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[布で明かりを抑えたランタンを手に、
重い扉を開け、門の方へと歩む。
何処かから聞こえる歌声は
慣れ親しんでいて、何処か懐かしい。]
お屋敷の令嬢。
捕虜にすれば幾許かの金が手に入るだろうか。
――なんて考える不埒な輩に捕われても知りませんよ。
[尤も、戦場と化したこの村の屋敷に、
それ程の名声があるとは思えない。]
[ハッと声の方に振り向く]
ネリー・・・、驚かせないで。
[強張っていた表情が緩み胸を撫で下ろす]
ごめんなさい、あまり寝付きが良くなくて。
やっと眠れたと思ったらあの時の事が夢にでてきてしまって。
だから・・・少し夜風にあたっていたの。
驚かせる心算は――……
無かったと言えば嘘になりますけど。
[ゆるり、小首を傾げ、硝子玉のような瞳でシャーロットを見る]
悪夢、ですか……
このような状況で、安眠出来る方がおかしいのかもしれません。
あの時と言うと、ご友人の?
[彼女の問いに小さく頷けば]
どうしてもあの時の事が忘れられない。
忘れろというのも無理があるし、
そんな事をしてしまうのは私が人である事を
捨てるような気がしてならない。
私のせいで、死んだのだから。
でもこうして引きずっててもダメ、なのよね・・・?
……。
……さぁ。
[ゆる、と首を横に振り、曖昧な答え。]
私は身近な人を失ったことがありません。
ですから、何かアドバイス出来る程の経験者ではない。
けれどそのご友人からしたら、
お嬢様が生きて、ご友人がお嬢様の中で思い出として生きて
――私が亡き者となれば、そう望むでしょう。
・・・そう。
でも、ネリーがそう言ってくれるのなら、
そうする事が良いのよね。
ネリーにはこんな経験してほしくないし、
そんな思いを私はさせたくない。
経験者ではないと言うけど、
ネリーは私の思いを汲んでちゃんと考えてくれる。
そういう所が私は救われるわ。
そう、ですね。
私の身近な人は、お嬢様だけですから。
お嬢様が死ぬようなことだけは。
あってはならない。
[とん、と地面を踏む。
手にしたランタンが揺れて、辺りにランダムな光を散りばめた。
辺りの静寂は偽りか。今もどこかで人が死んでいるのか。]
救われているのは私の方。
身寄りの無い私を置いて下さったことには感謝しています。
こんな私でも、少しはお嬢様のお役に立てているのなら――
幸い。
うん、私も。
私が死んじゃって
ネリーが悲しむような事にはしたくないし、なりたくない。
[柔らかく笑む顔はランタンの灯りに淡く照らされ
より柔和で神秘的な表情を見せた]
ううん、ネリーはね、
自分でも気づかないと思うけど、
色んな事を私に教えてくれたし、気づかせてくれた。
少しなんかじゃない、とっても役に立ってる。
大事な人よ。
それなら。
危ない所に一人で出歩かないで下さい。
……ね。
[とん、とまた一つ踏んでは、
シャーロットに向き直り、ほんの僅かに相好を崩した。]
……?
そうですか?特に何もしていないのに。
でも、そう言って頂けると、嬉しいです。
[シャーロットに向けていた視線を、夜空へ移す。
黒くて、ぼやけた、曖昧な輪郭。]
うん。
[その表情はバツの悪そうな、そして甘えるような笑顔]
気づかないのも無理ないわよ。
それが普通なんですもの。
大切な人はいてくれるだけで、
それだけで心を許せるし気持ちを暖かくしてくれるの。
[甘えるような表情は、何処か子供っぽくもあって。
しゃんと背筋の伸びた、大人びた面と。
相反した二つの表情が彼女らしいのだと、思った]
お嬢様は……
[言い掛けて、続く言葉が出てこなくて。]
[代わりに相手の言葉を聞いては、緩く瞑目する]
居てくれるだけで、……ですか。
気づかないものなんですね。
時には邪魔に思えるような存在も、
省みるととても尊いもの。――か。
[表情は変えずにネリーの言い掛けた言葉に小首を傾げたが]
え・・・?
う、うん、居てくれるだけで嬉しいよ?
でもお人形のようなそういう風なのとは違う。
上手く説明できないけど、
居てくれるだけでも幸せになれるのに、
一緒に何かできるとなるとそれ以上に幸せを感じられるのよ。
邪魔に思える存在・・・っていうのは、
私は一度もネリーを邪魔だなんて思った事はないけど、
それは一体何の事を言ってるの?
私がお人形じゃない……?
そう、それは――知らなかった。
大して人間味もないのに。
それはお嬢様の感性が豊かだから、でしょうか。
[不思議そうに、けれど色はなく、双眸を瞬かせる]
[続く言葉には一寸押し黙る。]
[落とした視線は何を映しているのか]
私もお嬢様が邪魔だと言っている訳ではありません。
唯。時々自分と世界の接点が無くなるように感じる。
私は 境界線。
何かが邪魔とは言わないけれど
何もかもが不必要に思える。
そんなこと。
性格や、感情の事を言ってるんじゃないの。
私に言ってくれたじゃない。
ネリーはネリーだから。
[少し困惑した表情になれば、
続けてネリーから発せられた言葉で表情が曇る]
不必要・・・。
私もいらないの・・・?
私は、私だから……
[自分のことなんてよく知らない。]
[シャーロットの言葉は何処か心地よくて。]
[続く問いには、ゆらり、ランタンの光を自身から遠ざけ]
[影に入る。]
私は、境界線。
朝と夜の、白と白の、黒と黒の――境界線。
だから。
[曖昧模糊な言い草は何を含ませて。]
[暫し後、ランタンをシャーロットと自らの間に照らす]
また怖い軍人さんが来る。
帰りましょう。
此処が没落するのもそう遠くない未来。
境界線、ネリーの言ってる事はなんとなくわかる。
[ネリーが言葉を区切ると視線を村の先、戦場へと向ける]
私も境界線に立ってるのかもしれない。
生と死の境になったこの村で、私は。
[俯き右手を胸に添えれば]
えぇ、帰りましょう。
私達には帰る場所がある。
生と死の境。
この村ではいつ死ぬかもわからない。
悲しいこと。怖いこと。
だけれど私はそれを感じない。
――お嬢様がいらっしゃるから。
だからかもしれない。
[ほんの一瞬微笑んだ。
けれどすぐに顔を逸らし、彼女の一歩前、
ランタンを照らしながら屋敷の方へと歩んで行く。]
……お嬢様。
一つお願いがあるのですが。
今宵は、お嬢様のお部屋で休ませて頂けませんか?
毛布一つ下されば、十分ですので――
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