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村は数十年来の大事件に騒然としていた。
夜な夜な人を襲うという人狼が、人間の振りをしてこの村にも潜んでいるという噂が流れ始めたからだ。
そして今日、村にいた全ての人々が集会場に集められた……。
自警団長 ヘクターは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
────16:26 P.M.
ケイオス・ヘキサ、D層第348区。
街は見た目どおりの平穏を保っている。
が、少し注意して眺めると、街都のあちらこちらにここでは見慣れぬ姿。
魔導特捜、呪装戦術隊、ふわふわと上空に漂うは依代から離れ偵察中の妖術技官か。
彼らの間に漂うは、一種異様な雰囲気。
──まさか。
──今になって。
──『再び』
奇妙なことに、街行く人々はその異常を感じ取ることなく通り過ぎる。
──黒杖捜査官によって。
動揺する彼らの中央に、一人の男がじっと正面を見据えている。
と、彼に若い呪装戦術隊の隊員が駆け寄った。
──『【消毒薬】の設置、完了いたしました』
[その言葉に、男は頷く]
ご苦労。
……全く。この年になってまた、こんなことになるとはな。
D層とは言え、数千の市民と引き換えに吸血鬼一匹を葬るか。
[男のぼやきに答えるものは無く]
……総員に告ぐ。
作戦決行は24:00。最終調整及び区画の封鎖、急げ!
[声に、集まっていた隊員が散る。その姿を見つつ]
……数億の命には代えられん、か。
しかし。
[呟き、男は封鎖区画へ入っていった]
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
牧師 ネル が参加しました。
牧師 ネルは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
[最後の一言を唱えた時、視界の端に金色の小さなものを認めた]
[「沙弥尼」と呼ばれる人口の精霊。街を浄化する人造霊。
祈りの声に引き寄せられでもしたのだろうか]
この小さき精霊にも祝福を。
[彼はそう言うと彼女にコインを投げた]
[コインに付着した雑霊を食べ、彼女は手を合わせ祈る]
『なむからたんのとらやーやー』
[祈るために祈る彼女らの『祈り』は純粋そのもの]
[彼はその様子に微笑み、教会の大扉を開いて通りを見渡した]
[太陽の恩恵から程遠い街を、艶やかなネオンが照らし出す]
[やがて祈りを終えた沙弥尼が開かれた扉から漂い出て行った]
村の設定が変更されました。
領主の娘 ゲルダ が参加しました。
領主の娘 ゲルダは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[水銀灯の後ろから魂の欠如した少女は聲をあげた]
なむからたんのとらやーやー
[両手を合わせてあどけない笑み]
[小首を傾げている]
なむからたんのとらやーやー。
なむからたんのとらやーやー。
なむからたんの……
[ぽわん]
[目の前の沙弥尼が弾けて眠る]
……とらやーやー。
[―沙弥尼は108回目の祈りを唱えて消滅―]
[いつものようにパンと安ワイン、わずかばかりのフルーツを買い、紙袋を抱えて街を歩く]
おっと、すみません。あぁこちらも申し訳ない。
[一歩すすむ毎に人にぶつかり、その度に頭を下げるものだから足は遅々として進まない]
……やれやれ。
[やがて人混みに疲れたのか、道の端に寄ると紙袋を傍らに置き、一息]
私、向いてないんですかねぇ、この教区。
着任以来三ヶ月、迷える子羊が訪ねて来たことなんて一度もなく。
D層の教区は落ちこぼれの吹き溜まりとはよく言ったものですが……。
――おや。
[溜め息を吐く足下に半ば溶た浮遊霊]
安息の安らぎを。
[祝福の言葉に浮遊霊は動じた様子もなく足下を這い回る]
[よろめいた先は牧師の足元]
[半ば解けた浮遊霊と汚い汚物の乾物の半ばに手をつく]
なむからたんのとらやーやー。
[ぱたぱたと手をはたくと両手を合わせる]
[無垢そのものの表情を向けた]
看護婦 ホリー が参加しました。
看護婦 ホリーは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
大の男がいつまでも泣いているんじゃないわ。
好奇心だけで下に行ったりするのがいけないんでしょう!
[痛みを訴え続ける男に娘は指を突きつけた]
[威勢良い怒鳴り声が小さな診療所に響く]
[患者はその男一人だったけれど]
近所迷惑なのよ!
[衝立の向こう側から笑い声が響く]
[我に返った娘は恥ずかしそうに下を向いた]
[やがてその日の診療も終わり]
[娘は帰路に着く]
……興味本位で最下層に来るんじゃないわよ。
[思い出すのは昼間の若い男]
[歩きながら苦い顔で小さく呟いた]
『なむからたんのとらやーやー』
[聞こえてきた声にふと顔を上げる]
[けれど当然そこにいると思った沙弥尼の姿はなくて]
[代わりにいたのは一人の少女だった]
[いきなり足元に飛び出してきた少女に驚き暫し硬直]
[少女は汚泥に塗れ、なおも手を合わせ祈る]
……え、えーと。
だいじょうぶかい?
[おっかなびっくり、少女へ話しかける]
/中/
不要と書かれていましたが、ロールも入れるかもしれないので標記付きでいきます。
皆様初めましてになるでしょうか。
ご縁があってお邪魔することになりましたMeyと申します。至らない所も多々あるとは思いますが、どうぞ宜しくお願い致します(礼)
…さて、上手に他の方々と絡めると良いのですが…
一通り三部作の読み返しもしましたが、どこまで掴めたものやら不安もいっぱい。でも頑張りますね。
行き倒れ メルヴィン が参加しました。
行き倒れ メルヴィンは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[路地裏。]
……。
[眩いネオンが極彩色の影を落とす。
くるり、指先で巻き取る包帯。]
こんなもんか。
[呟く。
青年のは顔半分と左腕まで包帯だらけ。
乱暴に巻いたそれには妙な文字も見える。
たん、と腰掛けていた塵箱から降りて
雑踏へと歩みを進めた。]
ブラックロッド
世界観が
分かりません!
本屋に売ってないし!
無謀な飛び入りです。やあ諸君苦しゅうない(帰れ)
気合で合わせて行こうと思います。
香港みたいな感じの街に
オカルト要素もちもちと思えばいいんですかね。
[少女の向こうには男がいて]
[微笑みあっていたかと思えば二人で紙袋を取り合うようで]
[その紙袋から娘の足元に転がってくるオレンジが一つ]
……プッ。
落とされましたよ、牧師様?
[教会に通ったことなんてなかったけれど]
[その姿を見ればどんな人物かは分かったから]
[拾い上げたオレンジを手に笑いながら声を掛けた]
[やはり、無垢な笑顔につられてしまう]
[林檎を抱える少女に対し]
おなかが空いてるのかい?
参ったな、それは私の大事な食料なんだけど……。
いや、でも『施すべき相手に善行を拒んではならない』と主も仰っているし、ああぁもう仕方ない。
…………あげるよ、それ。
[林檎を指差し、微笑む。若干引きつってはいたが]
[少女の笑みはどこまでも無垢で]
……沙弥尼の真似、似ていたわ。
[その笑みを眩しそうに見ながら]
[自分には浮かべようの無い笑みに羨望を抱いた]
[だから告げた言葉には僅かに皮肉が混じった]
……ん。
[転がってきていたのは丸いもの。
青年はそれは拾い上げた。]
なんだこれ。
[果物。
何故こんな所に落ちているのやら。
蹴られでもしたか少し抉れていた。]
先生、動きが分かりません。
なかむらたんのとらやーやー
で
とらやのようかん
を
何故か思い出しました。
関係ありませんが塩ようかんは微妙です。自分には。
今までになく
独り言を使いまくる予感がします。
検索サイトとかで必死で探してるんですが
なかなか見つからないものだなあ。
あらすじと世界観くらいで腹を括るか。
[少女に林檎を譲るのを見て]
[人が良いなと思いながらオレンジを手に牧師へと近寄る]
はい、今度は落とさないように気をつけてくださいね。
またお食事が減っちゃいますよ。
[笑みには悪戯っぽく笑い返しながら]
[手にしたオレンジを差し出した]
……ん。
なんだ、お前。
[膝で這う少女。
無垢な表情を浮かべた白い貌を無感動に見下ろして、
青年は小さく問う。
右手に果物を持ったまま]
[オレンジを差し出した彼女の言葉に更に深い苦笑]
ははは……、以後気をつけます。
腹が減っては神の教えを広めることも出来ませんからね。
いや、ありがとうございます。
[改めて礼を述べ、オレンジを受け取った]
(怪我人?)
[職業柄か、青年の包帯には自然に目が行って]
[けれどどこか近寄り難い雰囲気に無言のまま]
ええ、空腹では何も出来ません。
誰かを助けることも、自分を助けることも。
[牧師の言葉にはそう言って笑う]
[少女の無垢な笑みとは異なる、どこか影を孕んだ笑みで]
[掛けられた牧師の言葉には驚いた表情を見せ]
[けれど苦笑のようなものと共に首を振った]
……いいえ、悩み事なんかありません。
私はここで職を持つことができたんですから。
[娘は難民の子供だったから]
[D層で職を得られただけでも幸運だったから]
日々を無事に過ごせる以上、何を求めるのでしょう。
[それは日々自分に言い聞かせている言葉でもあった]
そんな急いで食わなくても果物は逃げやしねえよ。
[半ば呆れたように声を漏らした。]
……なんだ。
何かお前、アレに似てるな。
沙弥尼か。
確かに、職を持ち寝るところを持つことを出来るのは幸福。神に感謝せねばなりませんね。
たとえ何処であろうと、神への奉仕は等しく尊いことですから。
[最後の言葉は己に向けて]
あぁ、申し送れました。私はそこの──
[と、少し先。今にも崩れ落ちそうな木造の教会を指差し]
教会に派遣されたネルと申します。
何か悩み事があれば、いつでもお聞きしますよ。
告解も受け付けております。
これは、お守りに。
セラピム君です。
夜のお祈りのとき彼に祈るといいことがありますよ。
[言って、小さい六枚羽の天使像を差し出し微笑んだ]
<ケイオス・トライ>で母は奇跡的に吸血鬼禍を免れた。
母が手を尽くしてくれて、私はD層に来ることが出来た。
……これ以上を望んでは罰が当たってしまうわ。
[心の中で呟く]
[その生活だって決して楽ではなかったけれど]
[辛いと思った時にはいつもそうやって自分に言い聞かせてきた]
[宴のように流れ続ける人々の列は途絶える事がなく]
[街頭を彩る禿頭の男達は神からの声を受信する]
[「神託チューナー」を埋め込んだ通称「電波教」達]
[街頭ラジオとして最下層で愛される「電波教」はここD層でも親しまれているようだ]
……たとえ、何処であろうと。
[小さく口の中で繰り返す]
[その言葉は娘に複雑な気分をもたらしたけれど]
……ネル牧師様。
ありがとうございます。
[差し出された天使像は素直に受け取って]
[牧師が指差した先を見る]
[その教会もかなり草臥れて見えたけれど、それは黙って]
今度お祈りに伺いますね。
……告解したくなった時にも。
[後半の台詞は口にするべきか少しだけ悩んだけれど]
[この牧師にならする気にもなれそうかと思ったから]
[それも付け足して頷くように小さく頭を下げた]
ええ。
お待ちしていますよ。
[微笑み答える]
[と、甲高い声にふと視線を巡らすと、電波教が街の一角を陣取り、「神の声」を代弁している]
[彼は白い僧服の一団を一瞥し]
……もうそんな時間ですか。
[呟きつつ、聞くともなく電波教の言葉に耳を澄ませる]
/中/
先程の独り言もそうなのですが。
三部作は読めなかったという方がいらっしゃるので、本編のネタをどこまで表で使うかは悩んでいたりします。出されたネタには嬉々として乗りたい方なのですが。
そして思った以上に影が表に出る子になりそうな気配。メルヴィンさんと方向性が被るようなことにはしたくないのですが…はてさて、どうなることやら?(苦笑)
なむからたんのとらやーやー。
[にこにこにこ]
[口元についた果汁を拭って両手を合わせると祈りの格好]
[雑踏のざわめきの中で彼らは神の声を伝える]
『聴け、お前たち。おぉ、お前たちよ!』
『神は宣えり、
神は宣えり、
神は宣えり──』
[一斉に唱和。コンマ一秒の乱れもない]
『────『24時のニュースをお伝えします』』
『提供は「ブラインドフォーチュンビスケット社」にてお送りします。』
『本日未明……』
[ニュースの放送に思わず苦笑]
……彼らは、あれで幸せなんでしょうね。
街頭ラジオという道化とは言え、人々から愛され市民権を取得している。
全く、羨ましい。
[電波教のニュースの声。流されるのは暗い出来事ばかりだ]
[姉妹都市「ペンタ」での魔神禍による「ヘキサ」への影響、それに伴う新たな難民の流入による都市不安、B層で起こった人造霊製造工場での事故──]
なかむらたんの
とらやーやー……か。
[傍で祈る少女を横目で見て、
唱和される言葉を聞く。
神は、
神は、
神は]
……ビスケット食いたいな。
[そんな事を呟いた。]
そうですね。
こうして皆に受け入れられている。
ああして自分達の思いのままに生きている。
[羨ましいですね、と牧師に呟き返した]
[流れてくるニュースはその殆どが暗いことばかりだけれど]
[この街ではそれもまた何時もの事で]
……ビスケット?
[流すように電波教の言葉を聞いていたから]
[その一つのように青年の言葉も聞き拾って]
[けれど何か似合わない台詞に小さく首を傾げた]
領主の娘 ゲルダがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(領主の娘 ゲルダは村を出ました)
ビスケット、ですか?
[彼女の呟きに、怪訝な表情で問い返す]
[電波教から視線を逸らすと、包帯だらけの青年が一人]
[いつの間にか、沙弥尼の少女は姿を消していた]
……何だよ。
[頭巾の少女に声をかけられた気がして、
彼女の方を向く。]
好きなんだよ。
ビスケット、
お前はどう――――――ぁ。
[目を放した一瞬、
沙弥尼に似た少女は雑踏の中に掻き消えていた。]
ええ、そこの人が……
[一度牧師の方を振り返りそう言って]
[向き直った時には今度は少女が消えていた]
あら、あの子は?
[辺りを見回すが、人通りの多いここで簡単に見つかる筈も無く]
[首を傾げたまま件の青年の方を見た]
[雑踏に目を向けれども、小さな少女はそのまま流れて
姿を見つけることも儘ならぬ。]
……変なヤツ。
[自分の方を見ている頭巾の女性へ向き直った。]
俺が、どうかしたかい。
さっきの子の知り合いか?
……ええ、私もどちらかといえば好きですけれど。
[首を傾げたまま青年にはそう答えた]
[甘い物は少量でも疲れを取るのに丁度良い]
[だから大概の菓子類は好きな部類に入るのだが]
知り合いじゃありませんよ。
随分と不思議な子でしたね。
[続いた言葉には否定を返し]
その、怪我をなさっているのですか?
[彼を見たのはその包帯が目に留まったからで]
[どうかしたかと問われれば、反射的にそう答えていた]
[沙弥尼の少女は何処にもいない]
[それはここでは珍しくもないことで]
[むしろ、何も言わずに食べ物を奪っていかなかっただけマシと言うもの]
[肩を竦め、視線を青年へと戻し]
[しかし、何も言わない]
[否定の言葉。片目を細めて]
……違うのか。
[もう一度雑踏に目を向ける。
やはり少女は影も形もなく。]
ん?
[続いた女性の言葉に、
貌の右半分を手で押さえた。]
……まあな。
そう珍しいモンでもないだろう。
[包帯の一部を指に引っ掛けて弄んだ。]
確かに職業柄見慣れてはいますけれど。
ちょっと目に留まったものだから。
[包帯を弄る様子には肩を竦めてそう答え]
[ふとそこで牧師にすら名乗らなかったことに気が付いた]
私はホリー、看護婦をしています。
ちなみにそちらのネル牧師様とも今日が初めましてですよ。
……へえ、看護婦なのか。
まあ、派手に巻いてるからな。
目立つか、やっぱ。
[どうするかなあ。最後は独り言で。]
ホリーに、ネル……牧師。
なんだ、お互い知り合いって訳じゃぁないんだな。
……。
[少し考える素振りを見せ]
……俺は、メルヴィン。
[メルヴィンと名乗った青年に微笑み]
よろしく。
私はそこの教会にいるから何か困ったことがあったらいつでも来ると良いですよ。
生憎ビスケットはないですけどね。
[いつの間にか電波教のニュースは終了し、僧服の集団は次の「神の声」を求めチューナーを調節している]
[その様子に彼は僅かに慌て]
いけない、急がなければ夜の祈りに遅れてしまう。
申し訳ないが、私はこれで。
[紙袋を抱えなおし雑踏に足を踏み出す]
っと、すみません。あ、ごめんなさいすみません……。
[また左右に謝りつつ、教会へと*帰っていった*]
……ああ、あそこの教会か。
まあ、祈ることがあったら寄らせてもらうさ。
[ビスケットは無いか、そいつは残念、と眼を閉じた。]
祈りか。牧師も大変だな。
食い物、落とすなよ。
いえ、こちらこそ不躾に失礼しました。
[その言葉には小さく頭を振って]
[電波教徒の儀式も終わり、人波がまた動き始めていた]
[そのことに気が付くと、今の時間を思い出して]
ああ、そろそろ戻らないと。
メルヴィンさん、私は498番街の診療所に勤めています。
もし必要があれば訪ねてくださいね。
[小さく笑いながら言う]
[それは親切心というよりも診療所の宣伝に近いから]
それじゃ失礼します。
ネル牧師様も。
[そう言うと二人に頭を下げて。
彼女もまた人込みの中へと*消えていった*]
いや、別に気にしてねぇさ。
……診療所ね。
ま、次に痛んだら邪魔するとしようか。
[ひらっと手を挙げる。]
じゃあ、またな。
[雑踏は大きな流れ、
何もかもを飲み込んで*行く*]
舞姫 キア が参加しました。
舞姫 キアは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
ハッ、 ハッ、 ハッ、 ハッ、
[女は走る、しなやかな白い脚を閃かせて。]
[おぼろに沈んだ薄闇の中、澱んだ水溜りを蹴立てて走る。走り抜ける。
が、そこは。]
[女が飛ぶようなスピードで駆けて抜けて行く、そこは、ビルの屋上だった。]
[あっという間にビルの端へと辿り着き、]
[隣のビルとの間には、数mの隙間]
[軽々と跳躍──]
[丈の低い、老朽化したビルが立ち並ぶD層外延部。]
[その荒廃した屋上を跳ねるように駆けて行く一人の若い女。]
[額にはびっしりと汗が浮かび、呼吸のリズムは一定しているものの、紅を塗った唇から洩れる音は激しく大きい。]
[そして。]
[すんなりとした白い腕が抱えるものは短機関銃。]
[小さな影が上空を過る。]
[飛翔し青白い燐光を放つそれは、常人の目には視えない──人造霊か使い魔か。]
[射程距離から離れた高度を保ち、しっかりと女を追尾してくる。]
[後ろに「眼」でも付いているのか、追跡者の存在を予期していたのか、]
[女の手が結い上げた髪へと伸び、結び目に挿されたスティックを引き抜く。]
[細い指に挟み、念を込めると、予め封じられていた呪式が起動、]
[魔力の輝きを帯びたスティック・・・否、髪飾りの形をした呪符を、振り向きもせず後方に投げ遣る。]
[呪符を核とした魔力塊は、文字通りの飛矢(ミサイル)と化して、回避行動を取ろうとした霊体を過たず射抜き、霧散させた。]
─────……
[真なる闇黒のなかに轟音が鳴り響き、一条の光が差し込む。]
[轟音は部屋を閉ざす分厚い防護扉の開く音であり、光は入り口から差し込む外界の光。]
[その光は、闇の中心に置かれた、直径1メートル長さ3メートルほどの金属筒に反射して、うっすらとその形を浮かび上がらせた。]
[扉は徐々に開いていき、光の幅が人一人の厚みよりも僅かに広くなった時、]
[一つの人影がその隙間から滑り込んできた。]
[あの、若い女だった。]
[女は蹌踉きながら、部屋の中央に安置された円筒へと進む。]
[白い顔は更に血の気を失い青白く、珠のように浮かんだ汗は顎から滴り落ちて、埃の積もった床にいびつな丸い痕を残す。]
[ほんの数分前には、鹿のようにビルの上を跳躍していた脚にも力は無く、全身が今にも崩れ落ちそうなほど。]
[かろうじてその前に辿り着くと、縋るように抱くように、円筒へと身を投げ出した。]
[円筒の、透明な硝子状になっている部分にぺったりと頬をつける。]
[その顔には疲労と……死相が、拭い切れぬ濃い影となって張り付いている。]
ごめんなさい……わたし、もう、あなたを護れない。
[溢れ出した涙が顔を濡らし、円筒へと流れ落ちていく。]
[抱き締めるように円筒に覆い被さった女の背中、]
[その背はぐっしょりと血で濡れ、はぜ割れた傷痕が赤黒い口を開いている。]
せめて、あいつらが追いつく前に。
[女は震える声で開封の言霊を放った。]
[それを認識した機器が、金属筒の中に在るものを目覚めさせるプロセスを開始したのを確認して、]
[小さな溜息と共に全身の力を抜いた。]
[……それが女の最期だった。]
[やがて。]
[時間にして僅か数十秒後。]
[闇のなかで静かな駆動音が発せられ、金属筒の外殻がおもむろに開き始めた。]
[そのなかに在るのは、人間の形をしたもの。]
[それは、]
────17:32 P.M.
交霊経路より傍受された通信。
ガガガガガッ……ザ、ザザ───ブブブブブ
ザッ・──より、ガガガ・に報告ザ────
目標Aは・ガガッ・ガ──・に向けて逃走中・ビ──ッ・
封鎖準備中のD層第348区・ビビビビビガガガガガ・
ザ──────ブツッ。
舞姫 キアがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(舞姫 キアは村を出ました)
族長の息子 ポール が参加しました。
族長の息子 ポールは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
[D層市街部。]
[帰宅途中の勤め人や学生らしき服装の若者でごった返している中を一人の少年がふらふらと歩いている。]
[D層ではすっかり夜の時間帯とは言え、無論子供の姿が珍しい訳でもない。周囲の大人たちは見向きもしない。]
[ただ少年が時折立ち止まって辺りを見回したりする度に、行く手を遮られた通行人が避けようとして少年をチラリと見る、それだけだ。]
[少年の方はと言えば、自分が流れていく人の動きを妨げているなどという自覚は微塵も無いようで、]
[大人しそうな端正な顔に浮かんでいるのは、ただただ純粋な好奇の色ばかり。]
[歓声を上げるでなく、問うでもなく。]
[控えめな知識欲のようなものを瞳に宿してゆっくりと歩いて行く。]
[狭い聖堂の中]
[説教台をテーブル代わりに食事]
……主よ、恵みに感謝します。
[切り分けたパンにフルーツ、後は安物のワイン]
[窓の向こうからはきらびやかなネオンの光が入り込み、室内に陰影を与えている]
[外では、電波教信者が新たな「神の声」を告げ、重なるように怒声が響く]
[いつもと何も変わらない]
うちも聖光浴のサービスとかするべきでしょうか。
このままじゃ経営難で教会はつぶれて私も免職ですしねぇ。
あぁ、B層じゃ食事の準備なんて修道女の方がやってくれていたし毎日充実していたのに。
なんで、こんなとこに……。
[ワインを一気にあおる]
[二杯目を注ごうと瓶を傾けると既に空]
……足りないですよ……。
[ぽおん。
林檎を適当に投げれば、ネオンが其れを照らし出す。
極彩色の夜の淵、
手にした林檎をひと齧り。]
……なぁんか、嫌な感じがするな。
酒場の主人 デビッド が参加しました。
酒場の主人 デビッドは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[雨粒の音がぱらぱらと耳を打つ。
薄汚れたベッドの上、男が目を開けた]
ああ。時間か――。
[鬱金色の蓬髪をぼさぼさと掻きながら、男は身を起こす。その目の下には隈。肌色には精彩がない。引き毟るようにシャツを脱ぎ捨てて戸棚を開く。乱雑な動作のまま着替えを済ませ、壁に掛かっていたジャケットを羽織るとねぐらを後にした]
よう、牧師さん。
[林檎をまたひと齧り。
雑踏の流れを横切って、笑みを浮かべる牧師の下へと歩み寄る。]
どうしたんだい、
こんなトコで見張り番?
それとも立ち往生かい?
あぁ、いや──。
「飲み物」がなくなってしまったものですから、買いに行こうと思ったのですが。
……なかなか波に乗れなくて。
[照れたように笑う]
[今日もいつものように一日が終わった]
[そしていつものように人波に流され]
……何かしら?
[けれどその波がいつもとは少し違う気がして]
[疲れているからだろうかと人波を抜けて脇に寄る]
[小さく溜息をついて何の気なく辺りを見回した]
切り裂き ジャック が参加しました。
切り裂き ジャックは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
ははは、どうも人混みというのは苦手でして。
いえ、店までの道は分っているんですが、
……皆さんすごいですよね。
これだけの人波が、まるで平気なようだ。
何か、コツみたいなものがあるんでしょうねぇ。
ははん、そうか。
まだアンタ、此処に来て日が浅いのか?
コツって程のものでも無いけどな、
遠慮しないって事がひとつかな。
昨日謝りながら去っていったろう。
あれじゃぁそうそう進めない。
[包帯を、指で弄び]
ぶつかったって大して気にしないから
進みたい方に進むことだ。
後はまあ、人の切れ目を探す、とか。
村の設定が変更されました。
え、だって。
人にぶつかったら謝るのが礼儀じゃないですか。
それに人の切れ間を探すったって、これじゃあどうやって……。
[言って、もう一度人波を見る]
[どう頑張っても、切れ間は見えてこない]
……やっぱり私、この教区向いてないんですかねぇ。
と、あれ?
[言って、もう一度人波を見る]
[通りの中央あたり。一部だけ人波が二手に分かれている]
[その中心には一人の少年]
[行きつ、止まりつ]
何してるんでしょうねえ、彼。
はは、アンタ丁寧なんだな。
良い所から来たのかね。
大丈夫、多少ぶつかったって誰も気にしやしないさ。
ほら、今其処が途切れた。
[指差す、直ぐに切れ間は無くなり。
そして再度切れ目。
少年の影。
1人。]
……なんか珍しいモンでもあるのかね。
[そうして見回せば原因が一つ見つかった]
[人波の中、時折立ち止まってしまう少年が一人]
……昨日の子といい。
[不思議な子だなと思った]
[酷く邪魔にされるわけでもなく]
[本人も周囲を構うことなく]
世の中、ああやって生きていけたら楽よね。
[小さく苦笑して]
[もう一度人波に乗るために、鞄を抱え直した]
定員に達しなかったため、村の更新日時が24時間延長されました。
[赤錆びた雑居ビルの非常階段を、男は下りて行く。他に人の姿は無かった。降り注ぐ雨滴は空中に漂う浮遊霊を洗い流す為の聖水。時折吹き付けては男の頬を濡らした]
今日は随分降る事だ……ん?
おい、じいさん。
退きな。
切り裂き ジャックがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(切り裂き ジャックは村を出ました)
[赤錆びた雑居ビルの非常階段を、男は下りて行く。他に人の姿は無かった。降り注ぐ雨滴は空中に漂う浮遊霊を洗い流す為の聖水。時折吹き付けては男の頬を濡らした]
今日は随分降る事だ……ん?
おい、じいさん。
退きな。
[階段出口に座り込んだ人影は動かない。肩を竦めた男が横を通りすぎた刹那――ずざ、と軋る音を立て、老人は男に襲いかかった]
[老いて落ち窪んだ目は異様な精気に満ち、くわっと開いた口腔から涎が糸を引いて迸る。鉤爪状に開かれた十指が生身の肉を千切り取ろうと伸ばされ――撃墜された]
――うるせぇ。
[男は左の裏拳を老人の顔面にめり込ませたまま、完全に活動が停止した事を確める。コンクリの床にずるずると崩れ落ちた『動く屍体』から薄い靄が抜け出ていった]
/中/
牧師様のメモに関して。お気になさらずにですよ。
…最低開催人数の所には気が付いていたけれど、どうなるのか分からないから黙っていたりしましたし(苦笑)
雰囲気に従い、メモは簡潔に。中バレ防止のためにも…ってこの人数じゃ意味ないでしょうか(笑)
普通に消去法で分かりそうですし、そも中バレしたから何が拙いって、別になにも問題ないですしね。
ちなみにプロ終わったら中会話はなくすようにしようかと思います。その方が私の好みだったりするので。
中メモはSNSの方に残す予定ですし、何かあったらエピで質問しますね。ログ読みもその方が楽になるかな?とか。
…さて、表はどう動きましょうかね?<いきばた人間
[流れを読んで一歩踏み出して]
[けれどその途端、昨日知り合った青年の顔を見つけて]
あ。
[ついそっちに気を取られたものだから]
[流れに乗り損なってしまった]
[弾かれるようにふらりと流れから逸れて]
あっ、ごめんなさい。
[立ち止まっている少年に軽くぶつかるような形で]
[娘の足も止まった]
[〈ケイオス・ヘキサ〉D層三四八番街。
その一画、唐突に現れるスラム。
混沌の街が育つ内に霊走路網の雑音が寄り集まって発生した呪的空白地帯。通り一つを隔て、最下層よりもなお剣呑な空気がこの一帯には漂っていた]
ちっ。
くたばるつもりなら、もっとマシな場所があっただろうが。
[恐らくは今朝ごろ死に、雑霊に取り付かれたのであろう。
再び動かなくなった屍体に向け、男は銃を抜き放った]
[D層の辺境、雑霊どもの吹き溜まり――それでも、この場所に行き着くしかなかった者は居るのだ。
この老人のように。そして、己のように]
はっ。知ったことか――。
[自嘲の声を洩らし、止み始めた雨の中を男は歩いていった。生気と活気に満ちた、通りの《向こう側》へ――]
人を見ていたって……。
何処に居たって居るじゃないか。
[首を傾げ、
視線を先程見つけた頭巾頭へと向ける。
相手も此方に気付いた様子で]
あ。
やっぱり、ホリー……ぉ?
[看護婦が、少年にぶつかってとまる。]
ああ。わたしの名前を尋ねているのでしょうか。
わたしはポールと呼ばれていました。
[としどろもどろな牧師の顔を更にじっと見詰める。]
わたしは何か意味不明なことを言ったでしょうか?
酔いどれ ドナルド が参加しました。
酔いどれ ドナルドは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
いや意味不明と言うか、こう。
……ちょっと今まで接触したことのないタイプといいますか。
ポールさんと仰るのですね。
[にこりと微笑む]
[D層第348区]
[人込みを縫うように歩く彼の目に映るのは、平常と変わらぬ市民の姿]
[S.E.A.T.の制服が珍しいのか、すれ違う幾人かが彼の姿を見送る]
『──ザ...ザザッ』
[腰に下げられた携帯無線から絶え間なく現状報告が伝えられる]
……たった一匹の吸血鬼を殺せば、数千を殺す必要はない。
[手立てがあるわけでもない。遭遇できるかどうかも怪しいところだ]
[再び、携帯無線が現状を告げる]
『──第348区の閉鎖は完了』
『各員は消毒準備及び最終確認急げ』
区画閉鎖完了、か。
[このままでは彼も無辜の市民同様、「消毒」という名の爆破に巻き込まれて死んでしまう]
[しかし]
──。
[歩みは止めない]
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