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集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。
人狼なんて本当にいるのだろうか。
もしいるとすれば、あの旅のよそ者か。まさか、以前からの住人であるあいつが……
どうやらこの中には、村人が5人、人狼が1人、占い師が1人含まれているようだ。
自警団長 ヘクターが「時間を進める」を選択しました
[頭上高くに茶色い瓶を逆さに掲げて甘露な液体の滴を舌先へと垂らす。液体は最後の力を振り絞るように舌先に染み込むと]
何でぇ何でぇ、もう酒が空かよ。
え〜……らっしゃいらっしゃい。ひよこは要らんかね〜?
[街路の脇で汚らしいダンボールの箱に囲われたひよこを売っている]
族長の息子 ポールが「時間を進める」を選択しました
族長の息子 ポールは、牧師 ネル を能力(占う)の対象に選びました。
[少年の様子に、首をかしげる]
[酒楼の喧騒、酔っ払いの怒号、娼婦の甘い声、少年僧侶の念仏、電波教の声]
[溢れる音に、耳がおかしくなりそうだ]
[──と]
『……348…の閉鎖…了』
『…は消毒準……確認急…』
[流れてくる音に違和感]
──なんです?
[眉を顰め、音の源を探す]
[電波教の一団の周辺に、人が集まっている。困惑した表情がいくつか見て取れた]
[どうやら、電波教のラジオに別のチャンネルが混線しているようだ]
──D層どこかの街路脇──
ほれほれっ、そこのお嬢さん〜……いっひっひ。
このひよこ、丸々と太っておって可愛いじゃろう?あんたの家で育てちゃみないかい。ほれほれ、羽毛を毟ってフライパンで包み焼いたっても美味いぞい。ひっひっひ。
いえ、こちらこそ本当にすみません。
[少年の謝罪に首を振りながら]
[こちらを覗き込む瞳には小さく目を伏せた]
[その真っ直ぐな視線を受け止めかねて]
こんばんは、メルヴィンさん。
[目を伏せたまま、直前に視線が絡んだ青年に挨拶を投げる]
おいおい、兄ちゃん方。
ちょいとそこ、通しちゃくれねえかな。
入れねえんだよ、悪いけどな。
[言いながら指差す先は木製のバーの扉。地下へ降りる階段がガラス越しに覗く。ビルの壁面から“Rusty Nail”の文字が、男の持った鍵に反応して浮かびあがった]
[坊主が垂れ流す雑音。
眉を寄せ、
ざわりと広がる不安の波紋。
その中で、昨日覚えたばかりの女性の声が
己の名を呼ぶのに気付き振り返る。]
よ、こんばんは。
あ〜……逃げちまった。いいカモじゃと思ったんじゃけどなあ。
へっ、どっこいせっと。
[よろよろと立ち上がるとひよこは「仕舞われた」]
へっへっへ。
どこかで酒を仕入れるかねぇ。ひっひっひ。
それとも開店まで待っててくれるのかい。
俺が開けてこの方、そんな奇特なお客にゃ目に掛かった事はないがね。まあ、もし客だというんなら一杯ぐらいは奢ってやるさ。もっとも――
[と、目を向けた先はまだ年若い娘]
お嬢ちゃんが飲むにはちとキツイかも知れねぇけどな。
[目を伏せた様子に好奇の色だけを向けて]
どうか、しましたか?
[何のわだかまりもない声で尋ねた。]
[そのままホリーの視線の先をたどり、メルヴィンへ]
・・・変、ですか?
[疑問ではない、問いかけ。]
[電波教に気を取られ、反応が遅れた]
え、あ。
すみませんごめんなさいっ!
[厳しい表情をした男に全力で頭を下げ、脇へと避ける]
[が、視線は再び電波教の一団に向けられ]
……何、でしょうね。
へっ……えへへへ、すいませんねぇ。
見ての通り、人間の屑でして。はぁ、旦那様、すいませんねぇ。
[ぶつかる度にそうやって謝りながらふらふら]
んぁ。
[男が立っている。
鍵がその手にあったのを隻眼で見て]
ああ。悪ぃ。
[すいと避ける。
教会の傍に酒場。
何とも此処らしい。そう思った。]
へえ、奢ってくれるのかい?
そんなら待ったっていい。
酔いどれ ドナルドが「時間を進める」を選択しました
[男に道を譲り、壁に背を預けながら
首だけを捻って人並みの中立ったままの少年へ顔を向ける]
ヘンっていうか、
変わってる。
珍しい。
行き倒れ メルヴィンが「時間を進める」を選択しました
[ちりちりと隠した牙が疼く]
──ちっ。消毒だぁ?
ふざけんなふざけんなふざけんなふっざっけっんっなっ!
人間ゴトキが俺サマを殺せるわけねーだろうがクソがッ!!
[通してくれ、との言葉にそちらを向いて]
[鍵を手にした男の姿を認め]
[邪魔をしていたかと一言謝罪を口に乗せようとしたが]
……お酒くらい飲めます。
[お嬢ちゃん、の言葉に感じたからかいの感触に]
[おもわずムッとなって言い返してしまった]
はい?消毒?
[けれどすぐに青年の言葉が耳に届き]
[耳慣れた、けれどこの場には不似合いな単語に首を傾げた]
看護婦 ホリーが「時間を進める」を選択しました
[先程牧師が傾げたと同じ角度で首を傾け、]
変っていますか。珍しいですか。
ならば、そうなのでしょう。
…先程のノイズはコウアンキョクの交霊が混戦したようですね。
[何の繋がりもないような言葉を続けた。]
消毒。
あっち、あの坊主の放送。
[包帯がぐるぐる巻きの親指で、
俄かに人だかりが出来始めたそこを指差す。]
ナンかのノイズかね。
おうおうおうっ!
兄ちゃん達よぉ。何時も何時もせいが出る事だぁなぁ。
[電波教信者達が墓場に立ち並ぶ鎮魂石のように整然と立っている中に分け入り、ヘッドロック。酒臭い息を吐きかけて絡み始める]
なぁ……よぉ。今日は何かいい事ぁあるかい?へっへっへ。美人局の歌声でも中継してくれよぉ。兄ちゃん達のだみ声でも我慢してやるからよぉ。
『──第348区の閉鎖は完了』
『各員は消毒準備及び最終確認急げ』
あぁ?消毒ぅ。
食事の前にはお手手をきちんと洗わないとお腹を壊してしまいます。だから、ごしごし石鹸で洗いましょうってか。下らない宣伝流しちゃいけねぇなぁ。うぇっへっへ。
[信者の禿げた頭の部分を叩くといい音がした]
んー、
そうだなぁ。
変わってるんだろうさ。
アンタからすれば其れが普通なのかも知れないけどな。
――公安局だと?
[唐突に、されど自然に、少年の唇から漏れた単語を繰り返す。]
公安局の交霊?
[意味の取れなかった少年の言葉が牧師によって訳される]
[そして電波教信者が再び拾う交信]
……閉鎖して、消毒?
[そこまで聞いて顔色が変わった]
……このおっさん、喰う気しねぇなあ。
喰うならやっぱこう、若くて活きの良いのが。
あぁそう。この嬢ちゃんとかガキとか。
ワインなんかじゃたんねーんだよ。
だれだトマトジュースとか言うやつ。
ブッ・殺・す!!
ほれほれっ、おいっちにーさんしー。
手をごしごし洗いましょーぅ!
[電波教信者が延々とニュースを告げ始めている事をいい事に絡んだまま歌を強要]
……酔っ払いかあ。
[さして気にも留めぬ様子で
壁に背を預けたまま酔いどれの様子を見るとも無しに見る。]
『──第348区の閉鎖は完了』
『各員は消毒準備及び最終確認急げ』
……は?
ちょっと待て。
消毒って、
[子供の頃に見た「キャプテン・ドレイク」の一場面を思い出す]
[作中で、「消毒」という言葉は別の意味で使用されていた]
いや、まさかですよね。
そう、ですよね。
まさか、ですよね。
[牧師の声を聞き]
[こちらに歩いてい来る酔いどれ男をぼんやりと見ながら]
[感情の篭らない声でそう呟いた]
『電波頭』か。……いつものアレだろ。
[気にせぬ様子で鍵を開け、二人にそれぞれ言葉を返して店中に入っていった]
ああ、待ってりゃすぐさ。大して広い店でもねえ。すぐに開ける準備は整うぜ。
……ま、嬢ちゃんでも、誰でも。飲むだけだったら大して難しいことじゃねえさな。たしかに。
[教会のすぐ傍、Rusty Nailと時折ネオンじみて浮かび上がる酒場]
[木製の扉の前には何人かの若人がいるようだ]
へへへ……人身売買でもやり始めたのかねぇ。
[笑えない冗談を笑えて話す]
[正に下層の人間だ]
母から聞いた昔話。
<トライ>でも何度か行われたそれ。
街区そのものが消毒――対象ごと全て殲滅されるなど。
浮かんできたそれを必死に否定する。
おや……。
まだ集まってんだな、あの連中。
[視線の先には電波教徒を取り囲んだ群衆。
口々に何事か言い交わしているように見えた。
そしてもう一つ。よろよろと近づいてくる、見覚えのある姿]
よぉ、ドナルドじゃねぇか。久しぶりだな、憶えてっか?
その酔っ払ったアタマでよ。ちょうど店開ける所だぜ。
[異なことが連続して起こる]
[続けて現れた酔漢に眉をしかめた]
こ、こういう人は相手にしな方が。
[呟き、距離を取るように一歩後ずさる]
……ッ
[包帯に覆われた片目を押えて、
坊主を睨むも放送はもう。
酒場の店主らしき人物に頷いて]
それじゃ、待たせてもらうさ。
それにしたって……穏やかじゃない。
ロクでもない放送だ。
本当に―――
えぇえぇ憶えていますよぉ。
えへへへへ……何時もすいやせんねぇ。
人間の屑のドナルド、デビッドさんの事を忘れる訳ぁないじゃないですかぁ。あんたとおれとの仲、忘れやしやせんよぉ。
………ひっひっひ。
入らせてもらいますよ。
[帽子の上に手をあてて、腰を低くして何度も浅めのお辞儀を繰り返す]
えぇえぇ憶えていますよぉ。
えへへへへ……何時もすいやせんねぇ。
人間の屑のドナルド、デビッドさんの事を忘れる訳ぁないじゃないですかぁ。あんたとおれとの仲、忘れやしやせんよぉ。
………ひっひっひ。
[帽子の上に手をあてて、腰を低くして何度も浅めのお辞儀を繰り返す]
そう……実相の変動。
これは皆さんとの結縁(けちえん)と言う形で既に現れています。
興味深いです。
[喜びではない、微笑でもない、満足げな表情。]
詳しいな、アンタ。
[腕を組み、眼を細める。
静かに語る少年は、どうも此の地区には似つかわしく無いように、メルヴィンには見えた。]
[小さく身震いすると頭を振る]
[酔いどれ男の様子には冷ややかな視線を向けるばかり]
[下にいた事のある人間にとっては、別に見慣れぬものでもなく]
……奢ってくださるんでしたかしら。
折角だから寄らせていただきます。
何か飲んでおきたい気分だわ。
[思考を振り払うように酒場のマスターらしき男に告げて]
[一歩後ずさる牧師の様子を見れば肩を竦め]
あまり気になさらなければいいんですよ。
ここにはこんな人もいるんです。
[この牧師は本当は上層の人間なんだなと]
[小さく苦笑を浮かべた]
あぁ……もしやそこに居られますのは、牧師様でしょうか。あああ、わたくし不信心ものでして、あなたのような神の名を広めようと致します素晴らしい宗教者様の前に出ますと、不信心ゆえに蕁麻疹が出て身体中が痒くなってしまうという困った体質なのですよ。あっ、ほら!ここが痒くって痒くって。血を吸う蚤や虱で一杯で。えっへっへ。すいませんねぇぇ。よろしければ、あたしのような愚かな男にもお恵みを与えて下さいませんか、牧師様。
閉鎖、消毒、最終確認、ね……。
[淡々と開店の準備を整えつつ、声にせず呟く。数年前。幾度となく繰り返した任務と訓練。『牙持ち』だった頃の記憶]
……関係、ねぇよ。
[呟きは小さな声となって微かに洩れた]
この場所が、
[と右手で“Rusty Nail”の文字の浮かぶ酒場の入り口を示し]
皆さんとわたしの岐路の交差する場所です。
入りましょう。
[促すでもなく、告げるでもなく、思うままを述べる。]
いや。この三ヶ月で慣れたはず、なんですが。
本当に色々な方がおられますね。
って、えええ!?
[唐突に足元に這い蹲る酔漢に驚き悲鳴]
い、いえあの。
告解ならば受け付けますが……。
えーと、あの、そのですね。
恵み……と言われましても。
はぁ。
ほんに困りました事にねぇ。
神様ってのは本当に本当に意地悪なようでして、今日のお酒を飲む分のお金を若者達に取り囲まれた末にすられてしまいやしてねぇ。お願いしますよぉぉ、神父様。奢って頂けやせんかねぇ。えへ、へへへへへ。
[額を地面に擦りつけて神父の足を両手で持って頼み込んでいる]
……さ、待たせたな、兄さん。お嬢ちゃんも。
そんなシケた面してねえで景気づけに一杯やってってくれりゃ良いさ。牧師さん、アンタもな。隣でやってるのも何かの縁って奴だ、入ってってくれよ。
[すっと見つめてきたポールの視線に僅かに眉を寄せつつ、ドナルドの方へと視線を逸らした]
ああ、もちろんドナルドもな。一体どれだけツケ溜まってんのか、ちゃんと思い出して貰うぜ?
ああ!
何と素晴らしい!
あなたは正に聖職者!聖職者の鏡だ。
こんな哀れな男にお酒を奢って下さるとは。
ささ、中に入ってご一緒にお酒を飲みましょう。
ささ、さささささ。
[立ち上がると牧師の背を押して地下へと促した]
[意外にもごつごつした手の感触だ]
[と、酒場の主人の言葉を救いとばかりに]
え、ええ是非とも!
お隣というのは神のお導きですよね。
[後半、意味のわからない事を言いつつそそくさと*階段を降りた*]
[と、酒場の主人の言葉を救いとばかりに]
え、ええ是非とも!
お隣というのはこれはもう神のお導きに他なりませんよね。
って、え。えぇぇぇ??
[強引に背中を押され、*階段を降りていった*]
いや、まあ。
このゴツいオヤジもちょっと嫌な感じするんだけどな、俺。
嗅ぎなれた匂いがするっつーか、嫌な匂いっつーか。
……早々に逃げた方が得策かもな。
路が交差する、ねえ。
……やっぱり、変なヤツ。
[肩を竦めて、]
……そいじゃあ寄させて貰うよ、店主さん。
ホリーも行くかい。
……で、そのよいどれも行くって事で。
やれやれ。
[押されて着いて行くネルの更に後ろを歩いて行く。
地下へ地下へ、*漂うのは酒の臭い*]
そんな顔しているとどんどんつけこまれますよ?
[言っている間にも牧師はしっかり相手のペースに巻き込まれて]
[ドタバタと降りてゆく姿に苦笑は更に深くなった]
[メルヴィンの方を見れば小さく肩を竦めて]
ええ、私も。
[後を追うように階段を*降りてゆく*]
[階段を降りていきながら]
『へっきな臭くなってきやがった』
へへっ、なぁ牧師さんに嬢ちゃん兄ちゃん。
ひよこは要らんかね?
[──キィ]
[パタン]
[*後方で扉が閉まる*]
[カウンターに入る。手の先から肘辺りまで聖水を噴霧し浄霊。紫外灯に翳し殺菌。天井では音もなく三枚の翼が回り始めた。店内の照明は明るすぎず暗すぎず。赤錆びた倉庫を改造したような印象の店内だった。尤もそれが意匠なのか元からなのか、ここで知る者は他には居ない]
よぉ、ドナルド、ひよこは良いからさ。金持ってる訳も無ぇよな。ツケ代は噂話で良いさ。今度は何見てきたんだよ、そこら中をうろつき回って?
[席についた面々の注文に応じ、バックバーから酒瓶を取る。その合間に、男はドナルドへと水を*向けた*]
どっこいせっとぉ……へへへへ。何を見てきたと言いやすかぁ。
[赤くなった顔をごしごしと手で擦ると短い髭が音を立てた]
あぁ水水。
甘露甘露。水は甘露だなぁ……。
[酒でもないのに有難そうに水のグラスを受け取ると飲み干した]
へへへへ。何時もながらにきちんとしていやがる。
[浄霊された手先を一瞥してぶつぶつぶつと呟いた]
[酒に酔った目はつややかな光を放つ]
あっしはねぇ。ひよこを売るのが商売ってぇのを知っているでしょうに。へへ、デビッドさんよぉ。噂話を聞きたいなら、ひよこを大切にしないとぉ。えへへ、えらい目に合いやすってもんだぁ。ひっく……。
じゃあ話やしょうかぁ。
えっへっへ、さっきの電波教のニュース、あいつらもうちょっと色気のある放送を流せと思うんですけれどねぇ。そうそう、あいつらのニュースでも言ってましたでしょう。
どっこいせっとぉ……へへへへ。何を見てきたと言いやすかぁ。
[赤くなった顔をごしごしと手で擦ると短い髭が音を立てた]
へへへへ。何時もながらにきちんとしていやがる。
[浄霊された手先を一瞥してぶつぶつぶつと呟いた]
[酒に酔った目はつややかな光を放つ]
あっしがねぇ。ひよこを売るのが商売ってぇのを知っているでしょうに。へへ、デビッドさんよぉ。噂話を聞きたいなら、ひよこを大切にしないとぉ。えへへ、えらい目に合いやすってもんだぁ。ひっく……。
[横を向き唇を歪めたが酒瓶からグラスに液体が注がれる音に反応]
じゃあ話やしょうかぁ。
えっへっへ、さっきの電波教のニュース、あいつらもうちょっと色気のある放送を流せと思うんですけれどねぇ。そうそう、あいつらのニュースでも言ってましたでしょう。
『──第348区の閉鎖は完了』
『各員は消毒準備及び最終確認急げ』
わぅん!わんわん!へへ…囲まれてらぁ。こりゃ逃げる事は不可能だぁよ、おれ達のような一般市民はよ。皆皆死んじまうんだぜ。
[ひっひっひ]
[デビッドが入れてくれた酒に手を*伸ばそうとした*]
[酒場に入ると、またそこでぐるりと辺りを見回す。]
[不躾でない、だが遠慮もない、純粋な観察者の眼。]
酒場ですね。
[その後も、黙って立ったまま暫くカウンターの内側のデビッドを見ていたが、]
[他の人間がカウンターに着いたのを見て、自分もスツールに腰掛けた。]
[背後で音を立てた扉に小さく背を強張らせる]
[だがその様子は隠されるように消えて]
ひよこなんて飼う余裕は無いわね。
[酔いどれの台詞には軽く流すように答える]
[空いている席につきながら、店内を軽く見回した]
[どこか殺風景な、けれど飾らない印象]
……悪くない。
[そう呟くと小さく微笑んだ]
[けれど自分から酒場に入るのなんて初めてだったから]
[こういう場所で何を頼めばいいのかはわからなくて]
それほど強くないものを。
種類はお任せするわ。
[バックバーへと手を伸ばす店主に告げた]
……不吉なことを言葉にしないでくれる?
[酔いどれ男が店主に語るのを聞いて眉をひそめた]
[必死に押し隠している不安を口にされれば不快は隠しようもなく]
……私は死にたくなんか無いわ。
[ホリーの不快感が滲んだ声に、そちらの方へと顔を向ける。]
不吉、ですか。
言霊の篭った言語が発せられる事により、未来の事象がある一定方向に向かって偏向するという因果律の干渉現象は、広く確認されていますが。
しかし、この場合は確実性の高い未来予測であるとも言えます。
確実性の高い予測って。
[ポールの言葉に息を呑む]
[けれどどんなに否定したくても]
[否定材料がない]
……なら。
あなたはどうするのかしら?
[どこか浮世離れしているようにも見えるポールを見つめて]
[低い声で問いかける]
[ホリーの問い掛けに一点の濁りも不安もない明瞭な声で答える。]
わたしは、自身の生存する可能性の最も高い未来を選択しました。
それがここです。
そして、あなた。
[真っ直ぐに魂の奥の奥まで覗き込むような視線。]
ひよこねぇ。
遠慮しとく。
……酒場だよ。
見れば分かるだろうに。
[少年に何度目かの“ヘンなやつ”という呟きを漏らし、
淡い琥珀色の酒が満たされたグラスを受け取る。
酔っ払いの言葉が重く空気を淀ませた。]
……死、死、死か。
騒がしい。
いつぞやの吸血鬼騒ぎじゃあるまいし。
[ゆらり、口に含むアルコール。]
きゅうけつき。
そう、吸血鬼です。
心霊的な「凪」。空白状態。
なるほど。この流れの異変はその所為ですか。
[メルヴィンの呟きが耳に入ったか、独り満足そうに頷く。]
[まるで複雑な数式の解けた学徒のように。]
私……?
[その答えには驚いたように一瞬見つめ返し]
[しかし以前と同じように目を伏せた]
[真っ直ぐな視線は、痛い]
ここにいる6人。…あともう1人?
良く分からないわ。どういうこと?
……俺達と……もうひとり?
[包帯が落ち掛かるのを鬱陶しそうに手で押さえた。
少年の眼を探るように片目で見る。]
……何を知ってる?
──仮に。
[酒盃からワインを一口]
[わずか酒精に染まった息で、呟く]
仮に。
この区画が本当に封鎖されていて、そして消毒──されるのだと、したら。
生き残れる方法なんて、あるわけ無いじゃないですか。
[もう一人という言葉に僅かに疑問を感じつつも]
ここに居ることが生き残れる可能性?
……単に酒を飲んでいるだけじゃないですか。
[眉を寄せる。
少年をまじまじと見つめ]
とっくに居なくなってるだろう、
吸血鬼なんて。
馬鹿な。
[ゆらり。
消毒だ
消毒だ――
警鐘。
皆死ぬと]
そうよ、もういないはずだわ。
あれは過去の物、今はお話の世界の住人。
吸血鬼も。ブラッドジャケットも。
[メルヴィンの言葉を聞けば頷いて]
[自分を必死に落ち着かせようとそう口にした]
……やっぱりヘンな奴、だ。
ホリーの謂うとおりだよ、
もう居ないんだろう――……それとも
もしかしたらもしかするっていうのかい。
[酒を口に含んで、
少年を見]
ヘンな奴って連呼するのも何だな。
……なんて呼んだらいい?
俺は、メルヴィン。
過去のものって、どんだけ平和ボケしてんだ。
たかが十数年じゃねえか。
ま、忘れてもらったほうがこちらとしてはやりやすいけどな。
居ませんか。
しかし、区画内に存在する人間から魂が今も加速度的に消失していっているのは事実です。
それと同時に陰気も増大していますね。
これは魄のみが残存している為と推測できますが。
「名前を尋ねられたら答える」のでしたね。
わたしは、ポールと呼ばれていました。
あなたはメルヴィンですね。
[何の屈託もなく、自分を見つめるメルヴィンの片目を覗き込んだ。]
牧師さん、
救いを求める神様ヘの祈りくらい捧げてほしいな。
[ちらと冗談めかしてネルに謂い、
やはり淡々と事実(であろうこと)を述べ続ける少年――ポールをまた見つめた。]
消滅―……。
それが事実なら、とんでもない。
消毒、消毒――か。
[見つめ返す瞳、とても純粋に見えて]
ポールな。
……なんか調子狂うな。
[店主から受け取ったグラスに口をつけ]
[小さく息をつくと緊張を僅かに解いた]
本当に。
牧師様にまで不吉なことを言われたら怖いです。
[メルヴィンの冗談めかした口調に合わせてそう言って]
ああ、私の名前はホリー。
よろしく。
[そう答えたのはポールの言葉にだが]
[同時に店主の方にも頭を軽く下げて挨拶とした]
……不思議ね。
良く分からない言葉の方が多いのに。
出鱈目を言われている気はしないわ。
[それは純粋さを感じる瞳のせいだろうか]
でも、やっぱり浮世離れしている。
いいえ、どちらかというと人間らしさがどこか欠けている。
[定型文のような返事を返す少年の様子にそう呟いた]
「ちょうしくるう」…ですか。
[メルヴィンの笑いに目を止め、]
あなたは笑っているのですね。
わたしが「変」だからですか?
[単純に興味を覚えた、と言う口調で尋ねる。]
自分を誤魔化していてもダメそうね。
吸血鬼がまだいるだなんて余り信じられはしなけれど。
でもこのまま「消毒」される可能性は多分大きい。
……そんなのは嫌。
ならばどうすれば?
[再び目を開けば牧師の方を見て]
ねえ、牧師様。
本当に生き残れる方法は無いのかしら。
私はまだ死にたくない。
だからその方法があるのなら諦めたくありません。
[他の者達も見回しながら*そう尋ねた*]
ヘンだからかな、どうだろう。
[両手の指を絡めて、自分の顎を乗せた。
矢張りポールを見たままで]
うん、
面白いなぁって。
色んなことを知っているだろうに
色んなことを知らない、
そんな感じがした。
面白いですか。
色んなこと…はわたしは知りません。
わたしの知っている知識は、わたしがこれまでに知り得た知識に限定されています。
これまで知り得なかったことを知るのは実に興味深い体験です。
[自分を見るメルヴィンの様子を、観察者の眼差しで眺めている。]
経験という点において、シミュレーションと実体験に差はありませんが、実際にはわたしは肉体的精神的霊的に実事象の変化を直に体験する事を「快」と感じ、仮想のそれよりも優越を与えています。
それも興味深い。
メルヴィンの「面白い」と言う言葉が、わたしがあなたに対して感じる興味及び快の感覚と同種の状態を指しているのなら、わたしもあなたを「面白い」と感じてます。
[こくん、一口酒を飲む]
じゃあポールは此処に勉強しに来たってこと、か?
事情は知らないが―――
……アンタが知ってて当然のことでも、
俺たちには知らない事ってのもあるだろう。
逆も然り。
[観察するような瞳をじいっと見てまた眼を細める。
ホリーは謂う。
死にたくはないと。
包帯だらけの左腕、人差し指を立てて]
原因を取り除くしかないんじゃないか。
……吸血鬼退治、
とか。
勉強…ではないと思います。
わたしは生存する為にこの場所に来ました。
自分の存在を可能な限り継続させようと試みるのは、生物として自然な欲求だと考えているからです。
ホリーは「死にたくない」のですね。
──祈りは、主に届くのでしょうか。
いや。主に仕える私がこのようなことを言ってはなりませんね。
[ホリーの言葉にしばし考えるそぶりを見せ]
逃げる……というのはまず、不可能でしょう。
封鎖が事実だとすれば。
公安や降魔局にかかわりのある方でも居られれば別でしょうけれど。
死にたくない。
それは、生命と魂魄を保ったまま存在し続けたいということですか。
あなたの魂を守りたいのであれば、吸血鬼を消滅させなくてはなりません。そうすれば、魂の消失は防げます。
そうだな、それはそうだ。
死にたがりってのはそうそう居るもんじゃない。
そう思う。
ポールの認識は正しいんだろう、それで。
生きるために此処に居る、
何か、随分大変そうじゃ ないか?
[包帯が解けたのできつく結びなおした。
命の危機が迫っているのは皆同じ。
消毒が本当なら。
吸血鬼が再び徘徊し始めたのなら。]
……倒せるかどうか分からないからって
手を拱いてるなんていうのは、御免だ。
祈っても、
神様は微笑んでるだけなんだし。
[ネルの言葉にじっと耳を傾けていたが]
そうですね。物理封鎖のみならず霊走路網も遮断されました。より正確には外部へと移相できないようになった、のですが。
封鎖を抜けて逃亡できる可能性はコンマ9桁以下です。
感染源である吸血鬼を倒せば、少なくとも吸血鬼化第二度以下の者は一気に解呪します。
また源吸血鬼を倒せる可能性は、わたしの考えるところでは非常に高いと考えています…あくまでわたしの推測でしかありませんが。
[メルヴィンに向かって答えた。]
たいへんそう…かどうかは分かりません。
ですが、存在の継続が困難な状況下にあるのかと問われればまさにその通りです。
祈りもまた強い信仰が含まれていれば、物理法則を超越する奇跡を起こせます。
が、不確定要素が大き過ぎて現実的ではありません。
……メルヴィンがその選択を取らないのは正解でしょう。
はい。可能です。
源吸血鬼の消滅を目的とするならば、まずその吸血鬼の所在を明らかにしなくてはなりません。
わたしは、その現在位置を推測しています。
──決めた。こいつ、喰う。
が。
今は無理だな……。さっきから街を邪魔なジジィがうろうろしてやがる。
けッ。
どいつもこいつも。
勿論これは実測の結果ではありません……
推定です。
これが事実であるかどうかはすぐに明らかになるでしょう。
[少年は穏やかに述べた後、そこで*口を噤んだ。*]
つまり生き死にが関わってくる、
ってことか。
[現実的ではない、その言葉に眼を細めた]
……まあね。
奇跡だってあればいいとは思うけど、
俺はそこまで信心深くなれそうにないからな。
[薄く、笑む]
倒せる可能性が高いっていうなら、
俺は倒すほうを選ぶ。
どっちにしろ、紙一重だし。
[先刻の出来事を肴に、客達がそれぞれに言葉を交わす間も男は沈黙を保っていた。まるでそれが己に課せられた義務であるかのように]
……お待たせだ。こっちのグラスは嬢ちゃん。こっち側が兄さんのだぜ。
[だが、その様子は何処か彼には似つかわしくなかった。『謹聴』の呪言を受けたかのような無表情のまま、注文通りの品を作った]
酒場の主人 デビッドが「時間を進める」を選択しました
……源吸血鬼の消滅に伴う、第三度未満の呪詛自壊か。
随分と古めかしい話、知ってるんだな。
[うっそりと呟き、視線をポールに向けた。口元に運ぶロックグラスには、深い琥珀色の濃密な液体。
――“Rusty Nail”.]
おぉよぅ、お兄ちゃんもお嬢ちゃんもよぉ。
ひよこは本当に要らないのかい。きっと後悔するぜ。
へへへ、本当にこんな風になっちまったんならなぁ。
なぁ、ポールとやらよぉ……ポールの坊主とらよぉ。お前さん、一体何者だぁ?何処から来やがった。世間ずれしてやがる牧師様は別として、お前らも何和んでやがるってんだ………はぁああ。
[満足そうに酒気を帯びた息を吐き出して、ニタリ]
へっへっへ。
デビッドさん、もう一杯頂けますかねぇ。
[牙がうずく]
……にしても、あんな十年も――いや、もっとか――前の事件。何処で聞いたんだい?
『キャプテン・ドレイク』の再放送あたりか?
[抜け落ちた牙がうずく]
それでも、奇特な事だな。
今じゃ『赤ジャケ』の事なんざ、マトモに憶えてる奴の方が少ないってのに。
[今では赤褐色となった護法胴衣が帯びていた徽章。ブラッドジャケット――『牙持ち』だった頃の、牙が。
男の心中でぞわりと*蠢いた*]
[心中の何かを押さえつけ、バックバーへと背を向けた]
そうだな……『乾坤一擲』なんかどうだ。ドナルドならぐいっといけるだろうさ。強烈なキックでヒヨコも功夫鶏に早変わり、ってくらいにな。
[拙い冗句を飛ばし、ロックグラスになみなみと注ぐ。ニヤリと笑ってドナルドの前へ*滑らせた*]
アァッハッハッハッハ!
あぁ、そいつぁいいやぁ。本当にいいもんだ。へへっ……。
[両手でグラスを受け取ると、愛しそうに唇を縁に近づけ啜る]
[至福の表情]
あっしは全部ぜぇぇんぶ廃業しやしたんで。人間の屑は屑らしく、騙しひよこを売って泡銭で酒を飲むぐらいしか愉しみなんてありやせんでしてねぇえ。
いっそ、天使を見るかでもしなけりゃあ、どうにもならねぇ。へっ、こんな先も見えねぇ地獄都市。吸血鬼が出ても出なくたってぇも……そのうち奈落落ちで亡くなっちまわ。
そう思いやしませんかぁねぇ、牧師様ァ。
天使、ですか。
確か何年前でしたか、天使の存在を確認したという噂がありましたが……。
あああ、お酒は程々にしてくださいよ。
私の財布だって厳しいんですから。
[言って嬉しそうに酒を飲む男に情けない表情を見せるが、思い直したように酒杯を取り]
あなたは。
今の状況、この運命を受け入れるおつもりなのですか?
私にはあなたが死を諦念しているように見える。
もしかしたら──。
その方がよほど苦しまず、主の御許へ行けるのかもしれませんが。
[からころ]
[軽やかな音を立てて、バーの扉が開く]
[現れたのは痩身で背の高い若い男]
『────』
[黙ったまま店内を進み]
『……酒』
[酔いどれの持つ酒杯に手をかけた]
へへへ……劇的に変われるようなものがなけりゃあ、人間変われねぇって事かもしれねぇなぁ。
生きるも死ぬも、神様の手の平かもしれませんぜぇ、牧師様。へへへ、死ぬ時は死ぬ。生きる時は生きるんで。へへ、へへへへへ。
[何かツボに入ったのか面白そうに肩を震わせた]
なぁ……牧師様よぉ。こんな話を聞いた事はあるかい。
──…吸血鬼を殺すには──…
ああ?
[酒杯に手をかけられ振り向いた]
[男は振り返った酔いどれの目を覗き込むように迫り]
[腕を伸ばし頭を押さえつけ]
[────ニィ]
[嗤う瞳が、紅い]
[ひた ひた ひた]
[かさついた男の肌を愛撫するように撫で──首筋]
『────くひひ』
[大きく開けられた口腔には凶暴な牙]
[そのまま酔いどれの首を折る勢いで押さえつけ]
[迫る]
[しまった]
[と思う暇もなく眼球からの精神の侵食]
[魂の掌握は一瞬で本来は行われる]
[第二度以下──否、「なりたて」でなければ]
疾!
[風を切るような叫びをあげながらカウンターに押しつけられた]
[顎が迫る]
[無理な体勢から草臥れたブーツで、男の胴体を蹴りつけた]
そう、倒すしか……
[膝の上に置いていた鞄に触れて]
[何かを考えるようにその上で手を遊ばせていたが]
え、あなたは殺し方を知っている……?
[酔いどれの言葉に顔を上げ]
[けれど視界に入ったのはその後ろに来た新しい客の瞳]
[紅く光るそれ]
ヒッ!
[口元からは伸びる牙が]
[驚いて立ち上がり後ずさる]
[拳をものともしない。
牧師が吹き飛ばされる。
舌打ち。]
ちっ、
てめ、まさかまさかの
吸血鬼様か!!
[酔いどれが見た目にそぐわぬ力強さで
その男の胴体を蹴り上げる。]
大人しく昔話の中で眠ってろぉ!
[追撃、椅子を持ち上げて叩きつける。]
[隻眼の少年によって緩んだ男の力]
[手をついた近くの床には落ちて割れたグラスの欠片]
あぁ…目を見なさんなぁ……。
[その隙に、汚らしいコートの内ポケットへ手を突っ込み、朱墨で描かれた黄色い符を一枚。爆散符。男の首元へ、グラスの欠片と共に抉りこむ]
──あなはとおきめいかいのもん。
[男の首が弾け飛ぶ]
[赤い花火がパっと視界を染める]
あたま……ッ!?
[薙いだ椅子の脚は胴を打つ。
ポールのいやに冷静な声。
一瞬、「それ」の紅い眼に引き寄せられる様な感覚を覚え]
……ッ!
[酔いどれの声に、
包帯で目を覆った。]
[瞬間、視界が赤に染まる]
な──。
[次には、「男」は首を失い]
[体が音を立てて倒れた]
……やった……?
[首を失った体は動かない]
[倒れた牧師の傍に駆け寄って]
[鞄から取り出したのは護身用の拳銃]
[けれどこれでは吸血鬼相手に大した効果を望めるはずも無く]
…………。
[震える手で構えながらも]
[見ていることしか出来なかった]
──脳幹だぁよ。
[ブーツで首元を踏みつけようとするが、失敗した]
あぁ、、、嬢ちゃん、そこの嬢ちゃんや、丁度いいもの持ってるから、後ぁ頼むわ。あぁ……目覚めが悪いなぁぁ……酒。頼むわ、デビッドさん。
[首から上をホリーへ向けて蹴ると、ころころと頭は転がった]
あーあー、あっさりやられやがって役立たずが。
本当ならさっきの恨みもこめて俺サマが踏み潰してやりてーところだが、、、
嬢ちゃん、どうすんだい?
ひひゃははッ、楽しいなぁオイ。
[転がされてくる頭に息を呑む]
[吸血鬼を倒すには頭か心臓を破壊しなければいけない]
[聞いたことはあったかもしれない]
ッ!
[反射的に引き金を引いていた]
[狙いも何もなかったが、それはその頭に小さな穴を開けた]
……アンタがやったのかい。
へえ、人は見た目によらないって謂うけど。
[転がる首を眼で追って]
……脳幹。
ホリー、まだだ、そいつの首元。
……お疲れさん、ホリー。
牧師さんも、大丈夫か。結構痛そうだった。
[声を掛け、
さて此の生首どうしてくれようか、と思案顔。]
……どうもこうもないか。
[首を引っ掴み泣き別れの身体の傍へ。]
吸血鬼。
吸血鬼か。
……こんなもんじゃないはずだ。
違うよな……。
……ぁ。
[声を掛けられれば牧師の方へと顔を向ける]
[どこか呆然とした、感情の抜け落ちたような表情で]
[その手はまだ拳銃を握ったまま]
いえいえ…えへ…へへへ。
これも全部、神様のお助けものでして。
[帽子の後ろに手をやり、ぺこぺことメルヴィンに頭を下げた]
あ、はい私は。
昔は──。
昔は、吸血鬼は人の手で倒せるようなものではありませんでした。
遭遇すれば最期、殺されるだけ、と。
ホリーさん、立てますか?
[ホリーに片手を差し出し、自らも立ち上がる]
[つと、メルヴィンへ頭を下げるドナルドを見遣り]
そういえばあなた、ドナルドさん、でしたか。
妙な技をお持ちなのですね。
恐らく吸血鬼化して間もない個体でしょう。
魅了眼の発動までに若干のタイムラグがありました。身体速度も自分の動きに慣れきってないずれが見られます。
……え、えぇ……
[言いながら差し出された手を握る]
[冷たくなって震えたままの手で]
[そして半ばその手に縋るようにしてどうにか立ち上がり]
……まさか、本当に出るだなんて。
[小さく全身を震わせて首を振る]
[それから無言のまま酔いどれ男に頭を下げた]
よく見てるな、アンタ。
[包帯に血が染みて幾つか華広がる。
落ちかかった包帯を今度は後ろに流してそのままポールへ顔を向けた。]
そして、詳しい。
……やっぱりヘンなヤツだ。
そこの、酔いどれも。
6人と、あと1人、とか謂ってたな―――
いえいえいえいえいえ。人間の屑には勿体無い言葉ですよぉ。ひっひっひひ。いやもぅ、本当にねぇ。
[見苦しい程に頭を下げ返した]
へへ……デビッドさんよ、本当にすいませんねぇ。散らかしちまいまして。へへ。死体を外に運んできますんで、そんな顔しないで下さいよぉ。
っとと。
[どさくさに紛れて酒瓶を一つ懐に入れて死体の傍へ再度近づいた]
牧師 ネルが「時間を進める」を選択しました
牧師 ネルが「時間を進める」を取り消しました
勝てるかどうかなんて。
[分かりませんけれど、と口の中で呟き]
でも死にたくはありませんから。
生き残れるように全力を尽くすだけです。
[これじゃ役者不足かもしれませんがとは声に出さず]
[手にした拳銃を強く握る]
……随分と冷静ね。
それに吸血鬼の生態に詳しく、位置の推定ができるとか。
本当にあなたは何者なの?
[ポールとメルヴィンの会話を耳に拾い]
[少年の方を見ると目を細めて再び尋ねた]
……ドナルドさん、でしたっけ。
一人で動くのは危険じゃないかしら?
[裏口へ向かう酔いどれ男にはそう声を掛けて]
[けれど後は追わずに視線だけを投げた]
えへへぇ。じゃあ、お嬢ちゃん。
あとでひよこ……願いましょうかねぇ。
[血の跡が道を作る]
[彼らの声がやや遠ざかる]
[扉を開ける][開けようとした]
[ガタ]
[何か重いものに引っかかったような音]
[そして、呻き声]
[ちらりと隙間から見えるのはS.E.A.T.の制服]
謙遜すんなよ。
アンタ居なかったらやられてた。
……手伝おうか。
[追おうとして、何か物音。
低い呻き。
制服。]
――莫迦な。
牧師 ネルが「時間を進める」を選択しました
チッ。粗大塵でも引っかかってるのかねぇ。
[一度引いて押す事を何度か繰り返すと扉が開いた]
[赫と玄の斑色に染まった周辺]
[臓物がぬめりと異様な匂いを漂わせて剥き出しにされ]
[骨と血と肉が混じり泥状になった箇所が幾らか見当たった]
[こふこふ][と]
[小さく息を吐く力は弱弱しく]
[生命の欠如を感じさせた]
[微弱な上からの光が、その翳りを強く印象付ける]
視ることがわたしの存在の根幹を成し、わたしはそのために存在しています。
視たものを解釈するための知識を授けられました。
わたしはただ、流れを読むだけです。
[視線が裏口に回った二人を追いかける]
[戸口まで行くとその様子が変化して]
……何?
どうかしたの?
[小さく首を傾げながら声を掛けた]
流れを読むだけって。
それだけじゃさっぱり分からないわ。
[少年の言葉に振り返り]
……来た……?
[続いた言葉に何か不穏なものを感じて唇を引き結んだ]
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