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(>>17>>18続き)
[花嫁のベールに白い薔薇冠を飾り、挙式用のブーケを持たせ控室から送り出す]
今日はウソみたいに顔色がいいな。…え?一週間前に森の夢を見た?
…うんそれで?朝、検査の結果が出たのか。…どうだったんだ?
はぁ?!影が消えた?マジデカ?!…あははははははははは!やったな!やったな!道理で顔色がいいはずだよ。
さぁ、赤毛の花婿が顔まで赤くしてお待ちかねだ。行ってこい!
[病院のお仕着せのピンクと青の縞模様の寝巻姿ではない、純白のドレスに煙る氷霧のようなキラキラ光るベールをつけて、カサブランカを基調にした彩雲のようなブーケを持った彼女が軽やか笑いながらに出て行く]
あの森ではあんなに小さかったのにな。…なんで気が付かなかったんだろう?くくくっ、いま思えば同じ瞳なのに。
[教会の庭で行われる結婚パーティーの飾り付けの仕上げをしようと、車に戻りながら一人微笑む。
森が己の死と彼女の病巣と言う、まっくらな局面を吸い取ってしまった事。
森の迷い人が望むものを形にするには、もしかしたらそう言う負のパワーが必要だったのかもしれない。
森にとっては負の力ではないのだろう]
たまたま選ばれたのでもいい。この奇跡と偶然に感謝の祈りをささげたいくらいだぜ。
[カサブランカとシダにラベンダーのアクセントを加え、テーブルを仕上げて行く]
「すいませーん、余興に呼ばれた曲芸団の者ですけどー。」
ああ、合図があったらそこにある舞台でメインのショーをしてくれ。その後音楽がかかったら、各テーブルをめぐって賑やかしを頼むよ。
[ぞろぞろと数名の曲芸師が配置につこうと通り過ぎて行く。その中に茶色い髪を後ろで結わえた身軽そうな男と光るような金茶の毛並みの柴犬がいたが、準備に忙しい…は気が付かない]
[...は隣の病室がなにやら騒がしいのに気づく。窓から吹き込む風に誘われるように外を見れば、小柄な女性が純白のドレスをきて、ほどけるようにはすむかいの教会へ…]
………!
…、わぁ、……。
[両手いっぱいの花は、花嫁を美しく彩っていて。そのひとひらが運ばれて]
ふふ。
[教会からはいろとりどりのバルーン。賑やかな音。サーカスの声**]
よし、準備完了だ。もうそろそろライスシャワーとブーケトスの時間だな。
[列席者は協会の表階段に並んで、手に手に紙吹雪や花びらの混ざったライスを持って歓談している
病院で仲良くなったと言う長い髪がまるで青味がかったような色白の少女が、病弱だったとは思えないような明るい歓声で新郎新婦の登場を彩る]
よし、後は俺の仕事はねぇな。ちょっと一休みするか。
[鐘の音の中、少女のはしゃいだ声が楽しげに花嫁の名前を呼ぶ。先程の曲芸師は驚いた顔で声の主を探しただろうか?その顔を見つけた時に嬉しそうにほほ笑んだだろうか]
通りに面した表階段でのブーケトスを、通りすがりのスーツ姿の女性が足を止め眺めていた。
赤い髪をきつくひっ詰めた眼鏡の女性は、結婚式の光景に微笑みを浮かべ、その一瞬後、微笑んだ事に酷く驚いたような顔をしていた]
あ…れ…?
[思うより早く手は残ったカサブランカを掴み、足は疲れなど忘れ走り出した]
―――――――…!
[名前を呼ばれた女性は覚えているだろうか?
凛としてまっ白で飾らないのに美しいこの花と、怪奇現象が大好きな男の事を**]
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