情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[20]
[21]
[22]
[23]
[24]
[25]
[26]
[27]
[28]
[29]
[30]
[31]
[32]
[33]
[34]
[35]
[36]
[37]
[38]
[39]
[40]
[41]
[42]
[43]
[44]
[45]
[46]
[47]
[48]
[49]
[50]
[51]
[52]
[53]
[54]
[55]
[56]
[57]
[58]
[59]
[60]
[61]
[62]
[63]
[64]
[65]
[66]
[67]
[68]
[69]
[70]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
桐生 茜は平 芽祈に投票を委任しています。
梧桐 曹は平 芽祈に投票を委任しています。
ランサーは平 芽祈に投票を委任しています。
蒲生 延は平 芽祈に投票を委任しています。
キャスターは平 芽祈に投票を委任しようとしましたが、解決不能でした。
アーチャーは平 芽祈に投票を委任しています。
眞奈 みなみは平 芽祈に投票を委任しています。
桐生 茜 は キャスター に投票した。
セイバー は キャスター に投票した。
梧桐 曹 は キャスター に投票した。
ランサー は キャスター に投票した。
蒲生 延 は キャスター に投票した。
キャスター は 蒲生 延 に投票した。(ランダム投票)
アーチャー は キャスター に投票した。
眞奈 みなみ は キャスター に投票した。
九鬼 聖法 は アーチャー に投票した。
平 芽祈 は キャスター に投票した。
蒲生 延 に 1人が投票した。
キャスター に 8人が投票した。
アーチャー に 1人が投票した。
キャスター は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、梧桐 曹 が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、桐生 茜、セイバー、ランサー、蒲生 延、アーチャー、眞奈 みなみ、九鬼 聖法、平 芽祈 の 8 名。
[ 突如としてツカサの魔力が膨れ上がった。溢れ流れる魔力が何かを構築していく――
――数刻の時を経て、そこには『呑み処・高楊枝』と書かれた看板を掲げた立派な屋台ができあがっていた。]
はい、いらっしゃいー。
[ 呑み処・高楊枝。只今開店!]
うん。
墓下の空気も確認せずに馬鹿をやった。反省はする。後悔はしない。
ギリギリを狙ったら夜明け前の表に発言しかかったのは内緒だ!
しかも2回も。
ふっ。ハリセンなど!
娘の鉄扇で鍛えられたわ!
まあでも、「ツカサたん萌え!」と言っていたのは事実だ。
これは嘘ではないぞ。
後、新装開店おめでとう。
平和で流線型で平等な武器は売っているかな。
ああ、いまならちょうどこんなのがあるね。
[ ツカサは生卵を取り出した。]
お父さんに言われた条件は全部揃っていると思うけどどうかな。
生卵か……悪くはないが一度きりというのがな。
[生卵をじっと見つめ回した後、ツカサに投げつけた!]
ふうむ。منافض السجائرなどは無いだろうか?
…ところでハルカさんがどっか行っちゃったみたいなんだけどお父さん。
名前呼び間違えたの、怒らせちゃったかな。ごめんよハルカさーん。
ちょ、臭い臭い臭いこれはたまらん!
だからペルシア語は判んないんだってば勘弁してよお父さん。…ちょっと着替えてくるからまた後でー。
そのようなことで怒り猛り狂う娘ではない。
恐らく――――、いや、なんでもない。
娘の現在はご想像にお任せしよう。
ただし! 破廉恥な想像以外だ。
[仮面から漁師の槍をちらつかせた。
先端が朝陽を浴びて輝いている……。]
僕ほんとはさー、漫才の相方がほしかったんだよね。
マナカを甦らせること叶わなかったらそれを願おうと思ってたんだけど…。
お父さん、僕と一緒に爆笑OAバトルの星にならない?
何を言っているのかね。
君には左之助という大事な……いや特殊な相方がいるだろう! 突っ込みが足りないというなら私の娘が適任だが。
鉄扇と角材、どっちがいい?
ツカサ。
君が漫才の相方を探したり、娘とSMしたり、たまねぎを巡る攻防を繰り広げている間に。左之助が着々とガモーの毒牙にかかろうとしているぞ。
いいのか。
いや止める術も無いが。
やあ!
生前はついにお目にかかることなく終わっちゃった腹黒バイセクシャラー聖さんおはよう!
重力使いがこの街に来ていたことは聞いていた設定にいましたけれど君がそうなんだね、はじめまして。
お近づきのしるしにまあ一杯やってくれ。
つ【バーモントカレー】
ああ、うん、ごめん。
その顔が(げふんげふん)じゃなくって。
いたいけな少年を籠絡したのと、死に際の女の子とっかえひっかえっぷりからそんなイメージ持っちゃって。気を悪くしたならごめん。
いやいや、気を悪くなんてしてないさ。
でも少年を籠絡とか、
女の子とっかえひっかえなのイメージがなのか、僕は。
瀬良家、眞奈家と比べてツカサの存在は調べておいて良いものなのか悩んでいたよ、分家だしこっそり生きてそうなイメージだったから
うん、多分その顔が一番の問題(げふごふ
うちは調べられなくてよかったと安堵してる。“本流”の詳しいこととか僕さえ知らないからね。でも実家は多分、調べたらそれなりに名前は知られているんじゃないかなあ。なんせ河川一本、即席で霊道に仕立て上げるだけの技術と組織力はあるんだから。
本流ってもしかしたら結構大手さんだったりして☆
というか僕、いまどれだけ浮かれているんだろう。
墓下に来たのがそんなに嬉しかったのかな。一人称も「私」から本来の「僕」になっちゃってるし。
というか、ねえ、死んだらマナカに逢えるってwktkしながらやってきたんだけどどこにいるか知らないかい?
新しい幸せどころか、ガモーによって新しい世界を開拓してしまいそうだが……。
はっ。
まさかもう漫才は始まっていたのか。
……さ、左之助は私がめとる。ガモーにはやらん。
ツカサ酷い!
もう妾のことを忘れてしまったのね。
だからいつの間にか、見た目ロリとか、見た目アッーとか、見た目一文字とかに走っていたのね!
バーサーカー…ばかだなお前は。
そんなことを言っても逃げるに決まってるだろう。
[奈落に落ちそうなバーサーカーをキャッチした]
ツカサ、こんなサーヴァントだが、想いを受け止めてやってくれないか。
…いつもいつもツカサが、と煩かったんだ。
あとマナカらしい影は見ていないな。ここは死後の世界と現実の狭間のようだから、いないのだろう。
−教会 治療室−
[ランサーのマスター梧桐曹が教会に搬送されると、治療スタッフが迅速に処置を始める。一刻の猶予も許されない致命傷を負っているのは見るに明らかだ。
教会の治療設備には、「肉体を物理的に治療する医療技術担当」「肉体の自然治癒能力を回復させる東洋医療担当」そして「魔術師の魔術回路修復を行う魔術担当」の異なる分野のスタッフがいる。
梧桐の状態は昏睡。時折止まりそうになる心拍を、あらゆる手段で辛うじて留めている。今梧桐が助かるために最も不足しているのは「生きることを欲する生命欲」そのものだった。]
―7日目 東ブロック・マンション―
[時計の針が日付の変更を告げた頃。
少年と魔術師の娘は本拠とするマンションに帰り着いた。部屋に向かう間も会話はなく、ただ無言。
先ほど目にした光景の圧力。サーヴァント同士――それも二対一で――の戦闘とは思えぬまでの戦力差が、二人に沈黙を強いていた]
(ただ、あれは――サーヴァントというよりも)
(霊格規模で言えば英霊よりも上の、何か)
(ジャックとは違う意味で人の手には余る存在)
(神性の一種ではないのか――?)
[少年の推測も口に出される事はない。
最前から身中に起こっていた異変。熱病にも似た奇妙な疼きが、次第に思考を*駆逐していった*]
私は復活できないように消滅したらしいぞ。
ツカサは、まだ生きていてもいいんじゃないだろうか。
マナカもきっと生きていて欲しいと思ってる、とは思うのだが。
生きていることが全てマイナスにしかならないのなら、マナカを追うのも選択肢の一つだと思う。
でも、そうでないのなら、生きていて欲しい。
ツカサのような魔術師がいることが、私にとっては救いなのだから。
と、自ら死を選んだ私の言える言葉ではないな。
さて、飲もうか。
居酒屋作ってたはずだな、確か。
マスター、いっぱいきついのをくれ。生きているうちは禁酒の日々だったから。
まあ、僕にとっては聖杯戦争に参加した時点で良くも悪くも願いは叶うのが確定していたんだけどね。
勝利=聖杯にマナカを甦らせるよう願う
敗北=死亡だからマナカのところへ逝ける
で、敗北した上で生き延びるのは聖杯戦争に参加した時点での僕の想定には入っていなかった。はてさてどうなるんだろうね。
しかしツカサ、朝から喋りすぎだ。
[手酌でお酒を飲んでいる]
今日は表はどんなラブ空間が広げられるのか、見ものだな。
アチャTあたり。
手に焼酎の水割り持って女子高生はまずいか。
[手に持ったジョッキを見る]
ツカサ、バーサーカーの言葉は気にしないでほしい。私は確かに、ツカサを気に入ってはいたが、……その目に私が映ってないことは明白だったからな。
[ぐびぐび]
キャスターもおはよう。
毎夜毎夜蒲生の相手は大変だっただろう。
一応キャスターの魅了にかかった男どもに襲われない様、別の部屋を用意しておいた。
お気遣い有り難うございます。
ところでハルカ、貴女なんとびっくり私より年上だったんですね……(ほろり
……ああ、頂きます。[くぴくぴ]
みなに驚かれているな。
20代後半、と決めていたのだが、こちらに来てつい言ってしまった。
でもバーサーカーには中身もお子様だといわれたぞ。
ぷんぷん。
ちょっと遅くなったけどお昼ご飯置いておくね。
つ【新たまねぎのシーチキンサラダ】
つ【南瓜の煮物】
つ【手捏ねハンバーグ】
ご飯もたっぷりあるのでお腹一杯どうぞ。
個人的に、終焉キャラを利用したチート化は好きではありませんの……。事前に自己変化やっとけって言ったのに!
ということで
「エピで戸田万寿夫公開お仕置きの刑」
を予定しておりま〜す。
信長だけに、火炙りの中自決で確定ですわね☆
ちなみに私GM補佐やってますけど、サブではないので裏設定たいして知りません(爆)
なので……
開示したくても何も出来NEEEEEEEE!
そういえばシエ子さんの魅了は完全にスルーしてた!
いや、ほら、マナカを亡くしてから女性に対するそうした感情なんてもう欠片も残ってなくて、ね、ほら…。
ヒジリさんは悪人だと思ってたなー。
途中の「まあ僕の願いが叶ったら関係ないんだけど」発言あたりで。
世界滅亡を願うものとばかり思ってたよ。
お酒のツマミにどうぞー。 つ【搾菜】
キャスターの魅了については、狂化してから魅了されるとギャグにしかならないような気がして迷った記憶がある。
答として、あらゆる意味で突撃させていただいたわけだが。
あと皆がシエラシエラ言うものだから、途中からシエラハザードに見え始めたのはマイカとの秘密だ。
しかしキャスターが増殖して魔法弾を撃ち続けてくれるなら私も宝具発動し放題だな。よしツカサ、魔力を貸したまえ。
方法は問わない。
ああ、はい。こんにちは。
……殖えるんですか、私が。イヤですよ。
あ。ちなみに、私は王族ではないですよ。嫁いだだけなので。
ここの器は現在も一応平行世界に繋がってるけど、メインチャンネルが原作世k(略
とかまぁ、裏設定あるわけですが
…こんなのプレイヤー視点でしってても調べようがないよねーという。
メイガスの魔術弾を受けた時に宝具は発動していた。
いたのだが、メイガスは空へ羽ばたいていかれた後だった。
まさにワンダー。
バサカ「行くぞ! 宝具はつd・・・」
シエラ「マスター! 宝具を使います!(きらーん★)」
バサカ「え、あ、待ってご夫婦…・・・」
――time up――
興味深い話をありがとう、見知らぬ詩人よ。
そうか。
ヒジリの願いはある種、叶いかけているのだろうか。
いや解釈を間違えていたらすまない。
いやー。あれはどちらかと言うとこちらの動きに不備があったように思う。翌日奥さんが四次元迷子になったことを考えると、素直に夫婦を待つべきだったかもしれない。
もしくは宝具発動して怪鳥の羽一本でも毟っておくべきだった。どうやら私には野心とか貪欲さとかが足りないようだ。
再戦出来ずに残念だった。
特にガモー氏とは一騎打ちをしたかった。そして破れたかった。「蒲生延、見事也……」と言ってみたかった。私の不徳のいたすところだ。
基本的にバーサーカーTってインパクトに欠けたな。
お株を色々奪われたというか。バーサーカーがいつも自分のアイデンティティについて悩んでいた。
仮面があるじゃないか、と言っていたのだが。
そして今は仮面だけの存在に。
世界設定っていっても、信長の過去裏話。
ハジュンの人を怨む理由。
杯の正体。しかなくてさー。
しかも今ケータイだし。
更に、どれも調べようない設定だから今落としてもなー…と。
弱体化はこれ以上ないフラグ立ってる上にヒントは昨日の時点で出してるし、土壇場でしか使えないわで今やりようが。
いやでもね、基本的にシリアスの似合わない僕としてはバーサーカーとの出会いは非常にありがたかったんだ。
あれでナニカが補充された。これでもう10年は戦えるって気になった。
そですか?
ハルカ好きだったんですけどね。
うちのマスターじゃないけど、拉致ってこう、なんというか。
キャスターは可愛い女の子を愛でるものと相場が決まってるって、聖杯が……(世界の修正が入りました)
ZEROキャスターは黒歴史。
確かにそうだな、黙ろう。
とりあえず流れも何もない説明台詞は個人的に嫌なので、何か考えて表にだそう。
詩人さん、あんま悠長にしてると教会の小娘がなんかやっちゃうぞきっと。
そんでもってまたちょっと料理の仕込みをしなきゃなんでこれにて。
ハルカにツカサ、いってらっしゃい。
……まあ、私どっちかというと襲われる側かもしれませんが。
ハルカとかミナミにごにょごにょされたい。うん。
ZEROキャスターは憧r
げはっ
シエラさん、足蹴とはあまりにも過激ではないか。
しかし魔術弾を用いない辺り、我が宝具をよくご存知でいらっしゃる。さすがは稀代の魔術師、といったところか。
……自分で言うのも難だが、私よりも振舞われる側が酷いことになりそうだな。というか私を煮込むと灰汁が大変だぞ、灰汁が。
ナニやってるも何も。メイガスが進言されたのではないか。
「怪鳥を燃やしてロックを奏でなさい」とかなんとか……。
余談だが、宝具を七万奴隷軍召喚にしてシエラさんと正面衝突するのも面白かったかもしれないと思う。
ZEROライダーにかぶるので案段階で破棄したのは惜しかった。
……灰汁を取るような気配りがあれば、あんな残念な料理は出来ません(ほろり
>宝具
予想はそんなんでした。
それだったら楽しかったですね。出力全開で魔術乱射しても自分のマスター巻き込まな……こほん。
勿論、奴隷軍は全員仮面をかぶっている。
……幻想vs仮面か。シュールだな。
料理の技術に引け目を感じるのであれば、よければ私が手ほどきしてさしあげよう。こう見えても剣闘士時代に自炊した身。
雑草や鉱物の選り分けも自在になれるぞ。
どうかね?
……ええと。
雑草はまだいいです、まだ。植物ですから。
取り敢えず、料理で何故、鉱物という単語が出てくるところから説明して頂きましょう。
ヒジリが「彼」をベースにしていると気付いたのは途中だったな。最期の爆弾の辺りで確信に変わった。遅すぎだろうという忠告は聞かない。
町中で○ーミネーター紛いをやってみたくもあった。ヒジリの近代武装を受けながらも前進する私。仮面は傷一つつかず、にやっと笑顔に歪んで月光を弾き――
簡単だ。シエラさん。
人間には鉄分という要素が必要らしいのだ。
これは血湧き肉踊らねばならぬ戦士には不可欠なもの。
故にそなたが愛したマスターも喜んで食してくれるだろう。
むしろ雑草よりも鉱物を調理して欲しいに違いない。
故にそなたはここで鉱物の調理法を学ぶべきなのだ。
……なんと。
そうだったのですか……市井のことを、もう少し学ばなくてはいけませんね。どうか御教授願います。
実はヒジリの武器が拳銃で良かったと思ってました。
私の反応速度だと、流石にライフル弾は防ぐ前に当たりそうだし……。
"それが、貴様の欲か。"――信長よ。
[山中、木々の間で立っているセイバーが己の内へと声をかける。]
前回といい、良くもまぁ邪魔をしてくれる。
令呪の効果が切れると同時に、我を押さえつけようとするとはな。
[あくまで体はお前の物と言う事か……と思い通りに行かないことに不愉快になる。]
『自分の死に様が思い出せなかった。
其処に思考が近づくと起こる頭痛。
お前のせいだったか
――波旬。』
[一時的な令呪による宝具のブースト。
それにより波旬の力を引き出しすぎ、内へと押し込まれた信長が答える。]
当然だ、再び己ごと滅ぼされては困るので、な。
まさか、一時的にとはいえ我から意識を奪い。
己の忠臣に自分を討たせるとは、してやられたわ。
[何かを探すように、山をゆっくりと歩く。
其処に静かに響く、同じ声の2人の話し声。]
そうだな。まずは岩塩から入ろうか。
マスターは鉄を示してくれたが、まだこちらは難度が高い。近頃は純粋鉄や、別のものを混ぜた鋼も混在している。見分けが難しい。
これは戦士でなくとも口に出来る食べ物だ。
特徴はガラスのような光沢。地方では色のついたものも存在するが、基本は白色だ。同じ白色でも滑石と間違えてはいけない。こちらは蝋燭のような濁った白色をしている。
ちなみに岩塩と名はついているが、海岸沿いにのみ存在しているわけではないぞ。潮干狩りよろしく裸足で砂浜をウフフアハハしないように。
ここまでで何か質問はあるかね、シエラくん。
『……秀吉は、俺に心酔しすぎていた。
例え中身が違っていても、俺という姿ならば迷いなく仕えるだろう。
家康は徳川の当主。
奴が俺を討てば、その後の戦……そして織田家の終わりを意味する。
何より、幼少の頃からの友であった家康に、その様な名事は頼めなかった。
だが……光秀、あいつだけは俺が"別の者"となっている事に気付いた。
誰よりも忠義に厚かった奴の事だ、他の者に仕えるなど……耐え難かったろう。』
戦士のみ、というわけではない。
だが己の力を鍛えようと強い理念を持つ者が口にした時、真価を発揮する食物であることは確かだ。故に戦士たろうとする者以外に振舞うことはオススメ出来ない。
覚悟の無い者が無理に食そうとすれば、腹痛・頭痛・発汗・発熱・眩暈・吐気・緊張・苦痛・苦労・ヘタレ、などの症状を引き起こすだろう。
魔術における回路作成と似たようなものだな。
真、邪魔な者であった。
[浅井朝倉の髑髏を酒の肴とした時を思い出す。
あの時の奴の目など、殺意に満ちていたものだ。]
それでも、我に仕えていたのは……我を討つ為だったか。
道化として生かしていたのが裏目に出たな。
うむ。よろしい。
次は少し趣向を変えよう。こちらも常人向けだ。
「磁鉄鉱」と呼ばれている鉱物を紹介する。戦いに傷つき、痛みと出血を毎時伴うそなたのマスターには必要なものだろう。
これは煎じて呑めば睡眠・鎮静の効果を齎してくれる。食用というよりは薬用だな。同様の効果を持つものに朱水銀があるが、こちらは戦士であっても毒性を免れ得ない。磁鉄鉱の使用をオススメする。
見分けは非常に難しい。鉄のような黒い石、というのが端的な説明だが類似した鉱物は大量にある。そこで、だ。
磁鉄鉱の特性を利用する。
これはその名の通り、磁石としての性質も兼ね備えている。故に他の鉱物――これは鉄か銀が望ましい――を近づけてやれば吸い寄せられるはずだ。
吸い寄せられない場合もあるが、そちらは薬用の効果も薄い。故に期待できないので捨て置くが無難だ。
ここまでで何か質問はあるかね、シエラくん。
『奴は耐え続けた。
そしてあの日、家康の接待を命じた夜。
お前の意識を奪い、一言告げたのだ。
本能寺にて俺を討て。
――敵は、本能寺にあり……と。』
[涙を一筋流し……光秀は唯一言だけ呟いた。
"承知しました、信長様"と。
どれほど苦しかっただろうか。
どれほど耐えただろうか。
その末にあるのが、己の主君を討つ事。
その道の行く末は、己が身の破滅。
其れを全て理解した上で、光秀は言ったのだ。
"承知した"と。]
磁鉄鉱ですか。
母国でも採れましたが……成る程、薬用になるとは存じませんでした。
先生が撃たれたら、魔術薬の代わりに試してみたいと思います。
−教会−
[盛大な魔力の発動が観測されたのは、淡路山だった。調査スタッフの代表者が報告書を片手に現れた。]
「調査の結果、昨夜消滅したサーヴァントが判明しました。キャスターのクラスを持つサーヴァントです。木々や土や大気中に残留した、濃密で膨大な魔力は……他のクラスに編み出すことは到底不可能と思われます。」
そうですか……有難う。
あ、お疲れさまでした、これでも召し上がって〜☆
[芽祈がペンタグラムを模ったゴボウクッキーを差し出すと、愛想笑いをしながら受け取り、調査員はなおも続ける。]
「やはり、聖杯が出現している淡路山での戦闘では、サーヴァントに対する異様な干渉が起きるのでしょうか。」
それは、どういうことでしょう?
「……どうも、昨日の戦闘でキャスターから放たれた大規模な魔力が……。魔力の流れを追いかけ調査した結果、大部分が戦闘に用いられず直接聖杯に吸い込まれてしまったようなのです。従って、キャスターは昨日の戦闘で、異様に不利な状況に持ち込まれた上での敗北だったのではないかと推測されるのです。」
ええ?! 聖杯がサーヴァントの”魔力”を飲み込むなんて……そんなことが。
[過去の聖杯戦争の文献を調べるに……イレギュラーのクラス召還が行われる以外は、特別な異常を見せた形跡はなかった。
今回、聖杯に対し、何か今までとは違う干渉が起きているということなのだろうか。そこまで考えたとき、調査スタッフが更に告げた。]
「それと、昨夜観測しました。」
あら、まだありましたの? 凄いですわ〜。
「7騎目のサーヴァントが観測されました。つまり、7人目のマスターが召還を行った模様です。」
平 芽祈は、セイバー を投票先に選びました。
[気がつけば回りは炎。
己の内では笑う信長の声。]
だが此度は前と違う。
我は、我自身の力を持って現れた。
七騎目のサーヴァントとして、な。
[そう、あくまで"召喚が観測された"のは6度。
だがもし、同一座標に同じ瞬間、同じ体に2人のサーヴァントが召喚されていたとしたら。]
真に僥倖だった。
自分自身のものではない令呪を持つものが、よりによってお前を召喚するとはな。
[茜が持っていた令呪は、あくまで姉の物。
もし、茜自身にもマスターの資格があったとしたら。
其れが今まで、波旬が隠れていたことにより現れていなかったとしたら。]
薬用という意味では、真珠もメジャーな一つだな。
こちらもそなたの祖国では発掘されていた鉱物だったか。主に解熱の作用が認められ、現在の世でも応用されているようだ。
かのクレオパトラも酢に溶かし込んで飲料にしたという。そなたのマスターも世界三大美人として君臨する日が来るかもしれん。
がんばるのだ!
その摂取には危険を伴うが、磁鉄鉱の特性を身体に取り込ませればその磁力で他の鉄分――例えば、人の血液など――に対して干渉することが出来るようになる。
これを活用して戦いに赴く者もいると聞いた事があるね。主に仮面を剥ぐのに便利な能力になるらしいよ。
ツカサくん。私の仮面をいたずらに剥いではならない!
恐ろしいことになるぞ!
だが見解としては間違っていない。磁鉄鉱を魔術的な面で用いるならば、リスクに引き換えて強大な力を手にすることが可能だろう。
尤も内部から爆散させるのは難しいので――とクリクススが言っていた。
そして更に……。
[今まで歩いていたセイバーが、ある地点で立ち止まる。
その視線は地面へ。
いや。更に奥深く、地中に埋まる物へと向けられていた。]
我が半身ともいえる物が、この様な所で聖杯とされているとはな。
――欲の器よ。
[第六天魔王、波旬。
かつては釈迦の悟りを防ぐ為に悪魔の軍勢すら率いた、第六天……欲界である人の世の魔王。
だが、その後に彼の者は釈迦の死の間際に弟子となり仏道へと帰した。
その死の間際、駆けつけた波旬は二つの物を釈迦へと奉げたと言う。
それが、己の全てを篭めた"咒"と。
――全ての願い、全ての欲を叶える、欲の器。]
ツカサ……君は聖杯ダッタノk
げはっ
お、オノレエエエェエエエ!!
魔術使イ風情ガアアアアアッ……!!!
し……しえら、しえらハ、ぶ、無事カ!
[背後に隠れていたキャスターを振り返った。]
わ、私は大丈夫ですが。
落ち着いて下さい、先生――ええと。先だって教わった、鎮静の薬です。
[煎じた――というか、灼熱した――磁鉄鉱の原石を、叫ぶバーサーカーの口へと投げ込んだ。]
信長を通じて、我を引き寄せた……か。
[そのまま、欲の器を回収し己のものとしようと考え、地面へと意識を集中する。]
……駄目だな。
これは、変質しているのか。
過去に此処へと来た小さき者が、妙な事を願ったらしいな。
[そう、本来この器には聖杯戦争を起こすようなシステムなどない。
いや、この世界の何処にも、サーヴァントを召喚する聖杯戦争など無いのだ。]
欲の器に、聖杯である事を願った。
……故に、何処かからか"聖杯"と呼ばれる物を模して取り込んだか。
余計な事をしてくれるものだ。
無事なら……よかった。
さあ、
[乱射する魔術使い。迫り来る弾丸。
だが、恐怖など微塵もあろうはずもない。
この程度の死線、潜らずして何が剣闘士か――!]
反撃開始、だ。
[キャスターへと向かう銃弾を、グラディウスの二閃を振り回すことで防ぐ。剣先そのものではなく、生じる風圧によって弾き落とす術。
与えられた武具を、如何に長持ちさせて殺しあうかのために学んだ戦闘技術。]
[自身へ迫る鉛弾は避けずに受けた。
迸る血、しかし神経を奔る痛みは久方振りの心地。
散る赤の飛沫を頬へと付着させながら、]
ツカサ! 何をのんびりしている!
[ツカサの襟首を掴んだ。
腕が伸びたのはきっと錯覚。]
……成る程、魔術使いでしたか。
――ならば、"魔術師"がどういうものかを見せてあげましょう。
――肉体の壁!
جسمانى ديوار
[――つまるところ、バーサーカーにと任せて。全力で後ろに逃げた。]
全く、何もかもが上手くいかないものだ。
本来ならば、信長も己の内に残すつもりは無かったものを。
[そう、本来ならば茜には信長の令呪を全て使い切って欲しかった。
令呪による繋がりさえなければ、信長を己の内から消し去る事も可能だったのだから。]
我に関する記憶は封じていた筈なのだがな。
それでも宝具を使う事を禁じるとは。
妙に勘の良い奴だ。
気のせいだ。
[キャスターが逃げ出すのを音だけで確認し、振り返らない。]
さあ行けツカサ!
苦労性の実力を見せてやれ!
[ドン、とツカサの背中をヒジリの方角向けて蹴った。]
『……意地でも思い通りにはさせん。
お前を呼び込んでしまった俺は良い。
だがな。
後世にまで悪名が残っちまった光秀に、そうでもしねぇと面目が立たないんだよ。』
再び足掻くか、小さき者。
だが其れも無駄な事。
お前だけの力で、前回の様に行くとは思わない事だな。
そう……我が力の前に、全ての事は須らく小事。
[そして、己の内へと意識を集中し、信長を奥へと追いやる。]
――尊き方の、教え以外は……な。
[最後の呟きだけは、誰にも聞こえることなく*静寂に溶けた*]
……いや、心配せずとも、想い人を忘れられない者に手を出したりはしない。マスターが望むならその限りではないが。
それに仮面をつけたままならアッー! だが。
仮面を外せば妾すごいんです。
♪
♪ _
/〜ヽ プルルン
(((。・-・))) プルルン
゚し-J゚ プルルン ルン
_ ♪
♪ /〜ヽ プルルン プルルン
(((・-・。))) プルプル プルルン
. ゚し-J゚
−6日目/漆路山−
[令呪を以って命じた。キャスターの解釈により、その攻撃は敵マスターに向かう。例え信長と言えど、全てを防ぎ切るはずはない魔力の塊。
それが、消失した。]
ば、かな…………。
[恐怖すら通り越して思考が停止する。
――と、その瞬間。キャスターの身体が弾けた。]
[反射的に駆け寄る。傷の痛みなど忘れていた。半身が吹き飛び、生きているのかさえわからないキャスターを、膝をついて両手で抱きかかえる。]
キャスター!しっかりしろッ!!
[できるわけがない。頭ではわかっている。しかし、それしか言えなかった。それだけを繰り返していた。
そんな主人に、途切れ途切れの言葉で撤退を提案するキャスター。]
な、――ッ。
[戦場における判断の甘さを叱責し続けてきた。それが、こんな時になって主人より冷静な判断を下すとは。残酷な皮肉だと思った。]
聖杯の寄る辺に従い、蒲生延が命ず。
…………、俺を安全な場所へ運べ。
[最期に彼女は、笑顔で「さよならです、延」と言った。]
投票を委任します。
ランサーは、平 芽祈 に投票を委任しました。
−蒲生邸−
[叶えて欲しい願いなど無かった。
ただ、強者との戦いを求めて、聖杯戦争に身を投じた。
自身が戦うために、キャスターのクラスを望んで召喚した。
彼女はおよそ戦闘向きではなかった。
それでも懸命に、主の命に従って戦った。
そして、倒れた。]
…………。
[掌を見つめる。
まだ、手のぬくもりが残っているような、そんな気がした。]
……あれは、何を願うつもりだったのだろうな。
[今更、だと思った。尋ねるべき相手はもう居ない。
魔術回路を起動して、傷付いた肉体の治療を*始めた*]
お殿様、自分の願いがみつかりそうだね。
【鶏から】と【牛タンの塩焼き】お待ちー。
あ、キャベツはいっぱい切ってあるから好きに食べてね。
うーん、ちょっと眠いなあ。今日は早くに寝ておくかなあ。
で。
奥さんは実際、どんな願いのために聖杯戦争に赴いたのかな。
[ 自分でつくったから揚げをつまみながらカクテルシェイカーを振っている。]
よし、ホンコンレディ完成、と。これ、や○やくらいにしかないから自分で作らないとなかなか飲めないんだよね。
[ くぴくぴ。]
ん…。
[ ドライ・ジンにマラスキーノをいれてグレープフルーツをひとしぼり。シェイク。グラスに注いでミントチェリーを飾りつけ。]
はい、セブンス・ヘヴン。バーテンダーじゃないから気の利いた由来とか物語とか添える事は出来ないけどそれは辛抱してね。
ちょっとアルコールきつめのにしといたけどよかったかな。
[ そっと差し出した。]
……器用なんですね、ツカサは。
確か……最上位の天国、でしたか。
私も一応は回教徒ですが、あまり詳しくはなくて。
[
三口でグラスを空けて、チェリーを口にと放り込む。
アルコールの熱が、血管を通じて身体の隅々にと行き渡っていく。
]
まあ、願いといっても……そうですね。
――……ツカサ。
この時代に、私の名は幾らか伝わっているようですが……私が魔術師だったということを、御存知でしたか?
まあ、これも画家の嗜みってヤツでね。
[ 絶対違う。]
うん、まあ出身地に掛けてのチョイスなだけだから由来とかは本当に考えないでね。化けの皮が剥がれそうだから。
というか奥さん、さらっとグラス空けるね…。
お殿様はやっぱ日本酒なのかなー。でも焼酎あたりをばかばか呑んでそうでもあるか。
ん?
[ 今度はブランデーベースでシャンゼリゼを作って差し出しながら考える。]
んー、そんな描写になっている物語は読んだことあるけれど、本当にそうだったのかい?
まあ……正しいともいえますし、間違っているともいえます。
私が魔術師であったのは、現在に伝わる千夜一夜の物語が始まる前までなのですよ。
王にと嫁いで千夜一夜の語り部となって以降、私は、魔術師であることを止めたのです。
[今度はちびちびと、舐めるようにグラスに口をつけていく。]
ええ。代々、魔術で国を支えた家でして。
王に嫁いで、千と一の夜を越えて、王は賢王にと戻って、めでたしめでたし――と、まず幸せな人生を送ったんですよ。
魔術への未練もなくて――妹のほうが才能もありましたしね。
だけど――死に際にね、ふと思ったんですよ。いえ……思ってしまった、というべきですか。
あのまま――魔術師として生きていたら、どうなっただろうと。
私は、根源へとどこまで近づけただろうかと――受肉して、その可能性を確かめたかったんです。
[言い終えて、グラスに残った液体を一気に飲み干した。]
バーサーカー、レッドアイでも飲むかい?
[ どん、と泡吹く真っ赤な液体の入ったジョッキを置いた。]
なるほどね。辞めたとはいえ、魔術師としての知的好奇心は少なからず残っていたわけなんだ。
[ おツマミ代わりの搾菜をポリポリかじりながら。]
ありゃ、お父さん下戸なの。じゃあレッドアイは片付けるか。似合うと思ったのに。
[ ちなみに自分はこれ嫌いだから飲まない。]
キャスターは肉体年齢に似合わず酒豪なのだな。
……いや、私は酒というものを知らないだけだ。下戸というのも少し違うか。
[ジョッキをひっつかむキャスターを眺めながら、春雨を流し始めた。]
……度数が物足りません。
[息も吐かずに、ジョッキを飲み干して。唐突に、けらけらと笑う。]
ふふ――……今となれば、おかしい話なんですよ。
私たち英霊は、その根源にと繋がる聖杯によって喚び出されるというのに。
門を開こうとすれば、私たちの御同輩――抑止力が訪れることは、識っているのに。
じゃあ試しに呑んでみたらいいと思うよ。
これなんかどお? ひとくちサイズだからお試しにいいと思うけれど。
[ ショットグラスにウォッカを注いだ。]
って春雨はおかしくないですかお父さん!
うわー… うん、まあ、レッドアイは所詮ビールだけどさ。
じゃあこんなところかな。
[ ルシアンをビルドしてグラスに注いだ。]
うん、でもそんなもんだよ、英霊であっても結局は人の延長にある存在なんだからさ。
…………そうだな。
触れねば分からないこともある。既にあの猫と、マスターに教えられているつもりだったが、未だに抵抗はあるようだ。
おっと。今のはハルカには内緒にしてくれ。
[差し出されたウォッカとやらを眺めている。
ぐるっと一周回して、]
…………知識には知っている。
しかし……見た目は水と変わらないな。
[浴びるように呑むキャスターをちらり。]
いやいやいやいや奥さんも頷かないで!
素麺はこれ!これをこうやって流すのが流し素麺!それをすくっておつゆにつけて食べるの!
[ おつゆを二人に手渡すと、湯掻いてあったらしい素麺を水の流れる竹に流した。]
根源なんてめざす物じゃないと思うけどね。
僕だって重力を歪め続ければ何時かは届くかもしれない。
ただ、届いた先に何かがある保証なんてない。
だったら今を楽しんだ方がいいさ。
おっと。
ちょっと離れるね。お風呂の準備してこなきゃ。
[ 素麺の入ったザルをバーサーカーに渡して屋台の向こうへと消えた。]
むぅ。ツカサはケチなんだな。
[言いつつ新しいソーメンを口に運んだ。]
美味い。
……いや私にかかれば何でも美味いが。
この味があれば、まだ我々は戦えた――かもしれない。
[ヒジリの言葉にと、頷いて。]
……まあ、そうですね……ですから、私の願いはもう。
第二の生を得て、ただ……気ままに、自由に生きてみたいと。
……そういうことになるんでしょうね、きっと。
[溜息を吐いて、流れてくる素麺を見遣る。見遣って、手を伸ばそうとして。]
――……ハシの使い方までは、聖杯は教えてくれませんでした。
[ウォッカをじっと見つめた。
つゆをじっと見つめた。]
…………。
[つゆにウォッカを投入してみた。
焼き串でソーメンを絡ませ、ウォッカつゆにつけて口へと運ぶ。]
――ふむ。ふむ。
[満更でもないようだ。]
……それはなにか間違っている気がします、先生。
[
凍ってとろみを帯びたウォトカをショットグラスへと注いで。
手本を示すように、一息でと流し込んだ。
]
……ウォトカは飲むものではなく流し込むものだって、聖杯が言ってます。
なんと。
[呼ばれて振り向くと、キャスターがグラスを一気に飲み干していた。やはりまるで水のように飲んでいる。]
流し込む…………。
滞ると霊的基盤が崩壊するとか、そんなところなのだろうか。
[キャスターの手本を思い出しながら、ぐいと胃の腑へ――。]
[ 床で悶えているバーサーカーに満足げに握りこぶし。]
うん、最初おつゆにいれるとかおかしな事されちゃったんでどうしようかと思ったけど。さすがお父さん期待に応えてくれる!
あ、お風呂準備できたから具合のいいときに入ってね。そんなに広いお風呂じゃないからひとりづつだよひとりづつ。
[ 念を押し。]
それにしても、本当に奥さん豪儀だね。どんだけアルコール入るのそこ身体。
きっと宴会とかではビール瓶1カートンが一人当たりのノルマとか、お郷ではそんな感じに違いない。うん。きっとそう。
[ ひとりでうんうん頷いている。]
…………。
[肌を真っ赤に染めて巨躯が立ち上がる。
きっと仮面の下の顔も真っ赤なのだろう。
ゆらり。――背後に立ち上る白煙。]
ツカサ。
[両の手には、噴いた血反吐(ウォッカ)に濡れしグラディウス。]
あ、いやいやいやいやちょっと落ち着いてお父さん!
No! I'm Shall we Dance!
[ 不思議な事を叫んで屋台の裏に身を隠した。]
……いえ、まあ。
後半生は王妃として生きたので、お酒を嗜む機会が多くて。
[――ふと、剣呑な気配にと視線をやって。]
――ツカサ。
私に飛び火しないように散って下さいね。
لا! انك تموت.
[バーサーカーは掠れた声で不可思議な言語を口走った。
屋台の裏へと隠れるツカサ。
かまわず、屋台へ向かってグラディウスを振り下ろす。]
−教会−
[盛大な魔力の発動が観測されたのは、淡路山だった。調査スタッフの代表者が報告書を片手に現れた。]
「調査の結果、昨夜消滅したサーヴァントが判明しました。キャスターのクラスを持つサーヴァントです。木々や土や大気中に残留した、濃密で膨大な魔力は……他のクラスに編み出すことは到底不可能と思われます。」
そうですか……有難う。
あ、お疲れさまでした、これでも召し上がって〜☆
[芽祈がペンタグラムを模ったゴボウクッキーを差し出すと、愛想笑いをしながら受け取り、調査員はなおも続ける。]
「やはり、聖杯が出現している淡路山での戦闘では、サーヴァントに対する異様な干渉が起きるのでしょうか……。」
それは、どういうことでしょう?
「……どうも、昨日の戦闘でキャスターから放たれた大規模な魔力が……。魔力の流れを追いかけ調査した結果、大部分が戦闘に用いられず直接聖杯に吸い込まれてしまったようなのです。従って、キャスターは昨日の戦闘で、異様に不利な状況に持ち込まれた上での敗北だったのではないかと推測されるのです。」
ええ?! 聖杯がサーヴァントの”魔力”を飲み込むなんて……そんなことが。
[過去の聖杯戦争の文献を調べるに……
イレギュラーのクラス召還が行われる以外は、特筆すべきほどの異常を見せた形跡は今までなかった。
今回、聖杯に対し、何か今までとは違う干渉が起きているということなのだろうか。そこまで考えたとき、調査スタッフが更に告げた。]
[ この屋台はツカサの魔力で組み上げたもの。そうそう簡単に壊れるものではないといいつつも英霊の攻撃に耐えられるかといえばさすがに不安ってーか無理!]
いやー、やめておとうさーんっ
[ グラディウスが振り下ろされ、屋台が砕け散るその寸前にハリウッドダイブで間一髪何を逃れたツカサ、まさに命がふぅ!
というか奥さんの冷ややかな言葉がっ すごく冷ややかな言葉がっ]
「それと、昨夜観測しました。」
あら、まだありましたの? 凄いですわ〜。
「7つ目の令呪反応が観測されました。召喚反応ではありませんでしたが……。」
ほえ?
何それ。
フッヒッヒッヒヒヒッヒヒヒヒィイイイィイイィ
随分とレイセーダナアアアアツカサアアアアアアァアァ!!
[粉々に砕け散る屋台の一部。
舞い踊る粉塵、やがて霞みが取れるごとに巨躯の輪郭ははっきりとなり、仮面の表情もはっきりと見て取れる――。]
ソーカそうか。ツカサ。
君は好漢だと思っていたが、やはりソウカ。
「奴ら」と同じく下劣にして卑劣、卑猥にして暴虐!
私の心につけこみ……。
毒殺シヨウナドト痴れたコトヲヲオオオオヲヲォォォ!!!
[心ハ、我ヲ離レル。
――――我心不離、剥奪。
――――狂化、完了。]
ちなみにこれ、今日必死で考えた後付設定です。
キャスター消滅のログを少しでも、あれしたくて独断で書いちゃいました。
キャス子さん勝手にごめんなさい。
違うー!毒殺違う!それがお酒というものー!
[ 逃げる。全力で逃げる。ここで逃げないでいつ逃げるというのだ。危険だピンチだデンジャーだ。]
あ゛…
[ ツカサは、小石にけつまずいて転んでしまった。]
一応、協力関係でしたし……見殺しにしては、ランサーに申し訳が立ちませんか。
[溜息を吐いて。]
――眠れ。
آواز پرورشگاه
[理性が弾けとんだ狂戦士には、彼がすっ転んだ理由などわからない。ただ停止した獲物を視認した仮面は、紋様の口をいつもより余計に笑ませた――気がする。
追いついた狂戦士は立ち止まり、]
HYAAAAAAAAAAA!!!!!!!
[絶叫を飲み込む怒号で、引き搾っていたグラディウスを――。]
あ…。
[ 怒号。そして一拍の間を置いて覆いかぶさってくる影。ツカサの恐怖は限界に達したようだ。黒目がぐるんとまわり、そのまま気を失った――]
[折り重なって倒れる二人の姿を見遣って。]
――あなたは運がいいですね、ツカサ。
呪文を間違えてたんですけど、眠ってくれました。
正しくはまあ、التهويدةでしたね……。
うぎゃぼっ
[――瞬間にバーサーカーが自分の真上に倒れこんできた衝撃で意識が戻る。鳩尾にナニカがクリーンヒット。]
お、重い! お父さんめちゃくちゃ重いよどうなってんの!
ちょ、誰かへるぷみぃっ
[解説しよう。
キャスターの魔術を食らったスパルタクスは、その瞬間に宝具を発動してしまったのだ! よって現在の彼の筋力・耐久、ついでに敏捷はAである。]
ああ――仲睦まじいことですね、ツカサ。
なんというか、是非ともハルカに見せたい光景です。
[くつくつと笑って、盃を重ねていく。]
ちょ、痛いイタイいたい仮面がごりごりとっ
[ オエノマウスがオマエノマウスと読めてどんな夢みてるんだとびっくりしたのナイショ。]
[
バーサーカーが寝言に呟いた名には、覚えがあった。
自分の生きた時代から、千年も昔。スパルタクスの盟友として知られる名。
]
――……夢を、見ているのですね。幸せな夢を。
[
叩き起こすには忍びない――と。
一人でキレイに納得して、半壊した屋台に座り直して、新たなグラスに酒を注いだ。
]
ヒジリさんもそんなクールなフリして見てみぬ振りとか…。
ええと、よいしょ…。
[ なんとかポケットから絵の具を取り出すと、周りの床に必死で線を描く。自分の影の半分近くまで描けたところで魔力をこめれば、なぞられた範囲の床が消失し出来た穴に身を落とせば――]
――自宅マンション(東ブロック)――
[ダビデの目を、耳を、通して見た光景は衝撃的だった。
感覚共有は彼女の得意とする所で、特に既に魔術回路が繋がっているサーヴァントならば念話程度は出来る。ダビデの五感を通して見ようと思ったのは、ちょっとした悪戯心と――家で見た些細な事で動揺していたダビデは何処か可愛らしかったとみなみは思う――、そして、風が運ぶ嫌な予感だった。唇を重ねた反応は兎も角、結果として、みなみの予感はある意味で正しかったと言える]
(……もしも。もしも、"アレ"と対峙することがあったら)
[もしもの話ではなく、聖杯戦争に参加していると言う事は、その機会が訪れる可能性は非常に高い。それでももしもと言う枕言葉を付けずには要られなかった]
(魔力の面では他の追随を許さない、あのキャスターの全力に近い魔力を一瞬にして何処かにやってしまったあの力。あの場には、他にもう一人のサーヴァントも居たのに……。
彼は、――"サーヴァント"である事には間違いがないんだろうけど、でも、規格外過ぎる)
――……ツカサ、あなたはマゾの気でもあるんですか?
[呆れたようにと呟いて、バーサーカーの身体へと軽量化の呪を飛ばした。]
……やっぱり、ぜったい何かがおかしいよ。
[口にして仕舞えば最後、ぞわりと恐怖が浮かぶ。"あるかもしれないこと"では片付けられない事実が目の前に積み重なっていた]
何が起きてるのかとか、そういうのは、よくわからないけど、でも、変だよ、こんなの。
[――――そんな、夢を見た。
いや、サーヴァントは夢を見ない。
だから見ていたのは束の間の記憶。束の間の邂逅。]
ん。…………。
どこだ。ここは。
[発したのは平時の言葉。
睡眠という過程を潜ったお陰だろう。狂化は解けている。
手に握りしはグラディウス。それも両対共に。
妙な液体に濡れているのは気になったが、ソレより何より、]
ツカサ。そんなところで何をしている。
――――。
――――! まさか、私の不貞を――!
[ばっと飛び起きた。
しかしそこは何故か穴の中だった。
地にグラディウスを突き刺し、再び堕ちそうになる体をサルベージして行く。やがて完全に脱出すれば、穴の中に埋まったツカサ・ゴドウを不思議そうに見た。
何故か体は軽かった。]
ち、ちが…。
[ 埋まってしまった穴の中から出ている手が小さく震えている。]
マゾじゃ…ないもん…。
[ ぱたりと、手が倒れた。]
…………。
……この国の習慣は、火葬の後、土葬だそうだな。
まずは火が必要なようだ。
[ツカサの手が倒れたのを見届けた後、屋台へ振り返った。
半壊した屋台。一体何が起こったのだろう。
しかし、今は]
キャスター。頼む。
え?
ああ……はい。ローマに入りてはローマ人のするように、ですか?
[ぱちりと指を鳴らすと、ツカサの手を中心にと炎が沸き上がった。]
ツカサ……いい奴だったのに。
もしかしたら。
オエノマウス以来の盟友になれたやもしれんというのに。
[尤も、彼は勇敢なのか臆病なのか分からない性格――人が好いともいう――が災いして、二人の盟友の中で最も早く戦死してしまった。
焚かれる火を眺めながらそんなことを思い出す。]
ォォ… ォォォ………――
[ 激しい焔の中に聞こえる、号泣のような雄叫び。焦がれ、焼かれながらもまだ蠢くソレは懸命にもがいていた。
まだ…、まだ終わらない。終わりたくはない。まだ、まだ何も為し得ていないのだから…。
だが、その叫びも段々と小さく、微かなものになり。
それは、只の消し炭と化した――]
て。違うよーーーーっ!!
[ 全力で炎の中から飛び出して走る。そして風呂桶へと勢いよく飛び込んだ。
真っ白な煙が巻き上がり、からくも鎮火に成功する。]
[怨嗟に似た叫び。怨念に似た咽び。
炭化したツカサを看取り、数分、黙祷をささげた。]
……さて、埋めるか。
[せっせと穴を埋め始める。
しかし超反応で飛び出たツカサは既にいなかった。
冷静に穴を埋めながら鎮火直後のツカサを見つめる。]
なんだツカサ。
生きていたなら生きていると言え。
びっくりしたぞ。
[ 肩で息をしながら、じろりとバーサーカーを睨み付ける。
なんでこんなことになったのか。思い返せば自分が悪い気もするがよもやここまでの事態になろうとは幾らなんでも誰だって想像しないだろう?そうじゃないの?少なくともツカサは想像なぞしなかった。]
一言だけ言わせてもらえれば。
∩∧__,∧ ♪
ヽ( ^ω^ )7 どうしてこうなった!
/`ヽJ ,‐┘ どうしてこうなった!
´`ヽ、_ ノ
`) ) ♪
おかしい。僕はただ夢だった居酒屋経営をここぞとばかりに叶えただけのはずだったのにどうしてこんなことに…。
[ うなだれて、orz←こんな感じ。]
よしツカサ。
これを食したまえ。
[穴埋めを終えたバーサーカーはツカサへと近付いた。
差し出された手には――ドロマイト。]
いいか、丸呑みにするんだ。
絶対に噛んじゃだめだ!
お父さん…はい。
[ 優しい雰囲気に呑まれて手渡されたそれを口にいれる。]
まったりとしてしつこくなく、それでいてシャッキリポン…。
[ 噛んで味わっている。]
………………。
まあ、いいさ。それでも効能は無いことはない。
回路が一本減ったり増えたりするかもしれないが、仕方ない。これは君が悪いのだぞツカサ。他人の忠告を聞かないから――。
[じゃりじゃり音を聞きながらグラディウスをしまう。]
まあいい。
今のは苦灰石というらしい。
魔術回路を安定させ、魔力調整、行動調整、思考調整を行い、結果的に発汗、発熱、頭痛、腹痛、苦労、へたれが治療され、魔術の使用も今まで以上に迅速に、膨大に――なったらいいなと思っているが、別にそんな効用は無い。
あ、キラーこんばんは。
一度も会わないままだったけれどイレギュラーなサーヴァントがいるというのは風の噂で聞いていたっぽいよ。そうか君がそうなんだね。
[ 口の中のドロマイトをごっくんと飲み込み、屋台の修理を始めながら挨拶。]
…というか、墓下ログしかないよね。僕、フィルターかけてたかしら。
[ 一瞬考え込んだがそんな事はなかったようだ。教会の小娘がキャスター敗北の理由を説明してくれていた。]
ツカサ、キャスター、お疲れ様。
ツカサとはバーサーカー戦で一度お目にかかった気がするが。
そしてキャスター。我の相方は現在浮気真っ最中だ。
ああ!
[ 手をぽむと打つ。]
ハルカさん襲ってたあの異形ってキラーだったのか。言われてみればそうだったかも知れない。いや、だって会ったといってもあんなの絡んだうちに入らないようなものだったからさー…。
[ 言い訳しまくり。]
―東ブロック・マンション―
[不安と恐怖の色合いが滲むみなみの声。思考を乱す熱を振り払うように頭を振り、ソファに腰掛けた]
……そうですね。召喚にまつわる異常だけでない、聖杯が意志を持って異変を起こしているかのような印象さえ、受けます。
一体のサーヴァントはあくまでも、一人の英霊を現界させるだけの器でしかないはず。
そこに割り込んで降臨しているのなら、本人にもマスターにも相当な負荷が掛かっていると思います。まして、あれだけの魔力を行使しているとなれば……
[予想は甘いかもしれない。黄金の剣を手にしたあのサーヴァントは、マスターの安否を気にする様子さえ無かった。単独での行動に制約が無い、のだろうか?]
記憶が混乱しているので確かめたいのだが、ハルカを襲った異形がツカサというサーヴァントで、それに割って入って助けてくれたのがキラーという魔術師……だっただろうか。
何しろ死に際のことだったのでうろ覚えなのだ。
確かにその通りだ。絡んだ内に入らないな。
実際、あまり動けなかったので絡めず申し訳ない。
もし会えていれば、その臓腑を引きずり出させてもらったのだが。
待ってお父さん!僕いまナニモノになってるの!
いやいやいやいやキラー、ごめん。接触した瞬間のことすっから忘れててごめん!でもそんな物騒なこと言わないでお願い。実際会ってたら本気でやられてそうだから。
……聖杯が、意志を持って異変を?
[落ち着こうと淹れた紅茶をソファの前に置いたテーブルに運びながら、昨日の事を思い返す。同じ体を二人が共有しているかのような様子]
……でも、確かにそうかもしれない。聖杯が意志だなんて、変な話だけど。
英霊二人を繋ぎとめて置くなんて並の魔術師には出来ない事だし、一体に二人なんて、召還後にどうこうしてなるものじゃない、もんね?
[バーサーカーは狂化をしていなかったので宝具を発動できなかった。それどころかツカサに宝具を使ってしまったのでパラメータ1ランクダウンの最中。
かくしてバーサーカーは消し炭となったのであった。]
教会は、この事を把握してるのかな。尤も、知っていた所で始まってしまった聖杯戦争にどこまで積極的に動いてくれるのかは、わからないけど……。
[それに何より、サーヴァントと呼んで良いのかすらわからない"アレ"を止める事が出来るのは、人間の魔術師であ無いことは確実だろう。けれど、既にあの場にはサーヴァントが二人居たのだ]
……なんとかしようって思ったら、ランサーや、他に生きているサーヴァントが居るなら、彼らと協力するしかないのかな。
これを異常だってわかってくれなかったら、相手が乗ってくれるかは、わからないけど。
――蒲生邸前――
[左之助は蒲生邸の前に来ていた。
今の自分には、早急に魔術師との契約が必要であると言う理由であったが、単純にあの場に置いて来てしまった蒲生の事が気になってもいた。]
だが、仮に生きてるとしてどうだろうな……。
[昨日の信長の様子とキャスターの消失、それが蒲生にどんな影響を与えているか解らない。
屋敷の前でしばらく門を見つめた後、中に入る。]
[荒い息を吐いて。]
――誰が出産するんですか、誰が!
キラーと対峙したときを思い出して、無事で良かったと思っただけです!
いやツカサ、我は別に怒っていないぞ。
実際に会っていたらそれくらいはやっていたに違いないという所感を述べただけだ。それくらいは挨拶のようなものだしな。
なるほど、さすがはキラーのクラス。
そういう思考がデフォルトなんだ。あーびっくりした。まあまあとりあえずこちらでも一杯。
[ 屋台の応急処置を終えてピーチハイをつくり差し出す。]
奥さんもまだ呑む?呑むなら…てウォッカの在庫なくなってるΣ
……キラー。
あのときの続きを今ここでしたいですか?
[両の手に魔力を集めて、ふっと疲れたように肩を落して。]
……いえ、もういいです。
ええ、ツカサ。頂きます、なにかお願いします。
残っているのは……ええと。
[消滅を目撃したのは3体。バーサーカー、キラー、キャスター。
召喚されたのが6体であれば、残るは既に――]
アーチャーである私とランサー、それにセイバーとあの一体だけ、という事になりますね。ただ、ランサーがマスター不在のままで行動できる時間はそう長くない筈。キャスターを失った魔術師と再契約を結んでいるなら、共闘も成立しやすいかもしれません。
[一通りの治療が終わった時、結界の警報が侵入者の存在を告げる。キャスターを失った己に止めを刺しに来た刺客か。そう考えながら蒲生正宗を掴み、玄関へ向かった。]
……原田、か。
キャスターを失った今、共闘は終了ということか。
ゴドウもなかなかやるではないか。
キャスターの強化が無いとは言え、ここは我が結界内。
そう簡単にやられはせんぞ。
[言いながら蒲生正宗を構える。]
いやさヒジリさん。
あるいはってお殿様が最有力候補でないといろいろと問題が。
[ ヒジリにカルピスサワーを差し出しながら。]
うーん… でも奥さんウォッカも泡盛も呑みきっちゃったよなあ…。これなんかどお?
[ 業務用メチルアルコールをグラスに注いだ。]
[ウォッカ。酒。
何かを思い出しそうになるのだが、脳の奥が拒否するように痺れを伴った痛みをめぐらせる。単語を聞く度にツカサを見つめてしまう。一体この猛る感情は何なのだろうか。
今までに味わったことのある感情のような、逆にまったく味わったことのない感情のようにも思える。ウォッカ。一体その言葉にどんな言葉が隠されているというのか……。]
ツカサ。私も何か、試してみたい。
投票を委任します。
眞奈 みなみは、平 芽祈 に投票を委任しました。
眞奈 みなみが「時間を進める」を選択しました。
キラーが壊れた…w
あれ、お父さんまだがんばるの(びくびく
じゃあこの辺りからどうかな。アルコールはかなり弱いから大丈夫だと思うけど。
[ バーサーカーのグラスにリポビタンDを注いだ。]
[ハリセンで殴られた部分をさすりながら]
いたたた……。
キャスター、君こそ僕との決着を希望かな?
サーヴァントといえど、妥当してみせるよ?
あ、ヒジリさんかキラー。
お父さんに飴あげてくんない? なんか喉がガラガラしている感じだから。
[ なんか有り得ないptが見えるよね。]
[とくとくと注がれたリポビタンDを眺めた。
知らない匂い。バーサーカーは興味を注がれる。
そしてツカサの手が離れると同時にそれをまじまじと見つめ、手にし、口へと運んだ。
そしてカップを置いて、一言。]
甘いピョン。
そっか……。
わたしの知らないとこで、もう一体は居なくなっちゃってたんだね。
[バーサーカーの事を知る機会はこの時まで無く、六体のサーヴァントのうち、もう半分しか残っていないと言う事になる。あれだけ力を持つセイバーに、例え共闘を結びランサーとダビデと戦った所で勝てるのだろうか。口に出来ぬ不安で、みなみの紅茶を持つ手が震えた]
あ、そっか、そうだね。再契約をしなかったら、ランサーは消えちゃうわけだし……、そうなったら、……。
――どっちにしても共闘が出来るように、話してみるだけの価値はあるよね。もう夜も遅いし、明日の話、だけど。
[
何かが切れる音がした。
この魔術使いは何と言った?
……サーヴァントを打倒する?
]
……よく言いました、魔術使い。
私の主と同じことを口にした、その大言壮語を後悔させてあげましょう――!
[
叫んで、手元にあったグラスを一気に煽って。
――……メタノールの毒性で、昏倒した。
]
ちょ、予想外の方向から!
首折れるかと思ったじゃないかなんでハルカさんにしばかれてるの僕?!
[ 涙目でハルカの方へと振り返る。]
君の旦那はただの無謀。
僕は計算した上での発言、だ。
一緒にしないで欲しいねって……、あれ?
[目の前で昏倒するキャスターに驚きを隠せない]
マスター曰く「ツカサがかわいくて仕方が無いので困らせてみたくなった。痛かったらごめんね」だそうだ。娘もちょっとお茶目に走ってみたかったのだろう。
[昏倒するキャスターを受け止めながら]
……ここの女性陣は床で眠るのが好みなのか。
マスターといい。大事な体を冷やしてどうする。
[そっと寝かせて毛布をかけておいた。
ガモーちゃんのイラスト入り。]
戦いに来たわけじゃねぇよ。
俺も……キャスターが消えたのは見ている。
今のあんたと戦う理由はねぇ。
それに……俺の方もツカサからの魔力供給は既に断たれているのさ。
2人とも聖杯戦争の脱落者って事だな。今の段階ではって事だが。
[そこまで言い、お互いの間にわずかな沈黙が訪れる。
少し楊枝をつまんだ後、左之助は口を開く。]
なあ、まだ戦いを続ける気はあるかい?
……俺はまだ、ここで折れたくはねぇ。
やられっぱなしなのも性にあわねぇ!
[言いながら、やや語気が荒くなる。]
お前さんはどうだい?
[蒲生を見ながらそう問いかけた。]
娘さんの言葉の翻訳ありがとうお父さん。
あとで「ええい、こいつぅ」とおでこにちょんと反撃しておくことにしつつ、でもそろそろ僕もおやすみさせてもらおうかな。
屋台にあるお酒や食材は好きに食べてもらって結構だから後はセルフサービスでよろしく。
それじゃおやすみー。
[気分を安らがせる芳香。琥珀色の液体をゆっくりと一口、味わう。不安げに震えるみなみの手元。じっと見つめた]
そうですね。彼らにとっては敗北の痛手を受けて、まだ間もない頃でもありますし。……けれど。
もし期待通りにならず、直接対決することになったとしても。
[ソーサーにカップを戻し、少年は柔らかく微笑む]
みなみ、貴女のサーヴァントを信じてください。
私は羊飼いだった頃から、熊も獅子も倒してきたのですから。
たとえあれが英霊でない何かだとしても、きっと守ってみせます。
……ごめんなさい。
ダビデの事を信じてないわけじゃないの。
[両手で抱えたカップの中で紅茶が静かにその中で揺れるのをじっと見た。みなみは"怖い"と言う気持ちを整理しようとした。それは自分の命が危険に晒される事に対してだろうか。聖杯戦争に負ける事に対してか。浮かんだのは、ジャックが消えた瞬間の事だった]
……もう前みたいなのは、嫌なの。
ダビデが、ジャックみたいに消えるのも、見たくないから。
……それとも、現在の経路(パス)の強さでは、戦闘になった時の魔力の供給に不安があるのでしょうか。
[意図して、冗談めかした口調に変える。みなみの双眸に合わせた視線を、下の方へ辿らせた。注視していると教えるように、時々目を戻しながら。細い首筋から大きく開いた胸元へと伝わせる]
必要とあれば、試してみますか?
私が、少年の姿の通りかどうか。みなみが望むなら、ですが。
[曖昧な物言い。それでも意図は恐らく伝わるだろう。眼前の娘の反応を窺い、紅茶をまた一口、飲んだ]
そうか、ゴドウもか。
[わずかな沈黙。その後のランサーの言葉に答える。]
俺は生きている限り戦い続けるだろう。
それしか知らんからな。
[ランサーの意図、再契約による戦闘続行の意思を汲み取る。
蒲生正宗を握る拳が、ランサーに向けて突き出された。]
――告げる。
汝の身は我の下に、我が命運は汝の槍に。
聖杯の寄る辺に従い、この意、この理に従うのなら。
我に従え。
ならばこの命運、汝が槍に預けよう。
我が名は原田左之助。
同じ武士の魂を持つ者として、蒲生 延を我が主として認めよう。
[左之助は槍を持つ拳を、蒲生の剣を持つ拳にぶつけた。
ずしりと左之助の体が重くなり、地に足が着く感触。
互いの拳から生まれた光が、蒲生の体に新たな令呪を刻み込んだ。]
[みなみの視線に一瞬、惑う。少年が問いかけた言葉――実際の判断はマスターである彼女に委ねる、という意志を込めていた。
そのつもりだった。けれど今、気づいた事実。小さく頷き、ソファから立ち上がる]
――気が変わりました。
というより、気づかないようにしていただけだったのかもしれない。
[差し向かいに座った娘の傍らへ移動し、囁く]
私自身が、みなみの事を求めているんだ、と。令呪で結びついた経路だけでなく、もっと深い繋がりが欲しいと思っている、と。
[帰還したバーサーカーは瞬時に状況を把握した。]
…………。
……ジャック、まあ、呑めよ。
[リンゴジュースを注いでジャックの前に置いた。]
……ふつうのサーヴァントと戦うのなら、不安だと思ったことは無いけど。
[言葉をそこで切る。いつもは慈愛に満ち溢れ、柔らかな印象を与えるダビデの目が、リビングの薄暗い灯りを受けて妖しく光ったように見えた]
あのセイバーと戦うのなら、魔力と言う点でも、経路と言う点でも、いくらあっても足らないとは、思うわ。
でも。
[聖杯戦争が始まってから一度は考えたことのある、己のサーヴァントとの経路をより強くし、より円滑な魔力供給を可能とする、その手段。ダビデその申し出を拒む心算など端から存在しなかった。立ち上がり、普通にしていても体が触れ合う距離まで来たダビデの手に、みなみは自分の手を重ね合わせた]
……ダビデが"戦闘に勝つための手段"じゃなくて、求めてくれてるのなら、うれしい。
……暑苦しい男だな。
[突き出した右拳の甲に浮かぶ新たな令呪。]
(俺は無いものねだりはせん。ここにあるものを最大限活かして、最大限の成果を求める。)
[いつだったかキャスターに告げた言葉を、心の中で*繰り返した*]
[重ねられた手を押さえ、腕を左右に押し開く。
みなみの身体をソファに押し付けるようにして、上から彼女の唇を奪った。感覚共有の為の儀式とは似て異なる、柔らかく甘い感触]
……私が求めるのは、みなみの魔力だけじゃない。
みなみの心も、身体も、どちらも欲しい。
そうでなければ、自分から求めたりなどしない。
[唇を離して微笑み、頭を抱き寄せてもう一度、深く口づけた]
[差し出されたリンゴジュースを眺めて]
……血液の方がいいな。妻子持ちのくせに風俗嬢に溺れる、ガキの姿晒したどこぞの王のものがいい。
誰とは言わんが。
キラー…やきもちだなそれは。
アーチャーとみなみは割と序盤からそうなりそうな気はしていたのだが。
……ずるい。
[何がどうずるいのかは言わない]
よしハルカ。
ソーメンを食したらどこぞの王の討伐に向かうぞ。
これはキラーのためではない。
男の意地なんだ。
巻き込まれたと思って付き合って欲しい。
いくなら一人で行くといいバーサーカー。
お前は私のサーヴァントではないのだろう?
私はここでキラーを慰めておこう。
[スピリタスをもう一本差し出した]
[柔らかなソファに体が沈む。つい先ほどにも、同じような事があった気がした。違うのは、互いの唇の感触を味わっていることと、甘い言葉]
……わたしは、
[何かを言いかけようとした気がした。何か、大事なことを。けれど、ダビデの口元に浮かぶ笑みを見て、一緒になって微笑み。それから、考えるのを辞めた]
わたしも。
なんとひどい。
いや、そういい続けたのは私か。いいだろう。
キラーに改造されたニトロ仕込みの仮面もある。
とは言っても、時が来るまでは何も出来ないのだが。
ではいただこう。
ほら、ハルカもヒジリも。
キャスターは……寝ているか。
[黙ってスピリタスを口にした。
酒は苦手だったが紅潮しながらもがんばる。
全てが我が友(ジャック)のため……。]
サーヴァントは。
幸せになれるのだろうか。
今は聖杯の力でこちらにいられるが。
……聖杯に願うしか、共にいられない気がする。
僕の分も、幸せになってもらえればと思うんだけどね。
彼が何を聖杯に望むかは、そういえばしらなかった。
[グラスに入ったスピリタスを一気に飲み干す]
…………。
いるれにしれも。
[呂律が回っていない。
以後翻訳機能つきでお送りします。]
わらりららいろられららら、れらいらららるろろろ、りゅりるりょれれらい。ろるれりららろらりれらるろり。
りゅれりりらられろらりり、ろれり、ろろろろろれらりろ――。
(私は解雇されたのだから、願いが叶うことも、受肉することもない。亡霊は消え去るのみ。
故に幸せになることもないし、それに、元々も願いも――)
るらららりららりらら。
りららりらーろられら。ろろろろろろ。
(くだらない話だな。
今はキラーの酒だ。呑もう呑もう。)
ジャック2 >> 瀬良。別れと出会いを繰り返すのは人間の必然だ。……だが、例え共有する時間が少なくとも、その時間は至宝であると私は思う。
[キラーが下戸ではなかったことに驚いた。
さすがはキラー、いやもしやあれは酒に強い人格が表に出ているということなのだろうか。それならば納得がいく。私も負けていられない。バーサーカーは更にスピリタスに挑戦した。]
ジャック2 >> 聖……この魔術師ジャック、せっかくいいことを言ったと自負していたのだが、私の言葉はそこまで難しかったのかね?
[伸ばされた小さな舌を、歯の先端で捉える。打ち消された言葉を気に止めることはなかった。重ねた唇から互いの舌を絡ませ、官能を高めていく]
同じ気持ちなのは、良い事だ。
私がみなみの一部であり、みなみが私の一部である、と――距離を置いていても思うようになるくらい、感じ取ってくれたら、もっと。
[押し倒したみなみの手から腕を伝い、肩口へと手を滑らせていく。弾力のある繊い腕。血管だけでなく魔術回路を宿した魔術師の。
けれど今の彼にとっては愛しむべき娘の一部でしかない]
ちゃんと意訳をつけたではあるまいか。
[今はハルカとジャックの語らいを邪魔すべきではない。
バーサーカーは黙々とスピリタスに挑戦する。
……ちょっとはキャスターの分も遺しておくべきか。]
そうだな。
例え短い時間でも…。出会えたことが、喜びなのだろうと思う。
上は今お子様には見せられない番組になっているな。
聖、一応はみても大丈夫だ。
R15なら体躯年齢も超えている。
大体そんなに子どもではないぞ。私は。
少なくともみなみよりは年上なのだから。
[目を閉じて、舌と粘膜が触れ合う度に齎す熱へと意識を集中させた。位置関係からか、良く伝う唾液をもっととねだって強く吸う]
ふふ、なんか、ダビデの味がする。
ねえ、もっと、いっぱいダビデのことを感じさせて。
[澄んだ緑色の瞳を見つめながら、視界の端で晒されていく肌に触れていくダビデの手を見た。視覚に頼らずとも後は手の暖かさと、沸き起こる熱情が全てを教えてくれる。みなみはまたその目を閉じた]
聖ってば何言ってるの。
そんな数字聞かなかったことにするんだから。
ええとね、ジャック。気持ちは嬉しいんだけど、すぐに殺されてしまいそうなのは気のせい……かな?
ジャック2 >> ふむ。どうやら猟奇殺人が趣味の男は嫌いと見える。少々切り刻むくらいだというのに。
ジャック3 >> ……あんたは別に、趣味で殺してたわけじゃないでしょ。ショックなくせに何をクール気取ってるんだか。
もちろん。私も、みなみのことを感じたい。
[色の薄い瞳に頷く。考えるべきことは他にはなかった。
聖杯戦争も他のサーヴァントの存在も自分自身の願いも、いずれも少年の思考からは消えていた。露にさせた肌に唇を這わせつつ、口づけの痕を増やしていく]
柔らかくて、瑞々しいん、だな。滑らかで、ほら――
[足首を持ち上げて、みなみのすらりとした脚を伸ばさせる。太腿の付け根からつま先まで、一直線に。緩やかなスピードで、舌をなぞらせていった]
趣味はどうだっていいんだけどぉ。
やっぱり結婚生活始めてすぐ殺されてしまうのはまずいと思うのよね。
少々切り刻むのがどれくらいかわからないし。
私の体が耐え切れればいいんだけど。
どうして聖まで照れる。
ああ、今回は少々長めにトリップしてしまったようだ。
女らしい喋りというのは疲れるな。
キラー、というか、3人目のジャックよ、二人目のジャックはどのような男なのだ。
そうだな、ジャック。バーサーカーTの心に入り込むのは少し難しいぞ。
私もバーサーカー相手に苦労した。
デレの欠片もない男だった。
本当は、人としての温かさだって持っているくせにだ。
[くすぐったい様な、言葉。それがダビデの手や舌が与えてくれる快楽と共に、まるで麻薬の様に作用する。上がっていく気持ちとは裏腹に、下がっていく思考能力]
っや、な、なんだか、恥ずかしい……。
慣れてる、のね。
[ソープランドで働いていて、幾度となく繰り返した行為の中でも、される側になる事は稀で、普段感じる事の無い足を舐められる感覚にうっすらと涙が浮かんだ]
ジャック3 >> えっとねー、魔術師の家系の次男に産まれてー、跡継ぎの長男を見返す力を得ようとしてー、九人の処女の血と内臓で魔法陣描いたんだけどー、失敗して召喚した悪魔に八つ裂きにされた間抜けだよー!
フ! 人としての温かさなど。
丸めてツカサに食わせてしまったわ。それにジャックは私の友人だ。もう既に他人とは思えない。
ジャック、私は没するが、声は聞こえずとも我はいつでもここにいるぞ!**
私も一国の王だったからね。子供を残すのは義務だったし、けれど、義務感だけでするつもりも無かった。
[羞恥心を感じさせる声音に、少年は小さく笑った]
みなみはあまり慣れていないのかな、こんな風にされるのは。
私はこうされるの、好きだったから、してるんだけど。
[落ち着いた調子で答え、もう一度音を立てて足の甲に口づける。一度身を起こして、衣服を脱ぎ捨てた]
ああ、そういえばツカサはAct使いきっていたんだっけ……。
残念、メロンは明日の朝まで栄養を溜めてすくすくと育つんだよ。
お父さんはactも使い切ったのかな。
ごめん、昼間に調子に乗って遊んでたらなんか飴が残っているのに投げられないという不思議事態になっちゃってたね☆
その半分はツカサとバーサーカーの仕業じゃない。
自分でやったことも忘れちゃったの? もう。死にそうだからってその歳でもうろくは早すぎるわよ。
[ぷんぷん]
[ダビデの笑みや、その声の少しも乱れていない感じが対照的で、みなみは頬を赤くした。衣服に手をかける手元に、つい見入ってしまう]
ほんとに、良い体してるんだね。逞しくて、頼もしくて。
……ねえ、わたしにもさせて。
[頭は既に空っぽで、みなみの口も体も意志を持って勝手に動いているような気がした。それが本能によるものなのか、習慣によるものなのか、愛情によるものなのかは、解らなかったが。体を起こし、身を起こしたダビデの首筋に口付けながら、頭を沈めていく]
[向けられる視線から熱を感じる。けれど既にそれは、自分もきっと同じなのだろう。頭の隅でそう思い、同時に首筋へ触れるみなみの体温を感じた]
……ん。
ふふ、じゃあ、みなみの好きなように。
[奉仕する、という形容が正に相応しい動きで、目の前で娘の身体がくねる。指先で触れられた場所、口唇がなぞった場所、身体が押し付けられた場所。幾つもの場所で身体が火照るように熱くなっていった]
ふむ。それじゃあちょうど仕込んであったしこれを、と。
[ 寸胴に火をいれてしばらくコトコト。]
はい。【卵後がけ親子丼】だよ。具材の熱で卵が軽く煮えたら食べ頃。どうぞー。
ありがとうツカサ。
[親子丼を食べ始めた]
聖。変化振りはそうだな。
色々とこれでも大変なんだ。葛藤があって。
自分の姿にたいして、この口調では知らぬ人と話したときに違和感があるようだし、私としては直して行きたいと思ってる。
でも、なんだろうな。
むず痒いんだ。
僕が女性の扱いに不慣れなだけかも知れないけどね。
でもやっぱヒジリさんはタラシに思えて仕方がない。
…自分が一番自然だと思う喋り方でいいと思うよ、ハルカさん。
あ、でも。自身に変化を求めるのも悪いことじゃないし、無理をしているのでないならそれはそれでいいのかもか。
[ 明日の朝食の仕込みをしながら。]
[ほぼ裸の身体に僅かだけ残された衣服は、却って扇情的に情欲をそそる。手馴れた様子で奉仕を続けていくみなみに手を伸ばし、柔らかな膨らみを弄ぶように揉みしだいた]
……っ、ふ……気持ち良いよ、みなみ。
……みなみは……私を十分、感じてるか?
[問いかけて、指先を更に下へと進めた。床に膝をついた彼女の、両脚の間へと忍ばせる。つぷり、と濡れた感触がした]
そうかな? 僕も女性の扱いは不慣れだと思うけどね。
仕事上でどうしても必要なとき以外は縁がなかった。
結婚しているだけツカサの方がなれてそうにおもうけど……。
悠乎は楽にすれば良いのさ、君らしくね。
[溶けてしまいそうだとみなみは思った。ダビデに自らが触れて、舌をこうやって這わせているだけで。唇を離せば、照明が唾液をぬらりと見せて、その淫靡な様に笑みが浮かぶ]
っ、ぅん、感じて、るよ。あ、のね、し、あわせだよ。
ダビデ、王に、こう、して、ご奉仕、出来て。
[他のどの場所より熱く、硬さを持ったそこに口付けて、下から何度も形をなぞりあげる。視線を上げてダビデの顔を見るたびに、欲しくて堪らなくなるのを抑えながら、口に含んだ]
お役に立てれば幸いだよ。
そして美味しかったならなにより。腕を奮った甲斐もあるね。
結婚歴と女性との交際経験はまた別な話だよ。マナカにはなんだか大変な想いをさせまくっていたと思うし。パラメータというのが見られるなら多分、スキルという欄に「朴念仁」という文字が書かれているんじゃないかなあ。
…ところで表の二人をなんとか出来ないかなヒジリさんorz
まあそうなんだけどなんだか具体的だからさー…。
あ、でももう表は時間なのか。
そして気付けば僕の喉も限界寸前。もう一言喋ったらおしまいかな?
[くす、と笑んだ。淫蕩な響きの中に、疑いなく純真さが混じった声。みなみの動作が快楽を生み出し、欲望がより大きく硬く膨れていくのを感じる]
まだ繋がってさえ、いないのに。
随分幸せそうな顔をするんだな、みなみ。
[指を突き入れて、大きくかき混ぜるように動かす。その都度、高く嬌声上がる。与えられる刺激は強さを増し、快感を一層煽った。
やがて――]
うん。
それじゃあ、僕は喉を使い切りつつそろそろ寝るとしようかな。
ハルカさんヒジリさんおやすみ。いい夢を。
[ 朝食の仕込みを終わらせて、二人に手を振ると空いている寸胴の中へと潜り込んだ*]
あっ! だって……っ、嬉、しくて、すご、く、いい、の。想像、するだけ、で。
[屹立しているのを見ているだけで堪らない。嬉しくなって、貫かれたいとそう思う。含んだ先端だけで頭を上下させた。少ししょっぱくて、生臭いような、特有のにおい。触れていない手で髪をかきあげ、口の中を大きく開けて喉奥に当てるように飲み込んでいく。じゅっ、ずっ、と、上下する度に音を立てた]
っぅん、っ、あっ!
[ダビデの指に壁を押しやられるように大きく動かされれば、もっと欲しいと涎を垂らすばかり。二つの唇も、声も、音も、全身でひたすらにダビデを求めていて、際限なく昂る欲求に眩暈がした]
お願い、はやく、きて。
[ダビデに促されてソファに上がった。帰って来たままのリビングは、当然電気も点けたままで、自分から全てを晒す行為に抵抗はあった。恥ずかしい部分のすべてが、どれだけはしたなく求めているかが、明らかになるのだ。だがそれ以上に、待てなくて、限界が近いのを感じ、みなみは両足をそれぞれの腕で持って広げていった]
おはようございます、アナタのツカサです。
[ 喉の具合がよくなったので元気よく朝のご挨拶。]
朝ご飯用意できたよ。
つ【納豆】【味付け海苔】
つ【味噌汁】【焼きししゃも】
これぞ日本人。ちなみに味噌汁はあわせ味噌だよ。
おはようございます きのうはおたのしみでしたね
こんな言葉がいまさら出てきた。気の利いた言葉がすぐにでてこないのってなんか悔しいね。
――教会前――
[蒲生邸を出た左之助は、教会へと訪れていた。
蒲生は家で休んでいる。
サーヴァントの左之助とは違い、人間である蒲生には休息が必要だった。
自らの魔術とキャスターの残した薬によって、回復に努めているようだ。]
あいつ、くたばってねぇだろうな……。
[ツカサの身を案じながら、左之助は教会の門をくぐった。]
−教会 治療室−
[昏睡状態が継続する梧桐の、首の後ろに手を当てる。
そして細く研ぎ澄ました魔力を流し込む。
それが魔術回路がショートした魔術師への、治療方法の一環。しかし、梧桐の身体はそれを拒む。
芽祈の額に玉の汗が滲む。]
[左之助は教会の治療室に入り、横たわっている梧桐の姿を見つめた。傍にいる女性は梧桐の治療を担当しているらしい。]
なら、まだ死んでねぇって事か。
[そう言ってやや安堵する。
だが、左之助への魔力が完全に断たれてしまうほど追い込まれた梧桐が、そう簡単に回復するとも思えなかった。]
どうなんでぇ、こいつの様態は。
[左之助は芽祈に近づき、そう声をかける。]
[集中していたせいか……かけられた声に振り向き驚く。]
あなたは……梧桐さんのサーヴァントですわね!
[梧桐を担いで運び込んだランサーが消滅していなかった事に何より驚くが、かけられた質問に俯いた。]
梧桐さんに施した、肉体的医療は成功しています。損傷した肉体はほぼ再生出来ると見込んでいますが……。
更新時間が24時間延長されました。
[納豆を食べている]
バーサーカーは何をがんばるのだろう。
私はもう、自分に素直に生きることにしようと思ったが、何が素直なのか分からないんだ。
口調は今のままでいいとして。
[左之助は芽祈の話を聞く。
難しい話は良く解らなかったが、どうやら体は回復に向かうだろうが、昏睡から覚めるのは難しいという事らしい。
梧桐が生きる事を欲してないためでは、と芽祈は言う。]
こいつ、初めからどちらでも良かったのかもしれないな。
[聖杯で妻が蘇らない時は自らが死ぬ。
それでも妻の下へ行けると思っていたのだろう。
だからこそ、他のマスターに対しても、あれほど甘かったのではないか。
左之助はそんな事を考える。]
なら聖杯への願いは、単にこいつの全快じゃ意味がねぇ。
[それでは心が死んだままだ。
左之助はしばらく楊枝をつまみながら考えにふける。]
治療ありがとな。
そいつをもうちょっとだけ頼むわ。
[しばしの沈黙の後、左之助は芽折の肩をぽんと叩くと、治療室の外へと歩き始めた。]
悩む内が人生の華だ。
……尤も我々はもう霊体だが。
[クク、と意地の悪そうに笑いつつも、瀬良悠乎が食べる摩訶不思議な食べ物をちらちら。]
すぐに答を出すこともあるまい。
君は…………その、なんだ。
…………いや、なんでもない。
[ししゃもをぽりぽり。]
……はい、お任せください。
ご武運を、お祈り申し上げますわ。
[梧桐を見つめるランサーの瞳は真剣だった。立ち去る背中を見えなくなるまで見送ると、芽祈は梧桐の魔術回路修復治療を再開する。]
[教会から出た左之助は、今後どうするかを考える。
蒲生と2人で信長に相対するのは、あまりに危険すぎる気がした。]
そうなるとまた同盟って事になるが……。
今、誰が残ってるんだろうな。
[知っているサーヴァントは軒並み消えている気がした。
ここでふと、以前商店街であった少年のようなサーヴァントを思い出す。]
そう言えば、あいつはどうしてやがるんだろ。
まだ、どこかで元気にやってんのかね。
[左之助はそうつぶやくと、歩き始めた。]
それにしても一文字…。
その言い方だと僕が自殺願望あるみたいじゃないか。言ってる事は間違いじゃないけどなんか微妙にニュアンスが。
て、ヒジリさん何食べてるの作った覚えないよ僕?!
…ああっ ジャーの中身がいつの間にか炊き込みご飯に? だから納豆単品で食べてたのかハルカさん!
[ 屋台の食材を確認して驚いている。]
自殺願望? なんだそうだったのか。
それならそうと早く言ってくれねば。
他とないツカサの頼みだ!
断るわけもなかろうに。
さあ自由な刻に腹をかっさばくがいい。
介錯してしんぜよう。
いや。
いやいやいやいやいやいや待って待つんだ待ってくださいお願いプリーズジャストアモーメントナーゥお父さん!
自殺願望じゃないんです聖杯戦争に負けて死ぬなら死ぬでもいいかな的な軽い気持ちがあったという話でですね…!
[ 青ざめた顔でグラディウスを真剣白刃取りしながら必死に訴える。]
…………。
[白刃取りされたグラディウス。
だがボロボロの切っ先は徐々に押し込まれていく。
心なしかバーサーカーの体重が加算され、それでも仮面はにやりと笑っていた。
切れ込みの目がじっと青ざめたツカサを見つめ……]
…………スヤ、
[ししゃもだけでは腹がへったのだろう。
どうやら眠っていたようだ。]
た、たすかった…。
[ 動きのとまったバーサーカーに、へなへなと腰をぬかし崩れ落ちる。]
お父さんの躾はしっかりお願いしますよハルカさーん…。
すまないな、ツカサ。あんな父親で。
いや、父親ではないんだが。
私の父はもっとまともだ。多分。
[眠りについたバーサーカーをずるずる引きずってソファのところへ]
『…ほぅ、そっちの意識が残っているのか。』
[頭の奥の方に、直接響く声。
聞き慣れた、この世で一番不快なその音。思わず硬い、黒い床に爪を立てる。]
……。
[闇の中、ゆっくりと目を開ける。目の前には、暗闇の中にふわりと舞う一匹の蛾。]
『融合した時点で、お前の自我は無くなり、単なる肉の苗床になると予想していたのだが…。
なかなかどうして。』
[低く笑う、男の声。イレギュラーな事象に、驚きよりも興味深さが勝ったようだ。]
(……この、マッドサイエンティストが…)
[心の中で罵倒する。]
[この男にとって、姉も自分も、所詮実験の為の素体に過ぎない。
きっと―
双子が誕生した時から、考えていたに違いない。
二つの物を、一つにしてみる事を。
その、科学者としての単純な欲望を。
たまたま姉が死んだから、その移植が自分に行われただけ。
まずは、令呪を。
それで成果が現れなければ、その魂を――]
……くっ…。
[笑っている。
目の前の蛾は 笑っている。
そう、すべてわかっていながら、融合のトリガーを引いたのは、自分。
その行動すら、おかしくて堪らないという風に、笑う。]
[力が欲しかった。
どうしても、失いたくなかった。
その為の力が、目の前にあった。――ただ、それだけ。
わかっていたはずだ。
融合すれば、自分がどうなるかを。
宝具を使えば ――信長の目が、狂気に変わる事を。
それでも
失いたくなかった――]
……うっ…。
[吐き気がする程の、自分のエゴ。
それがどんな結果を生んだのか。それを思うと押し潰されそうになる。]
[けれど――
左手に、一つ残った令呪。]
……まだ、生きている。
[そう、これは、信長が存在しているという証。
それが、自分を立ち上がらせる。
信長の姿をした者―― あいつから、必ず取り返してみせる。
『それが、貴様の欲か。』と、奴は言った。]
……ええ、そうよ。
[愚かな願いかもしれない。
自分の欲の為に、どれだけの者を犠牲にするのかと、人は責めるだろう。
真に罪人は、自分。
その重みを背負って、それでも立ち上がる。]
…笑うなら、笑えばいいわ。
所詮、貴方の掌の上で、踊っているに過ぎないかもしれない事を。
[吐き捨てるように、目の前の蛾に告げると、くるりと背を向けて*歩き出した。*]
なっ………。
[仮面は相変わらず笑顔だが漏れる声は狼狽そのもの。
いや、この程度の奇想天外支離滅裂仏閣崩壊ミステリーは許容しないとサーヴァントなどやってはいられない。内面まで複製した奇跡こそが自分たちなのだ――と訳のわからない言い訳をしつつ。]
風邪は――ひかないともいえないか。
[瀬良悠乎に毛布をかける。
ツカサ・ゴドウには本マグロをかけておいた。
キャスターは……朝は確認し忘れたがどうやら無事なようだ。かけておいたガモーちゃんイラストの布団を片付ける。]
[ツカサが寝言を言っている。
――白いワニガー。
その単語が意味することをバーサーカーは知らない。わからないので本マグロとらぶらぶしながら眠る彼は放置プレイして、名塚聖へ向き直った。]
ずっと気になっていたんです兄さん。
兄さんの――帽子の下が。
−紀元前386年2月15日−
尊き方よ、何故……。
何故受け取っては下さらぬのです!
この器に望めば、若返る事も……永遠の命すらも得る事が出来ましょう!
[尊き方の死の間際。
その命を救うために足を運ぶこと3度。
だが、尊き方は咒こそ受け取って下さったが……。
欲の器を使う事には決して首を縦に振らなかった。]
『波旬。
お前はまだ理解できないのですか。
この世界の全ては繋がっているのです。
たとえ虫の一匹でも、それは世界を動かしている流れの一つ。
それは私の死でも同じ事。
もし此処で私が死ななければ、必ず何かが狂ってしまう。
私は、世界が狂うことなど望んではいないのです。』
その様な狂いなど、尊き方の死に比べれば些細な事。
貴方さえ居れば、その狂いからすらも人は救われる!
貴方は生き続け、永遠に教えを広め続けることが出来るのです……!
[尚も食い下がる。
この方だけは、失ってはならない。
最初から負に生まれついた者すら救おうとする、この方だけは。]
『――私は死にません、波旬。
私が生涯をかけて悟り、説き広めた教え。
それらは弟子…そして、そのまた弟子達によってこの先も人々の心を救ってくれるでしょう。
私が死するとすれば、その教えが人々の心から失われた時です。』
[それでも、我が願いは届くことは無い。
いや、そんな事など最初から分かっていたのだ。
誰よりも生と死を説いた尊きお方が、不老不死など望むはずがない、と。]
『波旬よ、望むとすれば……一つだけ。
私の教えの守護者となり、衆生を見守ってはくれませんか?』
[項垂れた頭に、信じられない言葉がかけられた。
魔王である、私に……守護者であれ、と。]
『前に教えた通り、波旬……お前の欲は広く深い。
だがその欲さえも正しい方向に向かえば悟りへの道となります。
個の欲である小欲ですらも、昇華すれば悟りへの欲、つまり世界の為の欲である大欲となる。
欲の王、魔王たるお前がそれを成せば、世界の多くの人が救われるでしょう。
お前には素晴らしい咒の力がある。
そして、私に供養した咒には……一切衆生を安穏せんとする心が込められていました
。
お前にはこれをもって、私の死後も欲の守護者となり衆生が小欲のみで満たされぬよう見守ってほしいのです。
頼めますか……?
――我が弟子、波旬よ。』
[人でない我が身。
其れが此処に現界しているのは、偏に己の半身たる欲の器との繋がり。
そこからの直接的な魔力の供給があるからであった。]
……山から離れれば、全力では動けんな。
信長の事といい、まったく難儀なことだ。
信長……そういえば己の願いを"自分が、自分として生きる事"といっていたな。
成程成程。
己が生に於いて、前半は政秀の願いを受け入れ、その理想を追い。
後に至っては我に取って代わられたのだ。
其れを悲願とするのも、当然と云えよう。
[口の端を吊り上げ、愉快そうに笑う。]
だが、その願いもじきに叶える必要など無くなる。
――この世から、人が消え失せればな。
[重く静かに、その声は辺りに響いた。]
生きるなど許さぬ。
尊き方を死へと追いやろうとしている衆生に……生きることなど許さぬ。
[その声には、隠し様の無い憤怒の念が*篭められていた*]
−蒲生邸−
[外科的な治療は出来ても、体力の回復はどうにもならず、しばらく安静にしておくしかなかった。己の肉体に休息を与えながら、命の遣り取りをしたランサーと再契約するに至った運命の皮肉を思う。
そのランサーは教会へと出かけていった。どこへ行くかは明言しなかったが、サーヴァントたる原田左之助の行く先など、この時代にそれほどあるわけではない。]
既に主従の契約も解消されているというのに、ご苦労なことだな……。
[己の左手甲をちらと見る。そこにはもう、かつての主従の証は無い。ふ、と息を吐き、蒲生正宗を手にして玄関へ向かった。]
蒲生 延が「時間を進める」を選択しました。
投票を委任します。
蒲生 延は、平 芽祈 に投票を委任しました。
……えっ?
ええと……まあ、刃物なら同じことでしょう。
――……えい☆
[
筋力Eとて、人外のサーヴァント。
俎板に乗せた魚(ショッキングピンクで空を飛ぶ金魚に似た何か)は、俎板ごと両断された。
]
…………ふう。
[バーサーカーは仮面に手を当てて溜息をついた。
屋台から新たな俎板と魚を取り出してくると、目の前に置く。手に持った刃物はきちんと包丁。]
キャスター。いいか、こうするんだ。
[狙いは腹部。手には包丁。
振り上げた凶器は、十二分なほどに引き絞られ――。]
ふんぬあ!
[狙いに寸分違わず鉄の刃は振り落とされた。
鱗とか血抜きとかあったものじゃない。
俎板までもが大爆発。地表に至るまでがなんかもうしっちゃかめっちゃかになっていた。――また一つ、ツカサの屋台は破壊されたのだ。
魚の原型など既にない。
バーサーカーは職人の貫禄を醸しながら、包丁を静かに背後へ放った。放られた包丁は見事に屋台の壁へ突き刺さった。]
やってみろ。
―東ブロック・マンション―
[サーヴァントの肉体を構成する素材は第五架空要素(エーテル)であり、それは肉や骨だけのことではない。血液や精液もまた同様。エーテルを元として作られた、維持する為の力の供給が失われれば、やがては空に溶けてしまうものに過ぎない。――だが]
……っ、ふ、……っは、ほら、また……受け、取れっ!
[もう幾度目になるだろうか。
場所はリビングではなく寝室。精を受け止めたみなみの身体から自分自身を抜き放つと、収まりきらない白濁が溢れ出た。
火照った頭には既に回数の記憶など残ってはいない。尋ねようとする思考も言葉もない。薄明に霞んだ部屋に響くのは、熱っぽい互いの声と粘液質な音だけだった]
[――それから、どれだけ時間が経ったのだろう。
身体に満たされた魔力量からすれば、充分以上に休んでしまったのではないか。そう思い、少年はベッドサイドの時計を見やる。
時刻はおよそ昼前。人の睡眠として考えれば、長すぎるというほどでもなかった]
――――そう、か。
経路(パス)の繋がりが、前よりも深くなった、から……。
[傍らに眠る娘を見やる。小さく寝返りを打ったように見えた。ほんの少しの間だけ注視し、静かにベッドを抜け出してシャワーを浴びに向かった]
――はい、やってみます。
[
新たな屋台をと準備して、刃を構える。
小さく呟いたのは、地上で幾度も唱えた筋力強化の呪文。
極限に研ぎ澄まされた高速の思考は、全てが美味なる料理を作らんがためにと注がれている。
]
――……えい!
[
気合は十分。しかし、響いたのは――ただ、鈍い破壊音。
手本のようにはいかなかった。魚と俎板を両断し、屋台にとめり込んだ切っ先は、地面へと至る遥か上方でと止まっていた。
]
[声は良し、構えも良し。
しかしキャスターの一撃は破壊力に欠けた。
彼女とてサーヴァント。まだ未知の領域があるはずだ!
バーサーカーはそれを堅く信じた。]
違うな。
[次なる材料を探す。今と同じ手本では失敗を重ねる可能性が高い。ならば更に丈夫で、巨大で、高級で――と。
目に入ったのは、本マグロ。
そちらへと向かい、本マグロをひっつかむ。ついでにもう片手でツカサの足を掴んだ。二つを引きずり、屋台へと戻る。]
次はこいつで手本を見せよう。
[まずはツカサを置く。
そしてその上に本マグロを置いた。つまりこれだけ巨大な本マグロを置くには屋台の俎板では足りないので、ツカサを俎板代わりにしようというのだ。]
いいかキャスター。
こうだ!
[繰り出される一撃は包丁ではなく、素手。
先ほど屋台を破壊した一撃が、本マグロ(と下に敷かれたツカサ)へと放たれる――!]
平 芽祈は、アーチャー を投票先に選びました。
[直撃する一撃――しかしツカサという俎板を失った本マグロはバランスを失う。されどそこはサーヴァント。そこはスパルタクス。ブレた狙いを瞬時に変え、軌道を修正し、変わらぬ威力の拳を叩き込んだ。
――弾け跳ぶ、魚肉。
本マグロは尾びれを残してえらいことになった。
しかし先ほどより太いせいだろう。地表は抉られず、屋台が破壊されるに留まった。スパルタクスは地球環境に優しかった。
だが、そこに破壊されるべきものがない。
仮面はゆったりと殺気を向けた。――そう、直前にダイブした俎板(ツカサ)に。]
ちっ。逃がしたか!
キャスター、奴で君の腕を示してみせよ!
キャスター!
ちっ。ならば私が狩るしかあるまい……!
ツカサ。おとなしく捕縛されよ!
[取り出した漁師の槍。
全身を弓のようにしならせ、力が腕先へと収束した。
――次いで解放。引き絞った力の解放。
すなわち、逃亡するツカサへと槍を投擲した。]
――殺気!
[ 背筋に感じた氷のような殺気と、それを追って飛来する槍。ポケットから絵の具を取り出すと素早く振り返り目前まで迫ってきた槍目掛けて…。]
やっぱ無理っ
[ 慌ててその場に伏せて難を逃れた。]
――自宅マンション(東ブロック)――
[いつ眠ってしまったのかも解らなかった。心地良い揺れに目を開ければダビデが既に身支度を整えて立っていた。時間の経過がわからず、ただ時計の針が昼過ぎを告げていた。耳を澄ますと、アスファルトを叩く水の音がする。雨が降っていた]
……ん、おはよう。
うー、すぐシャワーして、支度して、くるね。
避けたか!
[闇の彼方へと消える槍。
縄をつけていなかったので引きずり戻すことも出来ない。
それより何よりキャスターが昏倒したままだった。]
ちっ。今日はこの辺りで勘弁してやろう……。
キャスター! しっかりしろ!
[見た感じではすっかり白目のような気絶の仕方だ。
頬をひっぱたくのも気が引けるし、頭部外傷なら揺らすと危険かもしれない。迷う。迷いに迷った。挙句――スパルタクスは野生の勘を発揮し、妙手を思いついた!]
シェラザード!
ガモーが素っ裸で出かけていったぞ!
……ぅ……ん。
……だ、ダメです。そんな、刀の鞘なんて……んー……。
[
色々と人生終わってる単語を口走ろうとしたとき――いや、既に千年前に終わっているのだが――ぐわんぐわんと揺れる脳にと届いた言葉が、急速に意識を覚醒させた。
]
――……ま、マスター! 『裸の王様』の話を信じないで下さい!
――駅前――
[左之助は「気配遮断」を解いて人通りの多いところを歩く事にした。
もしかしたらこれで、コンタクトの取れてないサーヴァントと会える可能性はある。
会えたら信長の強さを説き、何とか同盟にこぎつけるつもりであった。]
いないかねぇ
[左之助自身も魔力の気配を探し、歩き続ける。]
―東ブロック→中央ブロック―
[疲れを残した様子のみなみに傘を差し掛けながら、街路を歩く。
魔力探知の感覚を最大まで張り巡らせて、残る三騎―セイバーの中に潜むモノを同一とすれば二騎―の存在を見つけようとする]
……みなみ。何だったら、部屋で休んでいても良かったのでは。
昨夜の戦闘を見た感じでは、“あのサーヴァント”は完全に自由に動けるという訳ではない様子でしたし。
[一つの器に二つの魂。それもこの国で最も有名な武将の一人と、神霊とも呼び得る規模の存在と。両者の対立がどれほどの干渉を起こすかは容易に想像が付いた]
……ツカサが?
そうですか……やはり、ツカサはそちらのケが……。
以前にも、マスターのトースト(穏当表現)を咥えるだのなんだのと……。
……亡きものにするほか、ないのでしょうか。
情事を交わした後は、必ず水で体を濡らしてから、お湯でシャワーを浴びる。水に打たれている間に、目が覚めるからだ。
抑えつけられたまま、みなみの意思とは関係なしに繰り返されるあの行為。
みなみが男を嫌いになる事は無く。
みなみがその行為自体を嫌いになる事は無く。
それでもどこかが壊れた気がした。行為の最中、奇妙なほどに何も考えられなくなるのは、ただ相手を恋人に見立て、その恋人にすべき行動を黙々とこなすロボットになったような気分になるのは、それが切欠のような気がした。
――みなみは、わかっていた。
自分が今何故そんなことを思い返しているのか。
自分が今何を冷たい水に打たれながら思い出そうとしているのか。
―中央ブロック→駅―
[傘を持つ手を替え、みなみの耳元に囁きかける]
……みなみ。見つけました。駅の方向、です。
この感じは“あのサーヴァント”ではなく、恐らくはランサーだと思いますが。このまま向かいますか?
[質問というよりも、確認するように。
ランサーが健在であれば、彼とそのマスターに接触し、共闘を持ちかける。出かける前に確認した方針だった]
[晴れてた朝とは変わり空には暗雲が立ち込めていた。雨も止む気配はないどころか、その足を強めているような気がする。ダビデの声に、首を横に振った]
ううん、大丈夫。支障があるくらい大変って言う訳じゃないし。
ダビデのことは、信じてるけど。
でも、ちゃんとこの目で、見たいから。出来る事があるのなら、したいし。
もう後悔するのは、嫌だから。
−駅前−
[特に目的地もなく、人ごみの中を歩いていた。その時、令呪の微かな繋がりを感知する。]
――む。原田、か……?
[未だ慣れない感覚。それを頼りに歩いた。]
――……問答、無用です。
[
微笑みを浮かべて、宝具にと魔力を注ぎ込む。
光の中から表れ出でたのは、ガチムチの精霊。いわゆるランプの精。
]
――……やっておしまい。
よりにもよってそんなハパラパーでシャザーンでアッーなヤツ呼び出すとか奥さん!
[ その場にあったマンホールに飛び込んで蓋を閉めた。]
[みなみの言葉に小さく頷く。決意を秘めた横顔を美しいと感じた。
同時にもう一つ、言うべきことを少年は思い出す]
……みなみ。もう一度、言っておきます。
もし、今後、私が戦闘の結果、斃れるようなことがあったとしても。
みなみは決して、自分を犠牲にしたり後悔したりしないでください。
私はみなみを守りたい。
でも力及ばなかったとしても、それは私の問題だ。
みなみまで、その重荷を背負わないで欲しいのです。
ハルカさん令呪まだ全然残ってるよね?
とりあえずお父さんの暴走ひとまわり制限してくんない、どうにも僕の命が風前のふぅな状態ばっかでさー。
[ マンホールの蓋をちょっとだけ開けて懇願。]
わ〜い☆
芽祈ちゃんが吟遊詩人を乗っ取っちゃったよ〜☆
[この顔グラでいうと寒いですの。。。]
ぶっちゃけ墓下ログ楽しすぎ☆
今回は早期死亡が勝ち組☆☆]
そしてキャスター……その、鞘は酷くないか。
[少し頬を紅く染めて、あらぬ方向を見た]
とはいえ、英霊というのは何でも受け入れてしまいそうだが。
[左之助は蒲生の姿を見つけて、駆け寄る。]
お前さんも、その体で歩き回るとは根性あるな。
[そう声をかけ、他チームとの同盟を考えてる事を話しておく。]
令呪ないならしょうがないかー…(よろりら
[ バーサーカーが逃走したのとキャスターが正気に戻りつつある様子にマンホールから出てきて。]
さて。屋台どう直そう。
まず流廻川いって魔力汲んできたほうがいいかなー…
……悪いなツカサ、実はほとんど何があったのか把握していないんだ。
吟遊詩人の言うように、最初にこちらに来てよかった。本当に。
今もご飯を食べている。
やはりお前だったか。身体は問題ない。
[頼りない感覚ではあるが、間違いではなかった。]
確かにあの信長は恐るべき相手ではあるが、残るマスターたちと共闘できるかどうかはわからんぞ。
警戒は怠るな、そう遠くは無い位置に居る。
[ランサーに警戒を促す。]
……まあ、一般的ではないのでしょうね。
[――ハルカの言葉に、頷いてみて。]
ええと……興味があるのですか、ハルカ?
[冷たく硬い、逞しい黒鉄の鞘を何処からか取り出した。]
あれ、なんだかニヨタイムっぽい予感。
それじゃちょっと屋台修復するための魔力拾ってくるからよろしくやってて。じゃ!
[ ハルカとキャスターに手を振って流廻川へ向かって自転車でダッシュ。]
[ダビデの言葉に、すぐに頷く事が出来ずに目を伏せる。その間も近くに、強い魔力の反応をひしひしと感じていた]
……うん。ありがとう。
でも。でもね、重荷は、一緒に感じたいの。後悔も。だって、そうでしょ?
……英霊は、消えちゃうから。確かに居たんだって、会えたんだって、そう思えるものが、何もなくなっちゃうから。
キラー……大丈夫、この空間なら。きっと。
[キラーの頭(だと思われる場所)を撫でた]
キャスター、一つ聞いていいか。その鞘はいったい。
これですか?
ええ、ツカサが渡してくれました。
――ハルカさんに使うなら、是非にって。
[ツカサがいないのを良いことに、しれっと大嘘を吐いた。]
……ん。そうです、ね。
英霊は役目を果たせばまた“英霊の座”に戻るのが、定めです。
でも、……消えないものも、ある。
[懐を探る。聖に召喚された夜、その媒介となった、神殿の礎石。
一片だけ削り取って、紡錘状の球形に加工してあった]
聖が私を呼び出した時の、“縁の品”です。
これを持っていて下さい。三千年の時を隔てて発掘された遺物ですから。これからまた何千年も、残るべき運命にあるのでしょうし。
任せろ。
白兵戦なら私の手中だ。
ただ、奴の宝具は私では受けきれない。
宝具の壁役はツカサに任せよう。
[作戦会議中。]
―駅前―
[……それから、少し歩いた後。
ほぼ、この近辺で間違いないと少年は気づいた。周囲を見回し、見覚えのある姿を探した。だが異国の人間の顔立ちは、ややもするとみな似通って見えてしまう。目を閉じ、魔力のみを頼りに探しだそうとした]
……見つけましたか?
……ええと……ああ、居ます。右斜め前の方、およそ百メートル。
人込みに紛れてますが、間違いなく。ランサーです。
……残念ですけど、ハルカ。
散々にマゾ奥様と呼ばれた私に、女王様はちょっと……いえまあ、王妃ではあったんですけど。
……面倒なので、私が遠くからツカサごと吹き飛ばすというのは?
さて、楽しい喜劇も是にて終幕。
刮目せよ泡沫の民。
夜明けと共に此処に来るは
性技の名の下、全てを食らう殲滅者。
見えぬ物すら破滅へと導く
断空者(エア・ブレイカー)
平穏など、笑い合える日々等空想と知れ。
其は妄想、汝が妄想は神すら殺すのだから。
訳)エログ塗れがんがー。
名案だ。
しかし私もジャックのために何かしたい。
ならばまずはツカサを放ち、追撃のキャスター魔力弾に紛れて私が突撃するというのはどうか。勿論、狂化済みだ。更にキャスターの魔力弾を背に受ければこちらの宝具も発動可能になるだろう。
バーサーカーはなにをするつもりなんだ。
18だと私が見られないじゃないか。
ツカサは吹き飛ばさないでほしい。
その力は、明日使ってくれ。
待って!僕多分この戦争に関わった中で一番打たれ弱いよ!
[ 戻ってきたらあんまりな扱いになっていて目の前が真っ暗になっている。]
ならば吹き飛ばす前に私が抱えてそちらへ放ればよいのだな。難しいがやってみよう。
万が一失敗しても、川に放り込めばなんとかなるだろう。
投票を委任します。
アーチャーは、平 芽祈 に投票を委任しました。
うん?あいつは確か……。
へへ、あっちも生きてやがったか……。
はて、隣にいるのはみなみじゃねぇか。
あっちにも色々あったみたいだな。
蒲生、英霊を見つけたぜ。
[そう声をかけ、アーチャーとみなみに近づいていく。]
投票を委任します。
桐生 茜は、平 芽祈 に投票を委任しました。
どっちかっていうと、ハルカに対し僕に向かって鞘を使えといっているようにしか見えないなあ、奥さん…。
[ 来たばかりながら逃げる準備開始。]
いえ。ハルカは見た目、とてもお若いですから。
私がごにょごにょするよりも、三十過ぎのツカサのがこう、画的に色々とあれかなあと思いまして。
[こちらの接近に気づいてか、近寄ってくる気配。見覚えのある姿はすぐに、少年の眼前に現われた]
……数日ぶりでしょうか。ランサー。
[彼の口からは聞かされていなかったクラス名で呼びかけ、名乗る]
私がアーチャーで、ダビデだということは、もうご存知でしたか?
[ランサーの歩く方向を見る。そこには見覚えのある少年サーヴァントと、ピンク色の少女。]
あれは、……眞奈家、だったか……。
[他家に興味を持たないが、ピンク色の髪には見覚えがあった。]
……、ありがとう、ダビデ。
[みなみは受け取った石を、ぎゅっと握り締めた。原田と、その後ろに見える魔術師の顔を見ながら、歩みを進めていく]
また、会ったね、ランサー。この間はありがとう。
それで……、改めてこんにちは、眞奈みなみです。アーチャーの、マスターの。
表にいたときと今とのギャップが自分でも把握しきれていないんだな、きっと。
[ なにやらぶつぶつといいながら。]
というかなんでこう過激な状況になっているのさここ!昨日とかのんびりみんなでお酒呑んでたじゃん!
キャスター…。その、それはある意味萌える図ではあるが。
だが。
ツカサ、私が鞘を使うと単なる剣術の指南にしかならないぞ。
出来れば中身もほしいところだが。
[他家に興味はないが、特徴的なピンク色の髪には見覚えがあった。
その隣でクラスと共に真名を名乗る少年。律儀なことだ、と思った。]
眞奈家……、の者だな。俺は蒲生、延。
ふむ。
一番硬いのは私か……。
ならば私が奴の宝具の壁となり、キラーが止めを刺す、というのはどうか。キャスターも遠方から魔力弾や宝具でバックアップ出来るだろう。ついでにツカサも突貫させる。
魔術師を突貫させるのはどうかと思うんだ。
バーサーカー、おまえ、ツカサを憎からず思ってたんじゃなかったのか。あれほどツカサは私のとか言ってたくせに。
[バーサーカーを小突いた]
って、ハルカさん剣の腕前もあるってこと?!
やっぱ僕が一番戦闘力ないんじゃないかなこれは。絵の具で目晦ましすることしか芸がない男だし。
なんかどっかで勢いあまって肉体強化法にもしちゃった覚えがなきにしもあらずだけれど。
俺は原田左之助……って、もう名乗ってたっけか?
まあ、いいや。
2人とも元気そうで何よりだ。
ダビデってのはあんたの事かい。名前はジャックから聞いてるぜ。
[クラス名で呼ばれた事は、左之助にはさして気にならなかった。おそらくどこかで調べたのだろう。]
信長の凄まじさはもう見たかい?見てるなら話が早いんだが……。
[左之助はアーチャーたちにそう切り出した。]
あ、これが名刺です。
[名乗った蒲生にいつもの習慣でにっこりと笑い、名刺を差し出した。差し出した後に、ふと、一度はさらりと流した蒲生の言葉が引っ掛かり、記憶を辿った]
……蒲生さんって、三軒隣の蒲生さんだったんですね。
まさか、マスターとして参加してるなんて思わなかった。
聖。明日の決戦には君にも参戦願いたいが、君は自らのサーヴァントであった者を敵に回すことはできないだろう。そう、君は優しい男だ。……甘い、とも言えるが。
故にうちのマスターを担当してくれ。好きにしていい。
ヒジリに協力を申し出るのは酷だろう。男としてはダビデ制裁大作戦に加担して欲しいが、強制するわけにはいかない。
キャスターとハルカは前に出るには向いていないだろう。ハルカは武器があればなんとかなるかもしれないが……。
よって前衛を張れるのは私・キラー・ツカサなのだ。しかしツカサが貧弱だからといって後衛に下がらせてしまっては、私を壁とする場合決定力に欠ける。相手にはみなみがいるのだ。キラーの刃が鈍ってしまいかねない。
よってツカサを投入する。
確かにツカサは大好きだが、キラーとの友情も棄てがたい。
なので弄ることがツカサへの愛と思って欲しい。
そういう方向ですと、私、ダビデよりマスター側の制裁に回った方が良いかもしれませんね。取っ換え引っ換えだなんてもう。
……世界の修正かなにかで、女性サーヴァントは、可愛い女の子が好きなものと決まってますし。
まあ、その具体的には、某メディアさんとか某メドゥーサさんとか。
[今は亡き、以前のマスターから渡された資料にその名はあった。蒲生延。自ら武技をなす武闘派の魔術師。武家の末裔だとも。
単なる立ち姿にまで、凛とした剣気を纏っているように思えた]
――ええ。昨晩のあなた方の戦闘で。
手を出そうにも、隙が見出せなかったのですが――あれの陣地、だったのでしょうか。
[ランサーの言葉に視線を向け、そう答える]
ああ、ツカサ。
私には攻撃するための魔術がなくってな。
武術を仕込まされたが、剣術しか続かなかった。
だから、余計に私の手は血で汚れてるんだ。
つまり、キャスターはみなみに色んな(ry
おっと。何か口走るところだった。
キャスターとみなみだと、逆転しそうではある。
あ、ああ……。
[差し出された名刺を受け取る。煌びやかな装飾。記憶と違う名前。手書きのメールアドレス。興味がなかった。
続くピンクの言葉。]
……やはり、眞奈家の娘か。
暢気な事を言っているが、お前もマスターだろう。
今ここで首を刎ねてもいいのだぞ。
[緊張感の無い会話に苛立ちながら、サーヴァント同士の会話に耳を傾けた。]
[ダビデの答えを聞いて、蒲生とランサーの両方を意見を伺うように、見ながら言葉を続けた]
見てる限りで言うなら、一介のサーヴァントに出来る事の域を優に超えているように見えたの。
聖杯そのものの、異常じゃないか、とも、思った。
キャスター。確かに、君は本当は我がマスターを担当するのが正答であるのだろう。その世界の修正は正直「ううむどうなのかなぁそれ確かにスゲェ納得できるんですが」だ。
しかし、問題が一つある。
アレもMだ。
[予想通りと言うべき蒲生の反応に、それでも一歩足を下げそうになる。同じ魔術師であっても、タイプも何もかも違うのだろう。みなみが知っている限りでは、所謂"正統派"の魔術師とも違うように見受けられた]
怖い怖い。
でも今は、そんなこと、してる場合じゃないと思うの。
もしかするとそうだったかも知れねぇが、正直陣地とは無関係な気もしてるんだよな。
相対した感じだが、別の何者かが信長の中にいるらしい。
そいつが時折顔を出して、傍若無人を働くってとこかな。
確証はねぇが、俺はそう感じた。
[アーチャーの目を見て、そう答える。]
あれを見たなら、話は速い。
信長の野郎を倒すまで組まないかって話なんだが、乗るかい?
[左之助はアーチャーたちの答えを待った。]
[――とすると、両者はやはり再契約を結んだのだろう。
共闘の提案も受け入れられる素地があると少年は判断した。
みなみに目配せを送って、言葉を引き取る]
聖杯自体の異変により、本来は英霊の枠に収まらない存在――神霊クラスの何かが出現したのではないか、とも考えました。
……それで、私たちも検討したのですが。
結論として、“あれ”との戦闘に際して、共闘関係を結ばないか、という判断に至りました。もしそうするのであれば、互いの情報を可能な範囲で交換し、戦闘の準備を整えようという提案です。
如何でしょうか?
いえいえ、ハルカ。
みなみはあのとおりの職業ですし、私とて、千と一の夜を越えています。
……きっと、退屈はしないと思いますよ?
ツカサ。君が白兵能力に長けていないことは知っている。
しかしここはやらなければならないのだ。
よって君にこれを託そう。
[ツカサに仮面(予備)を渡した。]
――キラー仕込みのニトロ入りだ。
ハハッ、そりゃ同じこと言うか。
あの立ち回りだったからな……さしもの俺もちと厳しい。
じゃあ、そう言う事でいこうや。
[左之助はそう言った。]
僕に君は助けることは出来ない。
だって、君はキラーだから。
僕を止めたいなら殺してくれ。
堕ちた自らのサーヴァントなんてみたくないんだ!
[心からの叫びだった]
……どうやら、考えることは同じらしいですね。
“あれ”から受けた印象も……いえ、直接刃を交えた分、お二人の方がより実感しておられるのでしょうか。
それで、ランサーは異存ないとして、蒲生、貴方は如何でしょうか。
[ 手渡された仮面(予備:キラー印のニトロ入り)をしばし眺め。]
こ…これではとつげき!な強襲車両であります!死にたくないであります!
[ 涙目悪化。]
早まるなヒジリ!
何の為にキラーが歯を食いしばっていると思っているんだ!
彼の苦痛は君と同じだぞ!
だが彼はそれでも頼んだのだ! 死を選ぶことなく!
だからヒジリ! 生きろ!
生きてダビデを叱ってやるんだ!
キャスターは色んな話をしてくれそうだな。それは興味はある。あるんだが。
さすがにこの身体だと色々無理が出ると思う。
[何が]
[ぬるい。――そう感じた。キャスターが万全ではなかったから、見返りに価値があると感じたから、先般の共闘には応じた。
それが今はどうだ。単に強敵だからという理由だけで簡単に手を結ぶ。これが戦場に生きる者の判断か。
辟易する。――が、それも利用すべき事象の一つでしかない。]
……よかろう。
共に真名を名乗りあった者同士、力を合わせよう。
ツカサ………。
分かった。そこまで言うなら無理にとは言わない。
だが、その仮面は君に預けておこう。
いざとなればジェット噴射のボタンで離脱だって出来る。
私は男としてのツカサに頼みたかったのだ。
キラーのために、アーチャーを討つために。
共に戦いの場へはせ参じて欲しい、と。
フフ、だが、泣かせてしまっては意味がないな。
すまない。忘れてくれ。
……君の分は私がなんとかしよう。
[ツカサの涙を拭った。]
あら。その身体だからこそ良いんじゃないですか……。
膝枕なんかしながら撫ぜてみたり、その綺麗な髪を梳いてみたり……。
[勿論、色々としちゃったあとで……聞こえないように、そう付け加えた。]
仕方ないな。じゃあその戦いが終わったらツカサとバーサーカーと私で川の字で眠ろう。
キャスターの髪の毛は、触ると気持ち良さそうだな。
でも蒲生氏に怒られそうだ。
あ…いえ…。
でもお父さんだけに負担をかけるわけにもいかないでしょう。楯になれるような強さはありませんが僕で役に立てることがありましたら協力させてください。
[ 仮面を受け取った。]
……ちょっと癖があるのですよね、私の髪は。
マスターは……どうなんでしょう。独占欲なんて、あるんでしょうか。
……というかハルカ、その発言はマズいです。
『戦いが終わったら〜』は、古典的な死亡フラグです……。
[承諾したとはいえ、内心では忸怩としたものがあるのだろうか。
険しさを秘めた蒲生の表情に、少年はそう考える。孤高のままに武を求める性質か。あるいは戦いと血を求める危険な性癖か――どちらであれ、判断は同じだった]
ええ。セイバーに対しては共に戦う、ということで宜しいですね。
その後は、その後のこと。“あれ”を倒すことが適えばその時点で共闘は破棄、と考えて下さって結構です。
…………そうか。
[アーチャーの宝具について目の前で見たわけではない。
だが外壁を崩す能力ではなく、内部から大破させるらしい彼の宝具を受ければひとたまりも無いだろう。
狂化や、スパルタクスとしての宝具が通用するかも怪しい。
それでも受ける壁になる、ということはつまり――。]
最後に、全力の戦いが出来そうだ。
ハルカ、ツカサ、キラー、キャスター、そして――。
[ヒジリの名前は敢えて呼ばない。
きっと彼に覚悟が必要なのだとすれば相応の時間だろうし、彼に手を下す決定は考えていない。暫くを同じ空間で過ごした仲なのだから。]
全ては我が友の為。
ああ。そんな理由で戦えることを、誇りに思う。
それではちょっと武器の研磨をしてこよう。
……こればかりは怠けていられないからな。私の場合は特に。
[ハルカの約束には返事を返せずに。
バーサーカーは戦いの準備の為にその場を去った。**]
――他に、必要な情報は……そうですね。
[みなみに視線で尋ね、承諾を得る。
戦術立案上、恐らく必要となるだろう情報を告げた]
私の宝具に関して、簡単に。
混沌や悪の属性に対して絶大な効力を発揮する投擲武器です。
銘(な)を――『恐るべき御稜威の王(レクス・トレメンデ)』。
彼の者がその両方であれば、致命打とまではいかずとも、深手を与えることは可能なはず。
ランサー・アーチャー連合軍vsセイバー戦の展開を考えてみたよ!
対セイバー戦、開始!
突っ込むランサーと距離をとるアーチャー
殿様「男子たるもの敵に突っ込め(蹴り」
アチャ「あっ」
セイバ「よしきた!(ざっくり」
よし、これで完璧だ!
……ツカサ、ツカサ。
貴方の考えていること、よく判ります――……ハルカと一緒に、寝たかったのですね?
ほんの一時とはいえ、同盟を組んだ誼です――……これを。
[小さな瓶――『アンバー印の超強力睡眠薬』とラベルにある――を、そっとツカサの掌に握らせて。]
……頑張って下さいね、ツカサ。
[びしっとサムズアップ。そして、邪魔になってはいけないと*去っていった*]
アーチャー終焉予想。
☆対セイバー戦☆
突っ込むランサーと距離をとるアーチャー
殿様「男子たるもの敵に突っ込め(蹴り」
アチャ「あっ」
−アーチャーは息絶えた
[本格的に目覚める。
自分の掛けていた布団の柄に気づいて驚く]
僕が迷っているうちに皆去っていったのか。
まったく、この時間じゃ駄目だね……。
……うむ、それでいい。
アレを打倒した後、雌雄を決するのもよかろう。
[他にどの主従が生き残っているかは知らないが、先日の戦闘から、アーチャーというクラスほど対しにくい相手は居ないと思っていた。場合によっては、信長にアーチャーを攻撃させて、その隙をついて信長を仕留めることもある、と。冷静に考えていた。
そこに宝具の説明まで加わる。英雄ダビデとは、ここまで甘いものか。]
これは頼もしいな。アレは間違いなく世に混沌をもたらす存在だろう。
貴殿の宝具には期待している。
[心とは裏腹に、そう述べた。]
待って奥さん!どこをどう読み取ったの?!
[ そそくさと立ち去ったキャスターに手を伸ばすもすでにいない。
手渡された小さな瓶に書いてあるラベルを読み。その意味と渡された意図を反芻する。]
………よし。
俺の方の技は既に使ってしまってな……。
ちょい予備動作が大きすぎるんで、1度見た相手には避けられやすい困った代物だ。
隙あらば使うが、ちょっと難しいだろうな。
[左之助はそう言った。]
じゃあ今の聖はアーチャーとみなみが落ちてきたら、掃討戦に参加できるんだろうか?
私としては、どちらでも構わないのだが。
それは、難しいね。
どちらでもかまわないなら、二人で観戦ってのはどうだろうか?
守るべきものが出来たダビデなら三体のサーヴァントとおまけに負けるとも限らないからね。
うん…手を焼くかどうかは二人次第ではないんだろうか。
馴染むかもしれないし、迎え撃つかもしれないし。
みなみが、キラーに戻って来たらアーチャーはどうするのだろうな。
馴染んだらそれはそれで良いじゃないか。
みなみがキラーに戻ったらねぇ……。
そうだなぁ、その時は酒でも酌み交わしてやるさ。
それが兄弟として僕ができる事さ。
[蒲生の応えに頷き、左之助の説明には少し考え込んだ]
……では、ランサーが前衛で信長の隙を誘い、私がそこに宝具を打ち込むという戦術が、シンプルですが一番確実性の高い配置でしょうね。
[二人の魔術師を交互に見る。自らのマスターと、共闘/競争相手]
みなみは、身を守ることを最優先にしてください。
蒲生、は――私が口出しすべきではないでしょうから、特には。
[概ね、方針としては問題はない筈だ。相互の携帯電話で連絡先を交換し終えて、四者はその場から*離れた*]
聖は、本当にアーチャーのことを思っているのだな。
アーチャーも、きっとそうなのだろうけど。
[バーサーカーの方を見た]
そんな関係を、築きたかった。私も。
サーヴァントを呼び出すときから決めていたんだ。
友として接しようとね。
ダビデはどうかな、みなみに夢中だと思うよ?
[愉快そうに笑った]
君達も口では素直になれないみたいだけど、なんだかんだで信頼はあるんじゃないかな。
僕達とは形が違うけど、人それぞれだからね。
友、か。
私からは、兄と弟にも見えていたが。
そうだな。
私とあれも。もう少し素直になれていたら変わったのだろうか。
いや、私は素直だったぞ?
バーサーカーが、素直じゃなかったというか、ある意味素直だったというか、ひねくれものらしいからな。
兄と弟だったかもね、実際そんなかんじだったかもしれない。
まぁ、いいんだよ、主従関係がはっきりした様な関係じゃければね。
素直、ねぇ。
悠乎も素直とは言いがたいかな、僕からみると。
結局、似た者同士だったんじゃないの?
甘いものって時々食べたくならないかな?
だから僕のポケットには色々準備してあるんだ。
それに、考え事にも糖分は必要だからね。
――――。
[研磨していたグラディウス片手に、ぬっと現れる。
瀬良悠乎が手にした袋からは甘い香り。
……ヒジリからは更に甘い匂いがしたような気がするが、なんとなく危険な香りな気もするので気のせいだろう。]
それはありがたい。ヒジリ。礼を言う。
――だが。まともな食事、とはどういう意味か。
[グラディウスをしまいながらどこか拗ねた口調で。]
別に礼を言うほどじゃないから、気にせず。
二人でゆっくり語り合うと良いさ……。
甘いものが足りないならその辺にいるから、僕を呼べば良い。
承知した。
必要となれば世話になることにしよう。
いずれこの恩も――返せるかは分からないが。
[アーチャー掃討後、生きているかは不明だ。
今は軽はずみな約束をすべきではないと自問し、バーサーカーは瀬良悠乎から鯛焼きを受け取ったのだった。**]
悠乎は何時もどおりネオチだろう、きっと。
まったくしょうがないね……、本当に。
[悠乎にハルカの絵柄のついた布団を掛けた**]
スパルタクスはトラキアを飛び出し、第一次ミトリダテス戦争に傭兵として参加した。
幾人もの命を奪い、それでも何かを得ることも無かった戦い。
中にはスパルタクスより若い少年もいたし、子も孫もいるであろう壮年の兵士もいた。
――誰もが呆気なく死んだ。呆気なく誰をも殺した。
それは生前の瀬良悠乎に、泡沫の夢として流れ込んだ記憶(>>2:37〜>>2:41)。
――その後、スパルタクスは敵の手に落ち、捕虜として連行される。
実力でねじ伏せられたわけでもない。一人を殺すごとに、一つが消えるごとに刃からは魂が抜け落ちて行き、それを振るっていたスパルタクス自身も血に溺れた。
我を失った彼の刃が、最早敵に届くことなどありはしない。
捕虜となったのは当然の帰結だったのだ。
処遇がすぐの刑の執行ではなかったことは、ただの偶然でしかなかったのだろう。
故郷の自由と未来。トラキアの王子と誓った戦いの理由。
多くの死者を出したミトリダテスの戦争は、講和によって一時終結を迎えた。
――尤も。
その翌年に第二次戦争が勃発することとなる。
反ローマの気運が治まらなかったのか、それともスパルタクスの報を知ったトラキアの王子が根回しをしたのかは定かではない。
いずれもスパルタクスの命運とは別のところで巡る話。
それを聞いたスパルタクスが、経験した死地と重ね合わせて何を想ったかは、誰も知り得ないこと。自身の生涯について、英霊となった今でも語る術を持たない以上、誰にも知り得ないこと。
溶けた蝋、かびた四方、古錆の異臭。
草とも石とも固まった液体とも取れない何かしらに、足の踏み場も常時なく、人影は自身が汚れるのを承知で体を休める。
奴隷達の薄暗い隔離部屋。それぞれ繋がれた柱の近くで待機と休息を過ごした。……手と足の鎖はきっと錆びているのだろう。幾度も擦れて残った拘束の跡。囚人としての烙印のように、皆同じ蓄積を四肢と首にと焼かれていた。
見慣れた光景。
閉ざされる扉の重々しい響きを聞き、持ち場へと歩く。
次の見回りが来た時に鎖を嵌めていなければ、反逆の意思ありとして「処刑」される。
……いや、反逆というのも少し違う。彼らは自分の「所有物」が反抗を働いたことを許せないし、怒りを隠すこともしない。
あの血生臭いコロッセオで磔にされて焼かれるのか。
或いは猛獣と対峙させられて、四肢を千切られ、腹を裂かれ、挙句に頭から砕かれるのか。
どちらにしても辿りたい末路とは言えない。そんな遠まわしなことをする前に、自分で自分の命を絶っているだろう。
事実、朝目覚めれば昨日まで言葉を交わしていた誰かが自害していた――などという事態は稀でもなかった。
末路の悲惨も然り。それを「お客様」に見世物として提供する恥辱も、死に際まで浴びせられる歓声も、望むはずも無かった。
まるで死ぬ為に生かされている家畜。
――それも違う。家畜は肥えるか働くかして漸く飼い主の役に立つ。故に規則正しい食事は与えられるし、四足に鎖を嵌めて繋がれることもない。せいぜい縄や柵で閉じ込められているのが普通だ。
そういう意味では家畜以下。なるほどまさに奴隷は主人の「所有物」。働く必要はあるが肥える必要はない。規則正しい食事にありつけるわけもない。
家畜としてすら認識されていない。――笑える話だった。
それでも生きていれば空腹は訪れる。生きていたければ食べなければならない。みんな楽しみにしている唯一の時間は食事。
食事――と言っても、適当に選り分けろといって放り込まれるだけだ。皿もスプーンもありはしない。調理されたものでもなく材料そのもの。中には明らかに雑草だろうと思えるものもあったし、どう見ても歯も刃も立ちそうもない岩みたいなものまであった。
それでも、みんな楽しみにしている唯一の時間。この時ばかりは誰もが進んで会話をする。
普段からも会話はあれど、それは凡そ長い間ここにいる奴隷だけだ。明日殺されるか殺すか――という決定に耐え切れず、沈黙を選ぶ奴隷も中にはいた。
だけど食事の時間は、放っておくとみんな遠慮なしに獲っていってしまう。結果、口を出さずにはいられない。
――もしかしたらアレは、わざとやっているんじゃないだろうか。
そう疑いたくなるほど鮮やかな循環であった。
真実どのような心持だったかは不明だが、食事の最後まで話しかけてこない一人に、こっそり別の誰かが分け与えることもある。……多分、我先にと分捕るつもりなんて最初から無いのだろう。
だけどまだ、その日は食事の時間に遠かった。
剣闘士としての訓練を終えたこともあるからだろう。誰に話しかけることもせずに歩いた。
自分で枷を嵌めて、座り込む。背にした壁は決して心地好い感触でもない。高く遠くにある窓からの情けばかりの光と、どろどろに溶けた蝋燭の明かりが、土に塗れた足元を照らす。
……ついでに赤い肉片のようなものもちらついたが、嫌悪する気力も湧いてこなかった。
私が刻まれるのか、誰かを刻むのか。
試合を組まれてしまえば嫌でも見るだろう。
手に残る殺戮技巧の感触を潰すように、強く握り締める。
「随分とげんなりしてるな。まったく。こっちまで滅入りそうだ」
そんな複雑な時間に、痩身の男は蹴りを以って割り込んだ。
彼の名をクリクスス。
後に大反乱の首謀者の片棒として戦死する盟友である。
「…………別にええでしょ」
スパルタクスはクリクススの顔をまともに見ようとしなかった。
素っ気の無い返事は嫌悪の表れではない。
クリクススは自分よりも長くこの場所にいる。
なのにどうして気持ちが分からないのか――放っておいてくれないのかという憤慨と。
ここが持ち場ではないはずの彼が、堂々と自分に蹴りを入れた疑念。彼の四肢にも拘束の烙印はあるのに、繋ぐ鎖はさっぱり見当たらなかった。
「良くはない。誰でもびっくりするし心配もする。昨日のメシの時はあんだけがっついてた奴が急に、なんだから余計に」
「がっついてません」
視線は合わさない。ただ反論した即座の声には、拗ねたような響きが僅かに混じっていた。
見届けたクリクススはケラケラと笑う。
周りの奴隷も何事かとクリクススに訊ねた。しかしクリクススは物凄く失礼で適当な、それでいいのかと言いたくなる説明をした。……だがみんなはそれで納得してしまったらしい。
感嘆と呆れの両方の意味で溜息をつく。
ほんの僅かの心の隙間。疲弊して軋んだ精神の傷。
――クリクススは隙間を縫うように、言葉をねじ込んだ。
初めは、同じ奴隷の仲間としてだろうかと思った。
だがスパルタクスは即座に思い出す。
クリクススは自分よりも長くここにいる。つまりそれは、既に「試合」も組まれているし、握った刃に仲間の血を跳ねさせたのだろうことも意味していた。
一度ではなく、何度も彼は殺した。
だから、殺す時には区別なく、自分が生き残るために「勇敢に」殺してみせるのだと容易に推察出来た。
次に腕が未熟であることを指摘されているのか、と思った。
自分よりも経験も実力もない新入りに殺されたくは無い――スパルタクスにはまだ分からなかったが、戦士としての誇りでもあるのだろうかと。
だが、クリクススはそれも違うと首を振った。
「分からないか。そんな申し訳なさそうな顔で殺されたくないと、俺は言ってるんだ」
言葉の意味がわからなかった。
急所を裂かれればどんな矮小な人間でも、屈強な人間でも違いなく死ぬ。剣闘士としてまだ戦ってはいなくとも、スパルタクスは戦場を知っていた。
だから反論の言葉はすぐに出るはずだった。
「でも、」
そこから先の言葉が喉に引っかかって出てこない。
スパルタクスが戦場を知っているように、クリクススもまた、剣闘士としての殺し合いを知っている。
殺し合いだけではなく、磔にされた仲間も、猛獣に潰された仲間も知っているのだろう。
――それにかけられる歓声のおぞましさも。
その上で、彼は言ったのだ。
沈んだ表情のまま命を奪うなと。
――一人を殺せば。自分も一人死んで行く気がした。
スパルタクスは理解することが出来なかった。万感を汲み取ることも出来なかった。ただ俯いたまま彼の話を聞いた。
「……いや、今すぐに分かれとは言わないがな。相手も後悔するし、何よりきっとお前が後悔する」
何か、とても大切なことを。
どんな表情で告げていたのか、スパルタクスは知らない。
その言葉の意味が分かるのは、ずっと後の話。
剣闘士として初めて舞台に立ち、初めて――殺した日の話。
――結局、スパルタクスは彼のように笑えはしなかった。
血に塗れた剣。掌。
石畳に転がるかつての仲間。
浴びせられる歓声と――たった一つの残酷な指令。
曰く、「無様な戦いを見せた戦士の首を刎ねよ」。
親指を下に向け、彼らはそう命令する。
沈んだ表情のまま、刃こぼれした切っ先のまま。
冷たくなり始めた奴隷の首を、スパルタクスは刎ねた。
一度では上手く刎ねられなかったから、何度も振り下ろさなければならなかった。肉が潰れ、血が噴き出て、骨が砕けて猶、首は繋がっている。
スパルタクスが首を刎ねるまで、死した体の悲鳴は続いた。
自身を刻む過程(ぎしき)は続いた。
降り終えた血雨の代わりに、歓声が落ちる。
――確かに。あなたの言うことは正しかった。
これが――悪魔の宴というやつか。
一人佇むスパルタクスは、切っ先から滴る赤を見つめた。
――時間は進む。
それは脱走を計画する少し前の話。
ちょっとだけ不思議な話。
スパルタクスが、生涯で味わった数少ない幸福の時間。
「おい、ばかタクス」
いつものように軽薄に、やっぱり何故か枷を嵌めていないクリクススが話しかけてきた。
いつの間にか失礼なあだ名までつけられてしまっていた。だが、反論しても無駄だと知っている。なのでせめて、不満げに話の続きを促すことくらいしか出来なかった。
「なにさ」
「お前さ、――あー……」
らしくない、とスパルタクスは思った。
あの傍若無人、軽妙酒脱、口八丁のクリクススが言い澱んでいる。余程悪い報せなのか――真剣に悩んでいない様子からはそうとも取れない。
埒があかないので、その辺りの石っぽいものを拾ってクリクススへ投げつけた。悲鳴を上げながらも我に返ったらしいクリクススは、またスパルタクスの顔を見つめた。
刹那のたじろい。
その隙間がまたいけなかったようだ。
意を決したクリクススは、口を開いた。
「…………」
「………………」
曰く。
クリクススは捕虜になる前は魔術師で、スパルタクスにはその素養があるとか無いとかで、ちょっと回路を作って開けばどうとかこうとか言われたのだが、スパルタクスはちっとも理解など出来なかった。
ただ彼は酷く真剣だったので、正気を疑うことも出来なかった。
症状が――もとい、話が進行するとクリクススは詳細な説明を始めた。身振り手振りつきで、普段なら剣闘以外では見せないようなとんでもない動きで説明した。翻弄したいのか威嚇したいのか説明したいのか分からなかった。
しかし、スパルタクスは理解することは出来なかった。
ただそれは戦いに使っているのかと聞くと、クリクススは「相手は魔術を使えないだろうからやらない。そもそも魔術は秘匿されるべきものだし、魔術師としてみだりに戦場で使うことも出来ない。内部から爆破とか出来たら愉快だろうが俺はやらない」などと更に意味不明な答を返した。
よく分からないが、彼には彼なりの美学があるのだろう。
ただこっそり使っていないとは言わない辺り、彼の性格が滲み出ているような気がした。きっとこの男なら使っているだろう。スパルタクスは勝手にそう結論付けた。
一通りのパフォーマンスを終えたクリクススはすっくと立ち上がり、辺りを見回した。そしてうす暗闇の向こうに獲物を見つけたようだ。
スパルタクスはすぐにそれが誰かは分からなかった。
目を凝らしても難しかったので、仕方なく身を引っ込めると、上の方から視線を感じた。見ればクリクススは笑顔だった。
スパルタクスは悩んだ。ここは彼の笑顔に合わせるべきだろうか――だが器用さに恵まれなかったスパルタクスは引きつった笑いしか返せなかった。
そしてクリクススは衝撃の宣言をする。
「見ていろ。今から魔術を見せてやる」
――あなた。
さっき秘匿すべきものとか言ってませんでしたか。
突っ込みたい気持ちを抑えて頷く。
するとクリクススは謎の呪文を唱え始めた。目までつぶっている。きっと彼の中にはキチンと設定が決まっているのだ。今は邪魔をしてはいけない。スパルタクスは三角座りしたままクリクススを眺め続けた。
そして――。
遠くで、一際野太い悲鳴が聞こえた。
枷を繋いでいるのであろう柱の一つがぐわんぐわん揺れる。
――それもそのはず。悲鳴を上げた男は巨漢。
スパルタクスは奴隷達の中でも背は低く、クリクススは平均並の痩躯だ。対して悲鳴を上げた巨漢は、恐らく剣闘士養成所の中でも一、二を争う巨漢だろう。
彼には鎖など申し訳程度しかない。
暴れれば繋いでいる柱の方が大変なことになる。
そんな彼に何が起こったのだろうか?
クリクススの影から顔を出して、スパルタクスは見た。
「はっ、はなが! クソ! クリクススさん! またあなたでしょう! ああああ! 痛い! はながもげる!」
オエノマウスが鼻を抑えて転げまわっていた。
スパルタクスはその滑稽さよりも、クリクススへの恐怖でいっぱいになった。彼を怒らせてはいけない――スパルタクスはその日以来、そう訓戒した。
――翌日。
オエノマウスは鼻の怪我により剣闘士試合を免れたそうな。
…………。
[ししゃもをかじっている。
ひたすらししゃもをかじっている。
ししゃもをかじりにかじっている。]
勢いというのは恐ろしい。
このままししゃもをかじり続けても何ら支障はあるまい。
[眠っている瀬良悠乎を一度見た。
色々と反省しながら隅っこへ移動**。]
おはようお父さん。
たまには朝からがっつり食べたくなることってあるよね?
そんなアナタにこの朝ご飯!
[ ツカサは大量のレミシカバブとタンドールチキンを大皿に盛った。]
それにしても。
昨夜はとてもぐっすり眠れた上に目覚めも爽やかだったね!
奥さんからもらった睡眠薬ってすごぃ。普通睡眠薬だと朝は気だるいかったり頭痛かったりするのになんて清々しい目覚め。また今晩も貰おうかしら。
[ 目がキラキラしてる。]
そしてやろうと思っていた長文投下をやろうとしてた規模なんて遥かに凌駕したレベルでお父さんにやられちゃってる件。
くそう、これでは恥ずかしくてやれないじゃないかっ
――蒲生邸――
[アーチャー達との話を終え、左之助は蒲生と共に屋敷に戻ってきていた。
左之助と蒲生の間には余り会話は無い。
蒲生が無駄な話を好まないというのはあったが、キャスター消滅が、蒲生の心に影を差しているのでは無いかと左之助は想像した。]
まあ、庭で鍛錬できるのは悪くねぇか。
[蒲生邸の庭は広く塀に囲まれてるため、人目にもつかない。
左之助は槍を出して、振るい始める。]
[生前「何流ですか?」と流派を問われたら「ごった煮流です」と左之助は答えていた。
実際新撰組では、色々な流派を知る機会が会ったし、良い部分はどんどん取り入れていった。
斬りの形、突きの形、構え、足さばき、それらは流派によって異なる。
学び、自分の中で消化するうち、原田の剣は読めないと評判が立つようになった。
得た知識をその場の状況に応じて変化させ、応用しているためだと左之助は思う。]
だが、あの技だけはなあ……。
[左之助は宝具を使っての技について物思う。
出せれば威力は大きいが、事前に円を描かねばならないという予備動作が弱みだった。
一度それを見た相手が、その動作を見逃してくれるとは思えない。
自分の死後、自分の中に出来た技という事もあり、今ひとつ練れてない感触もある。
左之助は不安を払拭するために、さらに槍を振るった。]
―北ブロック マンション―
[山で負った傷を治療し、ふと、洋服を捲り腹部の傷を見る。
傷口は塞がっているものの、その傷の周りは赤黒く、熱を持っている。
今の自分の霊力なら、この程度の傷は跡形も無く治療出来た。
けれど、自分への戒めの為に、このまま残ればいいと―そう思った。]
(まだ……自分で居られる)
[自我の残る内に、戦いに赴こう。
この想いが 消えない内に――]
[ゆっくりと立ち上がると、視界の片隅に何かが映った。]
……。
[床の上に置かれた、二つのマグカップ。
その片方を取り、そっと両手で包む。
もうそこからは、冷たい陶器の感触しか伝わってこない。]
…だから、物を置きたくなかったのに…。
[――人は居なくなっても、物は残る。
痕跡を、そこに刻み続ける。ただ無常に――
カップを胸に抱き、何かが滲みそうになるのを、目を固く瞑る事でこらえる。
しばらくそのままでいたが、ゆっくりと目を開けると、カップを床に下ろし、振り返らずに*部屋を出た*]
本日分の展開なら僕らのうめき声に耳栓すれば結構あっさり把握できるんじゃないかな?
[ ハルカとヒジリにピリ辛鮭トバとぽん鱈を差し入れつつ。]
冷酒用のお酒もってきたからよかったらやっちゃってて。
僕はもう少し料理の仕込みしてるから。
[ 火で軽く炙ったぽん鱈を裂いて七味マヨネーズをつけて口にくわえた。]
そうだなぁ、墓の方が4倍以上もログがあるからなぁ。
うめき声がなければログは追いやすいだろうね。
昼から冷酒なんて悪くないね、悠乎もどう?
[鮭トバをくわえながら冷酒を注ぎ悠乎に渡した]
ありがとう二人とも。
[冷酒を受け取るとぽん鱈と一緒にいただき始めた。スルメは懐にしまったようだ]
墓の方も余り追えていない。
まあ良いか。
――中央通り・古美術店――
[鍛錬を終えた左之助は、梧桐の古美術店を訪れた。
以前に渡されていた合鍵を使い、中に入る。
主人のいなくなった店内は、がらんとしていて寂しげな印象を左之助に与えた。
そのまま奥へと進み、古びた箪笥のある部屋へと入る。
箪笥の奥から、着物を入れる箱を取り出した。]
こいつをもう一度見ておきたかった。
[入っていたのはあさぎ色に山形の模様が入った着物。
新撰組の隊服である。
左之助は以前この店で隊服を見つけた時、それから目をそらした。
かつて何も成し得なかった事を思い出させるからだ。
だが、これを着ていたころの事は、左之助の血肉となって今も彼の中に息づいている。]
[ふと自分の服がかなり痛んでいる事に気づく。]
戦い通しだったから、無理もねぇか。
[衣装箪笥から梧桐の服を適当に見繕い、黒いシャツに黒革のズボンと言ういでたちになる。
ズボンは丈夫そうなのが気に入った。
着替えた後、左之助は隊服を見つめながら「高楊枝」をつまむ。]
お前さんも汚名返上と行くかい?
[左之助はそう言い、隊服の上着を掴んで肩にかけると古美術店を後にした。]
いや寧ろ。
お父さんに蓋しちゃったら何がなんだか判んなくなると思う。
ほとんどの場面にお父さんがど真ん中で関わっているんだしさ。
まあまあこれでも食べて食べて。
[ バーサーカーの仮面にカイヒモをねじ込んでおいた。]
………今日はお父さん細かいね。
仮面の中が忙しいのかな。
[ バーサーカーが埋まった辺りに供養がわりの天狗舞をたっぷりと撒いた。]
供養の際にはお酒を撒くもんだよ、ヒジリさん。
お酒は色々なものを清めてくれるんだ。
[ 誰かにかけちゃった分は黒歴史です。]
忙しいというか、色々と力尽きたというかだな。
後は……皆も心休まる時間が必要だろう。
何が、とは敢えて言うまい。
[酒を撒かれた土の上に新しい土をかぶせた。]
なんというかこう…。
昨日の超長文は思い出語り(?)とか含み、まるで力尽きる様子がないとかいったらこっちが困るよお父さん。
んー… どうしようかな…。
[ 今晩の夕食にと肉じゃがを仕込んだはいいがこれの付け合せになにを作ろうか悩んでいる。]
メインじゃないものをメインにしちゃったなあ。どうしよう。何が合うかな…。
桐生 茜が「時間を進める」を選択しました。
起きていたいとは思ってる。
だけど、なんだかとても眠いんだ。
おやすみパトラッシュ。地球は僕と君とではんぶんこ…。
[ ジョリーだった気がする*]
岩塩はともかく磁鉄鉱は人の食べ物ではないよね?
それとも君は磁鉄鉱を食べた事があるのかい?
愛を込めて食べれる料理を学ぼう。
まず、米は洗剤で洗うものではない……。
そこから覚えよう、ね。
……キャスター。美味しくご飯が炊けるようになると、良妻に一歩近づくぞ。
まずはそこからだ。
[聖とキャスターのやり取りを飯盒の前でのほほんとみている]
キャスターの魔術ならできるかもしれないが、魔力を提供する側は疲れるだろうな。
でも、そうやって作ったものよりも、愛情込めて作った料理の方が美味しいと思う。
キャスター、きっと聖やツカサが教えてくれるはずだ。
でもバーサーカーには教えてもらわない方がいい。
[真顔だった]
磁鉄鉱は、まぁ、摂取する事があるにしても一般的ではないとしておいて置こう
[気まずそうな顔をする]
料理の基本は手間をかけることだ。
魔術でぱっとやろうなんて発想をするから変な料理になるんだよ?
[悠乎に向き直って]
悠乎も我関せずとしてないでキャスターに料理を教えてやってくれると嬉しいんだけど……。
……だって、生前が生前ですもん……。
あ、宝具で料理人を喚んだら……ごめんなさい、鍋はもう止めてください。
……ハルカの料理は、私も興味がありますね。
同じ女性として、どうかひとつお手本を。
生前なんて関係ないさ、今から覚えればいいさ。
宝具で料理人を読んだら蒲生は料理人に取られちゃうかもね?
美味しい料理じゃなくて愛がこもった料理を望んでいるんじゃないかな、彼もまた。
私の料理だと?
[飯盒をこんこんと叩き、ひっくり返す]
……。手料理など、あまり作らないからな。
寮にいたときに交代で作っていたから、腕は落ちてないと思う。
[10年前の話だった]
−蒲生邸−
[戦闘準備を終えると、ランサーが帰ってきた。
黒尽くめの洋装に、肩に掛けた浅葱色の羽織が際立つ。
対するこちらは純白のスーツ。腰には蒲生正宗を挿している。]
準備は整っているようだな。
[どこで何をしていたかなど、その羽織を見れば聞くまでもなかった。]
敵は漆路山から離れていない。
行くぞ。
[アーチャー達に連絡を取り、漆路山に向かった。]
男ってのは女の子の手料理ってだけで嬉しいものだよね。
大切なのは気持ちだよね。
でも最低限、人死にの出ないだけのものを作らなきゃいけないと思うよ。人が死ぬようなものは料理じゃない。
[ 今北産業。]
今晩の
ご飯は
女の子担当
[ これであってる?]
そう、ツカサが良いことを言った。
気持ちだよ気持ち、最初は誰だってうまくなんて作れないさ。
[悠乎の一瞬の沈黙が怖い気がしたが見ない振りをした]
腕が落ちてないならキャスターに手本を見せるのはどうだろう?
―中央ブロック・公園―
[昼食を終えて店を出る頃には、雨はもう上がっていた。
通りをしばらく歩いてみても、セイバーやそのマスターらしき魔力の気配は感じられない。ベンチで休憩しつつ、口を開く]
……この近くには、居ないようですね。
やはり昨晩のように、北ブロックの辺りが本拠なのかな。
[子供達がはしゃぎながら、先を争うように走り抜けていった。
夏休みの日常と、聖杯戦争。昼と夜。現実と幻想。
ふと、考える。みなみにとって、この数日間はどちらなのだろう?]
そんなに不安になるな。
大丈夫、仕事中は野外でよく作っていた。
簡単なものだったけどな。
[飯盒の蓋を開けると、炊き立てのご飯が出てくる]
よし、おこげもできてる。
[狐色に染まった底のほうのご飯を蓋に盛ると、肉じゃがと一緒に食べ始めた]
女の子担当といっても。
もうおかずは出来ているのだし。
更に一品くわえるなら、なんだろうな。野菜が足りない気がするから、サラダでも作ろうか。
[少年が口を開くよりも早く、みなみが携帯電話を取り出す。
発信先を一瞥して表情を引き締めた娘は、事務的な口調で通話に出る。短いやりとり。意を決したような視線が、少年を射た]
……蒲生から、ですね。相手の場所、は――
[思わず硬い表情になっていたのだろう。
その逆に、緊張を抜いたようなみなみの声が告げる。漆路山、と]
――動いてないんですね。今から、すぐですか?
[およその到着予定時刻。一時間後、と。
それに間に合わせるべく、二人は移動を開始した]
さておき、ハルカさん僕にもご飯よそってもらえる?
飯盒で炊いたご飯ってひと味違って美味しいんだよね。おこげがまた格別だったりする不思議。
[ ハルカへと自分の茶碗を差し出し、肉じゃがの皿をひとつ手前に寄せた。]
[飯盒の様子にほっとした表情を見せた]
ごめんごめん、少し心配しすぎた。
もう一人の方があれだったからね。
[キャスターをちらみする]
サラダね、悪くない。
海藻なんかが入るとベストかもしれない。
[ぬかるんだ地面に一歩踏み出す度、足が沈んでいくのを感じながら少し歩く。雨が止んだあとの街は、静かだった。虹が見えれば良いと空を見上げれど、太陽が漸く覗き始めたばかりの空はモノクロのままだった。ベンチに腰掛け、様々な事を思い返す]
……うん、そうだね。
でも良かった。こんな街中で暴れられたら、一体何人が犠牲になったかわかんないもん。
[聖杯戦争に参加してからの日々は一瞬で、けれど、たくさんの事を学んだ気がした。振り返って一つ一つを見ていけば、一年、二年にも匹敵するような気がして、息が詰る。ダビデの声に救われたと、みなみは思った]
奥さんいじけてないで練習、練習あるのみだって!
ほら、僕が料理の勉強につかった本あげるから!
[ キャスターに『ケン○ロウのおいしいごはんABC』と表題のついた本を差し出した。]
[きゅうりに塩を振ると、今度はレタスを手でちぎっている]
海草か…。小さい頃は海草サラダが余り得意ではなかったな。なんというか、人の食べるものに見えなかった。
[透明の皿に野菜と若布を彩りよく配置して、数種類のドレッシングを脇にことり]
ドレッシングは一つだけ当りが入っている。バーサーカーが好きそうな味だ。
[ダビデに必要な事を告げた後、漆路山へ向かうべくタクシーを捕まえる。緊張感からか、みなみの顔からは笑顔が消えた。何か喋ろうと思えど、適切な話題など何も浮かばず、ただ黙って、ポケットの中に手を入れた。その手に、石が当たる]
……我儘だよね。
聖杯戦争に参加するってそういうことなのは、解ってたのに。守ってもらうだけじゃ嫌で、ちゃんと最後までダビデにも生きてて欲しいって、思っちゃうもん。
だから、こんなにも、怖い。
大丈夫、だって、思ってるけど。
ランサーたちも、一緒だし、それに、ダビデのこと、信じてるし。
あ、海藻サラダは僕も苦手だったなあ。
普通の生野菜サラダの方がよかった。
[ 箸をくわえてもぐもぐしながら。]
…それ当たりじゃなくて逆なんじゃ。
で、ではこのサウザナイランドっぽいドレッシングをば…。
[ 手前の野菜にかけて、ひとくち。]
−西ブロック→漆路山−
[雨上がりの匂いがする道を歩く二人。一般人の意識を逸らす呪がなければ、さぞ目立つことだろう。
道中、特に会話はなかった。
ランサーはキャスターと違って戦闘に慣れ親しんでいる。
細かい指導が必要だとも思えない。]
どうやら彼らのほうが早かったようだ。
[入り口に立つ二つの影を見つけて、ランサーに告げた。]
……私は生前食物に恵まれなかったというのであって、ゲテモノ好きというわけではないぞ。ガモーちゃん風に言うなら「私はな。これしか知らんのだ」というやつだ。
海藻サラダ、美味しいけどなぁ。
確かに見た目はとっつきづらいけど……。
[当たりのレシピをメモし始めたキャスターを見て]
もう、僕は何も言わないさ。
蒲生のお殿様、ご愁傷様……。
[悠乎にならってゴマドレッシングを掛けてサラダを食べ始めた]
―漆路山―
[タクシーが北へ進んでいくにつれて、高揚する感覚が増していくのを感じる。紛れもない戦意。下車して周囲の風景を見回し、改めて感じる。英霊としての在り方を示す最大の場が戦場なのだ]
……大丈夫ですよ。
みなみは、私よりも後ろに居て、サポートに専念してください。
私が倒れたら、ちゃんと逃げること。
今ここに居る私は、あくまでも「英霊・ダビデ」の一部分が現界した姿です。“英霊の座”に居る私が死ぬことはありません。
でも、みなみは、今ここに居るみなみだけしかいない。自分の身を守ることを、最優先にするように。
[再び緊張の色が濃くなったみなみへ、言い聞かせるように言葉を掛ける。じっと見つめて、その頭をそっと撫でた]
[ダビデに必要な事を告げた後、漆路山へ向かうべくタクシーを捕まえる。緊張感からか、みなみの顔からは笑顔が消えた。何か喋ろうと思えど、適切な話題など何も浮かばず、ただ黙って、ポケットの中に手を入れた。その手に、石が当たる]
……我儘だよね。
聖杯戦争に参加するってそういうことなのは、解ってたのに。守ってもらうだけじゃ嫌で、ちゃんと最後までダビデにも生きてて欲しいって、思っちゃうもん。
だから、こんなにも、怖い。
大丈夫、だって、思ってるけど。
ランサーたちも、一緒だし、それに、ダビデのこと、信じてるし。
−漆路山・山頂付近−
もうすぐだ。
[ぽつりと、何処を見るでもなく立っているセイバーが呟いた。]
尊き方……守護者の任は、断罪をもっておわらせましょう。
[手に持つ金剛剣に、知らずと力が入った。]
[アーチャーとみなみを見つけ、「よっ」と左之助は右手を上げる。]
んーちょっと、かてぇな!
まあ、緊張するのは良い事だが、ほどほどにな。
さて……行こうか。
[そう言い、山道を登り始める。]
[変わらないランサーの態度に苦笑しつつも、その後に続いた。
目的とするサーヴァントの存在は麓からでさえも感じられる。
いつ遭遇しても良いように額の編紐を解き、手に下げた]
そうですね……まずはここを切り抜けないと。
その後は、それからですし。行きましょう。
―漆路山・山頂付近―
[随分と上った気がする。昼間はただ煩いとしか感じられなかった蝉の声が、いつしか物悲しさを思わせるものに変わっていた。
――どちらも、故郷では聞かない鳴き声だった。あれは、違う種類なのだろうか。思考が逸れたことに気づき、少年は視線を上げる]
――山、頂?
来たか、小さき者よ。
[背後、やや遠くに気配を感じて、ゆっくりと振り返る。]
我が半身たる欲の器。
その煌びやか輝きに誘われやって来たか……いや、それとも。
――愚かにも、我を打倒せんが為にやって来たか。
へっ、いやがった。
愚かかどうかその目で見極めると良いぜ。
それじゃあ、いっちょうやるかい!
[左之助はそう言って手に持っていた隊服を羽織り、槍を取り出した。]
[その姿は、赤き陽に染まりし紅。
その色彩は唯の夕日による物か、それとも。
紅き路に意を堕とした者の末路故か。]
セイバーか、か。
愚問だ、我が意を宿す器となりし身は確かにセイバー。
だが、その様な枠決めなど……我には最初から意味などない。
我は魔王・波旬、それが唯一にして全ての答えだ。
―陸道寺―
[夕日が、森を影絵のように変える。
もう、精神を集中しなくても、いくつもの大きな魔力が漆路山に終結しているのがわかった。
知っている魔力、知らない魔力。
その詮索は、すでにどうでも良かった。]
(ここで―― すべてを終わらせる)
[霞の印を組み、自分の存在を可能な限り希薄にしてから、山に足を踏み入れた。]
[アーチャーの視線を追って山頂を見る。
そこにはあの禍々しい存在があった。]
……この身でどこまで通用するか。
[ランサーに続いて、蒲生正宗を抜く。]
ですね。存外にイケると聞いています。
さて、表が盛り上がってきたようなので、ちょっと下がっていますね。料理の練習をしてきます。
……なるほど。ですが、聖杯との契約は絶対。
魔王という役割(クラス)を可能にする為に、彼の者は喚ばれたのだと、私はそう理解する。あなたをここに現界させ得たのもまた、聖杯のよるべである事には変わりないのでしょうから。
[サーヴァントとしての制約、クラスの枠による人格の付与。
眼前で否定されたシステムを肯定する。少年に課せられた役割。
弓兵(アーチャー)として、敵を射抜く事を果たす為に]
キャスター、ちょっとまった、その本は……。
[言葉が届く事はなかった。
キャスターは本を持って嬉しそうに厨房へと駆け込んでいった。
その後の厨房について語る必要はないだろう。
誰もが想像した結末が起きた、それだけの事である]
――そして、魔王たるあなたには。
主の裁きを受けていただくとしましょう。
[平静に告げて、手の中の物体に魔力を送り込む。
宝具の活性化と共に、偽装結界が消失した]
これが紛う事無き聖杯ならば、な。
[地へと向けて、切っ先を動かす。]
こんなもの、我が半身たる欲の器が、少しの気まぐれで聖なる杯の真似事をしているにすぎん。
その戯言ももはや終幕。
この戦いの終わりをもって我は本来の姿たる完全なる願望器、欲の器へとその姿を戻し……再び我の物とする。
そして我が内の信長を消し、人を消し……我が断罪を終わらせよう。
[静かに息を吸う。少年の唇から、詩篇の詠唱が始まる]
Dixit Dominus Domino meo: (主はわが主に言われる、)
sede a dextris meis (「わたしの右に座せよ」)
donec ponam inimicos tuos (「わたしがあなたの諸々の敵を)
scabellum pedum tuorum. (「あなたの足台とするまで」と)
[都もうでの歌。かつて主に捧げた言祝ぎの詩。
悉く敵を平らげ、諸王を打ち砕く怒りの日。
神秘を現出させ伝説を再現すべく、魔力を集積していく]
聖、何がチャンスなのだ。
その、誤解されてるかもしれないが、私はバーサーカーのことは信頼の置ける相方、という以外には……。
[思えない、という言葉を飲み込んだ]
仮にそうだとしても、私は非力だからな。何かできるわけでもない。
行くぜ!
[話が終わるや否や、左之助は地面を蹴って駆け出す。
戦いへの高揚感が体を満たすが、笑顔はこぼさない。
気合一閃、信長の顔目がけて突きを放った。]
[セイバー――、いや、魔王・波旬の姿を見て、みなみは彼のマスターの事を思った。元は信長の姿であり、それを使役していたはずの魔術師。それがこのように変わったら?]
聖杯は、その機能を前みたいに発揮することはなくなるって、ことだよね。
納得、出来てるのかな。喜べるのかな……。
人を消そうと、しているのに。
[いつだったか名塚に言われた言葉が頭に蘇る。
『――眞奈みなみ、一つだけ聞いてもいいかな?
――君は切り裂きジャックを使って得た勝利で喜べるのか?
――僕が聞きたいのはそれが正しいかどうかではなくて、君が納得できるかだね。』
結局、最後までどちらつかずの態度でしかいられなかった。それで良いのだと自分に言い聞かせて深く考えず、知りたい事を知ろうともしなかった。
思考が落ち着く前に、ダビデが詠唱を唱え始め、ランサーが槍を持って疾風のように駆けていく。その横でマスターらしき人影を探せど、見つかることは無かった]
“軽身”。
[一足先に駆けるランサー。
それに遅れること数瞬、自らも駆け出す。]
敵わぬからとて、戦わぬ道理は無い。
[波旬との距離を詰めた。]
[ランサーが地を蹴り、先陣を切っていく。――だが。
少年の中には、聞いておかねばならぬ疑問が生まれていた]
……?
信長を消し、人を消し。
何者の望みを叶えるというのです、魔王よ。
ヒトではない何かを選び、新たな世を作るとでもいう心算ですか?
望みを叶える……そんな必要は無い。
我が叶えるべき最後の望みは、遥か昔に聞き届けた。
其れももはや終わり、その願いは人には尊すぎたのだ。
……もはや、我が悲しみも慟哭も、小さき者に向けても意味は成さない。
お前らに向けるのは……憤怒のみ。
[正眼に金剛剣を構え、全身に力を篭める。
聖杯から流れる魔力、その膨大な奔流をその身を介して放出する。]
覇亜ァァァァ!
[雄叫びと共に、ランサーの槍へと向けて剣を振るう。]
……私は。
別に、その。
……。
バーサーカーを好きかと問われたら、嫌いではない、と答えるめだろうな。
でも、それだけだ。
たぶん。
[左之助の突きと共に、信長の剣が繰り出される。]
向こうのほうが速い!
[咄嗟に槍を引き戻して剛剣を受け止めるが、そのまま吹き飛ばされた。]
くっ……!
[叩き付けれた痛みに耐え、地面を転がりながら体勢を整える。]
何て馬鹿力だよ……。
[そう言って槍を構えなおした。]
[弾き飛ばされるランサーを横目に、さらに距離を詰める。]
小さき者の刃、食らってみるがいい。
[ランサーへの攻撃で生じた隙を狙って、波旬の胴を薙いだ。]
[波旬の言葉。上古から世界中に伝わる、滅亡の記憶。
この魔王もまたその一部を司る者だと理解し――だが、否定する]
ヒトの醜い所業への絶望、それ故に滅ぼそうと決めた。
――我が主もまた、かつてはそのようにお考えになった事がある。
それでも、主は救いの道を示された。
神の子と、聖杯という形で。
[三者の交わす剣戟。次第に苛烈さを増していく戦闘の優劣は明らかだった。加勢すべく五感を研ぎ澄まし、タイミングを見計らった]
[気配を消したせいか、それとも、目の前の戦いに気を取られているのか。
数本の木を挟んで、すぐの場所まで誰にも気付かれる事無く近付くことが出来た。]
……っ。
[その時、信長に巣食っている人物の言葉が聞こえた。]
『我が内の信長を消し』
……それだけは、させない…っ!
[気配を消したせいか、それとも、目の前の戦いに気を取られているのか。
数本の木を挟んで、すぐの場所まで誰にも気付かれる事無く近付くことが出来た。]
……っ。
[その時、信長に巣食っている人物の言葉が聞こえた。]
『我が内の信長を消し』
……それだけは、させない…っ!
[右腕の令呪に、大地のマナを集めていく]
…キャスターまで…何を言うんだ。
それは外見にだまされてるだけだ!
私が可愛いだなんて、そんなこと。
[バーサーカーの姿が見えて明らかにうろたえている]
(山の神のけみだし敷
山の神のさわら敷…)
[以前と違って、溢れる程の霊力が自分の中に流れてくるのを感じる。
そのまま、右手で空に格子描き、叫んだ]
「信長の中に巣食う者よ その動きを止めよ!」
[右腕の令呪が、引きつる様に熱く熱を放つ]
[バーサーカーのほうに押されてあわあわとしがみつく]
聖、今更こんなことで照れる私ではない。
良く考えたら地上にいたころはもっとくっついてたからな。
[開き直った]
その救いも、遥か昔の事だ。
もはや、それからすらも年月が経ち過ぎたのだ。
人は群れるほどに高潔さを失う。
溢れるばかりに増えすぎた人間は、今やその欲すら止まる事を知らぬ。
その末に人々の心は腐りきり!
今や大欲を抱こうとする物などごく僅か!
この極東の地においては、己の信心すら疎かにする者共のみよ!
あの尊いお方が願った衆生の姿などどこにもない!
この”信長”の時も酷い物であったが、いまやそれすらも比べ物にならん!
悲しみ!嘆き!慟哭!そんなものはとうに過ぎた。
――怒りだ!もはや怒りしかない!
[その顔は憤怒の表情。
その咆哮は辺りの木々すらも震わすほどに気に満ちている。
其処に振るわれる蒲生の刀。
其れを迎撃しようと、剣を構えた時に。
動きが止まる。]
…………。
…………。
………………、君は何をしているんだ。
[明らかにうろたえている瀬良悠乎を正面から見つめた。様子がおかしい。不審だ。怪しい。
彼女なら「私がかわいらしい、か。それは気のせいだ。そんなことより買い物の一つも覚えるがいい」と表情変えず言いそうだがその気配もない。
ただ、ヒジリやキャスターから聞こえた言葉を思案するように腕を組んで、仮面の英霊は呟こうとした。
「――君は十分にかわいらしいと思うが。
但しその真価を垣間見られるのは珍しいだけだ。外装と内面がちぐはぐだからな。いや、私も君のことを言えたものではないが。君は君が君自身の魅力を低く評価するのがある意味君の美徳であり魅力というか――。」
だがそれを呟くより先に普段の彼女に戻っていたようだ。ヒジリにがっしりしがみついているのはともかくとして。]
いや、いつもの君のようだ。
ああ、私の勘違いだったらしい。
忘れてくれ。
[バーサーカーは納得して引き続きじゃがとドレッシングをたしなんでいる。]
『そのまま食らいな。』
[頭の中に声が響くと同時に、腹部に衝撃が走る。
踏ん張ることすらできずに、そのまま横に飛ばされた。]
『ったく、本当に。』
イイ、女だろ?
[最後の言葉は、実際にセイバーの口から信長の言葉として呟かれた。]
――魔王、波旬。
あなたは主の御心の深さをご存知でない。
[憤怒に満ちた言葉。彼には決して受け入れ得ないのだろう]
主は人を深く愛されたがゆえに、そのひとり子をさえも、
人の贖罪の為にお送りになった。
あなたの言う尊いお方もまた、そうだったのではないのか?
[存在様式がそのように定まっているのだから。
そう理解しながらも、少年の心には憂いが満ちた]
[いつの間に聖にしがみついたのだろうと思いながら、バーサーカーのほうへ歩を詰めた]
バーサーカー。
何を言おうとした?
[波旬の言葉に思いを馳せたのは、須臾の間に過ぎなかった。
魔王の持つ黄金の剣。ランサーの槍を弾き飛ばし、蒲生の刀を折らんとする斬撃の速度が、不意に鈍った。
地の奥底から滲み出るような不可視の魔力が暴力の嵐を押さえ込もうと、異装のサーヴァントに絡みつく]
――!
[眼前に生まれた好機。過去最大にして再び訪れるかは不明。
魔力の源を考える猶予などなかった。直感が告げる]
――今しかない。
[高々と飛翔し、狙いを定める。
詠唱した詩篇の結びとなる一句を紡いだ]
Dominus a dextris tuis,
(主はあなたの右に立ち、)
confregit in die irae suae reges.
(怒りの日に諸王を打ち砕かれる。)
[ダビデとゴリアテの戦い。やがて来たるべき、黙示録の刻。それは“いと高き御座”の降臨する時でもある。“世界の外側”から宝具へと流れ込む魔力が、その現界を起こさんとする]
[互いに振るわれる刃。力の差で言えば、圧倒的に敵に分があった。しかし、不可視の力によって敵の動きが止まる。
こちらの刃が腹部に食い込み、敵を飛ばした。]
……通じ、た、のか……?
[自身が半信半疑になりながら、手応えを確かめる。]
[真名を告げる。眼下に煌めく黄金の剣を目掛けて]
主の御名において、僕(しもべ)たる我が茲に願う!
――《恐るべき御稜威の王(レクス・トレメンデ)》!
[玲瓏たる叫びと共に、祝福に満たされた鋼を投じた]
[右手の令呪が、ひとつ消える。
次の瞬間、信長の動きが鈍り、腹部に攻撃を受けたのを見て、息が止まりそうになる。]
……っ。
[目を逸らしたくなるのを、唇を噛んでこらえた。]
[盛大な勘違いがあったらしいがどうにかなったようなので割愛する。
じゃがを渡すと蒸し器に放り込んだ瀬良悠乎が近付いてくる。そして問う。
バーサーカーは思考した。ここで素直に話すべきだろうか。しかし死亡フラグはどこに潜んでいるか分からない。素直に話せばきっと彼女はこう返すだろう。
「私がかわいらしい、だと? それに外装と内面がちぐはぐとはなんだ。バーサーカー、お前には言われたくないぞ。自分のことを棚に上げて私の魅力? いつ私が自分を低く評価した。していないだろう? 分かったなら本能のまま口走るのは止すんだ。この駄犬め。そうだ明日の朝食の薪が足りなかったんだ。バーサーカーお前の仮面を借りるぞ――」
バーサーカーは思考の末結論した。]
――とりわけ何も。
強いて言うなら、そうだな……。
あのドレッシングは中々美味だった。
素晴らしい。ツカサも喜びのあまり気絶したようだ。
おのれ……信長ァァァァァ!!!
[拳で地面を殴りつけ、態勢を立て直す……が、そのままガクンと膝を突く。]
またも貴様が邪魔をするかっ。
貴様は我が内に押し込めたはず……!
『我が主君に呼ばれた気がしてな。
其れに何より――。
女に呼ばれたら、男は答えるもんだろう。』
[アーチャーの宝具が放たれる。
眼前へと迫る巨大な光。
嗚呼、あれは混沌に属するものを無へと帰す物。
受ければ我が身とて唯では済まない事等必定。]
今の間はなんだ。
どうせ色々考えた末になかったことにしたのだろう。
そんなだから、私は時々どうしたらいいのかわからなくなるんだ。
おまえの心の内を読めるほど、観察眼に長けているわけではないからな。
[バーサーカーの胸板をてしてし叩いた]
させぬ……我が罰せずして誰が罰するというのだ。
優しきあのお方に出来ぬことをする、我の役目……!
――邪魔は、させぬ!
[大声と共に、大地を踏みしめる。
滅ぼされぬ為に足掻く、命として正しいあり方だ。
だが……我はそれすらも、踏み抜く覚悟を持って此処に居るのだ。]
嗚呼ァァァァァ!
[声と共に、その場から離脱しようとする。
体全体に掛かる抵抗、だがそれすらも振り切ろうと渾身の力を振り絞る。]
[収束し、消える光。
其処からやや離れた場所に、セイバーの姿はあった。
その姿は奇しくも……。
己が主君を助けた信長と同じく、左腕を肩から失っていた。]
[一体何の力が働いたと言うのか。目で確認する事は無いまま、けれど、魔力がセイバーの動きを縛る。地にランサーの攻撃をかわし捻じ伏せたセイバーが、魔術師の蒲生の攻撃を腹部に食らい、膝をつく]
今の、は、令呪……?
マスターがこの辺りにいる、ということ?
[呟くと同時にダビデの宝具に集まっていく力。直視できぬ程の眩しい光は真っ直ぐに波旬の元へと飛び、そして――]
消えた……!?
[見渡せば、少し離れた位置に波旬の姿はあった。肩を失って尚も、あの光を受けて立っていられると言うその強さに、みなみは慄いた]
[放たれた光の飛礫は完全な効果を発揮し、それでも尚、魔王は健在――否、健在というには語弊があった。左肩から先の消失。戦闘力においては大きな痛手だろう。だが、少年の顔には焦燥が浮かぶ]
……、っ、く……
さすがに一投で倒せるほど、柔ではない、か。
[てしてし叩かれた。止めるのも忍びないのでそのままにしておいた。]
さすがは瀬良悠乎。よく分かっているじゃないか。
私は内面を晒すのは得意でなくなったし、君に読めないのも道理だろう。
だがな。瀬良悠乎。
だからと言って君が特別な振る舞いをすることはない。君は君のやりたいようにやればいい。
飼い犬の気分を気にして行動を鈍らせるなど、君らしくはない。魅力という意味だけではないぞ。これは強さにも関わることだ。自身の道を知る者と知らぬ者とではまた歩の強弱も変わってくる。
死んでから悩むことではないかもしれないがな。
[ドレッシングを飲み終えると容れ物の洗浄を始めた。]
とはいえ。
君の魅力は、既に発掘されているようだ。
今更な話だったか。
[きゃぴきゃぴしているヒジリとキャスターを一瞥した。]
[アーチャーの宝具が波旬を狙う。さすがのランサーも距離を取ってその一撃を見送った。]
「やるな、坊ちゃん!」
[視界が元に戻る前に。
ランサーは次の攻撃を繰り出していた。
その穂先が狙うは敵の心臓があった場所。]
[落下に移り始めた身体。
飛行や魔力放出といった能力(スキル)、或いは令呪の助けが無ければ、いかにサーヴァントといえど重力の軛に抗うことは不可能だった。反撃は必至の状況を防ぐべく、声を張り上げる]
――みなみ! 令呪の援護を!
[要請と共に、四肢を縮め防御の姿勢を取った]
バーサーカー。奴隷だの飼い犬だのと、何をいつまで言ってるんだ。
私は、バーサーカーをそんな風に思ったことは一度もないぞ。
おまえは、今は英霊かもしれないが、昔は人だったろう。
別に人と同じ扱いをしようとか、しなくちゃ、とか思ってるわけじゃなくて……。
おまえは私が自分を卑下している、というようなことを言っていたが、バーサーカーだって似たようなものだ。
奴隷だった過去は変えられないし、それによって英霊の座にいるのだから、それはもう仕方ない。
でも今は、今サーヴァントとして呼び出されている間は、奴隷じゃなくて、スパルタクスという男であってほしい。
[飛び上がった高い位置に居るダビデ。感じさせる身軽さはこの時ばかりはなく、肩を失ったセイバーがこの後とる行動など、わかりきっていた]
……っ!
[ただ只管に無力だった。恐怖に縛られて、足も上手く動かない。人を利用する魔術や、回復などの基礎魔術ならば昔から簡単にこなしてきた。みなみ自身の属性はどちらも、人を惑わすものと、その為の手段である声でしかないのだから。だが、今必要なのは、そういうものではない。もっと直接的に、人を、ダビデを、守る力]
[何も出来ないと思って諦めそうになる。けれど、意味が無い事かも知れない。けれど、みなみは強く想う。自分で、選んだのだ。父を喜ばせたかったから本家の命令に従い続けた。だがそれは、自分の意思だ。紛れもない、みなみの意思だ。ダビデと共に戦うと決めた。だから――]
Ay amor――
生きて!
Da la protección!
[出した結論は、本人への干渉魔術。守る事は出来ずとも、意のままに操る力を別に使うために。手の甲が、祈りに呼応して強く光った。行使する魔術に耐え切れず、思いの丈を埋めるように令呪が発動した]
ぐっ……。
[消え去った肩を抑えながら立ち上がる。
断面が焼けるほど熱い。
このまま燃え尽きて無くなってしまいそうだ。
己を蝕み消し去るような感覚、これが奴の……アーチャーの宝具か。]
小さき者と侮ったか。
いいだろう、貴様の願い、欲、夢。
全て残らず消してやろう……!
[瞬間、魔力のすべてが金剛剣へと集まり、黄金の輝きが黒い瘴気に包まれる。]
見えるか……これこそ負の全て。
憎・恨・怒・忌・呪・滅・殺・怨……。
死へと向かうこの世の欲よ……!
[刹那、両足に力を篭めて跳躍する。
向かうは上空のアーチャーへ、躊躇することなくその刃を振るった。]
[普段、決して言葉の多くない瀬良悠乎が、懸命に言葉を繋いでいる。
――その勘違いは悲しくもあり、嬉しくもあった。
だが仮面の下に埋もれた表情は、応えることは出来ない。]
織田と似たようなことを言うんだな。
……スパルタクスという男、か。
[それにどれほどの想いが籠められていたのだろう。
バーサーカーは、仮面の下で――ク、と笑った。]
…………。君の言葉を借りるなら。
スパルタクスという男は、過去の所業を評価されて英霊の座に就いたのではない。
故郷に帰してやれなかった。
墓にすら還してやれなかった。
私に賛同し、指示に従い、七万の奴隷は命を落とした。年端のいかない女子供もいたし、未来溢れる青年もいた。
六万は無惨に散り……六千は生きながらに磔にされ、鳥に啄まれるがままに死を与えられた者もい。反乱に加わらなかった奴隷も含めればもっと多いか。人として扱われはしなかったし記録にすら残らない。故郷に無事帰ったとて待っているのはローマの搾取。
そのような理不尽があっても良いものか。
手にも鼻にも耳にも目にもありとあらゆる五感に六腑に思考に記憶に、彼らの無念は染み付いている。
[令呪――聖杯のシステムを通じて呼び起こされた強大な魔力の障壁。擦過した斬風すらも弾き、少年には一筋の傷も無い。
着地し、金剛剣を振り切っての跳躍を終えつつある敵手に向けて、次弾を放つまでの時間を――そう、考えた瞬間だった]
……私、は。
[――異変は、少年の内部に起きていた。五感が消失している。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。それだけではなかった]
セイバーは、眞奈 みなみ を能力(襲う)の対象に選びました。
[今どこに立っているのか。
己が手にしているのは何なのか。
自分が今なすべきことは、何なのか。
意識さえも虚無の中に放り込まれたように、空白で埋め尽くされる]
――――。
――故に私は願ったのだ。
私は彼らの無念を以って座に就いた。
私は私ではなく、無念に固め上げられて出来た虚像。
……いや、確かに私はスパルタクスだが。「スパルタクスという象徴」であるのも確かだ。
目的は無念の成仏であり。
再びその無念が繰り返されるなら。
陽に笑う全ての民から幸福を根絶やしにし、陰に蔑まれる民に幸福を渡す。
……いや。
既に世が矮小な不幸に気付くつもりすら無いのならば、人類の滅亡が結果であっても構わない。
――――。
「私」の目的は無念であり。
その行動も無念故の塊だ。
今更、私一人が人間として生き、「彼ら」を差し置いて幸福を享受しようなどとは思わん。
……戯言はそれで終わりか。瀬良悠乎。
[スパルタクスは背を向けた。]
[喪われた五感、そして意識。淡く輝く光点を見出した、と感じた。それを手がかりに、自らを呼び戻す]
……そうだ。
……私、は。
[回復した意識。それが求める強い衝動があった。
右手の宝具を元の形状に戻し、身を起こす。魔力で編んだ剣を何処からともなく引き抜いた]
……死な、なければ。
[少年が手に在るは断頭の剣。
かつてゴリアテから奪い、その首を断ち切った因縁の剣。
ゆっくりと掲げ、自らの首筋に突き立てようとする]
Ay amor――
[一度、目ばたいた。幻聴のように響いた麗しい声。
だが少年は変わらず、ゴリアテの剣の切っ先を見つめる]
ダビデっ!
[令呪の生んだ光が瘴気に包まれ塗り替えられる。太陽が染めた橙色までもを消し去り、辺り一体がその渦に包まれたようだった。
目を凝らしてみれば、真っ直ぐに向かっていったそれはダビデを傷つけることがなく、けれど吸い込まれていった瘴気は確実にダビデを蝕んでいるようだった]
だめ――っ!
[再び響く、声。今度ははっきりと聞き取れた]
Ay amor――
生きて!
[声の主を、思い出す。眞奈みなみ。
再びの契約と契りとによって結ばれた、己がマスター。
そう気づいた瞬間、剣を握った手の自由が取り戻された]
[零距離から叩き込まれた魔力弾。
その威力は自分自身の魔力とは比べるのが失礼なぐらい強力だった。
それは重力を展開する間もなく着弾した。
まるで車にはねられた人のように飛び上がり、そして地面へと倒れこんだ]
[少年の視線の先にあるのは、跳躍しての斬撃から着地を終えた異装のサーヴァント。黄金の剣が音も無く持ち上げられ、こちらへと振り返ろうとする]
……みなみ。逃げ、ろ。
[波旬の隙を見逃さず、ランサーの槍が大きな軌跡を描いた。
切り取られた真円の空間。
放たれた光の円盤。両者の間を白光が疾駆した]
[足先の感覚が無い。膝も、脚も、腰も。全身の存在感すら希薄になったようで、立ち上がることが出来なかった]
……これが、奴の……宝具、か。
……死に至る、病。絶望という、名の。
[侵蝕を一時的に食い止めているのが、たった今みなみが行使した令呪の効果であるのは明白だった。冷え冷えとした暗渠が少年の心身を蝕んでいく。全身に行き渡れば、そこに在るのは確実な、死そのもの]
[言葉を失った。姿はいつも通りの儘なのに、急速に繋がった先から感じられるダビデの気が失われていくのが悲しかった]
そんなダビデを置いてなんて、行けるわけがっ……、
[ない、と続ける前に、ダビデの口から零れる、"死に至る、病"と言う言葉を聞いた。
――どんな魔術がその病に効くと言うのだろう。令呪に出来る事には限りがある。今それが齎している効果のように、その時間を少し延ばす事しか出来ないだろう。再び訪れる無力感に唇を噛んだ。そしてそれこそが、ダビデが逃げろと言った理由だと解れば、何も言う事は出来ず。小さい子供が駄々をこねるように首を横に振りながら、みなみはその手を伸ばし、ダビデの手に触れた]
……私は、もう持たない。みなみが令呪で命じたのでなければ、
……とうに、死んでいる、筈、だ。
[視界に白霧が掛かる。虚無という名の無明が迫っていた。
歯を食いしばり、強い光を眼差しに込める]
……ここから離れろ。今、すぐに。
私が倒れたら、逃げる。その約束、だ、ろう?
[みなみの手を一度だけ握り締めて、引き剥がす。
拳を形作り、送り出すように彼女の脚を押しやった]
…………。
寝たのか。
[瀬良悠乎は糸が切れたように眠っていた。
どれだけ自分の言葉を聞いていたのか、どんな想いで聞いていたのか――。
スパルタクスは願った。彼女の心を深く抉っていることを。願わくば、彼女が「ならばもういい」と諦めることを。
きっと彼女と接し続ければ、思い出さなくてもいいことを思い出すし、覚えていなければならないことを忘れてしまう。
――狂おしいほどの平穏。
愛でたい、と思う。
でも、無念を捨て去ることも出来はしない。
――殺したい、と思う。
……それでも、]
…………。すまない。
君と私は、生きた時代が違うんだ。
……分かるはずもないし、今の平和は君達の時代のもの。君に辛くあたる道理はなかった。
[それでも、この安らかな寝顔に罪はない。
それでも、この光景に罪はない。
……甘い毒の螺旋に溶かされているだけだとしても、今はそう思いたかった。]
――おやすみハルカ。
いい夢を。
[瀬良悠乎をそっと抱え、二人が用意してくれた布団へ運んだ。]
っ、ダビデ……!
[息が詰って、上手く息も、声も出なかった。目から光が消えていくのが手に取るようにわかる。ずっとここに留まって居たい気持ちに負けそうになる。繋いだ手の暖かさが、尚更に名残惜しかった。それでも、約束を思い出す。みなみの、自分の意思でした再契約と、その時誓った言葉を。ダビデの拳が行けと言うように、脚に触れた]
――ありがとう。
ダビデと出逢えて、本当に良かった。
[言いたい事は山ほどあって、けれど、精一杯涙が零れないように笑い、それだけ言うのが精一杯だった。立ち上がり、背を向けると一気に走った。振り返る事は出来なかった。一度でも振り返れば、その足が止まってしまいそうだった]
ああ――……そうそう。
私は、切ない幕切れの物語を語るのは、あまり好きではありません。
[バーサーカーにと視線を遣って、寝室へと*去っていった*]
残念ながらね……。
できればダビデには願いをかなえて欲しかったよ。
だけど、まだ終わりじゃない。
君の愛する人はまだ残っているじゃないか。
[去り際に視線を向けたキャスター。]
そうか。
この国では「お涙頂戴」というのだったか。
心配せずとも不幸自慢をするつもりもない。
これが架空の物語なら、最後に少女と騎士の恋の成就でも描かれるのだろうがな。
まあ、以後自重するとしよう。
不幸話って嫌いな人は徹底的に嫌いだからな。
かと言ってこいつ(スパルタクス)が恋に生きるとか、かなりの捏造行わんと無理だ。さすがにそこまでするつもりはない。
あって目覚める、くらいまでか。
――→流廻川――
[無我夢中で走り続け、河原に差し掛かると漸くみなみはその足を止めた。息が上がり、その場に座り込む]
……っ。
本当に、終わっちゃったんだ……。
[視界に入る手の甲。三本の線は、もう既に目を凝らさなければ見えない程になっている。その手に、涙がぽつりと落ちた。聖杯戦争が始まってから、涙を零した事は二度。過去を悪夢として見た時。ジャックが、"魔術師"としての人格を失って帰って来た時。けれどその二度とは違い、今度はもう、止まらなかった]
[聖杯戦争に負けたと言う事は大した事では決して無かった。だがその間に、沢山の大事な物を無くした気がした。例えば、ジャックやダビデ。どちらとも、ずっと一緒に居たいと思った気持ちに偽りはなかった。例えば、ずっと縋ってきた目標。本家の命令に従い続けることや、父親の期待に応え続けること。それだけの気持ちで動く事は、もう出来ないだろう]
――でも、間違いだなんて、思ってないよ。
これで、良かったんだ。
[今もしもやり直せるなら、きっと自分は、ジャックともっと向き合おうと努めただろうと、みなみは思う。けれど、それ以外のことに悔いは無いと言い切れた。聖杯戦争に参加した事も、今ここに居る事も、全てを含めて]
[風が一際、強く吹く。みなみの背後では今も尚、原田と蒲生が波旬を相手に戦っているだろう。その心配はしていなかった。原田と蒲生の二人ならばきっと大丈夫だと、信じられた。終わり行く夏の、更けて行く夜。露出した肌に風は寒いはずだった。けれど、みなみは不思議と誰かに包まれているような暖かさを感じていた。死して尚、ジャックやダビデが守っていてくれているような、そんな気がした]
――これで、良かったんだ。
[最後に零れた涙を拭う。掌を解けば、そこにはダビデに貰った石がある。それをポケットに再び入れて、空を見上げた。声には出さず、微笑んでありがとうと呟いて。みなみはようやく、*歩き出した*]
眞奈 みなみは遅延メモを貼りました。
[布団の中で、目を開けた。いつから眠っていたのかは定かではない]
……バーサーカー。平穏は、この国だからこそだ。
おまえの生きた時代ほどでないにせよ、私がすごした国々は、平穏では、なかった――。
それにもう。
全て遅いのだから。
[ まどろみの中から身を起こす。どうやらよく眠っていたらしい。どのくらい眠っていたのか、またいつどのように眠ったのかが判らない。それらはまるで知られてはいけない桃源郷の如く、深い霞の向こう側にあるようだった――]
ん………。
[ 視界に映るのは、陰りを帯びた少女の様子。何か声をかけるべきかと考えたが、それは少しはばかられた。
空気を読まずに話し掛けると何かを台無しにするだろう。しかし空気を読んだ事を話そうにもすでにここまでのこの思考が空気を読んだものとは思えない以上、かえって逆効果な気がしてならない。
ひとしきり考えて、ツカサはそっと声を掛けた。]
ぐーてんもーげーん皆の衆ー。
[ ツカサはモニターに録画されていた表の様子をひとおり眺めた。]
さて、流し見ながら昨晩の様子は確認したぞ、と。
お疲れ様のアーチャーとミナミを出迎えるためにとびきりの料理を用意しようかな。
[ ツカサは腕捲りをするとナマコを捌きはじめた。]
あ、あれ?
きっと反応ないんだろうなーって何事もなかったように次の行動に移ったときに限ったちゃんと反応もらえてたよ?!
[ うろたえまくりのままバーサーカーに小一時間問い詰められかけた。]
[バーサーカーは木彫りの熊に挑戦していた。]
……確かにな。
私も君も、既に命を亡くした。
私は願いを叶えることなく程なくして消滅するだろうし、君も、君がそう望むなら溶けて霧散するのだろう。
だが、君も言ったように私は英霊だ。
次はアラヤかもしれないし、サーヴァントかもしれない。いずれにしても、私が無念を捨て置けず、そう願い、そう在りたいと願ったことは変わらない。
…………、
[最後の言葉は続かなかった。
或いは瀬良悠乎には届かなかったろう。]
『私がこの時代に生まれていたら、どのように生きていたのかを考えることはある。
スパルタクスとはどのような「人間」だったのか、知りたいと思わないでもない。
それはきっと、あの猫と、街と―――君のお陰だ』
あ、僕の事は気にしないで。
アーチャーとミナミがやってくる前に仕込みを終わらせなきゃ。
[ 改めてナマコを捌きはじめた。]
あ、なんか勘違いした。
キラーとの約束って迎撃態勢の事だよね。なんかもう被害者意識ありありだね僕。どうしてなんだぜ…。
[ 己が身を振り返りながら遠い目をした。]
セイバーは、アーチャー を投票先に選びました。
それは、ええと…。
[ バーサーカーの言葉に怯えた声を出す。]
…ツカサロケットですか、それともツカサダイナマイトですか?
[ こんな展開しか思い浮かばない。]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[20]
[21]
[22]
[23]
[24]
[25]
[26]
[27]
[28]
[29]
[30]
[31]
[32]
[33]
[34]
[35]
[36]
[37]
[38]
[39]
[40]
[41]
[42]
[43]
[44]
[45]
[46]
[47]
[48]
[49]
[50]
[51]
[52]
[53]
[54]
[55]
[56]
[57]
[58]
[59]
[60]
[61]
[62]
[63]
[64]
[65]
[66]
[67]
[68]
[69]
[70]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新