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[それからようやく、見慣れぬ赤髪の男の存在にハッとする]
………。
[よく見れば姿や強面とは裏腹に、彼が人を脅すような表情をしてはいないということが分かったろう。
自分と同じように、目の前の少年を気遣っているのだということが読み取れたはずだ。
しかし村では見ない大人の男、間違いなく戦いに参加しているのだろう体付きとその相貌が、コーネリアスを緊張させる。
蛇を前にした蛙のごとく動きが止まり、伺う目で赤髪の男を眺めた]
…ん?
[向こうから来た青年がじっと此方を眺めている。
まさか、自分の顔に何か付いているのだろうか。
いや、大きな傷なら付いているのだが。
若しくはまだ体から火薬や血の匂いが取れていないのか、気になって腕等を嗅いでみたが、この村から漂う匂いの方が出張って自分の匂いはよく分からない。
やはり本人に聞くしかないのだろうという考えに至り、顔を上げた]
なんだい、俺は珍しいのかい。
兵隊さんならそこら辺にもゴロゴロ転がってる筈だが。
[転がっているの指す意味は恐らく比喩なのだろうが、本当に地面を転がっている物もあるので、何やら不気味な言葉になってしまっている]
そ…っ
[赤髪の男が顔を上げて、問うてくる。
瞬間返そうと出した声が、あまりに情けなさ過ぎるのことないよう、俯いて大きく息を吸ってからもう一度]
そうです…ね。
こんな所で立ち止まってらっしゃる兵隊さんは、珍しい…です。
…だってこんな所には、食べ物も薬も女の方も落ちていたりなんかしませんから。
[舐められたりたかられたりせぬよう、毅然とした光が瞳に宿るよう努めながらそう男に返していたコーネリアスだが、相手の言葉でそれも虚しく散った。
『兵隊さんならそこら辺にもゴロゴロ転がってる』
意味する情景を想像してしまい、眩暈にも似た揺らぎで思わず強く目を閉じる。
――ただ一度実際に地面に転がっているそれを目にしてからと言うもの、極力いかにも目撃してしまいそうな近道も避けるようにしていた。
暫らくの間食べ物が口を通らなくなるほどに、その光景が自分に与える衝撃は十分だったのだ。
…意味のすれ違いはあったかもしれないが、それをこうも平然と言い、そればかりかそういった光景を作る側なのであろう目の前の男は、やはり恐ろしかった]
[コーネリアスに手を取られるに任せ、そしてふと気づいた。]
ああ、すまないが頼むよ。市民。
......ん?そこの赤毛。君は兵なのか?
僕はリッター・フォン・ブリリアント少佐だ。所属と姓名を述べよ。
ふーむ。
確かに食い物も薬も落ちちゃあいないな…。
[女、という言葉で何かを思い出した様に笑み]
あぁ。
落ちてた、落ちてたよ。
あれは落ちてたって言えるよなぁ。
[堪えきれずに、そのまま空を仰ぎ、声にならない笑い声をあげた]
いやぁすまんすまん。
いきなり笑って可笑しかったろう。
兄ちゃんの言っていた女性ってのが、落ちてたのを見たんでね。
拾って落とし主に届けたんだなこれが。
だっはっはっは!!
[一頻り笑い終えた後、小さな士官にやっと気付いた様な素振りで]
ん、あぁ。
俺はワイズから派遣された部隊の中の一人で、姓名は作戦中なもんでスカーって事になっているな。
これで良いかな、少佐どの。
[ここでもふざけるかと思いきや、真面目な雰囲気を取り繕って挨拶をした。
口調も普段よりトーンが幾らか下がり、今までの態度を見ていなければ唯の強面の兵隊に見えないことも無かったろう。
そう、今までの振る舞いを見ていなければの話だが]
>>167
[少年の返答の声で、恐ろしがることよりも彼の肘の怪我に意識を集中させることができて]
ええ、任せて下さいね。
ぼくはコーネリアスと言います。
ここらへんでは見たことのない顔ですね、でも安心して下さい。
教会には、あなたと年の頃もそう変わらない子ど……
え?
[リッター・フォン・ブリリアント”少佐”?
優しく教会へ手を引いて行こうとした所で、少年――であるはずの目の前の人物の自己紹介に面食らう。
こんな子どもが軍人で、しかもかなりの立場だと言うのか。
さりとて赤毛の男へ堂々と命ずる少年の態度と言葉遣いは、ごっこ遊びや冗談と言ったものではない信憑性を醸し出している。
...は呆気に取られてリッタの顔を覗き込んだ]
>>168
[――もちろんリッタは前述の自己紹介を、撤回したりなどしない。
そうこうしていると、自分の言葉を受けて怒るでもなく、なぜか赤髪の男は笑い出している]
え……えぇ?
[『女性が落ちていたのを見、そればかりか拾って落とし主に届けた』発言は、事情を知らぬコーネリアスにとって謎以外の何ものでもない]
そうですか…拾ってお届けに。
[だけどもその豪快な笑い方だとか、少なくとも手荒い真似をするでもなくその女性を送り届けたとの言葉を聞くうち――
いくらか緊張は解けてきたようだ。
つられたように少し笑ってから、口元に小さな笑みを浮かべて]
…それは。それなら…良かったです。
[男の名を聞くと改めて目を向けて]
スカー…さん。作戦中とのことですが――
その、ぼくは教会で預かりの子供の面倒を看る手伝いをさせて頂いている、コーネリアスと言う者です。
…あの、お分かり頂けるでしょうが、今村はとてもぴりぴりしていて。
見慣れない男性にあまりうろうろされたり、野宿で夜を明かされると、怯える方が多いんです。
ですから…村に御用の際には、その子達を怖がらせないとお約束頂けるなら、いっそ教会に泊まって頂ける方が助かります。
教会ねぇ…そこに地下室があれば幸いなんだがね。
[さも独り言の様に呟いて、ゆるりと首を横に振った]
そういやぁ兄ちゃんには今まで会ってなかったな。
これでも、俺は結構村に立ち寄ってたりもしたんだがなぁ。
それと、だ。
兵隊さん達が頑張ってる傍で、堂々と教会で寝泊りってのはあんまりなんじゃないかねぇ。
周囲の警戒の事も含めて考えれば、補給が有る限り野営の方が有効だろう。
それに俺だって一人で協力してる訳じゃないさ。
何事も、大勢で取り掛かれば怖いもんが無いって風に、皆で村を囲って敵が来ないか見張っている訳だ。
[軽く息を吐きながら辺りを見回して、今も警戒を続ける兵士達を眺める]
今の兵隊さんは人殺しなんだ、俺は人殺しと子供達を一緒の場所に住まわせようとは思わないねぇ。
…ま、これは俺の考えだがね。
兎に角、残念だがその好意は受けれないって事だ。
気持ちだけ有り難く受け取っておくさ。
え…?地下室でしたらそれはもちろん、ありますけれど。
[どうしてそんな事を言うのだろうと、緩く首を傾げた後]
そうだったんですか。ぼくはあまり、外にでは出ませんし…
[ちらりと長衣の上から、自分の悪い左足を見下ろして]
…出ても大体が、決まった道を最短距離でですから。
お会いする機会も中々無かったんでしょうね。
[息を吐くスカーの視線につられて、辺りを見回しながら]
皆で村を囲って、敵が来ないか見張って…。
[感謝の色がコーネリアスの瞳に浮かび、そのまま頭を下げるかと思われたが、「兵隊は人殺し」との言葉で結局そうはせずに]
…ええ。
それがお仕事ではあるのでしょうけど…スカーさんも、どうぞお気をつけて。
[丁重な断りに首肯してから、リッタに向き直る。
その小さな少佐が頷けば教会へと連れて手当てを施すし、断られればいつでも無理はなさらずと伝えて、ゆっくりと一人で教会へ*戻って行くだろう*]
ふーむ…そうなのかい。
[話を聞きながら、視線を様々な所に行かせる。
返答をこなしながらも、何かに納得するような様子で]
子供達に会った時は「顔に傷は有るが気の良いオッサンだ」とでも名乗っておけば良いって事かね。
それはその時にでもまた考えるとしよう。
まぁ俺も気を付けるさ。
だから気を付けるついでに散歩だってしちゃうぜ。
じゃあ、そう言う事で。
"少佐"さんに宜しくな。
[くるりと向きを変え、何処へともなく歩き始めた。
見回りのように警戒している素振りも無く、本当に散歩をしているようだった]
手短に。
キック機能がないのでラッセルはこのままとなります。
ラッセルさん確認できたら抜けて頂ければありがたいのですが、
ココ見れない状況なのかな。
今日の日付が変わる時(12時)に始めたいと思います。
…さて、未だ安否不明というのも妙ですね…
〔巡回中のブリリアント少佐が消息を絶った、との報せが
本部へ届いて約2時間ほど。上官たるキャロルへ定時連絡を
入れると共に、捜索隊の増援を率いて村中へと足を運んだ〕
それでは、各戸への聞き取りを開始して下さい。
…集合に関しては、他班と同じく。
くれぐれも、一般の方にご迷惑がかかることのないように。
〔行動を共にする兵達へ簡単に指示を出すと、此方も
通りへ視線を巡らせる。頃合は、やがて夕焼けの色合いも
空から失せようという辺りか――
やがて、一見無防備そうに散策する態の男を見つけて〕
……、村の方では…ないですね。
…否、彼は…? …
〔見覚えのあるシルエットにか、見定めようと近づく様子〕
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