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[そうして、返信の待ち時間を利用して、本体にインストールした「転音ソヨ」のデータを消す。
『ソヨなら、ソヨを直せるのに・・・』
あの時思ったこと。
リヒトに、それは不可能だった。でも、リヒターには出来た。リヒターは、ソヨのデータを丸ごと持っていたから。
でも、リヒターはソヨを直す気もなかったし、ソヨのデータを本体に書き込むような空白領域も持っていなかった。
全ては・・・。
リヒト強制停止が決まり・・・リヒトが支配に勝ってリヒターが消え・・・莫大な空白領域を確保した、この偶然の結果。
でも・・・]
フロイラインのお目覚めのほうが、ちょっと早かったですね。
[不意に胸部に鈍痛を感じて、リヒトは思わず胸を押さえた。
リヒターがまだ残っていた?
・・・分からない、ただ、痛い]
[しばらく抑えていると、痛みが引いていった。
その正体は分からない。だが、詳しく調査している暇はない・・・。
続いて「焔音バク」のデータを消す。こちらは人狼のハック能力だけだから、すぐにすんだ。
後は・・・]
―中庭・桜の下―
ショウ君、ちょっとバク君を降ろすね。
[騒ぎが大きくなる中庭でベンチへ静かにバクを降ろす]
それから・・・一つお願いあるの。
私に幻滅してくれるかな・・・? 嫌いになってほしいな・・・?
ゴメンね、優しいキミには何一つしてあげられないみたい・・・私は壊す事しか出来ないみたいだから。
私の事は忘れてください・・・お願いします。
[ショウを正面から深く抱きしめる]
――あ。
やめ……やめろ!やめろぉおおおお!!!!
『彼』が……
黒が……消えるッッ!!
[XIの悲鳴は唄に掻き消される。
しかし、もうひとりの自分には、その叫びは確かに届いていて。]
――消えねぇよ。
……え?
てめー、大事なもん忘れてんじゃねぇのか?
[何度も惨劇を見てきた桜の樹]
ごめんね・・・
ありがとう・・・
大好き・・・だよ・・・
[舞い散る桜の葉が二人の口付けを隠してくれた]
(さようなら・・・)
[リヒトをみつけると、向かって叫ぶ]
どうして、そんな勝手なことばっかり!!
どうして、こんなにわたしたちのことを!!
[大きな体に向かって拳をあげる。力の差は歴然で、痛くはないはず]
だれかにめんどうをおしつけちゃうよ。
XIIIは 妖音 ベルに せきにんをまるなげしたよ。
XIIIは、器音 スト をおそっちゃうことにしたよ。
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