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[ハミングのような口ずさみが、やがてはっきり聞こえるようになり、部屋の中に響き渡るようになる。それに呼応するように植物たちは成長を続け、やがて、横たわるヤ=ナギをも包み込んでいく。まるでそれは、病に伏した人間を優しく治癒するように]
与えし生命を────
享受するわれらの────
感謝の歌を────
今唄う────
[歌い終わると、ローズは満足したように、微笑み]
やっぱり、伸びちゃったわね。
[と、小さく舌を出した。
そして二人で、医務室の除草作業をしながら、ヤ=ナギの目が覚めるのを待っていた]
あ……。
[校門から出て行く生徒の顔ぶれの中に、朝見た顔に良く似た顔がいるのを見て、安心する一方で朝に感じたような不安もあった
こっちは悪気は無かったかもしれないが、向こうはどう思ったかはわからない。なるべく事を荒立てないように、軽く頭を下げる]
惑星学者 オク=テ=キー=ローズは、言語学者 ビョウ=ヤ=ナギ を投票先に選びました。
惑星学者 オク=テ=キー=ローズは、エンジニア キア=ラキ=スイ=レン を能力(襲う)の対象に選びました。
きみ、さ。
もしかして、今朝、俺とぶつかった子じゃないか?
[一方のテツヤは、人付き合いなど全く気にしなかったので、なぜ違う学校の制服をきた女生徒がここにいるのか、なんの疑問も持たなかった。
一方で、彼女のハンカチを無断で秘匿したことに後ろめたさを感じていたが……、あれをどうやって入手したのか、その興味の方がはるかに勝った]
ええと、なんだ…。
[女の子は、怯えるような、すがるような、そんな視線で見上げてくる。
その時になって、テツヤは自分がこういう女の子と話をするのがとても苦手な事を思い出したが……、左腕の空虚感、これを埋めたいという欲求はあらゆるためらいを振り切った]
こ、これ!
[赤いハンカチをポケットから出して、女の子の前に突き出す]
ゴメン!
俺、君がこれ落とすの見てたんだ。でも、これ、すっげえキレイで、どうしても欲しくなって…。
これ返すからさ、代わりに頼みがあるんだけど…。
なあ、君、これどこで買ったんだ?教えてくれないか?
[それは子供の頃。
体が丈夫でなかった為、よく熱を出しては寝込んでいた少年時代。
元気盛んの兄は、その日も夕暮れまで遊んで帰ってくる。弟に団栗のお土産を包んで。兄の帰還は遠く離れた部屋からもわかる。
足音を立てて弟の部屋に入る兄の笑顔。手渡されるいくつかの団栗。汚れた服で弟に触れる兄を叱る母。母の怒りからそっと兄を逃がす父。
兄から貰った団栗が、窓から差し込む夕日に照らされてオレンジ色に光る。キラキラと。
命の終わりを告げる暗い深淵から、聞こえる何かが彼を救い上げる。それは最後のキチェスの神聖なる歌声。]
…………夢……?
[細く目を開けると、緑色が眩しい。まるで森林で昼寝でもしてしまったかのような錯覚を覚えた。反射的に体を起こそうとするが、異常なだるさのせいで力が出ない。
新緑の隙間から見えるのは、空のように青く輝く長い髪。すぐ横には黒い服の青年が穏やかな表情で座っていた。
無理に体を起こすと腕に刺さった点滴が引かれ、ガタン、と音を立てた。それが自分と繋がっている事を確認し、管を降りる液体を眺める。そしてようやく残酷な現実を思い出す。
二人は物音に気がついたろうか。ナギは掠れる声を振り絞った。]
[声をかけられる。>>+39
間違えない、朝ぶつかった人だ。この人がノートの主、『テツヤ』
……あ、こ、こんにちは……。
あの、こちらなんですが……。
朝ぶつかった時に、私がノートを間違えて持って行ってしまったようで……気が付いて渡しに来ました。
[恐る恐るノートを手渡す。
すると、意外な言葉がテツヤから返ってきた。>>+41]
…ショウさん、は…?
[呼んでから感染の事が微熱でぼやけた頭をよぎり、近寄るなと指示を出す。が、彼らが防護服を着込んでいない事に気がついた。
覚悟してるのか、と一層切なくなる。
自分が倒れてからどのくらい時間が経ったのだろうかと、ショウを置き去りにしてしまった事が気にかかった。
スイ=レンの応え>>39に安心し、起こした体を再びベッドに預けた。]
えっ……?
このハンカチでしたら、売り物とかではなく私が趣味で染めた物なのですが……。
[このハンカチについて聞かれた事を不思議に思いつつも、素直に答えた]
まだ、横になっていて…。
[起き上がろうとするヤ=ナギをそっと宥める]
ショウさんは、さっき、スイ=レンがちゃんと安置したから。安心して。
点滴したから、少し熱は下がったみたい。大丈夫よ。
[そう言って、ヤ=ナギの額に触れる。先ほどより少し熱が高い感じがする。やはり一時しのぎでしかないのかと思うが、できるだけ表情には出さないようにする]
何か、食べ物か飲み物ほしいものある?
ああ、ノートな。>>+42
…じゃあ、これも君のだな。返すよ。
[と『自作小説』?が書かれたノートを取り出し、自分の自習帳と交換した]
え、君が、つくった…の?>>+43
じゃ、じゃあさ。もしかして、もっと大きな、スカーフみたいなのが欲しい、って言ったら、作れるのかな。い、いや、もちろん、材料費とかは俺出すよ。
……できるの?
[ローズの視野の端には、キィ=キョウがつくった唯一のワクチンのアンプルが。中は既に空になっている。
もしやと思い、ヤ=ナギの点滴に混ぜてみたが、すでに感染してしまっている状態では、効果は長続きはしないようだ。]
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