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………消えろ。
[ 部屋の奥の暗がりから、低い呟くような男の声に。女の姿は跳ねた水のように消え去った。
trrrrr... trrrrr...
鳴り続ける電話の音にため息をひとつ。そうしてから男は重い腰をあげ受話器を手に取り口を開く。]
…はい。
………ええ、これからはじめます。バックアップの方は、打ち合わせどおりに。
…もちろんです。必ずや、梧桐の血を本流へと。…はい。では。
[ 務めて、短く会話を打ち切り受話器を置く。そして、深く息を吐いた。]
[ 梧桐の血を本流へと。
それが、梧桐 曹(ゴドウ ツカサ)に託された願いだった。だが、しかし。]
行ってくるよ、マナカ。運命を変えるために…君の力を借りる。
[ テーブルの上にあるフォトスタンドに語り掛ける。そこに写っているのは、さきほど闇に浮かび上がっていた女性の姿。
フォトスタンドの横に置いてあった、正円に一文字が入っただけの家紋が刻まれた懐剣を手にすると、ツカサは部屋を出て行った。]
[ ――深夜:流廻川 河原
ツカサの周囲は不自然なほどに濃い闇が降りてきていた。
創り出された闇の中で、河原に迷うことなく召喚陣を描いていく。右手に握る絵筆で左手に持つパレットより望みの色を取り出すと、ひと振り。
数度これを繰り返した後には、淡く光る召喚陣が描き出されていた。]
………さあ。
[ ポケットから取り出した懐剣を、召喚陣の中央へと捧げる。正円に一文字の家紋が、鈍い輝きを発する。]
我が願いの為に、英霊よ…我が前へと………。
[ 聞こえ難い声が、魔力を持ちマジナイを生み始めた――]
5人目、ランサー がやってきました。
ランサーは、村人 を希望しました。
[召喚陣がひときわ輝いた後、光が弾けた。
まず現れたのは空中で回る長槍、続けて弾けた光が集い、それをつかむ男の姿を形となる。]
よっしゃあぁぁ!久方振りの現世だぜ!
お呼びとあらば答えよう!原田左之助、ここに推参!
[そう名乗りつつ頭上で回していた槍を、力強く傍らに突き置く。
河原に乾いた音が響く中――]
名前は隠しておいた方が良いんだっけか……?
まあ、いいか!
[と言い、からからと笑った。]
[ 弾けた光が辺りを覆っていた闇を吹き飛ばした。
慌てて目を庇ったが少し眩んでしまった。視力の回復しきらぬうちに景気のいい声が名乗りを挙げたのを聞いて、口から安堵の息が漏れる。
よかった。望んでいた英霊を呼べたようだ。
目をこすり、口元に和らいだ笑みが浮かぶのをおさえることもなく、現れた人物に話しかけた。]
ああ、よかった。お会いできて光栄です、原田左之介どの。呼び出された理由はご存知ですね? 私が貴方のマスターとなる梧桐 曹と申します。どうぞ、よろしく。
[ ひとしきりの挨拶と共に、右手を差し出した。]
[相手に手を差し出させたまま、左之助は値踏みするように梧桐の姿を見つめる。
高楊枝をくわえたままくるくると回すと――]
ちょっと硬ぇな!
[と、言いながら梧桐の肩をばんと叩いた。]
マスターって異国語は口慣れないんで、「呼び出し人」って言わせてもらうぜ。
名前を呼べる時はそうするけどな。
呼び出した理由は願いをかなえるため……だろ?
なら、俺たちは同志だ!
マスターとか英霊とかはどうも面倒くせぇ。
俺はそうだな……「左之助」とでも「一文字」とでも好きに呼んでくれや。
[左之助はここで梧桐の右手を握ると、「まあ、よろしくな」と言い、にやりと笑った。]
[ ばんと叩かれた肩に顔をしかめるも、好感の持てる相手の態度に少しづつ緊張がほぐれていく。]
はい。ありがとうございます。では、一文字とでも呼ばせていただきます。…一応、真名は伏せておいたほうがよいと思いますので。
私のことはツカサとでも呼んでもらえれば。こんな喋りをしてはいますが、私も堅苦しいのは好きではありませんゆえ。
[ 笑みをつくり、握られた右手を強く*握り返した*]
やっぱ、硬ぇよ!まあ、いいけどな。
呼び名はツカサね、承知したぜ。
[闇は晴れ、星の光が頭上で瞬いている。
夜の河原に心地よい風が*通っていった。*]
6人目、蒲生 延 がやってきました。
蒲生 延は、村人 を希望しました。
−深夜 西ブロック・蒲生家屋敷−
[寂れた旧住宅街に佇む武家屋敷の一室で、男は左手甲を見つめている。視線の先には数日前に現れた聖痕。現れた当初、それはぼんやりとしていて形も定かではなかった。]
……来たか。
[今、輪郭がくっきりと現れたそれを見て、男は満足そうに呟く。
部屋の中央には血液で描かれた魔法陣。片隅にはその血液を生み出した肉塊――かつて魔術師であったもの――が転がっていた。
充満する鉄の匂い。男は片膝をついて左手で陣の中央に触れ、左肩の魔術刻印を起動させた。]
[男――蒲生延の家は400年続いた武家である。しかし、蒲生家の名を成さしめたのは、魔術だった。魔術によって武器を、鎧を、そして己の身体を強化し、武功を立てて名を後世に残した。
幼い頃よりその技を受け継ぎ磨いてきた延にとって、戦いこそが日常であり生き甲斐だった。さらなる強者との戦い。さらなる強さを得られる場所。聖杯戦争とは、延にとってまさにそういうものである。
延は、魔術師としてはあまり上等ではない。そのため、召喚には代々受け継がれた刻印と霊脈の力を必要とした。加えて、触媒となる所縁の品もなく、強力な英霊を狙って呼ぶことなど不可能である。
しかし、延にとってそれは些細な問題でしかなかった。
魔術刻印による自動詠唱が終わるのに合わせて、一言だけ付け加える。]
……我が召喚に応じよ、“キャスター”。
[魔法陣を象る液体が蛍光色の光を発した。]
7人目、キャスター がやってきました。
キャスターは、村人 を希望しました。
[
膨大な魔力が渦を巻いて召喚陣へと流れ込み、光の嵐が吹き荒れる。
空間を満たす濃密なエーテルが陣の中心へと収束し、徐々にカタチを成していく。
瞬間。
凝集した光が弾け、全てを覆い尽くした。
そして、静寂。
陣の中心に佇んでいたのは、重厚な鎧を着込んだ屈強な大男でも、自信に充ち溢れた精悍な青年でもなかった。
滑らかな絹のローブを纏った、細身の女性。
どれだけ控え目な評価をしてみても、美女の範疇に収まる容貌。
エーテルの残滓が放つ淡い輝きが、整った眉目に陰影を与え、彼女の美貌を強調している。
寸鉄すらも帯びてはいないが、それが人ならざる存在であることは、その華奢な身体に宿った魔力量からして、明白だった。
そんな存在が、たおやかな足取りで陣から歩み出して、小さく身を屈めて蒲生延へと一礼した。
]
――……御目にかかれて光栄です。
از دیدن شما خیلی خوشوقتم
貴方が私のマスターですね?
؟است استاد شما
[
誰もが耳を傾けたくなるような、柔らかく透き通った、心を蕩かせるソプラノ。
優しく、それでいて深い知性の輝きを宿した双眸は、確かに蒲生延へと向けられていた。
]
[立ち上がり、冷たい視線で女性を見下ろす。
女性の可憐な口元から発せられた音は聞き慣れない。
しかし魔術回路の繋がりを感じ、意思が直接頭に流れ込むように言葉として理解された。]
いかにも。……お前はキャスターだな。
真名は何という?
[微かな驚きを瞳に浮かべて、躊躇いがちに首を縦に振る]
――……はい、この身はキャスターのサーヴァントです。
私の名は、シェエラザード。
この国の発音ですと……シエラザード、或いは、シェヘラザードになるのでしょうか。
マスターが御存知かどうかは判りませんが、中世ペルシアの――……魔術師です。
[
言葉が途切れたのは、幾つかの理由によるものだった。
そのなかでも最大の原因は、周囲を漂う錆びついた血臭。
視界の隅に映った、明らかに殺害されたものと思しき人間の死体だった。
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