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[何度も傷付きながら、ようやく手に入れた聖杯への願いが、あろうことか他人のための願いだとは。呆れた男だ、と思いながらランサーの背中を見送った。
蒲生延は力を欲していた。英霊と呼ばれる彼らに匹敵する力を。
だが、聖杯にそれを願おうとして、首を横に振る。
そんな手段を用いて手に入れた力は、本当の強さではない。信長と原田の最後の戦いを見て、そう感じていた。]
困った、な……。
[何を願っていいかわからなかった。と、その時、一人の女性の顔が思い浮かぶ。]
そうだな、キャスター……、シェエラザードの願い。
何を願ったのかは知らんが、それを叶えてやってくれ。
それでいい。
[言って、聖杯に背を向けて歩き出した。]
あ、やべえ!
お殿様もすごい格好いいよ!なにこの展開!
よし!これに免じて一文字の肩を支えたこと許すよ!
[ 布団の中からきゃわきゃわ言ってる。]
[長いようで短い、非日常が終わった。あとはかつての日常に戻るだけ。
己の中で感じる変化。]
……俺も、原田のことは言えんな。
[小さく呟き、屋敷へ*向かった*]
[山の方から二度、魔力の振動を感じる。
恐らくは勝者が己の願いをかなえたのだろう。
あとは、聖杯が消えて何時も通りに……。]
――聖杯が、消えていない?
[今まで通りなら、二度の願いを叶えれば魔力を全て使い果たし、山の上に出現した聖杯は姿を消す筈だった。
だが今回は、未だに聖杯に魔力が残っている。]
確かに今回の聖杯の魔力は異常な量がありましたが……。
一体今回の聖杯戦争に何が――?
……。
[山の上空が光り、途方も無く大きな魔力がそこを覆っていた。
それを、地面に膝をついたまま見つめ、力の波動を二度感じた感じた所で目を閉じる。]
(……終わった…)
[このまま倒れて、土に還るのもいいかもしれない。
そう思って、地面にそっと触れた。]
……え…?
[そこから伝わる、大いなる力。]
[思わず山の頂を振り返ると、光は未だ変わらずそこにある。]
……っ。
[震える手で、祈るように手を組んだ。
流れ星に 願うように――]
……もう一度、あの手に 触れたい…。
[涙が一筋、頬を伝わって*地面に落ちた*]
[聖杯が、三度目の振動を起こす。
そしてソレを最後に、聖杯の魔力は霧散し、聖杯戦争の終わりを告げた。]
最後のは……まぁいいでしょう。
コレで此度の戦争も終わり。
あとは何時もどおりの日常へと戻り、残るは膨大な後始末と上への報告だけ、と。
まったく、特に今回は上も五月蝿そうですしねぇ。
[九鬼は溜息をつくと、深々と椅子に座りなおした。]
それではエピローグにはいります。
最大の注意点ですが
【生存者のエピローグが終わり、GMがfinマークを入れるまで独り言を含む全ての発言を禁止】します。
それでは、エピローグ間も無く開始です。
−教会−
本当に、お疲れさまでした。
[九鬼の事務机に、紅茶とクッキーを置く。クッキーは槍の形をしている。]
マスターの生存者は4名ですわね。
そしてそのうちの、2名が聖杯に何かを願った……。
本当に、イレギュラーが好きな聖杯ってことですのね。
報告です。
梧桐さんですが、肉体の治療は完治しており、後は本人の気力次第、という状態になっています。
魔術回路修復に関しては
……申し訳ありません。今現在絶望的と言わざるを得ません。
何か奇跡でも起きない限り……
[そのとき、治療室に小さな物音がした。]
平 芽祈が「時間を進める」を選択しました。
ああ、ありがとう。
[紅茶のカップを手に取り一口。]
それに振り回されるこっちの身にもなって欲しいものです。
後は後始末ですが……今回の勝利者は何を願ったのやら。
私達が駆けずり回ることの無い願いならいいんですがね……。
[報告を聞きながら。静かに眼を瞑る。]
奇跡、ですか。
本来ならば、ソレを一番に信じるべきは私なのでしょうが。
――いや、やめておきましょう。
[そしてクッキーを手に取り、まじまじと見る。]
……食べにくい形、ですね。
[そしてソレを口に運ぼうとした時、治療室からの物音で手を止めた。]
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