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……ええと。
ええ。ご紹介にあずかった、妻、です……。
[微かに引き攣った笑みを浮かべつつ、頭を下げる。
内心、雷鳴に遊ぶ大神ゼウスが怒って主を打ちはしないかと、割にヒヤヒヤしつつ。]
……初めまして、異国のお方。
私が国元にあれば、飲食と数多の贈り物で歓迎し、
ご尊名とご出自をお伺いしたいところではありますが――、
[主の述べた、明らかな偽名でも判るよう。
この戦争、自分のような者は別にしても、英霊の出自など語るべきものではない]
/*
もう ログが 動いてる(吐血)
私は絶望していい。
絶対に絶望していい…っ!(笑)
置いていかれる自信があるよ!(ノノ)土日怖い
*/
[両者の予想通りの反応に、ゆっくりと笑いは収まる。]
や、すまん。
どうも、初対面は苦手でなあ。
[そっちも夫婦? との冗談は言わなかった。
ほう、と息を吐こうとしたところ――聞こえた。]
こら姐さん。あかんやろ。
[いきなり名を尋ねたライダーに、慌てて振り返った。]
すんません。
…そら、まあ。
ほんまの名前を名乗れれば、すっきりするんやろうけどね。
[偽名、というのは名を偽ると書く。
そして彼らはその名を馳せた英霊なのだ。良くも悪くも。]
え。
[そのまま神の気配纏う麗人が妻と認めたので
また藍の眼を瞬かせると、
胡蝶はまた呆れたような表情を浮かべたか。
かの宿敵アルジュナの父である
雷神《インドラ》に通ずる現世の雷もまた、
弓兵――カルナは得意ではなく、好みもせず。
彼女の父が雷神と知れば、複雑な感情を抱くやも知れぬ。]
本来名を名乗るが礼儀であろうが
此度、《戦争》に於いては叶わぬことであるな。
お心遣い感謝する、白く貴き方。
[諌める夫――もとい彼女の主にも気になさるな、と云う。]
[男はとことん律儀な性格のようだった。
時代が時代なら、小姓に一人欲しい逸材だ。]
……。
[ふと、戦争という言葉を聴いて思い返す。
ちらと見たのは、先程出てきたばかりの神の家。]
なあ。
ちょっと不躾かもしれんけど、聞いてええかな。
[表情は掴めないもののままで。
言葉だけが、真剣なものとして秋の空の下で鳴る。]
二人は死ぬ時、何を想った?
[主と、異郷の英雄とを。交互に、視線をやって。少し、迷って]
私は――あれはあれで、幸福だったから。
[でも、そう。未練がなければ、ここにはいない]
――父母の待つ、懐かしき父祖の地を。
神々に乱され、二度とは会うことのなかった、兄たちの姿を。
[蒼空を振り仰いで、呟き。
遥かなる彼方、そこにあるはずの大地に想いを馳せた]
―教会前―
英霊が生まれるのは戦乱の世じゃ。
それに比べれば、現世は確かに平和に見えるじゃろう。
[バスを降りて暫く進むと、空を貫く屋根の十字が見えてくる]
が、聖杯を望む者は絶えることがない。
何故じゃろうな。
ふふ、人の欲とは『不幸せでない』だけでは満たせぬものなのかも知れぬ。
[不幸体質の隣で意地悪そうに笑む。
先客の気配を感じ取りつつも、教会へ向かう歩調は緩まない。
教会の不文律を犯す気はないので、堂々としたものだ。
が]
……………………?
[姫倉の名に一瞬険しく眉を潜め、続いて「妻」の言葉に我慢できず吹き出した]
−教会へ向かう車の中−
…随分といろいろな物がありますね。
[ガラス越しの車窓の向こう、流れていく風景。
自分が生きていた時代とは似ても似つかない灰色と極彩色。
あまり珍しそうにしてはいけないと重いながらも、
控えめに視線をめぐらせた。
やがて、車は徐々に近づいていく。
少しずつ肌に感じるのは懐かしき空気。
純粋な信仰と敬愛に満ちた場所。
見えてくる十字に朱色を細めた]
[流れていく景色はメイアルにとってもはじめてみる物だった。
正確には、もっと幼いころに見てはいるはずで、でも景色の変わってしまった今は初めてといって差し支えなく。
けれども余り興味はもてないらしい]
景色だけで驚いてちゃ駄目よん。
世の中もっともっと不思議なことだらけなんだから。
あ、運転手さんストーップ。この辺りでいいよ。
[教会の十字が近くに見える。
指定したのは「教会と飯屋の中間くらい」などという曖昧なものだったが]
他の参加者と鉢合うのは心の準備をしてからの方がいいからネ。
ここで降りるよ。
[見えた金額を支払うとタクシーを降りる]
マスターとサーヴァントが夫婦気取りか。面白いのう。
[愚弄するでもなく、純粋に楽しがっている様子。
帯の巻かれた腰を折り曲げて笑っていたのを、ふいに正す]
儂は望月胡蝶と申す。
こやつとの関係は親子なり兄妹なり、見た目で適当に想像するがよかろう。
[アーチャーを肘で小突いてから、相対する両者に向ける視線は検分するもの。
姫倉の名には心当たりがあったので、同じく珍しい和装の青年を見澄ます。
今迄こなしてきた任務は望月家の財源であり、その依頼の多くは警察本部にコネのある父が受託してくる。
そうして裏社会に片足突っ込んだ身には、姫倉の名の示すところも、薄々勘付いてはいた]
不思議なこと…確かに、主の奇跡は
私どもには計り知れないようなことを
お与え下さいますけれども…。
[アメイジング。驚くほどの。
現代でならこう言われることも確かに体験した身の上ではあるが]
ここでいいのですか?
準備と言うにはいくらか距離があるように思いますけれど…
あ、ありがとうございました。
[主に続いて車を降りる。
そのときには運転手にも一つ感謝の言葉をつけた。
ただ、そのまま主のあとを付いていく形になる。
湿度の高い国では、己の衣は日差しもあって
いくらか体温が上がりやすい気もした]
今日の夢の整理。
飴玉・バス・ボール・ナイフ・小銭くらいか。
バスは使えないとして。
武器になるようなものと思ってナイフは出した。
―教会前―
最近の英霊は、斯様に礼儀正しいものなのじゃのう。
[見当違いの方向に感心しながら、姫倉の発した疑問に英霊が各々の答えを返すのを聞いている。
妻扱いされているサーヴァントにつられて高い空を振り仰げば、陽は雲に遮られることもなく六角矢を投げかけていて。
眩しさに細めた瞳を自身の影に落とす。隠されたアーチャーの瞳の彩に、思いを馳せながら]
主の奇蹟ねぇ。
んでも、今ここにあるものはぜーんぶ。人が作ったもんだよ。
長い時間考えて、自分らが住み良い世界にするにはどうしたらいいか、何世代も試行錯誤重ねてさー。
自然大好きな人には街中は住みづらいかもね。
ん?
ああ。まっすぐ教会に行く前にご飯!
ってぇ気分なの。
[教会の方角へと向かいながらも、視線は食事処を探す。見つけた鮨の文字にサングラスの下の目を輝かせた]
おすし屋さん……ここで会ったが百年目、いざ尋常に勝負! …なんてね。
教会先に行く? ご飯食べる?
とはいえまだ準備中みたい。
もちづきこちょう。
なるほど…。じゃあ、恋人同士ということで。
[同じく裏稼業に足を突っ込んでいる姫倉は――残念ながら全く心当たりがなかった。
とりあえず見た目から二人の間柄を設定しておく。
異文化カップル。悪くない。
そうこう考えている内に、まずはライダーの答が。]
……ふーん…。故郷と、兄弟か。
[姫倉はエウロパの伝承を詳しいところ知らない。
ただ相槌だけを打って、腕を組んだ。]
むーん…。
[目を瞑ってみると、そこには――シルクハットを着た数人の若い青年が、ティーカップを持ちながら「やあお帰り、エウロパ」などと言っていた。
姫倉の異国イメージはそんなものだ。]
メイン
呪文
Ich rufe dich an.
Sie träumen von fehlenden.
Als Orientierungsgröße in meiner spirituellen Kraft und Ihr Erscheinen hier
他
小さく多量にDie geringen Mengen
上から下へVon oben nach unten
速さを持ってMit Tempo
重量を伴ってMit einem Gewicht
覆うほどの量をGenug, um die Höhe der Deckung
手の中にIn den Händen
ただ一つSingle
そりゃあ血が繋がっておるようには見えぬじゃろうが、
おぬしの目は節穴か!
誰がこんな変質者と……!
[口と同時に手が出かかったのを、「ここは教会、ここは教会」と言い聞かせて自制する。甚だ不本意、と顔に書かれていた。
全裸召喚の悪夢は、忘れようとしても忘れられず。
気不味さにうろうろと視線が虚空を彷徨う]
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