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― 西ブロック・キートン宅 ―
[少しだけひらいていた目は、今はまた閉じていた。
撫でられ、すぐったそうに震えた気がしたが、ごく僅かな変化で「意識が覚醒した」とまでは言えないようだ。
それでも。
徐々に昇り始める朝陽の採光に照らされた頬は、血色が良い。]
……………。
[眠ったセムラは応えない。
代わりに、傍に置かれた杖が、かたりと鳴った。
バランスを崩して傾いだのだろうか。]
[カタリ、と音を立てた杖へと視線を向けてから。
再びセムラの顔へと戻る。
どことなく心地良さそうに見える顔に、思わず微笑んでしまった。
大丈夫、此処まで来れた。
ならばあとは、信じるだけ。]
―――早く、笑顔を見せてください。
[頬を撫で、軽く口づけをする。]
さて、食事の用意でもしますか……。
[震えていた杖は動きを止める。]
…………。
[鼓動が一つずつ、意識を上へと押し上げる。
不十分な魔力の停滞が、意識を下へと圧し戻す。
封印前より、主人を失った使い魔の身だった。
千木五郎が用意した礼装で最小限に抑えられていたとは言え、崩壊と枯渇は限りを迎え始めていた。
生成されるオドは少なく。
事ここに来て、全身の魔術回路封印によってガタが来ていた。
鼓動が戻ったとしても、魔の摂理だけは変わらない。
それでも。
暗闇に揺らぐ一抹の波紋。―― 馬岱の口付け。
食事を作る、という言葉を聴いて。
幽かに微笑んだように見えたのは、気のせいだろうか。]
[受肉したとして、魔力が必要なのは変わらない。
戦闘等さえなければ暫くは持ち続けるだろうが、それでも緩やかに減っていく。
いつかは解らないが、"いつか"は消える。
それでも、契約する人は既に決めている。
共に歩もうと決めた少女。
ならば微量でも普段から魔力を回復しなくてはいけない。
食事もその手段の一つだ。
例えそれが、日々減っていく量より少ないとしても。]
―――。
[台所で、簡単な食事を作る。
それは昨日、少女が笑顔で食べてくれた物と同じ食事。]
[それをお盆にのせ、テーブルへと運ぶ。
出来るだけ一緒に。
少女がいつ目覚めてもいいように。
最初に、声をかけられるように。
それが、自分に出来る唯一。]
[セムラの鼻が動くのを見て、ク……と笑みがこぼれる。
きっと無意識での行動なのだろう。
食事を中断すると、セムラを抱き上げて膝へと乗せる。
前のように、右手は頭へ。
左手は、その小さな手を握る。]
[握られる手。―― 誰の手だろう。
確実なのは、鰹節のにおいがするということ。
それと、この温もりを知っているような気がしたこと。]
――――。
[フラッシュバックするいつかの屋敷。
意識を覚醒するには未だ至らない。けれど。
目は、もうひらいている。
瞳は、―― 握り返す"彼"の手を映している。。]
[何か、言わなければいけないことがある。
何か、―― 返さなければいけない言葉がある。
それが何だったか思い出そうとして、……思い出せない。
ただ、今は。
一つだけ確かなことがある。]
[笑顔で居て欲しいと願った。
それを傍で見ていたいと思った。
ああ、だからきっと。
今、間違いなく……自分の願いは叶ったんだろう。]
―――おはようございます。
待たせ……ましたか?
[まだ動きはぎこちない。けれど。]
―――、……
[悪戯めいた微笑みのまま、セムラは小さく頷いた。
声はまた暫く出ないらしい。
でも、今はそれでいい。
まだ"彼"の名前は思い出せないが、いずれ思い出すだろう。]
それは、すいません。
[その微笑みに、自然と自分も笑みを零す。
頭を撫でていた腕は、いつの間にか少女を強く抱きしめていた。]
でも、もう待たせることは無いですから。
これから先、私は……。
[―― 何か、返そうとしていた言葉を思い出しそうになって。
次いで、今は声が出ないと思い出す。
それでも。
強く抱きしめた彼の力が、絞り出すに必要なものをくれた。
欠けた力を、彼の言葉が満たしていく。]
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