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ああ、なるようにしかならない。
きっかけがあっても、恋なんて思い通りにできるものじゃないさ。
[笑ってみせる。ちゃんとできているか少し不安だった]
だが碓氷。一つだけ忠告させてもらえば、だ。
君が真っ当にここを抜ける気なら、早い内に心の整理をしておいた方がいい。
うかうかしていると、余り物ばかりになるぞ?
いや、なんつーかなぁ。
[ジョジョの方に目線をやる。]
流石に女泣かせるのは、ダメージの桁が違うっちゅう話だよ。
たぶん過去最高の自己嫌悪だぞ、コレ。
責任取れっていわれりゃ骨の一本ぐらい差し出す勢いだわ。
[立ち直ってはいる……と思うんだが。
卓球や混浴事件等で忘れていたが、改めて思えばやはり自己嫌悪。]
―露天風呂へ向かう道中―
…。
[重い。]
…。
[どすんどすんと、歩く。
大きな木の箱を抱えて。]
…。
[なかなかの重労働だった。
いい石を集め、木箱を探し出し、工作。]
…。
[それを適度に熱し、運ぶ。
当然重いが、これを落としたら大惨事だ。]
[ぎこちない笑顔が見えた。]
忠告?
……。
余り物って、さっき「仲間」って言った口で結構な物言いだと思うんだけど…。
別に恋愛できないなら、出来ないでいいんじゃないのかなぁ。
[あまりものって誰のことだろう、と考える。タイツがまず浮かんだ。酷い話だ。]
―露天風呂―
[浴場のほうから、
誰かが入ってきたような音がした。
ん、とちょっとだけ見遣ってから
風峯の声に]
――いや、 いい よ。
大丈夫だから。
まあ、次は 気をつけてくれれば、な。
[前髪をかきあげる。
二越が反応しているところを見ると、
浴場に居るのは双海だろう。
風に、ゆったり湯気が舞って行く。]
骨の一本程度で責任を取れると思うなよ。
駿の責任はそれくらいじゃ済まないぞ。
たぶん。
[笑って駿に告げる。
二越の言葉に首を傾げる]
アンに恩返ししたいと思うのは、僕だけじゃないかもしれないけど。
感謝してるのは確かだね。
―大浴場―
…。
[海から帰った後、風呂と夕食、のつもりだったが、どうしてもサウナを楽しみたくなった。]
…。
[大浴場にサウナはついていなかった。
が、よく探したところ、露天風呂の脇に小屋があるのを見つけた。中に入ってみると、独特の段差。]
…。
[どうやら、熱した石に水をかけて温度を調節するアナログなサウナ。経験はあった。]
…。
[そこから、その男カルロス・ガルシアの孤独な闘いは始まったのであった。]
/*
ところで、青ちゃんに似合う水着は青よりも、白色か黒色だと思っていた。
白だと、ビキニタイプのパレオつきだよね!
パレオの裾に青色でハイビスカスがプリントされてたり。
黒だとセパレートでもワンピースでもいいかも…
でもワンピースなら、背中はガッツリあいてる方が(
はぁはぁ。みんなの水着姿想像してたらちょっとたまらんくなってきた。
何処のオッサンだ私は。
*/
余り物は酷かったか? なら言い直そう。
[芝居がかった仕草で、大きく腕を広げる。役者のように]
君がやっと気持ちを整理し、新しく恋を見つけたとしよう。
だが、それが他の誰かに奪われてしまうんだ。君より先に、その相手に恋をした人物にね!
それは双海か? 二越か? 矢口か? 葛城か? それとも今は伏せっているらしいが、姫藤院か?
君は古い想いを捨て去ることを強制され、新しい恋も奪われ、絶望するだろう! 心は地の底の暗い暗い場所にまで堕ちてしまうだろう。
そんな場面は、少なくとも僕は見たくないのさ。
あー、考えすぎたら逆上せてきたわ。
[ざばぁと勢いよく立ちあがる。]
俺は先上がらせてもらうわ。
本日二度目の風呂だし、な。
[風呂場の全員にそう言ってから、露天風呂を後にする。
途中ですれ違ったカルロスには、なんだそりゃ?とあいさつ。
サウナの準備と聞けば、ちょっと戻ろうかとも考えたが「また頼むわ」と、今回は遠慮することにした。]
…。
[そしてこの時間。ようやくその男カルロス・ガルシアは、ほぼすべての準備を終えて熱した石を小屋へ運んでいるところである。]
…。
[露天風呂へは、大浴場を経由して出る。
つまり、脚はとても滑りやすい。]
…。
[集中力だ。
集中力を、途切らせてはならない。]
…。
[一歩一歩を、ゆっくりと踏みしめる。
この一歩一歩が、桃源郷へとつながっている。]
−大浴場→2F廊下−
[脱衣所で新しい浴衣を着て、お約束のようにコーヒー牛乳。
この一連の流れだけは止められそうもない。
その後部屋に戻ってゆっくりしようとして……。]
そうか……204号室だったな。
[自分の今の部屋と、相部屋の人物を思い出した。]
[ちょっとお風呂入って、手拭いで金魚して遊んで出ようと思ったら
何だか出るに出づらいこの会話の中身。
ベしゃ、とちょっと音が立ってしまったので、女風呂に
近いほうには少し聞こえてしまったかもしれない]
(……な、何がどうなっとんの)
[おかしい、ちょっと広い風呂を堪能しに来ただけのはずだったのに。
また金魚を作ると、膝を抱えて考える。
自分なんて、女扱いしなくていいのになあ、とか。
まあ、大体そんな感じの事を考えていた。
壁にもたれていたのが、ちょっとだけ沈む。
金魚だけじゃなくて、沈めた口元からも時々小さく空気が零れて泡になった]
…。
[途中、露天風呂を楽しんでいたらしい風峯とすれ違い、声をかけられた。だが、今はそれより無事荷物を運ぶこと。「サウナの準備だ」とだけ返す。気のない返答になってしまった。申し訳ないことをしてしまった。]
…。
[海から上がったままの服装でいたのだが、その服はとっくに乾き、塩をふいている。]
…。
[長い、闘いだった。
その戦いも、もう終わる――]
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