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─空中─
[ブツッ、ブツツッ]
[箱舟が身を揺すり、ロープが千切れる音がする]
[バラバラと磁石岩が落ちて行き、異次元の光が、人々を包む]
メッキが剥がれたわね。
ま。そもそも見せしめに人を消すような者が、そう長く正義の仮面を被ってられるはずもないか。
[ドンファンに、消されたギルバートのことなど、自分の持つ情報を手早く伝える]
[特に捏造しなくても、ただ真実を伝えるだけで、メイアルの外道さは伝わっただろう]
[近づく箱舟は+裏+]
表:かろうじて魔法の鉤爪でだけ、地面に縫い付けられていた。
裏:魔法の鉤爪すら食い千切り、更に高みへと登ろうとしていた。
ガラスの龍?
これはまた、面白いものを。
[迎撃は必要ないとは言ったものの。アニュエラだけはそれなりの歓待をする心算で居た。小型のシェルフィムが龍に向かって飛んで行き。もし、何の妨害も受けなければアニュエラやドンファンの周囲で自爆するだろう]
ふふ、何人が此処まで来れるかしらね?
メイアルは強敵だわ。
沈黙の鐘、吸魔袋、黄金の竪琴……。これだけ魔法対策を取っても、まだ互角になる程度。
あれだけの魔力が、どこから来てるのか、それを突き止められればいいけど。……天性のものならどうしようもないけどね。
るーこ様だって、全シリーズを通しても、数えるほどしかMP切れを起こさなかったし。あの方並みの魔力を持ってたら、どうにもできないわね……。
後は、下僕の魔法生物たち。
あたしの見たとこ、多分、彼女は他人を信じてない。本当の味方として、玉座に控えさせてるのは、あの蝶みたいな魔法生物じゃないかしら。
これには、こちらも魔法置物で対抗するわ。
メイアひとりだけに出来たなら……。
メイアは、どこかであの次元装置を使うと思うの。
その時……一緒にメイアも向こうへ落とすわ。
[方法は言わず]
[ただ、方針だけを淡々と]
あら。歓迎部隊が来たようよ。
愛されてて感涙ものだわね。
[箱舟から飛び出してくる影を見て目を細め]
[同乗者が反応しようとしたら、片手で制すだろう]
まだあちらのお家にたどり着いてもいないのに、余計な力は使うべきではないわ。
下僕には下僕で対抗よ。
[四次元ポケ〇トから取り出すのは、蜂の巣]
お行きなさい!
[放たれるのは、通常の3倍はあろうかという蜂。無論、シェルフィムに比べると小さいが、数は膨大だ。
シェルフィム1匹辺りに、数十匹が取り付いて、その外皮を摘み取り、体にもぐりこみ、文字通り分解していく]
―ノア内部―
[元・魔王配下の面々がカンナギによって蹴散らされる中。玉座周辺にはアニュエラの予想通りにシェルフィムとフレイアが存在していた]
ふふ、そしてもう一つ。
アニュエラが来るのなら、面白い趣向を用意してあげましょうね。
[そう言って笑みを見せた。目の前では怪しい儀式の準備が着々と進められており。自身はまだ余裕の表情を見せていた。]
[蜂に分解されたシェルフィムは、無害な小さな塊になって、散る。
分解される前に自爆しようとも、あるいはアニュエラたちにはまだ遠く、あるいはガラスの龍が身をくねらせてそれを避けていく]
[羽を持たない龍は、飛竜と比べて速度には劣るが、旋回や機動は遥かに優れる。
もちろん、最初からそれを狙っていた訳ではなく、メイアルに対抗してのデザインチョイスだ]
さて。ナギ君はどこまで進んでるかしら。
彼の速度なら、もう王座の間にいたりしてね。
/*
>墓下のトメ子さんへ
まじかる☆る〜この最強必殺技とかあったら教えていただけると。
ええ、当然悪巧みの一環ですw
/*
ちらーり。
場は動いてない感じね。
メイアは、あたし達待ちでしょうし・・・。あたしも、ドン君は確定連れだしとしても、グラシャルの動きがわからないわ。
人数多い時は、場面分散した方が。少ない時は集まった方が、動き易いわね。
まあ、彼女たちなら、後からでも追い付けるでしょうけど。
そうそう。
それと、1個方針転換したわ。コピペは助けることにしたの。
吊り襲撃が、死なないことにしてある所からも、その方が村建て様に喜んで貰えそうだし。
エルヴィやナギ君にもね。
店から蹴り出したのは偽物、か、メイアにも売った身代わり護符を持たせていた、か、どちらにしようかしらね。
*/
[シェルフィムを撃退し、ノアへの着地点を探していると、携帯が着信を知らせる]
そう。
死に行く者にまで、彼女そんな風に言うのね。
……もしかしたら彼女自身も、異次元の向こうがどうなっているのか、知らないのかもね。
ええ、開発したアナタ達ですら、よく分かっていなかったのですもの。
フフ。では、予定通りに合流を。頼んだわ。
[ドンファンにもし尋ねられても、微笑みを返すだけ。代わりに]
そういえば、お願いしていた件は解決したのよ。
ありがとね。
[と、今更に]
[ノアを落とす事は、まだ諦めていない]
[ドンファンに、いわゆるカメハメなみ的なものを撃ってもらう物理破壊作戦か。
グラッジィがいるなら、魔力を吸い上げる木の種を撃ち込んで、それを急成長させてもらう魔力枯渇作戦か]
ここは贅沢に、両方ともいくべきかしら。
[同乗者を振り返って、笑顔で提案した]
[アイテム的な支援を、惜しむ気はない]
―回想―
[研究員との会話はシャルロットが代わり続いている]
[建物内にあるTVが先程流れていた映像を繰り返し再生をはじめた。 そこには光に包まれて消えるギルバートの姿]
なっ・・・何故に、神父殿がっ!?
ッッ・・・!?
あの光は―――次元光―――そうか、お主が次元の力を使っているというのか・・・おそらくはトメ子殿を消し去ったのもお主であろう、メイアル殿。
グラジ殿、シャル殿、俺はあの場所に向かいますぞ。
後は頼みまする。
[研究員と話す二人にTVを指差して伝える]
それでは、そろそろ始めようかしら?
向こうもこのままじゃあ退屈だろうし、ねぇ?
[そう言って笑うと何事か唱え始めた]
時空を超えてきたりし勇士よ
その偉大なる力を持って
我等が敵を排除せよ
我が召還に応じしは
偉大なる魔術の使い手
―アニュエラ達の目の前―
[光が巻き起こると、その光の中から現れたのは橙色の衣装に身を包み。ステッキを持った魔法少女]
風は空に 星は天に
そして、不屈の心はこの胸に!
まじかる☆るーこ、参上っ
[そう、メイアルが異次元から呼び出した存在。それは『魔法少女まじかる☆る〜こ』だった]
―回想・空―
[支部前に飛び出したところ、空から颯爽と現れた美女が動向を申し出てくる! 状況を一瞬で理解し、二つ返事で答えると半透明の龍に飛び乗った!]
[向かう先には上空に浮かぶ巨大な船―――空に浮かぶ城へと踏み込んだ...には、それがかつて魔王城であったものだと分かる。]
あれは・・・魔王殿の城か?
では、此度の騒ぎも魔王殿が関わっているという事か!
鍛えて頂いた恩、越えるべき壁、次元の力、消えていった者達・・・全てここで決着を付けさせて頂く!
待っておれ・・・メイアル殿、魔王殿ォォォォ!!
[龍は魔王城であったモノ―――箱舟へと向かう]
/*
メイアル殿がまじかる☆るーこの格好に変身したのかと勘違いした拙者が参上仕ったァァァ!(真顔)
ここでドン的な最終結末パターン予想。
[仲間が消えたり次元の力で色々危なかったりラスボスの力でジンロウ町消滅の危機だったりでてんやわんや、オマケに青薔薇&赤薔薇の因縁まで絡んできて本格的な世界の危機に。 そこに飛び込んでくる黄金の能筋男、魔王の意志を理解し飲み込み受け入れて、最後に選びし選択は・・・?]
[次回 英雄たちの挽歌〜決戦!ジンロウ町!!]
[最終話 『細けぇ事はいいんだよっ!!!』]
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