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女性の少尉さん――
[ユージーンの言葉に納得したように呟き、
補足のようにルーサーが告げる言葉に頷いた]
その方がどのような性格かまでは存じない、けれど、お嬢様にとっては、女性の方ならまだ幾分打ち解けやすいかもしれない。尤も、軍人さんは同じ、と跳ね除けるかもしれないけれど。
ルーサーさん、態々屋敷まで足を運ばなくとも、私からお嬢様には説明をしておきます。もしご挨拶をしたいというならば止めませんが……
[そう言っては、人気のない町並みを一寸眺め]
既に雑貨屋の店主もいない、か。
一晩くらいは持つから、物資補給の方を待つわ。
それに早くお嬢様に知らせないと。
[この辺で。とルーサーとユージーンに一礼し、
踵を返して屋敷へ向かった。
シャーロットは眠っているだろうか。
叩き起こすようなことはしないが、もし起きていれば、ルーサーから話された内容を*伝えるだろう*]
…其処は、貴官がその腕で勝ち取るものの
ひとつでありましょうから。
然様で…そう酷い我侭でもないつもりですが、
思うことがなくはありません。
〔声音から相手の機微へ耳を傾けつつ、言葉を交す。
他者の耳に届く其れと、そうでない其れ〕
そんな話の断片を聞かせて下さるだけでも、
貴官が此方と背中合わせの人狼だと思えて
安堵しますよ――ジーン。
…は、は。申し上げましたでしょう。
裏表はないのですよ。
〔それでも、この相棒の前ではそこそこによく笑う
男ではあるのだ。自覚があるかどうかは別にして〕
勝ち取るものなのかも判然としないが、
我は我の、オマエはオマエの、
想う事を為せれば良いのだろうと思う。
何処まで手伝えるかは判らんが、邪魔をする心算は無い。
[聴こえる声に僅か首を傾け]
我が侭とはまた随分と…
嗚呼、其れこそが我には人らしく思える。
[名を呼ばれた事か笑う声にか
幾らか毒気を抜かれた様子で]
この身が朽ちるまで、其の背は預かろう。
我の背中も…――ルーサー、オマエに預けておく。
[僅か片口端を吊り上げ]
やれ、柄にも無い事を言ったか。
裏表の無い相棒ではどちらが背かも判らぬな。
…あれがお嬢様と打ち解けるたまかね。
[ネリーの後姿を眺めて呟き]
准将殿、我もそろそろ失礼する。
明日には煙草が供給される事を祈ろう。
[ひらりコートの裾を翻し踵を返す
不意に立ち止まるも振り返らずに]
確か此処は准将殿の故郷と聞く。
…余り無理はしない事だ。
〔静かに歩き始めると姿は闇夜に紛れ
指先はつるりと頭を*撫でて呉れた*〕
>>28
[去り際再び立ち止まるも
矢張り振り返る事は無く]
面倒事を任すのに隻腕の傷物では拙いと判断されたまでだ。
使えぬとなれば我なぞ目障り以外の何者でも無い。
だからこそ平和…だった土地での不相応な程の生活保障だろう。
態の良い厄介払いと言ったところだ。
[――知らされて無いだけ
見えぬ口許は微か歪むか]
秘密は暴く為にあり、我が探らずとも情報は何時か漏れる。
お荷物の上司着きであの女が何処までやるか見ものだな。
矢張り今宵は明日には供給される煙草より、
あの女にこき使われるであろう准将殿の健闘でも祈ろう。
[くつりと喉の奥で笑い*闇に解ける*]
>>31>>32
[姿はもう見えずとも聴こえる声に息吐き]
まさか是から見回りとは、部下にでも任せれば良いものを、
根性が無いと言いながらも仕事熱心と言うか真面目と言うか。
若し情報収集の為の見回りならば我も村の調査は幾らかはしてある。
情報が必要なら明日にでも準備しておこう。
[指摘され片口端を吊り上げ]
我はお偉方の思惑も人事の思惑もカルヴィネン准尉殿の思惑も与り知らぬ。
然しひとりで背負い込まずとも、喚べば応える狼は此処に居る。
未だ先は長い、休める時には休むと良い。
そんな訳で我は先に休ませて貰おう。
おやすみ、ルーサー。
[幾らか穏やかな声が彼の名を紡ぎ
暫くすれば通信は*途絶えるだろう*]
>>30
〔夜陰に吸われそうな姿が更にと言葉を置くのへ――
大分此方へ譲歩しているのだろうか、と思った。
軍へ在った頃は話すことさえ面倒そうであったのに、と〕
此処へ、貴官が些かなりとも幸せを見出していたなら…
私がそう感じることができたなら…心から詫びることでしょう。
〔今はまだ、と含ませて告げる。〕
――秘密は暴くために。ええ…然様で。
寝間際に妙な祈りなどすると、むさくるしい夢を
見てしまいはしませんかね。
…はい、ごゆっくりお休み下さい。
〔再度の敬礼は、常より幾分折り目正しさを
欠いていたかもしれない。宵闇に彼の行方を
追い切ることはできず――此方も別方向へと*歩き出し*〕
〔応える声音は、笑みを噛み殺す其れ。〕
…おや、これは…。
休息の取りかたが、少し特殊なものでして。
貴官こそ、私につきあっていては身体を壊してしまう――
ええ、是非そうなさって下さい。
おやすみなさい、ジーン。
〔先ずと置く挨拶には、込める某かもあろうかで〕
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