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――――。そ、のよう、な、もの。
犬に、食わせてしまいましたわ。
[悪魔に憑かれた哀れな子供を救いたいと思った。
嘘を見破られ、鞭打たれる子供を助けたいと願った。
だから、自身は乏しい妖術の知識で"ケーキ"を焼き。
犬に食わせた。
そうすれば。
悪魔に憑かれた子供は助かると、教わっていたから。
けれど実際は。
自分が魔女と疑われる決め手となっただけで。
セイラムが魔女の村と変貌する始まりを作っただけ。]
屑水 相真が「時間を進める」を選択しました。
[意識だけのまま、地上へと目を向ける。そこに映るのは、かの英霊の言葉が編み出した風景]
……ヒポクライト…。
[その姿を意識に収める。やがて、その場にいるほかのものの存在にも気づく。
けれども、薄れていくその姿]
―――宝具とは、己の象徴。
[その声は静かに、誰に語るでもなかったが。
不思議と、戦場に響いた。]
私は、己を許せなかった。
[昔、英雄に憧れた子供がいた。
何処に居ても、誰が呼んでも。
まるで風の様に現れ、全ての笑顔を守り去っていく。]
誰よりも、自分自身こそが悪だと思っていた。
[そんな英雄になりたかった子供は。
―――無力さ故に、加害者にしかなれなかった。]
故に、私を表す"宝具"も、また悪。
私は……味方だった者の背中を斬る事しか許されなかった。
[それが、馬岱の宝具"汝斬る者此処に在り"の能力。
裏切った者に死を与える、忌むべき象徴。]
だから私は、主にさえ宝具を教えなかった。
[何故ならこの宝具を有効に使う場合……、上辺だけの停戦協定を相手全てに約束させる事。
つまりは全てを欺く事に他ならない。]
そう、私は……私自身に誇りなど。
―――"宝"など、見出せない。
[だが、それは過去。
眼を逸らしていけないのは"今"
想いが願ったままの色で輝くのは、この一瞬のみ。]
それでも私は、己の邪悪を受け入れよう。
例え貴女がどのような想いの元にいようと、私にとっては関係が無い。
人を殺そうとした時点で、言い逃れは出来ない悪。
それを受け入れられず更に奪おうとする等、邪悪以外の何者でもない。
そして……悪に報いは、必ず在る。
[たとえそれが己に対してだとしても、もはや戸惑うことは無い。
前へと、明日へと続く今を、踏み出すのみ。
ならばこの悪を誇ろう。
過去の己への嫌悪を捨て、明日へと進む己の名を……。]
アサシンが「時間を進める」を選択しました。
荒谷天羅 とらが「時間を進める」を選択しました。
渋沢 スミスが「時間を進める」を選択しました。
[大木の傍に少女が一人。怪我を負った二人をじっと見つめた。]
マスターの資格はなくなったようですし、ちょっとだけかけちゃいますね。
えい。
[致命傷と思われる傷へと治癒を施す。]
これで、聖杯戦争も、終わりでしょうか。
[消え逝くキャスターの残滓。それを遠目に見届け、教会へと向けて歩いていく*]
[手を伸ばすのは、己のサーヴァントだったものへと向けて。何故ここにいるのだとは、問わない]
もうすぐ、終る。
この、聖杯戦争が。
……終るのか。
[思い出したのは、ここに来て呼び出してからの日々。僅かだった時間。
それでも何より愛しいと思える、時間だった]
終わったか・・・・・・
[全て終わった。
これでまた、日常に戻っていくのだ。
いや、新しい日が始まるのだろう。
やっと、本来の”屑水想真”に*戻れるのだ*]
[触れたか、触れていないか。
微笑む。
いつかまた会うために、共にいた日々を忘れないように。
泣き顔でないその表情を、*焼き付けて*]
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