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ガルシア河村 カルロスが「時間を進める」を選択しました。
[部屋が急に、広くみえた。
最初は3人だったから、いまと変わらないはずなのに。
愛美が杏にかける言葉が、静かに響く。
もし、泣き声が聞こえても、聞かないことにしよう。
自分もつられてしまいそうだから]
…………。
[とうに冷めたコーヒーを、静かに口に運んだ]
矢口 恵子が「時間を進める」を選択しました。
ウルフより、ルーへ。
岸壁にあるボートに鶯谷阿太郎が“意識不明の重態”としてすでに保護してある。
そちらを“病院”まで輸送をお願い。山田も戻ってこれないだろうけれど、スタッフが足りていないんだ。よろしく。
[どこからか自分を呼ぶ声がした。廊下から。
双海の頭を二度撫でてから、腕を離して立ち上がる。]
何だろ…。
[扉を開けると、山田の姿。]
あ、早朝に起こしちゃった?
ごめんねぇ。
[思いがけず早く扉を開けた碓井に、申し訳なさそうに微笑み]
これ、有難う。
昨日、着用させて貰ったよ。……ほんとは来た姿をまなみんにも見て欲しかったんだけど。
はやく、まなみんがこれを着た、可愛い姿が見たいから返しに来ちゃった♪
[他の同室者を起こさないように(早朝ですからね)、小声でそういうと、きれいに畳んだワンピを碓井に丁寧に渡す。]
これ着て、バッチリ恋する乙女に、なってね。
―207―
[何となくタイツに着替えた。
この方が、(ある意味目立つが)目立たないためには丁度いいだろう。今までも自分を隠してきた優秀な蓑だ。
今回ばかりは、使う理由が違うけれど。]
………。
[中辻は言っていた。
友達と、皆で卒業がしたかったと。
友達が植えてくれた植樹を、自分の手で植えたかったと。
今なら、その気持ちも分かる気がした。]
ああ、もう朝なんだ…。
[時計を見るともう朝の括りの時間。]
着てみたんだ? 見せてくれればよかったのに。
ありがとう。
でももう恋する乙女は無理かなぁ。
[苦笑を一つ零した。]
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