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御令嬢 ヴィヴィアンが「時間を進める」を選択しました
[眠たげに猫がまどろむように]
[魂はくるくるとGriffithの内部をまわる]
[魂の欠片は再生を為し、魂の成長(Data増幅)は、あまりにも狂気に設定された模擬人格に影響を与えているかもしれない]
……ん?
[blank]
[感覚器にあたる部分の解放]
貰ってくれるんならそりゃ誰かに貰ってもらいたい……けど痛いの何か誰だって嫌でしょ。
──IndeRiseal/junkshop──
[店に突っ込んだ瞬間、内側から広がった甘い香りの白い布に阻まれた。布はやわらかく馬脚を絡めとる。面積が大きい程、不利だ。
布を噛みちぎらせるより、戦車形態を解除した方がはやい。]
クッ、砂糖菓子みたいだ!
──…さっきのお嬢さんのPGMか?
[Chariot(戦闘馬車)を即座に収納。必要な面積のみ、布をSledge Hammerで破り店内へ入る。裂けた布はますます甘い匂いがした。
店内で一番最初に視界に入るのは──…店の主人であるDr.Morgan。こういった状況には至って慣れていると言った様子だ。]
おれの目的はそいつだけだ。
Virusに侵されているそいつを破壊する。
[Griffithを*指差す*。]
─ IndeRiseal/JunkShop ─
[壁に凭れかけたまま、Nielに双眸を向ける。涯てしなく透っていて、虚無をも湛えた穏やかな黄色い双眸だ。]
はァ?
──節穴ご苦労さん。
悪ィが、俺は治療中なんでネ♪
Virusは程なく除去されるだろうよ──。
[と、Morganを見上げて、右目を細めた]
[胸元を覆う、水球は黒い染まりつつあり、その吸い出されたものがチューブを通って、Virusの格納庫へと向かっているようだ]
─Ground Zero─
[電脳区画を切り分ける。Sandy自身の電脳を一旦隔離し”彼女”の方で行っていた作業……蒐集したdata郡の解析を一旦停止、痛覚認識の反応先を、”彼女”の側に設定。
痛みを全て押し付けた上でじわじわと、再生していくのを待っている。他の参加者がIndeRisealへ集合している事を確認。]
[寝転んで空を見上げたまま
片手を、穴だらけの猟犬へ乗せて復旧作業。]
[遡る事、数十セカンドタイム。
へクターは、現実空間での肉体を知覚しながら、電脳世界最下層Underを歩んでいた。橙色の光球を、黒杖(ブラック・ワンド)の上に掲げている。へクターは、”遊戯”が始まった時と同じ考えのままだった。攻撃手段は「何でもあり」ならば、人間の参加者については、「真の名」を知ればよい。
彼の目的は、
そして望みは、
「Public」「Upper」のセキュリティ面、技術の飛躍的な向上。
現実世界では、第一世界(Hello World)を知る老研究者Danielは、今の「Closed」と「あの場所」が秘密を握っている事を良しとしなかった。
故に、向上させるがための「敵」が必要だ──。
老体とは思えない集中力を持ってUnderへのアクセスと平行し、走査を開始しようとする]
[大きく広がった布が巨大な質量を受け止める。
Aquamarineの眼がまた蛍光青を帯びて]
ん、
[質量が“折り畳まれて”小さくなる。
破かれた布から芳香。
Vivienneは腕を自分の背後へと引いた。
白い波が引くように布は消えていく。
ちらと背後の“治療中”の男を見て、]
無事?
[と小首を傾げた。]
綺麗ね、檸檬みたい。
[最後にそう言ったのはどうやら
露になった男の眼を見てのことらしい]
[だが、彼のアバターの動きが止まる。
不死技術を、魂のバックアップを施していない身体は、「ソレ」を耐えきらねば、死してしまう。
現実世界の身体は、じっとりと汗を掻き始めている。
「ソレ」は、「負荷」
大容量時代にあっては、「負荷」などあってないようなものだ。電脳世界での動きが止まる。首元から繋がるケーブルが、微細に震える。やがて、電脳世界の彼の姿がNoise混じりになる。現実世界との接続が阻害されている。
現実世界へ離脱するか、
それとも──耐え切るか。
へクターは、後者を選んだ]
─ IndeRiseal / JunkShop ─
[clusterの粉塵の合間にMorganの姿]
[その周囲には奇妙な歪み──Absolute?]
無事か。
[問う声に、老人はにやりと笑う]
[僅かに安堵の息を吐き、視線を戦闘へ戻してみれば]
Griffith,Neil,Vivienne──。
『下手すりゃここで纏めて何人か脱落してもおかしくないわね』
[自己の"生存"さえ確保出来れば戦闘の行方は関係ない]
[Dr.Morganも無事であるならば]
『Griffith V.S. Neilに便乗してNeilの抹消を提案するわ。
Dr.に迷惑かけないためにもServerの変更は必要だけれど』
[Neilの抹消はリストに掲載されたまま]
[Morganを背後に庇い刃を構える]
[死までのへクターの精神の体感時間は、
どれ程のものだったのか。
それには誰にも分からない。
分かる事は、ただ一つだった。
電脳世界においての構築論とAIの基礎を築いた、
前世紀の生き残りであるDaniel──ダニエル・チャータリスが、病室で、死んだ──という事。
彼の環境は、全て彼の望みのままにされており、定時巡回の彼のAI──黄金蛙が彼の死を発見したという事だった。
彼は死亡したが、生前葬を先に行っていたために、友人・知人がひっそりと数日後に集うという話が小さく報じられた。]
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