずっとこの場に居て其れが保てるかは正直判らない。
引くと決めた以上、早めにこの場を離れた方が良さそうではあった。]
[令呪が反応する、それも運悪く主従セットの反応だ。
しかし、ついてないとしかいえないサーヴァントがいないときにばかり敵に会うから]
気づかれてるな……、まいった。
[相手の叫び声が聞こえてくる。
声の持ち主から判断し、隠れて刺激するより堂々と
出て行ったほうがまだいいかもしれないと考えた]
[また、眠ってしまったらしい。
怪我の治癒と体力回復のためか、眠くて仕方がなかった。
痛みは、だいぶ引いている。
ただ、じんじんと内部からの痛みは断続的に]
あー。又眠ってた。
まだ、二人は帰って来てないみたいだね。
エラト、もし二人がこのまま帰ってこなかったらどうする?
[傍らにいたエラトに声を投げた]
…………。
[突然のささやき。すぐ側に居るはずなのに、気配すら感知できない隠密性。驚きの声を飲み込む。
今まで得た情報。重複するクラス。ナルキッソスの言質。
自分の他にアサシンのクラス、ハサン・サッバーハが存在することは、分かっていた。
だから、驚きはそれがそこに居ることではなく]
……あなたでしたか。父さま。
[振り向かずに、呟くように]
―南ブロックへ―
…そうか。なれば、佳いが。
…痛むなら無理をするな。
[一言心配そうに云ってから、
む、と眉を寄せる。]
……あいすまぬ。詳しくは屋敷で話す――
[胡蝶の警告に、立てるかと視線で問いかけ、
肯定返れば一度地に降ろす。
弱みを態々見せてやることは、ない。]
…サーヴァントはいないな。
[自身の感覚を確認するように呟くのと、フード姿が現れるのとは、重なる程度のタイミングか。]
[薄汚れたフード。何より、如何なる細工か絶えず垂れ流される魔力]
今、一番遭遇したくない奴じゃな。
[オルグロスと分かるなり、渋面になった。
隠そうにも、こちらが手負いであることは明白。
不死の片鱗を垣間見せたアサシンへの対抗策は未だなく、どこに潜んでいるかも分からない]
威嚇で逃げてくれれば、好都合なんじゃが。
[血のこびり付いた拳を握り締めた]
――ん、好きに呼んでいいわ。
本当は、ちゃんと、名乗りたいところなんだけど。
それが出来ないのは、判ってくれるでしょうし。
[下がる、という言葉には。
本当に、感服して。笑みを向ける]
……昼間に逢いたいわね、あなたみたいな娘とは。
[たとえ、何もなくとも。こちらが、民を喰らう外道でなくとも。
本来――最後の一騎まで殺し合うのが、聖杯戦争の定め。
それに、手を出さずに撤収するというのは。全く、人が良い。
まあ、それをいえば――……こちらも、似たようなものか。
周囲への被害を気にすることのない、絶好の機会を。逃しているのだし]
娘でありながら、ハサンとしか呼べないのは残念な事だ。
[自身の力のなさを嘆いたハサン・サッバーハ。
歴代のハサンは己の力を至高と信じ、常にハサン・サッバーハの頂点であろうという意思が強い。
だが、この父親であるハサンはそうではなかった。
自らの力の弱さが、暗殺教団自体の存亡を揺るがす存在である事を知っていた。
だからこそ、産み出したのだ。最高傑作を]
[英霊、それも至高の血をハサン・サッバーハへ。
そうして奪った娘は、ジークフリートの娘であった。
彼女には残念な事をしてしまった。娘を産ませた後、死体として嫁ぎ先へ戻すことになった。
その結果、ジークフリートは新たな戦争を巻き起こす。それは事故でしかない。
そして、目の前のハサン・サッバーハが生まれた。
彼女こそが我が力。そして最高傑作。
そして、ハサン・サッバーハという存在の鎖を断った者]
[相手から出る言葉は、ほっと一息ついた。
そこの言葉の裏を取れば、相手は万全ではない。
もっとも、ボロボロのその姿が言葉よりも強く現状を語っていたが]
ずいぶん酷い言い草だなぁ。
それだけ、評価してくれてると誇るところ?
それとも怒ってサーヴァントをけしかけるべきかな?
[自分が優位と思わせ続けなければならない。
先日の戦い慣れしてないサーヴァントとは違う。
僅かなミスが死に直結するのだから]
[引き続きライダーとルナの会話を聞いていた。
ライダーの言質は明らかに柔らかいものだ。
自分に対するものと随分と違う。]
…………。
[ライダーは、自分がマスターであることを不服だ、と告げた。真実、彼女と今一深い話を出来ていない気がする。
エウロパが望むなら、新しいマスターを探してやるべきなのか。もしくは彼女のようなマスターなら、彼女と上手くやっていけるのかもしれない。
傘を持つ手を緩め、空を仰いだ。
ちらつく星が綺麗だ。白い星、青い星、黄色い星、赤い星。]
なんてね。
帰ってきて欲しいと思ってるよ。ここは、ルナたちの拠点だしね。
連れてきてもらった恩もあるしさ。
[起き上がろうと、体を起こす。
痛みが響いたけれど気にせずに。支えようとするエラトの手を止めて]
髪の毛、洗ってくる。
血と埃でぼさぼさだ。
[ベッド傍の杖を手に取った]
……あなたにそんな感情があるとは、知りませんでした。
[背中を見せたまま、笑いもせず、怒りもせず、そう口にする。
彼女が力を得るため、どれほどの犠牲を払ったのか。否、この男に、払わされたのか]
娘よ。
ハサン・サッバーハを終わらせたお前を私は許しはしない。
だが、私の願いをかなえるにはお前の力が必要だ。
私について来い。そして・・・・・・
お前のマスターである人物の、令呪をこの私に謙譲しろ。
/*
いやごめん、それ聞いていて欲しくないんじゃ。
投下タイミングが遅いのがアレなんじゃろうが。
ぁー。なんか前にもこんなことが。
多分間の取り方とか相性の問題かと思うのじゃがのう。
―南ブロック―
[――弓兵は表情を浮かべない。
ただオルグロスを見据えている。
胡蝶がなんらか、感情を逆なでされ乱すようなら
諌める口は持とうが。]
[独白が聞かれたようだ。
懐から取り出した手裏剣を、耳を掠める程度の精度で投げる]
通せ。
悪いが悠長に話しておる気分ではない。
[アーチャーの心配もどこ吹く風。口より手が早かった。
左脇腹に負担をかけまいと右手で投擲したが、僅か轢む肩]
…そっか、じゃあおねーさんって呼ばせてもらう。
[彼女の名を知る時は――きっと今の様な空気では無いのだろう。
其れが判っているから、一つ頷いた。]
――…、…っあはは、機会があったらね! その時はまた好きなドーナツあげる。
[戦いを避けるべき昼間に、再会を望む其れ。
…その言葉に、驚愕の色を浮かべてぱちりと瞬く。
其れはこの場で刃を下げると言う意味に他ならない。
人の事は言えないけれど、随分と良い人だ、と思う。
英霊にそう言うのは失礼かも知れないけれど。思わず笑みがこぼれた。]
ヒメクラのおにーさんと、おねーさん。
またね、…って言うのは正しくないかもだけど。修行頑張ってね。
[セムルク、行こ。と声を掛けつつ踵を返して――もう一度振り返る。
大丈夫だとは思っているけれど、背を向ける以上に大きな隙は無い。
案の定相手が手を出す心算がないと知れば、今度こそ階段を下りはじめる。]
[向けられた油断などとは程遠い視線――
これ以上ないやっかいな相手だった。
軽口に乗ってくれればどれだけ楽だったか……]
っ!! 危ないな!!
[サーヴァントを気にし過ぎていたらしい。
飛んできた手裏剣を完全に回避出来なかった]
別に通せんぼしてたわけじゃないんだけど、
そっちがその気なら……。
[ジャパニーズ忍者を相手にするときは一度やってみたかった魔術があった。
今こそ、その出番とばかりに軽く息を吸い込み、
生成した魔力を全て炎に変換し口から吐き出す。
いわゆる、火遁と呼ばれるものになるのだろう、きっと]
願いを叶える。ですか。
[眉をひそめ、振り向く。
生前と変わらぬ姿でそこに立つ男の姿。
弱いハサン。
しかしそれはまさしく正統で、自分の存在が疑わしくなるほどの、ハサン・サッバーハの姿だった]
……残念ですね。私にも、願いがあるんですよ。
名を。
ハサン・サッバーハの中で、何の形容もなくただハサンと言えばこの私を示すという、世の共通認識。私こそがソレだという、かつてこの世に生きた証。
ハサン・サッバーハという群の、頭首が私の望みです。
[この身は捨て駒。その生き方を貫くことに疑問はなくとも、願いは持つ。
叶えたくないのではなく。
生き様を曲げたくないだけ。
誇りすら貫き通せず、何が……英霊]
それに、彼は裏切れません。
主ならともかく、彼は相棒ですから。
[そう口にしたとき……自分は少しだけ、笑っていたかも知れない]
― 南ブロック / 霊光院 ―
おう。またな。
[ルナの言葉にはそう返す。
その顔には、いつもと変わらぬ笑顔が浮かんでいた。
二人の背中を見送り、ほうと一つ息を吐いた。]
・・・・・・そうか。
私は悔いていた。
お前に対しての暗殺者としての教育の施しが甘かったと。
だが、それは間違いだったようだ。
ついて来い。ここでは思う存分決着をつけれらん。
誰にも悟られることなく・・・・・・そう、お前のマスターにすら。
もし悟られるようならば、お前のマスターの命は無いと思え。
この私が先にも後にも挑まないであろう、決闘を申し込もう。
[そう言うと、P.アサシンはまた闇の陽炎となって隣町のほうへ・・・・・・結界の範囲内へとアサシンを誘導するように移動していく]
―西ブロック・公園―
どういう事って……何か深い意味でもあるんですかい?
おぼこでもあるまいし、大袈裟だって話ですわ。
[忠勝とて、妻もいたし側室もいた。
色恋沙汰に対して無知というわけでもないが、
流石にそれは過剰反応ではなかろうか?
心底不思議そうな顔をした後、視線を公園……
いや、公園跡へと向ける。]
いや、確りと残ってますわ。
戦の爪痕ってやつが、ね。
[戦という奴は、周りに必ず影響を及ぼす。
大なり小なり差異はあれど、
当人同士のみにしか影響がない戦など存在しない。
別に、今更それに対して感傷を持つ気はないし、
ましてや、それを悪等と思う傲慢さも厚顔さもない。]
――別に、もう同盟に関して愚痴を言う気はないですわ。
俺の戦に横槍や水を差されない以上、とやかくは言わねぇって話で。
ただね、嬢。
勘違いしなさんな。
戦う奴に、良いも悪いもねぇんでさ。
あるのは、立場の違いに貸しと借り……
そして粋かどうか、それだけって話で。
[だから、戦が終われば敵も味方も関係はない。
そこにあるのは、志半ばで倒れた躯のみ。]
だから俺は―――。
[途中で切られる言葉。
その手に握られるは、大数珠。
それを指に掛け、静かに手を合わせた。]
自分が信じたものを、貫く。
それが例え、自分が不利になろう事でも、
悔いを残さない為に、貫き続ける。
そうすりゃ、例え破れ朽ちる時であろうとも。
―――にっこりと、笑って逝けるって話で。
―南ブロック―
火吹き芸のつもりか!?
[住宅街に近い区域で、火薬を捲く気はない。
コンクリートを焦がす火炎を後方へ跳んで躱しながら、立て続けに手裏剣を放つ。
コントロールは相当狂っていたらしく、明後日の方向でパリンと硝子が砕ける音]
――ッた、
[おまけに着地で踏鞴を踏んで転んだ。
忍者にあるまじき失敗]
[その後、暫しの黙祷を捧げれば、
用は済んだかと言う様に、くるりと振り返った。]
だから、まぁ……。
こんな面倒な奴を呼んじまったって事で諦めてくださいや。
どんだけ変わろうと思ってもね、
やっぱ根っこの部分だけは、変えられねぇって訳で。
[まるで、あやすかの様に。
ふ…と笑って、頭を撫でた。]
― 西ブロック / 霊光院 ―
それで、どうすんの。
もうええ言うんやったら、このまま帰るか――。
まあ、このまま巡回言うんもええ経験かもしれんけど。
[先程の砲弾生成は、それ程魔力を使ってはいない。
とは言え、まだどこかがおかしいのは事実で。
かと言って、戦闘に支障がある程ではない。]
おっちゃんのサーヴァントのお陰で、順調やし。
一周くらいやったら回れるけど。
[後は時間の問題か。出くわしたら、どう対応するか。
先程の楽しそうなライダーを思い出して、判断を委ねることにした。じっと待つ。]
……要らぬ言葉を吐かずとも、逃がすつもりはありません。
[自分の願いに、他のハサンは邪魔。
自分たちは群の中の個ではなく、個の中の群。同じハサン・サッバーハでありながら、その実部品である者たちは何者でもない。
故に、小さい巣でひしめく雛鳥のように、我こそが唯で一つだと鳴きわめく。
同族嫌悪と言うより、同者憎悪、同じ存在であるが故に、喰らい合うしかない存在]
良いでしょう。殺し合いは、その場で。
[拙いが明確に持つ技術を使い、他の誰もに気付かれないよう気配を遮断すると、その背中を追って自らも移動した]
―南ブロック―
…っ
[転んだその姿、首根っこを引っつかんだが
間に合ったかどうか。どちらにせよ
片手で顔を覆ってやれやれ、といった態]
――自ら隙を作ってどうするのだ、我が主。
[しかもいま何処かで硝子が割れる音がした。
自身、雷、家事、親父。
誰か起きてきたらどうするつもりなのか。
火を噴いたオルグロスのほうもちらと流し見やり]
いやー、芸なんてたいしたものじゃないよ。
ジャパニーズ忍者に出会ったらこれで驚かせようとおもってただけさ。
[もくろみは失敗、相手はまったく動揺していなかった。
しかし、状態は相当悪いようで、反撃の手裏剣もあらぬところへと飛び去っていく、そして本人は蹈鞴を踏み転倒する有様]
さっき、通してっていったよね?
検討しない事もないよ、ただし対価を置いていってくれればね。
[対価とはいうまでもなく情報の事。
本来なら、そんな立場ではないが相手には気づかれていない。
ならば、ばれるまでは利用するのが得策。
いつでも、サーヴァントを呼べる。
それを示すように拳を握り、令呪を胡蝶に見せ付けた]
−東ブロック→忍神町−
[町のバリケードを超える。
荒廃とした町。命の気配のない町。
その町の隅に、和風の屋敷があった。屋敷の周囲は霊的な結界で守られ、魔力が閉鎖されている。また、近くにナルキッソスの気配も感じる。
結界の中に入ったところで、Pアサシン・・・・・・先代のハサンは姿を現した。
娘のハサンとは違い、代々のハサンが装着している仮面を付け、黒装束の姿は暗殺者として特化した姿であった]
ここなら、お互いに気兼ねなく決闘が出来る。
[だが無頼の魔力はそれほど多くは無い。まだ彼の体にある魔力回路はくすぶっている。余計な魔力を使わず打倒するしかない。
かろうじて、先代ハサンはその力を得ることに成功していた。
無頼、そしてナルキッソスと結託する事により]
[階段を降り切る。
一度だけ今来た階段の上を見上げてみたけれど
勿論二人の影が見える事はなかった。]
――…、ちょっとだけ惜しい事しちゃったかな。
[そう言って苦笑した。その様子にセムルクはどう返したのか。
小さく肩を竦めて、しかし思い直す心算は無いのか戻る気配は無い。
一度決めたら基本的に曲げる事がないのが、
長所で欠点でもあるのは、自覚しているのだけれど。]
…、思いの外、遅くなっちゃったな。
しょーがないか、…ユーリとエラトも心配だし、戻ろう。
[隣町を見てみたいと思ったのだけれど、そうも言ってられないらしい。
随分と高く上った月を仰ぎ見て、小さく溜息を零す。
どうやら西ブロックだと言う事は理解出来たから、方角を頼りに拠点を目指す。
途中で見知った道に出たら、あとは問題なかった。]
おっと、そっちのサーヴァントは動かないでね。
君が動いたら、僕は迷わず命令を下すよ。
[サーヴァントに脅しをかける。
このタイミングでいられたら令呪を使わざるを得ない。
だけど、間に合うかなんてわからない。
だって、相手は伝説の英霊なんだから]
もしかしたら、君は俺のサーヴァントより強いかもしれない。
だけど、万全ではない君のマスターはどうかな?
[万全ならおそらく負けるだろう。
自身の取柄は魔力量のみで、魔術はいい所1,5流。
だけど、相手が傷ついている状態ならば別である]
――……おっちゃん?
[ランサーかセイバー、だろうか。
流石に、アーチャーやキャスターをおっちゃんと呼ぶと、泣かれそうだ]
どうかな――……さっき、気になる風も吹いたけど。
[順調、とはいうが。……たぶん、何かあるはずだ。
本当に、なにも問題がないなら。わざわざ、そんなことを口にする人ではない]
んー……順調といっても。昼まで、おかしかったんでしょ。
大事を取って、戻りましょう。今から、町を一周回ると、かなり遅くなるわ。
昼間に眠ってるなら、兎も角。無理は禁物よ。睡眠不足はお肌の敵、ね。
[……まあ。サーヴァントに、睡眠は必要ないし。お肌が荒れることもないが]
くそ、本調子ならこんな失態は……!
[いつの間にか背後にいたアーチャーに制され、口惜しさに唇を噛む。
地団駄を踏みたいところだが傷に響きそうだったので、「離せ」と小さくもがくに留め]
大丈夫じゃ、
燃え広がらぬよう加減してるのは分かっておる。
[火種がなければ、虚空を燃やすだけで消える息吹。
何かに燃え移るようなことがあれば、消火活動に使えそうな魔術もなし、火炎をくぐり抜け最短で頚椎を狙いにいっていただろう]
[ベッドから立ち上がる。手足に大きな怪我はなく、足元がふらつくわけではなかったが]
いた…。
[痛みはやはりある。
休んで、というエラトの声に却下の意味を込めて手を振った。
客間を出て、シャワールームへ辿り着く。そのまま浴びるわけではないから、桶にお湯をためることにした]
ここと、ここかな。
[髪の毛の間、指でかき分けると傷口に当たる。まだ痛い。そこにあたらないように、長い髪を毛先の方から湯で洗っていく]
― 西ブロック / 霊光院 ―
いつも万全の態勢で挑めるとは限らんけどな。
さっきも結構なもん生成出来たし、粗方は回復したやろう。
[肌が荒れると聞けば瞬いた。が、すぐに頷く。]
風――ねえ。
……誰かが戦っとるんかもな。
[願いと願いのぶつかり合い。
かと言って、焦ったところで叶うものでもない。
虚仮の一念はいつも発していなくても良いのだ。]
なあ、ライダー。
[何かを呟こうとして、風に紛れる。]
……いや、何でもない。
また今度訊くわ。
[そう言って、酒瓶を持ち上げ、歩き出す。
表情は相変わらず薄ら笑んだままだったが――。]
[誘導されたのは、和風の屋敷。結界の内側。
それが敵地であることは疑いようもない。
しかし自分はアサシン。暗殺者のサーヴァントであるならば、敵の懐に招かれるのは願ってもない好機としか思えない。
開け放たれれば堂々と入り、そこに立つ男に視線を向ける]
先ほどから、決闘などと暗殺者がどの口で……と思ってましたが。
しかし、悪くありませんね。
親子喧嘩よりは、よほど私たちらしい。
[冗談っぽく微笑んで、九指に指輪を顕現させる]
それよりそこでいいのですか?
後ろでも、下でも上でも、横ですらなく……正面で?
[彼女は竜殺しの血を受け継ぐ「最強」のハサン・サッバーハ。闇に潜む暗殺では他のハサンに後れを取るが、正面から戦い負けるとは、にわかには思いがたい。
まして他よりも弱い目の前のハサンになら、敗北などあり得ない]
その程度で驚いておって、忍者が務まる、 ッカ、
[片膝をついた姿勢で、苦しげな吐息を一つ二つ]
通行税を払う謂われはない。
喚びたければ喚べ。
……いや、つまりアサシンは
今は近くに潜んではおらぬということじゃな。
[令呪をちらつかせる行為を逆手に、アーチャーに目配せを。
離脱だけなら造作もない。
相手が令呪を消費してまで挑んでくるならば、迎え撃つまで]
―南ブロック―
――…。
[互い違いの色の眼を無言でオルグロスに向ける。
流れ流れる魔力は視認できれば
一つの流れのようであるかも知れぬ。]
…主。
[離せと云われて
離すべきかどうか少々悩む。
成る丈怪我に障らぬよう手を離したがどうだったか。]
[後ろから伸びる手と溜息。
エラトだと気づくと、見上げて、それから任せることにした]
人に洗ってもらうのって気持ちいいよね。
あ、傷には触んないで。痛いから。
それに、お湯で流すだけでいいよ。
[ついでに手足も洗いつつ、時折走る痛みに息を詰まらせる]
エラト、あのさ。
――…。ううん、なんでもない。
[なんですか、と追及の声に首を緩く振った]
[「聖杯」とのつながりを手繰る。
魔力の消費を極限まで抑え込む。]
ダメ、かな。
[この世界の法則に縛られた身体に全てが引きずられたままでは限界がある、か。]
仕方ない…。
[聖杯はあくまでも聖杯でしかない。]
おー、さすが忍者だ、頭脳明晰だねぇ……。
でも、俺は嘘吐きだからね。
言葉とか動作の一つ一つをあんまり信じない方がいいよ。
そんな、無理いうつもりないし、
情報の一つでもくれれば通してあげるけど?
[見抜かれた嘘をあえてさらに続ける。
サーヴァントがいないと認めるわけにはいかない]
ああ、構わぬ。
[振り返りながら]
私もまた力を手に入れた。出来ればお前を私の力としたかったが、それもかなわぬのなら打ち破るしかない。
[瞳が赤く光る]
お前に妄想憑依(ザバーニーヤ)を教えたのはこの私だ。
私の妄想憑依はあくまで地獄番犬の憑依のみであった。
だが、今は違う。
この私は、今さらに上位の存在と繋がっている。
この無頼、そして聖杯を通じて。
儂等から情報が欲しいというなら、
そちらからも出せ。等価交換じゃ。
[額に汗の粒を浮かせながらでも強がるのは、ただ下手に出て折れるという事実を矜持が許さぬから。
鼻につく言動にしっかり挑発されて、引くことを拒む。
未だこちらが不利だと、見逃される側だと決まったわけではない。
また新たな血がじわりと脇腹を染める痛みと戦いながら、唇は勝気な笑みを崩さぬまま]
―西ブロック・公園―
……。
[おぼこうんぬんの箇所は、無言でスルーする。
大方予想通りの返答をもらって、軽くため息をつくと、頭を撫でられた。]
……子供扱い、しないで、くださいっ!
[じたばたしてその手を下ろさせると、相手を睨み付ける。]
たっちん!
[名前を呼ぶと同時に、相手の頬をぱしりと叩いた。]
── 西ブロック:霊光院 ──
──…
[マスターがライダーと話す間、バーサーカーは片手を自身の胸を置き、沈黙して控える。ゆっくりと揺れる背は、楔が解き放たれればすぐに戦闘を開始せんと言う気配。相手方のマスターの緊張も皮膚で感じる事が出来るが、この組はどうやらそれほど好戦的ではないらしい。
途中で、ライダーと遭遇した事があるのかとラナに問われ、]
巨人と白き雄牛を駆使する女神だ。
……嗚呼、鎗も使うのだな。
[アーチャーが言っていた「アヤカと犬」と言う言葉は目の前の英霊とは結びつかない。エウロパの名はヨーロッパ大陸の語源となっているほど、向こうでは知名度が高い。日本ではギリシャ神話の登場人物の1人と言った印象かもしれないが。]
自ら嘘吐きと宣うて、
情報を渡せば通す、という条件も覆さぬ保障が?
[論外。
強行突破に備えて、催涙効果のある煙玉を腰袋から探りあてる]
[戦闘は起きない。と言うより、ラナが戦闘開始を指示しない。
石段を下るだんになって、マスターに身を寄せて守るようにしながら、苦笑するラナの耳元に低く囁いた。]
……あれらと
戦わない理由は。
[拠点に置いて来た、キャスター組への心配なのだろうか。]
―南ブロック―
…――主。
[矜持の高さゆえか挑発に乗る様子の主を
そう諌めるように呼ぶが、下手に止めては
火に油を注ぐばかりか。
さて、どう出る。
事と次第によっては――と、
表情浮かべぬままオルグロスを見た。]
聖杯の力を使って、あの毛皮の焦げ臭い駄犬ではなく、私の知らないモノを喚ぶと。
……それで私に勝てると思うのなら、勇者のように立ち向かいなさい。
[左腕を上げる。月明かりに、四指にはめた指輪が煌めく。口を大きく開き、噛みついた。
牙のように犬歯を立て、太い脈を噛みちぎる]
悪竜のごとく、喰い散らかしてあげます。
[だくだくと、だくだくと。血で左手が濡れていく。右手で血を掬い握って滴らせる]
しかし、意地っ張りだね、モチツキコショウ君も。
その様子でわざわざ踏ん張るなんて。
[名前はわざと同じ間違えをする。
勝気な笑みをどうしても崩して見たくなった]
あ、嘘吐きか。
それは君の言うとおりだね。
[策に溺れていたらしい。
嘘吐きなら約束を守るとは限らない。
確かにそれでは交渉にならない。
やっぱり、自分は一流半だったらしい]
[聖杯が機能するには、それ相応の状況や代償が必要だ。だから聖杯戦争はある。
聖杯と「同じ」僕らにとっても、変わらない。
世界の法則は、簡単には曲がらない。]
令呪の力か…。
[今ブライが以前戦ったサーヴァントたちの力を利用できるのは、もちろん、聖杯の力を自在に使っているとか、そういうことではない。
それ相応の何かがあったということだ。]
世界の法則や言葉に引きずられた僕らの意思は聖杯にどう伝わるだろうな…。
[少しの不安。
既に聖杯には多くの負担がかかっている。]
…ん?
――ユーリとエラトに、直ぐ戻るって言っちゃったしね。
[セムルクの問いに、一度灰銀を瞬く。
囁く声、やっぱり不服だろうかと再度小さく苦笑した。
想定した懸念も間違っていないと一つ頷いて、更に理由を重ねる。]
…あとは、しっかり魔力を回復する暇がなかったから、
回復出来る間は、出来る限り使いたくないなっていうのもあるけど。
[其処まで言って、言葉を区切る。
遠目に拠点も見えてきた頃、一度だけ空を仰ぐ。
二つに結った灰銀を強く揺らす其れに、目を細めた。]
――やな風。
[天気が悪い訳ではない。
ただ、…言い様の知れない、 何か。
何か大きな力が、預かり知らぬ所で動いている気が、する。
…判っている。何の根拠が、ある訳でもない。 けれども]
――、いいや。何でもない。
…戻ろ、セムルク!
[サーヴァントの服の裾を軽く引っ張って、その指は直ぐに離れる。
止める間も無く、そのまま拠点へ向かって駆けだした。
上から掛けた魔術を馴れた其れで解除して、施錠を開ける。
魔術で覆っていたその中へ入ったことで、途端令呪がじりと熱を持って
二人が、まだ居るらしい事は直ぐに判った。相手にも伝わるだろう。]
ただいまー。
…ユーリも、まだ寝てるー?
勝手、です。
自分勝手。
[戦国を生きた者達は、みなこうなのだろうか。
それとも、男という生き物がそういうものなのだろうか。]
……勝手に好きなように生きて死にやがれ、です。
それでくたばっても、泣いてなんかあげませんから!
[それだけ言い放つと、少しだけ乱暴に、すたすたと公園の外に向かって歩いて行ったが、数歩進んだ所で立ち止まり、元の所に戻って来ると、ランサーをじっと見上げる。]
………死にやがれってのは、嘘です。
[髪を洗い終えた頃、ドアの開く音がした。令呪に反応があって、次いで、呼ぶ声]
あ、戻ってきた。
まだ寝てるよー。
[どう考えても起きてる声である。
立ち上がると杖を片手にバスルームを出る。後ろからエラトが支えるようについてきた]
[アサシンの体が変化を起こす。
『竜化の呪い』
無頼と繋がっている英霊の宝具のみを自身に劣化投影する。しかも同時に複数。
これが、新たなアサシンの力]
[アサシンの体がふた周りほど肥大し、その表面は竜のうろこに包まれていく。
だが彼はまだ人間の形をとっており、顔は仮面に覆われている。
竜王リンドヴルム程の体躯には届かないが、その大きさは人の規格を大きく超えていた]
[そして、その右手には炎に包まれた魔槍が携えられる]
[痛い。痛くてたまらない。ひたすらに鈍重に痛覚を刺激され、そろそろ限界だ。
今日に限って痛止めの薬は所持していない。
とっとと屋敷に帰って、この痛みを痺れさせたい。ただその一心で]
情報をくれてやろう。
儂は意地っ張りで、ついでに短気なんじゃ!
[オルグロスの足元目掛けて、煙玉を叩き付けた。
地と接した瞬間に、爆ぜて一体を煙で覆う。
意趣返しに、熱を伴わぬ七色の幻炎を幾重にも連ねて]
――火輪!
[即座に渾身の力で、大地を蹴った。
舞った身体は着地の前に、横様にアーチャーの腕で攫われる。
小脇に抱えられても、今は文句を言えない]
あー起きてた。おはよー。
[寝てる、という言葉を全力でスルーして起床の挨拶。
声のする方へ足を向ける。]
…シャワー浴びてたの? 怪我染みない?
[バスルームにはすぐに辿り着いた。
タオルの場所判った?とか聞いては見たものの、
使っている形跡があるから、恐らく判ったんだろう。]
―南ブロック―
[相手がサーヴァントを喚んで、追われる可能性がある。
胡蝶を抱える分、アーチャーの移動速度も遅くなるし、下手をすれば拠点まで尾行されるだろう。
幾つも懸念事項はあったが、痛みで冷静な判断は失われていた]
く、……ぅ、
[脇腹を手で押さえる。温かく濡れた感触が、平を紅で汚していった]
―南ブロック―
[――嗚呼まったく、主は
己自身のことをよく分かっている、と思う。]
――承知。
[名を呼ぶ声に短く応え
小柄な身体を矢張り小脇に抱えて飛ぶ。
七色の幻炎、煙の届かぬ位置へ。
オルグロスをひとり取り残し、其方を振り返ることもせず。
彼の英霊が今、此処に居ないどころか
隣町の《異界》で戦っていることなど知らず。
――屋根から、屋根へ。
結界が張られた屋敷へと、主を連れて帰還する。]
シャワー浴びたって言うより、髪の毛洗っただけだよ。
埃と血で汚れてたから。
沁みたけど、頭は軽い怪我だから平気。
[まだ濡れたままの髪を一つにまとめる]
適当に使っちゃったけど、大丈夫だったかな。
[右手は庇うように腹部を押さえている。痛いというより、単なる癖だが]
[言葉と共に投げつけられた煙球。
咄嗟に眼をつぶる、呼吸をしていない以上メにさえ入らなければ致命傷にはならないから。
それに交渉は一応成立したのだ。
望月胡蝶は意地っ張りで短気という情報は貰った。
だからこそ、自分は深追いせず見逃さざるを得なかった]
別に有益じゃないもんなぁ。
まんまと、やられたか、な。
ま、サーヴァント近くにいない状態であそこまで張り合えれば上等か……。
[眼を閉じてフードを深くかぶるとそのまま煙が収まるまで黙って立ち尽くした]
― → 望月邸―
[屋根から屋根へ飛び移ったのは、
気休め程度だが拠点が割れぬようにする撹乱。]
――無茶をする。
[滲む血に気づかぬわけがない。
漸く浮かべた表情は苦い。
苦言を呈した。
そのまま、遠回りをして屋敷へと降り立った。]
[竜へと変化する父親の肉体。手に持つは火炎の槍。
聖杯の力を借りた、新しい憑依]
なるほど。それが。
この技、薄々外法だとは感じてましたが……!
[言いつつ、その口には笑み。
かつて竜殺しの英雄がそうであったように。その血には、強きモノとの戦いに喜ぶ一面が……確かに、あった]
―西ブロック→南ブロック―
[ルナとその従者が、去ってから。少し、間を置いて。
風に紛れた問いを、問い返すこともなく。静かに、石段を下りた]
――……ドーナツ。彼女に貰ったのね。
[ルナ――他マスターとの接触。それも、知らなかった。
返事はあったか、なかったか。元より、期待はしていない]
尊敬します父さま。今のあなたは間違いなく、ハサン・サッバーハではない化物と成った!
[その手首から先は不死。かつて英雄が受けた、竜の血の呪い。
その不死の源を媒介に、幻想種の頂点を自らの武器に憑依させる。
―――彼女が喚んだは、その武器に等しい数の首を持つ、伝説の毒竜。
これは決闘。
互いが全ての力を出し尽くす戦士の舞台。
ならば小手先の比べなど必要なく、
全力で、殺し尽くすのみ。
九つ分銅が仮初めに竜の命を得て、その鎌首をもたげる。その視線は、全て眼前の正統なる暗殺者へ。
殺すために喚ばれた毒竜は、その敵を喰い散らかさんと牙を剥き襲いかかる]
――……あれは……火事?
[南の空が。断続的に、紅く染まっている。
いや、聖杯戦争のさなか。馬鹿正直に、そう受け取れるはずもない。恐らく、あれは――……]
……戦闘、ね。それにしても……あんな場所で?
[民家の密集する地域と、さして離れてもいない。
手段を選ばないマスター、なのだろうか。
つい先刻の、誇りある少女と比較すれば、なんとも情けのないことだ。
もっとも、ただマスターの人品を比較しているだけでも済まない。拠点とする屋敷にも、害が及びかねないからだ。
場合によっては、介入も考えるべきだろう。
少し、速まった歩調。ただ、そんな戦闘の気配も。
一際、異常な色に揺らめく虹の焔と、白煙が上がって以降、終息したようだった]
[突然叩かれれば、目を白黒させて。]
……そりゃしょうがないですわ。
俺が戦うのは、自分の為。
なら、手前勝手なのは仕方ねぇって話で。
[その返答が聞こえたか。
歩き去るかと思われた志乃が戻り、自分を見上げる。
続く言葉は忠勝にとって少し意外だったのか、
ククと笑いを噛み殺してから、真っ直ぐに見返し。]
嗚呼、元より地獄の閻魔さんには嫌われてましてね。
頼まれたって、中々死なねぇって話で。
[顔を逸らす志乃の頭を再び、ぽん、と叩く様に撫でる。
その後、擦れ違う形で一人公園の外へ歩けば、振り返らないまま―――]
……勘違いしなさんな。
嬢の為に死なねぇっていってるんじゃねぇですぜ?
俺は、俺の為に死なねぇって言ってるんですわ。
[俺は、手前勝手なんでね、と。
そんな風に、言葉を続けた。]
あーそっか。 怪我が軽いなら大丈夫かな。
頭怪我してる時に、シャワーとかダメとか言うよね。
[血圧が上がるからだっけ?とうろ覚えの知識を思い出しつつ
濡れた髪を一つに纏めるのを見て、かくんと首を傾ぐ。
…そう言えば、自分も少しだけキツく結んでいた所為か、頭のてっぺんが痛い。
きゅ、と引っ張ってゴムを解くと、ばらりと纏めていた灰銀が流れた。
少し跡が付いちゃったけど、いいか。シャワー浴びたらすぐに戻るし。]
新しいのを下ろして、かつ其れを使い切る…とか
暴君の様な使いっぷりじゃなければ大丈夫だよ。
…てゆーか、ドライヤーあるよ?使う?
[風邪引くでしょ。 と問う視線は腹部へ。
肋骨が折れたのは知っているが、其の位置よりは、低い。
怪我を、していただろうか。はてと首を傾いだ。]
竜殺しの血を引くならば、この竜王の呪いを絶てる、という事だな。
ならばやってみろ、最高傑作。
そしてそれでもこの父を超えるなら認めよう。
[斜め上から見下ろすような形で、魔槍でなぎ払う。
魔槍からは粘質の炎が巻き起こり、それらの分銅を飲み込んだ。
それだけではない、高速かつ正確な一撃。ただ分銅の先端を全てなぎ払うかのようなその操槍術こそ「偽りの武芸者の素質」。魔槍ルーンがズフタフを天下無双の武芸者へと持ち上げた力]
それだけではない!
[竜王の筋力をもって、そのまま魔槍を娘へと射出させる。
爆炎を纏った魔槍は娘へと一直線に飛び、着弾と同時に炎の爆発が起きる]
―南ブロック―
[煙が収まったのを見計らい眼を開く。
辺りには静寂が戻っていた]
煙玉って案外厄介だね。
俺以外のマスターなら致命的になりかねない。
[吸い込んでしまい、眠ってしまったりしたら完全にアウトであるから。
そんな事を考えていると、令呪がまたしても反応した]
げっ……、また??
[頭を抱えて首を振る。
本当、サーヴァントがいないときに限って面倒事が降りかかるのだ]
―南ブロック/望月邸―
[屋敷には堂々と「望月」の表札が掲げられているし、長年魔術師一族が拠点としてきた、名の通りの忍者屋敷である。住所が割れたところで、来るなら来い]
……うむ、我ながら浅薄じゃった。
おぬしの強情を笑えぬのう。
[苦しそうな表情はなるべく見せまいと、乾いた笑いを貼り付ける。
玄関まで辿り付くと、安堵で膝の力が抜けた]
面倒をかけた。忝い。
と、――毎回謝っておる気がするのう。
[ほう、と月に向かって溜息]
頭は、たぶん風圧で切っただけ、だから。
それに最初に止血したし。
そんな使い方はしないよ。
家でならやるかも知んないけど。
[ドライヤーという言葉にこくりと頷いて、視線の向かう先には首をかしげた]
? なぁに、やだ、ルナってば。視線がエッチ。
[冗談の声色とともに両手でなぜか胸を隠す]
−教会−
おや、セリアは外出ですか。
[教会に戻ったが、留守を任せておいたセリアの気配はない]
まったく、しょうがないメイドですね・・・・・・
[緊急の仕事が入ったのかもしれないが。そう脳裏をよぎる]
…だれも、私のために死なないでなんて言ってませ、ん!
[叫びと同時に、足元に転がっていた空き缶をランサーに向かって、力任せに投げつける。]
どこに行く気ですか!
私を一人で置いていったら、そこら辺を迷いに迷いまくって、どこかで野垂れ死ぬかもしれませんよ!
―南ブロック/望月邸―
――…矜持、高くあり
折れぬのはよき事であるとは思う、が……。
[乾いた笑いに少々呆れ気味で
――否、呆れも笑えもせぬのはお互い様だ。
思い直し首を振る。浅く開いたままの傷が少し痛んだ。]
謝られる分には構わない。
大事なく、――否、
大事あろうとも命あらば。
[月を見上げる胡蝶に倣うように一度視線を空へ。
そのまま、視線合わさずこう続けた。]
――…セイバーのマスターは、
戦いの最中、吹き飛ばされたセイバーの元に駆け寄ったのだ。
[それは、射抜いた――その仔細。]
……全て、払いますかっ?
[分銅が槍の一薙ぎに飲み込まれる。
その槍は炎。英雄ヘラクレスですら手を焼いたヒドラの弱点。
寸刻の抵抗も叶わず焼き払われる首共。そしてその勢いのまま竜王の剛力で放たれる槍。
それは見た。あの森林公園で見た。
着弾し、爆炎をまき散らし、全てを灰燼とする自壊技]
―――『ファフニール』
[全力で、前へ駆ける。駆けながらその宝具を開放する。不死の不完全な拡大。それで耐えられるか分からないが、頼らずにはいられない。
背後で爆発を感じた。
しっかりと目を見開いて、その巨体へと拳を突き出した。
その相手は、自分の知るアサシンではない。竜でありながら英雄の技を扱う、本物の怪物。
ヒドラの毒血に濡れた拳を叩き込む。
しかし悲しい事に。それが通用する気は、まったくしなかった]
[聖杯の力がさらに大きく軋む。]
ふう…。
[息を吐く。
同時に、この世界に在る身体という枷の影響を少なくし聖杯を間近に感じ取ることでなく、自身の存在を維持するための魔力を確保する方に意識を動かす。]
仕方ない。
もう一度教会へ出向いておくか。
―南ブロック/望月邸―
[ふ、と吐いた息が微かに白い。
今日は冷え込んだようだ。
少しの沈黙。]
身体を冷やしては傷に障る。中へ。
……――己の身を、
まず考えるが 肝要だ、主。
[手を差し伸べて、
それでも立てぬならまた抱えようとするだろうが。]
他の気配は今のところなし。
アサシンばかりは分からぬが……。
[大丈夫じゃろうと独りごちて、敷居を跨いだ]
謝っても、やってしもうたことは取り返しがつかぬしのう。
まさかこの目で固有結界が拝める日が来るとは思いもせなんだわ。
これは聖杯戦争なんじゃな……。
[怪我の原因を思い出して、改めて実感する。
命あらば、と言われて少し唇を尖らせ]
そりゃあ、儂が生きてさえおれば、おぬしは構うまいよ。
全く、痛い分だけ骨折り損の草臥れ儲けじゃ。ああ痛い痛い。
[連呼しても痛みが引くわけではない。
それに、いくら魔力で癒ると言っても、英霊だって傷つけば痛いだろう。
住み慣れた家の長い廊下も、今は拷問のようだった]
なら、そういう事にしときましょうかね…っと。
[投げられた空き缶を軽く手で掴めば完全に握りつぶし、ゴミ箱へと放り投げる。]
……ったく、手の掛かる嬢ですわ。
だがまぁ、俺も嬢には死なれちゃ困るんでね。
[胸の傷、完全に回復するには一晩は掛かるだろう。
手負いでの戦い、己としては別に構わないが……。]
ヤロウとの約束もある。
ならば今宵は、戻って大人しくしてようって話で。
[万全になってから。
キャスターとは確かにそう言った。
ならば、今日のところは大人しく回復に努めよう。]
ってわけでほれ、"一緒に"帰りますぜ、嬢。
[叫んでいる志乃の方へと振り返る。]
ぐっ・・・・・・
[怯む。竜殺しの拳に毒。
残念ながら竜王にとっても、そして魔槍にとっても弱点であるのに変わりは無い。
だが、現在の無頼の魔力では”既に聖杯へと戻った英霊”の力しか引き出せない。
致命傷を受けるほどではない。だが決してまったくの無力なわけでもない]
さすがだ、私の最高傑作。
この姿の私をもって怯ませる。
[だが、予感がした。
大きな魔力が突如流れ込んでくるであろう予感が。
先方へと着弾した魔槍が爆炎を上げるのが視野に入りながら、巨大な竜の拳は娘へと連続で拳を打ち込む]
まだ死んじゃ駄目だよ、ブライ。
ちゃんと勝つようにね…。
[今の状態では大したサポートもできまい。
こちらは、こちらなりに動くことにする。]
さあ、行くよ。
[水を呼び、身体に纏わせる。
その上に座り、身体を持ち上げる。]
く…重いな。
[それでも、あくまでも優雅に。
脚を組む。]
ふっ。
[水の一部を霧に変える。
これでは地上の人々が僕の美しい姿を見ることができず哀しい思いをするだろうと思うのだが、まあ、仕方のないことだ。]
[悪い事はさらに続くらしい。
魔力が吸い上げられていくのを感じた。
どうやら、アサシンがどこかで戦闘しているようだ。
そして魔力の吸い上げ方を考えると宝具を連発している気がした]
だとすると、やばいなこりゃ、近くにはサーヴァントだし、
令呪で呼び寄せるのも微妙な感じだぞこれはー。
[令呪による召還が戦闘の致命的な隙になってはまずいし、
かといってこっちがピンチになったらサーヴァントを呼ばなくてはいけないし、かなり綱渡り的状況だった]
それに、今はまだ大丈夫だけど魔力消費が過度になってくるとそれはそれでやばいし……。
[少しでも状況を良くする展開はないかと、
頭の中で数千のパターンを思い描く。
しかしながら、浮かんでくるパターンはどれもあまりよくない状況ばかりだった]
―南ブロック/望月邸―
[え、と息を呑むも声にならない]
愚かじゃ。
[吐き捨てるように、謂うのは魔術師]
……愚かじゃのう。じゃが……、
[搾り出すように、悼むのは誰。
心を飛来する様々は、奥底に封じる。これは聖杯戦争なのだから]
ようやった。
魔術師が死ねば、いずれセイバーも存在を維持できず脱落するであろう。
まずは一組討ち取った、と。
褒めるべきところなのじゃが。
[そう言っても、やっぱり弓兵は色よい顔をしないだろう。
一層蒼白くなった横顔を月明かりに晒しながら、呟く]
マスターを射抜くつもりは、なかったのじゃな。
[ただ事実を確認するだけ。責める言葉も、慰める言葉も、かける資格なんてない]
―教会―
[ゆっくりと霧が教会付近に舞う。
その霧が消える頃には、既に地に降り立ち、教会の中へと足を踏み入れている。]
さて…。
[中を見回す。
と、奥から見知った顔が現れる。]
ああ…神父か。
やあ、また会ったね。
[にっこり。]
── 南ブロック:拠点が見える位置 ──
[戻る道は沈黙が続いた。]
残してきた二人と拠点の安全は、
理由の一翼にはなるだろうが。
メイアル・ユーリの危機はエラトが対応する……。
サーヴァントとはその為にいる。
回復が必要な者は一人ではない。
おのれが回復する間に、敵も回復する。
それでも回復に集中するなら、
そもそも出歩かない方が適切だった。
あの寺院に居た女神達に向けた
戦術的な理由が無いなら ……仮令マスターの言葉と言えども。
手ぶらでの帰宅は承服しかねる。
[やな風、と言うラナの言葉に空を見上げ、こめかみに片手を当てた。]
[服の裾を引かれ、空に伸ばす骨張った左の指先は、マスターの灰銀の髪には触れそうで触れない。ラナが先に駆け出しても、バーサーカーは動かない。]
──…
私は何の為に呼ばれた。
戦わずして得られるものが無い事を
知っているからでは
……なかったの か?
[零れるような低い声。]
異端審問官は、
なごやかな食卓を囲む立場の者では無いのだ。
[トナカイを愛でる年若い娘はトナカイよりも愛おしまれてしかるべきものだ。だが。
揺れて光る銀糸を惜しむように、目隠しの上から更に眼を覆った。拠点はすぐちかく。何かあれば、令呪で呼びつけられよう──と、ハインリヒはラナを追わず、闇に紛れる。]
―南ブロック/望月邸―
――…、セイバーのマスターが
何を思っていたのかは、分からないが。
[英霊の戦いに割り込むことは、
濁流に力なき一葉を舞い落とすに似る。
巻き込まれ、飲み込まれるばかり。
少しばかり眼を伏せる。
それ以上に表情は動かなかった。動かさなかった。
マスターを射抜くつもりはなかったかと問われ、
カルナは、静かに頷く。]
…――。
賢いやり方ではないと、分かってはいる。
まあ多分、儂はおぬしを庇うような愚行は犯すまいよ。
真にサーヴァントを惜しむなら、
自身が生き延びることが最優先じゃと、弁えてはおるからな。
[姫倉が、ジュリアが、サーヴァントを庇う気持ちは本末転倒だと。
魔術師ならば、誰もが当然分かっていること]
じゃが、得てして人は過ちと知りながら愚行を犯す生き物じゃ。
サーヴァントへと、マスターを駆り立てる気持ちもまた、
人間、なのじゃな。魔術師であることに徹しきれなんだ結果じゃ。
[アーチャーの言葉に、思い出したように身震いした。
夜闇に吐息が白く凝る。
傷口だけは、相変わらず灼熱の鉄塊でも押し付けられているかのように、熱かったが]
ん。
[小さく頷いて手を取った。
同じ人間と錯覚するような体温が伝わる。
そして、そこに走る傷もまた、同じく痛いのだろうと、瞳を細めた。
足元は覚束無いが、意地でも自分の足で歩く。普段はない足音がした]
儂はおぬしを頼るとは言ったが、甘えるのとはまた違うのじゃ。
驚きだよね。
でも別に、何かの魔法やまやかしでここにこうしている、ってわけじゃあ、ないよ。
[まだ、ブライは生きている。]
ああ、そうだ…。
確認したいことがあるんだ。
[神父の目をじ、っと見つめる。]
前回の聖杯戦争の参加者たちは、それぞれ令呪を、不自然なかたちで失っていた…
[少し、首を傾げる。]
そうだよね?
効いた……!
[相手の異常さ、強大さ、そして相性の悪さに諦めかけていた。しかし怯む敵の様子を見て、瞳に力がこもる。
竜王の拳が連続で打ち込まれる。不死性の拡大は身体に負担がかかる。ファフニールはもう使えない]
―――喰らい合え竜族同士。
[焼き払われた糸に魔力を通す。比較的損傷の軽いものを探し当てる。僅か、二本。
それだけあれば、戦える。
ヒドラの再生。自身の髪で編んだ糸は千切れても再び絡み、結び、繋がり、武器として再生する。
ザバーニーヤは生来のものではなく、自分が体得した技。ファフニールが産まれ持った力なら、体得したそれは誇りのそのもの。
そこに戦いがあるなら、いつまでだって続けてみせる。
踊るように操り、繰り出される拳に双頭を合わせる。真っ向から打ち合わすのではなく、その軌道を僅かに逸らして流す。そうしながら掠めるように、毒血を擦っていく]
ま、冗談は置いといてさ。ルナ、セムは?
[後ろを見てもいない。
まだ外にいるのだろうか]
一人で帰ってきたの?
なわけないか。
二人で出て行ったんだから、一人になるとしてもここの近く、かな。
エラトはそんなことしないだろうけどさ。
どこに何がいるんだか判らないんだからね。
―南ブロック/望月邸―
だがそのつもりなくとも
私がマスターを射抜いた事実、変わらぬ。
此れは《戦争》。何が起きようと不思議ではない。
[――呪われた宿命の所為か。必然か。]
――そうか。…ならば、安心した。
[弁えていると云われれば
ほんの少しだけ、笑みのような、
曖昧な表情を浮かべた。
愚行、に関しては何も云わず。胡蝶の手を取って支える。]
――そうか。それは、対等であるということだな。
[或いは主なのだから胡蝶のほうが上だろうか。
緩やかに、互い違いの眼を細めた。]
―南ブロック/姫倉邸―
じゃあ――……おやすみなさい。ちゃんと休むのよ。
[半ば、加藤に押し付けるような形で。己の主を、休養させる]
一晩で、治ればいいけど……あまり、無茶はさせれない、か。
[これからのことを思って。小さく、息を吐いた]
―南ブロック/望月邸―
何も思う暇なぞありはせぬ。咄嗟に身体が動いたんじゃろう。
[それは本能の裁決だ。人間と魔術師の間で揺れ動き、どちらに天秤が傾くかということ]
そうしたかったから、した。それだけのことじゃ。
魔術師は衝動を飼い馴らすための訓練もするが、
結局は勝てぬのじゃろうよ。合理性だけで人は動かぬ。
[だから気に病むなとは、続けられなかった。
むしろ、聖杯戦争に身を投じる限り、同じようなことが起こらぬとは限らない。
手を下した彼自身が、受け止めるべき一矢]
主である儂の責任にしても構わぬところじゃが、
おぬしはそういったところも、不器用で律儀じゃからな。
厄介な性分だとは、この短い間だけでも知っておる。
[アーチャーの手を借りて、まずは薬箪笥に囲まれた小部屋へ]
[月光差し込む廊下を歩き、
しかるべき場所へ胡蝶を送りながら、思う。
英霊は、消えてもまた“座”に戻るだけだ。
だが、人は、死すれば其処で終り。
マスターは生きていればその先が在る。
口には出さないが、
そう考えていた。
だが――誰が知ろう。
此度 魔術師が生き残ろうとも
ただでは済まぬ――否、
魔術師として“死んだほうがよかった”と
思えるような状態になる可能性があることを。]
ぐっ・・・・・・
[その天才的な舞踏を捕まえきれない。竜王の呪いを用いた代償、俊敏性の犠牲がここで仇を成す。
その身に毒をくらいながらも、腕を振るう。表皮は削られ、その身があらわになっていく。
魔槍の力も使い、そして竜王の力も限界を迎えようとしている]
対等、か。
それぞれのできることをする、
役割分担という意味では、然りじゃ。
マスターとサーヴァント、
どちらが欠けても、聖杯は手に入らぬからな。
[薬草や乾物を秘伝の比率で調合し、煎じて飲む。
緩やかな痺れが、裂傷の悼みを麻痺させるまで、しばし]
効果覿面なのじゃが、とにかくアレコレ鈍くなる薬でのう。
単独任務の内には、あまり服用せぬのじゃが。
おぬしという最大の味方もおるし……。
[味は表情が語っている。形相がひん曲がるほどに劇的な不味さ]
集中を要する魔術や、令呪での感知もままならぬかも知れぬ。
それでも昼くらいは表面上普通に振舞えよう。
―南ブロック/望月邸―
[胡蝶の声が月光のように、静かに降りる。
合理性だけでは動かない。
そうだろう、己も、そうした。
――身分を偽って。
――宿敵に届くために。
――不利な誓いを結んで。
選び、抗い、そして、《奇跡》を求めて此処に居る。
胡蝶の言葉に耳を澄ましていたカルナは、静かに頷く。]
――ひとがひとである由縁、かもしれないな。
[厄介な性分、と云われれば少々困ったような顔をした。
図星、なのだが。]
私のほうも。
…貴方が短気で意地っ張りで高い矜持を持つことも
この短い間に、よく、分かった。
[――意趣返しではないが、云っておいた。
薬箪笥の部屋に入れば、
あとは胡蝶の指示に従う。]
そういう薬か……、承知した。
だが、早く傷も癒すように、*努力はしてくれ。*
そういえば、毎晩不思議なのじゃが、
寝床は要らぬのか?
サーヴァントに睡眠は不要じゃろうが、
毎度寝ずの番をしておっても、
安まらぬじゃろう。
寝具なら離れの屋根裏部屋にでも用意しておくから、
気が向いたなら使うといい。
[一度は人の身で死を体験した英霊が、マスターの死をどのように解釈しているかなど、知る由もない。
黴臭い薬部屋で一通りの処置を終えると、傷口を庇いながら湯浴みで汗だけ流して、床に*就いた*]
―― 西ブロック/教会 ――
[主人の亡骸を抱え、辿り着いたのは監査役のいる教会であった。
無言のまま門を抜け、コツ、コツと閉ざされている扉をノックする。]
ブライの力が何と引き換えに得られたかと考えれば、それしかないことに気付くさ。
でも、そんなのはどうでもいいことだろう?
[そ、と指を神父の唇にあてる。]
誰か来たようだよ。
君は来客に対応しなきゃならない。
僕はまた、聖杯のところへ行く。
挨拶に行くだけだ。分かるよね。
…ここには君以外誰もいない。
いいね?
[ヒドラの毒血。
かの大英雄をも殺したその毒は、暗殺者にとって最高の武器だった。
神の血を継いでいようと、特級の媒介があろうと、人の身でそれを完全に再現することはできなかったが、それでも強力であることは疑いようがない。
そして、彼女が使う技を選んだのは、この父親]
私も……驚きです。自分でも、勝てないかと思った。でも、私はちゃんと戦えている。
これは私の手柄じゃないですね。
あなたは一点、妄執が素晴らしかった。
あなたの創り上げた最強は、ここまで完全だった!
[竜王の動きが鈍る。その隙を突いて跳躍した。目指すは巨躯の頭部。
叩き潰せば、竜でも死ぬ場所。
空中で羽のように腕を広げ、竜の双頭を操る。ゲロのようにグチャグチャにしてやれと、自らの宝具を繰り出した]
ぐををををを!!!!
[頭部への直撃は免れたが、その一撃によって竜化の呪いは崩壊する。
頭を手で押さえた竜人は、次第に下のハサン・サッバーハへと戻っていく]
くっ・・・・・・まさかこれ程とは。
私は間違っていなかった、という事だ。
だが、お前がハサンになった事でハサンは終わってしまった!!
結局私がハサンの歴史に幕を下ろしたようなものだ。
[扉を開けると、はたしてそこには監督役の姿。]
夜分にすまない。
此度の聖杯戦争の脱落者を連れてきたである。
弔いをお願いしたい。
[抱いていたジュリアの亡骸を差し出せば、教会の空気に触れて黒く燻ったものが一条、伸ばした腕より立ち昇る。]
・・・・・・分かりました。確かにお預かりしましょう。
きっと、神の元へ、召されるでしょう。
[少しゆるい表情で、ジュリアの亡骸を受け取る]
[その表情の向こうに何があったかなど気付きもせず、ルーサーにジュリアの身体を預けると深く一礼する。]
よろしくであるよ。
それでは、失礼するである。
[顔を上げ、踵を返せば教会を振り返ることなく立ち去った。**]
[頭部に直撃こそしなかったが、元の姿へと戻っていく父親。前代のハサン・サッバーハ。
かつて見た貌に想いを馳せて、その仮面に目を伏せる]
それについては……謝ります。
私は死ぬ間際、誰でもなく死ぬのが嫌だった。私も名が欲しかった。後世に語られる名が。
[ハサン・サッバーハは貌の皮を剥ぎ、仮面を被り、誰でもなくなって名を継ぐ。
それは、死んだら速やかに首領をすげ替えるため。
その名を持つ者が19も存在するのは、成る者が全て死んだからに違いなく、そして死を怖れなかったに違いない。
故に、彼らは貌を無くし誰でもなくなることで、使い捨ての王となる]
私も、自分の神性などで割り込みをかけたりせず……そうすれば良かった。
[これは、そういう悲しい話。
貌を持つ彼女は、誰でもないハサン・サッバーハではなく、ハサン・サッバーハである誰かとなってしまった。
そんな言葉遊びのようなイレギュラーのために、魔術的にまでその儀式を昇華させていたハサンは概念的にすげ替えが効かず、完全に死んでしまったのである。
こうして。
一族の再興を願ったハサンが創り上げた最強は、
一族を完膚無きまでに殺し尽くしたのだ]
[傾げた体を建て直し、娘へと向き直る]
私の最高傑作にして、私の過ち。それがお前だ。
だが、今の私ならお前を今一度ハサンのひとつへと押し上げる力があった。
もう一度言おう。私と共に来い。
お前はこれ程の力を持っている。だが今のままでは英霊として・・・・・・否、アサシンという概念を背負う英霊としても、神性を持つ英霊としても異端でしかない。
私と共に、同じ英霊の座に戻るのだ。そうすれば、お前はハサン・サッバーハに。私の真の意味での最高傑作になれる。
そして暗殺教団は真の意味で復興する。私が聖杯をつかむことによって。
お前はただ、今のマスターの令呪を私に差し出せばいい。それだけの事だ。
[住宅街は静まり返っている。
闇の中、絡まりあった見えない糸が縺れてゆれ、不快な風が起きているのだ。]
──…ッ
頭が割れるように痛む。
打ち鳴らされる 警鐘の如く。
[気が付くと拠点からは離れている。マスターの令呪とは異なる繋がりが、ピンと何処かで張っては力が揺れる気配を感じた。ラナと離れた事は、数分後に感じる「それ」を予見しての直感的な行動であったのかもしれない。]
嗚呼、
成る程。
嗚呼、
[ゆらりと揺れる漆黒の痩躯。褪せた色のプラチナブロンドが月光を反射して、闇の中、不吉な光のように白くに浮かび上がる。]
……魅力的な提案です。思わず、ツバを吐きそう。
[ふ、と。笑みを浮かべる]
異端は承知の上。それでも私は私です。
今も私の名はハサン・サッバーハしかありませんし……私が聖杯を手に入れてしまえば、それで済むこと。
それに、言ったはずです。
彼を裏切ることはできません。相棒ですから。
── 教会 ──
[バーサーカーが現れるのはセイバーが去った後の教会。本来ならば、中立地帯であり敗北したマスターを保護されるべき中立地帯。]
──…
[くんと鼻孔を動かして嗅ぎ取ろうとするのは聖杯の黒い気配。
聖杯からの呼び掛けがなくば、知り得ない場所で戦闘で死亡したマスターの令呪が無防備に残されている事など、気付く訳が無い。
バーサーカーを呼び寄せる事に成功した聖杯は今は沈黙を守っており。
セリアは不在、ルーサーだけが居る。]
[聖杯を見つめる。]
君も、難儀な存在だよね。
願望機、か…。
[聖杯戦争という代償によって、人の願いを叶えるもの。人の心の闇に絶望し、しかし誰かの願いや代償なくしてその絶望を掃うことはできない。
それは聖杯の役割ではない。
…だから、同じように絶望を抱えた僕らに願いを託す。「あの闇」はもう見たくない、と。]
僕らは、勝たなきゃいけない。
君は、頑張っているんだから…。
そうか。本当に残念だ。
暗殺者であるお前の心をそこまで拘束する主に恵まれたか。
ならば、やはりお前は欠陥品だ。
自らの目的よりも主従を尊重するなど、この私の教えた暗殺者としての心得ではない。
[魔力が近づいている。
この最高傑作にして不良品を滅ぼす力が。
右手を空に翳す]
[新たな気配に、再び元の部屋へ戻る。]
…君か。
[ああ。]
やっぱり、衝動が上回るのか。
警告したのにな。
[ルーサーの耳に口を寄せ、囁きかける。]
ごめんね。
少し、見ない振りをしてて。
……山の翁が何を言うんです。
[山の翁。
薬物で楽園への門を開き/死の恐怖を忘れさせ/恐れを知らぬ暗殺者を作りあげ/次々と敵地へと送り込んだ者。
ハサン・サッバーハの別名の一つ。
死の恐怖を忘れさせるのは、その者の命などより使命が重いため。
確実性を求める故に、命など度外視し、次々と使い捨てて来た者。
そして、すげ替えの効くハサンたちは……自身もまた、そうやって死んだ。
彼女はこう思う。アサシンとは、死に方をそう決めた者。
懸ける者は戦士。
計る者は魔術師。
彼らは自分のソレを度外視し、他人のソレをするりと奪う]
暗殺教団は滅びました。
それを再興させたいのは良いですが、自らの願いに固執した時点で、あなたの方こそ不完全なんですよ。
[安置されたジュリアの屍骸を見下ろす。]
──…
昨夜の闇の魔物のマスターか。
サーヴァントは悪く無かったが……。
[屍骸の側に覆いかぶさるようにして、しゃがみこみ令呪のある場所を探す。
淑女のドレスを切り裂く行為は、いっそ優しく淡々としている。
令呪を見付けると、詠唱の無いシングルアクションで道具を取り出し、何の儀式も無しに令呪を肉体から引き剥がした。]
[引き剥がされた令呪は光の束となり、教会の奥に厳重に安置された聖杯へと吸い込まれて行く。
バーサーカーは、マスターからでは無い、力が身の裡に満ちてくるのを感じる。]
・・・・・・さらばだ。
[力の奔流が近づいてくる。
無頼の枯渇した魔力が潤い、むしろ今まで以上に満ち足りていく予感。
右手をかざしたまま、娘に対して思いつく最大の宝具を身に宿す]
娘よ、これこそが餞だ。
無頼が掴みし英霊の力。その中でも知る中で最大の宝具。
その身に刻んで聖杯の中へ飲み込まれよ!!
イカロスが宝具・・・・・・
『エンジェル・ハイロゥ』
人の心の闇は、重いな。
[聖杯と「同じ」になるというのは、あの闇と聖杯の絶望を身近に感じるということ。]
闇に飲まれるのは意識の奥にある「声」を聞けないままじゃ、当たり前のことか。
忍神町の人々が飲まれ消えたように…。
[バーサーカーが名も知らないあるマスターの死体を暴き、令呪を剥ぐのを見つめる。]
ま、僕は困らないけどさ。
[令呪は聖杯へと吸い込まれていく。
やっぱり、これで合っていたらしい。]
[体中に魔力があふれる。
そして、ハサン・サッバーハの周囲を光の輪が包み始める。
ひとつ、ふたつ・・・・・・気がつくと光の輪がハサンの体を中心に8つ、光り輝く。
今まで奪った令呪の数、その数と同じ天使の輪。
まるで球体のようになった光の輪達は直径を広げ、アサシンを飲み込む]
[飲み込まれた先は、光り輝く戦場]
[そして、その戦場には]
[8体の力天使が翼を羽ばたかせていた]
[大天使にして前・天使長 イカロスが放つ宝具。
それは、神々の戦いにおける戦場であり、
部下である天使の召還]
[範囲ではなく対象のみを飲み込む、局所的固有結界]
[たった今、剥がしたばかりの令呪はもう跡形も無い。
水仙があやしく薫る方へ、首を傾け──、]
衝動では無い。
私はただ、マスターの魔力を消費せずに
戦いたいだけだ。
[残念だが、君の理解など望まないと言う風に、くちびるを歪めた。]
・・・・・・行け。
[アサシンが震える手で命令する。
そして、天使兵達が一斉に、ハサン・サッバーハへと断罪の槍を突き立て蹂躙すべく突進する]
ふうん。
まあ、そういうのもいいんじゃない。
それは結局君と君の大事なマスターとつながっていない、ということでもあると思うけど。
[自身の存在の維持に無理を感じなくなる。]
…前戦争の令呪はサーヴァントの力を使うための代償になったみたいだけど、今回は新たな魔力の源になるみたいだね。
僕らが、それを望んでいたからかもしれない。
──…
私は私自身の願いだけではなく、
私のマスターの願いを叶える為に此処に居る。
何を型に嵌め込んで
断じたいのか知らぬが。
ただ、その二つだけに過ぎない。
[何かが来ることは分かっていた。力の奔流の気配はしていた。
なのに、自分はなぜ動けなかったのだろうか。
思い浮かべた理由には、少しだけ笑ってしまった]
決闘ですよ。借り物ばかりで戦って……まったく。
[白い、どこまでも白く神々しい固有結界の内で嘆息し、ぼやく。
恐怖は無かった。ただ、確実に自分はここで終わりなのだという、予感だけはあった]
しょうがない人です。
親子喧嘩も、まともにできないなんて。
[それは、彼の願いに対する罪の意識か。もしくは、ただの親子の情念か。
双頭の毒竜を操る。襲いかかる天使たちを迎撃する。
あるいは、その首が万全の九つあれば……善戦もできたかもしれない]
[自らの娘が天使兵によって引き裂かれる光景が目の前にあった。
一体一体がサーヴァントと同格、それがこの”劣化”した状態。さらに前戦争、今回の戦争で奪った令呪の数だけ召還されている。
真っ白な世界に、娘の体から噴出す血液が赤く鮮やかに舞う。
神々しい世界の、血塗られた光景。
手が震える]
[そこにあるのは、決闘ですら借り物がなければ戦えず、なおかつその借り物の恐ろしさに震える・・・・・・悲しい暗殺者の姿]
──…
傍観者然とした言葉の羅列は
美しいな。
[ナルキッソスを直視する事は避け、事は既に済んだとばかり教会を立ち去ろうとして、ふと振り返る。]
マスターとサーヴァントの繋がりと言うならば。
君と、無頼は如何なのだ?
──彼に何を想う。
いや、いいよ。
疑わないさ。
君の意識がそう望むんだろう。
型に嵌める、か…。
そう、今の僕じゃ、そういう風になってしまうかもしれない。君のことが分かる、わけじゃない。
けど、それでも言っておこうと思うのさ。
ただ闇に飲まれてはほしくない…
哀しいからね。
[天使の手によって引き裂かれていく。
丁寧に、手際よく、ザクザクとやられていく。
消えていく意識の中で。消えていく視界の中で。
目の前に震える男の姿]
…………。
[もはやかける言葉などなく。
舌を出して、笑ってやった。
意識は最初の一撃で曖昧で。
痛覚を誤魔化した身体は、冷たくなっていくのが良く分かる。
最後にもし何かを呟くとしたら何を口にするべきだろうか。そんなことを考えて、一つだけ思い浮かんで、
口に出す前に消えてしまうのが、未練だった**]
ブライは…そうだな。
僕と似た絶望を負っている哀しい男だよ。
大事な道具で、大事な同志だ。
ブライがいなきゃ、僕は勝てない。
僕はブライのために何かをしようとは思わない。
ブライもそうだろう。
僕にとってブライは大事だけど、それは僕の望みを通すために必要だからだ。ブライに対して何をどう思うとか、そういうのははっきり言って、ない。
[振り返って首を傾ける。
それは避けていたはずの注視になる。
傍観者と言うのか、抽象的な詩人のような美を宝具とするナルキッソスの言葉は理解が難しい。──息を吐いた。]
闇に飲まれて欲しく無い。
そう言う、君はどうなんだ……。
……似た 同士
彼を、哀しい男だと言うのならば。
[自分自身は哀しくは無いのか。
哀しみに耽溺する事無く、ただ願いを叶えようとしているのか。教会で前回戦争の勝者の無頼陣の名を見た時に覚えた衝撃を思い出す。]
[天使が散る。そしてその後には無残な娘の霊体が残った]
くっ・・・・・・
[娘の体を抱えると、エンジェル・ハイロウは即座に解除され、天使の姿も消えた。
まさに一瞬の一撃を特定の相手に与える為にだけ展開される極狭な固有結界。そしてあまりの魔力の消費量に数秒しかもたない一撃。
そして、ハサン自身の右腕も犠牲になる程の威力。
魔術回路が焼き切れている]
この技、そしてセイバーのゲイボルグはこの私には荷が思いというのか・・・・・・?
[それ以前に、ライダーの宝具は前戦争時よりも威力は増大していた。まさかこれ程の威力とは思っていなかった]
とんでもない英霊を抱えてしまったようだな、無頼。
[娘の体を、まるで聖杯へ安置する為であるかのように抱えながら、アサシンの体はエーテルの霧へと変わった]
−忍神町−
[無頼の姿へと戻り、右腕を調べる。
無事だ。焼ききれたのはアサシンの魔術回路のみだったようだ。
少しだけ冷や汗をかいた額を左手でぬぐった]
魔力が戻ってきている。
今ので随分と使ってしまったが、回復も早い。
これであれば・・・・・・勝てる。
[不足しているが、少なくとも前戦争でライダーのマスターが滅びた原因となった『エンジェル・ハイロウ』を発動し、こうやって生存出来た事だけでも僥倖といえる。
仲間となったバーサーカーに感謝をし、*少し休むことにした*]
[笑う。]
誰だって、好んで絶望するわけじゃない。
[目を瞑る。]
闇に飲まれても、僕は立ちあがったさ。
絶望の先の道を僕は歩く。
僕の本当の望みを通す。
[魔力の軋みが止む。]
ふ。
[笑う。]
ブライが勝ったかな。
タイミングが良くて、助かった。
ありがとう、誰かのマスター。
[遺体に笑いかける。
ちょっとしたサービス。]
…神父、もういいよ。
自分の役割を果たすといい。
僕はもう行くよ。
令呪がどう働くか分かった。
代償をもってしてなら聖杯が世界へ働きかけをしても大きな負担がかからないことも分かった。
いいタイミングで令呪を奪えて、ブライは勝った。
十分な収穫だ。
…僕は、ブライに頼ることを恐れない。
大体同じ方向を目指していると知っているからね。
じゃあ、また。
次に会う時の君を楽しみにしてるよ。
― 南ブロック / 拠点 ―
[眠れずとも、床について眼を閉じていれば、体は休まる。
いつか貰った言葉を思い出しながら、天井を見ていた。
暗闇が僅かに蒼く照らされている。
木目を浮かび上がらせるには至らない。
けれど、色を感じるには十分な月明かり。
色を感じることさえ出来れば、形を見ることも出来るし、もっと明るくなれば、そこに映る微細な気配とて読めるようになるだろう。
五つの頃から、朝になるまでそれを眺めていてやろうと決心して、じっと眼を凝らすのが好きで、いつも窓の外が明るくなる頃には、眠りこけてしまうのだった。
今日は、いつもより多く時計の針の音が聞こえる。
今日は、いつもより多く畳みが軋む声が聞こえる。
起きようとしては止め、枕もとの刀に手を伸ばそうとしては止め、気晴らしに魔力の試運転をしようとしては止め、結局は何もしないまま寝転んでいた。]
……。なー。加藤。おるんやろ。
[紙戸の向こうに声をかける。もそ、と気配が揺らいだ。
上半身を起こし、もう一度同じように声をかけた。
すると、「大人しく休んで下さい」と返ってきた。]
ちぇ。
[起こしていた上半身を、再び布団へ潜り込ませる。]
…………。
[沈黙。
……今度は、紙戸の向こうから声がかかった。]
[「達政さんが亡くなられてから、十一年になりますね」]
そうやね。
[「お辛くはありませんか」。]
ないよ。
[「……本当に?」]
本当に。
[「…………。」
紙戸の向こうの気配は、ほんの少し笑ったようだった。
「相変わらず、頑固なお人や」]
…ふん。何とでも言え。
[返して、姫倉もほんの少しだけ*笑った*。]
…――あー。
いや、ここの目の前までは、一緒に帰ってきてたんだけど。
[サーヴァントの居場所を問う声>>848に、微妙に言葉を濁した。
仮にも「バーサーカー」である彼を、彼是と縛りつけられる程強制力は持てない。
…あの場を命に従って納めていただけでも感謝すべきなのだ。
先のセムルクの言葉>>839を思い出して、一つ深い溜息を落とす。
一利あるから、間違ってなかったから。…言い返せなかった。
戦術的な理由なんて、無い。
ただあの場で、自分があの理由では戦いたくなかっただけ。
聖杯が欲しいと思っているのは本当なのに、
其れを手に入れる為にまで、理想を求めているだけで。
――結局、魔術師として自分は甘いのだ。判っている。
…判っているけれど。]
…――、
[瞬間、ぴく、と僅かに肩を揺らした。令呪を介して伝わる感覚。
サーヴァントの魔力に、変化があったのだと直ぐに判った。
ただ、何かが違う。
いつもと、似ている様で――]
…、え?
[己の魔力は減らない。――むしろ、逆だった。
ほんの僅かながらではあったけれども、
眉を、寄せる。
…彼は、そんな術を持っていただろうか。
己が知らないだけという可能性は、十二分に有り得るが
其れにしても、「バーサーカー」が?]
…っえ、あ。 ゴメン、何でもない!
[ユーリに訝しまれれば、咄嗟に「何でもない」と否定を返した。
一度だけ、令呪の刻まれた親指の付け根に視線を落とす。
ほんの僅かな変化。
気のせいかと、そう思えるほどに直ぐに判らなくなった其れ。
…自分に、不利益がある訳では――ないけれども。
先の彼(サーヴァント)の言葉を思い出す。
唯でさえ魔力を消費しやすい現状での、僅かな兆し。
僥倖だと――そう単純に喜ぶには、
嫌に重い何かが胸の奥を去来して、少しだけ、*難しかった*。]
―夜明け前・南ブロック―
ぅ――……。
[――夢をみていた、そんな気がする。
勿論、サーヴァントは、夢をみない]
まだ、明け方前……か。でも。
[さして、日の出まで間もあるまい。
布団を整え、少しハネた髪を適当に撫で付けた]
喉……乾いたな。
[そう、台所を捜して、彷徨うと。
じゃらじゃら。じゃらじゃら。
なんだか、良い音がしていた。なんだろうか。覗いてみれば]
『あっれー。姐さん、どーしたんスか、こんな早くに』
――……ちょっとね。目が覚めちゃって。
『昨日、機嫌悪かったッスけど。まだ引き摺ってるんスか?』
――え?
『あーっ、よくないッス。よくないッスよ、姐さん。
徹マーやってんスけど、いっちょ、気晴らしにどうッスか?』
『……なら、俺が代わろうか』
『馬鹿野郎、山田手前、何考えて――南原、おい』
[東1局 親・東山(25000)/エウロパ(25000)/西村(25000)/北野(25000)]
――……幾つかで上がれる場合、どれで上がれば?
『よっしゃ、教えたるから、倒してみ?』
『メンチン、ドラ3か。高いのう。ビギナーズラックちゅうやつか』
『……んん? いや、待て……この形は!!』
『九蓮宝燈……だ、と!?』
[東2局 東山(9000)/親・エウロパ(57000)/西村(17000)/北野(17000)]
……あの、最初から揃ってる場合はどうすれば?
『……は? どういうこっちゃ?』
『まさか――天和……!?』
『待て……! し、しかも……!!』
『緑一色、四暗刻……!! ト、トリプル役満!?』
[終局 1位・エウロパ(201000)/2位・西村(-31000)/2位・北野(-31000)/4位・東山(-39000)]
/*
うわあああうちの子赤組だったああああ!!!www
かわいいなぁかわいいなぁあああ!!←
よしちょっと性格路線変えようそうしよう。
ということで、ちょっと考え方が甘くなりました。
一応、戦略的理由も考えてはいたのだけれど。
考え方が必要以上にシンクロしちゃうと、行動を許容しかねないから
村側ポジションキープできなくなっちゃう!
…と思ったりしたのだが、今見直したら魔術師としてより、
一般人に思考が近くなってしまった気がしなくもないのだが大丈夫かな…!
本家の凛が甘い子だから、まぁいいのか。 いいのか?
*/
/*
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
エウロパ姉さんパネェっすwwwwwwwwwwwww
*/
[――庭に出た。少し湿った、冷たい空気。
ひとつ、大きな欠伸に。視界が滲んだ]
――……ねむ。
サーヴァントに、睡眠は必要ないのに――なんで、まだ眠いのかしら。
[単純に気分の問題か、どうなのか。
機嫌が悪いのかと、山田は言った。
別に、悪いわけではない。良くないだけだ。
昨晩の会話で、すべてが元通り――というわけでは、ないのだから]
……まあ……どうしようもない、けどね。
[それでも、まあ、願わくば。
幾らもしないうちに訪れる、曙のように。明るい道行きにならんことを**]
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