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…揺れるからな。怪我などしては大変だ。
[大丈夫との言葉に優しく頷いて、そっと手を離す。
階段を下りると、ひんやりとした船室。
ガラス張りの船底からは、浅い珊瑚礁の海底に反射しているのか、仄かに淡い海の色の輝き。
座席に座り、海底を覗き込む。]
[慌てて礼をされればゲルダに会釈を返して]
いえいえ、お邪魔をしているのは私の方ですからお気になさらずに。
ゲルダさんや…バジルさん、ペネロペーさんのお蔭で快適に過ごせています。感謝してもしきれないくらいで、……あ、主であるヘクターさんのお名前忘れてしまいました……。
[説明を受け窓が開かれれば、爽やかな風が髪を揺らす。心地よさに僅かに目を細めて窓からみえる空とゲルダを見つめ]
……楽しくて時間を忘れるほどに楽しんでます。けれど、少しホームシックなのか一人でいると人恋しくなってしまいますけど。
[子供ですよね、と自嘲的な笑みを浮かべて。
そのままに、と言われた事素直に甘える事にして、先ほどと同じように座り直す。]
[秘密部屋で画像チェック]
カーラちゃんはなかなか積極的なようで。うーん、この調子ならもう一段階行けるかねぇ〜。
[画像を切り替え]
こっちはキロたんもうまくやってるようだし、でもまだまだほのぼの路線だねぇ。
[もう一つ画像切り替えて、高台を映し出して]
はあ〜っ
[その背中には哀愁が*漂っていた*]
[残りの階段を慎重に降り、ボールドウィンの隣に腰を下ろして]
グラスボート…はじめてです。
…こんなふうになってるんですね。
[熱心にガラスの先の風景を眺め]
あ…魚…。
…このあたりの魚は…色が綺麗ですね…。
あぁ、ほんとだ。
…こんな色の魚は見た事なかったなぁ…。
[瑠璃色の宝石のような小魚や、オレンジに白いシマのかわいらしいもの…
色とりどりの魚や、ヴェールのようにひらひらする海月。
白や桃色の珊瑚の中に見え隠れして。]
あぁ、ほら…そっちにも。
[ちらりと見えたエンゼルフィッシュを、指差して教えたり。]
[指さされるままに視線をうつして、興味深そうに]
図鑑でしか見たことがないような魚が…たくさんいます…。
あのかたまり…ナマコの仲間でしょうか…。
いえ、ナタリア様はお客様ですし…。
[言いかけて、これ以上は遠慮合戦だと思いくすりと微笑み。爽やかな潮風にさらさらと髪を晒しながら]
一人で居ると……。
なるほど、普段は賑やかなところでお暮らしなのですね。
ここは良くも悪くも、雑音が極端に少ない場所ですから…。
…どなたかご一緒されたいような方はいらっしゃらないのでしょうか?
[演奏会では中心になり輝くように存在感を示していたナタリアが、今では風に浚われてしまうかのように頼りげ無い、内に向けた笑みを見せる。それに心を痛め]
トリ…。
[無線から聞こえる間違えようのない長い長い溜め息に、こちらも心の中で小さく吐息を漏らす]
…後悔だけはしないように…。
…なんだろうな…。後で聞いてみるかね。
[興味深げに覗きこむ姿を、目を細めて見つめ…。]
やはり、君ときてよかった。
[ポツリと、微かに呟く声は届いただろうか。]
え?
[マントのフードをあげてボールドウィンを覗き込み]
なにか…おっしゃいました?
[その呟きは聞こえてはいたものの、あまりにも自分に都合よく思えて。聞き違いではないかと自らの耳を疑いつつ]
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