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……っ!
[一瞬で頭に血が昇り、信長の頬を平手で打つ。乾いた音が部屋に響いた。]
……馬鹿っ!
私の事より貴方の方が……
[叩いた掌が痛い。
信長が、自分の事を心配してくれているのはわかっている。だけど、自分だって―
唇を噛みながら、腕の傷口に布を当て、包帯をがんじがらめに巻いていく。白い包帯が一瞬で紅に染まった。]
[頬に衝撃がくる。
別に痛みなどない、が。
何故かその行為で、セイバーは一瞬動けなくなった。]
……俺はあくまで兵だ。
将たるアカネを守るのが俺の役目、それを果たすのに必要な代償だった。それだけだ。
勝つ為には何でもするんじゃなかったのか?
ならこの程度、知らぬ顔で通せ。
[迷いのない目で、そう言い切る。]
だが、謝らないとな。
――すまんな、もう抱きしめることはできないようだ。
[残った右手で、必死に包帯を巻くアカネを抱き寄せた。]
―― 午後・駅前 ――
まいったね…。
[ 雑踏の中で、ぽつりと小さく呟いた。
現在どれだけの英霊が残っているのか。それを聞ければと教会まで足を運んだ時、強大な魔力が発動するのを感じてツカサは南ブロックへと向かったのだ。そこで目撃したのは、キャスターとセイバーの戦いだった。
ツカサが見たのは、セイバー達が逃げ出す最後の数瞬だけである。が…。]
おかしいだろう、あれは。
[ 逃げ出す間際の、セイバーの一刀。渾身の一撃を振るうセイバーより、何かが滲み出ていたようにツカサには思えた。
思い出すは流廻川での信長の猛攻。有り得ぬ某かが垣間見えた瞬間。
そして先程目撃した戦い。尋常ならざるはずのキャスターの魔力、そのほとんどが費やされたにも関わらず、倒れる事なく逃走を果たしたセイバー。]
あんなのに勝てるのかい、一文字…。
[ 兎も角、まずは左之助と合流を計ろう。ツカサは御守りを取り出すと、左之助の魔力を探った。]
代償…ですって!?
(知らぬ顔で通せだなんて、そんな事、出来るはずがない―)
なんで、わからないの…っ!
[歯がゆくて、涙がこぼれ落ちる。
自分が傷ついた現実よりも、目の前で信長が傷ついた方が、痛い――
いつの間にか、これ程までに、自分の中で信長の存在が大きくなっているなんて―]
………馬鹿…。
[右腕で抱き寄せられ、泣き顔を隠す為に、相手の胸元に顔を伏せた。]
−工場地帯→蒲生邸−
[意識を取り戻すと、キャスターがよろめきながら己を支えていた。見ると存在感が希薄に感じられるほど疲弊している。立場を入れ替え、キャスターの身体を両腕で抱えると、その身体は驚くほど軽かった。]
……愚か者、お前が消えてしまったらアレを倒せんではないか。
[主人に支えられ、「申し訳、ありません……」と消えそうな声で謝罪するキャスターに、よい、と短く答え、屋敷に戻った。]
ああ、代償だ。
何処の勝ち戦でも、その勝利は屍の上にある。
将ならば顔色を変えずに、敵であろうと味方であろうと、
平然とその屍を踏みつけろ。
少なくとも、俺はそうして生きた。
[そう、あの負け戦の時も。
俺は光秀と秀吉、そして親友の家康にですら、殿を任せて逃げた。
例え奴等が死ぬことになろうとも。]
残念ながら、馬鹿やうつけと言われるのは慣なれている。
でもこれが……。
[そう、この世には、3つのやり方がある。
良いやり方、悪いやり方。
そして。]
[信長の言葉に、強く唇を噛み締める。口内に、わずかに血の味が広がった。
以前の自分なら、躊躇うことなく信長の言葉に頷いただろう。
むしろ― サーヴァントという存在を、対等な人間として見れていたかも怪しい。
目的の為に、他のすべてを切り捨てる。勝つ為に。
けれど――]
……っ…。
[今はどうしても、その言葉に頷けない。
兵として、まっすぐにその役割を果たそうとする信長に、何も答えられずに、ただ小さく首を振り続けるしか無かった。]
−蒲生邸−
[弱り切ったキャスターを寝室に休ませる。そこは霊脈を通じてもっとも魔力の集まる場所だった。]
しばらく休んでいろ。
[部屋にいるだけで、自身にも魔力が流れ込んでくる。敵マスターに負わされた無数の傷と信長の一撃で損傷した背中を魔術で修復しようと試みるが、魔力が不足していた。]
……足りぬ、か。
[ちら、とキャスターを見る。今朝の静かな寝顔とは異なり、額に汗を浮かべ、苦しそうな表情をしていた。]
−教会−
[毎夜 聖杯に選ばれしものたちは刃を交え、魔力を放ち、互いの血液を空気に触れさせあっている。
……それはまるで、血で描く戦いの絵巻、血文字で記す戦いの叙事詩。
ここ、交叉市で"聖杯"が観測されてから、繰り返されてきた数多の争い。その度に有名無名の英霊がその座より呼ばれ、聖杯に選ばれしマスターに従い殺戮を繰り返す。
それは、聖杯戦争に於いては珍しくない事象である。
ただし、交叉市に現れた"聖杯"は、必ずいくつかの特殊な現象を欲した。]
[過去に呼ばれた英霊のクラスには、必ずイレギュラーのクラスが召還された。
"復讐者-アヴェンジャ-" "支配者-ロード-" "統率者-コマンダ-" "商う者-マーチャント-" "戦闘者-ソルジャー-" etc...
そして今回召還されたクラス "殺戮者-キラー-"。
特殊な現象を起こす"聖杯"であっても、過去に勝者が願ったことに関しては、完璧なほどまでに叶えられた。
まさに、この世の法則を覆しかねないほどの質量で……。]
[但し。
特殊現象を好むこの"聖杯"にも、過去の聖杯戦争時に必ず守られていた規範があった。
それは、「マスターは必ず7人選ばれる」ということだ。]
―― 蒲生邸前 ――
[左之助は帰宅の途中で梧桐と合流し、蒲生邸に来ていた。
行きすがら話は既に聞いている。
梧桐の口から出た蒲生と組むという話は、左之助をやや釈然としない気持ちにさせた。
どこかに信長とさしでやりたいと言う気持ちを持っているためかもしれない。
だが、梧桐の態度は真剣そのもので無下に反対できない気持ちもあった。
屋敷に入っていく梧桐の後に続き、左之助も門をくぐった。]
[しばらくの時を経て、キャスターの寝息が幾分安らかになったと思われた。
その時、屋敷への侵入者を知らせる警報が鳴る。]
このような時に……。
[敵であればまずい。そう思いながら玄関に向かった。]
―― 蒲生邸・玄関 ――
[ 出来ることなら、左之助には気持ちよく戦わせてやりたい。これが聖杯戦争であるという前提を考慮しても、ツカサはそう考えていた。だが――
――第六天魔王・波旬。
以前に信長について調べていた時に辿り着いた、突拍子ない推論。それがツカサの脳裏に貼り付いて離れないでいたのだ。
もしも。もしもセイバーが織田信長という英霊という存在で終わるものではなく、某か危険な因子を孕む存在であったなら。それを倒すために、手段を選んでいる余裕などありはしないだろう。]
セイバーとの対決のため、貴方達に共闘を申し込みに参りました。理由は――
[ 出迎えた蒲生家の当主に目的を単刀直入に伝え、自身の推論と共にその理由を語る。]
その見返りとして… 流廻川の霊道を其方へと開放します。魔力の足しとしていただければ。
[ この提案に、交渉の余地など考えてはいない。自分の持つカードを全て差し出し、その返答を待った。]
[ゴドウの話を聞きながら考える。己とキャスターが万全であれば、この場でゴドウを殺していたかもしれない。が、今はそんな状況でもなかった。
信長の危険性はゴドウに言われるまでもなく、肌で感じていた。ただ、それを強敵としての存在感にすり替えらていただけかもしれない。
それに、こちらにとって最高の結界である屋敷に乗り込んでくるゴドウという男は信用できると判断した。直接刃を交えたランサーも、武人として悪からぬ印象を持っている。]
……よかろう。
ただし目的は信長を倒すだけだ。
馴れ合いは好まん。
[数瞬の逡巡の後、静かに答えた。]
ありがとうございます。充分です。
[ 元よりそのつもりの共闘提案である。問題はない。
そしてお互いの緊急連絡手段と、知り得る限りの信長の情報などを交換しあい、セイバーに遭遇したら可能な限り早い合流と、戦闘地域の確認をして屋敷を後にした。]
決闘の次は共闘か……。
ま、面白いめぐり合わせじゃねぇの。
ツカサ、話が決まったなら行こうぜ。
蒲生様はお疲れのようだ。しばし休んでもらおうや。
[左之助はキャスターの姿が無いのが気になったが、問うてもはぐらかされるだろうと思い、それには触れない。]
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